(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-17
(45)【発行日】2022-11-28
(54)【発明の名称】無線モジュール
(51)【国際特許分類】
H01Q 23/00 20060101AFI20221118BHJP
H01L 23/36 20060101ALI20221118BHJP
【FI】
H01Q23/00
H01L23/36 D
H01L23/36 Z
(21)【出願番号】P 2022080902
(22)【出願日】2022-05-17
【審査請求日】2022-06-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【氏名又は名称】片岡 央
(74)【代理人】
【識別番号】100188891
【氏名又は名称】丹野 拓人
(72)【発明者】
【氏名】土谷 信之介
【審査官】岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-514571(JP,A)
【文献】国際公開第2021/145096(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/153068(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0291115(US,A1)
【文献】特開2012-084599(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 23/00
H01L 23/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と、前記第1面とは反対側に位置する第2面と、を有し、前記第1面に開口して前記第2面まで延びる貫通孔が少なくとも一つ形成されたメイン基板と、
前記第1面に対して電気的に接続された第3面と、前記第3面とは反対側に位置してアンテナが実装された第4面と、を有するアンテナモジュール基板と、
平面視において前記貫通孔と重なるように前記第3面上に実装され、前記アンテナに電流を供給する少なくとも一つの給電素子と、
前記第2面と対向するように配された基部を有するヒートシンクと、
平面視において前記貫通孔と重なるように配され、前記給電素子と前記ヒートシンクとの双方に接触する少なくとも一つの放熱シートと、
前記ヒートシンクを前記メイン基板に固定するとともに、前記アンテナモジュール基板を前記ヒートシンクに向けて押し付ける固定機構と、を備える、無線モジュール。
【請求項2】
前記固定機構のうち前記アンテナモジュール基板と接触する部分が樹脂で形成されている、請求項1に記載の無線モジュール。
【請求項3】
前記固定機構は、
外周面に螺旋状の突起が形成されたねじ部と、前記ねじ部よりも大きい径を有する頭部と、を有するねじ部材と、
弾性を有し、前記ねじ部が挿通されて前記頭部に接触する環状部材と、を含む、請求項1または2に記載の無線モジュール。
【請求項4】
前記アンテナモジュール基板、前記メイン基板、および前記ヒートシンクの各々には、前記ねじ部材が挿通されるねじ孔が形成されている、請求項3に記載の無線モジュール。
【請求項5】
前記固定機構は、前記アンテナモジュール基板に接触する第1固定部材と、前記ヒートシンクに接触する第2固定部材と、をさらに含み、
前記第1固定部材および前記第2固定部材の各々には、前記ねじ部材が挿通されるねじ孔が形成されている、請求項3に記載の無線モジュール。
【請求項6】
前記固定機構は、前記アンテナモジュール基板に接触する第1固定部材をさらに含み、
前記第1固定部材および前記ヒートシンクの各々には、前記ねじ部材が挿通されるねじ孔が形成されている、請求項3に記載の無線モジュール。
【請求項7】
前記給電素子は平面視において前記アンテナモジュール基板の縁部に位置している、請求項1または2に記載の無線モジュール。
【請求項8】
複数の前記給電素子を備え、
前記複数の給電素子の各々は、平面視において前記貫通孔と重なっており、前記放熱シートに接触している、請求項1または2に記載の無線モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、メイン基板と、アンテナモジュール基板と、給電素子と、ヒートシンクと、放熱シートと、を備える無線モジュールが開示されている。アンテナモジュール基板の裏面は、メイン基板の表面に対して電気的に接続されている。給電素子は、アンテナモジュール基板の裏面に実装されるとともに、メイン基板に形成された貫通孔の内部に配置されている。ヒートシンクは、メイン基板の裏面に対してねじ止めされている。ここで、放熱シートは、先述した貫通孔の内部に位置し、給電素子とヒートシンクとの双方に接触している。この構成により、給電素子で発生した熱は、放熱シートを介してヒートシンクに放出される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】D. G. Kam, D. Liu, A. Natarajan, S. K. Reynolds and B. A. Floyd, "Organic Packages With Embedded Phased-Array Antennas for 60-GHz Wireless Chipsets," in IEEE Transactions on Components, Packaging and Manufacturing Technology, vol. 1, no. 11, pp. 1806-1814, Nov. 2011, doi: 10.1109/TCPMT.2011.2169064.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、給電素子からヒートシンクへの放熱効率を高めるうえでは、放熱シートが給電素子およびヒートシンクによって圧縮されていることが好ましい。そのため、例えば非特許文献1に記載の無線モジュールにおいては、ねじを強く締めることで、ヒートシンクをメイン基板に対し強く押し付けていた。これにより、ヒートシンクと給電素子とが近接し、放熱シートが圧縮される。
【0005】
しかしながら、非特許文献1に開示された構成において、ねじを締める力は、アンテナモジュール基板をメイン基板から引きはがす向きに働く。そのため、放熱効率を向上させるためにねじを締める力を強めると、アンテナモジュール基板とメイン基板との電気的接続が不安定になったり、当該接続が切断されたりする可能性があった。また、電気的接続の安定性を確保するためにねじを締める力を制限する方法も考えられるが、この場合、放熱シートが十分に圧縮されず、放熱効率が低下する可能性があった。つまり、非特許文献1に開示された無線モジュールにおいては、給電素子からヒートシンクへの放熱効率の向上と、アンテナモジュール基板およびメイン基板の電気的接続の安定性と、を両立させることが困難であった。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされ、給電素子からヒートシンクへの放熱効率の向上と、アンテナモジュール基板およびメイン基板の電気的接続の安定性と、を両立できる無線モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の態様1は、第1面と、前記第1面とは反対側に位置する第2面と、を有し、前記第1面に開口して前記第2面まで延びる貫通孔が少なくとも一つ形成されたメイン基板と、前記第1面に対して電気的に接続された第3面と、前記第3面とは反対側に位置してアンテナが形成された第4面と、を有するアンテナモジュール基板と、平面視において前記貫通孔と重なるように前記第3面上に実装され、前記アンテナに電流を供給する少なくとも一つの給電素子と、前記第2面と対向するように配された基部を有するヒートシンクと、平面視において前記貫通孔と重なるように配され、前記給電素子と前記ヒートシンクとの双方に接触する少なくとも一つの放熱シートと、前記ヒートシンクを前記メイン基板に固定するとともに、前記アンテナモジュール基板を前記ヒートシンクに向けて押し付ける固定機構と、を備える、無線モジュールである。
【0008】
本発明の上記態様によれば、固定機構を用いてアンテナモジュール基板をヒートシンクに向けて押し付けることで、給電素子とヒートシンクとの間で放熱シートを圧縮することができる。これにより、給電素子からヒートシンクへの放熱の効率を高めることができる。また、固定機構がアンテナモジュール基板をヒートシンクに向けて押し付ける力は、アンテナモジュール基板とメイン基板とが互いに引き剥がされる向きとは反対の向きに働く。そのため、固定機構の押し付け力を高めたとしても、アンテナモジュール基板とメイン基板との電気的接続は切断されにくく、当該接続の安定性を確保することができる。つまり、放熱効率の向上と電気的接続の安定性とを両立することができる。
【0009】
また、本発明の態様2は、態様1の無線モジュールにおいて、前記固定機構のうち前記アンテナモジュール基板と接触する部分が樹脂で形成されている、無線モジュールである。
【0010】
また、本発明の態様3は、態様1又は態様2の無線モジュールにおいて、前記固定機構は、外周面に螺旋状の突起が形成されたねじ部と、前記ねじ部よりも大きい径を有する頭部と、を有するねじ部材と、弾性を有し、前記ねじ部が挿通されて前記頭部に接触する環状部材と、を含む、無線モジュールである。
【0011】
また、本発明の態様4は、態様3の無線モジュールにおいて、前記アンテナモジュール基板、前記メイン基板、および前記ヒートシンクの各々には、前記ねじ部材が挿通されるねじ孔が形成されている、無線モジュールである。
【0012】
また、本発明の態様5は、態様3の無線モジュールにおいて、前記固定機構は、前記アンテナモジュール基板に接触する第1固定部材と、前記ヒートシンクに接触する第2固定部材と、をさらに含み、前記第1固定部材および前記第2固定部材の各々には、前記ねじ部材が挿通されるねじ孔が形成されている、無線モジュールである。
【0013】
また、本発明の態様6は、態様3の無線モジュールにおいて、前記固定機構は、前記アンテナモジュール基板に接触する第1固定部材をさらに含み、前記第1固定部材および前記ヒートシンクの各々には、前記ねじ部材が挿通されるねじ孔が形成されている、無線モジュールである。
【0014】
また、本発明の態様7は、態様1から態様6のいずれか一つの無線モジュールにおいて、前記給電素子は平面視において前記アンテナモジュール基板の縁部に位置している、無線モジュールである。
【0015】
また、本発明の態様8は、態様1から態様7のいずれか一つの無線モジュールにおいて、複数の前記給電素子を備え、前記複数の給電素子の各々は、平面視において前記貫通孔と重なっており、前記放熱シートに接触している、無線モジュールである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の上記態様によれば、給電素子からヒートシンクへの放熱効率の向上と、アンテナモジュール基板とメイン基板との電気的接続の安定性と、を両立可能な無線モジュールを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1実施形態に係る無線モジュールを示す断面図である。
【
図2】第2実施形態に係る無線モジュールを示す断面図である。
【
図3】第3実施形態に係る無線モジュールを示す断面図である。
【
図4】第4実施形態に係る無線モジュールを示す断面図である。
【
図5】第5実施形態に係る無線モジュールを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係る無線モジュール1Aについて図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る無線モジュール1Aは、メイン基板10と、アンテナモジュール基板20と、給電素子30と、ヒートシンク40と、放熱シート50と、固定機構60Aと、を備える。メイン基板10は、第1面10aと、第1面10aとは反対側に位置する第2面10bと、を有する。
【0019】
(方向定義)
ここで、本実施形態では、メイン基板10の厚み方向を単に厚み方向Zと称する。厚み方向Zは、第1面10aおよび第2面10bに直交する方向でもある。厚み方向Zに沿って、第2面10bから第1面10aに向かう向きを、+Zの向きまたは上方と称する。+Zの向きとは反対の向きを、-Zの向きまたは下方と称する。また、厚み方向Zから見ることを「平面視」と称する場合がある。厚み方向Zに直交する一方向を、第1方向Xと称する。第1方向Xに沿う一つの向きを、+Xの向きまたは右方と称する。+Xの向きとは反対の向きを、-Xの向きまたは左方と称する。厚み方向Zおよび第1方向Xの双方に直交する方向を、第2方向Yと称する。第1方向Xおよび第2方向Yは、第1面10aおよび第2面10bが延在する方向でもある。
【0020】
メイン基板10としては、例えば、プリント基板等を用いることができる。ただし、メイン基板10の種類はプリント基板に限られず、後述する第1接続パッド12等を実装可能であれば公知の基板から適宜選択可能である。本実施形態において、メイン基板10の第1面10aは上方を向いており、第2面10bは下方を向いている。本実施形態に係るメイン基板10には、第1面10aに開口して第2面10bまで延びる貫通孔11が形成されている。本実施形態において、貫通孔11は、メイン基板10の平面視における中央部に位置している。
【0021】
アンテナモジュール基板20は、第3面20aおよび第4面20bを有する。第3面20aは、下方を向き、メイン基板10の第1面10aに対向している。第4面20bは、第3面20aとは反対側に位置し、上方を向いている。第4面20bには、アンテナ21が実装されている。アンテナ21は、例えば、導体によって形成された平板状のパターンである。アンテナモジュール基板20としては、例えば、SLC(Surface Laminar Circuit)基板等を用いることができる。ただし、アンテナモジュール基板20の種類はSLC基板に限られず、アンテナ21および後述する接続パッド22、23等を実装可能であれば公知の基板から適宜選択可能である。
【0022】
第3面20aは、メイン基板10の第1面10aと電気的に接続されている。言い換えれば、アンテナモジュール基板20は、メイン基板10の第1面10aに実装されている。本実施形態においてより具体的には、第1面10aに第1接続パッド12が実装され、第3面20aに第2接続パッド22が実装され、第1接続パッド12と第2接続パッド22とが接続導体C1によって電気的に接続されている。接続導体C1は、第1接続パッド12および第2接続パッド22の双方に接触している。接続パッド12、22および接続導体C1は、導電性を有する材料によって構成されている。なお、図示の例において接続パッド12、22および接続導体C1は2つずつ設けられているが、接続パッド12、22および接続導体C1の数は適宜変更可能である。
【0023】
給電素子30は、アンテナモジュール基板20の第3面20a上に実装されている。本実施形態においてより具体的には、第3面20aに第3接続パッド23が実装され、給電素子30の上面に第4接続パッド31が実装され、第3接続パッド23と第4接続パッド31とが接続導体C2によって電気的に接続されている。接続導体C2は、第3接続パッド23および第4接続パッド31の双方に接触している。接続パッド23、31および接続導体C2は、導電性を有する材料によって構成されている。なお、図示の例において接続パッド23、31および接続導体C2は2つずつ設けられているが、接続パッド23、31および接続導体C2の数は適宜変更可能である。
【0024】
給電素子30は、アンテナ21に電流(RF信号)を供給する役割を有する。給電素子30としては、例えばRFIC(Radio Frequency Integrated Circuit)等を用いることができる。先述した第3接続パッド23とアンテナ21とは、不図示の配線部材によって電気的に接続されている。本実施形態に係る給電素子30は、第4接続パッド31、接続導体C2、第3接続パッド23および当該配線部材を介してアンテナ21にRF信号を送出し、また、当該送出信号の位相を制御する。この構成により、電波をアンテナ21から所望の方向に放射することができる。
【0025】
給電素子30は、メイン基板10に形成された貫通孔11と平面視において重なるように配されている。図示の例においてより具体的には、給電素子30の少なくとも一部が貫通孔11の内部に位置している。この構成により、メイン基板10と給電素子30との構造的な干渉が防止される。なお、給電素子30の全体が貫通孔11の内部に位置していてもよい。あるいは、平面視において貫通孔11と給電素子30とが重なっていれば、給電素子30は貫通孔11の外部(上方または下方)に位置していてもよい。また、本実施形態に係る給電素子30は、平面視においてアンテナモジュール基板20の中心部に位置しており、アンテナ21と重なっている。
【0026】
本実施形態に係るヒートシンク40は、基部41と、突出部42と、複数のフィン43と、を有する。基部41は、メイン基板10の第2面10bと対向するように設けられている。図示の例においてより具体的には、基部41は、メイン基板10の第2面10bと接触している。
【0027】
本実施形態に係る突出部42は、基部41の平面視における中央部から上方に向けて突出している。また、突出部42は、平面視において貫通孔11と重なっている。図示の例においてより具体的には、突出部42の少なくとも一部が、メイン基板10に形成された貫通孔11の内部に位置している。
【0028】
放熱シート50は、突出部42の上端に位置している。放熱シート50は、給電素子30の下面と突出部42の上端との双方に接触している。放熱シート50は、給電素子30から発生した熱を吸収し、吸収した熱をヒートシンク40に放出する。また、本実施形態に係る放熱シート50は、可撓性を有し、給電素子30と突出部42とによって厚み方向Zに圧縮されている。この構成により、基板10、20、給電素子30、ヒートシンク40等の寸法がばらついたとしても、放熱シート50を給電素子30およびヒートシンク40の双方に確実に接触させ、給電素子30からヒートシンク40への放熱をより確実に行うことができる。また、放熱シート50を圧縮することで、給電素子30と放熱シート50との接触面積および放熱シート50とヒートシンク40との接触面積が大きくなり、また、放熱シート50の厚み(厚み方向Zにおける寸法)が小さくなる。したがって、放熱シート50の接触熱抵抗を下げ、放熱効率を高めることができる。
【0029】
各フィン43は、基部41から下方に向けて延びている。本実施形態に係る複数のフィン43は、第1方向Xにおいて間隔を空けて配されている。ヒートシンク40が複数のフィン43を有していることにより、ヒートシンク40の表面積が増大し、ヒートシンク40が無線モジュール1Aの外部に熱を放出しやすくなる。
【0030】
固定機構60Aは、ヒートシンク40をメイン基板10に対して固定する機構である。また、本実施形態に係る固定機構60Aは、アンテナモジュール基板20をヒートシンク40に向けて押し付け、放熱シート50を厚み方向Zに圧縮する機構でもある。本実施形態に係る固定機構60Aは、一対のねじ部材61および一対の環状部材62を含む。
【0031】
本実施形態に係るねじ部材61は、ねじ部61aおよび頭部61bを有する。ねじ部61aは、厚み方向Zに延びる部材である。ねじ部61aの外周面には、螺旋状の突起が形成されている。ねじ部61aの一端には、ねじ部61aよりも径が大きい頭部61bが設けられている。環状部材62は、ねじ部61aが挿通されて頭部61bに接触する部材である。環状部材62は、弾性を有する。環状部材62としては、例えばスプリングワッシャーを用いることができる。環状部材62は、樹脂製であってもよい。なお、固定機構60Aは環状部材62を有していなくてもよい。
【0032】
本実施形態に係るメイン基板10、アンテナモジュール基板20、ヒートシンク40の各々には、ねじ部材61(ねじ部61a)が挿通されるねじ孔13、24、44が形成されている。本実施形態に係るねじ孔13、24、44は、各々、メイン基板10、アンテナモジュール基板20、ヒートシンク40を厚み方向Zに貫通している。ただし、ねじ孔44は、ヒートシンク40の上面に開口していればヒートシンク40を厚み方向Zに貫通していなくてもよい。また、ねじ孔44の内周面には、ねじ部61aの外周面と螺合する螺旋状の溝が形成されている。
【0033】
上記した構成によれば、各ねじ部61aをアンテナモジュール基板20の上方からねじ孔24、13に挿入し、さらにねじ孔44に螺入することにより、ヒートシンク40をメイン基板10に対して固定することができる。さらにねじ部61aの螺入を進めると、頭部61bは、環状部材62を介して、アンテナモジュール基板20を下方(ヒートシンク40)に向けて押し付ける。これにより、放熱シート50が給電素子30と突出部42との間で圧縮される。なお、ねじ部61aの螺入に伴って接続パッド12、22、23、31または接続導体C1、C2に損傷が生じないように、各部材の寸法が適宜調整されてもよい。
【0034】
固定機構60Aのうちアンテナモジュール基板20に接触する部材である環状部材62、およびアンテナモジュール基板20に近接する部材であるねじ部材61の材質は、樹脂等の非金属材料であることが好ましい。この構成によれば、例えば固定機構60Aが金属で構成されている場合と比較して、固定機構60Aとアンテナ21との電磁気的な干渉を抑制することができる。
【0035】
なお、図示の例においては頭部61bがねじ部61aの上端に位置し、ねじ部材61はアンテナモジュール基板20の上方から螺入されていたが、固定機構60Aの構成はこれに限られない。例えば、頭部61bがねじ部61aの下端に位置し、ねじ部材61はヒートシンク40の下方から螺入されてもよい。この場合、アンテナモジュール基板20に形成されたねじ孔24の内周面に螺旋状の溝を設けることにより(この場合、ねじ孔44に螺旋状の溝を設けなくてもよい)、固定機構60Aは上記と同様の機能を発揮することができる。すなわち、固定機構60Aは、ヒートシンク40をメイン基板10に固定し、かつ、アンテナモジュール基板20をヒートシンク40に向けて押し付けることが可能である。
【0036】
次に、以上のように構成された無線モジュール1Aの作用について説明する。
【0037】
非特許文献1には、メイン基板と、アンテナモジュール基板と、給電素子と、ヒートシンクと、放熱シートと、を備える無線モジュールが開示されている。放熱シートは、給電素子とヒートシンクとの双方に接触している。この無線モジュールにおいては、放熱シートを給電素子とヒートシンクとの間で圧縮するために、ねじを強く締めることで、ヒートシンクをメイン基板に対し強く押し付けていた。
【0038】
しかしながら、非特許文献1に開示された構成において、ねじを締める力は、アンテナモジュール基板をメイン基板から引きはがす向きに働く。そのため、放熱効率を向上させるためにねじを締める力を強めると、アンテナモジュール基板とメイン基板との電気的接続が不安定になったり、当該接続が切断されたりする可能性があった。また、電気的接続の安定性を確保するためにねじを締める力を制限する方法も考えられるが、この場合、放熱シートが十分に圧縮されず、放熱効率が低下する可能性があった。つまり、非特許文献1に開示された無線モジュールにおいては、給電素子からヒートシンクへの放熱効率の向上と、アンテナモジュール基板とメイン基板との電気的接続の安定性と、を両立させることが困難であった。
【0039】
このような課題に対して、本実施形態に係る無線モジュール1Aにおいては、固定機構60Aを用いてアンテナモジュール基板20をヒートシンク40に向けて押し付けることで、給電素子30とヒートシンク40との間で放熱シート50を圧縮することができる。これにより、給電素子30からヒートシンク40への放熱の効率を高めることができる。また、固定機構60Aがアンテナモジュール基板20をヒートシンク40に向けて押し付ける力は、アンテナモジュール基板20とヒートシンク40とが互いに引き剥がされる向き(+Zの向き)とは反対の向き(-Zの向き)に働く。そのため、固定機構60Aの押し付け力を高めたとしても、アンテナモジュール基板20とメイン基板10との電気的接続は切断されず、当該接続の安定性を確保することができる。つまり、放熱効率の向上と電気的接続の安定性とを両立することができる。
【0040】
また、本実施形態に係る無線モジュール1Aにおいては、アンテナモジュール基板20の第3面20aに給電素子30を実装し、第4面20bにアンテナ21を実装している。この構成により、アンテナ21と給電素子30とを結ぶ配線の長さを短くし、給電素子30がアンテナ21に送出する信号の減衰や遅延を抑制することができる。また、給電素子30が平面視においてアンテナ21と重なっていることにより、第1方向Xおよび第2方向Yにおける無線モジュール1Aの寸法を小さくすることができる。
【0041】
以上説明したように、本実施形態に係る無線モジュール1Aは、第1面10aと、第1面10aとは反対側に位置する第2面10bと、を有し、第1面10aに開口して第2面10bまで延びる貫通孔11が形成されたメイン基板10と、第1面10aに対して電気的に接続された第3面20aと、第3面20aとは反対側に位置してアンテナ21が実装された第4面20bと、を有するアンテナモジュール基板20と、平面視において貫通孔11と重なるように第3面20a上に実装され、アンテナ21に電流を供給する給電素子30と、第2面10bと対向するように配された基部41を有するヒートシンク40と、平面視において貫通孔11と重なるように配され、給電素子30とヒートシンク40との双方に接触する放熱シート50と、アンテナモジュール基板20をヒートシンク40に向けて押し付ける固定機構60Aと、を備える。
【0042】
この構成により、給電素子30からヒートシンク40への放熱効率の向上と、アンテナモジュール基板20とメイン基板10との電気的接続の安定性と、を両立させることができる。
【0043】
また、固定機構60Aのうちアンテナモジュール基板20と接触する部分が樹脂で形成されてもよい。この構成によれば、例えば固定機構60Aの全体が金属で構成されている場合と比較して、固定機構60Aとアンテナ21との電磁気的な干渉を抑制することができる。
【0044】
また、固定機構60Aは、外周面に螺旋状の突起が形成されたねじ部61aと、ねじ部61aよりも大きい径を有する頭部61bと、を有するねじ部材61と、弾性を有し、ねじ部61aが挿通されてねじ部61aに接触する環状部材62と、を含む。この構成により、ねじ部材61を締め込むことで環状部材62が弾性変形したときに、当該弾性力の総和と同等の力が、アンテナモジュール基板20をヒートシンク40に向けて押し付ける力として作用する。したがって、環状部材62の弾性力を制御することで、放熱シート50に印加される圧縮力の大きさを間接的に制御することができる。これにより、給電素子30とヒートシンク40との間の熱抵抗を適切な範囲とすることができる。また、ねじ部材61を過剰に締め込むことによる各部材の変形や電気的接続の損傷等も抑制することができる。
【0045】
また、アンテナモジュール基板20、メイン基板10、およびヒートシンク40の各々には、ねじ部材61が挿通されるねじ孔24、13、44が形成されている。この構成により、ヒートシンク40をメイン基板10に固定するとともにアンテナモジュール基板20をヒートシンク40に向けて押し付ける固定機構を容易に実現することができる。
【0046】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明するが、第1実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0047】
図2に示すように、本実施形態に係る無線モジュール1Bにおいては、固定機構60Bの構成が第1実施形態における固定機構60Aと異なる。具体的には、固定機構60Bが、一対のねじ部材61および一対の環状部材62に加えて、アンテナモジュール基板20に接触する一対の第1固定部材63Bと、ヒートシンク40に接触する一対の第2固定部材64と、をさらに含む。また、アンテナモジュール基板20およびヒートシンク40にねじ孔24、44が形成されていない。メイン基板10には、ねじ部材61が挿通されるねじ孔13に代えて、第1固定部材63B(後述する基部63b)が挿通される貫通孔14が形成されている。
【0048】
本実施形態に係る第1固定部材63Bは、基部63bおよび当接部63cを含む。基部63bは、厚み方向Zに延び、メイン基板10の貫通孔14を貫通する部材である。各基部63bは、第1方向Xにおいてアンテナモジュール基板20およびヒートシンク40の外側に位置する。当接部63cは、基部63bの上端から第1方向Xにおける内側に向けて延び、アンテナモジュール基板20の第4面20bに当接している。第2固定部材64は、ヒートシンク40の基部41の下面に当接している。
【0049】
基部63bおよび第2固定部材64の各々には、ねじ部材61(ねじ部61a)が挿通されるねじ孔63a、64aが形成されている。ねじ孔63aは、基部63bの下端に開口して上方に向けて延びている。ねじ孔64aは、第2固定部材64を厚み方向Zに貫通している。また、ねじ孔63aの内周面には、ねじ部61aの外周面と螺合する螺旋状の溝が形成されている。なお、ねじ孔63aは基部63bを厚み方向Zに貫通していてもよい。
【0050】
上記した構成によれば、各ねじ部61aを第2固定部材64の下方からねじ孔64aに挿入し、さらにねじ孔63aに螺入することにより、基部41を第2固定部材64とメイン基板10とで挟み込み、ヒートシンク40をメイン基板10に対して固定することができる。さらにねじ部61aの螺入を進めると、当接部63cは、アンテナモジュール基板20を下方(ヒートシンク40)に向けて押し付ける。つまり、アンテナモジュール基板20およびヒートシンク40が、厚み方向Zにおいて、第1固定部材63Bと第2固定部材64とによって挟みこまれる。これにより、放熱シート50が給電素子30と突出部42との間で圧縮される。
【0051】
なお、図示の例に示すように、ねじ部61aの螺入完了時において第1固定部材63B(基部63b)と第2固定部材64との間に厚み方向Zにおける隙間が空くように、各部材の寸法が適宜調整されてもよい。このように寸法が調整されていることにより、第1固定部材63B(当接部63c)を用いて、アンテナモジュール基板20を下方に向けて確実に押し付けることができる。
【0052】
また、固定機構60Bのうちアンテナモジュール基板20に接触する部材である第1固定部材63Bの材質は、樹脂等の非金属材料であることが好ましい。少なくとも当接部63cが樹脂等の非金属材料であることが好ましい。この構成によれば、固定機構60Bとアンテナ21との電磁気的な干渉を抑制することができる。また、ねじ部材61、環状部材62、および第2固定部材64のうち少なくとも一つが、第1固定部材63Bと同様に非金属材料で構成されていてもよい。この場合、固定機構60Bとアンテナ21との電磁気的な干渉をより確実に抑制することができる。
【0053】
以上説明したように、本実施形態に係る無線モジュール1Bにおいて、固定機構60Bは、ねじ部材61と、アンテナモジュール基板20に接触する第1固定部材63Bと、ヒートシンク40に接触する第2固定部材64と、を含み、第1固定部材63Bおよび第2固定部材64の各々には、ねじ部材61が挿通されるねじ孔63a、64aが形成されている。この構成によっても、アンテナモジュール基板20をヒートシンク40に向けて押し付ける固定機構を容易に実現することができる。
【0054】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明するが、第2実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0055】
図3に示すように、本実施形態に係る無線モジュール1Cにおいては、固定機構60Cの構成が第2実施形態における固定機構60Bと異なる。具体的には、固定機構60Cは、第2固定部材64を含んでいない。また、第1固定部材63Cの形状が、第2実施形態における第1固定部材63Bと異なる。また、メイン基板10およびヒートシンク40の各々に、ねじ部材61(ねじ部61a)が挿通されるねじ孔13、44が形成されている。また、本実施形態に係る基部63bは、メイン基板10の上方に配されており、メイン基板10を貫通していない。
【0056】
上記した構成によれば、各ねじ部61aをヒートシンク40の下方からねじ孔44、13に挿入し、さらにねじ孔63aに螺入することにより、環状部材62を介してヒートシンク40を頭部61bとメイン基板10との間で挟み込み、ヒートシンク40をメイン基板10に対して固定することができる。さらにねじ部61aの螺入を進めると、当接部63cは、アンテナモジュール基板20を下方(ヒートシンク40)に向けて押し付ける。つまり、アンテナモジュール基板20とヒートシンク40とが、厚み方向Zにおいて、第1固定部材63Cと頭部61bとによって挟み込まれる。これにより、放熱シート50が給電素子30と突出部42との間で圧縮される。
【0057】
なお、図示の例に示すように、ねじ部61aの螺入完了時において第1固定部材63C(基部63b)とメイン基板10との間に厚み方向Zにおける隙間が空くように、各部材の寸法が適宜調整されてもよい。このように寸法が調整されていることにより、第1固定部材63C(当接部63c)を用いて、アンテナモジュール基板20を下方に向けて確実に押し付けることができる。
【0058】
以上説明したように、本実施形態に係る無線モジュール1Cにおいて、固定機構60Cは、ねじ部材61と、アンテナモジュール基板20に接触する第1固定部材63Cと、を含み、第1固定部材63Cおよびヒートシンク40の各々には、ねじ部材61が挿通されるねじ孔63a、44が形成されている。この構成によっても、アンテナモジュール基板20をヒートシンク40に向けて押し付ける固定機構を容易に実現することができる。
【0059】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明するが、第3実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0060】
図4に示すように、本実施形態に係る無線モジュール1Dにおいては、固定機構60Dの構成が第3実施形態における固定機構60Cと異なる。具体的に、本実施形態に係る固定機構60Dにおいては、第1固定部材63Dが、当接部63cに代えて、延在部63dおよび押圧突起63eを有する。
【0061】
延在部63dは、一対の基部63bのうち一方の上端から、第1方向Xにおける内側に向けて延びている。ただし、延在部63dは、一対の基部63bのうち他方の上端から、第1方向Xにおける内側に向けて延びていてもよい。また、延在部63dは、一対の基部63bのうち一方の上端および他方の上端から、第1方向Xにおける内側に向けて延びていてもよい。延在部63dの先端は、平面視において、アンテナモジュール基板20の中心部に位置する。押圧突起63eは、延在部63dの先端から下方に向けて延びており、アンテナモジュール基板20の第4面20bに当接している。押圧突起63eは、平面視において給電素子30と重なっている。
【0062】
このような構成によっても、ねじ部61aをねじ孔63aに螺入することにより、ヒートシンク40をメイン基板10に固定し、アンテナモジュール基板20をヒートシンク40に向けて押し付けることができる。また、固定機構60Dがアンテナモジュール基板20を押し付ける力の作用点(押圧突起63e)が平面視において給電素子30と重なっているため、より確実に放熱シート50を圧縮することができる。なお、アンテナ21が発生させる電波に対して延在部63dが悪影響を及ぼさないように、延在部63dの位置や材質が適宜調整されてもよい。
【0063】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明するが、第3実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0064】
図5に示すように、本実施形態に係る無線モジュール1Eにおいては、固定機構60Eの構成が第3実施形態における固定機構60Cと異なる。具体的に、本実施形態に係る固定機構60Eにおいては、各第1固定部材63Eが有する当接部63cが、互いに連結されており、アンテナモジュール基板20の第4面20bを覆っている。
【0065】
このような構成によっても、ねじ部61aをねじ孔63aに螺入することにより、ヒートシンク40をメイン基板10に固定し、アンテナモジュール基板20をヒートシンク40に向けて押し付けることができる。また、固定機構60Eがアンテナモジュール基板20の全体を下方に向けて押し付けるため、より確実に放熱シート50を圧縮することができる。なお、アンテナ21が発生させる電波に対して当接部63cが悪影響を及ばさないように、当接部63cを構成する材質の誘電率が適宜調整されてもよい。あるいは、アンテナ21が発生させる電波の波長に応じて当接部63cの厚みが適宜調整されてもよい。
【0066】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0067】
例えば、前記した固定機構60A~60Eにおいて、ねじ部材61の数は2つであったが、ねじ部材61の数は1つまたは3つ以上であってもよい。また、固定機構60A~60Eについて、ねじ部材61を螺入する向きは適宜変更可能である。あるいは、固定機構60A~60Eがアンテナモジュール基板20をヒートシンク40に押し付けることができれば、固定機構60A~60Eはねじ部材61を有していなくてもよい。
【0068】
また、給電素子30は平面視においてアンテナモジュール基板20の中心部に位置していなくてもよい。例えば、給電素子30は平面視においてアンテナモジュール基板20の縁部に位置していてもよい。例えば第2実施形態における無線モジュール1Bにおいて、給電素子30がアンテナモジュール基板20の縁部に位置する場合、第1固定部材63B(当接部63c)がアンテナモジュール基板20を下方に向けて押し付ける力の作用点と給電素子30とが近接する。これにより、より確実に放熱シート50を圧縮することができる。第3実施形態における無線モジュール1Cにおいても、給電素子30をアンテナモジュール基板20の縁部に位置させることで同様の効果が期待できる。
【0069】
また、無線モジュール1A~1Eは、複数の給電素子30を備えていてもよい。複数の給電素子30は、例えば、周波数変換用の給電素子30と位相変換用の給電素子30とを少なくとも一つずつ含んでいてもよい。また、無線モジュール1A~1Eが複数の給電素子30を備えている場合、メイン基板10に複数の貫通孔11が形成され、複数の貫通孔11と複数の給電素子30とが一対一に対応し、対応する貫通孔11と給電素子30とが平面視において重なっていてもよい。あるいは、2つ以上の給電素子30が平面視において1つの貫通孔11と重なっていてもよい。また、無線モジュール1A~1Eが複数の放熱シート50を備え、各給電素子30に対して1つずつ放熱シート50が接触していてもよい。この場合、ヒートシンク40は複数の突出部42を有していてもよい。あるいは、1つの放熱シート50が2つ以上の給電素子30と接触していてもよい。また、放熱シート50と接触せず、直接ヒートシンク40と接触する給電素子30が存在してもよい。少なくとも一つの給電素子30が、放熱シート50を介してヒートシンク40と接触していればよい。
【0070】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1A~1E…無線モジュール 10…メイン基板 10a…第1面 10b…第2面 11…貫通孔 13…ねじ孔 20…アンテナモジュール基板 20a…第3面 20b…第4面 21…アンテナ 24…ねじ孔 30…給電素子 40…ヒートシンク 41…基部 44…ねじ孔 50…放熱シート 60A~60E…固定機構 61…ねじ部材 61a…ねじ部 61b…頭部 62…環状部材 63B~63E…第1固定部材 63a…ねじ孔 64…第2固定部材 64a…ねじ孔
【要約】
【課題】給電素子からヒートシンクへの放熱効率の向上と、アンテナモジュール基板とメイン基板との電気的接続の安定性と、を両立できる無線モジュールを提供する。
【解決手段】無線モジュール1Aは、第1面と、前記第1面とは反対側に位置する第2面と、を有し、貫通孔が形成されたメイン基板と、前記第1面に対して電気的に接続された第3面と、前記第3面とは反対側に位置してアンテナが実装された第4面と、を有するアンテナモジュール基板と、平面視において前記貫通孔と重なるように前記第3面上に実装された給電素子と、前記第2面と対向するように配された基部を有するヒートシンクと、前記給電素子と前記ヒートシンクとの双方に接触する放熱シートと、前記ヒートシンクを前記メイン基板に固定するとともに、前記アンテナモジュール基板を前記ヒートシンクに向けて押し付ける固定機構と、を備える。
【選択図】
図1