(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-18
(45)【発行日】2022-11-29
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20221121BHJP
【FI】
A63F5/04 611A
A63F5/04 603D
A63F5/04 603A
A63F5/04 652
(21)【出願番号】P 2021148348
(22)【出願日】2021-09-13
(62)【分割の表示】P 2018160747の分割
【原出願日】2018-08-29
【審査請求日】2021-09-13
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 優
【審査官】安藤 達哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-055507(JP,A)
【文献】特開2018-126398(JP,A)
【文献】特開2014-104021(JP,A)
【文献】特開2017-196182(JP,A)
【文献】特開2015-027380(JP,A)
【文献】特開2015-195971(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者に対して特典を付与するか否かを判定可能な判定手段と、
所定情報の報知を含む複数の演出を実行可能な演出手段と、前記判定手段の判定結果に基づき前記演出手段に特定演出を実行させる制御を実行可能な演出制御手段と、を備え、遊技者の開始操作に基づきゲームを開始可能とするとともに、遊技者の停止操作に基づき前記ゲームを終了可能とした遊技機において、
前記特定演出において、前記演出手段を第1の状態から前記第1の状態とは異なる第2の状態に変換させることが可能な変換手段と、
前記開始操作後に前記停止操作を所定期間無効とするフリーズ制御を実行可能なフリーズ制御手段と、
を備え、
前記変換手段は、前記演出手段を前記第1の状態から前記第2の状態に変換させている間に所定の異常状態が発生した場合であっても、
前記所定情報の報知としての前記所定の異常状態に関する報知を実行中の前記演出手段の当該変換を継続可能とし、
前記フリーズ制御手段は、
前記変換手段によって前記演出手段が前記第1の状態から前記第2の状態へ変換する期間中に前記フリーズ制御を実行するように遊技機を制御可能とし、
前記変換手段によって前記演出手段が前記第2の状態から前記第1の状態へ変換する期間中に前記フリーズ制御を実行しないように遊技機を制御可能とする
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記フリーズ制御手段は、遊技者に有利な特定の遊技状態が開始される場合に、前記フリーズ制御を実行するように制御可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、遊技機として、複数の識別情報による変動表示ゲームを表示可能な表示装置を備え、変動表示ゲームの結果に応じて、遊技者にとって有利な遊技状態を発生させるようにしたパチンコ遊技機が知られている。また、複数のリールを備え、遊技者の開始操作に基づき複数のリールを変動表示させてゲームを実行し、遊技者の停止操作に基づき複数のリールを停止させて、複数のリールの停止表示態様に応じて、遊技者にとって有利な遊技状態を発生するようにしたスロットマシンが知られている。また、近年のスロットマシンにおいては、リールの他に表示装置を備えて、表示装置においてゲームに関連した演出を行うようにしたものが増えている。
このような遊技機においては、表示装置自体を移動可能に構成して、表示装置の移動に応じて演出に関わる情報を表示するようにした遊技機も知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の遊技機は、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の遊技機は、遊技者に対して特典を付与するか否かを判定可能な判定手段と、所定情報の報知を含む複数の演出を実行可能な演出手段と、前記判定手段の判定結果に基づき前記演出手段に特定演出を実行させる制御を実行可能な演出制御手段と、を備え、前記変換手段は、前記演出手段を前記第1の状態から前記第2の状態に変換させている間に所定の異常状態が発生した場合であっても、前記所定情報の報知としての前記所定の異常状態に関する報知を実行中の前記演出手段の当該変換を継続可能とし、遊技者の開始操作に基づきゲームを開始可能とするとともに、遊技者の停止操作に基づき前記ゲームを終了可能とした遊技機において、前記特定演出において、前記演出手段を第1の状態から前記第1の状態とは異なる第2の状態に変換させることが可能な変換手段と、前記開始操作後に前記停止操作を所定期間無効とするフリーズ制御を実行可能なフリーズ制御手段と、を備え、前記フリーズ制御手段は、前記変換手段によって前記演出手段が前記第1の状態から前記第2の状態へ変換する期間中に前記フリーズ制御を実行するように遊技機を制御可能とし、前記変換手段によって前記演出手段が前記第2の状態から前記第1の状態へ変換する期間中に前記フリーズ制御を実行しないように遊技機を制御可能に構成した。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図4】表示器の動作を説明するための遊技機の正面図と側面図である。
【
図5】表示器が移動中にボーナス発生演出が実行された場合の表示器の動作、及び表示器の表示を説明するためのタイミングチャートである。
【
図6】表示器が移動中にボーナス発生演出が実行された場合の表示器の動作、及び表示器の表示を説明するための遊技機の正面図である。
【
図7】表示器が移動中に単ゲーム演出が実行された場合の表示器の動作、及び表示器の表示を説明するための遊技機の正面図である。
【
図8】表示器が移動中にボーナス発生演出が実行された場合の表示器の動作、及び表示器の表示を説明するためのタイミングチャートである。
【
図9】表示器が移動中に異常状態が発生した場合の表示器の動作、及び表示器の表示を説明するためのタイミングチャートである。
【
図10】表示器が移動中に異常状態が発生した場合の変形例における表示器の動作、及び表示器の表示を説明するためのタイミングチャートである。
【
図11】表示器が移動中に異常状態が発生した場合の変形例における表示器の動作、及び表示器の表示を説明するための遊技機の正面図である。
【
図12】表示器が移動中に異常状態が発生した場合の変形例における表示器の動作、役物装置の動作及び表示器の表示を説明するためのタイミングチャートである。
【
図13】表示器が移動中に異常状態が発生した場合の変形例における表示器の動作、役物装置の動作及び表示器の表示を説明するための遊技機の正面図である。
【
図14】遊技状態が通常遊技状態中の表示器の表示を説明するための遊技機の正面図である。
【
図15】上部演出ボタンの操作を行う場合の表示器の動作、及び表示器の表示を説明するための遊技機の正面図である。
【
図16】遊技状態がART状態中の表示器の表示を説明するための遊技機の正面図である。
【
図17】表示器と役物装置の変形例を説明するための遊技機の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
ここでは、本発明にかかる遊技機の適例としてのスロットマシンについて説明を行う。
【0008】
まず、スロットマシン1の全体構成について、
図1~
図2を参照して説明する。
スロットマシン1は、遊技場等に設置されるものである。
図1~
図2に示すように、スロットマシン1は、前扉1a、ベットボタン2a、返却ボタン2c、演出ボタン2d、上部演出ボタン2e、メダル投入口2f、スタートレバー3、リール4、停止ボタン5、表示窓6、メダル払出装置7、メダル払出口7b、表示装置8、スピーカ9、前面パネル19、ランプ11、ナビランプ12、有利区間ランプ13、確率設定装置14、表示器装飾枠15、役物装置16、ドラムユニット18、主制御装置10、副制御装置20を備える。
【0009】
なお、主制御装置10、副制御装置20は、各々に記憶部、制御部が備えられ、各種演算処理、各種制御が可能な装置であり、コンピュータの概念に含まれる。各記憶部は、スロットマシン1の動作に必要なプログラム、情報等を記憶する半導体メモリ素子等の記憶装置を備える。各制御部は、CPU等を備える。各制御部は、各記憶部に記憶された各種プログラム等を適宜読み出して実行することにより、本実施形態の各種機能を実現している。
【0010】
図1に示すように、スロットマシン1の前面には前扉1aが配設される。
前扉1aは、前扉1aの後方側に配設され島設備(図示省略)に取り付けられる本体1b(
図3参照)の一側(前方視左側)に開閉可能に軸着され、片開形式で前方側に開閉可能に構成される。なお、以降、スロットマシン1を前方から見た状態で左右方向を示す。
【0011】
スロットマシン1を手前側から見た状態で、前扉1aの上部における左右方向の中央の位置には、表示装置8が配置される。表示装置8は、後述するように演出(画像演出)に係る情報等、複数の情報を表示可能な液晶表示器等からなる表示手段としての表示器8a(
図4参照)と、表示器8aを移動可能なモータ等の電気的駆動源を備えた駆動装置(図示省略)と、駆動機構(図示省略)から構成される。
前扉1aの上部であって表示装置8の前方には、中央に開口部を有する表示器装飾枠15が配設され、表示装置8は、表示器装飾枠15の開口部から表示器8aの表示面が前方に臨んだ状態で配設される。
【0012】
前扉1aの上部であって表示装置8の左側には、役物装置16が配設される。
役物装置16は、
図6(e)に示すように、表示器装飾枠15の後方に配設される可動部材としての役物本体16aと、役物本体16aを変換駆動させるソレノイド等からなる電気的駆動源(図示省略)とから構成される。
【0013】
役物本体16aは、一端側に回動軸(図示省略)が備えられる連結部16cと、連結部16cの回動端側に取り付けられる装飾部16bとからなり、
図1に示すように、常態(第1状態)においては、回動軸を下方に向けた連結部16cの上方に装飾部16bが配設されるように起立状に配設され、表示器装飾枠15の後方に隠れた状態となっている。
そして、電気的駆動源の作動により、
図6(e)に示すように、連結部16cの上端側が中央方向に傾倒することで、役物本体16aの所定部として、連結部16cの一部と装飾部16bの全部が表示器装飾枠15の後方から表示器8aの前方に現出する作動状態(第2状態)に変換するようになっている。また、役物本体16aの作動状態への変換により、装飾部16bの全体が表示器8aの表示面の前方位置に完全に現出すようになっている。
また、装飾部16bの内部には発光源(LED)が配設され、役物本体16aの作動状態への変換に応じて、内部の発光源が発光して装飾効果を高めるようになっている。
【0014】
表示装置8の左右の各々には、スピーカ9が配設され、例えば、表示装置8で表示される演出に対応する効果音を出力可能となっている。
また、表示装置8の左右の各々には、ランプ11が配設され、例えば、表示装置8で表示される演出に対応する発光態様の光を出力可能となっている。
【0015】
表示装置8の右側には、上部演出ボタン2eが配設される。
上部演出ボタン2eは、前後方向に移動する押圧式のボタンであり、上部演出ボタン2eの押圧操作は、非接触型のセンサ等によって検出されて、上部演出ボタン2eの操作情報として副制御装置20に出力される。また、上部演出ボタン2eの内部には、LED等からなる発光源(図示省略)が備えられ、発光源の発光により上部演出ボタン2eの操作が有効である旨を報知可能にしている。
【0016】
スロットマシン1における前扉1aの上下方向中央には、表面に装飾や各種機能表示が施された平板状の前面パネル19が配設される。
前面パネル19の後方には、リール4を備えたドラムユニット18が配設される。
また、前面パネル19の略中央には、リール4に付された図柄を前方から視認可能な透光性を有する部材からなる表示窓6が形成される。
【0017】
リール4は、左右方向に並んで配設される左リール4a、中リール4b、右リール4cから構成され、各リール4a~4cの回転軸は左右方向に延在して、回転中心が同一に設定されている。リール4(4a~4c)は、周面に連続する図柄(識別情報)を有し、これらの図柄が表示窓6を透して機外から識別可能に構成され、リール4が一方向に回転することにより、表示窓6内において、例えば、図柄が上から下に変動表示可能となっている。各リール4a~4cには、複数の図柄(例えば20個)が表されていて、図柄の種類は、例えば、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「7」、「BAR」等である。
なお、リール4の形態は、これに限定されず、例えば、周面の図柄の個数は、20個以外でもよい。
【0018】
前面パネル19における表示窓6の上部には、後述する停止ボタン5の停止順序を報知可能なナビランプ12a、12b、12cが各リール4a、4b、4cに対応して配設される。
また、前面パネル19における表示窓6の下部左側には、例えば、LEDから構成される有利区間ランプ13が配設される。有利区間ランプ13は、有利区間(後述する)中に点灯するように制御される。なお、スロットマシン1は、有利区間ランプ13に代えて、例えば、メダルの払出数を表示する払出数表示部等を構成する7セグメントディスプレイ(「7セグ」ともいう)の「ドット」部分等を、点灯するように制御してもよい。
【0019】
前面パネル19の下方には、前方に突出する段部が形成され、段部の上面にメダル投入口2f、ベットボタン2a及び演出ボタン2dが配設されている。
メダル投入口2fは、遊技者がメダル(遊技媒体)を投入する部分である。メダル投入口2fの内部には、メダル投入口2fに投入されたメダルを検出するセンサ等であるメダルセレクタ2b(メダル検出手段)が備えられている。
ベットボタン2aは、ゲームの開始条件となるベット数の入力を遊技者が行うための押圧式のボタンであり、1操作によりスロットマシン1で許容された最大ベット数を入力可能となっている。
【0020】
演出ボタン2dは、上下方向に移動する押圧式のボタンであり、演出ボタン2dの押圧操作は、非接触型のセンサ等によって検出されて、演出ボタン2dの操作情報として副制御装置20に出力される。また、演出ボタン2dの内部には、LED等からなる発光源(図示省略)が備えられ、発光源の発光により演出ボタン2dの操作が有効である旨を報知可能にしている。
【0021】
段部の前面には、スタートレバー3、返却ボタン2c及び停止ボタン5が配設される。
スタートレバー3は、ゲームを開始させるために遊技者が操作するレバーであり、ベット数の入力後、スタートレバー3が有効となりゲームが開始可能となる。
返却ボタン2cは、前後方向に移動する押圧式のボタンで構成され、設定されたベット数のキャンセルや、クレジットメダルとして記憶されたメダルの払い出しを行う際に操作されるボタンである。
停止ボタン5は、前後方向に移動する押圧式のボタンで構成され、リール4a、4b、4cに対応して停止ボタン5a、5b、5cが横方向に所定間隔で配設される。
【0022】
スロットマシン1における前扉1aの下方には、メダル払出装置7から払い出されたメダルが排出されるメダル払出口7bが配設される。
【0023】
図2は、スロットマシン1における制御系のブロック図を示している。
図2に示すように、スロットマシン1には、役の抽選や遊技の進行制御等を行う主制御装置10と、主制御装置10と通信可能に構成され主制御装置10からの制御情報に基づき各種演出制御等を行う副制御装置20と、を備えている。主制御装置10と副制御装置20との制御情報の伝達は、主制御装置10から副制御装置20に対して一方向のみに制限され、副制御装置20から主制御装置10への不正な信号の入力を防止している。
【0024】
主制御装置10は、ドアセンサ1c、ベットボタン2a、メダルセレクタ2b、返却ボタン2c、スタートレバー3、停止ボタン5、確率設定装置14(設定手段)、メダル払出装置7、ドラムユニット18及び有利区間ランプ13と通信ケーブルで接続されており各機器を制御可能となっている。また、主制御装置10には、記憶部、制御部が備えられている。
【0025】
確率設定装置14は、ボーナス役の当選確率を複数段階(例えば、6段階)に変更可能にするもので、主制御装置10は、確率設定装置14における確率設定操作に基づき、ボーナス役の当選確率を確率の異なる複数の確率値のうちの何れか1つの確率値に設定する処理を行う。
確率設定装置14で設定される設定値は、設定1が最も低い確率値となり、大きい数字ほど確率値が高くなり設定6が最も高い確率値となっている。したがって、設定1が最も遊技者に不利な設定であり、大きい数字ほど遊技者に有利になり設定6が最も遊技者に有利な設定となっている。
なお、ボーナス役の当選確率を確率設定装置14の設定値に影響を受けずに、固定の確率値で制御するようにしてもよい。
【0026】
なお、ボーナス役の他に、所定の小役(例えば、ベル役)の当選確率を複数段階(例えば、6段階)に変更可能にしてもよい。また、後述するCZ状態、ART状態の両方、或いは何れか一方の移行抽選確率を、確率設定装置14の設定値に応じて変更可能に構成してもよいし、確率設定装置14での設定には影響は受けずに、常に固定の確率値で移行抽選を行うように構成してもよい。
【0027】
ドラムユニット18は、リール4a~4cと、リール4a~4cの各々を回転させるステッピングモータ(図示省略)とを一体的に備えた装置である。
メダル払出装置7は、メダルセレクタ2bに投入されたメダルを払い出し前のメダルとして回収するメダル貯留部(図示省略)を有し、メダル貯留部に貯留されたメダルを、メダル払出口7bに払い出す装置である。メダル払出装置7には払い出されたメダルを検出するセンサが備えられる。
【0028】
メダルセレクタ2bは、メダル投入口2fの下流側に備えられ、メダル投入口2fから投入されたメダルを検出するセンサが備えられる。
ドアセンサ1cは、前扉1aが本体1bから開放されたことを検出するセンサであり、主制御装置10は該センサからの検出信号に基づき、前扉1aが本体1bから開放されたことを検出可能となっている。
【0029】
主制御装置10の記憶部は、遊技に関する遊技プログラム、小役やボーナス役の抽選を行うためのテーブル等の各種情報等を記憶する。
また、主制御装置10は、制御部およびプログラムが記憶された記憶部によって動作し、これにより、スロットマシン1の遊技の進行に関する処理等を行う。
【0030】
主制御装置10は、スタートレバー3からの信号に基づき、ゲームの開始処理や、乱数発生器(図示省略)からの乱数をサンプリングする処理等を行う。そして、サンプリングされた乱数に基づき役の抽選処理を行う。また、記憶部の制御プログラムに従って、例えば、所定タイミングで乱数を更新することで、乱数の生成処理を行い、生成された乱数に基づきCZ状態やART状態の移行抽選処理、ART状態中の上乗せ抽選処理等を行う。
【0031】
すなわち、主制御装置10は、ゲームの実行結果として小役やボーナス役の抽選、CZ状態の移行抽選、ART状態の移行抽選及びART状態中のゲーム数の上乗せ抽選を行う抽選手段を構成する。
なお、乱数を使用した抽選パターンは、前述したパターン以外でもよく、ソフト的に生成された乱数に基づき役の抽選を行い、乱数発生器で生成された乱数に基づきCZ状態やART状態の移行抽選、上乗せ抽選等を行うようにしてもよいし、全ての抽選をソフト的に生成された乱数、或いは乱数発生器で生成された乱数で行うようにしてもよい。
【0032】
また、主制御装置10は、スタートレバー3からの信号に基づきリール4の回転制御を行う。主制御装置10は、各リール4a、4b、4cに備えられているセンサ(図示省略)からの信号に基づき、各リール4a、4b、4cの回転位置を検出して、各リール4a、4b、4c上の図柄の回転位置を把握可能となっている。そして、停止ボタン5からの信号に基づき、所望の図柄を表示窓6内に停止させる制御を行う。
【0033】
また、主制御装置10は、スタートレバー3等の操作部の操作に応じて、内部抽選処理等をともなうゲーム進行処理、記憶部に記憶した各種情報の管理、また、メダル払出装置7等の装置を制御することにより、スロットマシン1の遊技を実現する。
【0034】
副制御装置20は、演出ボタン2d、上部演出ボタン2e、スピーカ9、表示装置8(表示器8a、モータ)、ランプ11、ナビランプ12、役物装置16(ソレノイド)と、通信ケーブルで接続されており通信可能である。副制御装置20は、主制御装置10からの制御情報に応じて、これらの装置を制御する。また、副制御装置20には、記憶部、制御部が備えられている。
【0035】
副制御装置20の記憶部は、演出に関するプログラム、演出画像データ、音声データ等の各種情報等を記憶する。
副制御装置20は、制御部およびプログラムが記憶された記憶部によって動作し、主制御装置10からのコマンド(制御情報)に応じて、スロットマシン1の遊技に同期した演出等の処理を行う。例えば、遊技状態の移行を示す画像演出、役物本体16aの状態変換に応じた画像演出(演出表示)、効果音の出力、ランプ演出等を、表示装置8、ランプ11、スピーカ9等を制御して行う。また、役物装置16の駆動源の駆動制御を行い、役物本体16aを常態から作動状態への変換動作を行う。
【0036】
また、副制御装置20は、演出ボタン2dからの信号に基づき、各演出の切替タイミングを制御可能となっている。
主制御装置10及び副制御装置20のうちの何れか一方或いは両方で、抽選手段、表示制御手段、移動手段、演出制御手段、特定演出実行手段、保留手段、可動部材制御手段が構成される。
【0037】
このようなスロットマシン1は、主制御装置10による制御により、以下のようなスロットマシン遊技を実行可能に構成されている。
【0038】
ゲームの開始にあたり、メダル投入口2fからのメダルを投入、或いはベットボタン2aの操作によりクレジットメダルからベット数の設定を行う。
そして、ベット数が所定数(例えば、3枚)になったときに、ゲームの開始条件の一つが成立して、1回のゲームを実行可能な権利を保有するゲーム開始可能な状態となる。
【0039】
このゲーム開始可能な状態では、スタートレバー3の操作が有効な状態となる。この有効な状態において、スタートレバー3が傾動操作されると、ゲームの開始条件の全てが成立して、ゲームが開始され、複数の図柄の表されたリール4a~4cが変動を開始するとともに、リプレイ役、小役、ボーナス役などの複数の当選役(はずれを含む)の中から今回ゲームの抽選結果をリール4の停止前に事前に決定する内部抽選処理が実行される。
内部抽選処理では、複数の当選役の中から今回ゲームの当選役を所定の当選確率に基づいて抽選により決定する。
【0040】
各リール4a~4cは、表示手段の一例であり、各リール4a~4cの周面には、複数の図柄(リプレイ、ベル、スイカ、チェリー、7)が所定の配列で表されており、停止状態から徐々に回転速度を上げた後、一定の速度で回転する定常回転に達する。
このような定常回転に達すると、各リール4a~4cに対応して設けられた停止ボタン5a~5cが押圧操作可能な状態となる。
【0041】
この状態で各停止ボタン5a~5cが押圧操作されると、その操作タイミングと内部抽選処理の抽選結果とにより許容される図柄の組合せで停止するように、各リール4a~4cが停止制御される。
【0042】
停止状態では、リール4a~4cそれぞれに表された上下方向に連続する3つの図柄が表示窓6から機外に臨むように停止(停止表示)し、このときの停止表示態様に基づいて入賞の有無が判定される。
入賞の判定は、表示窓6内の上・中・下段のライン、右下がりのライン、右上がりのラインの計5ラインいずれかの入賞ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて判定される。
【0043】
小役、リプレイ役、ボーナス役等などの当選役の入賞は、このような入賞ライン上の図柄の組合せに基づいて判定される。
小役には、例えば、ベル役、スイカ役、チェリー役がある。
【0044】
ベル役には、対応する図柄の組合せがそれぞれ異なる二つのベル役が設けられている。例えば、対応する図柄の組合せを、入賞ライン上の「左リール4a・中リール4b・右リール4c」の順(以下同様)に、それぞれ「ベル・リプレイ・ベル」とする共通ベル役と、「ベル、ベル、ベル」とする押し順ベル役を設けることができる。
【0045】
共通ベル役は、停止ボタン5a~5cに対する操作順序(押し順という)に関係なく対応する図柄の組合せ(「ベル・リプレイ・ベル」)が停止する小役で、押し順ベル役は、特定の押し順に従うことにより対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止する小役である。
【0046】
さらに、押し順ベル役には、6通りある押し順(例えば、「5a→5b→5c」,「5c→5b→5a」など)のうちの1通りの押し順(特定の押し順)によって、停止ボタン5a~5cが操作されることで、特定態様として、対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止表示される6つの押し順ベル役1~6が設けられている。このような押し順ベル役1~6は、他の5通りの押し順(特定の押し順以外の押し順)によって停止ボタン5a~5cが操作されると、対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止表示されず、「ベル・ベル・リプレイ」などの他の図柄の組合せ(「ベルこぼし目」という)が停止表示されることになる。
【0047】
なお、押し順ベル役に当選したときに、2、3番目に操作する停止ボタン5を問わず、最初に操作する停止ボタン5のみが特定の押し順に従っていれば、押し順ベル役に対応する図柄の組合せが停止するようにリール4の停止制御を行うようにしてもよい。また、押し順ベルは、6通りに限らず、3通りの押し順ベル1~3を設けてもよい。
【0048】
スイカ役は、対応する図柄の組合せを「スイカ・スイカ・スイカ」とする小役(レア役)であり、「スイカ・スイカ・スイカ」が上段ライン若しくは下段ラインに停止する弱スイカ役と、「スイカ・スイカ・スイカ」が右上がりライン若しくは右下がりラインに停止する強スイカ役とがある。
チェリー役は、対応する図柄の組合せを「チェリー・ANY・ANY」とする小役(レア役)であり、「チェリー」が左リール4aの上段又は下段に停止する弱チェリー役と、「チェリー」が左リール4aの中段に停止する強チェリー役とがある。
【0049】
リプレイ役には、対応する図柄の組合せがそれぞれ異なる2つのリプレイ役が設けられ、対応する図柄の組合せを、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」とする通常リプレイ役(以下、リプレイ役と称する)と、「リプレイ・ベル・ベル」とするチャンスリプレイ役(チャンス役)とが設けられている。
「リプレイ・ベル・ベル」(チャンス目)は、チャンスリプレイ役の当選時に停止表示する図柄の組合せであり、スイカ役及びチェリー役とともに、内部抽選処理において当選確率が比較的低い、所謂レア役として設定されている。
【0050】
また、リプレイ役には、停止ボタン5a~5cに対する操作順序(押し順)として6通りある押し順のうちの1通りの押し順によって、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」に対応する図柄の組合せが停止する押し順リプレイ役が設けられている。押し順リプレイ役は、6通りある押し順それぞれに対応する押し順リプレイ役1~6を設けるとともに、各押し順リプレイ役1~6に当選したときのそれぞれに対応する押し順の報知は、ART状態中(AT状態中も含む)に行われる。
【0051】
また、主制御装置10は、リプレイ役の当選状態を変更可能になっていて、リプレイ役の当選確率の低い状態である非RT(リプレイ当選低確率状態)と、リプレイ役の当選確率の高い状態であるRT(リプレイ当選高確率状態)と、に制御可能となっている。
そして、リプレイ役(押し順リプレイ役)には、非RTからRTへの移行に係る図柄の組合せに対応する昇格リプレイ役、RTから非RTへの移行に係る図柄の組合せに対応する転落リプレイ役が設定されている。これらの当選役についても押し順が対応付けられ、例えば、昇格リプレイ役に関しては、6通りある押し順のうちの1通りの押し順によって非RTからRTへの移行に係る昇格リプレイ役に対応する図柄の組合せが停止し、転落リプレイ役に関しては、6通りある押し順のうちの5通りの押し順によってRTから非RTへの移行に係る転落リプレイ役に対応する図柄の組合せが停止する。
【0052】
また、主制御装置10及び副制御装置20は、押し順ベル役或いは押し順リプレイ役に関する遊技状態として、AT(アシストタイム)の状態を発生可能となっている。ATは、押し順ベル役或いは押し順リプレイ役が当選した場合に、当選した押し順ベル役或いは押し順リプレイ役の押し順を、表示器8a及びナビランプ12により報知(押し順ナビを実行)する状態である。
したがって、AT中に昇格リプレイ役の当選により、当選した昇格リプレイ役に対応する押し順が報知されて、昇格リプレイ役に対応する図柄の組合せが停止した場合には、RTに移行することとなるが、このRT中にもATの状態が継続することで、遊技状態がリプレイ当選高確率状態と押し順ナビが行われる状態が重複するART状態となる。
【0053】
ボーナス役は、対応する図柄の組合せ(特別態様)を「7・7・7」とするもので、遊技者にとって有利なボーナス状態を発生させる特別役である。
ボーナス役に当選した場合には、ボーナス役の当選状態は、対応する図柄の組合せが停止するまで持ち越される。
【0054】
以上説明したような図柄の組合せに基づいて、小役、リプレイ役、ボーナス役の当選がそれぞれ判定され(判定手段)、判定の結果、その図柄の組合せが上記それぞれに対応する図柄の組合せであるときに、入賞が成立して各入賞の成立に応じた遊技価値が付与される。
例えば、ベル役、チェリー役、スイカ役などの小役に対応する図柄の組合せの停止により、小役入賞の成立が判定され、メダル払出装置7が駆動制御されることにより、メダル払出口7bを介して所定数のメダルが払い出される。
【0055】
具体的には、ベル役(共通ベル役、押し順ベル役)において、対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、8枚のメダルが払い出される。
また、押し順ベル役の当選時に、特定の押し順以外の押し順(5通りの押し順)で停止ボタン5a~5cを操作したときには、メダルは払い出されない。
なお、ベル役については、後述するART状態中において、遊技者が保有するメダルが増加するような当選確率に設定されている。
【0056】
また、弱スイカ役及び強スイカ役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、2枚のメダルが払い出される。
また、弱チェリー役及び強チェリー役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、1枚のメダルが払い出される。
なお、各役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合に払い出されるメダルの数は、上記した枚数以外でもよい。
【0057】
また、リプレイ役及びチャンスリプレイ役に対応する図柄の組合せの停止表示により、リプレイ役及びチャンスリプレイ役が判定され、次回ゲームにおいてメダルの投入を行うことなく、前ゲームで設定したベット数と同様のベット数でのゲームが可能となる。
また、昇格リプレイ役に対応する図柄の組合せの停止により、リプレイ役の当選確率が高められるRTに移行し、RT中に転落リプレイ役に対応する図柄の組合せの停止により、非RTに移行する。
【0058】
また、ボーナス役に対応する図柄の組合せ(特別態様)の停止表示により、遊技者に有利なボーナス状態に移行する。
ボーナス状態中は、所定の小役(例えば、共通ベル役)に高確率で当選する状態となり、メダルの払い出し数が所定数(例えば、メダル200枚)を超えると終了する。
【0059】
また、ボーナス役を除く各役の当選確率は、各設定値において、ベル役>リプレイ役>弱チェリー役>弱スイカ役>チャンスリプレイ役>強チェリー役>強スイカ役の関係性、つまり、ベル役が最も当選し易く、強スイカ役が最も当選し難く設定されているものとする。また、ボーナス役は、小役やリプレイ役よりも当選確率が低く設定される。なお、ボーナス役を除く各役の当選確率の関係性は、上記したもの以外でもよく、特にRT中には、リプレイ役>ベル役>弱チェリー役>弱スイカ役>チャンスリプレイ役>強チェリー役>強スイカ役の関係性となるようにしてもよい。
また、弱チェリー役、弱スイカ役、チャンスリプレイ役、強チェリー役、強スイカ役は、当選し難い当選役という意味でレア役と称する。
【0060】
次に、スロットマシン1の遊技の流れについて、
図3を参照して説明する。
図3は、本実施形態に係るスロットマシン1における遊技状態を説明するための図である。
主制御装置10、副制御装置20は、スロットマシン1を、複数の遊技状態に制御可能であり、各遊技状態における各種処理、遊技状態間の移行の制御(以下単に「移行」ともいう)等を、以下のように行う。
【0061】
図3に示すように、本実施形態のスロットマシン1の遊技は、通常遊技状態、ボーナス状態、CZ状態、ART状態の複数の遊技状態から構成される。主制御装置10、副制御装置20は、所定の移行条件が成立することに基づいて、一の遊技状態から他の遊技状態へと移行するように制御可能となっている。
通常遊技状態、ボーナス状態、CZ状態では、非RTに制御される。また、ART状態中はATに制御されるが、CZ状態中もATに制御するようにしてもよい。
【0062】
また、スロットマシン1の遊技は、通常区間、有利区間を有する。これらの区間は、遊技状態によって区分される。
通常区間は、通常遊技状態において遊技可能な区間が含まれる。
有利区間は、通常区間から他の遊技状態に移行後、再度通常区間に戻るまで継続して滞在する。
有利区間は、ボーナス状態、CZ状態、CZ状態の当選高確率状態、CZ状態の前兆状態、ART状態の前兆状態、ART状態において遊技可能な区間が含まれる。制御部25bは、有利区間に滞在中に、連続して実行されたゲームの回数をカウント(計数)する。遊技状態が有利区間中である場合には、有利区間ランプ13が点灯される。なお、有利区間ランプ13は、CZ状態、ART状態、ボーナス状態等の実施に遊技者が当該状態を有利であると認識できる間に点灯するようにしてもよい。
【0063】
有利区間に移行後、有利区間を終了するためには、ゲームの抽選結果等により通常区間へ移行した場合の他、「有利区間での連続ゲーム回数が所定回数に到達したこと」若しくは「有利区間中に獲得したメダル数が所定枚数に到達したこと」の何れかの条件の成立が設定され、有利区間として特定される各状態からなる一連の有利区間中に獲得できるメダル数を制限する制限手段(所謂リミッタ)が設けられている。
【0064】
なお、有利区間の上記終了条件は、一例であり、例えば、「少なくとも1回の押し順ベルの報知がされたこと」を含めてもよい。また、有利区間の上記終了条件は、例えば、「ボーナス役に対応した図柄の組み合わせが停止表示されたこと」、「第一種特別役物(所謂レギュラーボーナス)の当選役に対応した図柄の組み合わせが停止表示されたこと」等を含めてもよい。また、有利区間での連続ゲーム回数の上限は、1000回や1500回等、任意の数であればどのような回数でもよく、獲得メダル数の上限は、1000枚や2400枚等、任意の数であればどのような枚数でもよい。
【0065】
次に、主制御装置10及び副制御装置20の制御により実行される各遊技状態(通常遊技状態、CZ状態、ART状態、ボーナス状態)、遊技状態間の移行処理、及び移行処理に伴って発生する各種演出等について、遊技状態毎に詳細に説明する。
以下、特に説明がない場合には、各遊技状態から他の遊技状態への移行時点は、基本的に、移行条件が成立したゲームの第3リール停止操作後(若しくは、メダルの払い出し終了後)である。但し、これに限定されず、移行条件が成立後、次ゲームから移行してもよい。なお、RTに関する種別は、同じ遊技状態に滞在中であっても、昇格リプレイ等によって変化するが、基本的には、以下のように設定されている。
【0066】
(通常遊技状態)
通常遊技状態のRTに関する種別は、基本的に非RTである。つまり、通常遊技状態は、非RTに滞在しやすい遊技状態である。このため、通常遊技状態の遊技は、遊技者にとっては不利である。
図3に示すように、主制御装置10は、通常遊技状態に滞在中には、CZ状態、ART状態、ボーナス状態への移行抽選処理を行う。なお、スロットマシン1の仕様等に応じて、通常遊技状態からART状態に直接移行しないようにしてもよい。
【0067】
・通常遊技状態からART状態への移行処理(
図3の矢印a)
主制御装置10は、通常遊技状態においては、所定のレア役の当選に基づいて、ART状態への移行抽選処理を行う。例えば、強チェリー役当選時の所定の確率(例えば、10%)で、ART状態への移行処理を行う。ART状態への移行条件が成立した場合には、基本的な遊技状態がATに制御され、昇格リプレイ役に当選して、昇格リプレイ役に対応する図柄の組み合わせが停止するとART状態に移行する。また、遊技者にART状態の移行権利としてのセット数が1つ付与されるとともに、ART状態中の実行可能ゲーム数として初期ゲーム数(例えば、50ゲーム)が付与される。なお、主制御装置10は、付与する初期ゲーム数を複数の異なるゲーム数のうちからいずれか1つを抽選する抽選処理を行ってもよい。
【0068】
また、ART状態への移行抽選に当選した場合には、遊技者のART状態への移行に対する期待感を高めるためにART状態の前兆状態が設定され、最終的にART状態に移行することを報知する所定ゲーム数(例えば、3ゲーム)のART前兆演出が表示器8aにおいて実行される。したがって、ART状態への移行抽選に当選しても、直ぐにはART状態へは移行せず、ART前兆演出を経てART状態へ移行することとなる。
【0069】
また、所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選したが、ART状態への移行抽選に当選しなかった場合にも、最終的にART状態へ移行しないことを報知する所定ゲーム数(例えば、3ゲーム)のARTガセ前兆演出が表示装置8において実行される。ART前兆演出とARTガセ前兆演出は、基本的には登場するキャラクタ等は同様に設定されていて、最終的に報知する内容を異ならせることで、遊技者の期待感を最後まで引き付けることができるようになっている。
【0070】
・通常遊技状態からCZ状態への移行処理(
図3の矢印c)
主制御装置10は、通常遊技状態においては、所定のレア役に当選したことに基づいて、CZ状態への移行抽選処理を行う。例えば、弱チェリー役当選時、強チェリー役当選時に所定の確率でCZ状態への移行処理を行う。CZ状態へ移行条件は、この移行抽選に当選したことである。
【0071】
また、通常遊技状態においては、CZ状態への当選確率状態が異なる通常確率状態、高確率状態を有している。CZ状態への移行抽選の当選確率は、高確率状態の方が低確率状態よりも高くなっていて、確率状態の移行は、例えば、スイカ役当選時の30%の確率で、通常確率状態から高確率状態に移行するような制御が行われる。一方、所定の転落条件として、例えば、リプレイ役当選時、ベル役当選時、及びハズレ時の5%の確率で、高確率状態から低確率状態へ移行する制御が行われる。
【0072】
CZ状態の当選確率状態は、通常確率状態においては、弱チェリー役当選時の5%の確率、強チェリー役当選時の30%の確率で設定されている。また、高確率状態においては、弱チェリー役当選時の30%の確率、強チェリー役当選時の50%の確率で設定されている。
【0073】
また、通常遊技状態においては、主制御装置10及び副制御装置20により、CZ状態の当選確率状態に対する報知制御が行われる。報知制御は、各確率状態を直接的に報知する形態ではなく、その時点での確率状態がどの状態であるかを、表示器8aの表示内容を変化させることで遊技者が予測できる程度に行われ、遊技の興趣を高めるようになっている。
なお、確率設定装置14において、ボーナス役の当選確率を変更した場合や、主制御装置10のシステムリセットが行われた場合には、通常確率状態により遊技が開始可能となるが、確率設定装置14での設定値毎に、所定の確率で高確率状態により遊技を開始可能としてもよい。
【0074】
CZ状態への移行抽選に当選した場合には、遊技者のCZ状態への移行に対する期待感を高めるために、最終的にCZ状態に移行することを報知する所定ゲーム数(例えば、10ゲーム)のCZ前兆演出が表示器8aにおいて実行される。したがって、CZ状態への移行抽選に当選しても、直ぐにはCZ状態へは移行せず、前兆ゲーム数分移行が遅延されることとなる。
【0075】
CZ前兆演出は、表示器8aにおいて、通常遊技状態中とは異なる背景からなるステージ画像に切り替えるようにしてもよいし、通常遊技状態中よりも所定のキャラクタの出現率が高まるようにしてもよく、遊技者のCZ状態への移行に対する期待感が高まるものであれば何れでもよい。
また、CZ前兆演出においては、最終的にCZ状態に移行するか否かの報知が行われるが、この場合、表示器8aにおいて、最終ゲームから所定ゲーム(例えば、3ゲーム)前から連続的な演出(例えば、キャラクタによる対戦演出)の結果によりCZ状態への移行に関する報知を行ってもよいし、最終ゲームのみで完結する演出の結果によりCZ状態への移行に関する報知を行ってもよい。
【0076】
また、CZ状態への移行契機となるレア役(例えば、弱チェリー役、或いは強チェリー役)に当選したが、CZ状態への移行抽選に当選しなかった場合にも、CZ状態に当選したときと同様に、最終的にCZ状態へ移行しないことを報知する所定ゲーム数(例えば、10ゲーム)のCZガセ前兆演出が表示器8aにおいて実行される。CZ前兆演出とCZガセ前兆演出は、基本的には演出画像(ステージ或いは登場するキャラクタ等)は同様に設定されていて、最終的に報知する内容を異ならせることで、遊技者の期待感を最後まで引き付けることができるようになっている。
【0077】
なお、CZ前兆演出及びCZガセ前兆演出は、CZ状態への移行契機となるレア役に当選した場合に直ぐに発生させずに、所定ゲーム数(例えば、5ゲーム)の実行後に発生させるようにしてもよい。また、CZガセ前兆演出は、CZ状態への移行契機となるレア役に当選した場合に、必ず発生させるようにしてもよいし、所定確率で発生させるようにしてもよい。また、CZ前兆演出及びCZガセ前兆演出のゲーム数は何れのゲーム数でもよいし、複数のゲーム数(例えば、10~15ゲーム)から選択的に決定するようにしてもよい。
【0078】
・通常遊技状態からボーナス状態への移行処理(
図3の矢印f)
主制御装置10は、ボーナス役の抽選を行う抽選手段として機能し、ゲームの実行に基づき、ボーナス役の抽選を所定の確率で行う。ボーナス役の抽選確率値は、確率設定装置14で設定可能な設定1~6に応じた複数段階の確率値(例えば、設定1の1/250~設定6の1/200)で制御可能であり、確率設定装置14で設定されている確率値に基づく抽選により、ボーナス役に当選すると、リール4においてボーナス役に対応した図柄の組み合わせである「7・7・7」を停止可能となり、遊技者の操作によりボーナス役に対応した図柄の組み合わせが停止すると、ボーナス状態への移行処理が行われる。
したがって、ボーナス役に当選した場合でも直ぐにボーナス状態へ移行するのではなく、ボーナス役に対応した図柄の組み合わせを停止可能なボーナス当選状態を経由してボーナス状態に移行することとなる。この移行態様は、通常遊技状態以外の遊技状態においてボーナス役に当選した場合でも同様である。
【0079】
また、ボーナス役に当選した場合、最終的にボーナス役に当選したことを報知する所定ゲーム数(例えば、3ゲーム)のボーナス発生演出が表示器8aにおいて実行されて、遊技者のボーナス役の当選に対する期待感が高められる。
また、ボーナス役に当選していないゲームにおいても、最終的にボーナス役に当選していないことを報知する演出として、所定の確率でボーナス発生演出と同様のボーナスガセ発生演出が表示器8aにおいて表示される。
【0080】
ボーナス発生演出及びボーナスガセ発生演出は、キャラクタによる対戦演出で実行され、ボーナス役に当選していた場合(ボーナス発生演出の場合)には、ボーナス役の当選を報知する画像として、最終的に主人公キャラクタが勝利する画像が表示され、ボーナス役に当選していなかった場合(ボーナスガセ発生演出の場合)には、ボーナス役の非当選を報知する画像として、最終的に主人公キャラクタが敗北する画像が表示される。
【0081】
なお、ボーナス役の当選は、ボーナス役に単独で当選する他、所定の小役(例えば、チャンス役や強チェリー役)に当選した場合の一部で、ボーナス役に重複当選するようにしてもよい。この場合、所定の小役に当選してもボーナス役には当選しなかった場合に、最終的にボーナス役に当選しなかったことを報知するボーナスのガセ発生演出を実行すれば、遊技の興趣性を高めることができるようになる。
【0082】
(CZ状態)
CZ状態のRT種別は、基本的に非RTである。CZ状態は、押し順ベル役や押し順リプレイ役当選時には押し順ナビは行われないが、押し順ベル役当選時のみ押し順ナビが実行されるATに制御してもよい。また、CZ状態滞在中は、各ゲームにおいてART移行抽選処理(後述する)が行われるので、通常遊技状態に滞在中よりも、ART状態へ移行しやすい。このため、一連の遊技の流れにおいて、CZ状態は、通常遊技状態よりも有利に位置付けられている。
【0083】
CZ状態に滞在中は、通常遊技状態に滞在中よりも、ART状態に移行しやすいので、CZ状態は、一連の遊技の流れにおいて、チャンスゾーンとして位置付けられている。
CZ状態の遊技可能回数は、最大で10回である。
なお、CZ状態では、昇格リプレイ役に当選した場合でも、押し順を報知しないので、基本的に非RTが維持される。
CZ状態中においては、主制御装置10から副制御装置20に対して、CZ状態に関する制御情報が送信され、主制御装置10及び副制御装置20の制御により、表示器8aにおいて、CZ状態中の各種演出、残ゲーム数が、表示器8aに表示される。
【0084】
・CZ状態からART状態への移行処理(
図3の矢印e)
CZ状態では、各ゲームにおいて、ART移行抽選処理を行う。
ART移行抽選処理の当選確率は、各ゲームの当選役に応じて、当選確率が設定されている。ART移行抽選処理の当選確率は、例えば、ボーナス役当選時が100%、レア役当選時が50%、ベル役当選時及びリプレイ役当選時が10%、ハズレ役当選時が5%である。ART移行抽選はCZ状態中のゲーム毎に行われるが、ART状態への移行の有無はCZ状態の最終ゲームで行われ、最終ゲームでART状態への移行が報知された場合には、通常遊技状態のときと同様に、遊技状態がART状態へ移行することとなる。
なお、ART移行抽選は、各役に内部当選した時点で実行されるので、当選した役に対応する図柄がリール4に停止しない場合(取りこぼし時)でもART移行抽選は実行される。
【0085】
なお、各当選役の一部又は全部についてのART移行抽選処理の当選確率は、上記以外でもよい。また、ベル役の当選時にART移行抽選処理を行うようにしたが、ベル役に対応する図柄が入賞することに基づいてART移行抽選処理を行うようにしてもよい。また、ボーナス役に当選した場合には、100%の確率で当該ボーナス状態の終了後にART状態へ移行するようにして遊技者の期待感を高めるようにしているが、確率設定装置14で当選確率が変更可能なボーナス役に関しては、ART移行抽選処理を行わないようにして遊技店と遊技者との利益バランスが大きく崩れないようにしてもよい。
【0086】
また、CZ状態中は、遊技の興趣を高めるために、所定のキャラクタが登場するCZ演出が表示器8aで表示される。CZ演出においては、最初の数ゲーム間(例えば、7ゲーム間)で主人公キャラクタが対戦の準備を行う演出画像が表示され、CZ状態の最後の数ゲーム間(例えば、3ゲーム間)で主人公キャラクタと敵キャラクタとが対戦する演出画像が表示される。そして、ART移行抽選に当選していた場合には、最終ゲームで主人公キャラクタが勝利してART状態へ移行することが報知される。また、CZ状態中においては、その間に実行されたゲームの当選内容に応じて、対戦準備演出中の背景や、対戦演出中の攻防内容が変化して、ART状態への移行に対する期待感に変化を与えるようになっている。また、CZ状態における残ゲーム数は表示器8aに表示され、残ゲーム数は、ゲームが実行される毎に減算されていく。
【0087】
・CZ状態から通常遊技状態への移行処理(
図3の矢印d)
CZ状態において、ART移行抽選に当選しなかった場合には、CZ状態中のゲーム数の実行の後、通常遊技状態に移行する。このとき、CZ演出において、主人公キャラクタが敗北してART状態へ移行しないことが報知される。
【0088】
CZ状態から通常遊技状態へ移行した場合には、CZ状態の当選確率状態は、通常確率状態となるように制御される。なお、このとき確率設定装置14での設定毎に、所定の確率で高確率状態に移行させるようにしてもよい。
また、CZ状態の終了後に高確率状態に移行させる場合には、当該高確率状態中に、前述した制限手段による制限制御が行われる可能性があるが、高確率状態中に制限制御が行われた場合には、通常確率状態に移行させる。
【0089】
また、CZ状態から通常遊技状態への移行時には、主制御装置10及び副制御装置20の制御により、確率設定装置14で設定された設定値を示唆可能な設定関連情報(設定示唆情報)が報知手段(表示器8a、スピーカ9)により報知される。例えば、後述するようにCZ状態から通常遊技状態へ移行する場合には、表示器8aを最上方位置から最下方位置に移動させるが、この移動中の表示器8aにおいて、複数のキャラクタのうちから所定のキャラクタを表示するようにする。そして、表示するキャラクタは確率設定装置14の各設定値に応じて予め設定された選択確率に応じて選択されるので、表示されたキャラクタによりある程度設定値を予測することが可能となる。
【0090】
・CZ状態からボーナス状態への移行処理(
図3の矢印h)
CZ状態においては、前述した通常遊技状態と同様にゲーム毎にボーナス役の抽選が行われる。したがって、主制御装置10は、通常遊技状態と同様に確率設定装置14での設定値に基づいてボーナス役の抽選を行い、ボーナス役に当選すると、リール4においてボーナス役に対応した図柄の組み合わせである「7・7・7」を停止可能な状態となる。このとき、ART状態への移行権利が確定するので、CZ状態は終了し、遊技者の操作によりボーナス役に対応した図柄の組み合わせが停止すると、遊技状態がボーナス状態への移行することとなる。
【0091】
なお、CZ状態中にボーナス役に当選した場合に、所定の確率でART状態の移行しないようにしてもよく、この場合、ボーナス状態の発生によりCZ状態を一旦中断し、一旦中断されたCZ状態を、ボーナス状態の終了後に復帰させるようにしてもよい(
図3の矢印i)。
CZ状態中にボーナス役に当選した場合、通常遊技状態とは異なりボーナス発生演出は行われずに、ボーナス役に当選したゲームにおいてボーナス役に当選したことの報知が表示器8aにおいて実行される。
【0092】
(ART状態)
ART状態へ最初に移行した時点でのRT種別は、基本的に非RTであるが、ATの状態となっているので、昇格リプレイ役の入賞によってRTに昇格し易くなっている。RT状態は、獲得メダルの増加が見込めるため、ART状態は、遊技者にとっては、通常遊技状態、CZ状態よりも有利である。
なお、ART状態における押し順リプレイ役の当選確率は、基本的に、RTに対応した一定の確率となる。
【0093】
ART状態中は、ART状態の移行時に付与された初期ゲーム数(例えば、50ゲーム)がゲーム毎に減算され、残ゲーム数が無くなるまでART状態は継続される。また、残ゲーム数は所定条件の成立により上乗せされて、その分ART状態の継続期間が延長されるようになっている。
ART状態中においては、主制御装置10から副制御装置20に対して、ART状態に関する制御情報が送信され、副制御装置20の制御により、表示器8aにおいて、ART状態中の各種演出の画像表示が行われる。また、ART状態中の、残ゲーム数、一連のART状態中に獲得したメダルの総数、ART状態中に実行された総ゲーム数が、表示器8aに表示される。
【0094】
・ART状態から通常遊技状態への移行処理(
図3の矢印b)
ART状態において、ART状態を継続させる残ゲーム数が無くなるとART状態は終了し、遊技状態は通常遊技状態に移行することとなる。
ART状態から通常遊技状態へ移行した場合には、CZ状態の当選確率状態は、通常確率状態となるように制御される。なお、このとき確率設定装置14での設定毎に、所定の確率で高確率状態に移行させるようにしてもよい。
また、ART状態の終了後に高確率状態に移行させる場合には、当該高確率状態中に、前述した制限手段による制限制御が行われる可能性があるが、高確率状態中に制限制御が行われた場合には、通常確率状態に移行させる。
【0095】
・ART状態からボーナス状態への移行処理(
図3の矢印k)
ART状態においては、前述した通常遊技状態、CZ状態と同様にゲーム毎にボーナス役の抽選が行われる。したがって、主制御装置10は、通常遊技状態、CZ状態と同様に確率設定装置14での設定値に基づいてボーナス役の抽選を行い、ボーナス役に当選すると、リール4においてボーナス役に対応した図柄の組み合わせである「7・7・7」を停止可能な状態となる。このとき、ART状態は一旦中断され、遊技者の操作によりボーナス役に対応した図柄の組み合わせが停止すると、遊技状態がボーナス状態への移行することとなる。なお、一旦中断されたART状態は、ボーナス状態の終了後に復帰することとなる。
【0096】
また、ART状態中にボーナス役に当選した場合、最終的にボーナス役に当選したことを報知する所定ゲーム数(例えば、3ゲーム)のボーナスの発生演出が表示器8aにおいて実行されて、遊技者のボーナス役の当選に対する期待感が高められる。
なお、ART状態中にボーナス役に当選した場合には、所定のゲーム数をART状態の残ゲーム数に加算(上乗せ)するようにしてもよい。
【0097】
また、ART状態中は、所定のレア役(例えば、弱チェリー役、弱スイカ役、強スイカ役、強チェリー役)に当選した場合に、ART状態の継続可能ゲーム数の上乗せ抽選が行われるとともに、ゲーム数の上乗せに対する期待感を高めるための上乗せ演出が、表示器8aにおいて実行される。上乗せ演出は、例えば、1~3ゲーム間実行され、演出内容に応じて上乗せに対する期待度が異なるようになっていて、上乗せ演出の最終ゲームで当否の報知が行われるとともに上乗せゲーム数が報知される。
【0098】
(ボーナス状態)
ボーナス状態は、各ゲームにおいてベル役の抽選が高確率で行われ、遊技者が多数のメダルを獲得可能な状態となる。また、前述したようにCZ状態中のボーナス役の当選時は、ART状態の移行抽選は行われるが、通常遊技状態中のボーナス役の当選時も所定の確率でART状態の移行抽選を行うようにしてもよい。ただし、ボーナス役の当選からボーナス状態が発生するまでの間(ボーナス当選状態中)のゲームにおいてはART状態の移行抽選は行われない。なお、ボーナス状態中に実行されるゲーム毎に、ART状態の移行抽選を行うようにしてもよい。
また、主制御装置10から副制御装置20に対して、ボーナス状態に関する制御情報が送信され、副制御装置20の制御により、表示器8aにおいて、ボーナス状態中の各種演出、獲得枚数情報等の画像表示が行われる。
【0099】
・ボーナス状態から通常遊技状態への移行処理(
図3の矢印g)
ボーナス状態中において、払い出されたメダル数が所定数(例えば、200枚)に達した場合、ボーナス状態は終了して、遊技状態がボーナス状態から通常遊技状態に移行される。
また、ボーナス状態の終了時には、所定期間(例えば、5秒)のエンディング状態が設定され、エンディング状態中においては、主制御装置10及び副制御装置20の制御により、確率設定装置14で設定された設定値を示唆可能な設定関連情報が報知手段により報知される。例えば、所定の画像が表示器8aにより表示されるとともに、所定の音声がスピーカ9により出力される。
【0100】
ボーナス状態から通常遊技状態へ移行した場合には、CZ状態の当選確率状態は、通常確率状態となるように制御される。なお、このとき確率設定装置14での設定毎に、所定の確率で高確率状態に移行させるようにしてもよい。
また、ボーナス状態の終了後に高確率状態に移行させる場合には、当該高確率状態中に、前述した制限手段による制限制御が行われる可能性があるが、高確率状態中に制限制御が行われた場合には、通常確率状態に移行させる。
【0101】
・ボーナス状態からART状態への移行処理(
図3の矢印j)
ボーナス状態からART状態に移行する条件としては、CZ状態中にボーナス役に当選した場合と、ART状態中にボーナス役に当選した場合とがある。
CZ状態或いはART状態から移行したボーナス状態中において、払い出されたメダル数が所定数(例えば、200枚)に達した場合、ボーナス状態は終了して、遊技状態がボーナス状態からART状態に移行される。このとき、CZ状態からの移行の場合には、ART状態は初期状態から開始されるが、ART状態からの移行の場合には、ART状態は中断された時点の状態から再開されることとなる。したがって、ART状態の中断時の残ゲーム数からART状態が再開することとなる。また、獲得メダル数は、ART状態とボーナス状態が一連して発生した場合には、それらの総数となるので、ART状態の再開時には、ボーナス状態中に獲得したメダル数が加算されて獲得メダル数が表示される。
【0102】
また、ART状態から移行したボーナス状態の終了時にも、所定期間のエンディング期間が設定され、エンディング期間中においては、主制御装置10及び副制御装置20の制御により、確率設定装置14で設定された設定値を示唆可能な設定関連情報が報知手段により報知される。例えば、所定の画像が表示器8aにより表示されるとともに、所定の音声がスピーカ9により出力される。
【0103】
(異常状態)
以上のようにスロットマシン1における基本的な遊技状態の移行が行われるが、主制御装置10及び副制御装置20には、スロットマシン1における各種異常を監視する機能が備えられている。すなわち、主制御装置10及び副制御装置20には、スロットマシン1における異常状態の発生を監視可能な異常監視手段が備えられ、異常監視手段が各遊技状態中において異常の発生を検出した場合に、各遊技状態から異常状態への移行が行われる。
なお、異常監視手段は、主制御装置10及び副制御装置20の各々に備えてもよいし、主制御装置10及び副制御装置20の協働により構成してもよい。
【0104】
例えば、異常監視手段としての主制御装置10は、スロットマシン1で発生する複数の異常を監視可能である。異常の種類としては、記憶部のデータが異常となった場合に検出される異常等の復旧不能な異常と、係員の復旧作業により復旧可能な異常とがある。復旧可能な異常には、例えば、メダル異常通過、メダル滞留異常、エンプティ異常、ドア開放異常、払い出し異常、メダル詰まり異常、メダル満杯異常等が存在し、異常原因を解消した後、遊技を再開するためのリセット操作により復旧可能な異常である。
【0105】
メダル通過異常は、メダルセレクタ2bのセンサからの信号に基づいて、メダルセレクタ2b内を通過するメダルが異常通過したと判断されたときに検出される異常である。メダル滞留異常は、メダルセレクタ2bのセンサからの検出信号が所定時間を超えた場合に検出される異常である。エンプティ異常は、メダル払出装置7のメダル貯留部内にメダルがなくなったときに検出される異常である。ドア開放異常は、ドアセンサ1cからの信号に基づき、前扉1aが開放されたときに検出される異常である。払い出し異常は、メダル払出装置7のセンサからの検出信号に基づき、該センサから異常な検出信号が出力されたときに検出される異常である。メダル詰まり異常は、メダル払出装置7のセンサからの検出信号に基づき、該センサからの検出信号が所定時間を超えたときに検出される異常である。メダル満杯異常は、メダル払出装置7のメダル貯留部に備えられるセンサからの信号に基づき、メダル貯留部に貯留されたメダルが規定量を超えたときに検出される異常である。
【0106】
主制御装置10は、各遊技状態中に異常状態への移行が行われると、異常が発生した時点の遊技状態は中断する処理や、外部の装置(管理装置)への異常発生情報の送信処理等を行う。なお、異常が発生した場合に、直ぐに遊技状態を異常状態に移行させて、ベット数の入力やゲームのスタート操作等を不能にすることでゲームの実行を不能にしてもよいし、復旧可能な異常の場合には、ゲーム実行中に異常が発生した場合に限り当該ゲームの終了後に異常状態に移行させるようにしてもよい。
また、主制御装置10から副制御装置20への制御情報の送信により、表示器8aにおいて、異常状態である旨を報知する画像や異常の種類を識別可能な画像が表示されるとともに、スピーカ9やランプ11から異常状態である旨を報知する音声や光が出力される。
【0107】
また、後述するように、主制御装置10及び副制御装置20は、異常状態が発生して遊技状態が中断された場合でも、表示装置8における表示器8aの駆動制御は継続して行うようにしている。この場合、表示装置8における表示器8aの表示及び駆動は、主制御装置10から副制御装置20への制御情報の送信に基づき副制御装置20により制御されるが、遊技状態が異常状態に移行した場合には、主制御装置10において遊技状態の中断制御が行われるとともに、副制御装置20においては異常状態に対応した各種報知制御及び表示器8aの駆動制御が行われる。そして、表示装置8における表示器8aの駆動中に遊技状態が異常状態に移行した場合には、副制御装置20は、異常状態に対応した各種報知及び表示器8aの駆動を行うとともに、表示器8aの駆動は継続して行うようにしている。
なお、異常状態中における表示器8aの駆動の継続は、主制御装置10から副制御装置20への制御情報の送信により行ってもよいし、副制御装置20独自の判断で行ってもよい。
【0108】
すなわち、移動手段としての主制御装置10及び副制御装置20による表示器8aの移動中において、異常監視手段としての主制御装置10により所定の異常状態が検出された場合に、表示制御手段としての主制御装置10及び副制御装置20は、所定の異常情報を表示器8aに表示させる制御を実行する一方、移動手段は、表示器8aの移動を継続するのである。
【0109】
また、主制御装置10は、異常状態の解除条件の成立に基づき、遊技状態の移行を行うことになるが、発生した異常状態の種類に応じて、解除後に移行する遊技状態が異なることとなる。
発生した異常状態が復旧不能な異常の場合には、スロットマシン1のシステムリセットを行う必要があり、この場合、異常状態の解除後には遊技状態は初期状態、すなわち、通常遊技状態に移行することとなる。
一方、発生した異常状態が復旧可能な異常の場合には、係員の解除作業及びリセット操作により異常状態が解除した場合には、バックアップされている記憶情報に基づき異常が生じた時点の遊技状態に移行することとなる。
【0110】
なお、主制御装置10或いは副制御装置20で監視する異常は、上記以外でもよく、副制御装置20に、表示器8aでの表示制御に関わる異常として、例えば、主制御装置10から送信される制御情報が正常なものか否かを監視する異常監視手段を設け、この異常監視手段の監視結果に基づき異常状態に移行するようにしてもよい。この場合には、主制御装置10では副制御装置20からの制御情報は受け取れないことから、異常状態は、副制御装置20の制御のみの異常となるので、異常状態に移行しても主制御装置10での遊技状態の中断制御は行われず、遊技状態はそのまま継続するとともに、副制御装置20の制御により、表示器8a、スピーカ9、ランプ11等により異常状態が発生した旨を報知する異常情報の出力が行われる。
【0111】
そして、副制御装置20は、主制御装置10からの制御情報が正常な制御情報となった場合には異常を解除するとともに、異常情報の出力を終了する。したがって、この場合の異常状態は自動復旧可能な異常状態とすることができる。また、このとき、副制御装置20は、表示器8aの駆動中に異常状態に移行した場合には、異常情報の出力を行うとともに、表示器8aの駆動を継続する制御が行われることとなる。
【0112】
また、主制御装置10或いは副制御装置20に、外部からの不正な電波(電磁波)や振動を監視する異常監視手段を設けて、この異常監視手段からの検出信号に基づき異常状態に移行させるようにしてもよい。この場合、異常の解除は異常信号が無くなった場合に元の遊技状態に自動復旧するようにしてもよいし、異常信号が無くなってから所定時間経過後に自動復旧するようにしてもよい。あるいは、係員のリセット操作により復旧させて元の遊技状態に移行させるようにしてもよい。この場合にも、主制御装置10或いは副制御装置20は、表示器8aの駆動中に異常状態に移行した場合には、異常情報の出力(或いは遊技の中断)を行うとともに、表示器8aの駆動を継続するようにする。
以上のようにスロットマシン1において遊技状態の移行が行われる。
【0113】
次に、
図4を参照して、表示装置8の動作について説明する。
図4は、スロットマシン1における表示装置8を示す正面図と、スロットマシン1を、側方側(正面視左側)から見た側面図である。なお、説明上、表示装置8の動作状態とは直接的に関係していない部材の図示は省略している。
図4(a)は、表示装置8(表示器8a)が作動していない常態(例えば、通常遊技状態)において表示器8aが第1の位置に復帰している状態を示し、
図4(b)は、主制御装置10及び副制御装置20の制御による駆動源の作動により、表示装置8(表示器8a)が作動状態(例えば、ART状態)において表示器8aが第2の位置に移動した状態を示している。
【0114】
図4(a)に示すように、表示装置8(表示器8a)は、常態においてはスロットマシン1におけるリール4の上方側であって、表示器装飾枠15の後方側に配設されている。
表示装置8の表示器8aは、常態においては、側方から見て表示器8aが起立した状態であって、表示器装飾枠15の中央に形成された開口部から表示面が前方に臨む最下方位置(第1の位置)に配設される。したがって、表示器8aは、常態においてはスロットマシン1の前面よりもやや後方側に配設されることとなっている。なお、図示は省略しているが表示装置8には、表示器8aを上下に移動させるための駆動源(モータ)と駆動機構が備えられている。駆動機構は、ギヤ、スライドレール、各種リンク機構等周知の技術を利用したものでよく、表示器8aを上下に移動させることができるものであれば何れのものでもよい。
【0115】
表示器装飾枠15は、内部にLED等の発光源を有して遊技状態に応じて所定の発光装飾が可能な部材である。そして、スロットマシン1における表示器装飾枠15の後方には、表示装置8の収納部や、後述する役物装置16の収納部が形成されている。
【0116】
図4(b)に示すように、表示装置8(表示器8a)は、駆動源の作動による作動状態に変換された場合には、表示器8aが、その上下方向の長さ分程度上方に移動した最上方位置(第2の位置)に配設されることとなる。これにより表示器8aの所定部としての上方部分の半分以上が、前扉1aの上端部よりも上方に突出した状態となる。
また、表示装置8は、表示器8aの上端部側が徐々に前方に傾倒するように表示器8aを上方に移動させる構成となっているので、表示器8aが最上方位置に移動した場合には、表示器8aの上下方向略中央部分よりも上方部が、表示器装飾枠15よりも前方に位置するとともに、表示器の下端部が表示器装飾枠15の開口部内に位置することで、側方から見て表示器8aの上端側が前方に傾倒した状態に変換されることとなる。
【0117】
したがって、表示器8aが第2の位置に移動した場合には、スロットマシン1で遊技する遊技者は、表示器8aを見上げる状態となるが、表示器8aは前方に傾倒した状態となっているので、遊技者に対して表示する情報を見易いようにしている。
このように、主制御装置10及び副制御装置20と役物装置16は、表示器8aを最下方位置(第1の位置)から最上方位置(第2の位置)に移動可能な移動手段を構成することとなる。
【0118】
主制御装置10からの制御情報に基づく副制御装置20の制御により、例えば、通常遊技状態等の常態においては、
図4(a)に示すように、表示器8aを第1の位置に配設した状態で各種演出画像の表示が行われる。
一方、CZ状態やART状態に移行した場合には、表示装置8の駆動源を作動させることにより、表示器8aを第2の位置に移動させた状態で各種演出画像の表示が行われる。
また、表示器8aの移動中においても表示器8aにおいて所定の演出画像の表示が行われる。
【0119】
このように、遊技状態の変更に応じて表示器8a自体を第1の位置から第2の位置に移動させることにより、より効果的な演出や報知が行えるようになるのである。なお、表示器8aの移動は、上下方向の長さ(寸法)程度移動しているが、それ以外でもよいが、ある程度の長い距離を移動させた方が効果的であるである反面、その分表示器8aの移動を完了させるまで比較的長時間を要するものとなっている。
本実施形態においては、表示器8aを第1の位置から第2の位置に移動させるまでの時間、及び、第2の位置から第1の位置まで移動させるまでの時間は、スロットマシン1において1ゲームに要する最短時間(例えば、4.1秒)よりも長い時間となっている。
【0120】
次に、
図5を参照して、表示装置8における表示器8aの移動や表示内容について説明する。
図5は、主制御装置10及び副制御装置20の制御により、遊技状態の変化に応じて、表示器8aが第1の位置と第2の位置との間を移動する場合のタイミングチャートを示している。
図5に示すように、通常遊技状態におけるゲームの開始時(タイミングt0)に、所定のレア役(例えば、強チェリー役)に当選すると、CZ状態の抽選が行われるとともに、CZ状態の前兆演出が開始される。このとき表示器8aにおいてはCZ状態の前兆演出中の画像が表示される。
なお、
図5の例では、CZ状態の抽選結果は、CZ状態の当選時を示しているが、非当選時には、ガセ前兆演出が開始することとなる。
【0121】
CZ状態の前兆演出は所定数のゲームが実行されるまで継続し、前兆演出の最終ゲーム(10ゲーム目)において、CZ状態に当選した旨が表示器8aにおいて報知される。例えば、最終ゲームのゲーム中にキャラクタ画像による対戦演出が実行されて、当該ゲーム終了後に何れかのキャラクタの勝利画像により当選結果が報知される。
CZ状態の前兆演出中は、表示器8aは常態位置である最下方位置(第1の位置)に復帰している状態を維持し、この状態で演出画像が表示される。
【0122】
次に、前兆演出が終了した次ゲームの開始(タイミングt1)から、遊技状態がCZ状態に移行する。
CZ状態が開始する最初のゲーム(11ゲーム目)では、遊技状態を所定時間フリーズ状態に制御される。このフリーズ状態は、ゲームの進行を所定時間中断する制御で、この間はゲームの進行に関わる入力(例えば、停止ボタン5の入力)を無効として演出のみが実行される状態である。フリーズ状態はCZ状態の開始(タイミングt1)から所定時間(例えば、5秒)経過後の時点(タイミングt2)まで継続する。
【0123】
また、CZ状態が開始する最初のゲーム開始(タイミングt1)から表示器8aの上方へ移動させる駆動制御が開始され、表示器8aが最下方位置(第1の位置)から最上方位置(第2の位置)への移動が開始される。
そして、所定時間経過後の時点(タイミングt2)で表示器8aの上方への移動が完了し、表示器8aは移動可能限界である最上位位置(第2の位置)に到達することとなる。また、移動中の表示器8aにおいては、CZ状態が開始される旨を報知する開始画像が表示される。
【0124】
このように、本実施形態では、移動手段としての主制御装置10及び副制御装置20は、遊技状態の変化に基づき表示器8aの移動制御を行うようにしている。具体的には、特定遊技状態としてのCZ状態の発生に基づき表示器8aを最下方位置から最上方位置に移動し、CZ状態の終了に基づき表示器8aを最上方位置から最下方位置に復帰させるようにしている。したがって、CZ状態が発生したことを表示器8aの表示内容の他に、表示器8a自体の位置によっても報知することができ、報知効果を高めるとともに遊技者の期待感をより高めることが可能となっている。
【0125】
また、本実施形態においては、フリーズ状態が実行される期間と、表示器8aが上方に移動する期間を同一に設定するようにしている。これにより、遊技者はゲームを一旦中断して表示器8aの移動状態や、移動中の表示器8aでの表示を注視することができるようになり、CZ状態の開始に対する報知を効果的に実行できるとともに、CZ状態の開始に対する期待感を高めることができるようになっている。
【0126】
なお、本実施形態では、CZ状態の開始時にフリーズ状態を発生させるようにしているが、フリーズ状態を発生させずに、CZ状態が開始するゲームも通常のゲームと同様に進行できるようにしてもよい。この場合、ゲームの進行中に表示器8aは上方に移動することとなるが、表示器8aの最上方位置までの移動が完了する時間(例えば、5秒)は、ゲームを最短で実行する時間(例えば、4.1秒)よりも長く設定されているので、遊技者がCZ状態の最初のゲームを最短時間で実行した場合には、当該ゲームが終了しても表示器8aの上方への移動は継続することとなる。
このように、表示器8aの移動が完了するまでの時間を長く設定することで、面積や質量の大きい表示器8aを、より離れた位置に移動させる場合でも、何ら問題が生じることがなくなるのである。
【0127】
CZ状態は、CZ状態の開始から所定数(10ゲーム)のゲームが実行されるまで継続し、CZ状態の最終ゲームの終了により遊技状態の移行が行われる。そして、CZ状態中にART状態の抽選に当選した場合には、遊技状態はART状態に移行し、ART状態の抽選に当選しなかった場合には、遊技状態は通常遊技状態に移行することとなる。
図5は、CZ状態中にART状態の抽選に当選しなかった場合の例を示し、CZ状態の最終ゲーム(20ゲーム目)の終了により遊技状態は通常遊技状態に移行している。
【0128】
また、表示器8aは、フリーズ状態が終了する時点(タイミングt2)からCZ状態の最終ゲームの終了時点(タイミングt3)まで最上方位置(第2の位置)に維持される他、CZ状態の最終ゲームの終了から次のゲームの開始時点(タイミングt4)まで最上方位置に維持される。
また、最上方位置の表示器8aには、フリーズ状態が終了する時点(タイミングt2)からCZ状態の最終ゲームの終了時点(タイミングt3)まで、前述したCZ状態中の演出画像(対戦準備演出中の画像、対戦演出中の画像)が表示される。
【0129】
そして、CZ状態の最終ゲームの終了時点(タイミングt3)で、表示器8aにおいてART状態の抽選の当否に対応する画像として、キャラクタによる対戦結果を報知する画像が表示され、ART状態に当選していた場合には、ART状態の当選に対応する画像として、主人公キャラクタが勝利する画像が表示される一方、ART状態に当選していなかった場合には、ART状態の非抽選に対応する画像として、主人公キャラクタが敗北する画像が表示される。
【0130】
CZ状態の最終ゲームが終了しても表示器8aは下方への移動は開始されず、CZ状態の終了から次のゲームの開始まで最上方位置に継続して配置される。そして、CZ状態の最終ゲームの終了時点(タイミングt3)から次のゲームの開始までの時点(タイミングt4)においては、ART状態に当選していた場合には、ART状態の当選を報知する画像として、例えば、「ART状態確定」等の文字情報が表示器8aにおいて表示される一方、ART状態に当選していなかった場合には、ART状態の非当選を報知する画像として、例えば、「残念」等の文字情報が表示器8aにおいて表示される。
図5に示す例では、ART状態に当選していないので、ART状態の非当選を報知する画像が表示器8aにおいて表示されることとなる。
【0131】
ART状態に当選していた場合には、CZ状態の最終ゲームの次のゲーム(21ゲーム目)が開始されても表示器8aは最上方位置に維持されて、以降のゲームではART状態中の演出画像が表示器8aにおいて表示される。
【0132】
一方、 ART状態に当選しなかった場合には、
図5に示すように、CZ状態の最終ゲームの次のゲーム(21ゲーム目)が開始されると、そのゲーム開始時点(タイミングt4)で表示器8aの下方への移動が開始される。すなわち、移動手段により、表示器8aの最上方位置から最下方位置への復帰が、ゲームの開始に基づき実行される。
なお、
図5に示す例では、CZ状態の最終ゲームの次のゲームは、予め設定されたゲームの最短時間(例えば、4.1秒)で実行されたものとしている。
【0133】
前述したように表示器8aが最上方位置(第2の位置)から最下方位置(第1の位置)まで移動する時間は、ゲームの最短時間よりも長くなるように設定されている。すなわち、移動手段としての主制御装置10及び副制御装置20は、表示器を第2の位置から第1の位置まで復帰させるまでの期間を、ゲームの実行に要する最短期間よりも長くなるように設定しているので、CZ状態の最終ゲームの次のゲーム(21ゲーム目)が終了する時期(タイミングt5)よりも、表示器8aが最下方位置への復帰が完了する時期(タイミングt6)の方が遅くなることとなる。
したがって、
図5に示すように、表示器8aが下方への移動を開始したゲームの次のゲーム(22ゲーム目)を即座に開始した場合には、当該ゲーム中にも未だ表示器8aの下方への移動は継続して行われることとなる。
【0134】
そして、表示器8aが最上方位置(第2の位置)から最下方位置(第1の位置)まで移動する間(タイミングt4~タイミングt6の間)においては、CZ状態が終了した旨を報知する終了画像が表示される。
CZ状態の終了画像は、所定の背景画像上に所定のキャラクタが登場して、例えば、「残念」等の文字情報が表示されるが、この背景画像やキャラクタ画像は予め複数設けられていて、主制御装置10及び副制御装置20の制御により、確率設定装置14における設定値に応じて、何れかの背景画像及びキャラクタ画像が選択されて表示器8aにおいて表示される。
【0135】
例えば、表示可能なキャラクタ画像としてキャラクタ画像A(或いは背景画像A)とキャラクタ画像B(或いは背景画像B)とを設けて、確率設定装置14の設定値が、比較的高設定(設定4~設定6等)の場合よりも、比較的低設定(設定1~設定3等)の場合の方がキャラクタ画像Aを選択する確率が高くなるように制御する一方、比較的低設定(設定1~設定3等)の場合よりも、比較的高設定(設定4~設定6等)の場合の方がキャラクタ画像Bを選択する確率が高くなるような制御が行われる。
このようなキャラクタ画像の選択制御により、キャラクタ画像Aが表示された場合よりも、キャラクタ画像Bが表示された場合の方が確率設定装置14の設定値が比較的高設定であることの期待度が高くなる。
【0136】
したがって、CZ状態の終了画像の選択制御により、確率設定装置14における設定値を示唆可能な設定示唆画像が表示されることとなり、遊技者は、CZ状態の終了画像において表示されるキャラクタ画像(或いは背景画像)を参考にして、ある程度確率設定装置14における設定値を予想できるようになり、遊技に対する興趣性を向上させることができるようになるのである。
また、CZ状態の終了画面は、表示器8aの下方への移動中に行われるので、比較的長時間を要する表示器8aの移動時間利用して効率よく設定示唆画像を表示することができ、さらに、設定示唆画像は、ART状態の非当選時表示されるので、ART状態に移行させられなかった遊技者に対して遊技意欲が低下してしまうことを防止できるようになるのである。
【0137】
また、通常、表示器8aが下方に移動する間には、表示器8aに設定示唆画像が表示されるが、表示器8aが下方に移動を開始するゲームにおける役の抽選結果が、所定の抽選結果となった場合には、設定示唆画像とは異なる画像が表示される。
例えば、ゲームの抽選結果がボーナス役の当選であった場合には、ボーナス役に当選したか否かを報知するボーナス発生演出を表示器8aにおいて表示する必要があるため、設定示唆画像に替えてボーナス発生演出が表示される。
【0138】
図5に示す例では、表示器8aが下方への移動を開始したゲーム(21ゲーム目)において、当該ゲームの実行による役の抽選においてボーナス役に当選していた場合を示している。
ボーナス役に当選した場合には、前述したように複数ゲーム(例えば、3ゲーム)に跨ってボーナス発生演出が表示器8aにおいて表示される。すなわち、抽選手段としての主制御装置10による抽選結果に基づき、演出制御手段としての主制御装置10及び副制御装置20により、表示器8a(表示手段)において所定期間演出(ボーナス発生演出)が実行されるが、主制御装置10及び副制御装置20は、この演出を移動手段が表示器8aの最上方位置から最下方位置への復帰を開始するゲームにおいて実行するのである。
ボーナス発生演出中は、主人公キャラクタと敵キャラクタが攻防を繰り広げる対戦演出で実行される。
【0139】
そして、ボーナス発生演出が終了する最終ゲーム(23ゲーム目)の終了時(例えば、3番目の停止ボタン5を離したとき)に、表示器8aにおいてボーナス役の抽選の当否に対応する画像として、キャラクタによる対戦結果を報知する画像が表示され、
図5に示す例では、ボーナス役に当選しているので、ボーナス役の当選に対応する画像として、主人公キャラクタが勝利する画像が表示される。
また、後述するように、ボーナス発生演出中の各ゲームにおいては、上部演出ボタン2eの使用を伴うボタン演出も実行可能となっている。
【0140】
なお、表示器8aが下方に移動を開始するゲーム(21ゲーム目)に、ボーナスガセ発生演出を開始する場合には、ボーナスガセ発生演出が終了する最終ゲーム(23ゲーム目)の終了時に、ボーナス役の非当選に対応する画像として、主人公キャラクタが敗北する画像が表示される。
【0141】
また、演出制御手段としての主制御装置10及び副制御装置20は、ボーナス発生演出(或いはボーナスガセ発生演出)を複数ゲーム(例えば、3ゲーム)に跨って実行するが、この期間(タイミングt4~タイミングt7の間)は、表示器8aが最上方位置から最下方位置へ移動が完了するまでの期間よりも長くなるように設定されている。
したがって、表示器8aが最上方位置から最下方位置に移動して、その移動が完了しても、ボーナス発生演出(或いはボーナスガセ発生演出)は継続して実行されることから、ボーナス役の抽選の当否に対応する画像として、キャラクタによる対戦結果を報知する画像は、表示器8aが常態位置として最下方位置(第1の位置)に復帰した状態で表示されることとなる。
【0142】
すなわち、移動手段(例えば、副制御装置20)が、表示手段としての表示器8aを最上方位置(第2の位置)から最下方位置(第1の位置)まで復帰させるまでの期間を、演出(ボーナス発生演出)の実行期間よりも短く設定することで、演出制御手段としての主制御装置10及び副制御装置20が、最上方位置から最下方位置への復帰中の表示器8aにおいて演出を実行した場合に、演出の結果を最下方位置に復帰した状態の表示器8aにおいて表示させるように制御可能とするのである。
【0143】
これにより、遊技者が慣れ親しんでいる表示器8aの常態位置である最下方位置(第1の位置)において、キャラクタによる対戦結果に関する演出が実行されるとともに、遊技状態の移行上重要な情報であるボーナス役の抽選の当否が報知されることとなり、遊技者に対して演出の興趣性を高めた上で、正確に情報の報知が可能となるのである。
特に、ボーナス役の当選を報知する場合に、報知に対応した多彩な演出を実行する場合には、より効果的な演出を行うことができ、後述するように役物装置16の作動を伴う演出を実行する場合には、さらに演出効果を高めることが可能となるのである。
【0144】
なお、
図5の例では、表示器8aが下方に移動する間に、ボーナス発生演出(或いはボーナスガセ発生演出)を実行するようにしているが、この間にART状態の前兆演出を行うようにしてもよく、この場合でも上記同様の効果がえられるようになる。
また、ボーナス発生演出(或いはボーナスガセ発生演出)は、複数ゲームに跨る演出であれば、3ゲーム間実行されるもの以外に2ゲームや4ゲーム以上のものでもよい。
また、表示器8aが下方に移動中に、ボーナス発生演出(或いはボーナスガセ発生演出)を表示する場合に、CZ状態の終了画像に替えてボーナス発生演出(或いはボーナスガセ発生演出)を表示するようにしているが、例えば、画面分割や小画面の使用等により、CZ状態の終了画像とボーナス発生演出(或いはボーナスガセ発生演出)を同時に表示するようにしてもよい。
【0145】
また、主制御装置10及び副制御装置20は、ボーナスガセ発生演出の発生制御を行う際に、表示器8aの移動中においては移動していない場合よりも、ボーナスガセ発生演出の発生確率が低くなるように発生率を設定するようにしてもよい。このようにすれば、表示器8aが移動中にボーナス発生演出(或いは、ボーナスガセ発生演出)が表示された場合の期待度を高めることが可能となるし、表示器8aの移動中に限り、ボーナスガセ発生演出を発生させないようにすれば、表示器8aの移動中にボーナス発生演出が表示された時点でボーナス役の当選が確定することとなり、遊技者の期待感を極めて高めることが可能となる。
【0146】
図5に示すように、ボーナス発生演出が終了する最終ゲーム(23ゲーム目)の終了から次ゲーム開始までの間(タイミングt7~タイミングt8の間)では、常態位置として最下方位置(第1の位置)に復帰した状態の表示器8aにおいて、ボーナス役の抽選の当否を報知する画像が表示される。例えば、ボーナス役に当選していた場合には、キャラクタが喜んでいる画像や「ボーナス確定」等の文字情報が表示され、一方、ボーナス役に当選していなかった場合には、キャラクタが落胆している画像や「失敗」等の文字情報が表示される。
【0147】
なお、
図5では、ボーナス発生演出が終了する最終ゲーム(23ゲーム目)の終了と同時(タイミングt7)にボーナス役の抽選の当否を報知する画像を表示しているようにしているが、キャラクタによる対戦結果を報知する画像を表示した後、所定時間(例えば、1秒)経過後にボーナス役の抽選の当否を報知する画像に切替表示することが好ましい。
【0148】
また、CZ状態の終了後、2回目に実行されるゲーム(
図5の22ゲーム目)においてボーナス役に当選した場合(或いはボーナスガセ発生演出の成立条件を満たした場合)には、2回目のゲームからボーナス発生演出(或いはボーナスガセ発生演出)が開始される。この場合にも、各ゲームを最短で実行した場合でもボーナス役の当否は表示器8aが常態位置(第1の位置)で報知されることとなる。
【0149】
また、CZ状態中にボーナス役に当選した場合には、複数ゲームに跨るボーナス発生演出が行われずに当該ゲームでボーナス役の当選が報知される。この場合、CZ状態中のボーナス役の当選は、ART状態の当選にもなるので、本来CZ状態の発生期間が終了となるゲームとなっても、そのまま表示器8aは最上方位置を維持した状態でボーナス状態中の画像を表示し、ボーナス状態の終了後は表示器8aが最上方位置のままART状態に移行することとなる。
以上のように、遊技状態の変化に応じて、表示装置8における表示器8aの移動や画像表示が行われる。
【0150】
次に、
図5に示した表示装置8における表示器8aの移動や画像表示に関して、
図6を参照して詳しく説明する。
図6は、各遊技状態の変化に応じて表示器8aが移動する場合のスロットマシン1の正面図を示している。
【0151】
先ず、
図6(a)は、表示器8aが最上方位置(第2の位置)に移動したCZ状態中の間(
図5のタイミングt2~タイミングt3の間)のスロットマシン1の正面図を示している。
図6(a)に示すように、表示器8aが最上方位置に移動したCZ状態中には、表示器8aは前扉1aの上端部よりも上方に突出した状態となる。このとき表示器8aは、表示器装飾枠15の所定部の前面を覆う状態となり、上下方向の長さの半分以上が前扉1aの上端部よりも上方に突出される。
そして、最上方位置に移動した表示器8aにおいては、CZ状態中の演出画像40として、例えば、所定の背景画像やキャラクタ画像が表示される。
【0152】
このように、CZ状態が発生した場合には、表示器8aが最上方位置に移動して、その位置でCZ状態中の演出が行われるので、表示器8aの表示内容の他、表示器8a自体の移動によりCZ状態が発生した旨を報知でき、報知効果を高めることが可能となるとともに、CZ状態中の演出効果も高めることが可能となる。また、他の遊技者に対するアピール効果も高めることが可能となる。
また、CZ状態の終了以降にART状態が発生する場合には、表示器8aは最上方位置に維持されるので、CZ状態同様にART状態中の各種効果を高めることも可能となる。
【0153】
次に、
図6(b)は、CZ状態が終了してから次のゲームが行われるまでの間であって、表示器8aが最上方位置(第2の位置)を維持している間(
図5のタイミングt3~タイミングt4の間)のスロットマシン1の正面図を示している。
図6(b)に示すように、CZ状態が終了して次のゲームが行われる間においては、CZ状態中同様、表示器8aは最上方位置を維持し、表示器8aは前扉1aの上端部よりも上方に突出した状態となる。
【0154】
そして、最上方位置の表示器8aにおいては、ART状態の非当選画像21として、例えば、「残念」等の文字情報が表示される。
このように、表示器8aが最上方位置において、ART状態の当否を報知するので、確実にART状態の当否を遊技者に認識させることができるとともに、ART状態に当選した場合には、遊技者の喜びを一層高めることが可能となる。
【0155】
次に、
図6(c)は、CZ状態の終了後の次のゲームが開始した後であって、表示器8aが最上方位置(第2の位置)から最下方位置に移動している間(
図5のタイミングt4~タイミングt6の間)のスロットマシン1の正面図を示している。
図6(c)に示すように、CZ状態の終了後の次のゲームが開始すると、表示器8aは最上方位置から最下方位置に向けて移動することとなるが、このゲームにおいてボーナス役に当選した場合(或いはボーナスガセ発生演出の成立条件を満たした場合)、移動中の表示器8aにおいて、ボーナス発生演出として発生演出画像22として、例えば、キャラクタによる対戦演出画像が表示される。
このように、表示器8aが最上方位置から最下方位置へ移動中においても、ボーナス発生演出が行われるので、表示器8aがどの状態でもボーナス役の当選に関わる演出を実行できるようになり、遊技の興趣性を高めることが可能となる。
【0156】
なお、ボーナス役は、他の小役(例えば、強チェリー役)との重複当選するものとし、さらに、ボーナス役と他の小役とが重複当選した場合には、ボーナス役に対応する図柄よりも他の小役に対応する図柄の方を優先的に有効ライン上に停止させる優先制御手段を主制御装置10に備えるようにすることが好ましい。
【0157】
このようにすれば、例えば、表示器8aが下方に移動を開始するゲーム(
図5の21ゲーム目)において、ボーナス役に当選してボーナス発生演出が開始された場合に、その最初のゲームでは重複当選した他の小役に対応する図柄が優先的に停止するように優先制御が行われることから、当該ゲームにおいてボーナス役に対応する図柄の組合せが停止してしまうことを防止、すなわち、表示器8aの下方への移動が完了する前にボーナス役に対応する図柄の組合せが停止してしまうことを防止できるようになる。
また、ボーナス役は、他の小役(例えば、強チェリー役)と完全に重複当選するものとしなくてもよく、所定の割合で単独当選するようにした場合でも、その割合に応じて上記課題を極力防止することが可能となる。
【0158】
次に、
図6(d)を参照して、表示器8aが下方に移動中の表示器8aにおいてボーナス発生演出が表示されている間(
図5のタイミングt4~タイミングt6の間)に行われるボタン演出について説明する。
ボーナス発生演出は、所定ゲーム数(3ゲーム)の間に跨り実行されることとなるが、主制御装置10及び副制御装置20の制御により、所定確率で各ゲームにおいて上部演出ボタン2eの操作を伴うボタン演出を実行可能となっている。
ボタン演出は、表示器8aにおいて上部演出ボタン2eの操作を促す画像を表示するとともに、上部演出ボタン2eの操作を有効にし、その間に遊技者が上部演出ボタン2eを操作した場合に、表示器8aにおいてボーナス役の当選に対する期待感を高める画像(例えば、「チャンス」等の文字情報)を表示することにより実行される。
上部演出ボタン2eの操作を促す画像は、操作するボタンの種類とボタンの位置を遊技者が識別可能な態様で表示される。
【0159】
ボタン演出を発生される条件は、ボーナス役に当選していた場合には、当選していない場合よりも高い確率で成立するように設定されているので、ボタン演出が発生した場合には、ボーナス役の当選に対する期待度が高まるようになっている。また、ボタン演出は、ボーナス発生演出中の何れか1ゲームにおいて実行するように制御され、後ろのゲームで発生するほどボーナス役の当選に対する期待度が高まるように実行ゲームの選択制御が行われる。
【0160】
また、ボタン演出中に表示される上部演出ボタン2eの操作を促す画像は、ボーナス発生演出中のゲームの順番に応じて、表示器8aの画面において表示する位置を変更するようになっている。
すなわち、ボーナス発生演出中に表示器8aが移動している場合には、表示器8aと上部演出ボタン2eの相対位置が変化するので、両者の位置関係に応じて上部演出ボタン2eの操作を促す画像の位置も変更するようになっている。
【0161】
図6(d)は、CZ状態の終了後の次のゲームであるボーナス発生演出が開始された最初のゲームにおいてボタン演出が実行された場合を示している。
図6(d)に示すように、ボーナス発生演出が開始された最初のゲームにおいては、移動中の表示器8aは、まだ移動開始直後であることから比較的上方部に位置しているので、表示器8aに対して上部演出ボタン2eは右下方向に位置することとなる。
【0162】
上部演出ボタン2eの操作を促す画像は、上部演出ボタン2eの種類を識別可能な操作画像25と、操作画像25を装飾するエフェクト画像24からなるが、操作画像25は表示器8aの右下に位置する上部演出ボタン2eの方向を示すように表示器8aの画面右下(右下隅)に表示されるとともに、エフェクト画像24は、表示器8aの右下にある上部演出ボタン2eからあたかも光が照射されて左上に方向に光が拡散しているような表示となっている。また、上部演出ボタン2eの操作を促す操作案内画像23として、「押せ!」の文字情報も画面の右上に表示される。
【0163】
このように、上部演出ボタン2eの操作を促す画像として、操作画像25、エフェクト画像24、操作案内画像23が表示されるので、操作画像25の画面上の位置やエフェクト画像24の形状から、遊技者は表示器8aの右下に位置している上部演出ボタン2eの操作が促されていることを確実に認識することが可能となるのである。
【0164】
一方、図示は省略したが、CZ状態の終了後の2回目に実行されたゲームであるボーナス発生演出の開始から2回目のゲームにおいてボタン演出が実行された場合には、ボーナス発生演出の開始ゲームのときよりも表示器8aは下方に移動しているので(或いは復帰を完了しているので)、表示器8aに対して上部演出ボタン2eは右方向に位置することとなる。
【0165】
したがって、操作画像25は表示器8aの右側(略右真横)に位置する上部演出ボタン2eの方向を示すように表示器8aの画面右側で上下方向中央に表示、すなわち、
図6(d)に示した操作画像25よりも上方にずれた位置に表示される。また、エフェクト画像24は、表示器8aの右側(略右真横)に存在する発光した上部演出ボタン2eからあたかも光が照射されて左側方向に光が拡散しているに表示、すなわち、
図6(d)に示したエフェクト画像24よりも照射角度が左横方向に変化するように表示される。
【0166】
このように、表示器8aの移動により表示器8aと上部演出ボタン2eとの相対位置の変化に応じて、操作画像25の画面上の位置やエフェクト画像24の形状が変化することから、操作画像25及びエフェクト画像24と上部演出ボタン2eとの位置がずれたマッチングの悪い画像となることを防止できるとともに、遊技者に対して上部演出ボタン2eの操作が促されていることを正確に報知することが可能となるのである。
【0167】
次に、
図5で説明したように、ボーナス発生演出が終了する最終ゲーム(
図5の23ゲーム目)の終了時には、表示器8aにおいてボーナス役の抽選の当否に対応する画像として、キャラクタによる対戦結果を報知する画像が表示されるが、このとき、
図6(e)に示すように、役物装置16の変換を行うようにしてもよい。
【0168】
図6(e)は、ボーナス発生演出が終了する最終ゲーム(
図5の23ゲーム目)の終了時に役物装置16の変換を行う場合のスロットマシン1の正面図を示している。
ボーナス発生演出が終了する最終ゲームの終了時に、ボーナス役に当選している場合には、ボーナス役の当選に対応する画像として、主人公キャラクタが勝利する画像が表示されることとなるが、
図6(e)は、このときに特定演出実行手段としての主制御装置10及び副制御装置20が、役物装置16の変換、及びそれに伴う表示器8aでの画像表示による特定演出を実行する場合の例を示している。
【0169】
役物装置16は、常態(第1状態)においては、連結部16cの上方に装飾部16bが配置された起立状となって、表示器装飾枠15の後方に隠れた状態で配置されるが、電気的駆動源の作動による特定演出の実行により第2状態に変換すると、連結部16cの回動軸を中心にして役物本体16aの回動端側が表示器8a方向に傾倒することで、
図6(e)に示すように、装飾部16bが表示器8aの表示面上に完全に現出することとなる。また、このとき装飾部16b内部の発光源が発光し装飾部16b自体が発光装飾される。
【0170】
また、装飾部16bの表示器8aの表示面上への現出に応じて、表示器8aには、特定演出として装飾部16bを装飾する装飾画像26が表示される。装飾画像26は、発光する装飾部16bからあたかも光が拡散されるような画像となっていて、表示器8aが常態位置(第1の位置)に復帰している状態を基準にして、装飾部16bの現出位置に対応するように、その表示位置が副制御装置20において予め設定されている。
すなわち、表示器8aが最上方位置から最下方位置に復帰するまでの時間は、ボーナス発生演出の実行時間よりも短く設定されているので、ボーナス発生演出の終了時(ボーナス役の当選に対応する画像を表示するとき)には、表示器8aは常態位置に復帰していることとなり、この状態において役物装置16を第2状態に変換することにより、装飾部16bの現出に応じた効果的な装飾表示を表示器8aにおいて行うことが可能となるのである。
【0171】
また、役物装置16は、ボーナス発生演出が終了する最終ゲームの終了時に第2状態への変換が行われ、所定時間(例えば、1秒)経過後に第1状態への変換が行われるが、このときに、ボーナス役の当選に対応する画像として、主人公キャラクタが勝利する画像が表示器8aに表示される。したがって、特定演出実行手段としての主制御装置10及び副制御装置20により、表示器8aに演出(ボーナス発生演出)の結果を表示する場合に、特定演出が実行される。すなわち、ボーナス役の当選に対応する画像が表示される直前に、役物装置16の第2状態への変換が行われることとなり、よりインパクトのある当選報知が可能となるのである。
なお、役物装置16の第2状態への変換は、ボーナス役の当選に対応する画像を表示する場合に必ず行うようにしてもよし、所定確率(例えば、50%)で行うようにしてもよい。
【0172】
次に、
図6(f)は、ボーナス発生演出が終了した次ゲーム(
図5の24ゲーム目)において、ボーナス役に対応する図柄をリール4上に停止させる場合のスロットマシン1の正面図を示している。
ボーナス発生演出が終了した後のゲームにおいては、遊技者はボーナス役に対応する図柄の組合せ(例えば、「7,7,7」)をリール4上に停止させることとなるが、このきと、表示器8aにおいて狙うべき図柄の組合せを報知する画像が表示される。
【0173】
例えば、
図6(f)に示すように、左リール4aに対応した表示器8aの画面左下位置に、左リール4aの位置を指し示す矢印画像と、狙うべき図柄を識別可能な図柄画像からなる指示画像28aが表示され、中リール4bに対応した表示器8aの画面中央下位置に、中リール4bの位置を指し示す矢印画像と、狙うべき図柄を識別可能な図柄画像からなる指示画像28bが表示され、右リール4cに対応した表示器8aの画面右下位置に、右リール4cの位置を指し示す矢印画像と、狙うべき図柄を識別可能な図柄画像からなる指示画像28cが表示される。また、表示器8aの画面上部には、リール4上に各図柄の停止を促す「狙え!」等の文字情報からなる停止案内画像27が表示される。
【0174】
また、各指示画像28a~28cは、表示器8aが常態位置(第1の位置)に復帰している状態を基準にして、その表示位置が副制御装置20において予め設定されている。すなわち、主制御装置10及び副制御装置20は、表示器8aが常態位置に復帰している状態を基準にリール4の停止を指示する情報として、各指示画像28a~28cを表示器8aに表示させるのである。
したがって、表示器8aが最上方位置から最下方位置に復帰するまでの時間は、ボーナス発生演出の実行時間よりも短く設定されているので、ボーナス発生演出が終了した後のゲーム実行時(ボーナス役に対応する図柄を停止させるとき)には、表示器8aは常態位置に復帰していることとなり、この状態において各指示画像28a~28cを表示器8aに表示することにより、各リール4a~4cに対応した効果的な操作の指示を表示器8aおいて行うことが可能となるのである。
【0175】
なお、ボーナス役と他の役(小役、リプレイ役)が重複して当選しているゲームにおいて、他の役を優先的に停止させる優先制御手段を備えた場合には、他の役が当選しているゲームでは、ボーナス役に対応する図柄の組合せは停止できないので、ボーナス発生演出が終了した後のゲームにおいて、他の役に当選せずにボーナス役のみが当選(当選状態が保留)しているゲームに限り、表示器8aにおいて狙うべき図柄の組合せを報知する画像を表示するようにしてもよい。
また、ボーナス発生演出が終了する最終ゲーム(
図5の23ゲーム目)の終了から次ゲーム開始までの間(
図5のタイミングt7~タイミングt8の間)では、ボーナス役の当選を報知する画像が表示されるが、この画像と一緒に各指示画像28a~28cを表示するようにしてもよい。
【0176】
次に、本実施形態においては、ボーナス役に当選した場合に、前述したボーナス発生演出を実行せずに、別の演出の実行によりボーナス役に当選した旨を報知する単ゲーム演出について説明する。
単ゲーム演出は、主制御装置10及び副制御装置20の制御により実行され、単ゲーム演出中には、上部演出ボタン2eの操作や、役物装置16の第1状態から第2状態への変換を伴う特定演出が実行される。
【0177】
単ゲーム演出は、まず、ゲームの実行によりボーナス役に当選した場合に、当該ゲームの開始時に、上部演出ボタン2eの操作を促す画像を表示器8aに表示する。このとき上部演出ボタン2eが有効にされる。その後、上部演出ボタン2eの操作が行われた場合に、役物装置16を第1状態から第2状態へ変換するとともに、その変換に伴い表示器8aにおいて画像表示を行う特定演出が実行される。そして、役物装置16を第2状態から第1状態に復帰させた後にボーナス役の当選を報知する画像として、「ボーナス確定!」等の文字情報を表示器8aにおいて表示する。
このように、単ゲーム演出は、一連の演出が1ゲームの間で完結するような内容となっている。
【0178】
主制御装置10及び副制御装置20は、ボーナス役に当選した場合に、単ゲーム演出を所定の割合(例えば、10%)で実行し、単ゲーム演出を実行しない場合には、複数のゲームに跨るボーナス発生演出を実行する。
なお、ボーナス役の当選を報知する以外に、例えば、所定のレア役に当選時のゲーム直後に、上部演出ボタン2eの操作を促し、上部演出ボタン2eが操作された場合に、役物装置16を変換動作させた後に、「チャンス!」或いは「激アツ!」等の期待度を高める文字情報を表示することで単ゲーム演出を実行するようにしてもよい。
【0179】
また、単ゲーム演出中は、役物装置16の第2状態への変換に応じて表示器8aの前方に現出した装飾部16bに対応して、表示器8aにおいて装飾部16bを装飾する画像を表示する特定演出が実行される。したがって、単ゲーム演出は、表示器8aが最下方位置(第1の位置)に存在していることを実行条件としている。
【0180】
このように、単ゲーム演出は、表示器8aが最下方位置(第1の位置)に存在していることを実行条件としているので、表示器8aが最下方位置に存在していない状態においては、単ゲーム演出の実行条件が成立した場合でも実行不能となってしまう。
そこで、本実施形態においては、CZ状態が終了した次ゲーム(
図5の21ゲーム目)等の、表示器8aが最下方位置に存在していない状態において単ゲーム演出の実行条件が成立した場合には、
図7に示すように、単ゲーム演出の実行を表示器8aが最下方位置に復帰するまで保留するようにしている。
【0181】
図7は、上記単ゲーム演出の実行を保留する場合のスロットマシン1の正面図を示している。
図7(a)に示すように、表示器8aが最上方位置から最下方位置に向けて移動を開始したゲーム(
図5の21ゲーム目)において単ゲーム演出の契機役(例えば、レア役やボーナス役等)に当選した場合には、当該ゲームにおいては本来実行されるはずの単ゲーム演出は実行されずに、所定期間実行が保留される。このとき、表示器8aには、所定の背景画像やキャラクタ画像からなるCZ状態の終了画像29と一緒に、単ゲーム演出が保留(待機)されている旨を報知する待機画像30aと、単ゲーム演出中に操作する上部演出ボタン2eの操作が保留されている旨を報知する操作保留画像30bが表示される。
【0182】
待機画像30aは、単ゲーム演出が保留(待機)されている旨を報知する文字情報と、単ゲーム演出(上部演出ボタン2eの操作の指示)が実行されるまでの残り時間を示す待機時間画像から構成されている。
待機時間画像で最初に表示される時間値は、表示器8aがそのときの位置(例えば、最上方位置)から最下方位置に移動するまでに必要な時間となっていて、その必要時間を当該ゲームの開始時に表示するとともに、その後時間経過に対応して減算表示されるようになっている。
また、表示器8aが最下方位置に復帰するまでは、上部演出ボタン2eの操作は無効となっている。
【0183】
図7(b)は、表示器8aが最下方位置に復帰した場合を示している。
図7(b)に示すように、表示器8aが最下方位置に復帰すると、待機画像30a中の待機時間画像の時間値が0となるとともに、操作保留画像30bが消去して替わりに操作画像25とエフェクト画像24が表示される。また、上部演出ボタン2eの操作を促す操作案内画像23として、「押せ!」の文字情報も画面の左側に表示され、上部演出ボタン2eの操作が促される。このとき上部演出ボタン2eの操作が有効となる。
【0184】
このときの操作画像25は、表示器8aの右側(略右真横)に位置する上部演出ボタン2eの方向を示すように表示器8aの画面右側で上下方向中央に表示される。また、エフェクト画像24は、表示器8aの右側(略右真横)に存在する発光した上部演出ボタン2eからあたかも光が照射されて左側方向に光が拡散しているに表示される。
【0185】
図7(c)は、
図7(b)に示した状態において上部演出ボタン2eが操作された場合を示している。
図7(c)に示すように、上部演出ボタン2eが操作されると、役物本体16aが第1状態から第2状態に変換し、装飾部16bが表示器装飾枠15から現出するとともに装飾部16b自体が発光する。また、表示器8aには、装飾部16bから周囲に光が拡散している状態を模した装飾画像26が表示される。
このとき表示器8aは最下方位置に復帰しているので、装飾部16bは表示器8aの表示面前方に位置するようになり、表示器8aに表示される装飾画像26との位置が適正に保たれることとなる。
【0186】
このように、表示器8aが最下方位置(第1の位置)に存在していない状態で、単ゲーム演出(特定演出)の実行契機役に当選した場合には、表示器8aが最下方位置に復帰するまで単ゲーム演出(特定演出)の実行が保留されるので、表示器8aが最下方位置に存在していないのに役物装置16の変換やそれに伴う画像表示が行われてしまうことを防止でき、表示器8aと役物装置16が適正位置で行われる期待度の高い特定演出を中止することなく効果的に実行できるようなる。
また、単ゲーム演出(特定演出)が保留されている場合には、表示器8aにおいて、保留(待機状態)が解除されるまでの残り時間が表示されるので、表示器8aが復帰するまで遊技者にイライラ感を与えることがなくなるばかりか、その復帰時間を利用して効率よく遊技者の期待感を高めることが可能となる。
【0187】
すなわち、特定演出実行手段としての主制御装置10及び副制御装置20は、単ゲーム演出中において、役物装置16の第2状態への変換、及び表示器8aにおいて装飾部16bを装飾する画像の表示からなる特定演出を実行可能とし、表示器8aが最上方位置から最下方位置への復帰中において、単ゲーム演出の実行条件(特定演出の実行条件)が成立した場合に、特定演出の実行を、表示器8aの最下方位置(第1の位置)への復帰が完了するまで保留する保留手段を備えているのである。
【0188】
次に、
図5で説明したボーナス発生演出の実行中において、3ゲーム継続するボーナス発生演出が終了する前に、ボーナス役に対応する図柄の組合せが停止した場合を、
図8を参照して説明する。
図8は、主制御装置10及び副制御装置20の制御により、遊技状態の変化に応じて、表示器8aが第1の位置と第2の位置との間を移動する場合のタイミングチャートを示し、
図5と異なる点は、ボーナス発生演出の終了前(タイミングt6)にボーナス役に対応する図柄の組合せが停止するのみである。したがって、
図5と重複する内容についての説明は省略する。
【0189】
図8に示すように、表示器8aが下方への移動を開始したゲーム(21ゲーム目)において、当該ゲームの実行による役の抽選においてボーナス役に当選した場合には、前述したようにボーナス発生演出が表示器8aにおいて表示される。
ボーナス発生演出は、本来ならば3ゲーム間に跨って実行され、演出の最終ゲーム(23ゲーム目)の終了時(例えば、3番目の停止ボタン5を離したとき)に、表示器8aにおいてボーナス役の抽選の当否に対応する画像として、キャラクタによる対戦結果を報知する画像が表示されるが、
図8に示す例では、ボーナス発生演出の2ゲーム目(
図8の22ゲーム目)にボーナス役に対応する図柄の組合せが停止した場合を示している。
【0190】
すなわち、ボーナス役に当選した場合には、当選以降のゲームにおいてボーナス役の当選状態が維持され、他の役に当選していないことを条件に、ボーナス役に対応する図柄の組合せを停止可能な制御が行われることから、
図8に示すように、ボーナス発生演出の終了前であっても、ボーナス役に対応する図柄の組合せがリール4上に停止する場合がある。
【0191】
ボーナス発生演出の終了前の時点(タイミングt6)で、ボーナス役に対応する図柄の組合せが停止した場合には、表示器8aにおけるボーナス発生演出中の画像は途中でキャンセルされ、替わりにボーナス状態の発生画像として、所定のキャラクタ画像や「ボーナスおめでとう」等の文字情報が次ゲームが開始されるまで(タイミングt7まで)表示される。
【0192】
このとき、表示器8aは、最下方位置に復帰しているので、ボーナス状態の発生画像は、最下方位置での表示器8aにおいて表示されることとなる。
すなわち、表示器8aが最上方位置から最下方位置まで復帰する時間は、1ゲームの最短実行時間よりも長いが、2ゲームを最短で実行する時間よりも短く設定されているため、表示器8aが最下方位置に復帰する時点(タイミングt5)は、ボーナス役に対応する図柄の組合せが停止する時点(22ゲーム目が終了するタイミングt6)よりも前となることから、ボーナス状態の発生画像は、必ず表示器が下方位置に復帰を完了した状態で表示されることとなる。
また、前述したようにボーナス役の当選は所定のレア役との重複当選を条件としているので、停止図柄の優先制御によりボーナス役に当選したゲームではボーナス役に対応する図柄の組合せが停止することはなく、表示器8aが最下方位置に完全に復帰してからボーナス役に対応する図柄の組合せが停止することとなるのである。
【0193】
このように、ボーナス発生演出の途中においてボーナス役に対応する図柄の組合せが停止した場合でも、ボーナス状態の発生画像を最下方位置での表示器8aにおいて表示することができ、遊技者は慣れ親しんだ位置での表示器8aでボーナス状態の発生画像を確認することとなり、遊技者を歓喜させることが可能となる。
そして、ボーナス役に対応する図柄の組合せが停止したゲームの次ゲームの開始により、遊技状態がボーナス状態に移行することとなる。
【0194】
次に、表示器8aの移動中に異常状態が発生した場合の各種制御について
図9を参照して説明する。
図5で説明したように、表示器8aは、遊技状態が通常遊技状態からCZ状態に移行するゲームにおいて、最下方位置から最上方位置に移動するが、この間に異常状態が発生した場合には、以下のような制御が行われる。
【0195】
図9は、
図5においてCZ状態の前兆演出が終了した次ゲーム(11ゲーム目)の開始(タイミングt1)から、遊技状態がCZ状態に移行するゲームにおいて異常状態が発生した場合を示している。
図9に示すように、CZ状態が開始する最初のゲーム開始(タイミングt1)から表示器8aを上方へ移動させる駆動制御が開始され、表示器8aの最下方位置(第1の位置)から最上方位置(第2の位置)への移動が開始されるが、この表示器8aの移動中における所定の時期(タイミングt2)で異常状態が発生した場合には、その時点の遊技状態(CZ状態)は一旦中断されて遊技状態は異常状態に移行する。
【0196】
遊技状態の異常状態への移行により、表示器8aには、異常状態の発生を報知する異常画像が表示されることとなるが、異常状態が発生した場合でも移動中の表示器8aの移動制御は中断されずにそのまま継続される。すなわち、移動手段としての主制御装置10及び副制御装置は、表示器8a(表示手段)が移動中において、所定の異常状態が発生した場合に、表示器8aの移動を継続するのである。
【0197】
したがって、表示器8aは、異常状態が発生しない場合と同様に最上方位置までの移動を継続して最上方位置に移動した時点(タイミングt3)で移動を終了する。
異常状態が発生した場合には、表示器8aに異常画像として、「エラーが発生しました。係員をお呼びください。」等の文字情報や、異常の種類を特定可能なエラーコードが表示される。また、スピーカ9及びランプ11において、異常状態の発生を報知する音声や所定態様の光が出力される。
【0198】
図9に示す例では、異常状態は表示器8aが上方への移動を完了する時点の後の時点(タイミングt4)で解除され、遊技状態はCZ状態に移行することとなり、異常状態の解除により表示器8aには、異常画像に替えてCZ状態中の画像が表示されることとなる。
すなわち、表示手段としての主制御装置10及び副制御装置20は、表示器8aの移動中において、異常検視手段により所定の異常状態が検出された場合に、所定の異常情報(異常画像)を移動中の表示器8aに表示させる制御を実行可能する一方、所定の異常状態の検出が解除された場合に、第2の位置の表示器8aにおいて、CZ状態(特定遊技状態)に関連する情報を表示させる制御を実行可能にするのである。
したがって、CZ状態に復帰した場合には、既に表示器8aは最上方位置への移動を完了しているので、表示器8aが適正位置に移動している状態で直ぐにCZ状態中のゲームを開始することが可能となる。
【0199】
また、CZ状態が開始する最初のゲーム(11ゲーム目)では、遊技状態を所定時間フリーズ状態に制御されることとなるが、主制御装置10は、異常状態が発生した場合には、フリーズ状態を中断して異常状態に移行するようにしている。
また、主制御装置10は、フリーズ状態を中断しても本来のフリーズ状態の制御時間の経過はそのまま監視し、異常状態が解除された時点で、本来のフリーズ状態の制御時間が残っていた場合には、異常状態の解除後に、残りの制御時間分フリーズ状態を継続するようにする。したがって、この場合には、異常状態が解除された時点では、表示器8aの最上方位置への移動が完了していないこととなるので、異常状態の解除後にフリーズ状態が復帰して未だ移動中の表示器8aは上方への移動を継続することとなる。
【0200】
一方、
図9に示すように、異常状態が解除された時点で、本来のフリーズ状態の制御時間が残っていない場合には、異常状態の解除後には、フリーズ状態は発生させずに、直ぐにCZ状態を復帰させ、既に最上方位置への移動を完了している表示器8aにおいてCZ状態中の画像を表示した上で、ゲームを実行可能な状態に移行させることとなる。
なお、異常状態が発生した場合には、本来のフリーズ状態の制御時間の経過を監視せずに、フリーズ状態を途中で中断して、異常状態が解除された時点で必ずフリーズ状態を中断した時点から再開するようにしてもよい。
【0201】
また、CZ状態の開始時にフリーズ状態を発生させないようにしてもよく、この場合には、CZ状態の開始ゲーム(11ゲーム目)における異常状態の発生により、CZ状態が中断されて異常状態に移行することとなる。この場合にも表示器8aには異常画像が表示されるとともに、最上方位置への移動は継続して行われることとなる。
また、フリーズ状態を発生させない場合に、異常状態を、既に開始されているゲームのみは実行可能とする場合には、当該ゲームの終了時点で異常状態に移行させることとなるが、この場合には、異常状態の発生時点で表示器8aに異常画像を表示するようにしてもよいし、ゲーム終了時点で異常画像を表示するようにしてもよいが、いずれにしても表示器8aの移動は継続して行うようにする。
【0202】
また、表示器8aの移動の継続は、主制御装置10から副制御装置20に表示器8aの移動の継続を指示する情報を送信してもよいし、主制御装置10から副制御装置20に、表示器8aの移動の継続を直接指示する情報は送信されないが、異常状態を示す情報が送信された場合に、副制御装置20が、表示器8aの移動の継続を個別に判断して行うようにしてもよい。
【0203】
また、表示器8aの最上方位置への移動中に、制御情報の送信異常等の副制御装置20側で監視する異常状態が発生した場合でも、副制御装置20は、表示器8aにおいて異常画像を表示するとともに、表示器8aの移動は継続して行うようにする。この場合、主制御装置10では、異常状態の把握はできないので遊技状態はそのまま継続される。
また、表示器8aが最上方位置から最下方位置への復帰中に異常状態が発生した場合でも、上記同様に、表示器8aには異常画像を表示するとともに、表示器8aの最下方位置への移動は継続して行われる。そして、異常状態が解除した場合には、常態位置である表示器8aが最下方位置において、直ぐに復帰後の遊技状態においてゲームを実行可能な状態にする。
【0204】
以上のように、CZ状態の最初のゲームで表示器8aを移動させる際に、移動手段による表示器8aの移動中に異常状態が発生した場合には、表示制御手段としての主制御装置10及び副制御装置20は、表示器8aに異常状態に関わる情報を表示する一方、移動手段は、表示器8aの移動はそのまま継続させるようにしているので、異常状態が解除した後は、既に表示器8aは最上方位置への移動を完了していることとなり、表示器8aが最上方位置で行われるCZ状態中の次のゲームの実行をスムーズに行えるようになり、遊技者は何ら違和感なくゲームを楽しめるようになる。
【0205】
すなわち、異常状態が発生した場合に、表示器8aの移動をその時点で停止してしまうと、異常状態が解除された場合には、移動途中であった表示器8aを再度移動させる必要があり、異常状態の解除後のゲームにおいて、表示器8aが未だ移動している場合が生じてしまい、遊技者に対して違和感を与えてしまう虞があるが、このような課題を解決できるのである。
【0206】
また、係員の解除作業が必要な異常の場合に、異常発生時点で表示器8aを停止してしまうと、設計上想定していない箇所で表示器8aが停止する可能性もあり、この状態で解除作業に必要な前扉1aを開放してしまうと、振動による移動機構の故障や表示器8aの他の部材への接触等の想定外の不具合が生じる虞があるが、このような事態も未然に防止することが可能となる。
さらに、係員の異常解除作業は比較的長時間を要することもあることから、ゲームの中断時間が長時間となってしまうこともある。すなわち、異常状態が解除された場合に、遊技者は異常状態の発生前の遊技状態がどのようになっていたかを忘れてしまう虞もあるが、異常状態の解除後には表示器8aは適正位置に移動しているので、このような場合でも何ら違和感なく遊技者はゲームを再開することが可能となる。
【0207】
次に、
図9で説明した表示器8aの移動中に異常状態が発生した場合の変形例について
図10を参照して説明する。
図10に示す変形例では、表示器8aの移動をゲーム間で行うようにしている。すなわち、前述した
図9に示す例では、CZ状態が開始する最初のゲームの実行中に表示器8aを上方に移動させるようにしているが、
図10に示す例では、CZ状態が開始する直前のゲーム(10ゲーム目)と開始ゲーム(11ゲーム目)との間で表示器8aを上方に移動させるようにしている。
したがって、
図10では、遊技状態がCZ状態に移行する前には、表示器8aの最上方位置への移動は完了している。そして、このゲーム間での表示器8aの上方への移動中に異常状態が発生した場合を示している。
【0208】
図10に示すように、CZ状態の前兆演出の最終ゲーム(10ゲーム目)においては、CZ状態に当選した旨が表示器8aにおいて報知される。例えば、最終ゲームのゲーム中にキャラクタ画像による対戦演出が実行されて、当該ゲーム終了後に何れかのキャラクタの勝利画像により当選結果が報知される。
そして、前兆演出の最終ゲーム(10ゲーム目)の終了から所定時間(例えば、1秒)経過後の時点(タイミングt1)で表示器8aを上方へ移動させる駆動制御が開始され、表示器8aが下方位置(第1の位置)から上方位置(第2の位置)への移動が開始される。
【0209】
表示器8aが上方に移動を開始すると、移動中の表示器8aにおいては、CZ状態に当選した旨を報知する画像とともにCZ状態の開始画像が同時に表示される。
そして、この表示器8aの移動中の時点(タイミングt2)で異常状態が発生した場合には、その時点の遊技状態(通常遊技状態)は一旦中断されて遊技状態は異常状態に移行する。
【0210】
遊技状態の異常状態への移行により、表示器8aには、異常状態の発生を報知する異常画像が表示されることとなるが、異常状態が発生した場合でも移動中の表示器8aの移動制御は中断されずにそのまま継続される。
したがって、表示器8aは、異常状態が発生しない場合と同様に最上方位置までの移動を継続して最上方位置に移動した時点(タイミングt3)で移動を終了する。
【0211】
図10に示す例では、異常状態は表示器8aが上方への移動を完了する時点の後の時点(タイミングt4)で解除され、遊技状態は通常遊技状態に移行することとなり、異常状態の解除により表示器8aには、異常画像に替えてCZ状態の開始画像等が表示されることとなる。
したがって、通常遊技状態に復帰した場合には、既に表示器8aは最上方位置への移動を完了しているので、表示器8aが適正位置に移動している状態で直ぐにCZ状態の最初のゲームを開始することが可能となる。
【0212】
なお、
図10に示す例では前述したフリーズ状態は発生させないようにしているが、表示器8aを最下方位置から最上方位置に移動する間において、遊技状態を所定時間フリーズ状態に制御するようにしてもよく、主制御装置10は、異常状態を発生させる場合には、フリーズ状態を中断して異常状態に移行するようにしてもよい。
また、主制御装置10は、フリーズ状態を中断しても本来のフリーズ状態の制御時間の経過はそのまま監視し、異常状態が解除された時点で、本来のフリーズ状態の制御時間が残っていた場合には、異常状態の解除後に、残りの制御時間分フリーズ状態を継続するようにしてもよい。したがって、この場合には、異常状態が解除された時点では、表示器8aの最上方位置への移動が完了していないこととなるので、異常状態の解除後にフリーズ状態が復帰して未だ移動中の表示器8aは上方への移動を継続することとなる。
【0213】
一方、
図10に示すように、異常状態が解除された時点で、本来のフリーズ状態の制御時間が残っていない場合には、異常状態の解除後には、フリーズ状態は発生させずに、直ぐに通常遊技状態を復帰させ、既に最上方位置への移動を完了している表示器8aにおいて、CZ状態の最初のゲームを実行可能な状態に移行させることとなる。
また、異常状態が発生した場合には、本来のフリーズ状態の制御時間の経過を監視せずに、フリーズ状態を途中で中断して、異常状態が解除された時点で必ずフリーズ状態を中断した時点から再開するようにしてもよい。
【0214】
また、表示器8aの最上方位置への移動中に、制御情報の送信異常等の副制御装置20側での異常状態が発生した場合でも、副制御装置20は、表示器8aにおいて異常画像を表示するとともに、表示器8aの移動は継続して行うようにする。この場合、主制御装置10では、異常状態の把握はできないので遊技状態はそのまま継続される。
【0215】
以上のように、
図10に示す変形例においては、CZ状態の開始前のゲームとCZ状態の最初のゲーム間で表示器8aを移動させる際に、表示器8aの移動中に異常状態が発生した場合には、表示器8aに異常状態に関わる情報を表示するとともに、表示器8aの移動はそのまま継続させるようにしているので、異常状態が解除した後は、既に表示器8aは最上方位置への移動を完了していることとなり、表示器8aが最上方位置で行われることとなる次のゲームの実行をスムーズに行えるようになり、遊技者は何ら違和感なくゲームを楽しめるようになる。
【0216】
すなわち、異常状態が発生した場合に、表示器8aの移動をその時点で停止してしまうと、異常状態が解除された場合には、移動途中であった表示器8aを再度移動させる必要があり、異常状態の解除後のゲームにおいて、表示器8aが未だ移動している場合が生じてしまい、遊技者に対して違和感を与えてしまう虞があるが、このような課題を解決できるのである。
特に、メダル異常通過、メダル滞留異常、エンプティ異常、払い出し異常、メダル詰まり異常等の異常状態は、ゲーム間において発生する可能性が高いので、ゲーム間で表示器8aを移動させる場合でも、異常状態の発生により違和感のあるゲームの実行となったり、ゲームの進行に支障が生じたりすることを防止できる。
【0217】
次に、
図10の変形例に示した表示装置8における表示器8aの移動や画像表示に関して、
図11を参照して詳しく説明する。
図11は、各遊技状態の変化に応じて表示器8aが移動する場合のスロットマシン1の正面図を示している。
【0218】
先ず、
図11(a)は、表示器8aが最下方位置(第1の位置)から最上方位置(第2の位置)に移動中の間(
図10のタイミングt1~タイミングt2の間)のスロットマシン1の正面図を示している。
CZ状態の直前のゲーム(
図10の10ゲーム目)とCZ状態の最初のゲーム(
図10の11ゲーム目)においては、
図11に示すように表示器8aは上方に移動することとなるが、この間に表示器8aにはCZ状態が開始される旨を報知可能な開始画像31が表示される。
【0219】
次に、
図11(b)は、表示器8aが上方に移動中に異常状態が発生した場合の(
図10のタイミングt3~タイミングt4の間)のスロットマシン1の正面図を示している。
図11(b)に示すように、表示器8aの移動中に異常状態が発生した場合には、表示器8aの最上方位置への移動は継続するとともに、移動中の表示器8aにおいては、異常状態が発生している旨を報知する異常画像32が表示される。この異常状態中は、各種センサ(スタートレバー3等)からの信号の入力は無効とされ、遊技の進行は不能とされる。
表示器8aは異常画像32を表示した状態で上方への移動を継続し、最上方位置(第2の位置)に到達すると移動は停止する。
【0220】
次に、
図11(c)は、異常状態が解除されてCZ状態に移行した状態(
図10のタイミングt5以降)のスロットマシン1の正面図を示している。
図11(c)に示すように、異常状態が解除された時点(
図10のタイミングt4)では、表示器8aは最上方位置に移動を完了していて、この状態でゲームが開始されると遊技状態はCZ状態に移行し、表示器8aには、異常画像32に替わりCZ状態中の演出画像40が表示される。
このように、CZ状態の開始直前に異常状態が発生した場合でも、CZ状態が開始する時点では、表示器8aは最上方位置に移動しているので、表示器8aの位置変化によりCZ状態が発生していることを遊技者に確実に報知することが可能となるとともに、CZ状態中のゲームをスムーズに行うことが可能となる。
【0221】
なお、主制御装置10及び副制御装置20の制御により、CZ状態中に押し順ベルが当選した場合に表示器8aにおいて押し順ナビを行うようにした場合には、CZ状態の最初のゲームで押し順ベル役に当選した際に、最上方位置の表示器8aにおいて押し順を示す画像が表示されることとなり、通常のCZ状態同様に遊技者が見慣れている位置で押し順ナビを実行することが可能となる。すなわち、異常状態中に表示器8aの移動を停止してしまうと、CZ状態の最初のゲームで押し順ベルに当選した場合には、移動中の表示器8aにおいて押し順ナビが行われてしまい、遊技者が適正なリール4の停止を行えない虞があるが、このような事態を防止できるのである。
【0222】
次に、
図10で説明した表示器8aをゲーム間において移動させる場合に、CZ状態中に役物装置16を作動させる場合の変形例について
図12を参照して説明する。
図12に示す例では、
図10に示した例と同様に、CZ状態が開始する直前のゲーム(10ゲーム目)とCZ状態の最初のゲーム(11ゲーム目)の間において表示器8aが上方に移動し、この間に異常状態が発生している。CZ状態が開始するまでの表示器8aの移動や表示する情報は
図10と同様であるので説明は省略する。
【0223】
図12に示すように、CZ状態の開始ゲーム(11ゲーム目)で所定のレア役(例えば、弱チェリー役)に当選した場合には、役物装置16(役物本体16a)を第1状態から第2状態に変換させるようにしている。
CZ状態中においては、各ゲームの実行毎にART状態の抽選が行われるが、ゲームの実行時にレア役に当選した場合には、ART状態の当選に対する期待度が高まることとなる。このような期待度をより高めるために
図12に示す例では、役物装置16を第1状態から第2状態へ変換させることで遊技者の期待感を高めるようにしている。
すなわち、可動部材制御手段としての主制御装置10及び副制御装置20は、CZ状態(特定遊技状態)中のゲームにおいて、抽選手段の抽選結果が所定の結果となった場合に、可動部材としての役物本体16aを第1状態から第2状態に変換させる制御を実行可能としているのである。
【0224】
役物装置16の第2状態への変換タイミングは、ゲームの途中やゲームの終了時点であってもよいが、本変形例においては、ゲームの開始時に役物装置16を変換するようにしている。
したがって、遊技状態がCZ状態に移行して最初のゲームの実行により所定のレア役に当選した場合には、そのゲームの開始時点(タイミングt5)で役物装置16を第1状態から第2状態に変換される。
また、役物装置16の変換に対応して、表示器8aにおいては、役物装置16の変換を演出する演出画像が所定時間表示される。
【0225】
役物装置16の変換に対応した演出画像は、後述するように、表示器8aと変換される役物装置16(役物本体16a、装飾部16b)との相互の位置関係に対応して副制御装置20で予め設定されていて、役物本体16aの現出位置に応じて効果的な演出画像が表示器8aにおいて表示されることとなる。
また、前述したように、表示器8aは、CZ状態の開始直前で異常状態が発生した場合でも、移動が継続して行われ、CZ状態が開始する時点では、最上方位置に移動を完了しているので、CZ状態の最初のゲームで役物装置16が第2状態に変換されても、何ら問題なく現出する役物本体16a(装飾部16b)の位置に応じた演出画像が表示器8aにおいて表示されることとなる。
【0226】
なお、役物装置16の変換は、レア役に当選した場合の他、ボーナス役に当選した場合に実行するようにしてもよい。さらに、レア役に当選した場合に必ず変換を実行してもよいし、所定の確率で実行するようにしてもよいが、ボーナス役に当選した場合には、必ず変換を実行する方がより期待度を高めることが可能となる。
【0227】
次に、
図12の変形例で示した表示装置8における表示器8aの移動や画像表示に関して、
図13を参照して詳しく説明する。
図13は、各遊技状態の変化に応じて表示器8aが移動する場合のスロットマシン1の正面図を示している。
【0228】
先ず、
図13(a)は、表示器8aが最下方位置(第1の位置)から最上方位置(第2の位置)に移動中の間(
図12のタイミングt1~タイミングt3の間)のスロットマシン1の正面図を示している。
CZ状態の直前のゲーム(
図12の10ゲーム目)とCZ状態の最初のゲーム(
図12の11ゲーム目)においては、
図13に示すように表示器8aは上方に移動することとなるが、この間に表示器8aにはCZ状態が開始される旨を報知可能な開始画像31が表示される。
【0229】
次に、
図13(b)は、表示器8aが上方に移動中に異常状態が発生した場合の(
図12のタイミングt2~タイミングt4の間)のスロットマシン1の正面図を示している。
図13(b)に示すように、表示器8aの移動中に異常状態が発生した場合には、表示器8aの最上方位置への移動は継続するとともに、移動中の表示器8aにおいては、異常状態が発生している旨を報知する異常画像32が表示される。この異常状態中は、各種センサ(スタートレバー3等)からの信号の入力は無効とされ、遊技の進行は不能とされる。
表示器8aは異常画像32を表示した状態で上方への移動を継続し、最上方位置(第2の位置)に到達すると移動は停止する。
【0230】
次に、
図13(c)は、異常状態が解除されてCZ状態に移行した最初のゲームの開始時(
図12のタイミングt5)のスロットマシン1の正面図を示している。
図13(c)に示すように、異常状態が解除された時点(
図12のタイミングt4)では、表示器8aは最上方位置に移動を完了していて、この状態でCZ状態の最初のゲームが開始されると、表示器8aにはCZ状態中の演出画像40が表示される。
【0231】
また、CZ状態の最初のゲームで役物装置16の変換を伴うレア役に当選した場合には、当該ゲームの開始時に、表示器8aの下方に位置する役物本体16a(装飾部16b)が第1状態から第2状態に変換し、役物本体16a(装飾部16b)が表示器装飾枠15後方の隠れた位置から表示器8aの表示面前方に現出する位置に移動する。また、このとき装飾部16b内部の発光源が発光する。
【0232】
一方、この時点において表示器8aには、下方の役物本体16a(装飾部16b)の第2状態への変換に応じて、変換装飾画像33が表示される。
変換装飾画像33は、下方の装飾部16bから光が拡散された状態を模した画像からなり、副制御装置20において最上方位置の表示器8aの表示面に表示される位置が予め設定されている。
【0233】
表示器8aは、異常状態が発生した場合でも、上方への移動は継続しているので、異常状態の解除後に直ぐにCZ状態の最初のゲームが開始されても、既に表示器8aは最上方位置への移動を完了している。したがって、CZ状態の最初のゲームで役物装置16の変換が行われた場合でも、表示器8aには、下方の装飾部16bの現出に応じた適正な位置に変換装飾画像33が表示されることとなる。
【0234】
すなわち、CZ状態の開始直前で異常状態が発生した場合に、表示器8aの移動を停止してしまうと、CZ状態の最初のゲームでは、未だ表示器8aが最上方位置に到達していない可能性が生ずるが、このときに役物装置16を変換させてしまうと、装飾部16bの現出位置と表示器8aでの変換装飾画像33の位置がずれてしまい、効果的な演出が行えないばかりか、遊技者が戸惑いを感じてしまう虞もある。
それに対して、本変形例における主制御装置10及び副制御装置20は、可動部材制御手段による可動部材としての役物本体16aの第1状態から第2状態への変換に基づき、役物本体16aの変換に関連した所定の情報(変換装飾画像33)を第2の位置の表示器8aに表示させる制御を実行可能としたので、上記した課題を解決することができるのである。
【0235】
次に、
図14を参照して、通常遊技状態中に表示器8aにおいて表示される呼び込み表示について説明する。
スロットマシン1においては、主制御装置10及び副制御装置20の制御により、通常遊技状態中に所定条件が成立すると、表示器8aにおいて呼び込み表示が行われる。
呼び込み表示が行われる条件としては、スロットマシン1の電源投入直後の通常遊技状態中や、通常遊技状態にゲームが所定時間(例えば、5分)実行されなかった場合等が設定されている。また、実行された呼び込み表示は、ベット数の入力やゲームの開始により終了する。
【0236】
図14(a)は、通常遊技状態中にゲームが所定時間実行されなかった場合に表示器8aにおいて呼び込み表示が実行されている状態を示している。
図14(a)に示すように、通常遊技状態中(電源投入時以外)には、上下動可能な表示器8aは最下方位置の状態で呼び込み表示が実行される。
このとき、表示器8aには、呼び込み表示として、当該スロットマシン1の機種名を示す機種名画像34が表示される。また、図示は省略するが機種名画像34の他に、登場するキャラクタの紹介画像や対戦演出のデモ画像等が、機種名画像34と一緒に、或いは交互に表示される。
【0237】
図14(b)は、スロットマシン1の電源投入直後の通常遊技状態中に表示器8aにおいて呼び込み表示が実行されている状態を示している。
主制御装置10及び副制御装置20は、スロットマシン1の電源投入時には、表示装置8の電気的駆動源を作動させて表示器8aを最上方位置に移動させるように制御している。したがって、
図14(b)に示すように、電源投入直後の通常遊技状態中には、表示器8aは最上方位置の状態で呼び込み表示が実行される。
【0238】
このとき、表示器8aには、通常遊技状態中にゲームが所定時間実行されなかった場合と同様、呼び込み表示として、当該スロットマシン1の機種名を示す機種名画像34が表示される。また、図示は省略するが機種名画像34の他に、登場するキャラクタの紹介画像や対戦演出のデモ画像等が、機種名画像34と一緒に、或いは交互に表示される。
また、電源投入直後の通常遊技状態中には、機種名画像34は、通常遊技状態中にゲームが所定時間実行されなかった場合よりも、表示器8aの表示面のやや上方に移動した位置に表示されるとともに、表示面の下方には、構成物画像35aと外形画像35bが表示される。
【0239】
構成物画像35aは、副制御装置20により表示器8aの表示面に表示される位置等が予め設定されるとともに、表示器8aの周囲に配設される表示器装飾枠15を模した画像(形状、配色)となっていて、表示器8aの最上方位置への移動により後方に隠れた表示器装飾枠15の一部を模した画像となっている。
すなわち、表示器8aの最上方位置への移動により、略ロ字状の表示器装飾枠15の上辺の一部が表示器8aの後方に隠れることとなるが、この隠れた箇所である表示器装飾枠15の上辺の一部を画像で補うように表示面の下方の左右方向に掛けて構成物画像35aが表示される。
【0240】
また、外形画像35bは、副制御装置20により表示器8aの表示面に表示される位置等が予め設定されるとともに、スロットマシン1(前扉1a)の外形を模した画像(形状、配色)であり、表示器8aの最上方位置への移動により後方に隠れた前扉1aの一部を模した画像となっている。
【0241】
したがって、スロットマシン1をやや遠目で見た場合に、あたかも前扉1aや表示器装飾枠15の全体がそのまま存在しているかのように見せた上で、表示器装飾枠15と同一前後位置に機種名画像34が浮き出るように表示される従来にない斬新な表現が可能となり、遊技店の開店直後等の遊技者がスロットマシンを選定する時期において、遊技者の好奇心を高めるような呼び込み表示が実行可能となるのである。
なお、構成物画像35aは、表示器8aの周囲に配設される構成物で、表示器8aの移動により後方に隠れるものであればどのようなものでもよく、例えば、装飾ランプやスピーカ等が表示器8aの後方に隠れた場合にそれを模した画像となる。
【0242】
次に、主制御装置10及び副制御装置20の制御による、表示器8aの移動に応じた表示器8aに表示される演出ボタンの操作を促す画像の変更に関して
図15を参照して説明する。
図15(a)は、表示器8aが最下方位置に復帰した場合のスロットマシン1の正面図を示している。
【0243】
図15(a)に示すように、遊技状態が通常遊技状態中には、表示器8aは最下方位置(第1の位置)に存在している。この状態では、上部演出ボタン2eは表示器8aの略右真横に位置することとなる。なお、通常遊技状態でもスロットマシン1の電源投入時には、表示器8aは最上方位置に移動している。
表示器8aが最下方位置に存在している状態において、上部演出ボタン2eの操作を有効とする条件が成立した場合には、表示器8aに上部演出ボタン2eの操作を促す操作画像25とエフェクト画像24が表示される。また、上部演出ボタン2eの操作を促す操作案内画像23として、「押せ!」の文字情報も画面の左側に表示され、上部演出ボタン2eの操作が促される。このとき有効となった上部演出ボタン2eの内部の発光源が点灯し、上部演出ボタン2e自体が発光する。
【0244】
このときの操作画像25は、表示器8aの右側(略右真横)に位置する上部演出ボタン2eの方向を示すように表示器8aの画面右側で上下方向中央に表示される。また、エフェクト画像24は、表示器8aの右側(略右真横)に存在する発光した上部演出ボタン2eからあたかも光が照射されて左側方向に光が拡散しているように表示される。
【0245】
通常遊技状態中における上部演出ボタン2eの操作を有効とする条件は、例えば、レア役の当選時やボーナス発生演出(ボーナスガセ発生演出)中において、期待度の高い画像(例えば、「チャンス!」、「ボーナス確定」等の文字情報)を表示する場合や、役物装置16を変換する場合の直前等が設定されている。
【0246】
一方、
図15(b)は、表示器8aが最上方位置に復帰した場合のスロットマシン1の正面図を示している。
図15(b)に示すように、遊技状態がCZ状態やART状態中には、表示器8aは最上方位置(第2の位置)に存在している。この状態では、上部演出ボタン2eは表示器8aの右斜め下に位置することとなる。
【0247】
表示器8aが最上方位置に存在している状態において、上部演出ボタン2eの操作を有効とする条件が成立した場合には、表示器8aに上部演出ボタン2eの操作を促す操作画像25とエフェクト画像24が表示される。また、上部演出ボタン2eの操作を促す操作案内画像23として、「押せ!」の文字情報も画面の左側に表示され、上部演出ボタン2eの操作が促される。このとき有効となった上部演出ボタン2eの内部の発光源が点灯し、上部演出ボタン2e自体が発光する。
【0248】
このときの操作画像25は、表示器8aの右斜め下に位置する上部演出ボタン2eの方向を示すように表示器8aの画面右側で下方に表示される。また、エフェクト画像24は、表示器8aの右斜め下に存在する発光した上部演出ボタン2eからあたかも光が照射されて左斜め上方向に光が拡散しているように表示される。
【0249】
CZ状態やART状態中における上部演出ボタン2eの操作を有効とする条件は、例えば、レア役に当選時等において、期待度の高い画像(例えば、「チャンス!」等の文字情報)を表示する場合や、ART状態の継続ゲーム数を加算(上乗せ)する場合や、役物装置16を変換する場合の直前等が設定されている。
【0250】
このように、主制御装置10及び副制御装置20は、同一内容に基づく情報を表示器8aにおいて表示する場合でも、表示器8aの位置(上下位置)に応じて表示態様を変更する表示態様制御手段を備えているのである。
【0251】
また、
図15で示した例では、表示態様制御手段は、表示器8aの表示面に表示する操作画像25とエフェクト画像24の表示位置を、表示器8aの位置に応じて変更するので表示位置制御手段として捉えることができるし、エフェクト画像24の形状を、表示器8aの位置に応じて変更するので画像形状制御手段として捉えることもできる。
したがって、表示器8aの位置が変化した場合でも、操作すべき操作ボタンの位置を遊技者に正確に報知することが可能となるのである。
【0252】
なお、上部演出ボタン2eは、表示器8aの右側だけでなく左側に配設してもよく、上部演出ボタン2eが表示器8aの左側に配設された場合でも同様の表示を行えばよい。また、演出ボタンを表示器8aの真横に上下に複数個並べて配設してもよく、この場合には、表示器8aの上下動により、表示器8aと各々の演出ボタンとの位置関係が複雑に変化することとなるので、変化した表示器8aの位置に応じて、操作すべき演出ボタンの位置を正確に示す操作画像とエフェクト画像を表示するようにすればよい。
【0253】
表示態様制御手段は、上部演出ボタン2eの操作を促す場合以外に、
図16に示すように、ART状態中のメダルの獲得枚数に関連した情報を報知する場合に機能させるようにしてもよい。
本実施形態においては、ART状態中に獲得したメダル数が所定数(例えば、1000枚)に到達した場合に、当該獲得メダル数が所定数に達した旨を報知する情報を表示器8aに表示するようにしている。この情報を表示する場合に、表示態様制御手段は、表示器8aの位置に応じて表示態様を変更するようにしている。
【0254】
図16(a)は、表示態様制御手段が、獲得メダル数が所定数に達したこと旨を報知する情報を、表示器8aが最下方位置を維持している状態において表示した場合を示している。
図16(a)に示すように、表示器8aが最下方位置を維持している状態においては、表示態様制御手段は、獲得メダル数が所定数に達した旨を報知する情報として、所定数のメダルを獲得した遊技者を称賛する、「1000枚達成おめでとう!」の文字情報からなる第1報知画像36を表示するようにしている。
【0255】
一方、
図16(b)は、表示態様制御手段が、獲得メダル数が所定数に達した旨を報知する情報を、表示器8aが最上方位置に移動している状態において表示した場合を示している。
図16(b)に示すように、表示器8aが最上方位置を維持している状態においては、表示態様制御手段は、獲得メダル数が所定数に達した旨を報知する情報として、所定数のメダルを獲得したことを他の遊技者にアピールする「1000枚達成この台すごい!」の文字情報からなる第2報知画像37を表示するようにしている。
【0256】
すなわち、表示器8aが最下方位置を維持している状態では、表示器8aは当該スロットマシン1で遊技している遊技者に比較的近くに位置しているので、この場合には、獲得メダル数が所定数に達した旨を報知する情報を、主に当該遊技者に対して報知する方が当該遊技者を称賛する意味で効果的であるので、当該遊技者に対して報知する意味合いが強い第1報知画像36を表示している。
【0257】
一方、表示器8aが最上方位置に移動している状態では、表示器8aは当該スロットマシン1で遊技している遊技者以外の遊技者にも比較的目立つ位置となっているので、この場合には、獲得メダル数が所定数に達したこと旨を報知する情報を、主に当該遊技者以外の遊技者に対して報知する方がスロットマシン1の魅力をアピールする意味で効果的であるので、他の遊技者に対して報知する意味合いが強い第2報知画像37を表示している。
【0258】
このように、表示態様制御手段は、同一内容に基づく情報である、獲得メダル数が所定数に達したこと旨を報知する情報を、表示器8aにおいて表示する場合でも、表示器8aの位置(上下位置)に応じて表示態様を変更するので、表示器8aの位置に応じた的確かつ効果的な報知が可能となるのである。
【0259】
なお、本実施形態においては、ART状態中には、
図16(b)に示すように、表示器8aは最上方位置に移動させるようにしているが、ART状態中における所定条件の成立に基づき、表示器8aを最下方位置に復帰させるようにしてもよく、この場合には、獲得メダル数が所定数に達する時期が、表示器8aが最上方位置の状態と、最下方位置の状態とで起こり得ることとなるが、
図16(a)と
図16(b)に示す例は、この場合の表示例を示している。
ART状態中に、表示器8aを上下動させる所定条件は、ART状態中における所定ゲーム数毎や、所定時間毎など何れの条件でもよく、また、スロットマシン1の所定部に入力手段を備えて、遊技者による入力手段の入力操作により表示器8aを上下動させるようにしてもよい。
【0260】
また、ART状態中に表示器8aを上方位置に移動させる場合に、ART状態中に変化する遊技状態に応じて、表示器8aを複数段階で上下動させるようにしてもよい。例えば、上方位置のうちの最上方位置である第1上方位置と、上方位置のうちの第1上方位置よりも位置の低い第2上方位置と、上方位置のうちの第2上方位置よりも位置の低い第3上方位置と、に表示器8aの位置を変化可能にして、ART状態中におけるゲーム数の上乗せ確率を高めた期間である所謂上乗せ特化ゾーン中は、第1上方位置に表示器8aを移動させ、ART状態中におけるボーナス状態中は、第2上方位置に表示器8aを移動させ、上記以外のART状態中においては、第3上方位置に表示器8aを移動させるようにしてもよい。
このようにすれば、ART状態中における遊技状態に応じて表示器8aの位置が変化するので、表示器8aの位置によりART状態中における遊技状態を遊技者に明確に報知することが可能となる。
【0261】
さらに、上記ART状態中における表示器8aの位置の変化に加えて、CZ状態中の表示器8aの位置を変化させるようにしてもよく、例えば、CZ状態中は上方位置のうちの第3上方位置よりも位置の低い第4上方位置に表示器8aの位置を変化させるようにして、CZ状態中は最下方位置から第4上方位置に表示器8aを移動させ、ART状態中は第1上方位置~第3上方位置の何れかに移動させるようにしてもよい。
このようにすれば、複数に変化する遊技状態に応じて、表示器8aの位置により各遊技状態を遊技者に明確に報知することが可能となる。
【0262】
次に、役物装置16の変形例について
図17を参照して説明する。
前述した実施形態においては、役物装置16を表示器の左側に備え、役物装置16が第1状態から第2状態に変換した場合には、装飾部16bは、表示器8aの前方に変換して、表示面の前面に装飾部16bの現出するようにしているが、
図17に示す変形例では、役物装置17を表示器8aの左右各々に一対備え、役物装置17が第1状態から第2状態に変換する場合の変換態様が異なっている。
【0263】
図17(a)に示すように、変形例においては、前扉1aの上部であって表示器8aの左右の各々に役物装置17を配設している。
役物装置17の各々は、
図17(a)に示すように、表示器装飾枠15の後方に配設される役物本体17aと、役物本体17aを変換駆動させるソレノイド等からなる電気的駆動源(図示省略)とから構成される。
【0264】
役物本体17aの各々は、一端側に回動軸(図示省略)が備えられる連結部17cと、連結部17cの回動端側に取り付けられる装飾部17bとからなり、
図17(a)に示すように、常態(第1状態)においては、回動軸を下方に向けた連結部17cの上方に装飾部17bが配設されるように起立状に配設され、表示器装飾枠15の後方に隠れた状態となっている。
【0265】
そして、電気的駆動源の作動により、
図17(b)に示すように、連結部17cの上端側が中央方向に傾倒することで、役物本体17aの一部が表示器装飾枠15の後方から現出する作動状態(第2状態)に変換するようになっている。また、役物本体17aの作動状態への変換により、装飾部17bの全体が表示器8aの表示面の前方位置に完全に現出すようになっている。
また、装飾部17bの内部には発光源(LED)が配設され、役物本体17aの作動状態への変換に応じて、内部の発光源が発光して装飾効果を高めるようになっている。
【0266】
また、役物装置17の各々は、その配設位置が表示器8aの配設位置と前後方向で略同一に設定されている。したがって、役物装置17の各々が第2状態に変換する変換方向に、最下方位置の表示器8aが存在していることとなり、表示器8aが最下方位置(第1の位置)を維持している状態では、役物装置17の各々は、第2状態への変換が不能となっている。
【0267】
また、役物装置17の各々の第2状態への変換方向は、表示器8aが最下方位置に存在する場合の表示面の面方向と同一に設定され、
図17(b)に示すように、表示器8aの最上方位置(第2の位置)への移動に伴い形成される空き空間8bにおいて、役物本体17aの各々が第2状態に変換可能となっている。したがって、役物本体17aの各々が第2状態に変換すると、空き空間8bの長手方向に沿って、すなわち、表示器8aが最下方位置に存在する場合の表示面に沿って役物本体17aが移動し、その結果、最上方位置に移動している表示器8aの下方部に、装飾部17bの各々が現出することとなる。
また、図示は省略したが、役物本体17aが第2状態に変換した場合には、表示器8aにおいては、役物本体17aの第2状態への変換に応じた装飾画像が表示される。この場合の装飾画像は、例えば、表示器8aの下方に変換された役物本体17aに対応して、下方から照射された光が上方に放射される旨を模した画像が表示される。
【0268】
このように
図17に示す変形例においては、表示器8aが最上方位置に移動した際に形成される空き空間8bを利用して、役物装置17が第2状態に変換するようになっている。すなわち、可動部材としての役物本体17aは、移動手段による表示器8aの第1の位置から第2の位置への移動に応じて形成された空間部(空き空間8b)において、第1状態から第2状態への変換を実行可能としているのである。
したがって、比較的大型の表示器8aおよび役物装置17を配設した場合でも、何ら問題なく役物装置17を第2状態に変換することが可能となり、効果的な演出を実行することが可能となるのである。特に、役物装置17の前後方向の寸法が大きいものを配設することが可能となり、より立体感のある迫力のある演出が可能となる。
【0269】
このような変形例においては、主制御装置10及び副制御装置20は、役物装置17の各々を、CZ状態やART状態中の表示器8aが最上方位置に移動している際に、第2状態に変換するようにすることとなるが、前述したように表示器8aが最上方位置に移動している間に、異常状態が発生した場合には、表示器8aの移動を継続して行うこととなる。
したがって、例えば、遊技状態のCZ状態への移行に応じて、表示器8aを最上方位置に移動している間に異常状態が発生した場合でも、異常状態の解除によりCZ状態中のゲームを開始する際には、表示器8aが最上方位置への移動は完了しているので、当該ゲームで役物装置17を第2状態に何ら問題なく変換させることが可能となるのである。
【0270】
以上、説明したように、本発明においては、遊技者に対して特典を付与するか否かを抽選可能な抽選手段(主制御装置10)と、複数の情報を表示可能な表示手段(表示器8a)と、抽選手段の抽選結果に基づき表示手段に所定の情報を表示させる制御を実行可能な表示制御手段(主制御装置10、副制御装置20)と、を備えた遊技機(スロットマシン1)において、表示手段を第1の位置(最下方位置)から第1の位置とは異なる第2の位置(最上方位置)に移動可能な移動手段(主制御装置10、副制御装置20、役物装置16)を備え、表示制御手段は、抽選手段の抽選結果に基づき、表示手段において所定期間演出(例えば、ボーナス発生演出)を実行可能な演出制御手段(主制御装置10、副制御装置20)を備え、移動手段は、遊技者にとって有利な特定遊技状態が発生する場合に、前記表示手段を前記第1の位置から前記第2の位置に移動させるものとし、移動手段が表示手段を第2の位置から第1の位置まで復帰させるまでの期間を、演出制御手段による演出の実行期間よりも短く設定することで、演出制御手段が、第2の位置から第1の位置への復帰中の表示手段において演出を実行した場合に、演出の結果を第1の位置に復帰した状態の表示手段において表示させるように制御可能に構成した。
【0271】
ここで、抽選手段、表示制御手段は、移動手段、演出制御手段は、主制御装置10が備えるものであってもよいし副制御装置20が備えるものであってもよい。また、主制御装置10と副制御装置20の協働により構成されるものであってもよい。
また、特典としては、ボーナス状態、CZ状態、ART状態、ART状態中におけるゲーム数の上乗せ、等が例示される。
また、特定遊技状態は、メダルを獲得する可能性が高められた遊技状態、役の抽選確率が高められた遊技状態等、遊技者にとって有利な遊技状態であれば何れでもよく、ボーナス状態、CZ状態、ART状態等が例示される。
また、演出は、ボーナス発生演出(ボーナスガセ発生演出)でもよいし、CZ状態やART状態の前兆演出(ガセ前兆演出)でもよい。
【0272】
また、第1の位置と第2の位置は、表示器8aの移動範囲における最下方位置や最上方位置以外に、移動範囲内の途中位置でもよい。
また、演出制御手段が、第2の位置から第1の位置への復帰中の表示手段において演出を実行した場合とは、表示手段が第2の位置から第1の位置へ復帰を開始した時点で演出を開始した場合の他、表示手段が第2の位置から第1の位置へ復帰中の所定の時点で演出を開始した場合も含む。
【0273】
したがって、演出が表示手段の移動中に開始された場合でも、表示手段が常態位置である第1の位置に復帰した状態おいて、演出の結果が表示されることとなり、遊技者の慣れ親しんだ位置で演出の結果を報知することができ、効果的かつ正確な報知を実行することが可能となる。
【0274】
また、移動手段による表示手段の第1の位置から第2の位置への移動により、表示手段の所定部を当該遊技機の外側に突出可能に構成とした。
ここで、表示手段の所定部は、表示手段の全部でもよいし、一部でもよい。
したがって、表示手段が移動した場合に、より表示手段を目立たせることが可能となり、表示手段による画像表示に対する報知効果や演出効果を向上させるばかりか、表示手段自体で報知効果や演出効果をより向上させることが可能となる。
【0275】
また、当該遊技機は、遊技者の開始操作に基づきゲームを開始可能とするとともに、遊技者の停止操作に基づきゲームを終了可能とするスロットマシン1で構成され、移動手段は、表示手段の第2の位置から第1の位置への復帰を、ゲームの開始に基づき実行可能とするとともに、表示手段を第2の位置から第1の位置まで復帰させるまでの期間を、ゲームの実行に要する最短期間よりも長くなるように設定可能とし、演出制御手段は、演出を複数ゲームに跨り実行可能とするとともに、移動手段が表示手段の第2の位置から第1の位置への復帰を開始するゲームにおいて演出を開始可能な構成とした。
【0276】
したがって、表示手段を第2の位置から第1の位置まで復帰させるまでの期間が、ゲームの実行に要する最短期間よりも長くなるように設定されて、比較的復帰期間が長い期間となるので、表示手段を大型で質量の大きいものにすることができ、より効果的な報知や演出を実行することが可能となる。
また、表示手段を第2の位置から第1の位置まで復帰させるまでの期間が、ゲームの実行に要する最短期間よりも長くなるように設定されていても、復帰を完了するまでの期間は、複数ゲームに跨り実行される演出の実行期間よりも短くなるので、表示手段の第1の位置への復帰の完了以降に演出の結果を表示手段に表示させることができ、効果的かつ正確な報知を実行することが可能となる。
【0277】
また、第1状態と、所定部が表示手段の前方位置となる第2状態とに変換可能な可動部材(役物本体16a)と、可動部材を第1状態から第2状態へ変換させるとともに、可動部材の第1状態から第2状態への変換に応じた情報を表示手段に表示させる特定演出を実行可能な特定演出実行手段(主制御装置10、副制御装置20)と、を備え、特定演出実行手段は、演出制御手段が表示手段に演出の結果を表示する場合に、特定演出を実行可能にした構成とした。
【0278】
ここで、特定演出実行手段は、主制御装置10が備えるものであってもよいし副制御装置20が備えるものであってもよい。また、主制御装置10と副制御装置20の協働により構成されるものであってもよい。
したがって、演出制御手段が表示手段の移動中に演出を実行し、この演出の結果を表示する際に特定演出を実行する場合でも、移動中の表示手段は、演出の終了前にその移動が完了して、移動の完了後に特定演出が実行されることとなり、表示手段が第1の位置に存在していることを前提とした、可動部材の第1状態から第2状態への変換、及びその変換に応じた表示手段での情報表示からなる特定演出を確実に実行することが可能となる。
【0279】
また、第1状態と、所定部が表示手段の前方位置となる第2状態とに変換可能な可動部材と、可動部材を第1状態から第2状態へ変換させるとともに、可動部材の第1状態から第2状態への変換に応じた情報を表示手段に表示させる特定演出を実行可能な特定演出実行手段と、を備え、特定演出実行手段は、表示手段が第2の位置から第1の位置への復帰中において、特定演出の実行条件が成立した場合に、特定演出の実行を、表示手段の第1の位置への復帰が完了するまで保留する保留手段を備えた構成とした。
【0280】
ここで、保留手段は、主制御装置10が備えるものであってもよいし副制御装置20が備えるものであってもよい。また、主制御装置10と副制御装置20の協働により構成されるものであってもよい。
したがって、表示手段が第2の位置から第1の位置への復帰中において、特定演出の実行条件が成立した場合でも、保留手段により特定演出の実行が保留され、表示手段が第1の位置へ復帰した状態で特定演出が実行されることとなり、表示手段が第1の位置に存在していることを前提とした、可動部材の第1状態から第2状態への変換、及びその変換に応じた表示手段での情報表示からなる特定演出を確実に実行することが可能となる。
【0281】
また、前記移動手段は、前記表示手段の移動中において、所定の異常状態が発生した場合に、前記表示手段の移動を継続可能とした構成とした。
ここで、表示手段の移動中とは、第1の位置から第2の位置への移動中、第2の位置から第1の位置への移動中を含む。
したがって、表示手段の移動中に異常状態が発生した場合でも、表示手段の移動は継続されるので、異常状態が解除した場合には、既に表示手段は適正位置への移動が完了していることとなり、異常状態の解除後に、表示手段が適正位置の状態において即座にゲームを実行可能となる。
【0282】
一方、特許文献1には、複数の情報を表示可能な画像表示装置を備えて、画像表示装置自体を移動可能に構成して、画像表示装置の移動に応じて演出に関わる情報を表示することにより、演出効果を高めるようにした遊技機が開示されている。
しかしながら、従来の遊技機においては、単に画像表示装置の移動に応じて演出に関わる情報を表示させるだけであり、単調な遊技性になってしまい興趣性を高めるものではなかった。
このように、本実施形態のスロットマシン1によれば、従来の遊技機が改善すべき、このような課題の全部又は一部などを解決することができる。
【0283】
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、本実施形態では、特典としてART状態(ART)を付与するものとしたが、AT又はRTを付与するようにしてもよい。
【0284】
また、本実施形態では、ART状態のタイプとして、ART状態中の残りゲーム数が無くなった場合に終了するようなタイプにしているが、所定のゲーム数単位で実行されるART状態を複数回継続可能なタイプにしてもよい。
【0285】
また、主制御装置10及び副制御装置20は、表示器8aを最上方位置に移動している際に、前扉1aが本体1bから開放されたことを検出するドアセンサ1cからの信号の入力に基づき、表示器8aを最上方位置から最下方位置に復帰させるようにしてもよい。このようにすれば、前扉1aの開放により、前扉1aよりも外側に突出している表示器8aが、スロットマシン1の周囲に配設される設備に接触してしまうことを防止することが可能となる。
【0286】
また、スロットマシン1の電源投入時に、表示器8aを一旦最上方位置に移動させることより、表示器8aの移動範囲を確認可能に構成してもよい。また、表示器8aの移動範囲の確認後に、係員等の操作により表示器8aの移動範囲を変更する手段を設けて、スロットマシン1の周囲の設備等と表示器8aが接触しない範囲で表示器8aを移動するようにしてもよい。
【0287】
また、スロットマシン1の上部に何らの物品が載置されていることを検出可能なセンサを設け、該センサからの信号に基づき、表示器8aの移動を規制するようにしてもよい。これにより、表示器8aを最上方位置に移動する際に、スロットマシン1の上部に載置されている物品と表示器8aが接触して、遊技者所有の物品(財布等)が下に落ちてしまったり、表示器8aに不具合が生じてしまったりすることを防止可能となる。
【0288】
また、表示器8aが最下方位置に復帰している状態において、その奥手側に前後に重なるように別の表示器を設けて、表示器8aが最上方位置に移動した際に、奥手側の別表示器が前面に臨むようにしてもよい。
この場合、表示器8aが最上方位置に移動した際には、奥手側の別表示器により、表示器8aが最下方位置に存在しているときに表示される画像を替わりに表示するようにしてもよい。
【0289】
また、最下方位置にある表示器8aの奥手側に、前後方向に変換移動する役物装置を設け、表示器8aが最上方位置に移動した際に形成される空き空間を利用して、役物装置を第1状態から第2状態に変換するようにしてもよい。この場合、常態においては奥側の第1状態から、空き空間側の第2状態に役物装置を変換するようにすればよい。このようにすれば、表示器8aが最上方位置への移動により、新たに役物装置が現出して、その役物装置が遊技者側に向けて変換移動することとなり、従来にない斬新かつインパクトのある演出が可能となり、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
【0290】
また、表示器8aの表示面に、遊技者の接触を検出可能なタッチセンサを設けるとともに、表示器8aにタッチする位置を促すタッチ画像を表示可能にし、タッチ画像への遊技者の接触に応じて、表示器8aに所定の演出画像を表示するようにしてもよい。
この場合、表示器8aが最下方位置に復帰している状態では、タッチ画像を表示器8aの表示面の略中央に表示し、表示器8aが最上方位置に移動している状態では、タッチ画像を表示器8aの表示面の下方に表示することにより、表示器8aの位置に応じてタッチ画像の表示位置を変更するようにしてもよい。
このようにすれば、表示器8aと遊技者との位置が変化しても、遊技者の接触し易い位置にタッチ画像が移動するので、遊技者が操作し易い演出を実行することが可能となる。
【0291】
また、演出ボタンの操作により、例えば、特典の付与の報知が行われ易い期待度の高い操作画像と、報知が行われ難い期待度の低い操作画像とを表示器8aに表示可能にしてもよい。この場合、表示器8aの移動に応じて、何れかの操作画像の位置や形状を変更することにより期待度の変化と同時に、操作する演出ボタンの位置を正確に遊技者に報知することが可能となる。
【0292】
また、演出ボタン2d或いは上部演出ボタン2eにモータ等の作動により振動する振動手段を内蔵して、遊技者が操作する際に振動手段を作動させるようにしてもよい。この際には、例えば、特典が付与される旨を報知(ART状態の当選確定報知等)する場合に、振動手段を作動させることが好ましい。このようにすれば、さらに遊技者の期待感を高めることが可能となる。
【0293】
また、前扉1aにモータやスピーカ等の作動により当該前扉1aを振動させる振動手段を設けて、表示器8aが最上方位置に移動する際に、振動手段を作動させることで、遊技者の期待感を高めるようにしてもよい。
また、前扉1aに遊技者に向けて風を吹き付ける送風手段を設けて、表示器8aが最上方位置に移動する際に、送風手段を作動させることで、遊技者の期待感を高めるようにしてもよい。
さらに、表示器8aを上方位置に移動させる場合に、ART状態中においては、表示器8aの位置を、上方位置のうちの最上方位置である第1上方位置に移動させ、CZ状態中においては、上方位置のうちの第1上方位置よりも位置の低い第2上方位置に移動させるようにし、表示器8aの位置がより上方位置に移動する毎に、振動手段による振動の度合いを強めたり、送風手段による送風の度合いを強めたりするようにしてもよい。
【0294】
また、遊技者の手が演出ボタン2d或いは上部演出ボタン2eに近づいたことを検出可能な検出センサ(例えば、赤外線センサ)を設け、検出センサの検出信号に基づき、役物本体16aを所定の変換が行われるように作動させるようにしてもよい。例えば、検出センサの検出信号に基づき、役物本体16aを小さい角度だけ作動させる初期動作を行い、演出ボタン2d或いは上部演出ボタン2eが操作された場合には、役物本体16aを完全に変換させるようにしてもよい。このようにすれば、演出ボタン2d或いは上部演出ボタン2eを押圧操作する直前に、役物本体16aが変化するので、従来にない斬新な演出が可能となる。
【0295】
また、移動可能な表示器8aに役物装置を搭載し、役物装置を第1状態か第2状態に変換した場合には、表示器8aの下方に向かって役物装置が変換するようにしてもよい。この場合、表示器8aが最上方位置に移動した際に、役物装置を第2状態に変換させるようにすれば、表示器8aが最上方位置に移動した際に形成される空間部を利用して効率よく役物装置を第2状態に変換することが可能となる。
【0296】
また、前述した有利区間中のメダルの獲得数を制限する制限手段を主制御装置10に設けた場合に、ゲーム結果が制限値に達したことに基づき、確率設定装置14での設定値を示唆する情報を表示装置8で報知するようにしてもよい。また、このとき設定値がボーナス役の当選確率が比較的高い場合や最も高い場合には、表示装置8での報知とともに、役物本体16aを作動状態に変換するようにしてもよい。このようにすれば、遊技者の期待感を向上させることが可能となる。
【0297】
また、表示器8aが移動する方向は、上下方向以外に左右方向であってもよいし、表示器8aが、第1の位置から第2の位置に移動した際に、表示器8aの所定部をスロットマシン1よりも外側には突出させずに、スロットマシン1の前面の範囲内で移動するようにしてもよい。
【0298】
また、本実施形態では、抽選手段などの各種手段としての動作を主制御装置10が行ったが、副制御装置20がその一部又は全部を行い、副制御装置20が各種手段として動作することもできる。
また、反対に、副制御装置20が実行する動作を、主制御装置10がその一部又は全部を行い、主制御装置10が各種手段として動作することもできる。
【0299】
また、本発明をスロットマシンに適用したがパチンコ(例えば、玉スロ)などその他の遊技機に適用することもできる。
また、メダル、遊技球等の現物の遊技媒体を用いることなく、データ形式の擬似遊技媒体を用いてゲームを実行可能な、いわゆる封入式遊技機にも、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0300】
1:スロットマシン
2e:上部演出ボタン
4:リール
8a:表示器
10:主制御装置
15:表示器装飾枠
16:役物装置
20:副制御装置