(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-17
(45)【発行日】2022-11-28
(54)【発明の名称】可撓性部分及び剛性部分とともに位置決めピンを備える車両光モジュール
(51)【国際特許分類】
F21S 41/19 20180101AFI20221118BHJP
F21S 41/147 20180101ALI20221118BHJP
F21S 41/151 20180101ALI20221118BHJP
F21S 41/24 20180101ALI20221118BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20221118BHJP
F21W 102/155 20180101ALN20221118BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20221118BHJP
【FI】
F21S41/19
F21S41/147
F21S41/151
F21S41/24
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21V19/00 450
F21W102:155
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2021517380
(86)(22)【出願日】2019-09-17
(86)【国際出願番号】 EP2019074908
(87)【国際公開番号】W WO2020064441
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-05-12
(32)【優先日】2018-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】391011607
【氏名又は名称】ヴァレオ ビジョン
【氏名又は名称原語表記】VALEO VISION
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【氏名又は名称】森 秀行
(72)【発明者】
【氏名】フランソワ、ベッレザイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-マルク、グレゾ
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/179465(WO,A1)
【文献】特開2012-081009(JP,A)
【文献】特開平04-348893(JP,A)
【文献】特開平09-201003(JP,A)
【文献】特表2013-524426(JP,A)
【文献】実開昭49-084971(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/19
F21S 41/147
F21S 41/151
F21S 41/24
F21V 19/00
F21W 102/155
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力車両照明及び/又は信号装置光モジュールであって、
- 支持部(20)に取り付けられる少なくとも1つの光源(21、22)と、
- 前記光源と係合して光ビームを形成するための光学ユニット(1)と、
- 位置決めオリフィス(25)に挿入される少なくとも1つの位置決めピン(30)を含む位置決めシステムであって、前記支持部に前記位置決めピン及び前記位置決めオリフィスのうちの一方が設けられ、前記光学ユニットに前記位置決めピン及び前記位置決めオリフィスのうちの他方が設けられる、位置決めシステムと、を備え
前記位置決めピン(30)又は前記位置決めピン(30)のうちの少なくとも1つは、2つの向かい合う部分を含み、剛性部分(31)として知られる当該部分のうちの一方は、可撓性部分(32)として知られる当該部分のうちの他方よりも、大きな剛性を持つことを特徴とする光モジュール。
【請求項2】
前記可撓性部分(32)は、弾性を有し、それが前記剛性部分(31)を前記位置決めオリフィス(25)のエッジ部(26)に対して押し付けるように配置されることを特徴とする請求項1に記載の光モジュール。
【請求項3】
前記位置決めピン(30)又は前記位置決めピン(30)のうちの少なくとも1つはスプリットピンであり、当該スプリットピンはスロット(33)を含み、当該スロット(33)は前記2つの部分(31、32)を互いから分離することを特徴とする請求項1又は2に記載の光モジュール。
【請求項4】
前記剛性部分(31)は、前記光学ユニット(1)の部分(35)に固定される補強隆起(34)を含み、対応する位置決めピンが当該補強隆起(34)から突出し、それが前記スロットに対して横方向への力に対抗するように配置されることを特徴とする請求項3に記載の光モジュール。
【請求項5】
前記補強隆起(34)は第1の剛性支持ゾーン(36)を有し、当該第1の剛性支持ゾーン(36)は、前記支持部(20)に直交する方向における、特に垂直方向における、配置を可能にすることを特徴とする請求項4に記載の光モジュール。
【請求項6】
少なくとも2つのスプリット位置決めピン(30)を備え、当該少なくとも2つのスプリット位置決めピン(30)のスロット(33)が位置合わせ方向(B)に位置合わせされることを特徴とする請求項3~5のいずれか一項に記載の光モジュール。
【請求項7】
少なくとも3つの位置決めピン(30)を備え、第3のスプリット位置決めピンが前記位置合わせ方向(B)から距離をおいて位置合わせされることを特徴とする請求項6に記載の光モジュール。
【請求項8】
前記位置決めピンの又は前記位置決めピンのうちの少なくとも1つの前記可撓性部分は板ばねであり、当該板ばねは、それが前記剛性部分に近づくにつれてその応力が増大するように配置されることを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の光モジュール。
【請求項9】
前記位置決めピン又は前記位置決めピンのうちの少なくとも1つは、特にバイインジェクション(bi-injection)によって得られる、二材料であり、前記剛性部分は第1の材料から作られ、前記可撓性部分は第2の材料から作られることを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の光モジュール。
【請求項10】
前記剛性部分(31)は、前記光学ユニット(1)のいずれかの部分に押し付けられる第1の剛性支持ゾーン(36)を備え、前記支持部(20)は対応する位置決めオリフィス(25)を含み、この部分は、このオリフィスの1つ又は複数のエッジから分離されることを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の光モジュール。
【請求項11】
前記光学ユニットは一体型光学ユニット(1)を備え、当該一体型光学ユニット(1)は、1つ又は複数のコリメータ(2’、2”)、カットオフ部材(4)及び出力部材(5)を備え、当該1つ又は複数のコリメータ(2’、2”)、当該カットオフ部材(4)及び当該出力部材(5)は、それらがカットオフビームを形成するように対応する光源(21、22)によって射出される光線(r1、r2、r3)を成形するように配置されることを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の光モジュール。
【請求項12】
前記位置決めピン(30)及び/又は前記位置決めピンの前記剛性部分(31)は、前記一体型光学
ユニット(1)と一体的に形成され、前記支持部(20)は前記位置決めオリフィスを含むことを特徴とする請求項11に記載の光モジュール。
【請求項13】
前記位置決めピン(30)は前記1つ又は複数のコリメータ(2’、2”)の周りに配置されることを特徴とする請求項12に記載の光モジュール。
【請求項14】
前記位置決めオリフィス(25)及び/又は前記位置決めピン(30)は:
- 前記可撓性部分(32)の前記剛性部分(31)に向かう変位の方向において、前記位置決めピンは、対応する位置決めオリフィスのエッジとともに第1の遊びを有し、
- この変位の方向を横切る方向において、前記位置決めピンは各々、対応する位置決めオリフィスのエッジと接触し又は対応の位置決めオリフィスのエッジとともに第2の遊びを有し、前記第1の遊びは前記第2の遊びよりも大きい、
ように配置されることを特徴とする請求項1~13のいずれか一項に記載の光モジュール。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の光モジュール(100)を備える車両照明及び/又は信号装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源が光学ユニットに対して位置決めされる、特に動力車両用の、光デバイスの分野に関する。
【発明の概要】
【0002】
特に、発明は、光学ユニットを配置するための手段と係合するこの源の支持部を配置するための手段によって、この位置決めが保証される光モジュールに関する。より具体的には、これらの位置決め手段は、ピンと、これらのピンが挿入されるオリフィスと、である。
【0003】
「位置決め」とは、スペースにおける少なくとも1つの方向における所与の位置決めを保証することを可能にする位置決め部を意味するように与えられる。
【0004】
正確な位置決めを確実にするために、ピンをオリフィス内に挿入することにより、互いに直交する3方向の位置決めが知られている。位置決めはこれらの3方向におけるものであるため、理論的には1つの位置のみが可能である。その結果、遊びがないと、支持部が組み立てられる場合に、支持部は、光学ユニットに取り付ける前に、正確に位置決めされる必要がある。
【0005】
しかしながら、光源支持部及び光学ユニットは、時には異なる製造業者によって別々に製造され、したがって、特に穴及びオリフィスの位置決めに関して、ある製造公差を有する。若干のずれがあると、組み立てが困難あるいは不可能になる恐れがある。
【0006】
これを回避するため、既知の解決策は、対応するオリフィスよりも十分に小さい直径の位置決めピンを製造することであり、それによって遊びが、ピンの周囲に、それとオリフィスのエッジとの間に存在する。
【0007】
これにより取り付けを保証することを可能にするが、1つの欠点は、支持部が光学部に組み立てられた後もこの遊びが残ることである。その結果、特に車両が使用されている場合に、光学ユニットに対する光源の位置決めにおいて精度が失われる。その結果、光モジュールから放出されるビームの質の低下もある。
【0008】
したがって、本発明によって対処される1つの技術的課題は、光学ユニットにおける支持部の組み立てを保証しつつ、光学ユニットに対する光源の位置決めの精度を改善することである。
【0009】
この目的のために、本発明の第1のオブジェクトは、動力車両照明及び/又は信号装置であり、
- 支持部に取り付けられる少なくとも1つの光源と、
- 光源と係合して光ビームを形成するための光学ユニットと、
- 位置決めオリフィスに挿入される少なくとも1つの位置決めピンを含む位置決めシステムであって、支持部に位置決めピン及び位置決めオリフィスのうちの一方が設けられ、光学ユニットに位置決めピン及び位置決めオリフィスのうちの他方が設けられる、位置決めシステムと、を備え;
位置決めピン又は位置決めピンのうちの少なくとも1つは、2つの向かい合う部分を含み、剛性部分として知られる当該部分のうちの一方は、可撓性部分として知られる当該部分のうちの他方よりも、大きな剛性を持つ。
【0010】
これにより、支持部が光学ユニットにおいて組み立てられる場合、オリフィスとそれが係合する位置決めピンとがずれていると、このオリフィス内へのこのピンの挿入を可能にするように可撓性部分が変形することができ、剛性部分がピンをオリフィス内に案内する。これにより、可撓性部分は、組み立て時において小さい範囲の可動を許容し、より容易な組み立てを保証することができる。いったん挿入されると、可撓性部分はオリフィスと接触し、それによって遊びを制限又は排除することができる。その結果、モジュールが照明及び/又は信号装置において組み立てられる場合に又は車両が使用される場合に、位置決めがより正確になり、変動の影響を受けにくくなる。
【0011】
発明による光学部は、任意選択で、以下の特徴のうちの1つ又は複数を含むことができる:
- 可撓性部分は、弾性を有し、それが剛性部分を位置決めオリフィスのエッジ部に対して押し付けるように配置される;これは、組み立て時の動作範囲及びより正確な位置決めを確保しつつ、遊びを完全に排除することを可能にする;
- 位置決めピン又は位置決めピンのうちの少なくとも1つはスプリットピンであり、当該スプリットピンはスロットを含み、当該スロットは前記2つの部分を互いから分離する;これは、特に成形又は機械加工によって、2つの部分とともにピンを製造する簡単な方法である;
- 剛性部分は、光学ユニットの部分に固定される補強隆起を含み、対応する位置決めピンが当該補強隆起から突出し、それがスロットに対して横方向への、特にスロットに垂直な方向への、力に対抗するように配置される;これにより剛性部分によるガイドが、それを補強することによって、改善される;
- 補強隆起は第1の剛性支持ゾーンを有し、当該第1の剛性支持ゾーンは、支持部に直交する方向における、特に垂直方向における、配置を可能にする;2つの機能が同じ要素によって実行され、それによって位置決めシステムの製造を簡素化する;
- 光モジュールは、少なくとも2つのスプリット位置決めピンを備え、当該少なくとも2つのスプリット位置決めピンのスロットが位置合わせ方向に位置合わせされる;これは、位置合わせ方向に垂直な簡単な位置決めを可能にする;
- 光モジュールは、少なくとも3つの位置決めピンを備え、第3のスプリット位置決めピンが位置合わせ方向から距離をおいて位置合わせされる;これにより、2つの直交する方向の均衡(isostatism)が保証される;
- 第3の位置決めピンもスプリットピンであり、当該スプリットピンのスロットは、前記位置合わせ方向に対して垂直に向けられている;動作の範囲が許容され且つ組み立てを簡素化しつつ、位置決めの精度が向上される;
- 位置決めピンの又は位置決めピンのうちの少なくとも1つの可撓性部分は板ばねであり、当該板ばねは、それが剛性部分に近づくにつれてその応力が増大するように配置される;これは、剛性部分をオリフィスのエッジに押し付ける簡単な方法である;この板ばねは、特に金属製の、インサートとしうる;
- 位置決めピン又は位置決めピンのうちの少なくとも1つは、特にバイインジェクション(bi-injection)によって得られる、二材料であり、剛性部分は第1の材料から作られ、可撓性部分は第2の材料から作られる;これは、2つの部分を作る別の方法である;
- 第2の材料は、第1の材料よりも柔軟性があり、オプションで弾性がある;
- 第1の材料はポリカーボネート(PC)であり、第2の材料はシリコーンである;
- 光モジュールは、いくつかの位置決めピンを備える;位置決めが改善される;
- 光モジュールは少なくとも3つの位置決めピンを備え、当該少なくとも3つの位置決めピンは、互いに横切る、特に直交する、3つの方向で均衡が達成されるように配置される;位置決めがさらに改善される;
- 剛性部分は、光学ユニットのいずれかの部分に押し付けられる第1の剛性支持ゾーンを備え、支持部は対応する位置決めオリフィスを含み、この部分は、このオリフィスの1つ又は複数のエッジから分離される;これにより、オリフィスのエッジと剛性部分との間の位置決め方向とは別の方向の位置決めを実現することが可能になる;特に隆起の場合、それはこの隆起のベースと頂点との間に延びることができ、この頂点は第1の支持ゾーンを含む;
- 光モジュールは、各々が第1の支持ゾーンを持つ3つの位置決めピンを備える;これにより、第1の3つの支持ゾーンが位置決め平面を定め、この平面に垂直な方向の位置決めを可能にする;
- 光学ユニットは、1つ又は複数のコリメータ、カットオフ部材及び出力部材を備え、当該1つ又は複数のコリメータ、カットオフ部材及び出力部材は、それらが、カットオフビームを形成するように光源から発せられる光線を形作るように配置され、一体型光学部は1又は複数のコリメータを備える;特に、光学ユニットは、一体型光学部を備えることができ、当該一体型光学部は、1つ又は複数のコリメータ、カットオフ部材及び出力部材を備え、当該1つ又は複数のコリメータ、カットオフ部材及び出力部材は、それらが、カットオフビームを、特にロービームを、形成するように光源から発せられる光線を形作るように配置され;位置決めの正確さは、迷光のリスクを最小化することが可能であり、それは、特に一体型部分とともに、カットオフビームとの関連において特に重要である;
- 位置決めピン及び/又は位置決めピンの剛性部分は、前記一体型光学部と一体的に形成され、支持部は位置決めオリフィスを含む;これにより、光学ユニットに対する支持部の正確な位置決めを達成することができる;
- 位置決めピンは1つ又は複数のコリメータの周りに配置される;
- 支持部はプリント回路基板であり、1又は複数の位置決めオリフィスを有し、光学ユニットは1又は複数の位置決めピンを有する;光学ユニットは、例えば、一体型光学部を含むことができる;
- 光源は発光ダイオードである;
- 位置決めオリフィス及び/又は位置決めピンは:
- 可撓性部分の剛性部分に向かう変位の方向において、位置決めピンは、対応する位置決めオリフィスのエッジとともに第1の遊びを有し、
- この変位の方向を横切る方向において、位置決めピンは各々、対応する位置決めオリフィスのエッジと接触し又は対応の位置決めオリフィスのエッジとともに第2の遊びを有し、第1の遊びは第2の遊びよりも大きい、
ように配置される;
特に、スプリット位置決めピンの場合、第1の遊びはスロットの横方向端の各側において存在しうる;
- 1又は複数の位置決めオリフィスは、一方向に長く引き伸ばされた形状である;特に、スプリット位置決めピンの場合、1又は複数の位置決めオリフィスは、スロットに平行な方向における方が、それを横切る方向におけるよりも、広くすることができる。
【0012】
発明の別の目的は、発明による光モジュールを含む車両照明装置及び/又は信号装置である。
【0013】
発明はまた、特に車両の電力供給部に接続される、発明による車両照明装置及び/又は信号装置を含む車両に関する。
【0014】
明記しない限り、「前方」、「後方」、「上方」、「底」、「横断」、「縦」、「水平」の用語及びそれらの派生語は、対応する光モジュールからの光の放出の方向を指す。明記しない限り、「上流」及び「下流」という用語は、光の伝播の方向を指す。
【図面の簡単な説明】
【0015】
発明のさらなる特徴及び利点は、以下の非限定的な実施形態の詳細な説明を読むことで明らかになり、それは添付の図面を参照することでより明確に理解され当該添付の図面において:
【
図1】
図1は、発明による光モジュールの一例の光学部の上方前方斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1における光学部の縦断面図であり、それにおいて光源も示されている。
【
図4】
図4は、
図1における光学部の後方部の上面図であり、それにおいて光源も示されている。
【
図5】
図5は、
図4による光学部及び取り付けられた光源支持部を持つ光モジュールの後方部を示す。
【
図6】
図6は、
図5における光モジュールの上方後方斜視図である。
【
図7a】
図7a及び
図7bは、それぞれ、従来技術による位置決めピン及び発明による位置決めピンの例を示す。
【
図7b】
図7a及び
図7bは、それぞれ、従来技術による位置決めピン及び発明による位置決めピンの例を示す。
【
図8】
図8は、上方カットオフラインを持つビームを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1~
図3は、発明の一実施形態による光モジュールの光学ユニットの例を示す。ここで、この光学ユニットは一体型の光学部1である。
【0017】
この例において、光モジュールは車両のヘッドランプ光モジュールである。
【0018】
光学部1は、第1の複数のコリメータ2’及び第2の複数のコリメータ2”を備える。これらのコリメータ2’、2”の各々は、光源21、22によって放出される光線r1、r2、r3を受けるための入力屈折面2を含み、当該光源21、22は、ここでは対応するコリメータ2’2”の自由端に対して面して且つ近くに配置され、この例では上方において下向きに照明する。
【0019】
この例において、光源は、発光ダイオードであり、LED21としても知られる。
【0020】
これらの光線r1、r2、r3は、屈折によって、コリメータ2’、2”に、したがって光学部1に、入る。
【0021】
ここで、第1の複数のコリメータは、2つのコリメータ2’を含み、当該2つのコリメータ2’は各々、反射部材3に光学的に結合され、当該反射部材3は、カットオフ部材4に光学的に結合され、次に出力部材5に結合される。したがって、これらの異なる要素は、一緒に結合され、それらが光源21によって放出される光線を成形してカットオフビームを形成するように配置される。
【0022】
各コリメータ2’は、ここでは屈折及び全反射によって、LED21によって放出される光線r1、r2、r3を、より集束されたビームで、反射部材3に向けて送るように配置される。
【0023】
ここで、この反射部材3は、それが、全反射により、これらの光線r1、r2、r3をカットオフ部材4に向かって、より具体的にはこのカットオフ部材4のエッジ4aに向かって、反射するように配置された屈折面である。例えば、反射部材3は、これらの光線r1、r2、r3を、このエッジ4aに配置された焦点ゾーンに向けて反射することができる。
【0024】
これらの光線r1、r2、r3は、以下で説明するように、3つの異なる方法でこのエッジ4aを通過し、そして出力部材5に、ここでは光学部1の出力屈折面5に、到達する。そして、それらは、屈折により、出力屈折面5を通って光学部1を出る。
【0025】
この出力屈折面5は、それがエッジ4aの画像を投影するための部材を形成するように配置される。
【0026】
したがって、特に出力屈折面5の焦点ゾーンにおいて、ベンダー(bender)の表面4bに出会うことなく、エッジ4aに最も近く通過する光線r1は、光モジュールの光軸Oに平行に出力屈折面5によって屈折される。
【0027】
しかしながら、このエッジ4aの上方を通過する光線r2及びr3は、出力屈折面5によって下向きに屈折されるであろう。
【0028】
下向きに屈折したこれらの光線のいくつか、r2、は、まず反射部材3によって出力屈折面5上に直接的に反射され、エッジ4aの上方を通過する。下向きに屈折した他の光線r3は、まずエッジ4aの背後の反射部材3によって反射され、したがって、ベンダー4によって、全反射により、出力屈折面5に向かって反射され、同様にエッジ4aの上方を通過する。
【0029】
したがって、光線r1、r2、r3のうちのほとんど又はすべてでさえ、光学部1を出るビームの形成に寄与する。このビームは、光モジュールによって放射される光ビームである。
【0030】
さらに、このビームは、
図8に示すように、上方カットオフラインLを有する。このカットオフラインLは、エッジ4aの画像に対応し、したがって当該エッジ4aの画像は、ベンダー4のカットオフエッジを形成し、光線は、カットオフライン上(光線r1)又は下方(光線r2、r3)で最も高く送られる。
【0031】
ここで、ビームはロービームの中央部分である。エッジ4aが、カットオフラインLの形状に対応して、斜め部分と、この斜め部分の両側の2つの水平部分とを有することが観察されうる。
【0032】
ここで、第2の複数のコリメータは、5つのコリメータ2”を含み、当該コリメータ2”は各々、上流から下流に、反射部材3”、カットオフ部材4”、及び出力部材5”に光学的に結合され、
図3で説明されるのと同じ原理に従って、それらが、水平カットオフビームを形成するように光源から放出された光線を形成するように配置される。違いは、ここでは、カットオフエッジ4a”が水平面にあることである。
【0033】
中央部分及び水平カットオフビームは、ロービームを形成するように同時に放射される。
【0034】
したがって、コリメータ2’、2”、反射部材3、3”、カットオフ部材を形成するベンダー4、4”、及び出力反射面5、5”の入力屈折面2を形成する屈折面は、その配置により、ビームを、それがロービームに対応するように成形することが可能である。したがって、これらの屈折面は、光学部1の活性面を形成する。
【0035】
したがって、LED21、22の、それらのそれぞれのコリメータ2’、2”に対する位置決めの重要性が、理解されるであろう。位置決めエラーが発生した場合、光線r1、r2、r3は、光学部1が設計された経路をたどらない。したがって、望まれたものに合致しないビームが得られるリスクがある。
【0036】
これは、第1の複数のコリメータ2’では、カットオフラインLより上方に光線を有することを可能な限り回避するために、したがって前方の又は反対方向から来る車両のドライバーを眩惑させることを可能な限り回避するために、いっそう重要である。
【0037】
この目的のために、光学部1には、位置決めピン30が設けられる。
【0038】
図1、2、及び4~6に示されるように、位置決めピン30は、数が3つであり、2つの向かい合う部分:
- 剛性部分31、
- 剛性部分31よりも剛性が低いという意味で、可撓性部分32
を含む。
【0039】
ここで、3つの位置決めピン30はスプリットピンであり、当該スプリットピンはスロットを備え、当該スロットは示されておらず、これらの2つの部分31、32を互いから分離する。
【0040】
これらの位置決めピン30の各々は、ここでは上方に、光学部1の一部分から突出しており、この部分は、以後、ベース35と呼ばれる。
【0041】
概して、発明によれば、剛性部分31は、ここでそうであるように、補強隆起34を有することができる。この補強隆起34は、前記ベース35とこの隆起34の頂点36との間に延びることができる。
【0042】
この頂点36は、ここでそうするように、以下で説明するように、第1の剛性支持ゾーン36を形成することができ、当該第1の剛性支持ゾーン36は、支持部に直交する方向への、ここでは垂直方向Zへの、配置を可能にする。
【0043】
ここで、第1の3つの剛性支持ゾーン36、すなわち各位置決めピン30のそれらは、平坦であり、同一平面上にある。したがって、それらは、これらの支持ゾーン36を通過する位置決め面を形成し、これにより、この位置決め面に垂直な方向の変位に応じた配置を可能にする。したがって、ここで、それらは、これらの支持ゾーン36に支えられるようにこの支持部が取り付けられる場合、垂直方向Zへの支持部の配置を可能にする。
【0044】
発明によれば、それらがここであるように、補強隆起34が、それぞれの位置決めピン30に対してそれらの全長に沿って接続されることができ、したがって、可撓性部分32から剛性部分31に向かう動きにおいてそれぞれの位置決めピン30を強化することができる。
【0045】
図4~
図6において見られるように、LED21、22を入力屈折面2及びコリメータ2’、2”に対して正しく配置するために、これらの位置決めピン30は、位置決めオリフィス25とともに、光学部1における光源21、22の支持部20を位置決めするためのシステムを形成する。
【0046】
ここで、位置決めピン30は、光学部1と一体的に形成され、支持部20は、位置決めオリフィス25を備える。
【0047】
この例において、支持部20はプリント回路基板であり、当該プリント回路基板においてLED21、22が配置されて固定されている。したがって、この基板において位置決めオリフィス25を製造し、光学部1において位置決めピン30を製造することが、より容易である。
【0048】
それにもかかわらず、示されていない他の実施形態によれば、これは逆にされることができ、位置決めピンが支持部において製造され、位置決めオリフィスが光学ユニットの一部において製造される。例えば、そのような配置は、支持部がラジエーターであり、光学部が反射物である場合に適用されうる。
【0049】
発明によれば、可撓性部分32は弾性でありうる。この例において、これはスロット33によって得られる。
【0050】
スロット33は、可撓性部分32の柔軟性を可能にし、特に剛性部分31に向けて可能にする。
【0051】
後者の剛性は、補強隆起34によって増大される。
【0052】
この配置及びその効果は、
図7a及び7bを参照して以下に説明される。
【0053】
図7aは、従来技術による位置決めピンPを示す。それは、光源支持部Sの位置決めオリフィスRと係合する。光学ユニット及びこの支持部が組み立てられないリスクを回避するために、位置決めピンPの横方向エッジとこの位置決めオリフィスRのエッジとの間に遊びJが設けられている。
【0054】
図1~
図6に示される光学部のものなどの位置決めピン30を示す
図7bにおいて、位置決めピン30は、支持部20の位置決めオリフィス25に収容され、剛性部分31は、位置決めオリフィス25のエッジ26に対してもたれる。
【0055】
発明によれば、ここにあるように、スロット33が、それが位置決めピン30の長手方向軸に沿って深さ方向に延びるように配置されることができる。特に、スロット33は、位置決めオリフィス25を通って、位置決めピン30の自由端から離れて移動する位置決めオリフィス25を超えて、延びることができる。
【0056】
組み立て中、可撓性部分32の柔軟性は、それが剛性部分31に近づくことを可能にする。位置決めピン及びオリフィス30、25がずれている場合、この移動の範囲は、可撓性部分32がスロット33内に曲がることを可能にし、位置決めピン30が位置決めオリフィス25内に適合することを可能にする。
【0057】
さらに、この可撓性部分32の弾性は、戻り力を生成し、それによって、可撓性部分32は、位置決めオリフィス25のエッジ26を押して、位置決めピン30を、剛性部分31に面するエッジの部分に向かって移動させる。したがって、この剛性部分31は、位置決めの正確さを保証する。
【0058】
ここで、取り付け後に残っている遊び27は非常に小さく、従来技術の遊びJの8分の1よりも小さいことが分かる。
【0059】
この遊び27は、特に、可撓性部分32がオリフィスのエッジに押し付けられて押し付け発揮し、剛性部分31をオリフィス25のエッジ26に押し付けることで、ゼロにすることさえできる。
【0060】
特に、ここでの場合のように、この押し付けは、スロット33を横切る方向に発揮される。
【0061】
さらに、支持部20は、LED21、22を保持するその面が第1の支持ゾーン36に押し付けられた状態で、押し込まれる。したがって、
図7bに示されるように、この第1の剛性支持ゾーン36は、対応する位置決めオリフィス25のエッジ26に隣り合う支持部20の部分に押し付けられる。
【0062】
この例において、光学部1は、3つの位置決めオリフィス25と係合する3つの位置決めピン30を含み、それによって、互いに直交する3つの方向における均衡が達成される。
【0063】
ここでモジュール100の上面図である
図4及び5において見られるように、支持部20は、同一平面上にある第1の3つの支持ゾーン36にあり、したがって、ここでは水平な、
図4において点線の長方形によって記号化された平面Aに含まれる。これは、この平面Aにおける支持部20の位置決めを可能にし、したがって垂直位置での組み立てを可能にする。これは、垂直方向Zへの変位に対する正確な位置決めを可能にする。言い換えれば、組み立て中に、第1の支持ゾーン36は、垂直方向Zにおける停止部を形成する。
【0064】
ここで、これらの図における上部に配置された2つの前方位置決めピン30のスロット33は、ここでは横方向Yに平行な、位置合わせ方向Bに位置合わせされている。
【0065】
ここで、前方位置決めオリフィス25はわずかに一方向に長く引き伸ばされた形状であり、それによってこれらの前方位置決めピン30は、それらのスロット33の各側方端で遊びを有し、それらの両側に垂直に遊びを持たない。したがって、横断方向の遊びは、この位置合わせ方向Bで許容される。
【0066】
さらに、対応する可撓性部分32の動作範囲は、リスクの少ない組み立てを可能にし、2つの剛性部分31を位置決めオリフィス25のエッジ26に押し付けることを可能にし、したがって、位置合わせ方向Bに平行な位置決め線29に沿って2つの剛性部分31を押すことを可能にする。したがって、位置決め線29が光学部1に対する支持部20の反動限界を形成するので、長手方向の位置決めが、すなわち長手方向の配置がある。
【0067】
ここで後方において、第3の位置決めピン30は、位置合わせ方向Bから、したがって前方位置決めピン30のスロット33を通過する線から、距離がおかれている。
【0068】
これは、支持部20の改善された垂直方向の支持を可能にする。
【0069】
また、この後方位置決めピン30のスロット33は、それが位置合わせ方向Bに垂直な縦直線Cと位置合わせされるように、配置される。
【0070】
したがって、この後方位置決めピン30の可撓性部分32の動作の範囲は、対応する剛性部分31を、位置決めオリフィス25のエッジに対して、したがってこの縦直線Cのポイントにおいて、押し付けることを可能にする。前方位置決めピン30は、横方向の遊びのみを、すなわち位置合わせ方向Bに平行に、許容するので、このポイントは、これにより、支持部20の横方向変位の変位限界を形成し、したがって光学部1と支持部20との間に横方向位置決め部を形成する。
【0071】
したがって、これらの3つの位置決めピン30だけで、3つの直交する方向:長手方向X、横方向Y、及び垂直方向Zに、光学部1において支持部20の位置決めを可能にする。
【0072】
後方位置決めオリフィス25は、それが前方位置決めピン30の可撓性部分32の動作の範囲を容易にするように縦方向の遊びを可能にするように、後方側で開いていることに留意されなければならない。
【0073】
ここで、
図7bにおいて見られるように、位置決めピン30は、複数のコリメータ2’、2”の周りに又はあるコリメータ2’に隣り合ってさえ、配置される。
【0074】
示されていない変形によれば、そのような均衡位置決めは、3つの位置決めピンによって得られることができ、それらのうちの少なくとも1つは、特に金属製の、それが板ばねによって形成されるという点で可撓性部分が異なるという点において、前の位置決めピン30とは異なることに留意されなければならない。このばね板は、位置決めピンに打ち込むか、組み込まれることができ、当該ばね板は、弾性応力下に置かれることによって、剛性部分に向かって変位されることができる。
【0075】
示されていない変形によれば、そのような均衡位置は、3つの位置決めピンによって得られることができ、それらのうちの少なくとも1つは、剛性部分が第1の材料、特にPC、で作られ且つ可撓性部分が第2の材料、特にシリコーン、で作られるという点で、前の位置決めピン30とは異なり、それにより、可撓性部分が剛性部分に向かって圧縮される場合に、増大した応力による弾性変形を可能にする。