(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-18
(45)【発行日】2022-11-29
(54)【発明の名称】ブックカバーおよび本
(51)【国際特許分類】
B42D 3/18 20060101AFI20221121BHJP
【FI】
B42D3/18 D
B42D3/18 F
B42D3/18 Z
(21)【出願番号】P 2019013303
(22)【出願日】2019-01-29
【審査請求日】2021-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】516227238
【氏名又は名称】株式会社イオンライフ
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【氏名又は名称】久松 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】町田 潤次
【審査官】小池 俊次
(56)【参考文献】
【文献】実開昭56-168381(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 3/18
B42D 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本に被せられるブックカバーであって、
本の第1表紙に被さる第1表紙部と、
前記本の第2表紙に被さる第2表紙部と、
前記ブックカバーが前記本に装着された際に前記本の小口に近い小口側が、前記第1表紙部および前記第2表紙部の一方の外面に接続する板状で可撓性を有するグリップ片と、を備え、
前記グリップ片は、
前記第1表紙部および前記第2表紙部の一方の前記外面
のみに重なる伸展状態と、前記伸展状態時に前記本の背に近い背側に位置する端部が内側に差し込まれた湾曲状態と、にすることが可能であることを特徴とするブックカバー。
【請求項2】
請求項1に記載のブックカバーにおいて、
前記第1表紙部および前記第2表紙部の前記一方には第1留め具が設けられ、
前記グリップ片の前記背側には第2留め具が設けられ、
前記第2留め具は、前記第1留め具に磁力により吸着されることにより前記グリップ片を前記伸展状態で留めることを特徴とするブックカバー。
【請求項3】
請求項2に記載のブックカバーにおいて、
前記第1留め具は、前記一方の内部に設けられ、
前記第2留め具は、前記グリップ片の内部に設けられていることを特徴とするブックカバー。
【請求項4】
請求項3に記載のブックカバーにおいて、
前記第2留め具は、前記グリップ片において、前記本の天地に沿う天地方向における一方向側の端縁部と前記背側の背側端縁部との隅部と、前記天地方向における他方向側の端縁部と前記背側端縁部との隅部と、に設けられていることを特徴とするブックカバー。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一つに記載のブックカバーにおいて、
前記第1表紙部および前記第2表紙部の前記一方における前記小口側の端縁部に前記グリップ片は接続されていることを特徴とするブックカバー。
【請求項6】
請求項5に記載のブックカバーにおいて、
前記ブックカバーは、平面視矩形であり、前記本に装着された際に前記本の天に近い天側の端縁部にしおりが接続し、
前記グリップ片において、
前記伸展状態時に前記本の地に近い地側の地側端縁部は、前記第1表紙部および前記第2表紙部の前記一方の前記地側の端縁部に沿って延び、
小口側端縁部は、前記第1表紙部および前記第2表紙部の前記一方の前記小口側の端縁部よりも短く、
背側端縁部は、前記小口側端縁部よりも短く、
前記伸展状態時に前記本の天に近い天側の天側端縁部は、前記小口側から前記背側に進むに従って前記地側に進むことを特徴とするブックカバー。
【請求項7】
請求項6に記載のブックカバーにおいて、
前記天側端縁部が上に位置し内面が使用者の正面にくる姿勢の前記ブックカバーを使用者が見た場合に使用者の右側に位置する前記第1表紙部および前記第2表紙部の一方に対し、前記グリップ片は接続することを特徴とするブックカバー。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一つのブックカバーにおいて、
前記小口側が前記第1表紙部および前記第2表紙部の他方の外面に接続する板状で可撓性を有する他方側グリップ片を備え、
前記他方側グリップ片は、前記外面に重なる伸展状態と、前記伸展状態時に前記本の背に近い背側に位置する端部が内側に差し込まれた湾曲状態と、にすることが可能であることを特徴とするブックカバー。
【請求項9】
表紙および裏表紙の少なくとも一方の外面に、板状で可撓性を有するグリップ片における小口に近い側が接続し、前記グリップ片は、前記外面に重なる伸展状態と、前記伸展状態時に背側に位置する端部が内側に差し込まれた湾曲状態と、にすることが可能であることを特徴とする本。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブックカバーおよび本に関する。
【背景技術】
【0002】
ブックカバーにおいて、表表紙部および裏表紙部にドーム部材を溶着し、読書の際にドーム部材が掌に当たることにより本の支持を容易にするものが知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のブックカバーが掛けられた本は、カバンに収容される際に、ドーム部材の分、幅をとるという問題や、隣の本とドーム部材が接することにより不安定な姿勢になるという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、読書の際における本の支持を容易にする部位を備え、かつ好適に収容できるブックカバーおよび本を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)本に被せられるブックカバーであって、
本の第1表紙に被さる第1表紙部と、
前記本の第2表紙に被さる第2表紙部と、
前記ブックカバーが前記本に装着された際に前記本の小口に近い小口側が、前記第1表紙部および前記第2表紙部の一方の外面に接続する板状で可撓性を有するグリップ片と、を備え、
前記グリップ片は、前記外面に重なる伸展状態と、前記伸展状態時に前記本の背に近い背側に位置する端部が内側に差し込まれた湾曲状態と、にすることが可能であることを特徴とするブックカバー。
(2)(1)に記載のブックカバーにおいて、
前記第1表紙部および前記第2表紙部の前記一方には第1留め具が設けられ、
前記グリップ片の前記背側には第2留め具が設けられ、
前記第2留め具は、前記第1留め具に磁力により吸着されることにより前記グリップ片を前記伸展状態で留めることを特徴とするブックカバー。
(3)(2)に記載のブックカバーにおいて、
前記第1留め具は、前記一方の内部に設けられ、
前記第2留め具は、前記グリップ片の内部に設けられていることを特徴とするブックカバー。
(4)(3)に記載のブックカバーにおいて、
前記第2留め具は、前記グリップ片において、前記本の天地に沿う天地方向における一方向側の端縁部と前記背側の背側端縁部との隅部と、前記天地方向における他方向側の端縁部と前記背側端縁部との隅部と、に設けられていることを特徴とするブックカバー。
(5)(1)から(4)のいずれか一つに記載のブックカバーにおいて、
前記第1表紙部および前記第2表紙部の前記一方における前記小口側の端縁部に前記グリップ片は接続されていることを特徴とするブックカバー。
(6)(5)に記載のブックカバーにおいて、
前記ブックカバーは、平面視矩形であり、前記本に装着された際に前記本の天に近い天側の端縁部にしおりが接続し、
前記グリップ片において、
前記伸展状態時に前記本の地に近い地側の地側端縁部は、前記第1表紙部および前記第2表紙部の前記一方の前記地側の端縁部に沿って延び、
小口側端縁部は、前記第1表紙部および前記第2表紙部の前記一方の前記小口側の端縁部よりも短く、
背側端縁部は、前記小口側端縁部よりも短く、
前記伸展状態時に前記本の天に近い天側の天側端縁部は、前記小口側から前記背側に進むに従って前記地側に進むことを特徴とするブックカバー。
(7)(6)に記載のブックカバーにおいて、
前記天側端縁部が上に位置し内面が使用者の正面にくる姿勢の前記ブックカバーを使用者が見た場合に使用者の右側に位置する前記第1表紙部および前記第2表紙部の一方に対し、前記グリップ片は接続することを特徴とするブックカバー。
(8)(1)から(7)のいずれか一つのブックカバーにおいて、
前記小口側が、前記第1表紙部および前記第2表紙部の他方の外面に接続する板状で可撓性を有する他方側グリップ片を備え、
前記他方側グリップ片は、前記外面に重なる伸展状態と、前記伸展状態時に前記本の背に近い背側に位置する端部が内側に差し込まれた湾曲状態と、にすることが可能であることを特徴とするブックカバー。
(9)表紙および裏表紙の少なくとも一方の外面に、板状で可撓性を有するグリップ片における小口に近い側が接続し、前記グリップ片は、前記外面に重なる伸展状態と、前記伸展状態時に背側に位置する端部が内側に差し込まれた湾曲状態と、にすることが可能であることを特徴とする本。
【発明の効果】
【0007】
本発明のブックカバーでは、伸展状態のグリップ片の背に近い背側の端部を該グリップ片の内側に差し込むことにより、グリップ片を湾曲状態にできる。読書時に、湾曲状態のグリップ片により、第1表紙部または第2表紙部を支持する手を自然な形に保持でき、使用者が楽に第1表紙部または第2表紙部を支持できるようになる。読書時以外では、グリップ片を伸ばして伸展状態にすることで、ブックカバーを装着した本の収容時などに、グリップ片により幅が取られたり、本の収容の安定性を損なったりすることがない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態のブックカバーの斜視図である。
【
図2】開いた状態のカバー本体の内面側を示す図である。
【
図3】開いた状態のカバー本体の外面側を示す平面図である。
【
図4】本に装着されるブックカバーを示す図である。
【
図5】背側端縁部が内側に差し込まれたグリップ片の湾曲状態を示す図である。
【
図6】グリップ片が湾曲状態とされたブックカバーの使用状態を示す図である。
【
図8】第3実施形態の開いた状態のブックカバーの外面側を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、ブックカバー1の斜視図である。
ブックカバー1は、本に被せられるものであり、カバー本体2と、グリップ片3とを備える。
【0010】
カバー本体2は、第1表紙部21、第2表紙部22、背部23を備える。カバー本体2には、紐状のしおり24が付いている。カバー本体2は、通常、しおり24が上にくる姿勢で本に装着される。
【0011】
第1表紙部21は、見開きで左に位置する本の第1表紙に被さる。第1表紙は、一般的に、本が文庫本等でタテ組の場合は表表紙となり、本がヨコ組の場合は裏表紙となる。第1表紙部21は、実施形態の場合、読書する人の右手に支えられることになる。
【0012】
第2表紙部22は、本の見開きで右に位置する第2表紙に被さる。第2表紙は、一般的に、本がタテ組の場合は裏表紙となり、本がヨコ組の場合は表表紙となる。背部23は、本の背に被さる。
【0013】
図2は、開いた状態のカバー本体2の内面側を示す図である。
カバー本体2は、開いた状態、かつ後述の折り返し222を折り返した状態では、矩形である。カバー本体2は、皮等の外面側生地とナイロン等の内面側生地とを互いに縁で縫い合わせたものであって、端部に折り返し222が形成された基材20に、しおり24、後述の袖211およびバンド221が接続したものである。
【0014】
以降、カバー本体2が本に装着された際に、カバー本体2において、本の小口に近い側となる
図2中の左側および右側を小口側と記載する。同様に、カバー本体2において、本の背に近い側となる
図2中の左右方向における中央側を背側と記載する。同様に、本の天に近い側となる
図2中の上側を天側と記載し、地に近い側となる
図2中の下側を地側と記載する。
【0015】
第1表紙部21の内面側には、袖211が設けられている。袖211は、背側に開くポケット状となるように、外面側生地と同じ生地の縁が基材20に対して縫い合わされている。袖211には、本の第1表紙が差し込まれる。袖211には、平たいしおりを差し込むことが可能なスリット212が形成されている。
【0016】
第1表紙部21内には、グリップ片3の後述する磁石351,352(
図3:第2留め具)に対応する位置に、円形の磁石251,252(第1留め具)が設けられる。磁石251,252は、第1表紙部21の外面側生地または/および内面側生地の内側に接着剤等により固定される。
【0017】
背部23の天側の端縁部にしおり24が接続する。
【0018】
第2表紙部22には、本の第2表紙が差し込まれるバンド221と、バンド221下に差し込まれて本の第2表紙を抑える折り返し222がある。
【0019】
図3は、開いた状態のカバー本体2の外面側を示す図である。
グリップ片3は、板状で可撓性を有し、小口側が第1表紙部21の外面に接続する。具体的には、グリップ片3の小口側端縁部31は、直線状であり、第1表紙部21の小口側の端縁部に縫い合わされて接続している。
図3では、第1表紙部21の外面に重なる伸展状態のグリップ片3を示している。グリップ片3は、皮等の外面側生地とナイロン等の内面側生地とを互いに縁で縫い合わせたものである。
【0020】
グリップ片3は、第1表紙部21の地側の隅部に角が合わさるように配置されている。グリップ片3は、背側に延び、背部23には至らない。グリップ片3の小口側端縁部31は、第1表紙部21の小口側の端縁部よりも短く、第1表紙部21の地側の端縁部から天側の端縁部の手前まで延びる。グリップ片3の地側端縁部32は、グリップ片3の伸展状態時には直線状であり、第1表紙部21の地側の端縁部に沿って延びる。
【0021】
背側端縁部33は、グリップ片3の伸展状態時には、小口側端縁部31と平行な直線状である。背側端縁部33は、小口側端縁部31よりも短い。グリップ片3の天側端縁部34は、グリップ片3の伸展状態時には、小口側から背側に進むに従って地側に進むなだらかな曲線状である。
【0022】
グリップ片3の背側の内部には、円形の磁石351,352が設けられる。磁石351,352は、グリップ片3の外面側生地または/および内面側生地の内側に接着剤等により固定される。磁石351は、グリップ片3の内部において、天側端縁部34と背側端縁部33との隅部に設けられる。磁石352は、グリップ片3の内部において、地側端縁部32と背側端縁部33との隅部に設けられる。天側端縁部34は、本の天地に沿う天地方向における一方向側の端縁部となる。地側端縁部32は、本の天地に沿う天地方向における他方向側の端縁部となる。
【0023】
磁石351,352は、グリップ片3が伸展状態の際には、第1表紙部21の磁石251,252と対向する。磁石351,352、251,252は、例えば同一の大きさである。伸展状態のグリップ片3の磁石351,352は、第1表紙部21の磁石251,252に磁力により吸着されることにより、グリップ片3を伸展状態で第1表紙部21に留める。
【0024】
図4は、本に装着されるブックカバー1を示す図であり、本の図示は省略している。後術の
図5でも同様である。
ブックカバー1を装着した本を使用者が読書する際、
図4に示すように、グリップ片3は、天側端縁部34が上に位置し内面が正面にくる姿勢のブックカバー1を使用者が見た場合に使用者の右側に位置する第1表紙部21に対し、接続する。
【0025】
使用者は、読書の最中に、第1表紙部21を支持する右手で、グリップ片3を、背側端縁部33をグリップ片3の内側に差し込むようにして湾曲させることができる。
図5に示すように、使用者は、背側端縁部33をグリップ片3の内側に差し込み、例えば背側端縁部33を小口側端縁部31の裏側に当接するまで奥に差し込み、グリップ片3を、背側端縁部33が内側に差し込まれた湾曲状態にすることができる。グリップ片3は、グリップ片3のこしにより、このように湾曲した状態となり、また、グリップ片3と第1表紙部21との摩擦により、湾曲状態に保持される。
【0026】
(効果)
図6は、グリップ片3が湾曲状態とされたブックカバー1の使用状態を示す図である。
グリップ片3を湾曲状態とすることにより、右手の掌に湾曲状態のグリップ片3が当たり、第1表紙部21を支持する右手を自然な形に保持できる。このため、使用者が楽に第1表紙部21を支持できるようになる。
【0027】
読書時以外では、グリップ片3を伸ばして伸展状態にできるので、ブックカバー1を装着した本の収容時などに、グリップ片3により幅が取られたり、本の収容の安定性を損なったりすることがない。
【0028】
グリップ片3の伸展状態時には、グリップ片3を磁石251,252,351,352によって第1表紙部21にしっかりと留めることができる。磁石251,252,351,352は、グリップ片3および第1表紙部21の内部に設けられ、露出しないので、ブックカバー1の美観を良好にできる。
【0029】
伸展状態におけるグリップ片3の背側の両隅部に磁石251,252が設けられているので、グリップ片3を第1表紙部21に安定的に留めることができる。磁石251,252の間の部分の第1表紙部21への付着は、両隅部に比べると弱い。そのため、使用者は、グリップ片3を湾曲させる際に、背側端縁部33の中央部を小口側に引き寄せやすい。
【0030】
グリップ片3は、第1表紙部21の小口側の端縁部に接続されているので、湾曲状態時に第1表紙部21の小口側の端縁部に位置する。そのため、グリップ片3は、掌の好適な位置に当たることとなり、使用者による第1表紙部21の支持がより楽になる。
【0031】
グリップ片3において、小口側端縁部31は第1表紙部21の小口側の端縁部よりも短く、地側端縁部32は第1表紙部21の地側の端縁部に沿い、背側端縁部33の方が小口側端縁部31よりも短くなっており、略台形状に形成されている。グリップ片3は、第1表紙部21の小口側および地側の隅部に寄せて配置されているので、伸展状態時におけるブックカバー1の美観が良好となる。
【0032】
グリップ片3において、第1表紙部21への接続箇所である小口側端縁部31の長さが十分にあるので、クリップ片3を第1表紙部21に強固に接続できる。一方、背側端縁部33を小口側端縁部31より短くすることで、天側端縁部34が背側かつ地側に向かって傾斜する。そのため、実施形態では、背側端縁部33を小口側に引き寄せやすくなっており、グリップ片3を容易に湾曲させることができる。
【0033】
(第2実施形態)
図7は、本100の斜視図である。明細書において本とは、シートが閉じられたものを指し、綴じるシートの枚数に対する限定はないものとする。
本100は、第1表紙21A、第2表紙22A、背23A、およびグリップ片3Aを備える。
【0034】
グリップ片3Aの形状、接続の仕方等は、第1実施形態のグリップ片3と同様である。グリップ片3Aは、第1表紙21Aの外面に小口に近い側が接続する。グリップ片3Aは、外面に重なる伸展状態と、伸展状態時に背側に位置する端部が内側に差し込まれた湾曲状態(
図5参照)と、にすることが可能である。
【0035】
グリップ片3Aの背側の両隅部内には磁石351A,352Aが設けられるとともに、第1表紙21A内において磁石351A,352Aに対応する位置に磁石251A,252Aが設けられる。
【0036】
(第3実施形態)
図8は、開いた状態のブックカバー1Bの外面側を示す図である。
ブックカバー1Bは、第1実施形態のブックカバー1の第2表紙部22に、グリップ片3B(他方側グリップ片)が取り付けられたものである。伸展状態のグリップ片3Bは、ブックカバー1Bが開いた状態の際に、伸展状態の第1表紙部21のグリップ片3と、左右対称の形状となる。グリップ片3Bは、グリップ片3と同様の構成を備えており、伸展状態および湾曲状態にできる。グリップ片3Bは、グリップ片3の磁石351,352と同様の構成・位置の磁石351B,352Bを備える。第2表紙部22内において、磁石351B,352Bに対応する各位置に不図示の磁石がある。
【0037】
本実施形態では、グリップ片3、3Bを共に湾曲状態とすることにより、左右両手の掌に湾曲状態のグリップ片3、3Bが当たり、本を支持する両手を自然な形に保持できる。このため、使用者が楽に本を支持できる。
【0038】
(変形例)
グリップ片3,3A、3Bの形状は、矩形状、多角形状、半円状等どのような形状であってもよい。
グリップ片3の第1表紙部21への接続およびグリップ片3Bの第2表紙部22への接続は、実施形態では縫い合わせを例示したが、接着剤等、適宜の手段を利用できる。グリップ片3Aの第1表紙21Aへの接続も、同様に適宜の手段を利用できる。
【0039】
グリップ片3Aは、第1表紙21Aおよび第2表紙22Aの一方または両方にあればよい。
【0040】
ブックカバー1は、紐型のしおり24がなくてもよく、天地逆にして本に対して装着できてもよい。
【0041】
磁石351,352、351A,352A、351B,352Bにおいて、グリップ片3、3A,3Bにおける位置、形状、数は、適宜でよい。例えば、磁石351,352、351A,352A、351B,352Bは、背側端縁部33に亘って天地方向に延びる長手状であってもよい。第1表紙部21および第1表紙21A側の磁石251,252、251A,252Aも同様であり、例えば天地方向に延びる長手状であってもよい。
【0042】
第1表紙部21は、矩形でなくてもよく、本の第1表紙に被さるものであれば、どのような形状であってもよい。第2表紙部22も、矩形でなくてもよく、どのような形状であってもよい。
【0043】
グリップ片3側の磁石351,352および第1表紙部21側の磁石251,252の一方は、磁性体であってもよい。磁石351B,352Bおよび第2表紙部22側の磁石の一方は、磁性体であってもよい。グリップ片3A側の磁石351A,352Aおよび第1表紙21A側の磁石251A,252Aの一方は、磁性体であってもよい。
【0044】
伸展状態のグリップ片3、3Bを第1表紙部21に固定および解除自在に留めるための留め具の例として、実施形態では磁石を用いる例を示した。しかし、留め具は、面ファスナーや線ファスナー、ボタンを用いるものであってもよい。グリップ片3Aにおいても同様である。なお、グリップ片3、3Bを第1表紙部21に固定および解除自在に留める留め具をグリップ片3、3Bおよび/または第1表紙部21に設ける例を実施形態では説明したが、留め具はグリップ片3、3Bおよび/または第1表紙部21に設けられていなくてもよい。グリップ片3Aおよび第1表紙21Aにおいても同様である。
【0045】
本発明は、その特徴から逸脱することなく、実施形態で実施できる。実施形態、変形例、効果は単なる例示であり、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。各実施形態および変形例の特徴、構造は、追加でき、また代替の構成を得るために様々な方法で組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0046】
1…ブックカバー、3、3A、3B…グリップ片、21…第1表紙部、21A…第1表紙、22A…第2表紙、22…第2表紙部、24…しおり、31…小口側端縁部、32…地側端縁部、33…背側端縁部、34…天側端縁部、100…本、251,252、251A,252A…磁石(第1留め具)、351,352、351A,352A、351B,352B…磁石(第2留め具)。