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  • 特許-穀物水分計 図1
  • 特許-穀物水分計 図2
  • 特許-穀物水分計 図3
  • 特許-穀物水分計 図4
  • 特許-穀物水分計 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-18
(45)【発行日】2022-11-29
(54)【発明の名称】穀物水分計
(51)【国際特許分類】
   F26B 17/14 20060101AFI20221121BHJP
【FI】
F26B17/14 M
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018246015
(22)【出願日】2018-12-27
(65)【公開番号】P2020106229
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000001812
【氏名又は名称】株式会社サタケ
(72)【発明者】
【氏名】小谷 博明
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-103360(JP,U)
【文献】実開昭54-105549(JP,U)
【文献】実開昭57-079390(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F26B 17/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀物共同乾燥調製施設における荷受部に搬入された穀物の一部をサンプル穀物として抽出し、該サンプル穀物の水分を測定する穀物水分計であって、
前記穀物水分計は、上方に向けて開口された穀物の投入・排出口部と、該投入・排出口部から受け入れられた穀物の水分を測定する水分測定部と、本体部とで構成され、
該本体部の底部を固定して支持する支持台と、前記水分測定部によって水分が測定された穀物を前記投入・排出口部から排出するよう前記支持台を回転させる回転アクチュエータと、を備え
前記穀物水分計の本体部と前記支持台とがクイックリリース機構により脱着可能となっており、前記クイックリリース機構は、前記穀物水分計の本体部側に接続されるベースプレートと、前記ベースプレートの裏面側に凸設した一対の爪部材と、前記ベースプレートに設けた脱落防止用の突出片と、前記一対の爪部材を嵌合させて固定するため前記支持台側に穿設した固定孔と、前記脱落防止用の突出片を嵌合させ前記支持台側にノブボルトにより固定する脱落防止板と、により構成されることを特徴とする穀物水分計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀物水分計に関する。
【背景技術】
【0002】
乾燥調製施設などの穀物処理施設では、荷受部に搬入された穀物の一部がサンプル穀物として抽出され、自主検定装置に供給される。自主検定装置では、穀物の計量、脱ぷ、選別などが行われ、整粒および屑粒の計量データから歩留まりが計算される。サンプル穀物は、このような自主検定装置に供給される前に、サンプル穀物乾燥装置において、水分測定され、その水分測定結果に基づいて乾燥される。こうして乾燥された穀物が自主検定装置に供給される。
【0003】
かかるサンプル穀物の水分測定装置として、例えば、下記の特許文献1に記載の装置が知られている。この水分測定装置は、溜まり部と垂直路とを備えている。ホッパに供給された穀物のうち一部の穀物が溜まり部に溜まり、その他の穀物は垂直路に導かれる。溜まり部に貯まった穀物は、一粒ずつ水分計に供給される。この水分計は電気抵抗式であって、一対の電極ロールによって穀物を圧砕しながら、その電気抵抗値が測定されて、水分値に換算される。圧砕された穀物は、専用の容器に排出され、廃棄される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-41654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の水分測定装置によれば、サンプル穀物乾燥装置に合わせて設計および製造を行う必要があり、コスト低減の余地を残していた。また、上記従来の水分測定装置によれば、圧砕され、廃棄される穀物の分だけ、利用可能な穀物が目減りすることになる。しかも、圧砕された穀物用の容器を取り出して、当該穀物を廃棄するという余分な作業工程も発生する。このため、必須ではないものの、穀物を目減りさせないこと、ひいては、穀物の廃棄工程を発生させないことが望ましい。
さらに、このような水分測定装置は、水分の測定値が経年変化により誤差が生じた場合に正しい水分値に校正する際の調整や、内部の部品交換等のメンテナンス時を想定してサンプル乾燥装置から容易に脱着できるような構造であることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
【0007】
本発明の第1の形態によれば、穀物共同乾燥調製施設における荷受部に搬入された穀物の一部をサンプル穀物として抽出し、該サンプル穀物の水分を測定する穀物水分計であって、この穀物水分計は、上方に向けて開口された穀物の投入・排出口部と、該投入・排出口部から受け入れられた穀物の水分を測定する水分測定部と、本体部とで構成され、該本体部の底部を固定して支持する支持台と、前記水分測定部によって水分が測定された穀物を前記投入・排出口部から排出するよう前記支持台を回転させる回転アクチュエータと、を備えている。
【0008】
かかる穀物水分計によれば、前記投入・排出口部を備えた既製の水分計を支持台に取り付けて荷受サンプル用の水分計として使用することができる。したがって、荷受サンプル用の水分計として製造コストを低減することができる。また、従来技術のように穀物が目減りすることや、廃棄工程が発生することがない。
【0009】
本発明の第2の形態によれば、第1の形態において、前記穀物水分計の本体部と前記支持台とが脱着可能となっている。これにより、水分値を校正する際の調整や、部品交換のメンテナンスが簡易にできる。
【0010】
本発明の第3の形態によれば、第2の形態において、前記穀物水分計の本体部と前記支持台との脱着にクイックリリース機構を採用している。これにより、穀物水分計の本体部と前記支持台との脱着を行う際、工具を用いることなく、作業を簡易に素早く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】荷受計量器の概略正面図である。
図2】水分測定部の一部を拡大した拡大側面図である。
図3図2の矢視A方向からみたときの水分測定部の拡大図である。
図4】穀物水分計を支持台に取り付けるときの構造を示す説明図である。
図5図5(a)はベースプレートの表面を示す斜視図である。図5(b)は図5(a)を矢視A方向からみたときのベースプレートの裏面を示す斜視図である。図5(c)は図5(a)をB-B線で破断したときの爪部材の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、乾燥調製施設の荷受部に設置される荷受計量器の概略正面図である。この荷受計量器1は、計量部本体2と、計量部本体2上部に接続される穀物を供給するための供給筒3と、該供給筒3側部の一方側に設置される穀物の水分測定部4と、前記供給筒3側部の他方側に設置され、穀物の一部をサンプル穀物として抽出して自主検定装置(図示せず)に供給するためのサンプル採取器5とを主要部として構成される。
【0013】
図2は、前記水分測定部4の一部を拡大した拡大正面図であり、図3は、図2の矢視A方向から見たときの水分測定部4の一部を拡大した拡大側面図である。図2図3に示すように、水分測定部4は、供給筒3から分岐して水分測定用の穀物サンプルを採取する分枝管6と、穀物水分計7と、水分測定済みの穀物を受ける排出ホッパ8と、該排出ホッパ8から計量部本体2に水分測定済みの穀物を返還する排出樋9とにより構成される。そして、図3に示すように、穀物水分計7は、支持台50と、回転アクチュエータ60とを備えている。
【0014】
穀物水分計7は、電気容量式である。このため、水分測定に際して、穀物サンプルは圧砕されないため損傷を受けない。その結果、水分測定によって穀物サンプルが目減りすることや、圧砕により損傷した穀物サンプルを廃棄するといった工程が発生することがない。穀物水分計7は、上方に向けて開口した投入・排出口71を有している。この投入・排出口71には、水分を測定すべき穀物サンプルが投入される。この穀物水分計7は、既製品であって、容易に入手可能である。
【0015】
穀物水分計7はその本体部7aを支持台50に固定し、支持台50は回転アクチュエータ60を介して水分測定部4の架台41に支持する。符号42は回転アクチュエータ50が取り付けられるステーであり、ステー42は前記架台41の左右の柱43a,43bに掛け渡されている。そして、回転アクチュエータ60は、水平方向の回転軸線10を中心として、支持台50を矢印A1で示される方向に回転させる。これにより、支持台50に穀物水分計7が固定されているので、支持台50は穀物水分計7と一体的に回転することになる。
本実施形態では、支持台50および穀物水分計7は、図3に示す状態から180°回転可能に構成されている。かかる構成により、穀物水分計7によって水分が測定された後のサンプルは、支持台50および穀物水分計7が180°回転されたときに、投入・排出口71から下方に排出される。
【0016】
図4は、穀物水分計7を支持台50に取り付けるための構造を示す説明図である。本実施形態では、穀物水分計7と支持台50との取り付ける際、工具を用いることなく、支持台50から容易に脱着できるよう、クイックリリース機構を採用することができる。
【0017】
図4を参照すれば、穀物水分計7の底面の四隅には、雄ねじ72が設けられている。そして、穀物水分計7と支持台50との間に、あらかじめベースプレート80を固設しておくのがよい。このベースプレート80は、プレート裏面に凸設した一対の爪部材81,82(図4図5(a),図5(b))と、ねじ止め用の貫通孔87と、脱落防止用の突出片88とを備えている。そして、ベースプレート80の貫通孔87に雄ねじ72が挿入された状態でナット73を雄ねじ72に装着して締めることによって、穀物水分計7(本体部7a底面)がベースプレート80に固定される。このベースプレート80は、カメラを三脚に取り付けるときに使用するクイックシューのような役目を果たすものであり、穀物水分計7と支持台50とを容易に脱着できるようになっている。
【0018】
支持台50は(図4参照)、水平方向(Z軸方向)に延在する第1のプレート51と、この第1のプレート51から鉛直方向(Y軸方向)上方へ延在する第2のプレート52と、を備えている。第1のプレート51の四隅には、雄ねじ72及びナット73を挿通させるよう、これらに対応する位置に長穴53が形成されている。また、前記第1プレート51には、前記ベースプレート80の一対の爪部材81,82を挿通させる挿通孔83,84及び爪部材81,82を固定させるための固定孔85,86が設けられている。さらに、前記第1プレート51の端面51a側には、脱落防止板55を固定するためのねじ孔54が設けられる。
【0019】
前記脱落防止板55には、前記ベースプレート80の突出片88を嵌合するための嵌合長孔56と、前記脱落防止板55をねじ止めするための挿通孔57とが設けられる。
【0020】
前記第2のプレート52には、複数の貫通穴59が形成されている。この貫通穴59を介してボルト61を回転アクチュエータ60に取り付けることによって、回転アクチュエータ60は、第2のプレート52を回転可能にするよう、一方をステー42に固定し、他方の回転部を第2のプレート52に固定する。
【0021】
以上の構成によって、穀物水分計7(ベースプレート80)を支持台50に対して、工具を用いることなく、固定および固定解除することができる。すなわち、穀物水分計7を支持台50に固定するときは、ベースプレート80の一対の爪部材81,82を、支持台50の挿通孔83,84に挿通させるとともに、爪部材81,82をZ軸方向に移動させて固定孔85,86で固定する(図4の矢印A2,A3)。図5(b)、図5(c)で示すように、前記ベースプレート80の爪部材81,82は、該爪部材81,82と前記ベースプレート80との間に狭小部材89,90が介在している。この狭小部材89,90によってベースプレート80が固定孔85,86にしっかりと嵌合し固定されるようになる。その後、前記脱落防止板55の嵌合長孔56に前記ベースプレート80の突出片88を嵌合させ(図4の矢印A4)、ノブボルト58により前記脱落防止板55を支持台50に固定する。これにより、工具を用いることなく、穀物水分計7を支持台50に対して強固にしっかりと固定することができる。
【0022】
穀物水分計7を支持台50から固定解除するには、上記の作用と逆の手順で取り外すとよい。すなわち、ノブボルト58をねじ孔54から螺脱するとともに、脱落防止板55の嵌合長孔56からベースプレート80の突出片88を抜脱する。そして、爪部材81,82を取り付け時とは反対方向に抜脱すれば、工具を用いることなく、穀物水分計7を支持台50から抜脱することができる。
【0023】
穀物水分計7を支持台50から取り外せば、穀物水分計7の経年変化により誤差が生じたときに、正しい水分値に校正することが容易にできる。また、穀物水分計7の内部の部品交換等のメンテナンスも簡単に行うことができる。メンテナンスが終了すれば、もとの支持台50に容易に取り付けることができる。
【0024】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明してきたが、上記した発明の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその均等物が含まれる。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲および明細書に記載された各構成要素の組み合わせ、または、省略が可能である。
【符号の説明】
【0025】
1…荷受計量器
2…計量部本体
3…供給筒
4…水分測定部
5…サンプル採取器
6…分枝管
7…穀物水分計
8…排出ホッパ
9…排出樋
10…回転軸線
41…架台
42…ステー
43…柱
50…支持台
51…第1プレート
52…第2プレート
53…長穴
54…ねじ孔
55…脱落防止板
56…嵌合長孔
57…挿通孔
58…ノブボルト
59…貫通穴
60…回転アクチュエータ
61…ボルト
71…投入・排出口
72…雄ねじ
73…ナット
80…ベースプレート
81…爪部材
82…爪部材
83…挿通孔
84…挿通孔
85…固定孔
86…固定孔
87…貫通孔
88…突出片
89…狭小部材
90…狭小部材
図1
図2
図3
図4
図5