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特許7179271交通安全施設管理システムおよび交通安全施設管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-18
(45)【発行日】2022-11-29
(54)【発明の名称】交通安全施設管理システムおよび交通安全施設管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20120101AFI20221121BHJP
【FI】
G06Q50/26
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022028505
(22)【出願日】2022-02-25
【審査請求日】2022-09-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000101477
【氏名又は名称】アトミクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】織田 英樹
(72)【発明者】
【氏名】矢部 健司
(72)【発明者】
【氏名】古市 圭介
【審査官】速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-193439(JP,A)
【文献】Agent, Kenneth R.,Pigman, Jerry G.,and Weber, Joel M.,Evaluation of Speed Limits in Kentucky (KYSPR 96-172),Kentucky Transportation Center Research Report 323 [online],1997年,[2022年 9月28日検索],インターネット:<URL: https://uknowledge.uky.edu/ktc_researchreports/323>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交通事故の件数に関する件数情報を含む交通事故情報と、交通安全施設に関する交通安全施設情報と、前記交通安全施設に対応する交通規制に関する交通規制情報と、が記憶された記憶部と、
前記交通事故情報と、前記交通規制情報と、前記交通安全施設情報と、に基づいて、ユーザによって任意に特定された第一期間および前記第一期間よりも時間的に後であって前記ユーザによって任意に特定された第二期間を含む少なくとも二つの異なる期間の前記件数情報と、前記第二期間の始点より後であって、かつ前記第二期間の終点よりも前に変更された前記交通規制および前記交通安全施設に関する変更情報と、を含む分析情報を生成する生成部と、を備える、交通安全施設管理システム。
【請求項2】
前記少なくとも二つの異なる期間のそれぞれは、同じ長さである、請求項1に記載の交通安全施設管理システム。
【請求項3】
前記生成部は、前記少なくとも二つの異なる期間のうちのいずれかの期間における前記交通事故の最大件数と、前記少なくとも二つの異なる期間のうちのいずれかの他の期間における前記交通事故の最小件数と、の差を算出可能であり、
前記生成部は、前記差が所定の閾値以上であるとき、前記差が前記所定の閾値以上であることを示す超過情報を含む前記分析情報を生成する、請求項1または請求項2に記載の交通安全施設管理システム。
【請求項4】
前記変更情報は、前記第二期間の始点より後であって、かつ前記第二期間の終点よりも前に変更された前記交通規制および前記交通安全施設と、前記第二期間の始点より後であって、かつ前記第二期間の終点よりも前の期間に変更されていない前記交通規制および前記交通安全施設と、を識別するための識別情報を含む、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の交通安全施設管理システム。
【請求項5】
前記分析情報を表示可能な表示部を含む、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の交通安全施設管理システム。
【請求項6】
前記生成部は、地図情報と、前記変更情報と、前記交通事故情報と、に基づいて、第一画像データを生成し、
前記第一画像データに基づく第一画像は、前記地図情報と、前記変更情報と、前記交通事故情報のうち前記交通事故の発生位置に関する発生位置情報と、を地図上に表示させるための画像である、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の交通安全施設管理システム。
【請求項7】
前記生成部は、前記交通規制情報および前記分析情報に基づいて、第二画像データを生成し、
前記第二画像データに基づく第二画像は、前記交通規制情報および前記分析情報を表形式の文字情報として表示させるための画像である、請求項6に記載の交通安全施設管理システム。
【請求項8】
前記分析情報は、前記交通事故の被害者数および前記交通事故の被害内容の少なくとも一つに関する被害情報をさらに含む、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の交通安全施設管理システム。
【請求項9】
交通事故の件数に関する件数情報を含む交通事故情報に基づいて、ユーザによって任意に特定された第一期間および前記第一期間よりも時間的に後であって前記ユーザによって任意に特定された第二期間を含む少なくとも二つの異なる期間の前記交通事故の件数に関する件数情報を生成するステップと、
前記件数情報を生成した後に、交通安全施設に関する交通安全施設情報と、前記交通安全施設に対応する交通規制に関する交通規制情報と、に基づいて、前記第二期間の始点より後であって、かつ前記第二期間の終点よりも前に変更された交通規制および交通安全施設に関する変更情報を生成するステップと、
前記件数情報と、前記変更情報と、を含む分析情報を生成するステップと、を含む、コンピュータによって実行される交通安全施設管理方法。
【請求項10】
交通安全施設に関する交通安全施設情報と、前記交通安全施設に対応する交通規制に関する交通規制情報と、に基づいて、ユーザによって任意に特定された第一期間よりも時間的に後であって前記ユーザによって任意に特定された第二期間の始点より後であって、かつ前記第二期間の終点よりも前に変更された交通規制および交通安全施設に関する変更情報を生成するステップと、
前記変更情報を生成した後に、前記第一期間および前記第二期間を含む少なくとも二つの異なる期間の交通事故の件数に関する件数情報を含む交通事故情報に基づいて、前記少なくとも二つの異なる期間の前記交通事故の件数に関する件数情報を生成するステップと、
前記件数情報と、前記変更情報と、を含む分析情報を生成するステップと、を含む、コンピュータによって実行される交通安全施設管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、交通安全施設管理システムおよび交通安全施設管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、交通規制(速度制限に関する規制等)に関するデータと、交通安全施設(信号機、道路標識、道路標示等)に関するデータと、道路地図データと、を含むデータベース(以下、単にDBともいう。)を作成することによって、各種情報を一元的に管理することができる交通安全施設管理システムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-193439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に係る交通安全施設管理システムが備える事故DBは事故があった道路位置や発生時点に関する情報を含むため、ユーザは、各地点における交通事故の件数を把握することはできる。このため、例えば、ある地点における第一の年度と第二の年度における交通事故の件数を比較することで、ユーザは、交通事故の増減を認識することができる。しかし、特許文献1に係る交通安全施設管理システムを用いたとしても、交通事故の増減の要因を容易に把握することは難しい。この点において、特許文献1に係る交通安全施設管理システムは改善の余地があった。
【0005】
本開示は、交通事故の増減の要因を容易に把握することができる交通安全施設管理システムおよび交通安全施設管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための一態様に係る交通安全施設管理システムは、
交通事故の件数に関する件数情報を含む交通事故情報と、交通安全施設に関する交通安全施設情報と、前記交通安全施設に対応する交通規制に関する交通規制情報と、が記憶された記憶部と、
前記交通事故情報と、前記交通規制情報と、前記交通安全施設情報と、に基づいて、第一期間および前記第一期間よりも時間的に後の第二期間を含む少なくとも二つの異なる期間の前記件数情報と、前記第一期間の終点より後であって、かつ前記第二期間の終点よりも前に変更された前記交通規制および前記交通安全施設に関する変更情報と、を含む分析情報を生成する生成部と、を備える。
【0007】
また、上記目的を達成するための一態様に係るコンピュータによって実行される交通安全施設管理方法は、
交通事故の件数に関する件数情報を含む交通事故情報に基づいて、第一期間および前記第一期間よりも時間的に後の第二期間を含む少なくとも二つの異なる期間の前記交通事故の件数に関する件数情報を生成するステップと、
前記件数情報を生成した後に、交通安全施設に関する交通安全施設情報と、前記交通安全施設に対応する交通規制に関する交通規制情報と、に基づいて、前記第一期間の終点より後であって、かつ前記第二期間の終点よりも前に変更された交通規制および交通安全施設に関する変更情報を生成するステップと、
前記件数情報と、前記変更情報と、を含む分析情報を生成するステップと、を含む。
【0008】
また、上記目的を達成するための一態様に係るコンピュータによって実行される交通安全施設管理方法は、
交通安全施設に関する交通安全施設情報と、前記交通安全施設に対応する交通規制に関する交通規制情報と、に基づいて、第一期間の終点より後であって、かつ前記第一期間よりも時間的に後の第二期間の終点よりも前に変更された交通規制および交通安全施設に関する変更情報を生成するステップと、
前記変更情報を生成した後に、前記第一期間および前記第二期間を含む少なくとも二つの異なる期間の交通事故の件数に関する件数情報を含む交通事故情報に基づいて、前記少なくとも二つの異なる期間の前記交通事故の件数に関する件数情報を生成するステップと、
前記件数情報と、前記変更情報と、を含む分析情報を生成するステップと、を含む。
【0009】
上記構成によれば、交通事故情報と、交通規制情報と、交通安全施設情報と、に基づいて、分析情報が生成される。また、分析情報には、第一期間および第一期間よりも時間的に後の一つ以上の期間を含む少なくとも二つの異なる期間の件数情報と、第一期間の終点より後であって、かつ第二期間の終点よりも前に変更された交通規制および交通安全施設に関する変更情報と、が含まれる。このため、ユーザは、このような分析情報を利用することで、交通事故の増減と、第一期間の終点より後であって、かつ第二期間の終点よりも前に変更された交通規制および交通安全施設と、を把握することができる。したがって、上記構成に係る交通安全施設管理システムおよび交通安全施設管理方法によれば、交通事故の増減の要因を容易に把握することができる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、交通事故の増減の要因を容易に把握することができる交通安全施設管理システムおよび交通安全施設管理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本実施形態の一態様に係る交通安全施設管理システムのシステム構成図である。
図2図2は、本実施形態の一態様に係る交通安全施設管理システムが実行する処理のフローチャート図である。
図3図3は、表示部に表示される画像の一例を示す図である。
図4図4は、表示部に表示される画像の一例を示す図である。
図5図5は、表示部に表示される画像の一例を示す図である。
図6図6は、表示部に表示される画像の一例を示す図である。
図7図7は、本実施形態の一態様に係る交通安全施設管理システムが実行する処理のフローチャート図である。
図8図8は、表示部に表示される画像の一例を示す図である。
図9図9は、表示部に表示される画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態(以下、本実施形態という。)について図面を参照しながら説明する。本図面に示された各部材の寸法は、説明の便宜上、実際の各部材の寸法とは異なる場合がある。
【0013】
(交通安全施設管理システムの基本構成)
はじめに、図1を参照しつつ、本実施形態に係る交通安全施設管理システム1の基本構成について説明する。なお、交通安全施設とは、交通の安全と円滑、および交通公害の防止等を実現するための施設である。交通安全施設は、例えば、道路標識、道路標示、信号機等である。また、交通安全施設管理システム1は、例えば、閉じられたネットワーク領域内で利用されうる。閉じられたネットワーク領域とは、例えば、警察内のネットワーク領域等である。
【0014】
図1に例示するように、交通安全施設管理システム1は、サーバ2と、端末装置3と、を備えている。サーバ2および端末装置3は、LANケーブル等の通信線4を介して互いに通信可能に接続されている。サーバ2は、取得部21と、記憶部22と、生成部23と、を備えている。取得部21と、記憶部22と、生成部23と、は、バス24を介して互いに通信可能に接続されている。端末装置3は、入力部31と、記憶部32と、表示部33と、出力部34と、を備えている。端末装置3は、例えば、サーバ2の記憶部22に記憶された各種情報や生成部23が生成した各種情報および各種データを取得するための要求信号をサーバ2に送信する。サーバ2は、端末装置3から当該要求信号を受信すると、受信した要求信号に対応する情報やデータを端末装置3に送信する。
【0015】
交通安全施設管理システム1は、例えば、LANケーブル等の通信線7により、外部装置5に通信可能に接続されている。外部装置5は、交通安全施設管理システム1から独立した装置である。外部装置5は、例えば、プリンタ等である。
【0016】
取得部21は、例えば、端末装置3から、各種情報を取得する。取得部21は、例えば、端末装置3が外部記憶媒体6に記憶された各種情報を取得し、当該各種情報を取得部21に送信することで、当該各種情報を取得する。外部記憶媒体6は、例えば、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、磁気テープ、不揮発性メモリカード等である。取得部21が端末装置3から取得する情報としては、例えば、警察等から提供される交通事故情報等である。取得部21は、取得した各種情報を記憶部22に送信する。
【0017】
記憶部22は、例えば、HDD(hard disk drive)、SSD(solid state drive)、フラッシュメモリ、RAM(random access memory)、ROM(read only memory)等の記憶媒体により構成されている。記憶部22は、生成部23によって実行されるコンピュータプログラム(コンピュータ可読命令)、サーバ2が端末装置3等から受信した各種情報等を記憶する。記憶部22は、例えば、記憶部22に記憶されている情報とは異なる情報や記憶部22に記憶されていない情報を取得部21から受信すると、当該受信した情報を記憶する。
【0018】
記憶部22は、地図DB(Data Base)22Aと、交通規制DB22Bと、標識DB22Cと、標示DB22Dと、信号機DB22Eと、事故DB22Fと、走行DB22Gと、部品DB22Hと、システムコントロールファイル22Iと、を含む。地図DB22Aと、交通規制DB22Bと、標識DB22Cと、標示DB22Dと、信号機DB22Eと、事故DB22Fと、走行DB22Gと、は、データベースリンク8を介して、相互に電気的に接続されている。
【0019】
図DB22Aには、住所情報等を含む地図情報が記憶されている。住所情報とは、建造物が建っている位置を示す情報等である。
【0020】
交通規制DB22Bには、道路毎または地域毎に施行される交通規制に関する交通規制情報が記憶されている。交通規制情報は、交通規制が施行される位置に関する施行位置情報および交通規制の内容に関する規制内容情報を含む。交通規制の内容とは、例えば、一時停止、一方通行、右折禁止、通行禁止、駐車禁止、速度制限30km/h等である。交通規制の施行位置は、一地点であってもよいし、複数の地点を含む領域であってもよい。
【0021】
標識DB22Cには、各道路標識(交通安全施設の一例)に関する道路標識情報(交通安全施設情報の一例)が記憶されている。道路標識とは、道路の近傍または上空に設けられ、道路を利用する者(車両の運転者等)に必要な情報を提供するための表示板である。道路標識としては、例えば、制限速度を示す標識、車両の停止を促す標識等である。道路標識情報は、各標識の設置位置、設置時期、種類、色、大きさ等の各種情報を含む。
【0022】
標示DB22Dには、各道路標示(交通安全施設の一例)に関する道路標示情報(交通安全施設情報の一例)が記憶されている。道路標示とは、道路に描かれる標示であって、交通に関する規制または指示を表示する標示である。道路標示としては、例えば、車線区画線、停止線、車両停止を促すマーク(例えば、「止まれ」のマーク)、横断歩道を示す線等である。道路標示情報は、各標示の設置位置、設置時期、種類、大きさ等の各種情報を含む。
【0023】
信号機DB22Eには、各信号機(交通安全施設の一例)に関する信号機情報(交通安全施設情報の一例)が記憶されている。信号機情報は、各信号機の設置位置、設置時期、種類等の各種情報を含む。
【0024】
交通規制と交通安全施設は、関連性を有する。例えば、ある場所に一時停止を内容とする交通規制が施行される場合、当該場所には一時停止を示す標識及び標示(交通安全施設)が設置される。このように、交通規制は交通安全施設に対応しており、交通安全施設もまた交通規制に対応している。
【0025】
事故DB22Fには、交通事故情報が記憶されている。交通事故情報は、交通事故の件数に関する件数情報、交通事故の発生位置に関する発生位置情報、交通事故の発生時刻に関する発生時刻情報、交通事故の被害者数や被害内容に関する被害情報、交通事故の発生位置を管轄する警察署等に関する管轄情報等を含む。
【0026】
走行DB22Gには、各車両の走行経路情報、走行速度情報(平均速度情報等)、ブレーキの作動情報、走行時の天候情報等、各道路における車両の通行台数情報、ABS(Anti-lock Breake System)が作動した車両の台数、時刻、場所等を示すABS発生情報、急発進した車両の台数、時刻、場所等を示す急発進発生情報、ワイパーを作動させた車両の台数、時刻、場所等を示すワイパー発生情報、ヘッドランプが点灯した車両の台数、時刻、場所等を示すヘッドランプ発生情報を含む外部ビッグデータが記憶されている。
【0027】
部品DB22Hには、交通安全施設(道路標識、道路標示、信号機等)の部品や材料等に関する部品情報、交通安全施設のCADデータ、交通安全施設の価格に関する価格情報等を含む。例えば、交通安全施設を変更する場合、部品DB22Hに記憶されている交通安全施設の価格情報を利用することで、ユーザ(作業者の一例)は交通安全施設の変更に係る費用を容易に見積することができる。また、交通安全施設の変更に係る費用を容易に見積することができるので、ユーザは、速やかに交通安全施設の変更に係る計画を立て、当該計画に基づく発注書を施行者に対して出すことができる。
【0028】
図DB22A、交通規制DB22B、標識DB22C、標示DB22D、信号機DB22E、事故DB22F、走行DB22Gおよび部品DB22Hに記憶されている情報は、適宜更新、追加または削除されうる。
【0029】
システムコントロールファイル22Iには、交通安全施設管理システム1を動作させるためのコンピュータプログラムおよび交通安全施設に関する法令情報が記憶されている。システムコントロールファイル22Iに記憶されているコンピュータプログラムおよび法令情報は、適宜更新、追加または削除されうる。法令情報は、道路交通法、道路標識令等の交通関連の法令に関する情報である。法令情報は、交通安全施設の設置基準に関する交通規制基準情報を含む。交通規制基準情報は、例えば標識の設置間隔、標識の設置数量等に関する情報等である。標識の設置間隔や標識の設置数量は、道路交通法、道路標識令等の法令により、交通安全施設ごとに予め定められている。
【0030】
生成部23は、例えば、記憶部22のシステムコントロールファイル22Iに記憶されたコンピュータプログラムを読み出し、以下で詳述する処理を実行するプロセッサである。
【0031】
生成部23は、交通事故情報と、交通規制情報と、交通安全施設情報と、に基づいて、分析情報を生成することができる。分析情報は、複数の異なる期間において発生した交通事故に関する件数情報と、当該複数の異なる期間の始点から終点の間で変更された交通規制および交通安全施設に関する変更情報と、を含む。本明細書において、「変更」という語句は、「新設」、「改定」、「廃止」を含む。なお、本明細書において「新設」とは、交通規制および交通安全施設がない状態から交通規制および交通安全施設がある状態に変更することを意味する。本明細書において「改定」とは、既存の交通規制および交通安全施設の内容を別の内容に変更することを意味する。本明細書において「廃止」とは、交通規制および交通安全施設がある状態から交通規制および交通安全施設がない状態に変更することを意味する。
【0032】
生成部23は、複数の異なる期間のうちのいずれかの期間における交通事故の最大件数と、当該複数の異なる期間のうちのいずれかの他の期間における交通事故の最小件数と、の差を算出することができる。また、生成部23は、当該差が所定の閾値以上である場合、当該差が所定の閾値以上であることを示す超過情報を生成する。当該閾値は、例えば10件である。
【0033】
生成部23は、地図情報と、変更情報と、交通事故情報と、に基づいて、第一画像データを生成することができる。また、生成部23は、交通規制情報および分析情報に基づいて、第二画像データを生成することもできる。
【0034】
生成部23は、記憶部22に記憶されている各種情報や生成部23によって生成された各種情報に基づいて、標識や標示の変更に伴う計画・発注の帳票データを生成することができる。生成部23は、帳票データを端末装置3に送信する。
【0035】
端末装置3は、例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン等の電子装置である。
【0036】
入力部31は、端末装置3を操作するユーザの入力操作を受け付けると共に、当該入力操作に対応する指示信号を生成するように構成されている。入力部31は、例えば、端末装置3の表示部33上に重ねて配置されたタッチパネル、端末装置3の筐体に取り付けられた操作ボタン、キーボード等である。入力部31には、例えば、変更区分情報、新たな交通規制情報等が入力される。
【0037】
記憶部32のハードウェア構成は、例えば、サーバ2の記憶部22と同様のハードウェア構成であってもよい。記憶部32は、端末装置3によって実行されるコンピュータプログラム、端末装置3がサーバ2等から受信した各種情報等を記憶する。
【0038】
表示部33は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等のタッチスクリーン型のディスプレイ等である。表示部33は、画像を表示するように構成されている。
【0039】
出力部34は、生成部23によって生成された帳票データや生成部23によって生成された交通安全施設情報等を含む出力データ等を外部装置5に出力することができる。
【0040】
(第一実施例)
次に、図2図6を参照しつつ、第一実施例において、交通安全施設管理システム1が実行する処理について説明する。本実施例に係る処理では、ある領域において、二つの異なる期間(本実施例では、第一期間および第一期間よりも時間的に後の期間である第二期間)で発生した交通事故の件数の増減が閾値以上であるかどうかの判断と、第一期間の終点より後であって、かつ第二期間の終点よりも前に変更された交通規制および交通安全施設があったかどうかの判断と、が行われる。なお、記憶部22には、コンピュータプログラムおよび各種情報が予め記憶されているものとして説明する。また、本実施例において、生成部23が超過情報を生成するかどうかを決定するための閾値は10件であるものとする。
【0041】
はじめに、図2に例示するように、生成部23は、ユーザ(作業者の一例)が端末装置3の入力部31を介して入力した対象範囲情報に基づいて、対象範囲を特定する(STEP01)。本実施例において、対象範囲は領域R1(図3参照)である。
【0042】
次に、生成部23は、ユーザが端末装置3の入力部31を介して入力した第一期間および第二期間に関する期間情報に基づいて、第一期間および第二期間を特定する(STEP02)。なお、本実施例では、第一期間は2011年1月1日から2015年12月31日までの期間であり、第二期間は2016年1月1日から2020年12月31日までの期間であるものとする。つまり、第一期間の長さと第二期間の長さは、共に同じ長さである。また、第一期間は第二期間よりも時間的に前である。なお、本実施例では、第一期間および第二期間の間には時間的な空白期間が存在しないが、第一期間および第二期間の間には時間的な空白期間が存在していてもよい。また、本実施例では、領域R1に含まれる領域R10における交通規制および交通安全施設は、第一期間の終点より後であって、かつ第二期間の終点よりも前に変更されているものとする。具体的には、領域R10において、2016年4月1日に、2016年10月1日から速度制限30km/hの交通規制が施行されることが決定され、その結果、2016年10月1日に速度制限30km/hの交通規制が施行され、かつ速度制限30km/hを示す標識が新たに設置されているものとする。
【0043】
生成部23は、記憶部22に記憶されている件数情報に基づいて、第一期間において領域R10で発生した交通事故の件数および第二期間において領域R10で発生した交通事故の件数を算出する(STEP03)。ここで、図3は、第一期間において領域R10で発生した交通事故の発生位置を例示する図であり、図4は、第二期間において領域R10で発生した交通事故の発生位置を例示する図である。なお、本実施例において、各円形図形は交通事故が発生した位置を表している。ハッチングされていない円形図形は、被害者数が少ない(例えば、1~2人)または被害内容が軽度(例えば、かすり傷)の交通事故であることを表している。縦線のハッチングが施されている円形図形は、被害者数がそれほど多くない(例えば、3~5人)または被害内容が中程度(例えば、骨折)の交通事故であることを表している。横線のハッチングが施されている円形図形は、被害者数が多い(例えば、6人以上)または被害内容が重度(例えば、死亡)の交通事故であることを表している。なお、各円形図形の意味は、図5に示される円形図形においても同様である。図3に例示するように、第一期間において領域R10で発生した交通事故の件数は20件(最大件数の一例)である。図4に例示するように、第二期間において領域R10で発生した交通事故の件数は7件(最小件数の一例)である。
【0044】
図2に例示するように、生成部23は、第一期間および第二期間において領域R10で発生した交通事故の件数を算出すると、第一期間において領域R10で発生した交通事故の件数と、第二期間において領域R10で発生した交通事故の件数と、の差を算出する(STEP04)。本実施例において、第一期間において領域R10で発生した交通事故の件数と、第二期間において領域R10で発生した交通事故の件数と、の差は、13件である。
【0045】
生成部23は、第一期間において領域R10で発生した交通事故の件数と、第二期間において領域R10で発生した交通事故の件数と、の差を算出すると、当該差が閾値以上であるかどうかを判断する(STEP05)。当該差が閾値以上である場合、生成部23は、超過情報を生成する必要があると判断する(STEP06)。STEP06が実行されると、続いてSTEP07が実行される。一方で、当該差が閾値未満である場合、交通安全施設管理システム1は処理を終了させる。本実施例において、第一期間において領域R10で発生した交通事故の件数と、第二期間において領域R10で発生した交通事故の件数と、の差は13件であり、閾値(10件)以上である。したがって、生成部23は、超過情報を生成する必要があると判断し(STEP06)、続いてSTEP07を実行する。
【0046】
生成部23は、領域R10において、第一期間の終点より後であって、かつ第二期間の終点よりも前に変更された交通規制および交通安全施設はあったかどうかを判断する(STEP07)。領域R10において、第一期間の終点より後であって、かつ第二期間の終点よりも前に変更された交通規制および交通安全施設がある場合(STEP07においてYES)、STEP08に進む。一方で、領域R10において、第一期間の終点より後であって、かつ第二期間の終点よりも前に変更された交通規制および交通安全施設がない場合(STEP07においてNO)、交通安全施設管理システム1は処理を終了させる。
【0047】
本実施例では、領域R10において、2016年4月1日に、2016年10月1日から速度制限30km/hの交通規制が施行されることが決定され、2016年10月1日に速度制限30km/hの交通規制が施行され、かつ速度制限30km/hを示す標識が新たに設置されている。したがって、生成部23は、領域R10において、第一期間の終点より後であって、かつ第二期間の終点よりも前に変更された交通規制および交通安全施設はあると判断し(STEP07においてYES)、変更情報を生成する必要があると判断する(STEP08)。なお、本実施例において、変更情報には、識別情報が含まれている。識別情報とは、領域R10において、第一期間の終点より後であって、かつ第二期間の終点よりも前に変更された交通規制および交通安全施設と、第一期間の終点より後であって、かつ第二期間の終点よりも前の期間に変更されていない交通規制および交通安全施設と、を識別するため情報である。
【0048】
生成部23は、STEP08を実行すると、生成部23がこれまでに行った判断結果に基づいて、分析情報を生成する(STEP09)。本実施例では、生成部23は、変更情報および超過情報を生成する必要があると判断しているので、変更情報および超過情報を含む分析情報を生成する。
【0049】
生成部23は、分析情報を生成すると、地図情報と、変更情報と、交通事故情報と、に基づいて、第一画像データを生成する(STEP10)。第一画像は、地図情報と、変更情報と、発生位置情報と、を地図上に表示させるための画像である。第一画像データに基づく第一画像は、例えば、図5に例示する画像である。なお、図5に表されているアイコン10は第一期間の終点より後であって、かつ第二期間の終点よりも前の期間である2016年10月1日に、速度制限に関する交通規制が変更されたこと(速度制限なしから速度制限30km/hに変更されたこと)を示すアイコンである。また、図5において二重丸で表されている円形図形は、第一期間の終点より後であって、かつ第二期間の終点よりも前に変更された交通安全施設の位置(2016年10月1日に何ら交通安全施設が無かった状態から速度制限30km/hを示す標識がある状態になった位置)を表している。二重丸で表されている円形図形は、識別情報に基づいた表示である。
【0050】
図2に例示するように、生成部23は、第一画像データを生成すると、分析情報に基づいて、第二画像データを生成する(STEP11)。第二画像データに基づく第二画像は、交通規制情報および分析情報を表形式の文字情報として表示させるための画像であり、例えば、図6に例示する画像である。図6に例示するように、第二画像には、交通規制の変更区分、交通事故の発生位置を管轄する警察署、交通規制の種別、道路名、交通規制が施行されている始点の住所、交通規制が施行されている終点の住所等が表示されている。
【0051】
サーバ2は、例えば、第一画像データまたは第二画像データを取得するための要求信号を端末装置3から受信すると、第一画像データまたは第二画像データを端末装置3に送信する。端末装置3が第一画像データまたは第二画像データを受信すると、表示部33には、第一画像または第二画像が表示される。
【0052】
ところで、特許文献1に係る交通安全施設管理システムによっても、ユーザは、各地点における交通事故の件数を把握することはできる。このため、例えば、ある地点における第一期間と第二期間における交通事故の件数を比較することで、ユーザは、交通事故の増減を認識することができる。しかし、特許文献1に係る交通安全施設管理システムを用いたとしても、交通事故の増減の要因を容易に把握することは難しい。この点において、特許文献1に係る交通安全施設管理システムは改善の余地があった。
【0053】
上記構成に係る交通安全施設管理システム1および交通安全施設管理方法によれば、交通事故情報と、交通規制情報と、交通安全施設情報と、に基づいて、分析情報が生成される。また、分析情報には、第一期間における件数情報および第二期間における件数情報と、第一期間の終点より後であって、かつ第二期間の終点よりも前に変更された交通規制および交通安全施設に関する変更情報と、が含まれる。このため、ユーザは、このような分析情報を利用することで、交通事故の増減と、第一期間の終点より後であって、かつ第二期間の終点よりも前に変更された交通規制および交通安全施設と、を把握することができる。したがって、上記構成に係る交通安全施設管理システム1および交通安全施設管理方法によれば、交通事故の増減の要因を容易に把握することができる。
【0054】
また、上記構成に係る交通安全施設管理システム1によれば、第一期間と第二期間の時間的長さは同じであるため、交通事故の増減をより適切に把握することができる。
【0055】
また、上記構成に係る交通安全施設管理システム1によれば、ユーザは、生成部23が生成した超過情報を利用することで、交通事故の件数が大きく変化したかどうかを容易に把握することができる。
【0056】
また、上記構成に係る交通安全施設管理システム1によれば、ユーザは、変更情報に含まれる識別情報を利用することで、第一期間の終点より後であって、かつ第二期間の終点よりも前に変更された交通規制および交通安全施設を容易に把握することができる。
【0057】
また、上記構成に係る交通安全施設管理システム1によれば、ユーザは端末装置3の表示部33を介して、生成部23によって生成された分析情報を視覚的に認識することができる。
【0058】
また、上記構成に係る交通安全施設管理システム1によれば、ユーザは、第一画像を用いることで、交通規制および交通安全施設の変更と、交通事故の増減と、の関連性を容易に把握することができる。
【0059】
また、上記構成に係る交通安全施設管理システム1によれば、生成部23が生成する第二画像データに基づく第二画像は、交通規制情報および分析情報を表形式の文字情報として表示させるための画像である。このため、ユーザは、交通規制情報および分析情報を一覧的に確認することができる。
【0060】
(第二実施例)
次に、図7図9を参照しつつ、第二実施例において、交通安全施設管理システム1が実行する処理について説明する。なお、第二実施例において、第一実施例と同様の部分については、同じ符号を付し、その説明は適宜省略する。本実施例では、超過情報を生成する必要があるかどうかの判断よりも前に、第一期間の終点より後であって、かつ第二期間の終点よりも前に変更された交通規制および交通安全施設はあったかどうかを判断する点で、第一実施例と異なる。また、本実施例において、交通安全施設管理システム1は、図7に例示する処理を実行する。なお、本実施例において、第一期間は2011年1月1日から2015年12月31日までの期間であり、第二期間は2016年1月1日から2020年12月31日までの期間であるものとする。また、本実施例において、生成部23が超過情報を生成するかどうかを決定するための閾値は10件であるものとする。
【0061】
STEP21は、第一実施例におけるSTEP01と同様である。ただし、図8に例示するように、本実施例における対象範囲は領域R2である。なお、本実施例では、領域R2に含まれる地点P21~地点P23および領域R21~領域R23における交通規制および交通安全施設は、第一期間の終点より後であって、かつ第二期間の終点よりも前に変更されているものとする。具体的には、領域R21~領域R23において、2016年4月1日に、2016年10月1日から速度制限が40km/hから30km/hに変更されることが決定され、その結果、2016年10月1日に速度制限30km/hの交通規制が施行され、かつ速度制限の標識が、速度制限40km/hを示す標識から速度制限30km/hを示す標識に改定されたものとする。また、地点P21~地点P23において、2016年4月1日に、2016年10月1日から駐車禁止を内容とする交通規制が施行されることが決定され、その結果、2016年10月1日に駐車禁止を内容とする交通規制が施行され、かつ駐車禁止を示す標識が新たに設置されているものとする。
【0062】
図7に戻り、STEP22について説明する。STEP22において、ユーザ(作業者の一例)は、例えば、領域R2に含まれる地点P21~地点P23および領域R21~領域R23において交通規制および交通安全施設が変更された期間を考慮して、第一期間および第二期間を特定する。なお、第一期間および第二期間の特定は、領域R2に含まれる地点P21~地点P23および領域R21~領域R23において交通規制および交通安全施設が変更された期間を考慮して、生成部23が行ってもよい。
【0063】
STEP23は、第一実施例におけるSTEP07と同様である。本実施例では、地点P21~地点P23および領域R21~領域R23において、交通規制および交通安全施設は、第一期間の終点より後であって、かつ第二期間の終点よりも前に変更されている。したがって、生成部23は、地点P21~地点P23および領域R21~領域R23において、第一期間の終点より後であって、かつ第二期間の終点よりも前に交通規制および交通安全施設は変更されていると判断し(STEP23においてYES)、変更情報を生成する必要があると判断する(STEP24)。
【0064】
STEP25~STEP26は、第一実施例におけるSTEP03~STEP04と同様である。ここで、図8に例示する画像には、本来、第一期間における領域R2で発生した交通事故の発生位置と、第一期間の終点より後であって、かつ第二期間の終点よりも前に交通規制および交通安全施設に変更があった領域および地点と、が表示されている。また、図9に例示する画像には、本来、第二期間における領域R2で発生した交通事故の発生位置と、第一期間の終点より後であって、かつ第二期間の終点よりも前に交通規制および交通安全施設に変更があった領域および地点と、が表示されている。しかし、説明の都合上、図8および図9に例示する画像には、第一期間または第二期間において領域R2で発生した交通事故の発生位置については図示していない。本実施例では、第一期間において地点P21~地点P23および領域R21~領域R23で発生した交通事故の件数はそれぞれ1件、14件、11件、20件、25件、20件であるものとする。また、第二期間において地点P21~地点P23および領域R21~領域R23で発生した交通事故の件数はそれぞれ12件、4件、7件、16件、14件、10件であるものとする。したがって、第一期間において地点P21~地点P23および領域R21~領域R23で発生した交通事故の件数と、第二期間において地点P21~地点P23および領域R21~領域R23で発生した交通事故の件数と、の差は、それぞれ11件、10件、4件、4件、11件、10件である。つまり、地点P21において、第一期間で発生した交通事故の件数(1件)は最小件数の一例である。地点P22~地点P23および領域R21~領域R23において、第一期間で発生した交通事故の件数(それぞれ、14件、11件、20件、25件、20件)は最大件数の一例である。地点P21において、第二期間で発生した交通事故の件数(12件)は最大件数の一例である。地点P22~地点P23および領域R21~領域R23において、第二期間で発生した交通事故の件数(それぞれ、4件、7件、16件、14件、10件)は最小件数の一例である。
【0065】
STEP27は、第一実施例におけるSTEP05と同様である。なお、本実施例において、地点P21、地点P22、領域R22および領域R23における交通事故の件数は閾値(10件)以上である。したがって、生成部23は、超過情報を生成する必要があると判断し(STEP28)、STEP30に進む。なお、交通事故の件数が閾値以上である地点および領域がない場合、生成部23は、超過情報を生成する必要はないと判断し(STEP29)、STEP30に進む。
【0066】
STEP30は、第一実施例のSTEP09と同様である。
【0067】
STEP31において、生成部23は、地図情報と、変更情報と、交通事故情報と、に基づいて、第一画像データを生成する。本実施例において、第一画像データに基づく第一画像は、例えば、図9に例示する画像である。なお、図9に表されているハッチングが施された部分は、第一期間の終点より後であって、かつ第二期間の終点よりも前に交通規制および交通安全施設が変更された地点または領域を表している。右上から左下に向かう斜線でハッチングされた部分は、第二期間における交通事故の件数が第一期間における交通事故の件数と比べて10件以上減少した地点または領域を表している。左上から右下に向かう斜線でハッチングされた部分は、第二期間における交通事故の件数が第一期間における交通事故の件数と比べて10件以上増減していない地点または領域を表している。上下方向に延びる破線でハッチングされた部分は、第二期間における交通事故の件数が第一期間における交通事故の件数と比べて10件以上増加した地点または領域を表している。
【0068】
STEP32は、第一実施例のSTEP11と同様である。第二画像データに基づく第二画像は、第一実施例と同様の形式の画像であるため、詳細な説明は省略する。
【0069】
本実施例に係る交通安全施設管理システム1および交通安全施設管理方法においても、第一実施例において上述した効果を奏することができる。
【0070】
上記の実施形態は本開示の理解を容易にするためのものであって、本開示を限定するものではない。本開示は、その趣旨を逸脱することなく変更、改良されうる。
【0071】
上記の実施形態において、出力部34は端末装置3に備わっているが、出力部34に対応する出力部がサーバ2に備わっていてもよい。
【0072】
上記の各実施例において、分析情報は、第一期間における件数情報および第二期間における件数情報と、第一期間の終点より後であって、かつ第二期間の終点よりも前に変更された交通規制および交通安全施設に関する変更情報と、を含んでいるが、他の情報を含んでいてもよい。分析情報は、例えば、交通事故の被害者数や被害内容に関する被害情報を含んでいてもよい。この場合、生成部23は、例えば、交通事故の被害者数や被害内容に応じた重み付けを行った上で、分析情報を生成する。したがって、ユーザは、このような被害情報を含む分析情報を利用することで、交通事故の内容も考慮した分析を行うことができる。
【0073】
上記の各実施例において、第一期間の長さと第二期間の長さは同じであるが、第一期間の長さと第二期間の長さは、異なる長さであってもよい。
【0074】
上記の各実施例において、第一期間の長さと第二期間の長さは、共に5年間であるが、5年間に限られない。
【0075】
上記の各実施例において、ユーザは端末装置3の入力部31に二つの異なる期間(第一期間および第二期間)を入力しているが、第一期間と第二期間の間にあり、かつ第一期間および第二期間とは異なる一つ以上の他の期間をさらに入力してもよい。この場合、第一期間が時間的に最も前の期間であり、第二期間が時間的に最も後の期間である。
【0076】
上記の各実施例において、変更情報は識別情報を含んでいるが、変更情報は識別情報を含んでいなくてもよい。
【0077】
上記の各実施例において、生成部23は、第一画像データを生成した後に、第二画像データを生成しているが、第一画像と第二画像を同時に生成してもよいし、第二画像データを生成した後に第一画像データを生成してもよい。
【0078】
上記の各実施例では、交通安全施設として、標識を用いて説明したが、標示や信号機等の他の交通安全施設に対しても本開示は適用可能である。
【符号の説明】
【0079】
1:交通安全施設管理システム、2:サーバ、3:端末装置、4:通信線、5:外部装置、6:外部記憶媒体、7:通信線、8:データベースリンク、21:取得部、22:記憶部、22A:地図DB、22B:交通規制DB、22C:標識DB、22D:標示DB、22E:信号機DB、22F:事故DB、22G:走行DB、22H:部品DB、22I:システムコントロールファイル、23:生成部、24:バス、31:入力部、32:記憶部、33:表示部、34:出力部
【要約】
【課題】交通事故の増減の要因を容易に把握することができる交通安全施設管理システムおよび交通安全施設管理方法を提供する。
【解決手段】交通事故の件数に関する件数情報を含む交通事故情報と、交通安全施設に関する交通安全施設情報と、交通安全施設に対応する交通規制に関する交通規制情報と、が記憶された記憶部22と、交通事故情報と、交通規制情報と、交通安全施設情報と、に基づいて、第一期間および第一期間よりも時間的に後の第二期間を含む少なくとも二つの異なる期間の件数情報と、第一期間の終点より後であって、かつ第二期間の終点よりも前に変更された交通規制および交通安全施設に関する変更情報と、を含む分析情報を生成する生成部23と、を備える、交通安全施設管理システム1。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9