(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-18
(45)【発行日】2022-11-29
(54)【発明の名称】田畑植物の表現型情報収集システム
(51)【国際特許分類】
A01G 7/00 20060101AFI20221121BHJP
【FI】
A01G7/00 603
(21)【出願番号】P 2021126758
(22)【出願日】2021-08-02
【審査請求日】2021-08-02
(31)【優先権主張番号】202011406220.6
(32)【優先日】2020-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】505072650
【氏名又は名称】浙江大学
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG UNIVERSITY
(74)【代理人】
【識別番号】100185878
【氏名又は名称】植田 晋一
(72)【発明者】
【氏名】何 勇
(72)【発明者】
【氏名】岑 海燕
(72)【発明者】
【氏名】唐 政
(72)【発明者】
【氏名】劉 羽飛
【審査官】川野 汐音
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110006424(CN,A)
【文献】特開2017-144811(JP,A)
【文献】特開2017-068869(JP,A)
【文献】特開2017-195895(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 7/00
G06Q 50/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走式田畑運搬器具に設置され、
コントローラーおよび前記コントローラーに接続されたセンサーグループ、GPSモジュールおよび無線通信モジュールが含まれ、前記センサーグループは、田畑植物の表現型情報を収集するために使用され、前記表現型情報には、RGB画像情報、植物形態の3次元点群データとハイパースペクトルデータが含まれ、前記GPSモジュールは、前記自走式田畑運搬器具のリアルタイムの地理情報を取得するために使用され、前記コントローラーは、地上管制センターのユーザー
により入力
された情報収集位置データ及び前記リアルタイムの地理情報に従って、
前記センサーグループ
のシャッターの開閉を制御し、前記表現型情報のプレビュー画像を生成し、
前記無線通信モジュールを介して前記プレビュー画像を
前記地上管制センターに送信
可能に構成され
、
前記コントローラーは、
前記自走式田畑運搬器具の前記リアルタイムの地理情報を取得し、
現在の収集モードと現在の収集状態を判断し、
前記現在の収集モードが自動収集モードであり、かつ前記現在の収集状態が運搬器具移動収集である場合、前記リアルタイムの地理情報が情報収集位置データのプリセットルートにマークされた前記表現型情報を連続的に収集する収集範囲内にあるかどうかを判断し、前記リアルタイムの地理情報が前記収集範囲内にある場合、前記センサーグループのシャッターを開き、前記センサーグループによって収集された前記表現型情報のプレビュー画像を連続的に生成し、前記無線通信モジュールを介して前記地上管制センターに前記連続的に生成された前記表現型情報のプレビュー画像を送信し、
前記現在の収集モードが自動収集モードであり、かつ前記現在の収集状態が運搬器具静的収集である場合、前記リアルタイムの地理情報が情報収集位置データのプリセットルートにマークされた前記表現型情報を収集する収集ポイントであるかどうかを判断し、前記リアルタイムの地理情報が前記収集ポイントを示す場合、前記センサーグループのシャッターを開き、前記センサーグループによって収集された前記表現型情報のプレビュー画像を生成し、前記無線通信モジュールを介して前記地上管制センターに前記生成された前記表現型情報のプレビュー画像を送信し、
前記現在の収集モードが手動収集モードである場合、ユーザーからの入力に応じた手動収集信号が前記コントローラーにリモートで送信されることにより前記センサーグループのシャッターを開き、前記センサーグループによって収集された前記表現型情報のプレビュー画像を生成し、前記無線通信モジュールを介して前記地上管制センターに前記表現型情報のプレビュー画像を送信することを特徴とする田畑植物の表現型情報収集システム。
【請求項2】
前記センサーグループには、RGBカメラ、
深度カメラ、ハイパースペクトルイメージャーが含まれ、前記RGBカメラは前記RGB画像情報を収集するために使用され、前記
深度カメラは、前記植物形態の3次元点群データを収集するために使用され、前記ハイパースペクトルイメージャーは、前記ハイパースペクトルデータを収集するために使用されることを特徴とする請求項1に記載の田畑植物の表現型情報収集システム。
【請求項3】
前記コントローラーには、主制御モジュール、情報収集位置設定インターフェース、リアルタイム画面監視ウィンドウ、および手動制御インターフェースが含まれ、前記主制御モジュールには、情報取得システムソフトウェアが内蔵され、
前記情報収集位置設定インターフェースは、自動収集モードで前記地上管制センターのユーザーが事前に情報収集位置マークデータを入力するために使用され、前記情報収集位置マークデータは、プリセットルート上にマークされた収集ポイントまたはプリセットルート上にマークされた収集範囲であり、
前記手動制御インターフェースは、
前記手動収集モードで前記地上管制センターのユーザーが
前記手動収集信号をリモート入力するために使用され、
前記主制御モジュールは、前記情報収集位置マークデータを前記リアルタ
イムの地理情報と比較し、比較結果に応じて前記センサーグループ
のシャッターの開閉を制御したり、前記手動収集信号に応じて前記センサーグループ
のシャッターの開閉を制御したりするために使用され、
前記リアルタイムの画面監視ウィンドウは、前記表現型情報のプレビュー画像を生成し、前記無線通信モジュールを介して前記プレビュー画像を前記地上管制センターに送信するために使用されることを特徴とする請求項1に記載の田畑植物の表現型情報収集システム。
【請求項4】
前記センサーグループには、
前記RGBカメラ、前記深度カメラ、及び、前記ハイパースペクトルイメージャーのそれぞれと対応する3つの位置調整構造
が含まれ、前記位置調整構造には、3軸ジンバルとリニアモーターが含まれ、前記3軸ジンバルは、前記RGBカメラ、前記
深度カメラ、または前記ハイパースペクトルイメージャーを固定するために使用され、前記リニアモーターは対応する
前記3軸ジンバルに接続され、前記リニアモーターは
前記3軸ジンバルの動きを制御することにより前記RGBカメラ、前記
深度カメラまたは前記ハイパースペクトルイメージャーの撮影角度と地上高さを調整するために使用されることを特徴とする請求項2に記載の田畑植物の表現型情報収集システム。
【請求項5】
前記コントローラーに接続された電源モジュールも含まれ、前記電源モジュールにはソーラーパネルと220Vモバイルパワーが含まれることを特徴とする請求項1に記載の田畑植物の表現型情報収集システム。
【請求項6】
前記コントローラーはワークステーションノートパソコンであることを特徴とする請求項1に記載の田畑植物の表現型情報収集システム。
【請求項7】
前記GPSモジュールはRTK-GPSであることを特徴とする請求項1に記載の田畑植物の表現型情報収集システム。
【請求項8】
前記無線通信モジュールはAP基地局であることを特徴とする請求項1に記載の田畑植物の表現型情報収集システム。
【請求項9】
現在の収集モードと現在の収集状態の前記判断を行う前に、
インポート
された運搬器具のプリセットルートを取得することと、
ユーザー
からの入力に応じて前記運搬器具のプリセットルートに
おいて緯度と経度
がマーク
され、プリセットルートに
おいて前記マーク
により示される収集範囲とプリセットルートに
おいて前記マーク
により示される収集ポイントを取得することと、をさらに含むことを特徴とする請求項
1から8のいずれか1項に記載の田畑植物の表現型情報収集
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農業用検出装置の分野、特に、田畑植物の表現型情報収集システムに関する。
【背景技術】
【0002】
プラントキャノピーのスペクトルデータは、キャノピー全体の組成分布、成長状態、キャノピー構造などの総合的な情報を反映でき、スペクトル技術によるキャノピースペクトル情報の取得と分析には、シンプル、高速、直感的、高精度、非破壊的な測定という利点があり、アブラナ、トウモロコシ、モロコシなどの植物スペクトル画像を取得するための重要な手段になって、植物の生育状況のモニタリング、栄養診断、正確な施肥管理、収量の推定、および病気のモニタリング等においてすべて、優れた応用の見通しがある。現在では、キャリアとしてドローンを使用したスペクトル情報収集システムは、田畑植物のスペクトルデータ取得の分野で広く使用されているが、取得されたスペクトルデータには、詳細と地表近くのキャノピーに関する情報が不足し、このため、当業者は、大規模な実験用スペクトロメータおよび手動の携帯型スペクトロメータを使用して、単一の植物または少数の植物の詳細情報を取得するが、情報取得率は非常に低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これに基づき、高解像度かつより多い詳細な情報を有する田畑植物の表現型情報を効率的に取得する田畑植物の表現型情報収集システム及び方法を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の解決手段を提供する。
【0005】
自走式田畑運搬器具に設置された田畑植物の表現型情報収集システム。
【0006】
前記田畑植物の表現型情報収集システムには、コントローラーおよび前記コントローラーに接続されたセンサーグループ、GPSモジュールおよび無線通信モジュールが含まれる。前記センサーグループは、田畑植物の表現型情報を収集するために使用される。前記表現型情報には、RGB画像情報、植物形態の3次元点群データとハイパースペクトルデータが含まれる。前記GPSモジュールは、自走式田畑運搬器具のリアルタイムの地理情報を取得するために使用される。前記コントローラーは、地上管制センターのユーザーが入力した情報収集位置データ及びリアルタイムの地理情報に従って、センサーグループの開閉を制御し、前記表現型情報のプレビュー画像を生成し、前記無線通信モジュールを介して前記プレビュー画像を前記地上管制センターに送信するために使用される。
【0007】
任意選択的に、前記センサーグループには、RGBカメラ、Kinectカメラ、ハイパースペクトルイメージャーが含まれる。前記RGBカメラは前記RGB画像情報を収集するために使用され、前記Kinectカメラは、前記植物形態の3次元点群データを収集するために使用され、前記ハイパースペクトルイメージャーは、前記ハイパースペクトルデータを収集するために使用される。
【0008】
任意選択的に、前記コントローラーには、主制御モジュール、情報収集位置設定インターフェース、リアルタイム画面監視ウィンドウ、および手動制御インターフェースが含まれる。前記主制御モジュールには、情報取得システムソフトウェアが内蔵され、
前記情報収集位置設定インターフェースは、自動収集モードで前記地上管制センターのユーザーが事前に情報収集位置マークデータを入力するために使用され、前記情報収集位置マークデータは、プリセットルート上にマークされた収集ポイントまたはプリセットルート上にマークされた収集範囲である。
【0009】
前記手動制御インターフェースは、手動収集モードで前記地上管制センターのユーザーが手動収集信号をリモート入力するために使用され、
前記主制御モジュールは、前記情報収集位置マークデータを前記リアルタイムの地理情報と比較し、比較結果に応じて前記センサーグループの開閉を制御したり、前記手動収集信号に応じて前記センサーグループの開閉を制御したりするために使用され、
前記リアルタイムの画面監視ウィンドウは、前記表現型情報のプレビュー画像を生成し、前記無線通信モジュールを介して前記プレビュー画像を前記地上管制センターに送信するために使用される。
【0010】
任意選択的に、前記センサーグループには、位置調整構造の3つのグループも含まれ、前記位置調整構造には、3軸ジンバルとリニアモーターが含まれ、前記3軸ジンバルは、前記RGBカメラ、前記Kinectカメラ、または前記ハイパースペクトルイメージャーを固定するために使用される。前記リニアモーターは対応する3軸ジンバルに接続され、前記リニアモーターは3軸ジンバルの動きを制御することにより前記RGBカメラ、前記Kinectカメラまたは前記ハイパースペクトルイメージャーの撮影角度と地上高さを調整するために使用される。
【0011】
任意選択的に、前記田畑植物の表現型情報収集システムには、前記コントローラーに接続された電源モジュールも含まれ、前記電源モジュールには、ソーラーパネルと220Vモバイル電源が含まれる。
【0012】
任意選択的に、前記コントローラーはワークステーションノートパソコンである。
【0013】
任意選択的に、前記GPSモジュールはRTK-GPSである。
【0014】
任意選択的に、前記無線通信モジュールはAP基地局である。
【0015】
本発明はまた、上記の田畑植物の表現型情報収集システムで使用される田畑植物の表現型情報収集方法を提供する。前記方法は、
自走式田畑運搬器具のリアルタイムの地理情報を取得することと、
現在の収集モードと現在の収集状態を判断することと、
前記現在の収集モードが自動収集モードであり、かつ前記現在の収集状態が運搬器具移動収集である場合、前記リアルタイムの地理情報が情報収集位置データのプリセットルートにマークされた収集範囲内にあるかどうかを判断し、前記リアルタイムの地理情報がプリセットルートにマークされた収集範囲内にある場合、センサーグループをトリガーさせ、前記センサーグループによって収集された表現型情報をプレビュー画像に生成し、無線通信モジュールを介して前記地上管制センターに前記プレビュー画像を送信することと、前記表現型情報は、RGB画像情報、植物形態の3次元点群データおよびハイパースペクトルデータを含むことと、
前記現在の収集モードが自動収集モードであり、かつ前記現在の収集状態が運搬器具静的収集である場合、前記リアルタイムの地理情報が情報収集位置データのプリセットルートにマークされた収集ポイントであるかどうかを判断し、前記リアルタイムの地理情報がプリセットルートにマークされた収集ポイントである場合、センサーグループをトリガーさせ、前記センサーグループによって収集された表現型情報をプレビュー画像に生成し、無線通信モジュールを介して前記地上管制センターに前記プレビュー画像を送信することと、
前記現在の収集モードが手動収集モードである場合、ユーザーは手動収集信号をコントローラーにリモートで送信することによりセンサーグループをトリガーさせ、前記コントローラーは、前記センサーグループが収集した表現型情報からプレビュー画像を生成し、前記無線通信モジュールを介して前記地上管制センターにプレビュー画像を送信することと、を含む。
【0016】
任意選択的に、現在の収集モードと現在の収集状態の前記判断を行う前に、
ユーザーがインポートした運搬器具のプリセットルートを取得することと、
ユーザーは、前記運搬器具のプリセットルートに緯度と経度をマークし、プリセットルートにマークされた収集範囲とプリセットルートにマークされた収集ポイントを取得することと、をさらに含む。
【発明の効果】
【0017】
従来技術に比べて、本発明の有益な効果は以下のとおりである。
【0018】
本発明は、田畑植物の表現型情報収集システム及び方法を提供する。該田畑植物の表現型情報収集システムは自走式田畑運搬器具に設置される。田畑植物の表現型情報収集システムには、コントローラーおよびコントローラーに接続されたセンサーグループ、GPSモジュールおよび無線通信モジュールが含まれる。センサーグループは、田畑植物のRGB画像情報、植物形態の3次元点群データ、ハイパースペクトルデータなどの表現型情報を収集するために使用され、コントローラーは、地上管制センターのユーザーが入力した情報収集位置データ及びリアルタイムの地理情報に従ってセンサーグループの開閉を制御し、表現型情報のプレビュー画像を生成し、無線通信モジュールを介して地上管制センターにプレビュー画像を送信するために使用される。従来のドローン空中ハイパースペクトルカメラやRGBカメラ機器と比較して、取得された田畑植物の表現型情報の画像データは、より高い解像度と詳細な情報を持っている。従来の手動収集方法と比較して、植物形態の3次元点群データを自動収集システムに追加すると、収集効率が向上し、機械的労働の労働投入量を減らすことができる。事前にソフトウェアシステムで収集する必要のある領域をマークすることにより、GPSモジュールを使用してより高い測位精度を取得し、地上植物の表現型情報の自動取得の精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の実施例または従来技術の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下に、実施例に必要な図面を簡単に紹介する。明らかに、以下の説明の図面は、本発明の一部の実施例にすぎない。当業者にとって、創造的な努力なしで、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0020】
【
図1】
図1は、本発明の実施例により提供される田畑植物の表現型情報の収集システムの構造模式図である。
【0021】
【
図2】
図2は、本発明の実施例により提供される田畑植物の表現型情報収集方法の具体的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下は、本発明の実施例における添付の図面を参照して、本発明の実施例における技術的解決手段を明確かつ完全に説明する。明らかに、説明する実施例は、本発明の実施例の一部に過ぎず、すべての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、創造的な作業なしに当業者によって得られる他のすべての実施例は、本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【0023】
本発明は、より詳細な田畑植物キャノピースペクトル情報取得および植物形態学的パラメータ取得を達成することができる田畑情報収集システムを提供することを目的とする。
【0024】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより顕著で分かりやすくするために、以下に図面及び発明を実施するための形態を参照しながら本発明をさらに詳しく説明する。
【0025】
図1は、本発明の実施例により提供される田畑植物の表現型情報収集システムの構造模式図である。
【0026】
図1を参照すると、本実施例の田畑植物の表現型情報収集システムは、自走式田畑運搬器具上に構築されたソフトウェアとハードウェアの組み合わせた情報収集システムであり、ハードウェア部分とソフトウェア部分を含む。
【0027】
前記田畑植物の表現型情報収集システムには、コントローラーおよび前記コントローラーに接続されたセンサーグループ、GPSモジュールおよび無線通信モジュールが含まれる。前記センサーグループは、田畑植物の表現型情報を収集するために使用され、前記表現型情報には、RGB画像情報、植物形態の3次元点群データとハイパースペクトルデータが含まれる。前記GPSモジュールは、自走式田畑運搬器具のリアルタイムの地理情報を取得するために使用され、前記コントローラーは、地上管制センターのユーザーが入力した情報収集位置データ及びリアルタイムの地理情報に従って、センサーグループの開閉を制御し、表現型情報をプレビュー画像に生成し、無線通信モジュールを介してプレビュー画像を地上管制センターに送信するために使用される。前記地上管制センターは前記プレビュー画像をリアルタイムで表示する。ここで、情報収集位置データには、自動収集モードで事前にユーザーが入力した情報収集位置マークデータと、手動収集モードでユーザーが入力した手動収集信号が含まれる。前記情報収集位置マークデータは、プリセットルート上にマークされた収集ポイントまたはプリセットルート上にマークされた収集範囲である。前記自走式田畑運搬器具のリアルタイムの地理情報は、自走式田畑運搬器具の緯度と経度の情報である。
【0028】
本実施例において、前記センサーグループには、RGBカメラ、Kinectカメラ、ハイパースペクトルイメージャーが含まれ、前記RGBカメラは前記RGB画像情報を収集するために使用され、前記Kinectカメラは、前記植物形態の3次元点群データを収集するために使用され、前記ハイパースペクトルイメージャーは、前記ハイパースペクトルデータを収集するために使用される。
【0029】
本実施例において、前記コントローラーのオペレーティングソフトウェアはC++言語でプログラムされ、ユーザーは、地上管制センター内のコンピューターを使用して、リモートコントロールソフトウェアを使用して、それをリモートコントロールする。前記コントローラー内のソフトウェアの主な機能は、田畑植物の表現型情報収集システムのタスクを割り当て、情報収集画面を監視し、センサーをトリガーさせることである。前記コントローラーには、主制御モジュール、情報収集位置設定インターフェース、リアルタイム画面監視ウィンドウ、および手動制御インターフェースが含まれ、前記主制御モジュールには、情報取得システムソフトウェアが内蔵され、前記情報収集位置設定インターフェースは、自動収集モードで前記地上管制センターのユーザーが事前に情報収集位置マークデータを入力することにより、各センサーの田畑情報収集位置のマーキングを実現するために使用される。前記情報収集位置マークデータは、プリセットルート上にマークされた収集ポイントまたはプリセットルート上にマークされた収集範囲であり、前記手動制御インターフェースは手動収集モード(情報収集位置がマークされていないか、マークが不十分な場合)で、前記地上管制センターのユーザーは手動収集信号をリモート入力して、各センサーの田畑情報収集をリモート制御するために使用され、前記主制御モジュールは、前記情報収集位置マークデータを前記リアルタイムの地理情報と比較するために使用され(プリセットルートにマークされた収集ポイントまたはプリセットルートにマークされた収集範囲を電子地図ルートの経度と緯度情報に変換した後、自走式田畑運搬器具の経度・緯度情報と比較する)、比較結果に応じて前記センサーグループの開閉を制御したり、前記手動収集信号に応じて前記センサーグループの開閉を制御したりするために使用され、前記リアルタイムの画面監視ウィンドウは、リアルタイムに収集された表現型情報のプレビュー画像を生成し、前記無線通信モジュールを介して前記プレビュー画像を前記地上管制センターに送信するために使用される。
【0030】
本実施例において、前記センサーグループには、位置調整構造の3つのグループも含まれ、前記位置調整構造には、3軸ジンバルとリニアモーターが含まれ、前記3軸ジンバルは、前記RGBカメラ、前記Kinectカメラ、または前記ハイパースペクトルイメージャーを固定するために使用される。前記リニアモーターは対応する3軸ジンバルに接続され、前記リニアモーターは3軸ジンバルの動きを制御することにより前記RGBカメラ、前記Kinectカメラまたは前記ハイパースペクトルイメージャーの撮影角度と地上高さを調整するために使用される。センサーグループの配置は、主に植物の成長期間と情報取得の場所によって決まる。対応するセンサーのカメラアングルと地面からのセンサーの高さは、それぞれ3軸ジンバルとリニアモーターを介して調整でき、すべての3軸ジンバルは、主な材料としてアルミニウムプロファイルブラケットで作られている。前記KinectカメラはKinect深度カメラであってもよい。
【0031】
本実施例における田畑植物の表現型情報収集システムはまた、前記コントローラーに接続された電源モジュールを含む。前記電源モジュールは、220Vの大容量モバイル電源から電力を供給してもよく、ソーラーパネルと220Vのモバイル電源の組み合わせから電力を供給してもよい。組み合わせた電力供給方式は、該田畑情報収集システムの一回待機時間を向上させることができる。
【0032】
任意の実施形態として、前記田畑植物の表現型情報収集システムには、前記コントローラーに接続されたメモリも含まれ、前記メモリは、自走式田畑運搬器具のリアルタイムの地理情報と田畑植物の表現型情報を保存するために使用される。
【0033】
任意の実施形態として、前記コントローラーはワークステーションノートパソコン、前記GPSモジュールはRTK-GPS、前記無線通信モジュールは、無線アクセスポイント(Access Point、AP)基地局であってもよく、AP基地局は、無線通信用のローカルエリアネットワークを確立するために使用される。AP基地局は、全方向性アンテナを使用して信号を送受信し、地上管制センターと田畑植物の表現型情報収集システムとの間の信号伝送を担当する。前記無線通信モジュールは、4G SIMカードを採用して、地上側のコンピューターと田畑運搬器具コンピューターとの間の長距離無線通信を実現することもできる。
【0034】
本実施例における田畑植物の表現型情報収集システムの動作原理は以下の通りである。
【0035】
前記コントローラーはワークステーションノートパソコンを採用し、ワークステーションノートパソコンは、RTK-GPSを介して自走式田畑運搬器具の正確な経度と緯度の情報をリアルタイムで取得し、制御回路を介してRGBカメラ、Kinect深度カメラ、ハイパースペクトルイメージャーに接続して、それぞれ3つのセンサーの情報収集とデータ保存を制御する。データ収集モードは、自動収集モードと手動収集モードに分けられる。
【0036】
自動収集モード:ユーザーは、事前にソフトウェアシステムを介して情報収集ポイントの経度と緯度を設定し、ソフトウェア設定プロセス:Baiduマップアプリケーションプログラムインターフェース(Application Programming Interface、API)を使用し、地図の高精度の緯度と経度のマーキング機能を応用し、Baidu地図とさまざまな地域の小規模衛星地図をベースマップとして使用し、運搬器具プリセットルートをインポートすると、ユーザーは運搬器具プリセットルート上において、情報収集ポイントの緯度と経度をマークする。ワークステーションノートパソコンは、現在のRTK-GPSによって提供される緯度と経度の情報を、プリセットルートにマークされた収集ポイントまたはプリセットルートにマークされた収集範囲と比較し、自走式田畑運搬器具(トロリー)がユーザーによって設定された収集ポイントの特定の範囲内に運転するかどうかを判断し、そうである場合、トロリーを制御して、対応するセンサーから田畑植物情報を収集し、同時に収集した画像、点群、スペクトル等の情報、およびその他の地理的位置情報をワークステーションノートパソコンに保存する。収集が完了した後、トロリーは次の情報収集ポイントまで運転し続ける。
【0037】
手動収集モード:ユーザーは、地上管制センターのコンピューター上のリモートコントロールソフトウェアを使用して、自走式田畑運搬器具に取り付けられたワークステーションノートパソコンのシステムソフトウェアインターフェースを操作しリモートリアルタイム情報の収集を行う。ここで、リアルタイムの情報収集プロセスは以下のとおりである。ユーザーはソフトウェアインターフェースを開き、自動収集モードまたは手動収集モードを選択し、自動収集モードでは、ユーザーは各センサーの情報収集ポイント/範囲を設定し、ソフトウェアは、場所の緯度と経度の座標を記録する。田畑自走式運搬器具が起動した後、ソフトウェアは、田畑自走式運搬器具のリアルタイムの緯度と経度の情報、つまり、情報収集システムのリアルタイムの緯度と経度の情報を取得する。ソフトウェアは、ユーザーのマークされたポイントの経度と緯度の情報をリアルタイムの経度と緯度の情報と比較し、収集範囲に入った後、各センサーが情報を収集して保存するようにトリガーさせる。手動収集モードでは、ユーザーは各センサーの情報収集時間を自分で制御できる。ここで、自動収集モードと手動収集モードを互いに切り替えることができる。手動モードでは、ワークステーションノートパソコンはセンサー情報を自動的に収集せず、RTK-GPSは現在収集されている画像の地理的位置情報のみを記録する。センサーグループの3種のセンサー、つまりRGBカメラ、Kinect深度カメラ、ハイパースペクトルイメージャーは、それぞれ田畑植物のRGB画像情報、植物形態の3次元点群データ、ハイパースペクトル画像とスペクトル情報を収集する。AP基地局を介して、田畑運搬器具のワークステーションノートパソコンと地上管制センターとの間にローカルエリアネットワーク接続を確立することにより、データ伝送を実現する。
【0038】
本実施例の田畑植物の表現型情報収集システムは、以下の利点を有する。
1)該田畑植物の表現型情報収集システムは、従来のドローン空中ハイパースペクトルカメラおよびRGBカメラ機器によって取得された田畑植物の表現型情報の画像データよりも高い解像度と詳細な情報を備えた、地上の田畑車載式情報取得システムである。
2)ハードウェア設計のセンサーグループでは、植物の3次元形態情報を手動で取得するKinectカメラが自動収集システムに追加されている。現在の従来の手動収集と比較して、収集効率が高く、機械的労働の人的投入を減らすことができる。
3)ソフトウェア設計の自動収集部分では、事前にソフトウェアシステムで収集する必要のある領域をマークすることにより、RTK-GPSを使用してより高い測位精度を取得し、地上植物の表現型情報の自動取得の精度をさらに向上させる。
4)該田畑植物の表現型情報収集システムは、ハードウェア設計のセンサーグループなどの他の田畑自動航法操作運搬器具と組み合わせて使用でき、そのハードウェア構造は柔軟であるため、田畑情報自動収集システムのコストを効果的に削減し、収集システムの保守性を改善することができる。
5)ソフトウェア設計の情報収集モードは、手動収集モードと自動収集モードの2つのモードに分けられる。これにより、田畑情報の収集方法がより柔軟になり、同時に、ユーザーは田畑情報収集プロセスに対するより優れた監視および管理権限を取得できる。
【0039】
本発明はまた、上記の田畑植物の表現型情報収集システムで使用される田畑植物の表現型情報収集方法を提供する。前記方法は、
ユーザーは、前記運搬器具のプリセットルートに緯度と経度をマークし、プリセットルートにマークされた収集範囲とプリセットルートにマークされた収集ポイントを取得する、ユーザーがインポートした運搬器具のプリセットルートを取得するステップ1)と、
自走式田畑運搬器具のリアルタイムの地理情報を取得するステップ2)と、
前記現在の収集モードが自動収集モードであり、前記現在の収集状態が運搬器具移動収集である場合、前記リアルタイムの地理情報が情報収集位置データのプリセットルートにマークされた収集範囲内にあるかどうかを判断し、前記リアルタイムの地理情報がプリセットルートにマークされた収集範囲内にある場合、センサーグループをトリガーさせ、前記センサーグループによって収集された表現型情報をプレビュー画像に生成し、無線通信モジュールを介して前記地上管制センターに前記プレビュー画像を送信し、前記表現型情報は、RGB画像情報、植物形態の3次元点群データおよびハイパースペクトルデータを含み、
前記現在の収集モードが自動収集モードであり、前記現在の収集状態が運搬器具静的収集である場合、前記リアルタイムの地理情報が情報収集位置データのプリセットルートにマークされた収集ポイントであるかどうかを判断し、前記リアルタイムの地理情報がプリセットルートにマークされた収集ポイントである場合、センサーグループをトリガーさせ、前記センサーグループによって収集された表現型情報をプレビュー画像に生成し、無線通信モジュールを介して前記地上管制センターに前記プレビュー画像を送信し、
前記現在の収集モードが手動収集モードである場合、ユーザーは手動収集信号をコントローラーにリモートで送信することによりセンサーグループをトリガーさせ、前記コントローラーは、前記センサーグループが収集した表現型情報からプレビュー画像を生成し、前記無線通信モジュールを介して前記地上管制センターにプレビュー画像を送信する、現在の収集モードと現在の収集状態を判断するステップ3)と、を含む。
【0040】
実際の応用では、具体的な収集プロセスは次のとおりである。
【0041】
ワークステーションノートパソコンは、RTK-GPSから自走式田畑運搬器具のリアルタイムの地理情報(リアルタイムの緯度と経度の情報)を取得し、ユーザーによって設定された情報収集ポイント(収集範囲)の緯度と経度の情報と比較して、それを長さの単位に変換し、プリセット範囲内に達すると、自走式田畑運搬器具と田畑植物の表現型情報収集システムが収集ポイント(収集範囲)に入っていると判断され、対応するセンサーをトリガーして情報を収集し、対応するデータを保存する。具体的な実現プロセスを
図2に示す。
【0042】
本明細書における各実施例は段階的に説明されており、各実施例は、他の実施例との違いを主に説明しており、様々な実施例間の同じまたは類似の部分を互いに参照すればよい。
【0043】
本明細書では、具体的な例を使用して、本発明の原理と実施形態を説明する。上記の実施例の説明は、本発明の方法とコアアイデアを理解するのを助けるためにのみ使用される。同時に、当業者にとって、本発明のアイデアによれば、発明を実施するための形態および応用の範囲に変更が生じるであろう。当業者にとって,要約すると、本明細書の内容は、本発明の限定として解釈されるべきではない。