(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-18
(45)【発行日】2022-11-29
(54)【発明の名称】サンプルからのターゲットのサイズ排除クロマトグラフィー分離または脱塩における並列の分離および洗浄
(51)【国際特許分類】
B01D 15/00 20060101AFI20221121BHJP
G01N 30/46 20060101ALI20221121BHJP
B01D 15/34 20060101ALI20221121BHJP
【FI】
B01D15/00 101A
G01N30/46 A
B01D15/00 G
B01D15/34
(21)【出願番号】P 2019546892
(86)(22)【出願日】2018-02-23
(86)【国際出願番号】 EP2018054595
(87)【国際公開番号】W WO2018158164
(87)【国際公開日】2018-09-07
【審査請求日】2020-12-11
(32)【優先日】2017-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】597064713
【氏名又は名称】サイティバ・スウェーデン・アクチボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【氏名又は名称】崔 允辰
(74)【代理人】
【識別番号】100207158
【氏名又は名称】田中 研二
(72)【発明者】
【氏名】クリステル・オロフ・エリクソン
【審査官】瀧 恭子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-263537(JP,A)
【文献】特開平08-224720(JP,A)
【文献】特開2004-003967(JP,A)
【文献】国際公開第2008/048395(WO,A1)
【文献】特表2009-511900(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0091063(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0218286(US,A1)
【文献】特開平10-236593(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D15/00-15/42
B01J20/281-20/292
G01N30/00-30/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムの中でサンプルからターゲットのサイズ排除クロマトグラフィー分離(SEC)または脱塩を実施するための方法であって、前記方法は、
i)
同じ分離媒体を含み、且つ同一の性能を有する少なくとも3つのカラム(A、B、C、…)を備えたシステムを提供するステップであって、前記少なくとも3つのカラム(A、B、C、…)のうちの少なくとも2つが、同時に直列に接続可能になっている、ステップと、
ii)前記ターゲットを含有するカラムを前記カラムのうちの別のカラムと直列に接続するステップと、
iii)前記ターゲットを含有する前記カラムから前記カラムのうちの前記別のカラムへ、前記ターゲットが第1のバッファー溶液を備えるバッファーのフローによって輸送されているときに、同時に洗浄流体によって少なくとも1つのさらなるカラムを洗浄するステップと
を含み、
前記洗浄するステップは、第1の検出器が、前記ターゲットを含有する前記カラムから前記別のカラムへ前記バッファーのフローによって輸送されている前記ターゲットを検出した場合に開始さ
れ、
前記方法は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)または脱塩システムのための前記方法であり、前記少なくとも3つのカラムは、サンプルからターゲットを分離するための4つのカラムを含み、前記ターゲットは、収集される前に、3つのまたは4つのカラムを通過し、それぞれのカラムは、入口部および出口部を有しており、前記入口部および前記出口部は、少なくとも2つのクロマトグラフィーカラムを直列に、および、他のクロマトグラフィーカラムのうちの1つを洗浄流体のフローに選択的に同時に接続するためのバルブ構成体に流体接続可能になっており、前記バルブ構成体は、バッファー溶液を入力するための第1の入口部と、洗浄流体を入力するための第2の入口部と、前記クロマトグラフィーカラムから流体を受け入れるための入口部と、廃棄物構成体またはターゲット収集構成体へ流体を転向させるためのバルブ手段につながる第1の出口部とを含み、
前記システムは、
前記ターゲットの存在を検出するための第1の検出器と、
前記ターゲットの存在を検出するための第2の検出器と、
バッファーおよび洗浄流体をポンプ送りするための1つまたは複数のポンプと、
第1のバッファー溶液の供給部と、
前記洗浄流体の供給部と、
SECカラムの中へサンプルを注入するための手段と
をさらに含む、方法。
【請求項2】
システムの中でサンプルからターゲットのサイズ排除クロマトグラフィー分離(SEC)または脱塩を実施するための方法であって、前記方法は、
i)
同じ分離媒体を含み、且つ同一の性能を有する少なくとも3つのカラム(A、B、C、…)を備えたシステムを提供するステップであって、前記少なくとも3つのカラム(A、B、C、…)のうちの少なくとも2つが、同時に直列に接続可能になっている、ステップと、
ii)前記ターゲットを含有するカラムを前記カラムのうちの別のカラムと直列に接続するステップと、
iii)前記ターゲットを含有する前記カラムから前記カラムのうちの前記別のカラムへ、前記ターゲットが第1のバッファー溶液を備えるバッファーのフローによって輸送されているときに、同時に洗浄流体によって少なくとも1つのさらなるカラムを洗浄するステップと
を含み、
前記洗浄するステップは、第1の検出器が、前記ターゲットを含有する前記カラムから前記別のカラムへ前記バッファーのフローによって輸送されている前記ターゲットを検出した場合に開始さ
れ、
前記方法は、サンプルからターゲットを分離するための4つのカラムを含むサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)または脱塩システムのための前記方法であり、前記ターゲットは、収集される前に、3つのカラムを通過し、それぞれのカラムは、入口部および出口部を有しており、それぞれのカラムは、バルブ構成体、たとえば、マルチポジションバルブに流体接続可能になっており、前記バルブ構成体は、クロマトグラフィーカラムのうちの2つだけを直列に、および、他のクロマトグラフィーカラムのうちの1つを洗浄流体のフローに選択的に同時に接続するように構成されており、バルブは、バッファー溶液を入力するための第1の入口ポートと、洗浄流体を入力するための第2の入口ポートと、前記クロマトグラフィーカラムから流体を受け入れるための入口ポートと、廃棄物構成体またはターゲット収集構成体へ流体を転向させるためのバルブ手段につながる第1の出口ポートとを含み、
前記システムは、
前記ターゲットの存在を検出するための第1の検出器と、
前記ターゲットの存在を検出するための第2の検出器と、
バッファーおよび洗浄流体をポンプ送りするための複数のポンプと、
第1のバッファー溶液の供給部と、
前記洗浄流体の供給部と、
SECカラムの中へサンプルを注入するための手段と
をさらに含み、
前記方法は、
a) i)第3のカラムの入口部が、洗浄流体の供給部に接続され、第1のカラムの出口部が、第2のカラムの入口部に接続され、前記第1のカラムの入口部、および、随意的に、第4のカラムの入口部が、第1のバッファーの前記供給部に接続され、前記第2の、第3の、および第4のカラムの出口部が、廃棄物構成体へ方向付けされるように、前記バルブ構成体を位置決めするステップと、
ii)前記第1のカラムの前記出口部と前記第2のカラムの前記入口部との間に前記第1の検出器を配置するステップと、
iii)前記ターゲットを含有するサンプルSを前記第1のカラムの前記入口部の中へ注入するステップと、
iv)その後に、前記ターゲットが前記第1の検出器を通過して前記第2のカラムに進入するまで、前記第3のカラムの中へ洗浄流体をポンプ送りし、少なくとも前記第1のカラムおよび随意的に前記第4のカラムの前記入口部の中へ、第1のバッファーをポンプ送りするステップと、
b) i)前記第2のカラムの前記出口部が、前記第3のカラムの前記入口部に接続され、前記第2のカラムの前記入口部、および、随意的に、前記第1のカラムの前記入口部が、前記第1のバッファーの前記供給部に接続され、前記第4のカラムの前記入口部が、洗浄流体の前記供給部に接続されるように、前記バルブを位置決めするステップと、
ii)前記第2のカラムの前記出口部と前記第3のカラムの前記入口部との間に前記第1の検出器を配置するステップと、
iii)その後に、前記ターゲットが前記第1の検出器を通過して前記第3のカラムに進入するまで、前記第4のカラムの中へ洗浄流体をポンプ送りし、一方、少なくとも前記第2のカラムの前記入口部の中へ第1のバッファーをポンプ送りするステップと、
c) i)前記第3のカラムの前記出口部が、廃棄物構成体またはターゲット収集構成体へ流体を転向させるためのバルブ手段に接続され、前記第3のカラムの前記入口部が、バッファーの前記供給部に接続され、前記第4のカラムの前記出口部が、前記第1のカラムの前記入口部に接続され、前記第1のカラムおよび第2のカラムの前記出口部が、前記廃棄物構成体に接続されるように、前記バルブを位置決めするステップと、
ii)前記第4のカラムの前記出口部と前記第1のカラムの前記入口部との間に前記第1の検出器を配置し、前記第3のカラムの前記出口部と前記ターゲット収集構成体の前記入口部との間に前記第2の検出器を配置するステップと、
iii) 前記ターゲットが前記第1の検出器を通過して前記ターゲット収集構成体に進入するまで、前記第2のカラムの中へ洗浄流体をポンプ送りし、少なくとも前記第3のカラムの前記入口部の中へ第1のバッファーをポンプ送りするステップと
を含む、方法。
【請求項3】
前記別のカラムの出口部を洗浄された前記さらなるカラムの入口部に接続する後続のステップであって、その後に、洗浄された前記カラムの出口部から前記ターゲットを収集する、ステップをさらに含む、請求項1
又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記別のカラムの出口部から、任意の順序で、洗浄された前記さらなるカラムおよび1つまたは複数の追加的なカラムを通して、前記ターゲットを直列に輸送し、最後の前記追加的なカラムまたは洗浄された前記さらなるカラムから前記ターゲットを最後に収集するステップをさらに含む、請求項1
又は2に記載の方法。
【請求項5】
a) i)第3のカラムの入口部が、洗浄流体の供給部に接続され、第1のカラムの出口部が、第2のカラムの入口部に接続され、前記第1のカラムの入口部、および、随意的に、第4のカラムの入口部が、第1のバッファーの前記供給部に接続され、前記第2の、第3の、および第4のカラムの出口部が、廃棄物構成体へ方向付けされるように、前記バルブ構成体を動作させるステップと、
ii)前記第1のカラムの前記出口部と前記第2のカラムの前記入口部との間に前記第1の検出器を配置するステップと、
iii)前記ターゲットを含有するサンプルSを前記第1のカラムの前記入口部の中へ注入するステップと、
iv)その後に、前記ターゲットが前記第1の検出器を通過して前記第2のカラムに進入するまで、前記第3のカラムの中へ洗浄流体をポンプ送りし、少なくとも前記第1のカラムおよび随意的に前記第4のカラムの前記入口部の中へ、第1のバッファーをポンプ送りするステップと、
b) i)前記第2のカラムの前記出口部が、前記第3のカラムの前記入口部に接続され、前記第2のカラムの前記入口部、および、随意的に、前記第1のカラムの前記入口部が、前記第1のバッファーの前記供給部に接続され、前記第4のカラムの前記入口部が、洗浄流体の前記供給部に接続されるように、前記バルブ構成体を動作させるステップと、
ii)前記第2のカラムの前記出口部と前記第3のカラムの前記入口部との間に前記第1の検出器を配置するステップと、
iii)その後に、前記ターゲットが前記第1の検出器を通過して前記第3のカラムに進入するまで、前記第4のカラムの中へ洗浄流体をポンプ送りし、一方、少なくとも前記第2のカラムの前記入口部の中へ第1のバッファーをポンプ送りするステップと、
c) i)前記第3のカラムの前記出口部が、前記第4のカラムの前記入口部に接続され、前記第3のカラムの前記入口部、および、随意的に、前記第2のカラムの前記入口部が、前記第1のバッファーの前記供給部に接続され、前記第1のカラムの前記入口部が、洗浄流体の前記供給部に接続されるように、前記バルブ構成体を動作させるステップと、
ii)前記第3のカラムの前記出口部と前記第4のカラムの前記入口部との間に前記第1の検出器を配置するステップと、
iii)その後に、前記ターゲットが前記第1の検出器を通過して前記第4のカラムに進入するまで、前記第1のカラムの中へ洗浄流体をポンプ送りし、一方、少なくとも前記第3のカラムの前記入口部の中へ第1のバッファーをポンプ送りするステップと、
d)i)前記第4のカラムの前記出口部が、廃棄物構成体またはターゲット収集構成体へ流体を転向させるためのバルブ手段に接続され、前記第3のカラムの前記入口部が、洗浄流体の前記供給部に接続され、前記第1のカラムの前記出口部が、前記第2のカラムの前記入口部に接続され、前記第2のカラムおよび第3のカラムの前記出口部が、前記廃棄物構成体に接続されるように、前記バルブ構成体を動作させるステップと、
ii)前記第1のカラムの前記出口部と前記第2のカラムの前記入口部との間に前記第1の検出器を配置し、前記第4のカラムの前記出口部と前記ターゲット収集構成体の前記入口部との間に前記第2の検出器を配置するステップと、
iii)前記ターゲットが前記第1の検出器を通過して前記ターゲット収集構成体に進入するまで、前記第3のカラムの中へ洗浄流体をポンプ送りし、少なくとも前記第4のカラムの前記入口部の中へ第1のバッファーをポンプ送りするステップと
をさらに含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項6】
前記方法を繰り返すステップであって、それぞれの繰り返しにおいて、それぞれのカラムの指定は、基本4つの中で1つだけ減少させられ、前記第2のカラムが、前記第1のカラムに再指定され、前記第1のカラムが、前記第4のカラムに再指定され、前記第3のカラムが、前記第2のカラムに再指定され、前記第4のカラムが、前記第3のカラムに再指定されるようになっている、ステップを含む、
請求項2又は5に記載の方法。
【請求項7】
それぞれのカラムの中への流量は、実質的に同一になるように制御される、請求項1から
6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
クロマトグラフィー分離を実施するために相互接続になっている、複数のカラムを含むクロマトグラフィーシステムであって、前記クロマトグラフィーシステムは、少なくとも3つの実質的に同一のSECまたは脱塩カラム(A、B、C…)を含み、それぞれのカラムは、入口部(Ai、Bi、Ci…)および出口部(Ao、Bo、Co、…)を有しており、また、任意の時間において、クロマトグラフィーカラムのうちの2つだけを選択的に直列に接続するための
マルチポジションバルブ構成体に流体接続可能になっており、
前記マルチポジションバルブ構成体は、バッファー溶液を入力するための第1の入口ポートと、バッファー溶液を入力するための第2の入口ポートと、洗浄溶液を入力するための第3の入口ポートと、廃棄物構成体につながる第1の出口ポートと、ターゲット収集構成体につながる第2の出口ポートと、4つのカラムのうちの3つに同時に接続可能な第3の、第4の、および第5の出力とを含み、
前記クロマトグラフィーシステムは、
前記
マルチポジションバルブ構成体に接続された、ターゲット物質の存在を検出するための第1の検出器と、
前記
マルチポジションバルブ構成体に接続された、前記ターゲット物質の存在を検出するための第2の検出器と、
前記第1の入口ポートの中へ流体を注入するための第1のポンプと、
前記第2の入口ポートの中へ流体を注入するための第2のポンプと、
前記第3の入口ポートの中へ流体を注入するための第3のポンプと、
第1のバッファー溶液の供給部と、
前記洗浄溶液の供給部と、
カラムの中へサンプルをロードするための手段と
をさらに含むことを特徴とする、クロマトグラフィーシステム。
【請求項9】
前記クロマトグラフィーシステムは、N個のカラムを含み、Nは3以上であり、前記クロマトグラフィーシステムには制御手段が設けられており、前記制御手段は、前記第1の検出器及び前記第2の検出器をモニタリングするように配置されており、また、前記第1のポンプ、前記第2のポンプ、及び前記第3のポンプ、および、カラムの中へサンプルをロードするための手段を制御するように配置されている、請求項
8に記載のクロマトグラフィーシステム。
【請求項10】
前記制御手段は、分離サイクルを実施するように適合されており、前記分離サイクルは、直列のN-1個のカラムにわたって実施されるように配置されており、残りのカラムは、前記分離サイクルの間に洗浄を受けている、請求項
9に記載のクロマトグラフィーシステム。
【請求項11】
前記制御手段は、分離サイクルを実施するように適合されており、前記分離サイクルは、直列のN個のカラムにわたって実施されるように配置されており、少なくとも1つのカラムは、前記分離サイクルの間に洗浄を受けている、請求項
9に記載のクロマトグラフィーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロマトグラフィーに関し、より具体的には、複数のカラムを含むクロマトグラフィーシステムの中の1つまたは複数のクロマトグラフィーカラムの洗浄を同時に実施しながら、クロマトグラフィーを実施するための方法およびシステムに関する。より具体的には、本発明は、疑似移動床クロマトグラフィーシステムがサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)または脱塩を実施している間の、疑似移動床クロマトグラフィーシステムの中のカラムの並列の洗浄に関する。
【背景技術】
【0002】
サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)は、分子がカラムの中のSEC媒体を通過するときに、サイズの差にしたがって分子を分離する。SEC媒体は、化学的なおよび物理的な安定性および不活性(すなわち、反応性の特性および吸着性の特性を欠いている)を有する球形の粒子の多孔性のマトリックスから構成される。分離を実施するために、媒体が、カラムの中へ詰め込まれ、充填床を形成する。充填床は、バッファーと平衡に保たれており、バッファーは、マトリックスの細孔、および、粒子同士の間のスペースを充填している。細孔の内側の液体または固定相が、粒子の外側の液体または移動相と平衡状態になっている。小さい分子は、媒体の細孔に進入して遅らせられ、一方、媒体に進入するには大き過ぎる大きい分子は、邪魔されずにカラムを通過する。高い分子量の分子が最初にSECカラムから離れ、低い分子量の分子が最後にカラムを離れる、典型的なSECラン(run)の結果の例が、
図2b)に示されている。したがって、イオン交換またはアフィニティークロマトグラフィーとは異なり、分子は、クロマトグラフィー媒体に結合せず、したがって、バッファー組成は、分離度(カラムを離れる分子のピーク同士の間の分離の程度)に直接的に影響を与えない。結果的に、SECの重大な利点は、分離を変更することなく、サンプルのタイプ、または、さらなる精製、分析、もしくは貯蔵に関する要件に適するように、条件が変化させられ得るということである。カラムの長さが増加するにつれて、より長くなる時間にわたって、より小さい分子が遅れるので、カラムが長くなればなるほど、分離度は良くなるが、しかし、カラムは、より大きい背圧を有しており、カラムがどれ程長くなることができるかについて実用的な限界が存在している。疑似移動床(SMB)として知られる方法が、この問題を克服するために使用され、これは、合計で所望の長さのカラムを複数のカラムへと分割することによって実現され、複数のカラムは、直列に接続される。圧力降下は、それによって、複数のカラムと同じ合計長さを有する単一のカラムに対して経験されることとなる圧力降下の何分の1かに低減される。
図1a)および
図1b)は、長さLの1つの長いカラム1(
図1a)に示されている)を含むシステムに対する圧力降下dPと、単一のカラムと同じ合計長さおよび体積を有する3つの同一のカラムA、B、C(
図1b)に示されている)を含むシステムに対する圧力降下との間の理論的な比較を示している。流体は、それぞれ、カラム1の上部およびカラムAの上部に供給され、それぞれ、カラム1のベースおよびカラム3のベースから抽出される。抽出された流体は、検出器Dを通過し、次いで、バルブを通過し、バルブは、廃棄物経路Wまたは貯蔵Sへ流体を方向付けすることが可能である。バルブは、検出器Dによって制御される。すなわち、検出器Dがターゲット分子の存在を検出するときには、バルブは、必要に応じて、廃棄物または貯蔵へ流体を送達するように制御され得る。明確に見ることができるように、カラムA、B、Cの合計長さは、カラム1の合計長さと同じであるので、3つのカラムA~Cのそれぞれに対する理論的な圧力降下は、単一のカラム1に対する圧力降下の3分の1だけである。しかし、2つのカラムだけが、任意の時間に直列に接続される必要があるので(たとえば、実線によって示されているようにカラムAおよびB、ならびに、点線によって示されているようにカラムBおよびC)、クロマトグラフィーランの間の実際の圧力降下は、2/3dPである。
【0003】
サンプルは、通常は、均一濃度で溶出され、したがって、分離の間に異なるバッファーを使用する必要がない。しかし、ランニングバッファーまたはアルカリ溶液を使用する洗浄ステップ(定置洗浄(CIP)としても知られる)は、通常、分離の終わりに含まれ、カラムの上に保持されている可能性のある分子を除去し、新しいランのためにカラムを準備する。分離媒体が、特定の長さの時間にわたって、たとえば、10分にわたって、洗浄流体を受ける必要があるので、そのような洗浄ステップは時間を要し、カラムは、洗浄ステップが完了するまで、使用のために利用できない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの態様では、本発明は、本発明による方法において使用するための、複数の実質的に同一にパッキングされたサイズ排除クロマトグラフィーカラムを含むクロマトグラフィーシステムに関する。
【0005】
別の態様では、本発明は、洗浄ステップと並列に分離が起こることができる、サイズ排除クロマトグラフィーシステムを動作させる方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1b】
図1a)のカラムと同じ合計長さを有する、直列に配置された複数のカラムを含むシステムを概略的に示す図である。
【
図2a】SECカラムの中のSECランに関して、時間に対する、280nmの波長を有するUV光の吸収の典型的なグラフ、および、脱塩カラムの中の脱塩ランに関して、時間に対する伝導度の典型的なグラフをそれぞれ示す図である。
【
図2b】SECカラムを通過したカラム体積に対して、吸光度の典型的なグラフを示す図である。
【
図3a】本発明によるSECまたは脱塩システムの例を概略的に示す図である。
【
図3b】
図3a)のマルチポジションバルブの概略拡大図である。
【
図4】
図3のシステムを使用する複数のサイクルを含む、本発明による方法の中のステップを示す図である。
【
図5】
図3のシステムを使用する複数のサイクルを含む、本発明による方法の中のステップを示す図である。
【
図6】
図3のシステムを使用する複数のサイクルを含む、本発明による方法の中のステップを示す図である。
【
図7】
図3のシステムを使用する複数のサイクルを含む、本発明による方法の中のステップを示す図である。
【
図8】
図3のシステムを使用する複数のサイクルを含む、本発明による別の方法の中のステップを示す図である。
【
図9】
図3のシステムを使用する複数のサイクルを含む、本発明による別の方法の中のステップを示す図である。
【
図10】
図3のシステムを使用する複数のサイクルを含む、本発明による別の方法の中のステップを示す図である。
【
図11】
図3のシステムを使用する複数のサイクルを含む、本発明による別の方法の中のステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、少なくとも1つのターゲット分子またはターゲット分子のグループ(簡潔さのために以下では単に「ターゲット」と呼ばれる)を、複数のSEC媒体を含有するカラムを含む疑似移動床クロマトグラフィーシステム(SMBシステム)の中のサンプルから分離するために、サイズ排除クロマトグラフィーを使用する方法に関し、そこでは、分離プロセスの間に、システムの中の少なくとも1つの媒体を含有するカラムが洗浄される。
【0008】
そのようなシステムの1つの実施形態が、
図3に概略的に示されている。システム30は、この実施形態では、4つのクロマトグラフィーカラムA、B、C、Dを含む。それぞれのカラムは、分離媒体(33)を含有している。好ましくは、カラムは、実質的に同一の性能を有しており、好ましくは、同じ分離媒体およびパッキングプロトコルが、すべてのカラムの中で使用されている。実質的に同一のカラムを有することは、クロマトグラフィーサイクルの結果が、カラムが使用される順序から独立しているということを保証する。それぞれのカラムは、慣習にしたがっており、一方の端部において、入口部Ai、Bi、Ci、Diを有しており、反対側端部において、出口部Ao、Bo、Co、Doを有している。システムは、マルチポジションバルブ構成体35を含み、マルチポジションバルブ構成体35は、複数のポートP1、P2…、Pmを含み、複数のポートP1、P2…、Pmのそれぞれは、流体ラインによって、システムの中の他のコンポーネントのうちの1つに接続され得る。カラムのそれぞれの入口部および出口部は、流体ラインによって、マルチポジションバルブ35の個々の1つのポートに接続可能になっている。バルブ35は、任意のカラムの出口部を任意の他のカラムの入口部に接続するように配置され得、たとえば、カラムAの出口部AoをカラムBの入口部Biに接続するように配置され得る。このように、任意のカラムの中の流体は、任意の他のカラムへ直列に移送され得る。バルブは、バッファーが他のカラムのうちの2つ以上の入口部に同時に提供され得るように、および、洗浄流体が残りのカラムの入口部に提供され得るように、さらに配置されている。これは、たとえば、バルブ35によって実現され得、バルブ35は、内部通路を備えたローターを有しており、ローターは、バルブのポート同士の間に必要とされる接続を提供するためにステーターの中で回転させられ得る。
【0009】
システムは、ターゲット41を含有するサンプルもしくは他の流体39(簡潔さのために以下では「サンプル」と呼ばれる)、および、シリンジもしくはコンテナ、および、ポンプもしくは重力送り式のライン42、または、流体ラインへ、もしくは、バルブのサンプル導入ポート「Psample」への他の入口部へ、サンプルを給送するための他の手段を設けられている。
【0010】
システムは、バルブのバッファー入口ポートに接続可能なバッファー流体43の供給源と、バルブの洗浄流体入口ポートに接続可能な洗浄流体45(たとえば、水酸化ナトリウムの溶液)の供給源と、バルブの入口ポートおよび検出器出口ポートに接続可能な第1のセンサー47Aを含む第1のセンサーラインと、バルブの入口ポートおよび検出器出口ポートに接続可能な第2のセンサー47Bを含む第2のセンサーラインとをさらに含む。センサー47A、47Bは、たとえば、タンパク質の検出のための任意のタイプの適当なセンサーであることが可能であり、それは、1つのUV光波長、または、好ましくは、2つ以上のUV光波長に敏感なUV吸収検出器であることが可能である。そのようなUV検出器は、当技術分野で良く知られており、流体を通過するUV光のタンパク質による吸収を検出する。システムが、たとえば、脱塩など、他の目的のために使用されることとなる場合に、センサーは、当技術分野で良く知られているタイプの伝導度センサーであることが可能である。ポンプ49A、49Bまたは他の流体駆動手段、たとえば、重力が、マルチポジションバルブ35のそれぞれのポートへのバッファー流体および洗浄流体を可能にするために提供される。マルチポジションバルブ35は、廃棄物経路Wにつながる1つの出口ポートと、ターゲット収集容器Sまたは経路につながるさらなる出口部とをさらに提供されている。制御手段51、たとえば、コンピューター、マイクロプロセッサー、適当なソフトウェアを備えた制御回路、または手動で操作される制御手段51などが、システムを通るサンプルの所望のフローを実現するように、マルチポジションバルブおよびポンプを制御するために提供されている。
図3b)に示されているシステムは、さまざまなコンポーネントを概略的に図示しており、さまざまなコンポーネントは、個別に公知であり、したがって、それらの構築の詳細な説明はここでは含まれていないということが認識されることとなる。さらに、許容可能な性能を提供することとなる代替的なコンポーネントが、当業者に明らかであることとなる。たとえば、マルチポジションバルブ35の使用は、そのようなバルブ構成体がコンパクトなバルブを提供するので好適であるが、たとえば、システムが使い捨てのハードウェアとして製造されるとした場合には、全体的により低いコストのバルブ構成体を提供するために、そのようなマルチポジションバルブは、個別にオン/オフする開/閉タイプのバルブのアレイと交換され得る。そのケースでは、簡単な流体圧力によって活性化される膜バルブが使用され得るか、または、ソレノイド動作式バルブが用いられ得、すべて、本明細書で説明されているマルチポジションバルブに等しい効果を備えている。そのような代替的なバルブアレイは、制御手段51によって制御されることとなり、バルブが、下記に説明されている所望の流路を提供するために正しい順序で開閉するようになっている。
【0011】
ターゲットの良好な分離度を実現するために、および、クロマトグラフィーシステムの利用を最大化するために、下記に説明されているステップによる少なくとも1つの分離サイクルを含む方法が提供されており、下記に説明されているステップは、ポンプおよびバルブを制御するために、手動で、または、制御手段ならびに適当なソフトウェアおよびハードウェアを使用することによって実施され得る。本方法は、カラムが複数のサイクルに関して使用されるときに、それぞれのカラムが、おおよそ同じ摩耗を受けるということを保証することを意図しており、すなわち、それぞれのカラムが等しく利用されるということを保証することを意図しており、また、洗浄ステップの間に、それぞれのカラムの中の媒体が、十分な洗浄を保証するのに十分な時間の長さにわたって、洗浄流体に露出されるということを保証するということを意図している。これは、ターゲットが2つの他のカラムの中におよび/またはその間に流れているのと同時に、少なくとも1つのカラムに洗浄流体を提供することによって実現される。第1のカラムからの出口部を第2のカラムの入口部に接続する流体ラインの中に位置決めされているセンサーによって作り出される信号を検討することによって、カラム同士の間でフローを切り替えることが開始させられる。ターゲットが第1のカラムを離れ、ターゲットが第2のカラムに進入するのに十分な時間が経過したということを、信号が示すときには、マルチポジションバルブが活性化され、第2のカラムの入口部をバッファーの供給部に接続し、また、第2のカラムの出口部を第3のカラムの入口部に直列に接続する。これは、ターゲットが第2のカラムを通過して第3のカラムの中へ入ることを引き起こす。同時に、洗浄バッファーが、第1のカラムの中へその入口部を介して入力され得、一方、第1のカラムの出口部が、廃棄物に接続される。これは、カラムの中で遅れている望ましくないより小さい分子が、任意の後続のカラムを通過することを伴って、廃棄物へ直接的に送られ、それによって、これらのカラムの負荷を低減させるという利点を提供する。方法の1つの例では、ターゲットは、サイクルの中で分離され得、サイクルは、複数のカラムのうちの1つを除くすべてを通して、たとえば、4つのカラムのうちの3つを通して、サンプルを直列に通過させることを含む。
【0012】
方法は、実質的に連続的な使用に適合させられ得、初期に第1のカラムの上にロードされた1つのサンプルからのターゲットが分離および収集されるとすぐに、システムが、初期に以前のサンプルを受け入れた以前のカラムと同じではないカラムの上に新しいサンプルをロードされる準備ができているようになっている。好ましくは、サンプルのローディングが第1のカラムによって再び開始する前に、それぞれのカラムが順番に初期にサンプルを受け入れるように、サンプルのローディングは配置されている。これは、カラムは、おおよそ同じ摩耗を受けるということ意味している。
【0013】
ターゲットをサンプルから分離するためのサイズ排除クロマトグラフィーに関する方法の例が、
図4から
図7に図示されており、そこでは、サンプルが、一連のサイクルの中でロードされ得、それぞれの一連のものは、4つのサイクルを含み、それぞれのサイクルの中で、サンプルが、異なるカラムの上にロードされる。それぞれのサイクルは、3つのステップを含む。
【0014】
図4a)は、第1のサイクルの第1のステップにおける4つのカラムの初期の状態および最終的な状態を示している。第1のサイクルの第1のステップの初期の状態では、
図4a)の左側に示されているように、カラムAおよびDは、バッファーによって充填されており、カラムBおよびCは、洗浄流体、たとえば、NaOHによって充填されている。カラムA、C、およびDの入口部が、バッファーのフローに接続されており、カラムAの出口部が、UV検出器を介してカラムBの入口部に接続されており、カラムB、C、およびDの出口部が、廃棄物に接続されているように、マルチポジションバルブは配置されている。この第1のステップは、カラムAの入口部に進入するバッファーのフローの中へサンプルが注入されることによって開始される。これは、サンプルがカラムAを通ってトラベルすることを引き起こす。検出器は、カラムAを退出する流体をモニタリングしており、ターゲットが検出器を通過してカラムBに進入したということを示す信号が検出されるときに、第1のサイクルの第1のステップが完了されている。これは、
図4a)の右側の最終状態に示されている。次いで、マルチポジションバルブは、第1のサイクルの第2のステップが開始することができるように調節される。
【0015】
第1のサイクルの第2のステップの初期の状態では、
図4b)の左側に示されているように、すべてのカラムが、バッファーによって充填されている。カラムAおよびBの入口部が、バッファーのフローに接続されており、カラムDの入口部が、洗浄流体のフローに接続されており、カラムBの出口部が、UV検出器を介してカラムCの入口部に接続されており、カラムA、C、およびDの出口部が、廃棄物に接続されているように、マルチポジションバルブは配置されている。この第2のステップが開始され、カラムBの入口部に進入するバッファーのフローは、ターゲットがカラムBを通ってカラムCの中へトラベルすることを引き起こす。検出器は、カラムBを退出する流体をモニタリングしており、ターゲットが検出器を通過してカラムCに進入したということを示す信号が検出されるときに、第1のサイクルの第2のステップが完了されている。これは、
図4b)の右側の最終状態に示されている。次いで、マルチポジションバルブは、第1のサイクルの第3のステップが開始することができるように調節される。
【0016】
第1のサイクルの第3のおよび最終的なステップの初期の状態では、
図4c)の左側に示されているように、カラムA、B、およびCは、バッファーによって充填されており、一方、カラムDは、洗浄流体によって充填されている。カラムCおよびDの入口部は、バッファーのフローに接続されており、カラムBの入口部は、洗浄流体のフローに接続されており、カラムDの出口部は、UV検出器を介してカラムAの入口部に接続されており、カラムAおよびBの出口部は、廃棄物に接続されており、一方、カラムCの出口部は、第2の検出器を介して出口バルブ(図示せず)に接続されており、出口バルブは、カラムCを離れる流体を廃棄物またはターゲットを収集するためのコンテナのいずれかへ方向付けることが可能であるように、マルチポジションバルブは配置されている。初期には、この出口バルブは、カラムCから離れる流体を廃棄物へ方向付ける。この第3のステップが開始され、カラムCの入口部に進入するバッファーのフローは、ターゲットがカラムCを通ってトラベルすることを引き起こす。第2の検出器が、カラムCを離れる流体の中にターゲット分子の存在を検出すると、出口バルブは、ターゲットを収集するためのコンテナへフローを方向付けるように動作させられ、ターゲットが収集される。ターゲットが収集されると、第1のサイクルの第3のステップが完了される。これは、
図4c)の右側の最終状態に示されている。
【0017】
さらなる分離がシステムの上で起こるべき場合には、次いで、第2のサイクルが開始することが可能である。このサイクルのステップは、
図5a)から
図5c)に示されている。
【0018】
図5a)は、第2のサイクルの第1のステップにおける4つのカラムの初期の状態および最終的な状態を示している。第2のサイクルの第1のステップの初期の状態では、
図5a)の左側に示されているように、カラムCおよびDは、バッファーによって充填されており、カラムAおよびBは、洗浄流体によって充填されている。カラムB、C、およびDの入口部が、バッファーのフローに接続されており、カラムDの出口部が、UV検出器を介してカラムAの入口部に接続されており、カラムA、B、およびCの出口部が、廃棄物に接続されているように、マルチポジションバルブは配置されている。この第1のステップは、カラムDの入口部に進入するバッファーのフローの中へサンプルが注入されることによって開始される。これは、サンプルがカラムDを通ってトラベルすることを引き起こす。検出器は、カラムDを退出する流体をモニタリングしており、ターゲットが検出器を通過してカラムAに進入したということを示す信号が検出されるときに、第2のサイクルの第1のステップが完了されている。これは、
図5a)の右側の最終状態に示されている。次いで、マルチポジションバルブは、第2のサイクルの第2のステップが開始することができるように調節される。
【0019】
第2のサイクルの第2のステップの初期の状態では、
図5b)の左側に示されているように、すべてのカラムが、バッファーによって充填されている。カラムAおよびDの入口部が、バッファーのフローに接続されており、カラムCの入口部が、洗浄流体のフローに接続されており、カラムAの出口部が、UV検出器を介してカラムBの入口部に接続されており、カラムB、C、およびDの出口部が、廃棄物に接続されているように、マルチポジションバルブは配置されている。この第2のステップが開始され、カラムAの入口部に進入するバッファーのフローは、ターゲットがカラムAを通ってカラムBの中へトラベルすることを引き起こす。検出器は、カラムAを退出する流体をモニタリングしており、ターゲットが検出器を通過してカラムBに進入したということを示す信号が検出されるときに、第2のサイクルの第2のステップが完了されている。これは、
図5b)の右側の最終状態に示されている。次いで、マルチポジションバルブは、第2のサイクルの第3のステップが開始することができるように調節される。
【0020】
第2のサイクルの第3のおよび最終的なステップの初期の状態では、
図5c)の左側に示されているように、カラムA、B、およびDは、バッファーによって充填されており、一方、カラムCは、洗浄流体によって充填されている。カラムBおよびCの入口部は、バッファーのフローに接続されており、カラムAの入口部は、洗浄流体のフローに接続されており、カラムCの出口部は、UV検出器を介してカラムDの入口部に接続されており、カラムAおよびDの出口部は、廃棄物に接続されており、一方、カラムBの出口部は、第2の検出器を介して出口バルブ(図示せず)に接続されており、出口バルブは、カラムBを離れる流体を廃棄物またはターゲットを収集するためのコンテナのいずれかへ方向付けることが可能であるように、マルチポジションバルブは配置されている。初期には、この出口バルブは、カラムBから離れる流体を廃棄物へ方向付ける。この第3のステップが開始され、カラムBの入口部に進入するバッファーのフローは、ターゲットがカラムBを通ってトラベルすることを引き起こす。第2の検出器が、カラムBを離れる流体の中にターゲット分子の存在を検出すると、出口バルブは、ターゲットを収集するためのコンテナへフローを方向付けるように動作させられ、ターゲットが収集される。ターゲットが収集されると、第2のサイクルの第3のステップが完了される。これは、
図5c)の右側の最終状態に示されている。
【0021】
さらなる分離がシステムの上で起こるべき場合には、次いで、第3のサイクルが開始することが可能である。このサイクルのステップは、
図6a)から
図6c)に示されている。
【0022】
図6a)は、第3のサイクルの第1のステップにおける4つのカラムの初期の状態および最終的な状態を示している。第3のサイクルの第1のステップの初期の状態では、
図6a)の左側に示されているように、カラムBおよびCは、バッファーによって充填されており、カラムAおよびDは、洗浄流体によって充填されている。カラムA、B、およびCの入口部が、バッファーのフローに接続されており、カラムCの出口部が、UV検出器を介してカラムDの入口部に接続されており、カラムA、B、およびDの出口部が、廃棄物に接続されているように、マルチポジションバルブは配置されている。この第1のステップは、カラムCの入口部に進入するバッファーのフローの中へサンプルが注入されることによって開始される。これは、サンプルがカラムCを通ってトラベルすることを引き起こす。検出器は、カラムCを退出する流体をモニタリングしており、ターゲットが検出器を通過してカラムDに進入したということを示す信号が検出されるときに、第3のサイクルの第1のステップが完了されている。これは、
図6a)の右側の最終状態に示されている。次いで、マルチポジションバルブは、第3のサイクルの第2のステップが開始することができるように調節される。
【0023】
第3のサイクルの第2のステップの初期の状態では、
図6b)の左側に示されているように、すべてのカラムが、バッファーによって充填されている。カラムCおよびDの入口部が、バッファーのフローに接続されており、カラムBの入口部が、洗浄流体のフローに接続されており、カラムDの出口部が、UV検出器を介してカラムAの入口部に接続されており、カラムA、B、およびCの出口部が、廃棄物に接続されているように、マルチポジションバルブは配置されている。この第2のステップが開始され、カラムDの入口部に進入するバッファーのフローは、ターゲットがカラムDを通ってカラムAの中へトラベルすることを引き起こす。検出器は、カラムDを退出する流体をモニタリングしており、ターゲットが検出器を通過してカラムAに進入したということを示す信号が検出されるときに、第3のサイクルの第2のステップが完了されている。これは、
図6b)の右側の最終状態に示されている。次いで、マルチポジションバルブは、第3のサイクルの第3のステップが開始することができるように調節される。
【0024】
第3のサイクルの第3のおよび最終的なステップの初期の状態では、
図6c)の左側に示されているように、カラムA、C、およびDは、バッファーによって充填されており、一方、カラムBは、洗浄流体によって充填されている。カラムAおよびBの入口部は、バッファーのフローに接続されており、カラムDの入口部は、洗浄流体のフローに接続されており、カラムBの出口部は、UV検出器を介してカラムCの入口部に接続されており、カラムCおよびDの出口部は、廃棄物に接続されており、一方、カラムAの出口部は、第2の検出器を介して出口バルブ(図示せず)に接続されており、出口バルブは、カラムAを離れる流体を廃棄物またはターゲットを収集するためのコンテナのいずれかへ方向付けることが可能であるように、マルチポジションバルブは配置されている。初期には、この出口バルブは、カラムAから離れる流体を廃棄物へ方向付ける。この第3のステップが開始され、カラムAの入口部に進入するバッファーのフローは、ターゲットがカラムAを通ってトラベルすることを引き起こす。第2の検出器が、カラムAを離れる流体の中にターゲット分子の存在を検出すると、出口バルブは、ターゲットを収集するためのコンテナへフローを方向付けるように動作させられ、ターゲットが収集される。ターゲットが収集されると、第3のサイクルの第3のステップが完了される。これは、
図6c)の右側の最終状態に示されている。
【0025】
さらなる分離がシステムの上で起こるべき場合には、次いで、第4のサイクルが開始することが可能である。このサイクルのステップは、
図7a)から
図7c)に示されている。
【0026】
図7a)は、第4のサイクルの第1のステップにおける4つのカラムの初期の状態および最終的な状態を示している。第4のサイクルの第1のステップの初期の状態では、
図7a)の左側に示されているように、カラムAおよびBは、バッファーによって充填されており、カラムCおよびDは、洗浄流体によって充填されている。カラムA、B、およびDの入口部が、バッファーのフローに接続されており、カラムBの出口部が、UV検出器を介してカラムCの入口部に接続されており、カラムA、C、およびDの出口部が、廃棄物に接続されているように、マルチポジションバルブは配置されている。この第1のステップは、カラムBの入口部に進入するバッファーのフローの中へサンプルが注入されることによって開始される。これは、サンプルがカラムBを通ってトラベルすることを引き起こす。検出器は、カラムBを退出する流体をモニタリングしており、ターゲットが検出器を通過してカラムCに進入したということを示す信号が検出されるときに、第4のサイクルの第1のステップが完了されている。これは、
図7a)の右側の最終状態に示されている。次いで、マルチポジションバルブは、第4のサイクルの第2のステップが開始することができるように調節される。
【0027】
第4のサイクルの第2のステップの初期の状態では、
図7b)の左側に示されているように、すべてのカラムが、バッファーによって充填されている。カラムBおよびCの入口部が、バッファーのフローに接続されており、カラムAの入口部が、洗浄流体のフローに接続されており、カラムCの出口部が、UV検出器を介してカラムDの入口部に接続されており、カラムA、B、およびDの出口部が、廃棄物に接続されているように、マルチポジションバルブは配置されている。この第2のステップが開始され、カラムCの入口部に進入するバッファーのフローは、ターゲットがカラムCを通ってカラムDの中へトラベルすることを引き起こす。検出器は、カラムCを退出する流体をモニタリングしており、ターゲットが検出器を通過してカラムDに進入したということを示す信号が検出されるときに、第4のサイクルの第2のステップが完了されている。これは、
図7b)の右側の最終状態に示されている。次いで、マルチポジションバルブは、第4のサイクルの第3のステップが開始することができるように調節される。
【0028】
第4のサイクルの第3のおよび最終的なステップの初期の状態では、
図7c)の左側に示されているように、カラムB、C、およびDは、バッファーによって充填されており、一方、カラムAは、洗浄流体によって充填されている。カラムAおよびDの入口部は、バッファーのフローに接続されており、カラムCの入口部は、洗浄流体のフローに接続されており、カラムAの出口部は、UV検出器を介してカラムBの入口部に接続されており、カラムBおよびCの出口部は、廃棄物に接続されており、一方、カラムDの出口部は、第2の検出器を介して出口バルブ(図示せず)に接続されており、出口バルブは、カラムDを離れる流体を廃棄物またはターゲットを収集するためのコンテナのいずれかへ方向付けることが可能であるように、マルチポジションバルブは配置されている。初期には、この出口バルブは、カラムDから離れる流体を廃棄物へ方向付ける。この第3のステップが開始され、カラムDの入口部に進入するバッファーのフローは、ターゲットがカラムDを通ってトラベルすることを引き起こす。第2の検出器が、カラムDを離れる流体の中にターゲット分子の存在を検出すると、出口バルブは、ターゲットを収集するためのコンテナへフローを方向付けるように動作させられ、ターゲットが収集される。ターゲットが収集されると、第4のサイクルの第3のステップが完了される。これは、
図7c)の右側の最終状態に示されている。
【0029】
4つのサイクルの間に、それぞれのカラムが、サンプルの初期の注入に関して1度使用され、ターゲットの最終的な分別に関して1度使用された。したがって、それぞれのカラムの負荷は、実質的に等しい。
【0030】
さらなる分離がシステムの上で起こるべき場合には、次いで、新しい一連のサイクルが開始することが可能である。第4のサイクルの最終状態におけるカラムの内容物(すなわち、カラムAおよびDの中にバッファーがあり、カラムBおよびCの中に洗浄流体がある)は、第1のサイクルの初期の状態におけるカラムの内容物と同じであるので、新しい一連のサイクルは、好ましくは、以前の一連のサイクルと同じ順序を辿る。
【0031】
4つのクロマトグラフィーカラムを使用する本発明による一般的な方法では(4つのクロマトグラフィーカラムのうちの3つが、分離サイクルの中でターゲットに露出されることとなる)、サイクルの中の第1のステップにおいて、ターゲット、たとえば、タンパク質(それは、サンプルの中の他の分子から分離されることとなる)を含有するサンプルが、4つのカラムのうちの第1のカラムの中にロードされ、その後に、第3および第4のカラムがバッファーによってフラッシングされている間に、清浄な第2のカラムへ輸送される。
【0032】
ターゲットが、第1のカラムと第2のカラムとの間の流体ラインの中に検出され、第2のカラムに進入すると、サイクルの第2のステップが開始する。第2のカラムが直列に第3のカラムに接続され、ターゲットが第3のカラムへ輸送され、一方、第1のカラムがバッファーによってフラッシングされ、第4のカラムが洗浄溶液によってクリーニングされるように、マルチポジションバルブが動作させられる。
【0033】
ターゲットが、第2のカラムと第3のカラムとの間の流体ラインの中に検出され、第3のカラムに進入すると、サイクルの第3のステップが開始する。第4のカラムが直列に第1のカラムに接続され、カラム4からの洗浄流体が第1のカラムに給送され、一方、ターゲット分子が第3のカラムを通して輸送されるように、バルブが動作させられる。また、洗浄流体は、第2のカラムの中へ給送される。初期には、第3のカラムの出口部は、センサーを介して廃棄物に接続されている。センサーがターゲットを検出すると、センサーからの出力は、ターゲット収集容器へ切り替えられ、ターゲットが、そこに収集される。同時に、第1のカラムは、第4のカラムからの洗浄溶液によってクリーニングされており、一方、第3および第4のカラムは、バッファーによってフラッシングされている。
【0034】
さらなる分離が実施されることとなるときには、次いで、洗浄ステップの後にバッファーによって充填された最後のカラムの中へのサンプルの注入によって、それぞれのものが開始する。
【0035】
本発明による方法の第2の例では、複数のカラムのすべてに、たとえば、4つのカラムのうちの4つに、直列にサンプルを通過させることを含むサイクルの中で、ターゲットは分離され得る。
【0036】
ターゲットをサンプルから分離するためのサイズ排除クロマトグラフィーに関する方法の例が、
図8から
図11に図示されており、そこでは、サンプルが、一連のサイクルの中でロードされ得、それぞれの一連のものは、4つのサイクルを含み、それぞれのサイクルの中で、サンプルが、異なるカラムの上にロードされる。それぞれのサイクルは、高い分離度を実現するために、カラムのうちのすべて4つを使用し、それぞれのサイクルは、4つのステップを含む。
【0037】
図8a)は、第1のサイクルの第1のステップにおける4つのカラムの初期の状態および最終的な状態を示している。第1のサイクルの第1のステップの初期の状態では、
図8a)の左側に示されているように、カラムAおよびDは、バッファーによって充填されており、カラムCは、洗浄流体、たとえば、NaOHによって充填されており、カラムBは、洗浄流体を除去するために、カラムAからのバッファーによってフラッシングされている。カラムAおよびDの入口部が、バッファーのフローに接続されており、カラムCの入口部が、洗浄流体のフローに接続されており、カラムAの出口部が、UV検出器を介してカラムBの入口部に接続されており、カラムB、C、およびDの出口部が、廃棄物に接続されているように、マルチポジションバルブは配置されている。この第1のステップは、カラムAの入口部に進入するバッファーのフローの中へサンプルが注入されることによって開始される。これは、サンプルがカラムAを通ってトラベルすることを引き起こす。検出器は、カラムAを退出する流体をモニタリングしており、ターゲットが検出器を通過してカラムBに進入したということを示す信号が検出されるときに、第1のサイクルの第1のステップが完了されている。これは、
図8a)の右側の最終状態に示されており、ここで、カラムCは、洗浄流体によって実質的に充填されている。次いで、マルチポジションバルブは、第1のサイクルの第2のステップが開始することができるように調節される。
【0038】
第1のサイクルの第2のステップの初期の状態の直後に、
図8b)の左側に示されているように、カラムAおよびBは、バッファーによって充填され、カラムDは、洗浄流体によって充填され始め、カラムCは、洗浄流体を空にされ始める。したがって、カラムAおよびBの入口部が、バッファーのフローに接続されており、カラムDの入口部が、洗浄流体のフローに接続されており、カラムBの出口部が、UV検出器を介してカラムCの入口部に接続されており、カラムA、C、およびDの出口部が、廃棄物に接続されているように、マルチポジションバルブは配置されている。この第2のステップが進行するにつれて、カラムBの入口部に進入するバッファーのフローは、ターゲットがカラムBを通ってカラムCの中へトラベルすることを引き起こす。検出器は、カラムBを退出する流体をモニタリングしており、ターゲットが検出器を通過してカラムCに進入したということを示す信号が検出されるときに、第1のサイクルの第2のステップが完了されている。これは、
図8b)の右側の最終状態に示されており、ここで、カラムCは、洗浄流体によって実質的に充填されている。次いで、マルチポジションバルブは、第1のサイクルの第3のステップが開始することができるように調節される。
【0039】
第1のサイクルの第3のおよび最終的なステップの初期の状態の直後に、
図8c)の左側に示されているように、カラムAおよびCは、バッファーによって充填され、カラムBは、洗浄流体によって充填され始め、一方、洗浄流体によって充填されていたカラムDは、カラムCからの内容物によってフラッシングされている。カラムAおよびCの入口部は、バッファーのフローに接続されており、カラムBの入口部は、洗浄流体のフローに接続されており、カラムCの出口部は、UV検出器を介してカラムDの入口部に接続されており、カラムA、B、およびDの出口部は、廃棄物に接続されているように、マルチポジションバルブは配置されている。検出器は、カラムCを退出する流体をモニタリングしており、ターゲットが検出器を通過してカラムDに進入したということを示す信号が検出されるときに、第1のサイクルの第3のステップが完了されている。これは、
図8c)の右側の最終状態に示されており、ここで、カラムBは、洗浄流体によって実質的に充填されている。次いで、マルチポジションバルブは、第1のサイクルの第4のステップが開始することができるように調節される。
【0040】
第1のサイクルの第4のステップの初期の状態の直後に、
図8d)の左側に示されているように、カラムAおよびDは、バッファーによって充填され、一方、洗浄流体によって充填されていたカラムBは、バッファーによってフラッシングされており、カラムCは、洗浄流体によって充填されている。カラムAおよびDの入口部が、バッファーのフローに接続されており、カラムCの入口部が、洗浄流体のフローに接続されており、カラムAの出口部が、UV検出器を介してカラムBの入口部に接続されており、カラムBおよびCの出口部が、廃棄物に接続されており、一方、カラムDの出口部が、第2の検出器を介して出口バルブ(図示せず)に接続されており、出口バルブは、カラムDを離れる流体を廃棄物またはターゲットを収集するためのコンテナのいずれかへ方向付けることが可能であるように、マルチポジションバルブは配置されている。初期には、この出口バルブは、カラムDから離れる流体を廃棄物へ方向付ける。このステップが開始されると、カラムDの入口部に進入するバッファーのフローは、ターゲットがカラムDを通ってトラベルすることを引き起こす。第2の検出器が、カラムDを離れる流体の中にターゲット分子の存在を検出すると、出口バルブは、ターゲットを収集するためのコンテナへフローを方向付けるように動作させられ、ターゲットが収集される。ターゲットが収集されると、第1のサイクルの第4のステップが完了される。これは、
図8d)の右側の最終状態に示されており、ここで、カラムCは、洗浄流体によって実質的に充填されている。
【0041】
さらなる分離がシステムの上で起こるべき場合には、次いで、第2のサイクルが開始することが可能である。このサイクルのステップは、
図9a)から
図9d)に示されている。
【0042】
図9a)は、第2のサイクルの第1のステップにおける4つのカラムの初期の状態および最終的な状態を示している。カラムAおよびBの入口部が、バッファーのフローに接続されており、カラムDが、洗浄流体のフローに接続されており、カラムBの出口部が、UV検出器を介してカラムCの入口部に接続されており、カラムA、C、およびDの出口部が、廃棄物に接続されているように、マルチポジションバルブは配置されている。第2のサイクルの第1のステップを開始した後に、
図9a)の左側に示されているように、カラムAおよびBは、バッファーによって充填されており、バッファーで満たされていたカラムDは、洗浄流体によって充填されており、洗浄流体によって充填されていたカラムCは、バッファーによって充填されている。この第1のステップは、カラムBの入口部に進入するバッファーのフローの中へサンプルが注入されることによって開始される。これは、サンプルがカラムBを通ってトラベルすることを引き起こす。検出器は、カラムBを退出する流体をモニタリングしており、ターゲットが検出器を通過してカラムCに進入したということを示す信号が検出されるときに、第2のサイクルの第1のステップが完了されている。これは、
図9a)の右側の最終状態に示されている。カラムA、B、およびCは、バッファーを含有しており、カラムDは、洗浄流体を含有している。次いで、マルチポジションバルブは、第2のサイクルの第2のステップが開始することができるように調節される。
【0043】
図9b)に示されている第2のサイクルの第2のステップでは、カラムBおよびCの入口部が、バッファーのフローに接続されており、カラムAの入口部が、洗浄流体のフローに接続されており、カラムCの出口部が、UV検出器を介してカラムDの入口部に接続されており、カラムA、B、およびDの出口部が、廃棄物に接続されているように、マルチポジションバルブは配置されている。この第2のステップが開始され、カラムCの入口部に進入するバッファーのフローは、ターゲットがカラムCを通ってカラムDの中へトラベルすることを引き起こす。第2のサイクルの第2のステップが開始した後に、
図9b)の左側に示されているように、カラムBおよびCは、バッファーによって充填され、カラムDは、洗浄流体によってフラッシングされており、カラムAは、洗浄流体によって充填されている。検出器は、カラムCを退出する流体をモニタリングしており、ターゲットが検出器を通過してカラムDに進入したということを示す信号が検出されるときに、第2のサイクルの第2のステップが完了されている。これは、
図9b)の右側の最終状態に示されている。カラムB、C、およびDは、バッファーを含有しており、カラムAは、洗浄流体を含有している。次いで、マルチポジションバルブは、第2のサイクルの第3のステップが開始することができるように調節される。
【0044】
第2のサイクルの第3のステップでは、
図9c)に示されているように、カラムBおよびDの入口部は、バッファーのフローに接続されており、カラムCの入口部は、洗浄流体のフローに接続されており、カラムDの出口部は、UV検出器を介してカラムAの入口部に接続されており、カラムA、B、およびCの出口部は、廃棄物に接続されているように、マルチポジションバルブは配置されている。ステップの開始時に、カラムB、C、およびDは、バッファーによって充填されており、一方、カラムAは、洗浄流体によって充填されている。
図9c)の左側に示されているように、この第3のステップが開始されると、カラムDの入口部に進入するバッファーのフローは、ターゲットがカラムDを通ってトラベルすることを引き起こす。検出器は、カラムDを退出する流体をモニタリングしており、ターゲットが検出器を通過してカラムAに進入したということを示す信号が検出されるときに、第2のサイクルの第3のステップが完了されている。これは、
図9c)の右側の最終状態に示されている。カラムA、B、およびDは、バッファーを含有しており、カラムCは、洗浄流体を含有しており、ターゲットは、カラムAの中にある。次いで、マルチポジションバルブは、第2のサイクルの第4のステップが開始することができるように調節される。
【0045】
第2のサイクルの第4のステップでは、
図9d)に示されているように、カラムAおよびBの入口部が、バッファーのフローに接続されており、カラムDの入口部が、洗浄流体のフローに接続されており、カラムBの出口部が、UV検出器を介してカラムCの入口部に接続されており、カラムCおよびDの出口部が、廃棄物に接続されており、カラムAの出口部が、第2の検出器を介して出口バルブ(図示せず)に接続されており、出口バルブは、カラムAを離れる流体を廃棄物またはターゲットを収集するためのコンテナのいずれかへ方向付けることが可能であるように、マルチポジションバルブは配置されている。初期には、この出口バルブは、カラムAから離れる流体を廃棄物へ方向付ける。このステップが開始されると、カラムAの入口部に進入するバッファーのフローは、ターゲットがカラムAを通ってトラベルすることを引き起こす。第2の検出器が、カラムAを離れる流体の中にターゲット分子の存在を検出すると、出口バルブは、ターゲットを収集するためのコンテナへフローを方向付けるように動作させられ、ターゲットが収集される。ターゲットが収集されると、第2のサイクルの第4のステップが完了される。ステップの開始時に、カラムA、B、およびDは、バッファーによって充填されており、一方、カラムCは、洗浄流体によって充填されている。
図9d)の左側に示されているように、この第4のステップが開始されると、カラムAの入口部に進入するバッファーのフローは、ターゲットがカラムAを通ってトラベルすることを引き起こす。第2の検出器が、カラムAを離れる流体の中にターゲット分子の存在を検出すると、出口バルブは、ターゲットを収集するためのコンテナへフローを方向付けるように動作させられ、ターゲットが収集される。ターゲットが収集されると、第2のサイクルの第4のステップが完了される。これは、
図9dの右側の最終状態に示されており、カラムA、B、およびCは、バッファーを含有しており、カラムDは、洗浄流体を含有している。
【0046】
さらなる分離がシステムの上で起こるべき場合には、次いで、第3のサイクルが開始することが可能である。このサイクルのステップは、
図10a)から
図10c)に示されている。
図10a)は、第3のサイクルの第1のステップにおける4つのカラムの中間状態および最終的な状態を示している。カラムBおよびCの入口部が、バッファーのフローに接続されており、カラムAが、洗浄流体のフローに接続されており、カラムCの出口部が、UV検出器を介してカラムDの入口部に接続されており、カラムA、B、およびDの出口部が、廃棄物に接続されているように、マルチポジションバルブは配置されている。第3のサイクルの第1のステップを開始した後に、
図10a)の左側に示されているように、カラムBおよびCは、バッファーによって充填されており、バッファーで満たされていたカラムAは、洗浄流体によって充填されており、洗浄流体によって充填されていたカラムDは、バッファーによって充填されている。この第1のステップは、カラムCの入口部に進入するバッファーのフローの中へサンプルが注入されることによって開始される。これは、サンプルがカラムCを通ってトラベルすることを引き起こす。検出器は、カラムCを退出する流体をモニタリングしており、ターゲットが検出器を通過してカラムDに進入したということを示す信号が検出されるときに、第3のサイクルの第1のステップが完了されている。これは、
図10a)の右側の最終状態に示されている。カラムB、C、およびDは、バッファーを含有しており、カラムAは、洗浄流体を含有している。次いで、マルチポジションバルブは、第3のサイクルの第2のステップが開始することができるように調節される。
【0047】
第3のサイクルの第2のステップでは、カラムCおよびDの入口部が、バッファーのフローに接続されており、カラムBの入口部が、洗浄流体のフローに接続されており、カラムDの出口部が、UV検出器を介してカラムAの入口部に接続されており、カラムA、B、およびCの出口部が、廃棄物に接続されているように、マルチポジションバルブは配置されている。この第2のステップが開始され、カラムDの入口部に進入するバッファーのフローは、ターゲットがカラムDを通ってカラムAの中へトラベルすることを引き起こす。第3のサイクルの第2のステップが開始した後に、
図10b)の左側に示されているように、カラムCおよびDは、バッファーによって充填されており、カラムBは、洗浄流体によって充填されている。検出器は、カラムDを退出する流体をモニタリングしており、ターゲットが検出器を通過してカラムAに進入したということを示す信号が検出されるときに、第3のサイクルの第2のステップが完了されている。これは、
図10b)の右側の最終状態に示されており、カラムBは、洗浄流体で充填されており、他のカラムは、バッファーを含有しており、ターゲットは、カラムAにある。次いで、マルチポジションバルブは、第3のサイクルの第3のステップが開始することができるように調節される。
【0048】
第3のサイクルの第3のステップでは、
図10c)に示されているように、カラムAおよびCの入口部は、バッファーのフローに接続されており、カラムDの入口部は、洗浄流体のフローに接続されており、カラムAの出口部は、UV検出器を介してカラムBの入口部に接続されており、カラムB、C、およびDの出口部は、廃棄物に接続されているように、マルチポジションバルブは配置されている。ステップの開始時に、カラムA、C、およびDは、バッファーによって充填されており、一方、カラムBは、洗浄流体によって充填されている。
図10c)の左側に示されているように、この第3のステップが開始されると、カラムAの入口部に進入するバッファーのフローは、ターゲットがカラムAを通ってトラベルすることを引き起こす。検出器は、カラムAを退出する流体をモニタリングしており、ターゲットが検出器を通過してカラムBに進入したということを示す信号が検出されるときに、第3のサイクルの第3のステップが完了されている。第4のステップに関してカラムの開始状態が、
図10c)の右側の最終状態に示されており、ターゲットが、カラムBの中にある。次いで、マルチポジションバルブは、第3のサイクルの第4のステップが開始することができるように調節される。
【0049】
第4のステップの開始時に、カラムA、B、およびCは、バッファーによって充填されており、一方、カラムDは、洗浄流体によって充填されている。第3のサイクルの第4のステップでは、
図10d)に示されているように、カラムBおよびCの入口部が、バッファーのフローに接続されており、カラムAの入口部が、洗浄流体のフローに接続されており、カラムCの出口部が、UV検出器を介してカラムDの入口部に接続されており、カラムAおよびDの出口部が、廃棄物に接続されており、カラムBの出口部が、第2の検出器を介して出口バルブ(図示せず)に接続されており、出口バルブは、カラムBを離れる流体を廃棄物またはターゲットを収集するためのコンテナのいずれかへ方向付けることが可能であるように、マルチポジションバルブは配置されている。初期には、この出口バルブは、カラムBから離れる流体を廃棄物へ方向付ける。このステップが開始されると、カラムBの入口部に進入するバッファーのフローは、ターゲットがカラムBを通ってトラベルすることを引き起こす。第2の検出器が、カラムBを離れる流体の中にターゲット分子の存在を検出すると、出口バルブは、ターゲットを収集するためのコンテナへフローを方向付けるように動作させられ、ターゲットが収集される。ターゲットが収集されると、第3のサイクルの第4のステップが完了される。これは、
図10d)の右側の最終状態に示されている。
【0050】
さらなる分離がシステムの上で起こるべき場合には、次いで、第4のサイクルが開始することが可能である。このサイクルのステップは、
図11a)から
図11d)に示されている。
図11a)は、第4のサイクルの第1のステップにおける4つのカラムの中間状態および最終的な状態を示している。初期には、カラムB、C、およびDは、バッファーによって充填されており、カラムAは、洗浄流体によって充填されている。カラムCおよびDの入口部が、バッファーのフローに接続されており、カラムBが、洗浄流体のフローに接続されており、カラムDの出口部が、UV検出器を介してカラムAの入口部に接続されており、カラムA、B、およびCの出口部が、廃棄物に接続されているように、マルチポジションバルブは配置されている。この第1のステップは、カラムDの入口部に進入するバッファーのフローの中へサンプルが注入されることによって開始される。これは、サンプルがカラムDを通ってトラベルすることを引き起こす。第4のサイクルの第1のステップを開始した後に、
図11a)の左側に示されているように、カラムCおよびDは、バッファーによって充填されており、洗浄流体で満たされていたカラムAは、バッファーによって充填されており、バッファーによって充填されていたカラムBは、洗浄流体によって充填されている。検出器は、カラムDを退出する流体をモニタリングしており、ターゲットが検出器を通過してカラムAに進入したということを示す信号が検出されるときに、第4のサイクルの第1のステップが完了されている。これは、
図11a)の右側の最終状態に示されている。カラムA、C、およびDは、バッファーを含有しており、カラムBは、洗浄流体を含有している。ターゲットは、カラムAの中にある。次いで、マルチポジションバルブは、第4のサイクルの第2のステップが開始することができるように調節される。
【0051】
第2のステップでは、カラムAおよびDの入口部が、バッファーのフローに接続されており、カラムCの入口部が、洗浄流体のフローに接続されており、カラムAの出口部が、UV検出器を介してカラムBの入口部に接続されており、カラムB、C、およびDの出口部が、廃棄物に接続されているように、マルチポジションバルブは配置されている。この第2のステップが開始され、カラムAの入口部に進入するバッファーのフローは、ターゲットがカラムAを通ってカラムBの中へトラベルすることを引き起こす。第4のサイクルの第2のステップが開始した後に、
図11b)の左側に示されているように、カラムAおよびDは、バッファーによって充填されており、カラムCは、洗浄流体によって充填されている。検出器は、カラムAを退出する流体をモニタリングしており、ターゲットが検出器を通過してカラムBに進入したということを示す信号が検出されるときに、第4のサイクルの第2のステップが完了されている。これは、
図11b)の右側の最終状態に示されており、ターゲットは、カラムBの中にあり、バッファーは、カラムAおよびDの中にあり、洗浄流体は、カラムCの中にある。次いで、マルチポジションバルブは、第4のサイクルの第3のステップが開始することができるように調節される。
【0052】
第4のサイクルの第3のステップでは、
図11c)に示されているように、カラムBおよびDの入口部は、バッファーのフローに接続されており、カラムAの入口部は、洗浄流体のフローに接続されており、カラムBの出口部は、UV検出器を介してカラムCの入口部に接続されており、カラムA、C、およびDの出口部は、廃棄物に接続されているように、マルチポジションバルブは配置されている。ステップの開始時に、カラムA、B、およびDは、バッファーによって充填されており、一方、カラムCは、洗浄流体によって充填されている。
図11c)の左側に示されているように、この第3のステップが開始されると、カラムBの入口部に進入するバッファーのフローは、ターゲットがカラムBを通ってトラベルすることを引き起こす。検出器は、カラムBを退出する流体をモニタリングしており、ターゲットが検出器を通過してカラムCに進入したということを示す信号が検出されるときに、第4のサイクルの第3のステップが完了されている。第4のステップに関してカラムの開始状態が、
図11c)の右側の最終状態に示されており、ターゲットは、カラムCの中にある。次いで、マルチポジションバルブは、第4のサイクルの第4のステップが開始することができるように調節される。
【0053】
第4のステップの開始時に、カラムB、C、およびDは、バッファーによって充填されており、一方、カラムAは、洗浄流体によって充填されている。第4のサイクルの第4のステップでは、
図11d)に示されているように、カラムCおよびDの入口部が、バッファーのフローに接続されており、カラムBの入口部が、洗浄流体のフローに接続されており、カラムDの出口部が、UV検出器を介してカラムAの入口部に接続されており、カラムAおよびBの出口部が、廃棄物に接続されており、カラムCの出口部が、第2の検出器を介して出口バルブ(図示せず)に接続されており、出口バルブは、カラムCを離れる流体を廃棄物またはターゲットを収集するためのコンテナのいずれかへ方向付けることが可能であるように、マルチポジションバルブは配置されている。初期には、この出口バルブは、カラムCから離れる流体を廃棄物へ方向付ける。このステップが開始されると、カラムCの入口部に進入するバッファーのフローは、ターゲットがカラムCを通ってトラベルすることを引き起こす。第2の検出器が、カラムCを離れる流体の中にターゲット分子の存在を検出すると、出口バルブは、ターゲットを収集するためのコンテナへフローを方向付けるように動作させられ、ターゲットが収集される。ターゲットが収集されると、第4のサイクルの第4のステップが完了される。これは、
図11d)の右側の最終状態に示されている。
【0054】
さらなる分離がシステムの上で起こるべき場合には、次いで、新しい一連のサイクルが開始することが可能である。第4のサイクルの最終状態におけるカラムの内容物(すなわち、カラムA、B、およびCの中にバッファーがあり、カラムDの中に洗浄流体がある)は、第1のサイクルの初期の状態におけるカラムの内容物と同じであるので、新しい一連のサイクルは、好ましくは、以前の一連のサイクルと同じ順序を辿る。
【0055】
4つのSECサイクルまたは脱塩サイクルが、上記に説明されている順序で実施される場合には、それぞれのカラムは、サンプルの初期の注入に関して1度使用され、ターゲットの最終的な分別に関して1度使用された。したがって、それぞれのカラムの負荷は、4つのサイクルにわたって、実質的に等しい。したがって、4つのカラムを使用する4つのサイクルのそれぞれのセットにおいて、それぞれのカラムの指定は、新しいサイクルが開始するたびに、基本4つの中で1つだけ減少させられると考えられ得、次のサイクルを開始するときに、第2のカラム(すなわち、カラムB)が、第1のカラム(すなわち、カラムA)に再指定され、第3のカラム(カラムC)が、第2のカラム(カラムB)に再指定され、第4のカラム(カラムD)が、第3のカラム(カラムC)に再指定され、第1のカラム(カラムA)が、第4のカラム(カラムD)に再指定されるようになっている。
【0056】
したがって、Nカラムが使用されるときには、次いで、Nサイクルのセットの中のそれぞれの後続のサイクルにおいて、カラムの指定は、基本N個の中で1つだけ減少させられる。たとえば、3つのカラムを使用するシステムにおいて(N=3)、第1のサイクルの終わりに、カラム1は、カラム3に再指定され、カラム2は、カラム1に再指定され、カラム3は、カラム2に再指定される。
【0057】
3つのカラム(N=3)を備えたシステムでは、SECまたは脱塩のためにカラムのうちの2つ(N-1)だけを使用することが可能であり、そのケースでは、それぞれのサイクルは、2つのステップだけを有しており、すなわち、第3のカラムを洗浄しながら、サンプルを第1のカラムを通して第2のカラムへ渡す第1のステップと、バッファーによって第3のカラムをフラッシングしながら、および、第3のカラムからの洗浄流体によって第1のカラムを充填しながら、第2のカラムからターゲットを収集する第2のステップとを有している。
【0058】
3つのカラム(N=3)を備えたシステムでは、SECまたは脱塩のためにカラムのうちのすべて3つ(N)を使用することが可能であり、そのケースでは、それぞれのサイクルは、3つのステップを有しており、すなわち、第3のカラムを洗浄しながら、サンプルを第1のカラムを通して第2のカラムへ渡す第1のステップと、洗浄流体によって第1のカラムをフラッシングしながら、ターゲットを第2のカラムから第3のカラムへ輸送する第2のステップと、第1のカラムからの洗浄流体によって第2のカラムを充填するときに、第3のカラムからターゲットを収集する第3のステップとを有している。次いで、新しいサイクルが、第1のカラムから開始することが可能である。しかし、カラムの負荷が等しくされるべきである場合には、次いで、次のサイクルは、第2のカラムの上へロードすることで開始するべきである。好ましくは、ターゲットが第2のカラムの中の洗浄流体と接触するリスクを低減させるために、バッファーのカラム体積の適切な割合、たとえば、20%、25%、50%、またはさらにそれ以上が第2のカラムの中へ渡されるまで、サンプルのローディングは遅らせられるべきである。
【0059】
カラムの負荷を等しくするために、当然のことながら、カラムに進入する2つの異なるサンプルからのターゲット同士の間で、カラムの洗浄が実現されることを保証するために、サイクルのステップがそれに対応して補正される限りにおいて、Nよりも低い任意の数だけ、それぞれのカラムの指定を増加または減少させることによって、カラムの順序を変化させることが可能である。
【0060】
システムの中でサンプルからターゲットのサイズ排除クロマトグラフィー分離(SEC)または脱塩を実施するための本発明による1つの方法は、以下のステップ、すなわち、
i) 少なくとも3つのカラム(A、B、C、…)を備えたシステムを提供するステップであって、少なくとも3つのカラム(A、B、C、…)は、たとえば、1対のカラムだけが同時に直列になっている状態で接続可能になっている、ステップと、
ii) ターゲットを含有するカラムを別のカラムと直列に接続するステップと、
iii) ターゲットを含有する前記カラムから前記別のカラムへ、ターゲットがバッファーのフローによって輸送されているときに、同時に洗浄流体によって少なくとも1つのさらなるカラムを洗浄するステップと
を含む。
【0061】
方法の追加的なステップは、前記別のカラムの出口部を洗浄されたさらなるカラムの入口部に接続する後続のステップであって、その後に、洗浄されたカラムの出口部からターゲットを収集する、ステップをさらに含む。
【0062】
方法の代替的な追加的なステップは、前記別のカラムの出口部から、任意の順序で、洗浄された前記さらなるカラムおよび1つまたは複数の追加的なカラムを通して、ターゲットを直列に輸送し、最後の追加的なカラムまたは洗浄されたさらなるカラムからターゲットを最後に収集するステップを含む。
【0063】
サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)または脱塩システムのための本発明による方法であって、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)または脱塩システムは、サンプルからターゲットを分離するための4つのカラムを含み、ターゲットは、収集される前に、4つのカラムを通過する、方法の例は、
a) i) 第3のカラムの入口部が、洗浄流体の供給部に接続され、第1のカラムの出口部が、第2のカラムの入口部に接続され、第1のカラムの入口部、および、随意的に、第4のカラムの入口部が、前記第1のバッファーの供給部に接続され、前記第2の、第3の、および第4のカラムの出口部が、廃棄物構成体へ方向付けされるように、バルブを位置決めするステップと、
ii) 第1のカラムの出口部と第2のカラムの入口部との間に検出器を配置するステップと、
iii) 前記ターゲット物質を含有するサンプルSを前記第1のカラムの入口部の中へ注入するステップと、
iv) その後に、ターゲット分子が前記検出器を通過して第2のカラムに進入するまで、前記第3のカラムの中へ洗浄流体をポンプ送りし、少なくとも前記第1のカラムおよび随意的に前記第4のカラムの入口部の中へ、第1のバッファーをポンプ送りするステップと、
b) i)前記第2のカラムの出口部が、前記第3のカラムの入口部に接続され、第2のカラムの入口部、および、随意的に、前記第1のカラムの入口部が、前記第1のバッファーの供給部に接続され、第4のカラムの入口部が、洗浄流体の供給部に接続されるように、バルブを位置決めするステップと、
ii) 第2のカラムの出口部と第3のカラムの入口部との間に前記検出器を配置するステップと、
iii) その後に、ターゲット分子が前記検出器を通過して第3のカラムに進入するまで、前記第4のカラムの中へ洗浄流体をポンプ送りし、一方、少なくとも前記第2のカラムの入口部の中へ第1のバッファーをポンプ送りするステップと、
c) i) 前記第3のカラムの出口部を前記第4のカラムの入口部に接続するステップであって、第3のカラムの入口部、および、随意的に、前記第2のカラムの入口部が、前記第1のバッファーの供給部に接続され、第1のカラムの入口部が、洗浄流体の供給部に接続される、ステップと、
ii) 第3のカラムの出口部と第4のカラムの入口部との間に前記検出器を配置するステップと、
iii) その後に、ターゲット分子が前記検出器を通過して第4のカラムに進入するまで、前記第1のカラムの中へ洗浄流体をポンプ送りし、一方、少なくとも前記第3のカラムの入口部の中へ第1のバッファーをポンプ送りするステップと、
d) i) 前記第4のカラムの出口部を、廃棄物構成体またはターゲット収集構成体へ流体を転向させるためのバルブ手段に接続するステップであって、前記第3のカラムの入口部が、洗浄流体の供給部に接続され、前記第1のカラムの出口部が、前記第2のカラムの入口部に接続され、第2のカラムおよび第3のカラムの出口部が、廃棄物構成体に接続される、ステップと、
ii) 前記第1のカラムの出口部と前記第2のカラムの入口部との間に前記第1の検出器を配置し、第4のカラムの出口部と収集構成体の入口部との間に前記第2の検出器を配置するステップと、
iii) ターゲット分子が前記検出器を通過して収集構成体に進入するまで、前記第3のカラムの中へ洗浄流体をポンプ送りし、少なくとも第4のカラムの入口部の中へ第1のバッファーをポンプ送りするステップと
を含む。
【0064】
本発明による方法のすべての例において、サンプルのそれぞれの注入同士の間の洗浄が必要ないということが決定される場合には、たとえば、カラムを洗浄する前に複数のサンプルを走らせることが可能であるということが決定される場合には、方法は、洗浄流体がバッファー流体によって交換されるかまたは実際にはまったく流体がない状態に交換されるというステップを提供される。
【0065】
本開示の上記の説明は、図示の目的のために提供されており、本開示の概念および本質的な特徴を変化させることなく、さまざまな変形および修正が行われ得るということが、当業者によって理解されることとなる。したがって、上記に説明されている実施形態は、すべての態様において例示目的のためのものであり、本開示を限定しないということが明らかである。
【0066】
本開示の範囲は、実施形態の詳細な説明によって定義されているというよりもむしろ、以下の特許請求の範囲によって定義されている。特許請求の範囲およびそれらの均等物の意味および範囲から考えられるすべての修正例および実施形態が、本開示の範囲の中に含まれ得るということが理解されるべきである。
【符号の説明】
【0067】
1 カラム
35 マルチポジションバルブ
39 サンプル
41 ターゲット
42 ライン
43 バッファー流体
45 洗浄流体
47A 第1のセンサー
47B 第2のセンサー
49A、49B ポンプ
51 制御手段
A、B、C カラム
D 検出器
A、B、C、D クロマトグラフィーカラム
Ai、Bi、Ci、Di 入口部
Ao、Bo、Co、Do 出口部
P1、P2…、Pm ポート
S 貯蔵、ターゲット収集容器
V バルブ
W 廃棄物経路