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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-18
(45)【発行日】2022-11-29
(54)【発明の名称】カバーシート
(51)【国際特許分類】
   H02G 1/02 20060101AFI20221121BHJP
   H01B 17/58 20060101ALI20221121BHJP
   H02G 7/00 20060101ALI20221121BHJP
【FI】
H02G1/02
H01B17/58 E
H02G7/00
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018179352
(22)【出願日】2018-09-25
(65)【公開番号】P2020054054
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000115382
【氏名又は名称】ヨツギ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075557
【弁理士】
【氏名又は名称】西教 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 宏昭
(72)【発明者】
【氏名】井上 敦史
【審査官】木村 励
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-163794(JP,A)
【文献】特開2010-176877(JP,A)
【文献】特開2014-103006(JP,A)
【文献】特開2007-60793(JP,A)
【文献】実公昭39-3967(JP,Y1)
【文献】実公昭40-17734(JP,Y1)
【文献】特開2017-93183(JP,A)
【文献】特開2016-96687(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 1/02
H01B 17/58
H02G 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線に取付けられる絶縁カバーに装着されるカバーシートであって、
前記絶縁カバーを一側方から覆うための第1シート領域、前記第1シート領域に連なり、前記絶縁カバーを他側方から覆うための第2シート領域、および前記第1シート領域の前記第2シート領域とは反対側に連なる第3シート領域を含む絶縁シートを備え、
前記第2シート領域および前記第3シート領域の少なくとも一方は、前記第1シート領域に対して折れ曲がって連なり、
前記絶縁シートは、
前記第1シート領域と前記第2シート領域との境界に近接した位置で、前記第1シート領域と前記第2シート領域とが接合する第1接合部と、
前記第1シート領域と前記第3シート領域との境界に近接した位置で、前記第1シート領域と前記第3シート領域とが接合する第2接合部と、を有することを特徴とするカバーシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、架空電線に配設された絶縁カバーに装着されるカバーシートに関する。
【背景技術】
【0002】
電柱間に架設される架空電線は、電柱に配電用碍子を介して取付けられた引留クランプによって挟持されている。このような引留クランプに物体が接触すると、架空電線に地絡などの不具合が生じるおそれがある。そのような問題を解決するために、たとえば、引留クランプを外囲して保護する絶縁カバーが知られている。このような絶縁カバーの従来技術は、たとえば、特許文献1にクランプカバーとして記載されている。
【0003】
引留クランプにクランプカバーを装着した場合、山間部などに架設された架空電線は、樹木がクランプカバーなどに接触して、地絡または断線事故が発生したり植物を損傷させたり、場合によっては火災になる場合もある。そのため、架空電線を移設するか、架空電線の周りの樹木の枝を広範囲にわたって伐採するか、あるいは、クランプカバーを平面状のシートを用いて被覆し、その上から絶縁テープなどを巻きつけてシートをクランプカバーに固定し、クランプカバーを防護するといった保守作業が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-96687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、クランプカバーを平面状のシートを用いて被覆し、その上から絶縁テープを巻きつけるような保守作業は繁雑であり、バケット車などとも呼ばれる高所作業用車両によって個々のクランプカバー毎に行わなければならず、保守作業に多大な時間および労力を要し、シートをクランプカバーに容易に装着することができないという問題がある。
本発明の目的は、クランプカバーに容易に装着することができるカバーシートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、電線に取付けられる絶縁カバーに装着されるカバーシートであって、
前記絶縁カバーを一側方から覆うための第1シート領域、前記第1シート領域に連なり、前記絶縁カバーを他側方から覆うための第2シート領域、および前記第1シート領域の前記第2シート領域とは反対側に連なる第3シート領域を含む絶縁シートを備え、
前記第2シート領域および前記第3シート領域の少なくとも一方は、前記第1シート領域に対して折れ曲がって連なり、
前記絶縁シートは、
前記第1シート領域と前記第2シート領域との境界に近接した位置で、前記第1シート領域と前記第2シート領域とが接合する第1接合部と、
前記第1シート領域と前記第3シート領域との境界に近接した位置で、前記第1シート領域と前記第3シート領域とが接合する第2接合部と、を有することを特徴とするカバーシートである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、簡単にカバーシートを架空電線に装着することができ、保守作業の手間を削減し、作業時間の短縮を図ることができる。
【0010】
また、第1接合部と、第2接合部によって、第1シート領域と第2シート領域の間の折目および第1シート領域と第3シート領域の間の折目が明確になるので、作業効率が向上する。
【0011】
また、カバーシートの第1面と第2面の色が異なっていることによって、カバーシートが摩耗したとき、クランプカバーに装着されたカバーシートを外側から見たとき、外側に臨む第2面の色とは異なる第1面の色が露出して、外部からカバーシートが摩耗したことを容易に確認することができ、カバーシートの交換の目安とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態に係るカバーシートの第1面を示す展開図である。
図2】本発明の第1実施形態に係るカバーシートの第2面を示す展開図である。
図3】本発明の第1実施形態に係るカバーシートをクランプカバーに装着した状態を示す側面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係るカバーシートの斜視図である。
図5】ブチルテープを示す一部の拡大断面図である。
図6】本発明の第1実施形態に係るカバーシートであって、カバーシートに接着部材を配設した状態の第1面を示す展開図である。
図7】本発明の第1実施形態に係るカバーシートであって、カバーシートに接着部材を配設した状態の第2面を示す展開図である。
図8】本発明の第2実施形態に係るカバーシートの第1面を示す展開図である。
図9】本発明の第2実施形態に係るカバーシートの第2面を示す展開図である。
図10】本発明の第2実施形態に係るカバーシートであって、カバーシートに接着部材を配設した第1面を示す展開図である。
図11】本発明の第2実施形態に係るカバーシートであって、カバーシートに接着部材を配設した状態の第2面を示す展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明の第1実施形態に係るカバーシートの第1面を示す展開図である。また、図2は本発明の第1実施形態に係るカバーシートの第2面を示す展開図である。図3は、本発明の第1実施形態に係るカバーシートをクランプカバーに装着した状態を示す側面図である。図4は、本発明の第1実施形態に係るカバーシートの斜視図である。本実施形態において、用語「折目線」は、説明の便宜上、観念的に想定した仮想線であるが、他の実施形態では、インキまたは塗料などによって描かれた罫線であってもよい。
【0014】
カバーシート1は、たとえば、塩素化ポリエチレン(CPE)などの電気絶縁性の樹脂の裁断されたシートからなる絶縁シート10を含んで構成されている。絶縁シート10の厚さは2mm程度のものを用いることが可能である。絶縁シート10は、複数枚の塩素化ポリエチレンのシートを積層して接合して形成してもよく、たとえば、厚さ1mmのシートを2枚積層して熱融着した多層構造のシート材を用いてもよい。
【0015】
図1図2の展開図に示されるように、絶縁シート10は、折目線L1,L2で区画された第1シート領域11、第2シート領域12および第3シート領域13を含んでいる。第2シート領域12は、第1シート領域11に連なり、折目線L1を介して第1シート領域11に連設されており、第3シート領域13は、第1シート領域11の第2シート領域12とは反対側に連なり、折目線L2を介して、第1シート領域11に連設されている。また、図4に示されるように、絶縁シート10は、折目線L1,L2に沿って折曲げられて折目が付けられており、第2シート領域12は、第1シート領域11に対して折れ曲がって連なっている。第3シート領域13は第1シート領域11に対して折れ曲がって連なっている。
【0016】
第1シート領域11は、一平面上に展開した状態において、たとえば、P,P,P,Pを頂点とする四辺形であり、辺Pを上底とし、辺Pを下底とする台形である。第1シート領域11の寸法を一例として述べると、たとえば、辺Pの長さは、136mm程度であり、辺Pの長さは305mm程度であり、上底が下底よりも短い形状である。また、辺Pの長さは、463mm程度である。
【0017】
第2シート領域12は、一平面上に展開した状態において、たとえば、P,P,P,Pを頂点とする四辺形であり、辺Pを上底とし、辺Pを下底とする台形である。第2シート領域12の寸法を一例として述べると、たとえば、辺Pの長さは、152mm程度であり、辺Pの長さは、315mm程度であり、上底が下底よりも短い形状である。また、辺Pの長さは、454mm程度である。
【0018】
第3シート領域13は、一平面上に展開した状態において、たとえば、P,P,P,Pを頂点とする四辺形であり、辺Pと、辺Pが略平行であり、辺Pと、辺Pとの間隔は、30mm程度である。また、第3シート領域13は、絶縁カバーであるクランプカバー30に装着されたとき、内面同士が対向するように、第1シート領域11の側に折り込まれる。したがって、折り込まれた状態で、第1シート領域11からはみ出さない形状であればよい。
【0019】
このようなカバーシート1を装着するクランプカバー30は、図3に示すように、架空電線40に取付けられた引留クランプ(図示せず)を外囲するように取付けられている。また、クランプカバー30は、架空電線40が導入される第1開口部31および架空電線40が導出される第2開口部32を有している。水平方向に電線が架設されている場合、引留クランプに係止される架空電線40は、水平方向にクランプカバー30の第1開口部31から導入され、クランプカバー30の第2開口部32から電柱に向かって斜め上方に導出されている。
【0020】
引留クランプには、耐張碍子41が取付けられている。耐張碍子41は、電柱などに取り付けられたストラップ42に結合され、電柱などに引留められる。引留クランプに取付けられた耐張碍子41は、たとえば、クランプカバー30の第3開口部33を塞ぐように設置され、第3開口部33から一部が露出するように配置されている。
【0021】
カバーシート1は、クランプカバー30の第1開口部31近傍である架空電線40の導入部40aから、クランプカバー30の第2開口部32近傍である架空電線40の導出部40bまでを覆うように設置されている。また、第3開口部33から導出されている耐張碍子41を覆わないように設置されている。
【0022】
架空電線40に取付けられる絶縁カバーであるクランプカバー30の周囲を、カバーシート1によって覆う場合には、絶縁シート10の第1面の折目線L1(P)に沿って谷折りして、第1面がクランプカバー30に面するように取付ける。すなわち、第1シート領域11の第1面と第2シート領域12の第1面とでクランプカバー30を側面から挟むように取付ける。クランプカバー30の一側方は、第1シート領域11で覆われ、クランプカバー30の他側方は、第2シート領域12で覆われる。第3シート領域13は、第1面の折目線L2に沿って谷折りして、第1シート領域11と一部が接着されている。そして、第3シート領域13の第2面の折目線L2(P)に沿った部分と、第2シート領域12の第1面の辺Pに沿った部分とを接着して、クランプカバー30を外囲する。
【0023】
さらに、絶縁シート10は、辺Pと辺Pとがほぼ重なるようにして接着されており、架空電線40の導入部40aの周囲は、絶縁シート10と密着している。また、絶縁シート10の辺Pと辺Pとがほぼ重なるように接着されており、辺P近傍および辺P近傍の絶縁シート10は、架空電線40の導出部40bの周囲およびクランプカバー30の第3開口部33の周囲に密着している。このように、絶縁シート10を接着する部材としては、後述するブチルテープ20を挙げることができる。
【0024】
たとえば、絶縁シート10は、黄色の樹脂シートと黒の樹脂シートを積層して形成することができる。絶縁シート10の第1面は、黄色の樹脂で形成し、また絶縁シート10の第2面は、黒の樹脂で形成することによって、絶縁シート10の第1面と第2面との色を異ならせることができる。カバーシート1をクランプカバー30に装着後、たとえば、木々との接触による摩耗などによって絶縁シート10が薄くなってしまう場合おいて、絶縁シート10の第1面と第2面との色を異ならせることによって、絶縁シート10の第1面の色が外側から確認できるときは、絶縁シート10が薄くなっていると判断することでき、カバーシート1の交換の目安とすることができる。
【0025】
絶縁シート10の折目線L2上またはL2近傍に透孔14が設けられている。カバーシート1によってクランプカバー30を覆う場合、折目線L1がクランプカバー30の上方に位置し、折目線L2がクランプカバー30の下方に位置するように取付けられる。このため、カバーシート1内に雨水などが浸入しても、辺Pに沿って排水路を形成されているので、カバーシート1内に浸入した水を透孔14から自然落下させて、カバーシート1内から速やかに排出することができる。
【0026】
絶縁シート10の第1シート領域11の辺Pに沿って長孔15aおよび透孔16aが設けられている。また、絶縁シート10の第2シート領域12の辺Pに沿って長孔15bおよび透孔16bが設けられている。長孔15aと、長孔15bとは、折目線L1に関して対称な位置に設けられている。また、透孔16aと透孔16bとは、折目線L1に関して対称な位置に設けられている。長孔15a,15bおよび透孔16a,16bは、絶縁材によって被覆された針金などが挿通されてカバーシート1をクランプカバー30に外囲する位置に確実に固定するために用いられる。
【0027】
第1シート領域11と第2シート領域12との境界の近傍に、第1シート領域11と第2シート領域12とが接合された第1接合領域17a,17bが設けられており、第1接合領域17a,17bにおいて、第1シート領域11の第1面と第2シート領域12の第1面とが熱融着されて接合され、第1接合部17が形成されている。すなわち、カバーシート1は、第1シート領域11と第2シート領域12との境界に近接した位置で、第1シート領域11と第2シート領域12とが接合する第1接合部17を有している。第1接合部17は、帯状に形成されているが、折目線L1に沿った形状であればよく、たとえば、折目線L1に沿って複数個を互いに間隔をあけて断続的に並べて設けることもできる。
【0028】
第1シート領域11と第3シート領域13との境界の近傍に、第1シート領域11と第3シート領域13とが接合された第2接合領域18a,18bが設けられており、第2接合領域18a,18bにおいて、第1シート領域11の第1面と第3シート領域13の第1面とが熱融着されて接合され、第2接合部18が形成されている。すなわち、カバーシート1は、第1シート領域11と第3シート領域13との境界に近接した位置で、第1シート領域11と第3シート領域13とが接合する第2接合部18を有している。第2接合部18は、帯状に形成されているが、折目線L2に沿った形状であればよく、たとえば、折目線L2に沿って断続的に間隔をあけて、複数個並べて設けることもできる。
【0029】
折目線L2近傍の、絶縁シート10の第1面は、カバーシート1がクランプカバー30に装着されたとき、下方に位置するため、カバーシート1内に入った水の排出路となる。そこで、第2接合領域18a,18bを、折目線L2と重ならない位置に配設することによって、第2接合部18と折目線L2との間に空間が形成される。このことによって、カバーシート1内に浸入した水は、第2接合部18と折目線L2との間の空間を通って排出される。
【0030】
図1図2は絶縁シート10の第1接合領域17a,17b、および第2接合領域18a,18bが接合されていない状態を示しているが、第1接合領域17a,17b、第2接合領域18a,18bを接合して第1接合部17および第2接合部18を形成すると、図4のように、絶縁シート10の折目線L1,L2で鋭く折曲げられて、折目線L1,L2に沿った折目が強調されたカバーシート1を得ることができる。
【0031】
絶縁シート10を折り畳んで加圧することによって、絶縁シート10には折目線L1,L2に沿った折ぐせが形成されているが、さらに、第1接合部17および第2接合部18を形成することによって、より安定した折ぐせを形成できるので、カバーシート1をクランプカバー30などの絶縁カバーに装着する作業をより簡単に行うことができる。また、カバーシート1を絶縁カバーに装着後は、絶縁シート10の折目線L1,L2近傍にかかる力を第1接合部17および第2接合部18にも分散させることができ、疲労による強度劣化を抑制し、絶縁シート10の耐久性を高めることができる。
【0032】
絶縁シート10上に接着部材を配設して貼り合わせることによって、クランプカバー30などの絶縁カバーにカバーシート1を装着することができるが、カバーシート1をクランプカバー30に装着するために用いられる接着部材として、たとえば、ブチルゴムを粘着剤として用いた両面粘着テープであるブチルテープ20を用いることができる。図5は、ブチルテープの一部の拡大断面図である。ブチルテープ20は、帯状の基材としてのスフ布20bの両面にブチルゴム層20a,20cを設けたものである。
【0033】
ブチルテープ20は、剥離紙20dと反対側のブチルゴム層20cを絶縁シート10に圧着させて配設しておき、使用時に剥離紙20dを剥がして、ブチルゴム層20aを露出させて貼着する。たとえば、ブチルテープ20の幅は、25mm程度であり、厚みは1mm程度のものを用いることができる。接着部材としてブチルテープ20を用いることで、接着した部分の耐久性、耐水性が向上させることができる。
【0034】
図6は、本発明の第1実施形態に係るカバーシート1であって、カバーシート1に接着部材を配設した状態の第1面を示す展開図である。また、図7は、本発明の第1実施形態に係るカバーシート1であって、カバーシート1に接着部材を配設した状態の第2面を示す展開図である。
【0035】
絶縁シート10の第1面の第1シート領域11および第2シート領域12の周縁部に帯状のブチルテープ21が配設されている。ブチルテープ21は、各辺から5mm程度離れた位置に貼着されている。たとえば、辺Pに沿って、ブチルテープ21aが貼着され、辺Pに沿ってブチルテープ21bが貼着され、辺Pに沿ってブチルテープ21cが貼着され、辺Pに沿ってブチルテープ21dが貼着され、また、辺Pに沿ってブチルテープ21eが貼着されている。これらのブチルテープ21はすべて繋げて配設されていてもよく、また、分割して配設されていてもよい。
【0036】
絶縁シート10の第1面の第3シート領域13にブチルテープ22が配設されている。たとえば、辺Pに沿ってブチルテープ22aが貼着され、辺Pに沿ってブチルテープ22bが貼着されている。また、絶縁シート10の第2面の第3シート領域13上には、折目線L2に沿ってブチルテープ23が貼着されている。また、絶縁シート10の第1面の長孔15aおよび透孔16aの周縁にブチルテープ24aが配設され、絶縁シート10の第1面の長孔15bおよび透孔16bの周縁にブチルテープ24bが配設されている。
【0037】
ブチルテープ21a,21e,22a,22bは、折目線L2と重ならないように配設されている。折目線L2は、カバーシート1がクランプカバー30に装着されたとき、下方に位置し、カバーシート1内に入った水の排水路となる。そこで、ブチルテープ21a,21e,22a,22bを、折目線L2と重ならない位置に配設することによって、カバーシート1をクランプカバー30などの絶縁カバーに装着したとき、辺Pに沿って排水路を形成されているので、カバーシート1内に浸入した水を透孔14から自然落下させて、カバーシート1内から速やかに排出することができる。
【0038】
クランプカバー30にカバーシート1を装着する場合には、まず、ブチルテープ22aをブチルテープ21eと貼り合わせる。また、ブチルテープ22bをブチルテープ21aと貼り合わせることによって、絶縁シート10の第3シート領域13を第1シート領域11の第1面側に折り込む。次に、第1シート領域11の第1面と第2シート領域12の第1面とでクランプカバー30を側方から挟むように取付ける。このとき、ブチルテープ21aと、ブチルテープ21bとを貼り合わせるとともに、架空電線40の導入部40aをブチルテープ21aと、ブチルテープ21bとを密着させて挟み込む。また、ブチルテープ21dとブチルテープ21eとを貼り合わせるとともに架空電線40の導出部40bをブチルテープ21dとブチルテープ21eとを密着させて挟み込む。また、クランプカバー30の第3開口部33の周囲をブチルテープ21dとブチルテープ21eとを密着させて挟み込む。また、ブチルテープ21cとブチルテープ23とを貼り合わせる。また、ブチルテープ24aとブチルテープ24bとの間に架空電線40を挟み込むようにして、ブチルテープ24aとブチルテープ24bとを貼り合わせる。
【0039】
このように、ブチルテープによって、架空電線40およびクランプカバー30の第3開口部33の周囲を挟み込むことによって、クランプカバー30を取り囲むようにカバーシート1を固定することができる。さらに、長孔15a,15bまたは透孔16a,16bに表面に絶縁材が被覆された針金などを挿通して結ぶことによって、カバーシート1を確実に固定することができる。また、絶縁シート10上に配設したブチルテープ同士を貼り合わせることで、簡単に強力な粘着状態を速やかに達成できるので、作業効率を向上させることができる。
【0040】
図8は、本発明の第2実施形態に係るカバーシートの第1面を示す展開図であり、また、図9は、本発明の第2実施形態に係るカバーシートの第2面を示す展開図である。カバーシート2は、第1実施形態に係るカバーシート1と比較して絶縁シートの形状が異なっている。
【0041】
絶縁シート50は、折目線L3,L4で区画された第1シート領域51、第2シート領域52および第3シート領域53を含んでいる。第2シート領域52は、第1シート領域51に連なり、折目線L3を介して第1シート領域51に連設されており、第3シート領域53は、第1シート領域51の第2シート領域52とは反対側に連なり、折目線L4を介して、第1シート領域51に連設されている。また、絶縁シート50は、折目線L3,L4に沿って折曲げられて折目が付けられており、絶縁シート50が第2シート領域52は、第1シート領域51に対して折れ曲がって連なっている。第3シート領域53は第1シート領域51に対して折れ曲がって連なっている。
【0042】
第1シート領域51は、一平面上に展開した状態において、たとえば、Q,Q,Q,Q,Qを頂点とする五角形である。たとえば、辺Qの長さは、167mm程度であり、辺Qの長さは570mm程度であり、辺Qの長さは125mm程度であり、辺Qの長さは269mm程度であり。辺Qの長さは516mm程度である。
【0043】
第2シート領域52は、一平面上に展開した状態において、たとえば、Q,Q,Q,Q,Qを頂点とする五角形である。たとえば、辺Qの長さは、178mm程度であり、辺Qの長さは、512mm程度であり、辺Qの長さは261mm程度であり、辺Qの長さは、144mm程度である。
【0044】
第3シート領域53は、一平面上に展開した状態において、たとえば、Q,Q,Q,Q10を頂点とする四辺形である。辺Qと辺Q10との幅は30mm程度である。
【0045】
このようなカバーシート2によって、架空電線40に取付けられる絶縁カバーであるクランプカバー30を覆う場合には、第1面の折目線L3に沿って谷折りして、第1面が内側になるように取付ける。第1シート領域51の第1面と第2シート領域52の第1面とでクランプカバー30を側方から挟むように取付ける。クランプカバー30の一側方は、第1シート領域51で覆われ、クランプカバー30の他側方は、第2シート領域52で覆われる。第3シート領域53は、第1面の折目線L4に沿って谷折りして、第1シート領域51と接着する。そして、第3シート領域53の第2面の折目線L4に沿った部分と、第2シート領域52の辺Qに沿った部分とを接着して、クランプカバー30を外囲する。さらに。絶縁シート50の辺Qと辺Qとがほぼ重なるように接着し、辺Qと辺Qとがほぼ重なるように接着し、辺Qと辺Qとがほぼ重なるように接着して、第1実施形態と同様に、架空電線40の導入部40a、導出部40bおよびクランプカバー30の第3開口部33の周囲と密着させる。
【0046】
絶縁シート50の折目線L4上またはL4近傍に透孔54が設けられている。カバーシート2によってクランプカバー30を覆う場合、折目線L3がクランプカバー30の上方に位置し、折目線L4がクランプカバー30の下方に位置するように取付けられる。このため、カバーシート2内に雨水などが浸入しても、辺Qに沿って排水路が形成されているので、カバーシート2内に浸入した水を透孔54から自然落下させて、カバーシート2内から速やかに排出することができる。
【0047】
絶縁シート50の第1シート領域51の辺Qに沿って長孔55aおよび透孔56aが設けられている。また、絶縁シート50の第2シート領域52の辺Qに沿って長孔55bおよび透孔56bが設けられている。長孔55aと、長孔55bとは、折目線L3に関して対称な位置に設けられている。また、透孔56aと透孔56bとは、折目線L3に関して対称な位置に設けられている。長孔55a,55bおよび透孔56a,56bは、絶縁材によって被覆された針金などが相通されてカバーシート2をクランプカバー30に外囲する位置で固定するために用いられる。
【0048】
第1シート領域51と第2シート領域52との境界の近傍には、第1シート領域51と第2シート領域52とが接合する第1接合領域57a,57bが設けられており、第1接合領域57a,57bにおいて、第1シート領域51の第1面と第2シート領域52の第1面とが熱融着されて接合され、第1接合部57が形成されている。すなわち、カバーシート2は、第1シート領域51と第2シート領域52との境界に近接した位置で、第1シート領域51と第2シート領域52とが接合する第1接合部57を有している。第1接合部57は、帯状に形成されているが、折目線L3に沿った形状であればよく、たとえば、折目線L3に沿って複数個を互いに間隔をあけて、断続的に並べて設けることもできる。
【0049】
第1シート領域51と第3シート領域53との境界の近傍に、第1シート領域51と第3シート領域53とが接合する第2接合領域58a,58bが設けられており、第2接合領域58a,58bにおいて、第1シート領域51の第1面と第3シート領域53の第1面とが熱融着されて接合され第2接合部58が形成されている。すなわち、カバーシート2は、第1シート領域51と第3シート領域53との境界に近接した位置で、第1シート領域51と第3シート領域53とが接合する第2接合部58を有している。第2接合部58は、帯状に形成されているが、折目線L4に沿った形状であればよく、たとえば、折目線L4に沿って複数個を互いに間隔をあけて、断続的に並べて設けることもできる。
【0050】
折目線L4は、カバーシート2がクランプカバー30に装着されたとき、下方に位置し、カバーシート2内に入った水の排出路となる。そこで、第2接合領域58a,58bを、折目線L4と重ならない位置に配設することによって、辺Qに沿って排水路を形成し、カバーシート2内に浸入した水を透孔54から自然落下させて、カバーシート2内から速やかに排出することができる。
【0051】
図10はブチルテープを配設したカバーシートの第1面を示す図であり、図11はブチルテープを配設したカバーシートの第2面を示す図である。絶縁シート50の第1面の第1シート領域51および第2シート領域52の周縁部に帯状のブチルテープ61が配設されている。また、辺Qに沿って、ブチルテープ61aが貼着され、辺Qに沿ってブチルテープ61bが貼着され、辺Qに沿ってブチルテープ61cが貼着され、辺Qに沿ってブチルテープ61dが貼着され、辺Qに沿ってブチルテープ61eが貼着され、辺Qに沿ってブチルテープ61fが貼着され、また、辺Qに沿ってブチルテープ61gが貼着されている。これらのブチルテープ61はすべて繋げて配設されていてもよく、また、分割して配設されていてもよい。
【0052】
絶縁シート50の第1面の第3シート領域53の周縁部にブチルテープ62が配設されている。辺Qに沿ってブチルテープ62aが貼着され、辺Q10に沿ってブチルテープ62bが貼着され、絶縁シート50の第2面の第3シート領域53上には、折目線L2に沿ってブチルテープ63が貼着されている。また、絶縁シート50の第1面の長孔55aおよび透孔56aの周縁にブチルテープ64aが配設され、絶縁シート50の第1面の長孔55bおよび透孔56bの周縁にブチルテープ64bが配設されている。ブチルテープを配設した絶縁シート50を有するカバーシート2も、第1実施形態の示すカバーシート1と同様にしてクランプカバー30に装着することができる。
【0053】
本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更、改良等が可能である。たとえば、本発明についてクランプカバーを外囲するカバーシートを例示して詳細に説明したが、クランプカバーを外囲するカバーシートに限定されるものではなく、電線に配設される絶縁カバーである、絶縁修復カバー、碍子カバー、分岐カバーなどを外囲するカバーシートにも適用できる。
【符号の説明】
【0054】
1,2 カバーシート
10,50 絶縁シート
11,51 第1シート領域
12,52 第2シート領域
13,53 第3シート領域
17,57 第1接合部
17a,17b,57a,57b 第1接合領域
18,58 第2接合部
18a,18b,58a,58b 第2接合領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11