(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-18
(45)【発行日】2022-11-29
(54)【発明の名称】情報処理装置および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20120101AFI20221121BHJP
G06Q 10/02 20120101ALI20221121BHJP
【FI】
G06Q30/06
G06Q10/02
(21)【出願番号】P 2022017423
(22)【出願日】2022-02-07
【審査請求日】2022-02-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522050941
【氏名又は名称】どんぐりピット合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鶴田 彩乃
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2021/0201263(US,A1)
【文献】特開2021-005253(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0254760(US,A1)
【文献】特開2018-151923(JP,A)
【文献】再公表特許第2017/203573(JP,A1)
【文献】戸谷 潮,フードシェアリングによる家庭内食品ロス削減効果に関する研究,[online],卒業研究ライブラリ 2017年度修士論文,日本,早稲田大学基幹理工学部表現工学科 ,2018年03月,1-2,[令和4年5月11日検索]<URL: http://www.ias.sci.waseda.ac.jp/GraduationThesis/2017_summary/5116E013_s.pdf>,http://www.ias.sci.waseda.ac.jp/abstracts/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが商品陳列用の複数の区画を有する複数の陳列棚それぞれの設置場所についての情報、および、各陳列棚における各区画の
利用スケジュールを示す情報を含む棚情報をユーザに提供することと、
前記ユーザが前記棚情報に基づいて選択した、商品販売のために使用することを希望する第1陳列棚および第1区画についての情報、並びに、前記ユーザが前記第1陳列棚の前記第1区画の使用を希望する第1使用期間についての情報を含む予約情報を取得することと、
前記予約情報に基づいて、
前記第1陳列棚の
前記第1区画の前記ユーザへの貸出予約を成立させることと、
を実行する制御部を備え
、
各陳列棚における各区画の利用スケジュールを示す情報には、現在使用中の区画については、区画が使用中であることを示す情報、および、区画の使用期間についての情報が含まれ、且つ、現在予約中の区画については、区画が予約中であることを示す情報、および、予約された区画の使用期間についての情報が含まれる、
情報処理装置。
【請求項2】
前記複数の陳列棚は、冷蔵機能および冷凍機能の少なくともいずれかの機能を有しており、
前記複数の陳列棚において販売される商品が食品である、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記予約情報には、前記ユーザが前記第1陳列棚の前記第1区画を使用して販売する第1商品についての商品情報が含まれており、
前記制御部は、前記第1使用期間中に、前記第1陳列棚において前記第1商品が販売されていることをネットワーク上に公開することをさらに実行する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記複数の陳列棚において販売される商品が食品であって、
前記商品情報には前記第1商品の状態に関するメッセージが含まれており、
前記制御部は、ネットワーク上において、前記メッセージに基づいて前記第1商品を検索可能とする、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記複数の陳列棚それぞれにおいて販売される商品を検索可能な検索用画像をネットワーク上に公開することをさらに実行し、
前記検索用画像における検索条件として、商品の状態に関するメッセージが含まれる、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータによって実行される情報処理方法であって、
それぞれが商品陳列用の複数の区画を有する複数の陳列棚それぞれの設置場所についての情報、および、各陳列棚における各区画の
利用スケジュールを示す情報を含む棚情報をユーザに提供することと、
前記ユーザが前記棚情報に基づいて選択した、商品販売のために使用することを希望する第1陳列棚および第1区画についての情報、並びに、前記ユーザが前記第1陳列棚の前記第1区画の使用を希望する第1使用期間についての情報を含む予約情報を取得することと、
前記予約情報に基づいて、
前記第1陳列棚の
前記第1区画の前記ユーザへの貸出予約を成立させることと、
を含
み、
各陳列棚における各区画の利用スケジュールを示す情報には、現在使用中の区画については、区画が使用中であることを示す情報、および、区画の使用期間についての情報が含まれ、且つ、現在予約中の区画については、区画が予約中であることを示す情報、および、予約された区画の使用期間についての情報が含まれる、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、商品を販売することを希望するユーザに対して、商品の販売場所を提供するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、商品販売システムに関する技術が開示されている。特許文献1に記載の商品販売システムでは、アンテナショップ等に設けられる商品陳列スペースが棚単位で貸し出される。また、商品販売システムにおいて、POS装置が、陳列される商品の仕入れ、販売に関する情報を、商品識別情報と陳列されている棚の貸出識別情報と関連付けた情報を取得する。棚の貸出識別情報は、貸し出される棚を識別する情報と貸出先(借主)を識別する情報とを関連付けた情報である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1に記載の商品販売システムのように、実店舗に設けられた商品陳列スペースを棚単位で、商品を販売することを希望するユーザに貸し出す商品販売形態が知られている。このような商品販売形態においては、特定の店舗における一定の商品陳列スペースを比較的長期間に渡りユーザが借り受けるのが一般的である。
【0005】
しかしながら、ユーザが希望する商品の販売場所または販売量は必ずしも一定ではない。例えば、ユーザが、商品を販売する場所を時期によって変えることを希望する場合もある。また、商品の生産量または収穫量等に応じてユーザが販売することを希望する商品の量が変動する場合もある。従来の商品販売システムには、このような、商品を販売することを希望するユーザの要望に対してフレキシブルに対応するためには改善の余地があった。
【0006】
本開示は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、商品を販売することを希望するユーザの要望に対してよりフレキシブルに対応することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第一の態様に係る情報処理装置は、
それぞれが商品陳列用の複数の区画を有する複数の陳列棚それぞれの設置場所についての情報、および、各陳列棚における各区画の利用状況についての情報を含む棚情報をユーザに提供することと、
前記ユーザが前記棚情報に基づいて選択した、商品販売のために使用することを希望する第1陳列棚および第1区画についての情報、並びに、前記ユーザが前記第1陳列棚の前記第1区画の使用を希望する第1使用期間についての情報を含む予約情報を取得することと、
前記予約情報に基づいて、第1陳列棚の第1区画の前記ユーザへの貸出予約を成立させることと、
を実行する制御部を備える。
【0008】
本開示の第二の態様に係る情報処理方法は、
コンピュータによって実行される情報処理方法であって、
それぞれが商品陳列用の複数の区画を有する複数の陳列棚それぞれの設置場所についての情報、および、各陳列棚における各区画の予約状況についての情報を含む棚情報をユーザに提供することと、
前記ユーザが前記棚情報に基づいて選択した、商品販売のために使用することを希望する第1陳列棚および第1区画についての情報、並びに、前記ユーザが前記第1陳列棚の前記第1区画の使用を希望する第1使用期間についての情報を含む予約情報を取得することと、
前記予約情報に基づいて、第1陳列棚の第1区画の前記ユーザへの貸出予約を成立させることと、
を含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、商品を販売することを希望するユーザの要望に対してよりフレキシブルに対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る冷蔵庫シェアシステムの概略構成を示す図である。
【
図2】
図2は、複数の冷蔵庫の設置場所の一例を地図上に示した図である。
【
図3】
図3は、管理サーバの機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図4】
図4は、冷蔵庫情報データベースに格納された冷蔵庫情報のテーブル構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る予約情報のテーブル構成の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、予約処理のフローを示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、第2実施形態に係る冷蔵庫シェアシステムの概略構成を示す図である。
【
図8】
図8は、第2実施形態に係る予約情報のテーブル構成の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、第2実施形態に係る、購入者端末において第1使用期間中に表示される画像情報の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、第2実施形態の変形例に係る予約情報のテーブル構成の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、第2実施形態の変形例に係る、購入者端末において表示される検索用画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の第一の態様に係る情報処理装置は、様々な場所に設置された複数の陳列棚を、商品を販売することを希望するユーザに貸し出すための情報処理を実行する装置である。ここで、各陳列棚は、商品陳列用の複数の区画を有している。そして、ユーザは、商品を販売するために使用する陳列棚および該陳列棚における区画を予約する。なお、陳列棚は、冷蔵機能および冷凍機能の少なくともいずれかの機能を有していてもよい。また、陳列棚において販売される商品は食品であってもよい。
【0012】
情報処理装置は制御部を備える。制御部は棚情報をユーザに提供する。ここで、棚情報は、各陳列棚の設置場所についての情報、および、各陳列棚における各区画の利用状況についての情報を含む。棚情報の提供を受けたユーザは、自身が予約可能な陳列棚の設置場所を把握することができる。また、ユーザは、自身が予約可能な陳列棚において予約可能
な区画も合わせて把握することができる。そこで、ユーザは、商品販売のために使用することを希望する陳列棚および区画を棚情報に基づいて選択する。
【0013】
このとき、情報処理装置において、制御部が予約情報を取得する。ここで、予約情報は、ユーザが棚情報に基づいて選択した陳列棚および区画である第1陳列棚および第1区画についての情報を含む。さらに、予約情報は、ユーザが第1陳列棚の第1区画の使用を希望する第1使用期間についての情報も含む。そして、情報処理装置において、制御部が、予約情報に基づいて、第1陳列棚の第1区画のユーザへの貸出予約を成立させる。
【0014】
本開示によれば、ユーザが、商品を販売するために使用する陳列棚を借り受ける際に、様々な場所に設置された複数の陳列棚の中から、借り受ける陳列棚を選択することができる。これにより、ユーザが、商品を販売する場所を選択することが可能となる。また、ユーザは、販売することを希望する商品の量に応じて、借り受ける陳列棚の区画の数(または大きさ)と、該陳列棚の区画を借り受ける期間とを決定することができる。したがって、商品を販売することを希望するユーザの要望に対してよりフレキシブルに対応する形で、商品を販売するために使用する陳列棚をユーザに貸し出すことができる。
【0015】
以下、本開示の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、および、その相対配置等は、特に記載がない限りは本開示の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0016】
<第1実施形態>
(システムの概略)
図1は、本実施形態に係る冷蔵庫シェアシステムの概略構成を示す図である。冷蔵庫シェアシステム1は、商品を販売することを希望するユーザに、商品陳列用の冷蔵庫における一または複数の区画をシェアするためのシステムである。なお、本実施形態において商品は食品である。また、ユーザは、例えば、商品の生産者である。
【0017】
冷蔵庫シェアシステム1においては、複数の冷蔵庫30が様々な場所に予め設置されている。各冷蔵庫30は、特定の所有者のみが利用するものではなく、複数のユーザによって利用されることを前提として設置されたものである。
図2は、複数の冷蔵庫30の設置場所の一例を地図上に示した図である。
図2においては、施設A、B、Cそれぞれに冷蔵庫30が設置されている。冷蔵庫30が設置される施設としては、市役所等の公共施設、店舗、またはショッピングモール等を例示することができる。また、冷蔵庫30は、冷蔵機能を有する、商品陳列用の陳列棚として機能する。冷蔵庫30は、複数の区画31を有しており、各区画31に商品を陳列することができる。
【0018】
冷蔵庫シェアシステム1は、管理サーバ100およびユーザ端末200を含んで構成される。冷蔵庫シェアシステム1においては、管理サーバ100およびユーザ端末200がネットワークN1によって相互に接続される。ネットワークN1としては、例えば、インターネット等の世界規模の公衆通信網であるWAN(Wide Area Network)、または携帯電話等の電話通信網が採用されてもよい。
【0019】
管理サーバ100は、複数の冷蔵庫30を管理するサーバ装置である。管理サーバ100は、プロセッサ101、主記憶部102、補助記憶部103、および通信インターフェース(通信I/F)104を有するコンピュータを含んで構成される。ここで、プロセッサ101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはDSP(Digital Signal Processor)である。主記憶部102は、例えば、RAM(Random Access Memory)で
ある。補助記憶部103は、例えば、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、またはフラッシュメモリである。また、補助記憶部103は、リムーバブルメ
ディア(可搬記録媒体)を含んでもよい。ここで、リムーバブルメディアは、例えば、USBメモリ、SDカード、または、CD-ROM、DVDディスク、若しくはブルーレイディスクのようなディスク記録媒体である。通信I/F104は、例えば、LAN(Local Area Network)インターフェースボード、または無線通信のための無線通信回路である。
【0020】
補助記憶部103には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、および各種情報テーブル等が格納されている。そして、プロセッサ101が、補助記憶部103に記憶されたプログラムを主記憶部102にロードして実行することによって、後述するような、ユーザに対して冷蔵庫30の区画31を貸し出すために必要な処理が実現される。ただし、管理サーバ100における一部または全部の機能はASICやFPGAのようなハードウェア回路によって実現されてもよい。なお、管理サーバ100は、必ずしも単一の物理的構成によって実現される必要はなく、互いに連携する複数台のコンピュータによって構成されてもよい。なお、本実施形態においては、管理サーバ100が、本開示に係る「情報処理装置」に相当する。
【0021】
ユーザ端末200は、商品を販売することを希望するユーザによって使用される端末である。ユーザ端末200としては、スマートフォン、タブレットコンピュータ、モバイルコンピュータ、パーソナルコンピュータ、またはウェアラブルコンピュータを例示することができる。
【0022】
ユーザは、複数の冷蔵庫30の中から、自身の商品を販売するために使用することを希望する冷蔵庫30を選択する。さらに、ユーザは、選択した冷蔵庫30において商品を陳列するために使用することを希望する区画31も選択する。そして、選択した冷蔵庫30における区画31にユーザによって陳列された商品を購入者が購入することで、商品の売買が行われる。
【0023】
なお、各冷蔵庫30に陳列された商品の売買には、無人で決済を行うためのシステムが導入されてもよい。無人決済システムにおいては、例えば、特定の冷蔵庫30における特定の区画31に陳列された商品の購入を希望する購入者が、自身の端末(購入者端末)において該商品を購入するための決済処理を行ってもよい。そして、該決済処理の完了後に、特定の冷蔵庫30における特定の区画31の扉を開錠可能なキー情報を購入者端末に送信してもよい。これにより、購入者は、購入者端末によって特定の区画31の扉を開錠し、該特定の区画31に陳列されていた商品を取り出すことが可能となる。このような無人決済システムにおけるキー情報の管理を管理サーバ100が行ってもよい。
【0024】
冷蔵庫シェアシステム1において、管理サーバ100は、複数の冷蔵庫30のうちのいずれかを利用して商品を販売することを希望するユーザに対して、各冷蔵庫30の利用状況(各区画31の空き状況)に関する情報を提供する。さらに、管理サーバ100は、ユーザが選択した冷蔵庫30および区画31の利用予約を受け付ける。
【0025】
(機能構成)
次に、管理サーバ100の機能構成について
図3に基づいて説明する。
図3は、本実施形態に係る管理サーバ100の機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。管理サーバ100は、通信部110、制御部120、および冷蔵庫情報データベース(冷蔵庫情報DB)130を機能部として有している。通信部110は管理サーバ100をネットワークN1に接続する機能を有する。通信部110は通信I/F104によって実現することができる。
【0026】
制御部120は、管理サーバ100を制御するための演算処理を行う機能を有する。制
御部120はプロセッサ101によって実現することができる。制御部120は、ユーザ端末200から送信される、各冷蔵庫30の利用状況に関する情報の提供要求(以下、「情報提供要求」と称する場合もある。)を、通信部110を用いて受信する処理を行う。また、制御部120は、ユーザよる冷蔵庫30および区画31の予約を受け付けると共に該予約を成立させるための予約処理を実行する。制御部120によって実行される予約処理の詳細については後述する。
【0027】
冷蔵庫情報DB130は補助記憶部103に構築される。冷蔵庫情報DB130は、管理サーバ100の管理下にある複数の冷蔵庫30についての冷蔵庫情報が格納されたデータベースである。
図4は、冷蔵庫情報DB130に格納された冷蔵庫情報のテーブル構成の一例を示す図である。
図4に示すように、冷蔵庫情報は、冷蔵庫IDフィールド、設置場所フィールド、区画フィールド、および利用状況フィールドを有する。
【0028】
冷蔵庫IDフィールドには、冷蔵庫30を特定するための識別情報である冷蔵庫IDが入力される。設置場所フィールドには、各冷蔵庫30の設置場所を示す情報が入力される。冷蔵庫30の設置場所を示す情報は、例えば、冷蔵庫30が設置されている施設の名称であってもよい。
図4に例示する冷蔵庫情報おいては、冷蔵庫ID「R001」の冷蔵庫30が、「施設A」に設置されていることが示されている。区画フィールドには、各冷蔵庫30が有する複数の区画31それぞれを特定するための識別情報が入力される。
【0029】
利用状況フィールドには、各冷蔵庫30における各区画31の利用状況を示す情報が入力される。区画31の利用状況を示す情報は、区画31の利用スケジュールを示す情報であってもよい。例えば、あるユーザが現在使用中(あるユーザの商品を陳列中)の区画31については、該区画31が使用中であることを示す情報、および、あるユーザによる該区画31の使用期間についての情報が利用状況フィールドに入力されてもよい。また、あるユーザが予約中の区画31については、該区画31が予約中であることを示す情報、および、あるユーザによって予約された該区画31の使用期間についての情報が利用状況フィールドに入力されてもよい。つまり、利用状況フィールドに入力される区画31の利用状況を示す情報には、区画31の使用状況および/または予約状況を示す情報が含まれる。
【0030】
また、管理サーバ100の制御部120は、提供部1201、取得部1202、および予約部1203を含んでいる。管理サーバ100において、ユーザ端末200から送信された情報提供要求が受信されると、提供部1201は、冷蔵庫情報をユーザに提供する処理を行う。具体的には、提供部1201は、冷蔵庫情報DB130から冷蔵庫情報を取得し、取得した冷蔵庫情報を、通信部110を介してユーザ端末200に送信する。なお、このときに、ユーザ端末200から送信された情報提供要求において特定の冷蔵庫30が指定されていた場合、提供部1201は、指定された冷蔵庫30についての冷蔵庫情報を冷蔵庫情報DB130から抽出してユーザ端末200に送信してもよい。
【0031】
ユーザ端末200において冷蔵庫情報が受信されると、ユーザは、該冷蔵庫情報に基づいて、商品販売のために使用することを希望する冷蔵庫30および区画31を選択する。このとき、ユーザは、自身が商品の販売を希望する時期に利用可能な冷蔵庫30および区画31を選択する。ある冷蔵庫30をある時期に利用可能であるか否かは、冷蔵庫情報の利用状況フィールドに入力された区画31の利用状況に基づいて判断することができる。以下においては、ユーザが選択した冷蔵庫30を第1冷蔵庫とする。また、ユーザが選択した区画31を第1区画とする。また、ユーザが第1冷蔵庫の第1区画の使用を希望する期間を第1使用期間とする。なお、ユーザが複数の第1冷蔵庫を選択してもよい。また、ユーザは、一の第1冷蔵庫において複数の第1区画を選択してもよい。
【0032】
ユーザ端末200においてユーザが第1冷蔵庫および第1区画を選択すると、ユーザ端末200から管理サーバ100に予約情報が送信される。
図5は、本実施形態に係る、ユーザ端末200から管理サーバ100に送信される予約情報のテーブル構成の一例を示す図である。
図5に示すように、本実施形態に係る予約情報は、ユーザIDフィールド、冷蔵庫フィールド、区画フィールド、および使用期間フィールドを有する。
【0033】
ユーザIDフィールドには、ユーザを特定するための識別情報であるユーザIDが入力される。冷蔵庫フィールドには、ユーザが選択した第1冷蔵庫を示す冷蔵庫IDが入力される。区画フィールドには、ユーザが選択した第1冷蔵庫における第1区画を示す識別情報が入力される。使用期間フィールドには、ユーザが設定した第1使用期間を示す情報が入力される。
【0034】
そして、管理サーバ100においては、制御部120における取得部1202が、ユーザ端末200から送信された予約情報を、通信部110を用いて受信する処理を行う。これによって、取得部1202は予約情報を取得する。そして、制御部120において、予約部1203が、取得部1202によって取得され予約情報に基づいて、第1冷蔵庫の第1区画のユーザへの貸出予約を成立させる。
【0035】
(予約処理のフロー)
次に、本実施形態に係る、管理サーバ100において実行される予約処理のフローについて
図6に基づいて説明する。
図6は、予約処理のフローを示すフローチャートである。本フローは、ユーザ端末200から情報提供要求が受信されたときに制御部120によって実行される。
【0036】
本フローでは、先ず、S101において、冷蔵庫情報DB130から取得された冷蔵庫情報がユーザ端末200に送信される。該S101の処理は提供部1201によって実行される。次に、S102において、ユーザ端末200から送信された予約情報が受信される。該S102の処理は取得部1202によって実行される。次に、S103において、S102で受信された予約情報に基づいて、第1冷蔵庫の第1区画のユーザへの貸出予約を成立させる処理が実行される。該S103の処理は予約部1203によって実行される。次に、S104において、S103で成立させた貸出予約に基づいて、冷蔵庫情報DB130に格納された冷蔵庫情報を更新する処理が実行される。
【0037】
本実施形態に係る冷蔵庫シェアシステム1によれば、ユーザが、商品を販売するために使用する冷蔵庫30を借り受ける際に、様々な場所に設置された複数の冷蔵庫30の中から、借り受ける冷蔵庫30を選択することができる。これにより、ユーザが、商品を販売する場所を選択することが可能となる。また、ユーザは、販売することを希望する商品の量に応じて、借り受ける冷蔵庫30の区画31の数(または大きさ)と、該冷蔵庫30の区画31を借り受ける期間とを決定することができる。したがって、商品を販売することを希望するユーザの要望に対してよりフレキシブルに対応することができる。
【0038】
例えば、商品となるべき食品の生産量または収穫量が、ユーザが自身での消費や所定の店舗販売のために必要としていた量よりも多くなったために、余剰分の食品が発生する場合がある。また、ユーザが保管している食品の賞味期限または消費期限が近付いているために、ユーザが可及的早急に該食品を販売したい場合もある。これらのような状況における、余剰分の食品または賞味期限または消費期限が近付いている食品の販売にも、本実施形態に係る冷蔵庫シェアシステム1であればフレキシブルに対応することができる。そのため、フードロス削減にも貢献することができる。
【0039】
<第2実施形態>
図7は、本実施形態に係る冷蔵庫シェアシステムの概略構成を示す図である。本実施形態に係る冷蔵庫シェアシステム1においては、管理サーバ100およびユーザ端末200に加え、購入者端末300がネットワークN1によって相互に接続される。購入者端末300は、冷蔵庫30において販売されている商品を購入することを希望する購入者によって使用される端末である。購入者端末300としては、ユーザ端末200と同様、スマートフォン、タブレットコンピュータ、モバイルコンピュータ、パーソナルコンピュータ、またはウェアラブルコンピュータを例示することができる。
【0040】
ここで、ユーザが第1冷蔵庫の第1区画を使用して販売する商品を第1商品とする。本実施形態においては、ユーザが第1冷蔵庫の第1区画を予約する際にユーザ端末200から管理サーバ100に第1商品についての商品情報が送信される。
図8は、本実施形態に係る、ユーザ端末200から管理サーバ100に送信される予約情報のテーブル構成の一例を示す図である。
図8に示すように、本実施形態に係る予約情報は、ユーザIDフィールド、冷蔵庫フィールド、区画フィールド、および使用期間フィールドに加え、商品フィールドを有する。この商品フィールドに第1商品についての商品情報が入力される。商品情報は、例えば、商品の種別を示す情報である。
図8に例示する予約情報おいては、第1商品の種別が「キャベツ」であることが示されている。
【0041】
そして、本実施形態においても、管理サーバ100では、上記の第1実施形態と同様の予約処理が実行される。つまり、管理サーバ100において、制御部120が、予約情報に基づいて、第1冷蔵庫の第1区画のユーザへの貸出予約を成立させる。さらに、制御部120は、成立させた貸出予約に基づいて、冷蔵庫情報DB130に格納された冷蔵庫情報を更新する。このとき、本実施形態においては、予約情報に含まれていた第1商品についての商品情報も冷蔵庫情報として冷蔵庫情報DB130に格納される。
【0042】
したがって、本実施形態においては、冷蔵庫情報DB130に格納された冷蔵庫情報に、各冷蔵庫30の各区画31において販売中または販売予定の商品についての商品情報が含まれている。そして、制御部120は、冷蔵庫情報DB130に格納された冷蔵庫情報に基づいて、第1使用期間中に、第1冷蔵庫において第1商品が販売されていることをネットワークN1上に公開する。
【0043】
これにより、購入者端末300において、各冷蔵庫30において販売中の商品を示す情報を表示させることが可能となる。
図9は、購入者端末300において第1使用期間中に表示される画像情報の一例を示す図である。
図9においては、施設Aに設置された第1冷蔵庫において第1食品(キャベツ)が販売されていることが地図上に示されている。
【0044】
したがって、本実施形態に係る冷蔵庫シェアシステム1によれば、購入者端末300を使用する購入者が、各冷蔵庫30において販売中の商品を把握することができる。
【0045】
(変形例)
次に、本実施形態の変形例について
図10および
図11に基づいて説明する。本変形例においては、ユーザが第1冷蔵庫の第1区画を予約する際にユーザ端末200から管理サーバ100に送信される商品情報に、第1商品の状態に関するメッセージが含まれている。
【0046】
図10は、本変形例に係る、ユーザ端末200から管理サーバ100に送信される予約情報のテーブル構成の一例を示す図である。
図10に示すように、本変形例に係る予約情報は、ユーザIDフィールド、冷蔵庫フィールド、区画フィールド、使用期間フィールド、商品フィールドに加え、メッセージフィールドを有する。このメッセージフィールドに第1商品の状態に関するメッセージが入力される。
【0047】
第1商品の状態に関するメッセージは、ユーザが第1冷蔵庫の第1区画を予約する際にユーザが第1商品の状態に応じて選択するメッセージである。例えば、第1商品が余剰分の食品である場合、第1商品の状態に関するメッセージとして、「余っています」とのメッセージが選択されてもよい。また、第1商品が、賞味期限または消費期限が近付いているためにユーザが可及的早急に販売したい食品である場合、第1商品の状態に関するメッセージとして、「今すぐ救って欲しい」とのメッセージが選択されてもよい。また、第1商品の状態に関するメッセージは、第1商品の販売が、第1商品となる食品に関するフードロス削減を意図した販売であることを示すその他のメッセージであってもよい。
【0048】
そして、本変形例においては、制御部120は、貸出予約に基づいて冷蔵庫情報DB130に格納された冷蔵庫情報を更新する際に、予約情報に含まれていた第1商品の状態に関するメッセージも冷蔵庫情報として冷蔵庫情報DB130に格納する。したがって、本変形例においては、冷蔵庫情報DB130に格納された冷蔵庫情報には、各冷蔵庫30の各区画31において販売中または販売予定の商品の状態に関するメッセージが含まれている。
【0049】
さらに、本変形例において、制御部120は、複数の冷蔵庫30それぞれにおいて販売される商品を検索可能な検索用画像をネットワーク上に公開する。これにより、購入者端末300において、各冷蔵庫30において販売中の商品を検索するために検索用画像を表示させることが可能となる。
【0050】
この検索用画像には検索条件が含まれる。検索条件には、例えば、商品の種別が含まれる。さらに、検索条件には、商品の状態に関するメッセージも含まれている。
図11は、購入者端末300において表示される検索用画像の一例を示す図である。
図11に示す検索用画像においては、検索条件として、商品の状態に関する複数のメッセージ(例えば、上述した「余っています」とのメッセージ、および、「今すぐ救って欲しい」とのメッセージ等)が列挙されている。この検索用画像上において、購入者は、検索条件とすべきメッセージを選択することができる。
【0051】
本変形例によれば、購入者は、購入者端末300において、商品の状態に関するメッセージに基づいて、購入を検討する商品を検索することが可能となる。そのため、購入者は、商品の状態に基づいて、自身が購入する商品を選択することができる。これにより、購入者のフードロス削減への関心度合いを高めることができる。したがって、本変形例によれば、冷蔵庫シェアシステム1によるフードロス削減への貢献度をより向上させることができる。
【0052】
上記の各実施形態においては、冷蔵庫30が、本開示に係る「陳列棚」に相当する。なお、冷蔵庫30は冷蔵機能に加え冷凍機能を有していてもよい。また、冷蔵庫30は冷凍庫であってもよい。また、本開示に係る「陳列棚」は、冷蔵機能および/または冷凍機能を有するものに限られるものではない。また、本開示に係る「商品」は必ずしも食品でなくてもよい。ただし、上述したように、本開示を、食品販売のための冷蔵庫または冷凍庫等の「陳列棚」のシェアシステムに適用することは、フードロス削減の観点で特に有益である。
【0053】
<その他の実施形態>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。また、本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0054】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0055】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、または光学式カードのような、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0056】
1・・・冷蔵庫シェアシステム
30・・冷蔵庫
31・・区画
100・・管理サーバ
110・・通信部
120・・制御部
130・・冷蔵庫情報データベース
200・・ユーザ端末
300・・購入者端末
【要約】
【課題】本開示は、商品を販売することを希望するユーザの要望に対してよりフレキシブルに対応することが可能な技術を提供することを目的とする。
【解決手段】情報処理装置は、それぞれが商品陳列用の複数の区画を有する複数の陳列棚それぞれの設置場所についての情報、および、各陳列棚における各区画の利用状況についての情報を含む棚情報をユーザに提供する。そして、情報処理装置は、ユーザが棚情報に基づいて選択した第1陳列棚および第1区画についての情報、並びに、ユーザが第1陳列棚の第1区画の使用を希望する第1使用期間についての情報を含む予約情報を取得する。さらに、情報処理装置は、予約情報に基づいて、第1陳列棚の第1区画の前記ユーザへの貸出予約を成立させる。
【選択図】
図6