(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-18
(45)【発行日】2022-11-29
(54)【発明の名称】γ-ケトアルデヒドスカベンジャーによる心房細動/粗動の予防及び治療
(51)【国際特許分類】
A61K 31/137 20060101AFI20221121BHJP
A61P 9/06 20060101ALI20221121BHJP
【FI】
A61K31/137
A61P9/06
(21)【出願番号】P 2019500259
(86)(22)【出願日】2017-07-07
(86)【国際出願番号】 US2017041211
(87)【国際公開番号】W WO2018009875
(87)【国際公開日】2018-01-11
【審査請求日】2020-06-22
(32)【優先日】2016-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511183973
【氏名又は名称】ヴァンダービルト ユニバーシティー
【氏名又は名称原語表記】VANDERBILT UNIVERSITY
【住所又は居所原語表記】305 Kirkland Hall,2201 West End Avenue,Nashville, Tennessee 37240, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100065248
【氏名又は名称】野河 信太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【氏名又は名称】冨田 雅己
(74)【代理人】
【識別番号】100213849
【氏名又は名称】澄川 広司
(72)【発明者】
【氏名】マリー,キャサリン ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ロバーツ,エル.ジャクソン セカンド
(72)【発明者】
【氏名】アマーナス,ベンカタラマン
【審査官】伊藤 幸司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0157501(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0249562(US,A1)
【文献】Journal of Molecular and Cellular Cardiology,2015年,79,pp.295-302
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬学的に許容し得る担体と、下記式:
【化1】
の化合物又はそのステレオアイソマー或いはその薬学的に許容し得る塩とを含んでなる、心房細動の発症を予防又は寛解する医薬組成物。
【請求項2】
薬学的に許容し得る担体と、下記式:
【化2】
の化合物又はそのステレオアイソマー或いはその薬学的に許容し得る塩とを含んでなる、心房性不整脈の発症を治療、予防又は寛解する医薬組成物。
【請求項3】
前記化合物が
【化3】
又はその薬学的に許容し得る塩である、請求項1
又は2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記発症が高血圧により引き起こされる請求項1~
3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記発症が肥満により引き起こされる請求項1~
3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
薬学的に許容し得る担体と、下記式:
【化4】
の化合物又はそのステレオアイソマー或いはその薬学的に許容し得る塩とを含んでなる、心房伸長を有する対象の心房細動の発症を治療、予防又は寛解する医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
政府の補助
本発明は、国立衛生研究所により授与された助成番号HL096844、GM007569及びTR000445の政府の支援によりなされた。米国政府は本発明に関する権利を有する。
先の出願
本願は、2016年7月7日出願の米国特許出願第62/359,705号(この内容は、参照により本明細書中に組み込まれる)の利益を主張する。
【0002】
発明の背景及び概要
心房細動(AF)は、臨床的に重要な最も一般的な心不整脈であり、破壊的な転帰をもたらすことが多い。現行の治療はしばしば有効でないので、AFを引き起こす分子機序の理解の向上及びAFを治療する新規なストラテジについて重大な必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明者らは、炎症及び酸化ストレスをAFの病因及び進行に結びつけた。不運なことに、「上流治療」(ビタミンC及びE、スタチン並びにレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系の阻害剤を含む)としての抗酸化物質は、臨床試験において有効でなかった。このことは、適切な分子標的及び/又は治療ストラテジの限定的理解を強調している。最近、心血管系及び脳で起きる酸化的傷害に関与する酸化ストレスの高度反応性メディエーターが同定された。酸化的傷害の存在下で、アラキドン酸は、酸化及び構造的再配置を受けてβ-ケトアルデヒド(β-KA)(イソレブグランジン(IsoLG)とも記載される)を生成することがある。これら化合物は、これまでに同定された、脂質過酸化の最も反応性の産物であり、これらは、タンパク質のリシル残基に迅速に付加して安定な付加体及び分子間架橋を形成する。β-KA付加体は、酸化的傷害及び炎症に関連付けられる複数の病原条件(アルツハイマー病及び高血圧を含む)において増加する。生理学的プロセス(例えば、細胞シグナル伝達)に関与する反応性酸素種(ROS)とは異なり、β-KAに帰せられている生理学的効果/有益効果は存在しない。むしろ、これらは、細胞毒性タンパク質オリゴマーへのアミロイドβ1-42の凝集(アルツハイマー病に関連付けられている)を直接促進して、神経毒性及び他の原線維生成性タンパク質の凝集を増強することが示されている。
【0004】
本発明の化合物は、上流治療の代替アプローチとして、β-KAに迅速に結合してこれら傷害性メディエーターを「スカベンジング」し、酸化的タンパク質改変を予防する。本発明の化合物の1つであるサリチルアミンは、前臨床動物研究における優れた安全性プロフィールを有する天然の生成物である。更に、サリチルアミンは、β-KA及び毒性タンパク質オリゴマーの両方の生成を予防し、アルツハイマー病及び高血圧の動物モデルにおいて顕著な治療的有益性を有する。本発明者らは、AF感受性(迅速に刺激される心房細胞、高血圧、肥満及び家族性AFを含む)に関連付けられた細胞モデル及びインビボモデルにおいてタンパク質オリゴマー及び酸化ストレス/β-KA生成を同定した。重要なことには、本発明者らの予備的データは、心房性タンパク質オリゴマー生成及びAF負荷を低減するβ-KAスカベンジングの有益効果を証明する。したがって、サリチルアミン及び(今日までに開発されている)その構造的アナログは、心房性不整脈(例えば、心房細動/心房粗動)を予防し治療するための完全に新規な治療法である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】
図1は、酸化ストレスをIsoLG/PAO形成と、最終的には心房性催不整脈と結びつけるフローチャートである。
【
図2】
図2は、イソレブグランジンとして知られる1,4-ジカルボニル(赤色囲み)化合物のピリドキサミン及びその構造的アナログ2-HOBA(中央囲み)によるスカベンジングの化学機序を示す。
【
図3】
図3はANP及びPAO免疫反応性の共存を示す。隣接する5μmヒト心房サンプルにおけるPAO特異的(A-11;A)及びANP特異的(B)抗体での免疫標識。C. バイナリマスク又は心筋領域。D.隣接切片における心筋内でのPAO(緑)及びANP(赤)シグナル。スケールバー=50μm。
【
図4】
図4は、心房HL-1細胞についてPAO形成物中のIsoLGを示す。合成IsoLG(イソケタール)との6時間のインキュベーション後、ペーシングされていない細胞(上パネル)においてPAO形成が明らかとなった。抗-IsoLG付加体抗体(D11 ScFv)はペーシングされた細胞において免疫反応性であったが、コントロール細胞では免疫反応性でなかった(下パネル)。
【
図5】
図5は、angII-媒介HTNの間に形成される心房性IsoLG付加体(A及びB[予備的質量分析データ;各n=1、1又は3つのプールされた心房全体で類似する結果])及びPAO(C及びD)を示す。スケールバー=50μm。
【
図6】
図6は、心房性PAOと部分的に共存し、心房細胞に対する細胞毒性であるANPオリゴマーを示す(A-D)。
図3と同様の形式。スケールバー=50μm。(E)IsoLGとの24時間のインキュベーションと比較した、24時間又は6日間のペプチドインキュベーション(10μM)後のANPのウェスタンブロット。(F)ANPオリゴマー(2週間のインキュベーション)は心房性HL-1細胞(24時間曝露)によるATP産生を減少させる。
【
図7】
図7は、高血圧-媒介AFがジカルボニルスカベンジャー2-HOBAにより抑制されることを証明する。(A)正常血圧(偽処置)及び高血圧(ang II)マウス並びに2-HOBA、4-HOBA又はヒドララジン/ヒドロクロロジアジド(hyd/HCTZ)で処置した高血圧マウス(それぞれn=13、17、14、7及び7)についてのトータルの誘導性AF負荷(* P<0.05、** P<0.01)。(B)各実験群について血圧データを経時的に示す。
【
図8】
図8は、2-HOBAがangII-媒介高血圧の間にIsoLG付加体及びPAOの生成を防止することを証明する。(A)正常血圧(偽処置)及び高血圧(angII)マウス並びに2-HOBA処置高血圧マウスにおけるPAO(A11又は上列)、心筋(MF20又は中央列)及びIsoLG付加体(D-11;下列)の代表的画像。スケールバー=50μm。(B)PAO負荷についての概要データ(G/R値として表す)。
【
図9】
図9は、心房性HL-1細胞において周期性10%ストレッチ(24時間)下及び非ストレッチ条件下で定量したIsoLG付加体を示す。
【
図10】
図10は、DIO-媒介AFが2-HOBAにより抑制されることを証明する。(A)低脂肪食餌(LFD)又は高脂肪食餌(HFD)を与えたマウス及び2-HOBA又は4-HOBAを処置したHFDマウスにおけるトータルの誘導性AF負荷を示す(各n=10;* P<0.05, ** P<0.01)。(B)各実験群について体重データを経時的に示す。
【
図11】
図11は肥満が心房性PAOを引き起こすことを示す。A, B.低脂肪食餌(LFD)又は高脂肪食餌(HFD;8週間)を与えたマウスのLAにおけるPAOシグナルの合成及び採集画像。
【
図12】
図12は、NTG、NPPA(WT)及びm-NPPA(変異体)マウスの心房におけるPAO形成を示す。PAO及び心筋特異的抗体での免疫標識(下パネル=概要データ)。
【
図13】
図13は、野生型ANPと比較した、変異体ANPペプチドの原線維生成の増強を示す。24時間のIsoLG(10μM)の非存在下/存在下での、6日間及び10日間のインキュベーション後の野生型(WT)及び変異体(Mut)のANPのANPウェスタンブロット(シングルブロット、ギャップ=空レーン除去)。
【
図14】
図14は、WT及びm-ANPと種々の期間インキュベートした心房性HL-1細胞のATP産生を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
発明の説明
本発明の化合物、組成物、物品、システム、装置及び/又は方法を開示し説明する前に、これらは当然に変化し得るので、そうでないと示されない限り、これらが特定の合成方法に制限されず、そうでないと示されない限り特定の薬剤に制限されないことを理解すべきである。また、本明細書において使用される用語法が特定の観点のみを記述する目的であり、制限的であることを意図されていないことも理解すべきである。本明細書に記載のものに類似するか等価である任意の方法及び材料を本発明の実施又は試験に用いることができるが、ここでは例示の方法及び材料を説明する。
本明細書において言及される全ての刊行物は、当該刊行物が引用されている事項に関連する方法及び/又は材料を開示し説明するために、参照により本明細書中に組み込まれる。本明細書において言及される刊行物は、本願出願日前の開示に関してのみ提供されるにすぎない。本明細書において、本発明が先行発明のために当該刊行物に先行しているとする資格がないことを自認したように解釈されるものではない。更に、本明細書において提供される刊行物の刊行日は、実際の刊行日と異なることがあり、独立して確認する必要がある。
【0007】
本明細書及び添付の請求の範囲において用いる場合、単数形は、その内容がそうでないことを明確に示していない限り、言及対象が複数であることも含む。よって、例えば、「官能基」、「アルキル」又は「残基」への言及は、2又は3以上の当該官能基、アルキル又は残基の組合せも含む、といった具合である。
範囲は、本明細書においては、「約」が付された或る特定の値からとして及び/又は「約」が付された他の特定の値までとして表現され得る。このような範囲が表現されているとき、更なる観点は当該或る特定の値から及び/又は当該他の特定の値までを含む。同様に、値が先行詞「約」を用いて近似値として表現されるとき、当該特定の値が更なる観点を構成するものと理解される。更に、範囲の各端点は、その他の端点に対しても、その他の端点から独立しても、有意であると理解される。また、本明細書に開示される幾つかの値が存在すること、及び各値は、本明細書においては、当該値自体に加えて、「約」が付された当該特定の値としても開示されているものと理解される。例えば、値「10」が開示されている場合、「約10」も開示されている。2つの特定の単位の間の各単位もまた開示されているものと理解される。例えば、10及び15が開示されている場合、11、12、13及び14もまた開示されている。
【0008】
本明細書で用いる場合、用語「任意に有していてもよい~」又は「任意に~していてもよい」は、その後に記載する事象又は状況が生じても生じなくてもよいこと、並びに当該記載が前記事象又は状況が生じる場合の例及び生じない場合の例の両方を含むことを意味する。
本明細書で用いる場合、用語「対象者」とは投与の標的をいう。本明細書に開示される方法の対象者は、脊椎動物(例えば、哺乳動物)、魚類、鳥類、爬虫類又は両生類であり得る。よって、本明細書に開示される方法の対象者は、ヒト、非ヒト霊長類、ウマ、ブタ、ウサギ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ネコ、モルモット又はげっ歯類であり得る。この用語は、特定の年齢も特定の性別も意味しない。よって、成体の及び新生の対象者並びに胎児/胎仔が、雄性又は雌性にかかわらず、包含されると意図されている。患者とは疾患又は障害に罹患した対象者をいう。用語「患者」はヒト及び獣医学的対象者を含む。
【0009】
本明細書で用いる場合、用語「治療」とは、疾患、病的状態又は障害を治癒、寛解、安定化又は予防する意図での患者の医学的管理をいう。この用語は、積極的治療、すなわち、疾患、病的状態又は障害の改善に対して特異的に向けられた治療を含み、また、原因治療、すなわち、関連する疾患、病的状態又は障害の原因の除去に向けられた治療も含む。加えて、この用語は、待期療法、すなわち、疾患、病的状態又は障害の治癒より症状の軽減のために計画された治療;予防療法、すなわち、関連する疾患、病的状態又は障害の最小化又はそれらの発症の部分的若しくは完全な阻止に向けられた治療;及び支持治療、すなわち、関連する疾患、病的状態又は障害の改善に向けられた他の特異的療法を補うために用いられる治療を含む。
本明細書で用いる場合、用語「予防する」又は「予防すること」とは、特に事前の作用により、何かの発生を防止すること、回避すること、取り除くこと、事前に措置すること、停止させること又は妨げることをいう。低減する、阻害する又は予防するが本明細書において使用される場合、具体的にそうでないと示されていない限り、他の2つの語の使用もまた、明確に開示されているものと理解される。本明細書において理解し得るように、治療及び予防の定義は重複部分が存在する。
【0010】
本明細書で用いる場合、用語「診断される」は、当業者(例えば、医師)による健康診断を受け、本明細書において開示される化合物、組成物又は方法により診断又は治療することができる病的状態を有することが判明したことを意味する。本明細書で用いる場合、句「障害についての治療を必要としていると同定される」などとは、当該障害の治療の必要性に基づく対象者の選択をいう。例えば、対象者は、当業者による早期の診断に基いて、障害(例えば、炎症に関連する障害)の治療の必要性を有していると同定され得、その後、当該障害について治療を受けることができる。同定は、1つの観点において、診断する人とは異なる人が行い得ることも企図されている。また、更なる観点において、施術は、その後に施術を行う者が行い得ることも企図されている。
本明細書で用いる場合、用語「投与すること」及び「投与」とは医薬調製物を対象者に提供する任意の方法をいう。このような方法は当業者に周知であり、経口投与、経皮投与、吸入投与、経鼻投与、局所投与、膣内投与、眼投与、耳内投与、脳内投与、直腸投与及び非経口投与(注射可能な、例えば、静脈内投与、動脈内投与、筋肉内投与及び皮下投与を含む)を含むが、これらに限定されない。投与は連続的又は間欠的であり得る。種々の観点において、調製物は、治療的に投与し得る;すなわち、既存の疾患又は病的状態を治療するために投与され得る。更なる種々の観点において、調製物は予防的に投与し得る;すなわち、疾患又は病的状態の予防のために投与され得る。
【0011】
本明細書で用いる場合、用語「有効量」とは、望ましくない状態に対して、所望の結果を達成するため又は或る効果を発揮するために十分である量をいう。例えば、「治療有効量」とは、望ましくない症状に対して、所望の治療結果を達成するため又は或る効果を発揮するために十分であるが、有害な副作用を引き起こすには一般的に不十分である量をいう。任意の特定の患者についての具体的な治療有効用量レベルは、種々の因子(治療すべき障害及び該障害の重篤度;用いる具体的組成物;患者の年齢、体重、健康一般、性別及び食餌;投与の回数;投与の経路;用いる具体的化合物の排泄速度;治療の継続期間;用いる具体的化合物と意図的に組み合わせて用いられるか又は偶然に同時に投与される薬物などを含む、医療分野において周知の因子)に依存する。例えば、所望の治療効果の達成に必要なレベルより低いレベルの用量の化合物から始めて、所望の効果が達成するまで徐々に投薬量を増加させることは、当業者に周知である。所望であれば、効果的な日用量は投与目的で複数の用量分割し得る。結果として、単回用量組成物は、そのような量又は日用量となるようなその約数分量を含み得る。投薬量は、任意の配合禁忌の場合、個々の医師により調整され得る。投薬量は変化し得、1日に1回又は2回以上の投薬で1日間又は数日間投与され得る。ガイダンスは、所与の医薬品クラスの適切な投薬についての文献に見出すことができる。更なる種々の観点において、調製物は「予防有効量」;すなわち、疾患又は病的状態の予防に効果的な量で投与され得る。
【0012】
本明細書で用いる場合、用語「薬学的に許容し得る担体」とは、滅菌の水性又は非水性の溶液、分散物、懸濁物又はエマルジョン、及び使用直前での滅菌の注射可能な溶液又は分散物への再構成のための滅菌の粉体をいう。適切な水性及び非水性の担体、希釈剤、溶媒又はビヒクルの例として、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、カルボキシメチルセルロース及びそれらの適切な混合物、植物油(例えば、オリーブ油)及び注射可能な有機エステル(例えば、オレイン酸エチル)が挙げられる。適切な流動性は、例えば、コーディング剤(例えば、レシチン)の使用により、分散物の場合には必要な粒子サイズの維持及び界面活性剤の使用により維持され得る。これら組成物はまた、アジュバント、例えば、防腐剤、湿潤剤、乳化剤及び分散剤を含有し得る。微生物の作用の予防は、種々の抗細菌及び抗菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などを含ませることにより保証し得る。等張剤、例えば、糖、塩化ナトリウムなどを含ませることが望ましいこともある。注射可能な剤形の延長された吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えばモノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンを含ませることにより生じ得る。注射可能なデポー剤形は、生分解性ポリマー、例えば、ポリラクチド-ポリグリコリド、ポリ(オルトエステル)及びポリ(無水物)中に薬物のマイクロカプセルマトリクスを形成することにより製造される。薬物 対 ポリマーの比及び用いる特定のポリマーの性質に依存して、薬物放出速度は制御し得る。デポー型の注射可能な製剤はまた、体組織と適合性であるリポソーム又はマイクロエマルジョン中に薬物を含ませることにより製造することもできる。この注射可能な製剤は、例えば、細菌保定フィルターでの濾過により、又は滅菌水又は他の滅菌の注射可能な媒体に使用直前に溶解若しくは分散させることができる滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことにより滅菌し得る。適切な不活性な担体として、糖、例えばラクトースを挙げることができる。望ましくは、活性成分の粒子の少なくとも95重量%が、0.01~10マイクロメーターの範囲の効果的粒子サイズを有する。
【0013】
本明細書で用いる場合、用語「スカベンジャー」又は「スカベンジング」とは、不純物又は望まない反応生成物を除去又は不活化するために投与され得る化学物質をいう。例えば、イソケタールは、タンパク質のリシル残基に対して特異的に、不可逆的に付加する。本発明のイソケタールスカベンジャーは、イソケタールがリシル残基に付加する前にイソケタールと反応する。したがって、本発明の化合物はイソケタールを「スカベンジング」することにより、イソケタールがタンパク質に付加することを予防する。
本明細書で用いる場合、用語「置換(された)」は、有機化合物の許される置換基を全て含むものとする。1つの幅広い観点において、許される置換基として、有機化合物の非環式及び環式の、分岐及び非分岐の、炭素環式及びヘテロ環式並びに芳香族及び非芳香族の置換基が挙げられる。例示的な置換基として、例えば下記のものが挙げられる。許される置換基は、適切な有機化合物について1又は2以上の同じ又は異なるものであり得る。本開示の目的には、ヘテロ原子(例えば、窒素)は、水素置換基及び/又は本明細書に記載の有機化合物の任意の許される置換基(ヘテロ原子の価数を満足するもの)を有し得る。本開示は、有機化合物の許される置換基によって、如何なる様式でも制限されることを意図されていない。また、用語「置換」又は「~で置換(された)」は、当該置換が置き換えられた原子及び置換基の許される価数に従うこと、及び置換が安定な化合物、例えば、(例えば、再配置、環化、除去などによる)変換を自発的に受けない化合物をもたらすことという暗黙の条件を含む。
【0014】
用語「アルキル」は、本明細書で用いる場合、1~24の炭素原子の分岐又は非分岐の飽和炭化水素基、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、s-ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、エイコシル、テトラコシルなどである。アルキル基は環式又は非環式であり得る。アルキル基は分岐又は非分岐であり得る。アルキル基はまた置換又は非置換であり得る。例えば、アルキル基は、1又は2以上の本明細書に記載の基(任意に置換していてもよいアルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アミノ、エーテル、ハライド、ヒドロキシ、ニトロ、シリル、スルホ-オキソ又はチオールを含むが、これらに限定されない)で置換され得る。「低級アルキル」基は、1~6(例えば、1~4)の炭素原子を含むアルキル基である。
【0015】
本明細書を通じて「アルキル」は、一般に、非置換アルキル基及び置換アルキル基の両方を指称するために用いられる;しかしながら、置換アルキル基はまた、アルキル基の具体的置換基を特定することにより、本明細書において具体的に言及される。例えば、用語「ハロゲン化アルキル」は、1又は2以上のハライド(例えば、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素)で置換されたアルキル基を具体的に指す。用語「アルコキシアルキル」は、1又は2以上の下記のようなアルコキシ基で置換されたアルキル基を具体的に指す。用語「アルキルアミノ」は、1又は2以上の下記のアミノ基で置換されたアルキル基を具体的に指す。といった具合である。「アルキル」が或る1つの例で用いられ、具体的用語、例えば「アルキルアルコール」が別の或る1つの例で用いられる場合、用語「アルキル」も具体的用語、例えば「アルキルアルコール」を指すことを示唆すると意味していない。といった具合である。
【0016】
このルールは本明細書に記載の他の基にも適用される。すなわち、用語、例えば「シクロアルキル」は非置換及び置換のシクロアルキル部分を指す一方、置換部分は、加えて、本明細書において具体的に特定され得る;例えば、特定の置換シクロアルキルは、例えば「アルキルシクロアルキル」を指し得る。同様に、置換アルコキシは、例えば「ハロゲン化アルコキシ」と具体的に指し得、特定の置換アルケニルは、例えば「アルケニルアルコール」を指し得る。といった具合である。またしても、一般的用語、例えば「シクロアルキル」及び具体的用語、例えば「アルキルシクロアルキル」の使用は、当該一般的用語が当該具体的用語を含まないことを示唆すると意味していない。
用語「シクロアルキル」は、本明細書で用いる場合、少なくとも3つの炭素原子から構成される非芳香族炭素ベースの環である。シクロアルキル基の例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボニルなど挙げられるが、これらに限定されない。用語「ヘテロシクロアルキル」は、上記のシクロアルキル基の1つタイプであり、その環の少なくとも1つの炭素原子がヘテロ原子(例えば、窒素、酸素、ケイ素又はリンであるが、これらに限定されない)で置換されているときの用語「シクロアルキル」の意味に含まれる。シクロアルキル基及びヘテロシクロアルキル基は置換又は非置換であり得る。シクロアルキル基及びヘテロシクロアルキル基は、1又は2以上の本明細書に記載の基(任意に置換していてもよいアルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アミノ、エーテル、ハライド、ヒドロキシ、ニトロ、シリル、スルホ-オキソ又はチオールを含むが、これらに限定されない)で置換され得る。
【0017】
用語「ポリアルキレン基」は、本明細書で用いる場合、互いに連結した2又は3以上のCH2基を有する基である。ポリアルキレン基は、式-(CH2)a- (式中、「a」は2~500の整数である)で表し得る。
用語「アルコキシ」及び「アルコキシル」は、本明細書で用いる場合、エーテル結合により結合したアルキル又はシクロアルキル基を指す;すなわち、「アルコキシ」基は-OA1 (式中、A1は上記のアルキル又はシクロアルキルである)として定義し得る。「アルコキシ」はまたこのようなアルコキシ基のポリマーを含む;すなわち、アルコキシは、ポリエーテル、例えば、-OA1-OA2又は-OA1-(OA2)a-OA3 (式中、「a」は1~200の整数であり、A1、A2及びA3はアルキル及び/又はシクロアルキル基である)であり得る。
用語「アミン」又は「アミノ」は、本明細書で用いる場合、式NA1A2A3 (式中、A1、A2及びA3は、独立して、水素又は任意に置換していてもよい本明細書に記載のアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール若しくはヘテロアリール基であり得る)により表される。
用語「ヒドロキシル」は、本明細書で用いる場合、式-OHにより表される。
用語「ニトロ」は、本明細書で用いる場合、式-NO2により表される。
用語「薬学的に許容され得る」は、生物学的に又はその他の意味で望ましくないものでない材料、すなわち、望ましくない生物学的効果の許容し得ないレベルを引き起こさず、有害な様式で相互作用しない材料を記述する。
【0018】
本発明の実施形態は、次の式化合物及び心房細動を治療、予防又は寛解する方法における剤としての心房細動を有するか又はそのリスクにある対象者に対するそれらの使用、それにより心房細動を抑制し治療することを含む:
【化1】
(式中:
RはN又はCであり;
R
2は独立してH、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、CF
3、C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、C
3-10シクロアルキル、1又は2以上のR
2、R
3及びR
4で置換されていてもいなくてもよいC、O、S若しくはNを含有するC
3-8員環であり、1又は2以上のR
2、R
3若しくはR
5と共に環化して置換又は非置換の、C、O、S若しくはNを含有するC
3-8員環を形成してもよい;
R
3はH、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、CF
3、C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、C
3-10シクロアルキル、1又は2以上のR
4、R
2及びR
3で置換していてもいなくてもよいC、O、S若しくはNを含有するC
3-8員環であり、1又は2以上のR
2又はR
5と共に環化して置換若しくは非置換の、C、O、S若しくはNを含有するC
3-8員環を形成してもよい;
R
4はH、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、CF
3、C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、C
3-10シクロアルキル、1又は2以上のR
4、R
2及びR
3で置換していてもいなくてもよいC、O、S若しくはNを含有するC
3-8員環であり、1又は2以上のR
2、R
3若しくはR
5と共に環化して置換又は非置換の、C、O、S若しくはNを含有するC
3-8員環を形成してもよい;
R
5は結合手、H、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、CF
3、C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、C
3-10シクロアルキル、1又は2以上のR
4、R
2及びR
3で置換していてもいなくてもよいC、O、S若しくはNを含有するC
3-8員環であり、1又は2以上のR
2、R
3若しくはR
4と共に環化して、置換若しくは非置換の、C、O、S若しくはNを含有するC
3-8員環を形成してもよい;
並びにそのステレオアイソマー及びアナログ。
【0019】
本発明の他の1つの実施形態は、次の式化合物及び心房性不整脈を治療、予防又は寛解する方法における剤としての心房性不整脈を有するか又はそのリスクにある対象者に対するそれらの使用を含む:
【化2】
(式中:
RはN又はCであり;
R
2は独立してH、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、CF
3、C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、C
3-10シクロアルキル、1又は2以上のR
2、R
3及びR
4で置換されていてもいなくてもよいC、O、S若しくはNを含有するC
3-8員環であり、1又は2以上のR
2、R
3若しくはR
5と共に環化して置換又は非置換の、C、O、S若しくはNを含有するC
3-8員環を形成してもよい;
R
3はH、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、CF
3、C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、C
3-10シクロアルキル、1又は2以上のR
4、R
2及びR
3で置換していてもいなくてもよいC、O、S若しくはNを含有するC
3-8員環であり、1又は2以上のR
2又はR
5と共に環化して置換若しくは非置換の、C、O、S若しくはNを含有するC
3-8員環を形成してもよい;
R
4はH、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、CF
3、C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、C
3-10シクロアルキル、1又は2以上のR
4、R
2及びR
3で置換していてもいなくてもよいC、O、S若しくはNを含有するC
3-8員環であり、1又は2以上のR
2、R
3若しくはR
5と共に環化して置換又は非置換の、C、O、S若しくはNを含有するC
3-8員環を形成してもよい;
R
5は結合手、H、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、CF
3、C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、C
3-10シクロアルキル、1又は2以上のR
4、R
2及びR
3で置換していてもいなくてもよいC、O、S若しくはNを含有するC
3-8員環であり、1又は2以上のR
2、R
3若しくはR
4と共に環化して、置換若しくは非置換の、C、O、S若しくはNを含有するC
3-8員環を形成してもよい;並びにそのステレオアイソマー及びアナログ。
特定の実施形態において、化合物は本明細書において開示される化合物から選択され得る。1つの好適な実施形態において、化合物はサリチルアミンであり得る。
【0020】
本発明の他の1つの実施形態は、対象者に少なくとも1つの化合物を哺乳動物における機能不全を治療するに効果的な投薬量及び量で既知の副作用を有する心房細動を治療し、予防し又は寛解する薬物と同時投与する工程を含んでなる、心房細動を有するか又はそのリスクにある対象者に対して心房細動を治療し、予防し又は寛解する方法、それにより心房細動を抑制又は治療することであり、化合物は次の式の化合物により表される構造を有する:
【化3】
(式中:
RはN又はCであり;
R
2は独立してH、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、CF
3、C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、C
3-10シクロアルキル、1又は2以上のR
2、R
3及びR
4で置換されていてもいなくてもよいC、O、S若しくはNを含有するC
3-8員環であり、1又は2以上のR
2、R
3若しくはR
5と共に環化して置換又は非置換の、C、O、S若しくはNを含有するC
3-8員環を形成してもよい;
R
3はH、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、CF
3、C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、C
3-10シクロアルキル、1又は2以上のR
4、R
2及びR
3で置換していてもいなくてもよいC、O、S若しくはNを含有するC
3-8員環であり、1又は2以上のR
2又はR
5と共に環化して置換若しくは非置換の、C、O、S若しくはNを含有するC
3-8員環を形成してもよい;
R
4はH、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、CF
3、C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、C
3-10シクロアルキル、1又は2以上のR
4、R
2及びR
3で置換していてもいなくてもよいC、O、S若しくはNを含有するC
3-8員環であり、1又は2以上のR
2、R
3若しくはR
5と共に環化して置換又は非置換の、C、O、S若しくはNを含有するC
3-8員環を形成してもよい;
R
5は結合手、H、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、CF
3、C
1-6アルキル、C
1-6アルコキシ、C
3-10シクロアルキル、1又は2以上のR
4、R
2及びR
3で置換していてもいなくてもよいC、O、S若しくはNを含有するC
3-8員環であり、1又は2以上のR
2、R
3若しくはR
4と共に環化して、置換若しくは非置換の、C、O、S若しくはNを含有するC
3-8員環を形成してもよい;並びにそのステレオアイソマー及びアナログ;
【0021】
本明細書において開示される方法で用いられ得る化合物の例として、次式から選択される化合物が挙げられるが、これらに限定されない:
【化4】
(式中:
RはN又はCであり;
R
2は独立してH、置換又は非置換のアルキルであり;
R
3はH、ハロゲン、アルコキシ、ヒドロキシル、ニトロであり;
R
4はH、置換又は非置換のアルキル、カルボキシルであり;の化合物及びその薬学的に許容し得る塩。
【0022】
1つの好適な実施形態において、化合物はサリチルアミンである(2-ヒドロキシベンジルアミン又は2-HOBA)。
化合物は
【化5】
又はその薬学的に許容し得る塩から選択され得る。
【0023】
化合物はまた
【化6】
又はその薬学的に許容し得る塩から選択され得る。
【0024】
化合物又はアナログはまた
【化7】
又はその薬学的に許容し得る塩から選択され得る
【0025】
化合物はまた
【化8】
又はその薬学的に許容し得る塩から選択され得る。
【0026】
化合物は
【化9】
又はその薬学的に許容し得る塩から選択され得る。
【0027】
年齢が40歳以上の4人に1人が、破壊的な転帰をもたらすことが多い不応性不整脈である心房細動(AF)を発症する。AFは死亡リスクを2倍に増大させ、卒中、鬱血性心不全及び治療合併症(例えば、抗凝固剤関連出血)の形態で相当な死亡率である。AFの罹患率は増加し続けており、増加する流行病及び米国及び世界中で主要な公衆衛生上の難題としてのその出現が強調されている。AF関連入院の推定の年間費用は、米国のみで2010年に3.46百万ドルである。
したがって、本発明の必要性が長年存在する。
現行のAF治療の主要な障壁は、抗不整脈薬及びカテーテルアブレーションを用いて不整脈再発を低減させることへの集中であった。一般に、薬理療法は6~12ヶ月で~50%のAF再発率(及び相当な副作用)と関連付けられている一方、単回手順アブレーションは50~70%の成功率であるが、無視できない手順リスクを有する(1/1000の死亡リスク)。よって、AFの電気生理学的/解剖学的基礎を標的とする治療は、限られた成功率で条件を満たす。
【0028】
本発明の実施形態は、心房細動及び心房細動に起因する損傷を治療する方法を包含する。本発明の他の1つの実施形態は、β-KAのスカベンジングが心房性不整脈、例えば、心房細動/心房粗動を予防/治療し得るという思想である。本発明の他の1つの実施形態は、他のタイプの心房性不整脈(例えば、心房性頻脈)を予防/治療するための、β-KAスカベンジャー、例えば、サリチルアミン及び本発明の化合物の使用である。
【0029】
脂質過酸化は、ROS-媒介細胞損傷主要な成分であり、生成される最も反応性の産物であるイソレブグランジン(IsoLG)は、ほぼ即時にタンパク質と反応してミスフォールディング/機能異常を引き起こす。IsoLGが生物学的標的と相互作用して細胞を損傷し得る前に、先制してIsoLGに結合し得る新規な脂質ジカルボニルスカベンジャーが開発された。そのうち最もよく研究されているものは、2-ヒドロキシベンジルアミン又は2-HOBAである。最近、IsoLGは、免疫-媒介高血圧及びアルツハイマー病における重要なメディエーターとして同定された。アミロイドを形成するタンパク質(例えば、アルツハイマー病におけるアミロイドβ
1-42)について、プレアミロイドオリゴマー(PAO)が今や、疾患進行と相関する主要な細胞毒性種であると認識されている。特に、IsoLGは当該タンパク質に関してPAO形成と顕著に相関する。本発明者らは、IsoLG及びPAOの両方がAF感受性を促進する生物学的に関連するメディエーターであり、このことからそれらが治療的標的である可能性があることを示す(
図1)。
【0030】
本発明者らは、迅速に刺激される心房細胞及び酸化ストレス-関連AF感受性のモデル、具体的には共通AFリスク因子である高血圧及び肥満におけるIsoLG及びPAOの生成を同定した。重要なことには、このデータは、AF負荷及びオリゴマー生成を低減するというIsoLGスカベンジングの有益効果を証明する。心臓手術中に得られたヒト心房組織において、PAOは頻繁に検出され、定量的分析により、心房性PAO負荷と高血圧との間の関連性が明らかとなった。心房におけるオリゴマー生成の論理的候補は、遺伝子NPPAによりコードされる既知の原線維生成性タンパク質心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)である。ANPは、AFと結び付けられている老化-関連心房性アミロイドーシスの共通形態の一因であり、本発明者らは、ヒト心房に存在するオリゴマー中のANPを同定した。ANPペプチドを長くするNPPA中の変異は家族性AFと関連する。患者及びこの遺伝性障害のマウスモデルの両方において、AF感受性が、総量的にも微視的にも心房性構造的リモデリングの非存在下で生じる。変異体ANPがAFを引き起こす催不整脈機序は依然として不確かである。しかしながら、本発明者らは、変異体ANPが野生型ペプチドより顕著に原線維生成性が高いことを見出した。変異体ANPを発現するマウスの心房において蓄積するこれらオリゴマーは細胞毒性であり、心房の電気生理を変調させる。まとめると、これら結果は、IsoLG及びPAOが(不整脈感受性を増加させる新規な機序を構成する)AF基質駆動体であるという着想を支持する説得力ある証拠を提供する。
【0031】
本発明者らはまた、高血圧及び肥満において、酸化ストレス-媒介イソレブグランジンが、心房細胞の機能異常/傷害及びAF感受性を促進することを同定した。本発明者らはまた、変異体ANPに由来するオリゴマーが筋細胞恒常性を改変してAF感受性を生じさせること、及び該オリゴマーが酸化ストレス/IsoLG生成を促進し、病原プロセス永続化するように正の様式でフィードバックすることを同定した。加えて、本発明者らは、酸化ストレスと結び付けられるAFリスク因子がIsoLG及び細胞毒性PAOの生成を通じて不整脈感受性を増大させることを同定した。よって、IsoLG及びPAO形成が心臓病態生理とAFとの間の共通の機構的リンクのみならず、この一般的で深刻な不整脈の予防及び/又は治療における新規な治療標的もまた提供し得ることを考慮すれば、本発明は重要な必要性に取り組むものである。
【0032】
脂質過酸化及びイソレブグランジン。ROS損傷に対して最も感受性である部位の1つは、細胞膜及び循環内のポリ不飽和脂肪酸である。これら脂質の過酸化は、マロンジアルデヒド(MDA)、4-ヒドロキシノネナール及び関連する4-オクソ-2-ノネナール、アクロレイン、メチルグリオキサール並びにイソレブグランジン(IsoLG;β-ケトアルデヒド又はイソケタールとも呼ばれる)を含む傷害性反応性アルデヒドを生じる。このような化合物の毒性は、2つのカルボニル基(C=O)の存在により顕著に増強され、IsoLGは1,4-ジカルボニル環構造を有し、この構造がIsoLGを独自に反応性としている(
図2)。これら化合物は、ほぼ即時にタンパク質のリシル残基と反応し、よって今日までに同定された、脂質過酸化の最も反応性の産物である。実際、これらは、タンパク質を非常に迅速に改変するので、他の脂質過酸化産物とは明確に異なって、未反応形態としてよりむしろ付加体としてのみインビボで検出し得る。IsoLG付加体は共有結合的な不可逆的改変であり、IsoLG改変は、心筋細胞恒常性(イオンチャネル、ミトコンドリア及びプロテアソームを含む)に関するタンパク質及び構造の機能異常を引き起こす分子内架橋を含む。IsoLGはまたDNAに付加することもできる。IsoLG付加体は、酸化的傷害/炎症に結び付けられる複数の病的状態にある罹患組織において増大し、最近、アルツハイマー病の脳及びHTNの脈管構造における酸化的傷害の重要なメディエーターとして同定された。
【0033】
酸化ストレス-関連疾患の機序を研究するためのジカルボニルスカベンジャー。IsoLG及び他の反応性ジカルボニルの攻撃からの保護の明らかな第1のアプローチは、それらの産生を低減させることである。しかしながら、現行の抗酸化物質はほとんど、ROS又は酸化ストレス-関連疾患一般を非効果的に低減するものである。現在入手可能な抗酸化物質は、フリーラジカルと反応し、フリーラジカル生成性酵素の活性を阻害し、又は活性of細胞内抗酸化酵素の活性を増強することにより、ROS-媒介傷害を予防するように設計されている。しかしながら、最近の研究により、治療に用いられる用量の抗酸化物質、例えば、ビタミンE及び魚油は、酸化的傷害の尺度(すなわち、F
2-イソプロスタン、酸化ストレスを測定する最適標準)をインビボで低下させるに効果的でないことが示されている。ROS産生の停止を目的とするこれら「上流ストラテジ」の代替法は、ROS生成をインタクトのまま残すが、生成される反応性ジカルボニル種を迅速にスカベンジングしてその生物学的標的と相互作用できないようにする(よって、不活性にする)ことである。共同研究者らは、IsoLGと反応することにより先制してこれらIsoLG及び密接に関連するジカルボニルをスカベンジングして下流のタンパク質改変を防止する新規なアミノメチルフェノール化合物を同定した。原型のピリドキサミンについての構造活性関連性アッセイ(
図2)により、親油性の程度及び細胞アッセイにおける効力が異なる多くの活性な構造的アナログの生成が導かれた。ジカルボニルスカベンジャーがROS-関連傷害の下流メディエーターを標的とすることを考慮すれば、これらは、酸化ストレスに関連する疾患についての全く新規な代替のアプローチである。
【0034】
上記のとおり、本発明の1つの実施形態は、2-ヒドロキシベンジルアミン(2-HOBA;サリチルアミンとも呼ばれる)である。重要なことには、2-HOBAは抗酸化物質ではない(すなわち、ROSレベルを顕著に低減しない)。むしろ、これは、IsoLGがリシルのβ-アミンに結合し得る速度より遥かに迅速な(数オーダー大きい)速度でIsoLGと反応する。このスカベンジング活性の構造的要件は、フェノールアミン構造のメチルアミンに隣接するヒドロキシル基の位置である。関連アナログ4-HOBAについて、これら官能基の構造的近位は失われており、よってこの化合物はジカルボニルをスカベンジングすることができず、不活性である。2-HOBA及びその活性アナログは、インビトロでの酸化の間に
の濃度にもF
2-イソプロスタンの濃度にも影響せず、IsoLG付加体レベルの低減はそのジカルボニルスカベンジング効果に直接帰せられ、ROS産生及び/又は脂質過酸化の阻害に帰せられていない。2-HOBAのような化合物の更なる有益効果は、IsoLGに加えて他の傷害性脂質ジカルボニル化合物(例えば、MDA)もまたスカベンジングできることである。しかしながら、1,4-ジカルボニル環構造に基づく極端な反応性に起因して、IsoLGが優先して標的される。2-HOBAはCOX1酵素もCOX2酵素も阻害せず、よって、生理学的プロスタグランジン産生は保存される。今日までに、2-HOBAは、アルツハイマー病のマウスモデルにおいて認知障害の発症を予防することが示されており、マウスのang II-媒介HTNにおいて血圧(BP)を効果的に低下させた。よって、先制してIsoLGをスカベンジングすることにより、2-HOBA及びそのアナログは、傷害性酸化的タンパク質改変を防止する薬理学的ストラテジのパラダイムシフトである。2-HOBAは、インビトロ研究、数千のマウスインビボ研究及び最近の前臨床毒性研究(Metabolic Technologies, Inc., Ames, IA)に基づく優れた安全性プロフィールを有する天然産物である。
【0035】
本発明者らは、AF基質の発生における新規メディエーターの役割を発見し、よってこの一般的心不整脈の現在の研究パラダイムを問題視する。
本発明者らは、細胞、動物モデル及びヒトにおいてこの仮説を支持する幾つかの証拠を蓄積した。
本発明者らは、ヒトにおける研究を前提条件として小さな心房サンプルにおけるPAO負荷を再現可能な様式で定量する革新的な画像化ベースの方法を開発した。提案した実験は、主に遺伝モデルを用いて、AF感受性の促進におけるPAO-媒介タンパク質毒性の役割を確証する。
タンパク質ミスフォールディングの予測されないシグナル。AFの進行性の性質は、不整脈感受性を増大させる迅速な心房性活性化に起因する電気的及び構造的リモデリングにより引き起こされる-「AFがAFを生じさせる」。以前に、本発明者らは、培養物中で迅速に刺激された心房細胞がヒトAFにおいて観察されるものと類似するリモデリングを受けることを見出した(転写変化と顕著な一致)。予測しなかったことに、本発明者らは、タンパク質の保存的な転写アップレギュレーションがタンパク質ミスフォールディング/アミロイドーシスに関与していることを見出した。この知見は、酸化ストレスに関連するプロセスであるタンパク質毒性が、心房傷害を促進する新規な機序として、ヒト心房に起こり得ることを示す。
【0036】
【0037】
本発明者らは、高血圧及び肥満の状況において、酸化ストレス-媒介イソレブグランジンが心房細胞機能異常/傷害及びAFの基質を促進することを示した。組織学的研究により、HTN及び肥満の状況で、確立したAFと共に線維症、多くの場合で心房肥大が証明された(肥満における心臓周囲脂肪の心房接触/浸潤の証拠)。にもかかわらず、AFに至る(最初期の)分子プロセスについてはほとんど知られていない。
ヒト心房におけるプレアミロイドオリゴマーの検出及び定量。PAOはコンゴレッドにより検出されない。しかしながら、それらは、アミノ酸配列にかかわらず、共通の構造的エピトープを有し、コンホメーション-特異的抗体(例えば、A-11)は、種々のタンパク質により生成されたオリゴマーを認識する。A-11及び心筋-特異的抗体を用いて、本発明者らは、待機心臓外科手術に際して採取された心房サンプルにおけるPAO負荷の堅牢で再現可能な定量分析を可能とする、顕微画像化ベースの方法を開発した。この方法により、PAOを含有する心筋の相対的面積(
図3)又はPAO負荷の空間表現としての緑(Green)/赤(Red)比(G/R)が定量された。
【0038】
AFを有さない患者における心房性PAOと高血圧との関連性。この方法を用いて、本発明者らは、AFの病歴も心筋症の病歴も有さず待機心臓手術を受けた92人の患者(平均年齢61.7歳、63%男性、HTN患者72%、冠動脈疾患患者42%、大動脈弁置換術を受けた患者67%)におけるPAOの臨床的相関を調べた。細胞内PAOは心房サンプルの大部分で検出され、ANPが重要な構成要素であり(
図3)、それらの存在は他の病原性心房性異常(例えば、線維症)とは独立していた。線形混合効果モデルを用いて、複数の分析にわたる一貫した知見はPAO負荷とHTNとの非依存的関係であった。ANP血漿濃度が実験的HTN及びヒトHTNにおいて増加することを考慮すれば、本発明者らは、HTNにおける濃度/酸化ストレスの上昇がANPのミスフォールディングを促進してPAOを形成するという仮説を立てている。
【0039】
AFをシミュレートする細胞モデルにおけるタンパク質オリゴマー及びIsoLG。本発明者らは、培養心房HL-1細胞の迅速なペーシングが、コントロールのペーシングされていない自発拍動細胞では見られない散在性細胞質PAOの蓄積(ウェスタンブロッティングによる確証、ANPが主要な構成成分であった)並びにスーパーオキシド(
)産生の増大及び大量のIsoLG付加体を引き起こすことを見出した(
図4、下パネル、抗-IsoLGリシル付加体抗体D11 ScFvによる検出)。更に、ペーシングされていない細胞の生理学的濃度のIsoLGへの曝露は、迅速にペーシングされた細胞で観察されるものと類似する細胞質PAO産生を引き起こした(
図4、上パネル)。細胞を2-HOBAの存在下で迅速にペーシングしたとき、PAO形成は実質的に消失し、筋細胞ストレス応答(例えば、Nppb及びHspa1aの転写アップレギュレーション)は鈍った。このことは2-HOBAの細胞保護効果を示す。
【0040】
実験的高血圧:AF感受性におけるIsoLGの証拠。ヒト心房における酸化ストレス及びPAO負荷はHTNに関連する。更に、Kirabo及び共同研究者は、最近、ang II-処理マウスの脈管構造におけるIsoLG付加体の生成及び2-HOBAの顕著な抗高血圧効果を証明した。本発明者らは、IsoLGがHTNにおいてAF感受性のメディエーターであることを、持続性HTN及び誘導性AFを発症するマウスモデル(アンジオテンシンII[ang II]の2週間のミニポンプ注入)を用いて決定した。HTNの発症に伴い、IsoLG付加体が免疫染色により両心房で検出され(線維症又は他の構造的異常の非存在下)、このような検出はビヒクル(偽処置)注入では生じなかった(
図5A)。重要なことには、質量分析データよりこの知見は確証され(
図5B)、HTNの間に心房性付加体生成は100倍増加した(アルツハイマー病脳より2~3倍増加)。加えて、高血圧心房に蓄積したPAOをコントロールマウスと比較した(
図5C及びD)。幾つかの証拠がこれらオリゴマーにおけるANPの役割を示唆した:1)免疫染色はANP及びPAOの共存の可能性の証拠を明らかにした(
図6A-D);2)IsoLGはANPペプチドに関してPAO形成を顕著に加速した(
図6E);及び3)ANPオリゴマーは細胞毒性であた(
図6F)。予想通り、高血圧マウスはコントロールと比較して誘導性AFを発症した(
図7)。しかしながら、2-HOBAでの処置は、AF負荷並びに心房性IsoLG付加体及びPAO形成を顕著に低下させた(
図8;飲用水中1G/L)。不活性構造的アナログ4-HOBAはAF感受性に対して効果を有さず(
図7;水中1G/L)、このことは、2-HOBAの有益効果が事実IsoLGスカベンジングであることを強く示している。ang II-処置マウスにおけるBPのヒドララジン/HCTZによる正常化はAF感受性を防止した一方、心房性筋細胞の機械的伸長はLG付加体(
図9)及びPAO(示さず)の両方を生じた。このことは、心房筋細胞の伸長の重要な役割を示している。AF基質はang II停止後、BPの部分的正常化(74%)につれて2週間までに逆転した(総AF負荷の85%低減;n=13、データは示さず)。注目すべきことに、2-HOBAは、HTNマウスにおいて如何なるECGパラメータに対しても効果を有さなかった。まとめると、これら予備的データは、IsoLG及び心房伸長がこのHTN-媒介AF基質において重要な役割を演じることを強く示唆し、HTN、酸化ストレス及びAF感受性の間の機構的連関を提供する。
【0041】
実験的肥満:AF感受性におけるIsoLGの証拠。肥満もまた炎症及び酸化ストレスと関連していることを考慮して、本発明者らは、食餌-誘導肥満(DIO)マウスモデルにおけるIsoLGの役割を調べる研究を始めた。12週間の高脂肪食餌後、肥満マウスは、以前の報告のとおり、心房性線維症のエビデンスがない痩せマウスと比較して増大したAF負荷を示した(
図10)。重要なことには、2-HOBAでの同時処置は誘導性AFを顕著に抑制した一方、不活性アナログ4-HOBAは抑制しなかった。8週間の予備研究により、心房性PAO負荷は、痩せマウスの心房(G/R=0.17;n=2)と比較して、劇的に増加したことが示された(G/R=0.87;n=2;
図11)。よって、HTN及び肥満の両方の初期段階で、本発明者らはAF基質におけるIsoLGの役割を示した。HTN及び肥満の両方において、AFは線維症の非存在下で誘導性であり、HTNにおいて逆転可能であった。これら知見は、IsoLGが初期の病理的標的を構成すること、及びその阻害がAF発症を予防し得ることを示唆する。提案した研究において、本発明者らは、厳格な実験的アプローチを用いてIsoLGの重要な役割を確証する。これら研究には、本発明者らは、上記で述べ、慣用されている、HTN及び肥満の十分に特徴付けられたマウスモデルを使用する。本発明者らのデータは、PAO負荷及びIsoLG付加体が互いに相関することを示す。
【0042】
本発明者らは、IsoLGが、酸化ストレスの、同定された最も強力なメディエーターであることを示した。ROSに関連する病的状態(例えば、HTN及び肥満)について、IsoLGスカベンジャーはAF感受性を予防する。IsoLGは感受性タンパク質についてPAO形成を顕著に加速するので、今日までの本発明者らのデータと一致して、PAOがこれらROS-媒介疾患において生じるはずであり、IsoLGスカベンジャーにより予防されるはずである。肥満雌性マウス及び高脂肪オレイン酸食餌を与えたマウスにおいて、IsoLG生成及びAF感受性は、従来のDIOと比較して減少するはずであり、病理生理学的プロセスにおけるIsoLGの更なる証拠を提供する。
【0043】
本発明に関連するデータは、家族性AFに関連するNPPA変異についての心房の病理生理学及び不整脈感受性における細胞毒性変異体ANPオリゴマーの役割を調べる。本発明者らは、変異体ANPオリゴマーが心房性筋細胞恒常性を改変してAF感受性を生じさせること、及びそれらが酸化ストレス/IsoLG生成を促進し、病原プロセス永続化するように正の様式でフィードバックすることを示す。
【0044】
ANPのような原線維生成性タンパク質は多様であり、その一次アミノ酸構造が関連していない。原線維生成の一因である要因として、変形タンパク質構造、前駆体タンパク質の大規模なβコンホメーション及び前駆体タンパク質のタンパク質分解プロセシング(アミロイドβ1-42についてのような)が挙げられる。多くの場合で、アミロイドーシスは、原因タンパク質の一次構造の変異若しくは改変又はその過剰産生を引き起こす変異/条件の結果として生じる。
【0045】
遺伝子NPPAは前駆体プレプロ-ANPをコードし、該前駆体はタンパク質分解的プロセシングを受けてN末端プロ-ANP及びANPを生じる。遺伝子研究により、異常なaANP産生と家族性AFとが関連付けられている。ホルト-オーラム症候群を有する大きな家系において、T-box転写因子5(TBx5)におけるミスセンス変異が、早期発症型AF及び複数の遺伝子(NPPAを含む)の過剰発現を有する非定型表現型をもたらした。家族性AFはまたNPPA自体における変異とも関連付けられている。最もよく研究されている例は、早期発症型孤立性AFを有する複数の罹患メンバーを有する大きな家系からのものである。正常な停止コドンが消滅し、通常の28アミノ酸+12の付加残基からなる異常なC末端を含有する成熟ANPタンパク質をもたらす2塩基対欠失が同定された。罹患メンバーにおいて、変異体ANPの血漿濃度は、異常なタンパク質分解的分解に起因して野生型(WT)ANPより5~10倍高かった。罹患者において、全体的な心房構造リモデリングの非存在下でAF感受性が生じた。この変異の病因論を説明する電気生理学的機序が提案されたが、知見は賛否両論である。本発明者らは、変異体ANPについて、不整脈感受性を増大させる基部の機序として、改変したアミノ酸配列が加速したタンパク質ミスフォールディング及び心房におけるPAO発生を導くことを示す。変異体ANPを発現するマウスにおける心房性PAOの発生。最近、Dr. Dawood Darbar博士の研究室で、野生型(WT)ヒトANP又は上記のフレームシフト変異を有するヒトANPを過剰発現するトランスジェニックマウスが作製された。これらマウスは、モデル化ヒト疾患を反映する表現型特徴を示した。トランスジェニックマウスにおける心房容積及び左心室駆出分画は、(BPが低い)非トランスジェニック(NTG)動物のものに類似していた。変異体ANPを発現するマウスについて、WT-ANP又は非トランスジェニック(NTG)マウスと比較して、循環変異体ANPのレベルは5~6倍上昇し(ヒトと同様)、誘導性AFが有意に増大した。本発明者らは、変異体ANPが心房におけるPAO蓄積を促進してAF感受性を増大させることを示す。予備的免疫染色により、NTG及びWT-ANPマウスと比較して、変異体ANPマウスの心房におけるPAOの強固な蓄積が明らかとなった(
図12)。これらデータは、AF基質の駆動因子としてのPAO形成の概念を支持する。
【0046】
変異体ANPは高度に原線維生成性であり、細胞毒性PAOを生じる。WT及び変異体ANPの間のオリゴマー生成を比較するため、種々の時点について23℃でオリゴマー化が可能であるペプチドに対してウェスタン分析を行った。WT-ANPは時間-及びIsoLG-依存性原線維生成を示した;しかしながら、このプロセスは変異体ペプチドに関して顕著に加速された(
図13)。アミロイドβ
1-42について、オリゴマー毒性は、モノマーからPAOへ、更に原線維への進行において、一過性で時間-依存性現象である。WT及び変異体ANPについてこのプロセスを調べるため、オリゴマーを生成するように異なる時間にわたってインビトロでインキュベートしたペプチドを、心房性HL-1細胞と24時間インキュベートした。WT ANPについては、PAOのタンパク質毒性(細胞ATP産生の減少により顕現)の最大は、2週間のインキュベーションの間に生じた一方で、変異体ANPについては、最大のオリゴマー細胞毒性の時点は、よりずっと早く、~3日以内に生じた(
図14)。細胞毒性は、細胞外フラックス分析(Seahorse Bioscience XFE96)を用いる細胞酸素消費率の測定により確証された。よって、WT及び変異体ANPの両方により生成されるオリゴマーは、心筋細胞ATP産生減少により証拠立てられるように、心房性筋細胞機能異常を引き起こし、タンパク質毒性は、加速したオリゴマー生成と一致して、WT ANPと比較して変異体でより早期に生じる。
【0047】
変異体ANP PAOは、おそらく、催不整脈性の電気生理学的効果を心房細胞において引き起こす。ペプチドをPBS中で24時間インキュベートした:この時点で、変異体ANPはオリゴマーを生じるが、WT ANPは生じない(
図13)。
図15は食餌-誘導肥満モデルを示す例である。次のデータが12週間処置動物のデータである。トータルのAF(心房細動)負荷がおそらく最良の尺度である-2-HOBAを処置した動物のAF負荷は、痩せた(低脂肪食餌)マウスのものと類似していた一方で、4-HOBAは効果がなかった。
【0048】
参考文献
本明細書に引用する刊行物(以下を含む)は参照により本明細書に組み込まれる。
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【0049】
本発明はこのように説明されるので、本発明を多くの方法で変化させ得ることは自明である。当業者に自明であるこのような変化は、本開示内に含まれるとみなされるべきである。
そうでないことが示されていない限り、本明細書において用いる、成分の量、特性(例えば、反応条件)などを表す全ての数は、全ての場合で、用語「約」で修飾されていると理解されるべきである。したがって、そうでないことが示されていない限り、本明細書及び請求の範囲に示される数値パラメータは、本発明により決定すべきことが求められる所望の性質に応じて変動し得る近似値である。
本発明の幅広い範囲を記載する数値範囲及びパラメータが近似値であるにもかかわらず、実験の節又は実施例の節に示される数値は、可能な限り正確に記載した。しかしながら、如何なる数値も、本来的に、それぞれの試験測定に見出される標準偏差に必然的に起因する或る種の誤差を含む。