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  • 特許-ダブルクリップ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-18
(45)【発行日】2022-11-29
(54)【発明の名称】ダブルクリップ
(51)【国際特許分類】
   B42F 1/02 20060101AFI20221121BHJP
【FI】
B42F1/02 B
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018236399
(22)【出願日】2018-12-18
(65)【公開番号】P2020097164
(43)【公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】596177559
【氏名又は名称】インターマン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】上田平 美嗣
【審査官】小池 俊次
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3149830(JP,U)
【文献】特開2013-018256(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42F 1/02
B42F 17/00
G09F 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底板と、この底板の長さ方向両端縁からそれぞれ延設される一対の挟持板とで構成される側面視略二等辺三角形形状の金属製のクリップ本体と、
金属線材を折り曲げてなり、幅方向に略円弧状に膨出する摘み部と、この摘み部の両端部からそれぞれ延出し先端にいくにつれて幅方向に緩やかに拡開するアーム部と、アーム部の先端から幅方向外向きに延出する回動軸部とで構成される一対の開閉レバーとからなり、
前記クリップ本体の夫々の挟持板の先端縁の幅方向両側はそれぞれさらに前方向に延出したのち外側に向かって筒状に丸められ、一対の軸受け部を形成し、
前記軸受け部の幅方向内側には前記開閉レバーの回動軸部を挿入するための一対の差し込み口が設けられており、
前記開閉レバーの前記回動軸部は、前記軸受け部の前記差し込み口に挿入された状態で、前記クリップ本体に対して回動可能となっており、
前記開閉レバーは、前記回動軸部が前記軸受け部の前記差し込み口に挿入された状態で、前記開閉レバー自体の弾性によって幅方向外側に付勢され、前記アーム部は、この付勢力によって前記軸受け部の前記差し込み口の縁に当接しており、
前記軸受け部の前記差し込み口の夫々の縁には、切込みが形成されており、前記アーム部がこの切込みに係合した状態で、前記開閉レバーは前記クリップ本体に対して係止され、
前記アーム部がこの切込みに係合した状態で、前記開閉レバーが前記クリップ本体に対して係止された場合に、前記クリップ本体の底板と、前記開閉レバーの夫々の摘み部の先端が、一直線上に位置することを特徴とするダブルクリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、名刺やメモ用紙等のカード状部材を保持するカードスタンドとしても利用できるダブルクリップに関する。
【背景技術】
【0002】
紙葉類を束ねるためにしばしば用いられている挟持具として、ダブルクリップがある。このダブルクリップは、弾性力を有する板材を側面視略二等辺三角形状に折り曲げてクリップ本体を形成し、これに金属線を折り曲げた開閉レバーを起伏自在に取り付けたものである(例えば、特許文献1参照)。ダブルクリップは、2~100枚を超える紙を簡単に束ねられて、不要になればすぐ外せて元通りとすることができ便利であることから、事務所などでは必須の文具として利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実公平3-44545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ダブルクリップは、非常に広範囲に用いられているため、どのオフィスの机の引き出しにも数個以上ねむっていることが多い。一方、名刺やメモ用紙等のカード状部材を保持するカードスタンドも市販されているが、こちらは必ずしも不可欠の文具ではないため、あれば便利だが特に常備されているものではない。
【0005】
そこで、本発明の目的は、カードスタンドとしても利用できるダブルクリップを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の1つの様相によるダブルクリップは、底板と、この底板の長さ方向両端縁からそれぞれ延設される一対の挟持板とで構成される側面視略二等辺三角形形状の金属製のクリップ本体と、金属線材を折り曲げてなり、幅方向に略円弧状に膨出する摘み部と、この摘み部の両端部からそれぞれ延出し先端にいくにつれて幅方向に緩やかに拡開するアーム部と、アーム部の先端から幅方向外向きに延出する回動軸部とで構成される一対の開閉レバーとからなり、前記クリップ本体の夫々の挟持板の先端縁の幅方向両側はそれぞれさらに前方向に延出したのち外側に向かって筒状に丸められ、一対の軸受け部を形成し、前記軸受け部の幅方向内側には前記開閉レバーの回動軸部を挿入するための一対の差し込み口が設けられており、前記開閉レバーの前記回動軸部は、前記軸受け部の前記差し込み口に挿入された状態で、前記クリップ本体に対して回動可能となっており、前記開閉レバーは、前記回動軸部が前記軸受け部の前記差し込み口に挿入された状態で、前記開閉レバー自体の弾性によって幅方向外側に付勢され、前記アーム部は、この付勢力によって前記軸受け部の前記差し込み口の縁に当接しており、前記軸受け部の前記差し込み口の夫々の縁には、切込みが形成されており、前記アーム部がこの切込みに係合した状態で、前記開閉レバーは前記クリップ本体に対して係止され、前記アーム部がこの切込みに係合した状態で、前記開閉レバーが前記クリップ本体に対して係止された場合に、前記クリップ本体の底板と、前記開閉レバーの夫々の摘み部の先端が、一直線上に位置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係わるダブルクリップは、クリップとしての利用に加えて、名刺などのカードを挟んで掲示しておけるカードスタンドとしても利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の実施例に係るダブルクリップ10を示す斜視図である。
図2図2は、本発明の実施例に係るダブルクリップ10のクリップ本体12の軸受け部12dを、上方向から見た平面図である。
図3図3は、本発明の実施例に係るダブルクリップ10のクリップ本体12の正面図である。
図4図4は、本発明の実施例に係るダブルクリップ10を真横から見た側面図であり、開閉レバー14が、ダブルクリップ10をカードホルダーとしての利用するのに適した位置にある状態を示している。
図5図5は、本発明の実施例に係るダブルクリップ10を真横から見た側面図であり、開閉レバー14が、テコの力でダブルクリップ10の口を開くのに適した位置にある状態を示している。
図6図6は、本発明の実施例2に係るダブルクリップ10を、カードホルダーとして利用している状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら、本発明によるダブルクリップの実施例を説明する。図1は、ダブルクリップ10の斜視図である。このダブルクリップ10は、クリップ本体12と、一対の開閉レバー14とからなる。
【0010】
クリップ本体12は、金属製の弾性板材を加工したもので、底板12bと、これの長さ方向両端縁から上方向にそれぞれ延設される一対の挟持板12cとで構成される側面視略二等辺三角形形状に形成されている。一方、開閉レバー14は、剛性の高い金属線材を折り曲げてなるもので、幅方向に略円弧状に膨出する摘み部14a、該摘み部の両端部からそれぞれ延出し先端にいくにつれて幅方向に緩やかに拡開するアーム部14b、さらにアーム部14bの先端から幅方向外向きに延出する回動軸部14cとで構成されている。
【0011】
また、クリップ本体12の夫々の挟持板12cの先端縁の幅方向両側はそれぞれさらに前方向(底板12bが配された側とは反対の方向)に延出したのち外側(お互いが離れる方向)に向かって筒状に丸められ、一対の軸受け部12dを形成している。この軸受け部12dの夫々は、開閉レバー14をクリップ本体12に枢支するための軸受け部としての役割を担っており、幅方向内側にはこの開閉レバー14の回動軸部14cを挿入するための一対の差し込み口12eが設けられている。更に、これら一対の差し込み口12eの間には、開閉レバー14の回動軸部14cの先端を軸受け部12d内に導くための案内部12fが形成されている。
【0012】
開閉レバー14は、クリップ本体12の回動軸部14cが差し込み口12eに挿入されている状態で、開閉レバー14の弾性によって、幅方向外側に付勢されている。従って、差し込み口12eの内側の形状によって、クリップ本体12に対する安定位置が決まることになる。この差し込み口12eの内側の形状が、本発明の重要な構成要件となっているので、以下差し込み口12eの内側の形状を詳細に説明する。
【0013】
図2は、クリップ本体12の軸受け部12dを、上方向から見た平面図(すなわち、底板12bとは反対側から見た図)である。図から明らかな通り、差し込み口12eは、中央に向かって(幅方向外側に)斜めに入り込んでいる。この形状によって、幅方向の外側に付勢されている開閉レバー14は、真上に立っている角度、すなわち図1のような状態で安定することがわかる。この状態で、開閉レバー14のアーム部14bの先端は、差し込み口12eの最も奥側に付勢されている。
【0014】
図3は、クリップ本体12の正面図である。図で、点線は、従来の軸受け部の形状を示している。この点線の形状では、頂点Pの上側と下側の双方で、幅方向外側に入り込んでいる。従って、幅方向の外側に付勢されている開閉レバー14は、頂点Pの上側にある時、頂点Pの上側方向に回動するように付勢される。従って、上記の通り、開閉レバー14は、真上に立っている角度、すなわち図1のような状態で安定することがわかる。また、開閉レバー14は、頂点Pの下側にある時、頂点Pの下側方向に回動するように付勢される。これにより、開閉レバー14は、反対方向(下方向)に倒れて、挟持板12cに当接している状態(図5参照)でも、安定することがわかる。
【0015】
本発明では、この頂点Pの下側に切込みCを設けて、下向きの途中の角度でも安定するようにした。夫々の開閉レバー14のアーム部14bの先端が、この切込みCに係合した状態では、図4に示したように、クリップ本体の底板12bと、開閉レバー14の夫々の摘み部14aの先端は、一直線上に位置する。従って、図6に示したように、名刺やメモ用紙などのカードNを挟んだ状態で、カードホルダーとして机の上などに安定して置くことができる。
【0016】
従って、上記した本発明によるダブルクリップの実施例においては、開閉レバー14は、クリップ本体12に対して次の3種類の角度で安定する。まず、紙葉類を束ねて収納している状態では、一対の開閉レバー14は、図1(紙葉類は示されていない)に示したように上向きに合わさった位置にある。また、紙を挟むために、ダブルクリップ10の口を開く際には、図5に示したようにアーム部14bが挟持板12cに当接している位置におく。更に、ダブルクリップ10をカードホルダーとして用いる場合には、図6に示したように、開閉レバー14のアーム部14bを、中間位置に固定する。
【産業上の利用可能性】
【0017】
以上のように、本発明によるダブルクリップによれば、クリップとしての利用に加えて、カードスタンドとしても利用できる。
【符号の説明】
【0018】
10 ダブルクリップ
12 クリップ本体
12b 底板
12c 挟持板
12d 軸受け部
12e 差し込み口
12f 案内部
14 開閉レバー
14a 摘み部
14b アーム部
14c 回動軸部
C 切込み
P 頂点
N カード
図1
図2
図3
図4
図5
図6