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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-18
(45)【発行日】2022-11-29
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   F24C 7/02 20060101AFI20221121BHJP
   F24C 15/00 20060101ALI20221121BHJP
   F24C 7/04 20210101ALI20221121BHJP
【FI】
F24C7/02 301E
F24C15/00 Z
F24C15/00 D
F24C7/04 A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018107140
(22)【出願日】2018-06-04
(65)【公開番号】P2019211149
(43)【公開日】2019-12-12
【審査請求日】2021-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】390010168
【氏名又は名称】東芝ホームテクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100080089
【弁理士】
【氏名又は名称】牛木 護
(74)【代理人】
【識別番号】100161665
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 知之
(74)【代理人】
【識別番号】100188994
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 裕介
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 俊介
(72)【発明者】
【氏名】寺尾 晃子
(72)【発明者】
【氏名】太田 宣章
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-128733(JP,A)
【文献】特開2015-034694(JP,A)
【文献】特開2012-222612(JP,A)
【文献】特開2010-177991(JP,A)
【文献】特開2005-123699(JP,A)
【文献】特開2015-177433(JP,A)
【文献】特開2006-236244(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 7/02
F24C 15/00
F24C 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被調理物を収容する本体と、
前記本体に設けられた扉と、
選択した調理メニューに従って、前記被調理物への加熱を含む調理動作を実行する調理実行部と、
前記本体の正面にいる被写体を撮影して画像を取得する撮像部と、
前記撮像部により撮像された画像に含まれる人の特徴を認識する認識部と、を備えた加熱調理器であって、
前記扉の開閉状態を検出する扉開閉検出手段と、
前記認識部で認識した特徴と選択した調理メニューとを関連付けた履歴情報を記憶する記憶部と、
前記履歴情報に基づき、個人の使用頻度の高い調理メニューを表示する情報出力部と、
前記認識部で認識した人の特徴を有する前記履歴情報が前記記憶部に記憶されているか否かを認証する表示制御手段と、をさらに備え、
前記扉が開いたことを前記扉開閉検出手段が検出すると、前記撮像部と前記認識部を動作させ、
前記表示制御手段の認証中に前記情報出力部が認証中であることを前記情報出力部に表示し、
前記表示制御手段の認証が完了した場合に前記情報出力部が前記個人の使用頻度の高い調理メニューを表示し、
前記表示制御手段の認証が完了しなかった場合に、前記情報出力部が初期画面を表示することを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記情報出力部は表示部と操作部の機能を有し、
前記表示部に表示される調理メニュー上で前記操作部を触れると、その調理メニューが選択される構成としたことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予め用意された複数の調理メニューの中から、特定の調理メニューを選択して調理動作を実行する加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の調理メニューの中から、ユーザーが好みの調理メニューを選択できる加熱調理器を使用する場合、特定の調理メニューを頻繁に利用するにも拘らず、毎回同じ調理メニューを探して選択するのは不便である。そこで従来は、利用する特定の調理メニューの履歴を記憶し、調理メニューを再選択する際に、記憶した特定の調理メニューを呼出して表示することで、選択の手間を省く方法が知られており、例えば特許文献1では、実施した調理メニューの履歴情報を記憶部に記憶させておき、記憶された履歴情報から実施した調理メニューの難易度に基づいて、複数の調理メニューのうち少なくとも1つを推奨メニューとして選出して、その推奨メニューを表示部に表示させる考えが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-155767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1の加熱調理器では、ユーザーが実施した調理メニューの履歴情報を記憶することで、ユーザーの調理レベルのスキルに応じた推奨メニューを表示できる。しかし、複数のユーザーが一台の加熱調理器を共通して利用する場合、個人によって実施した調理メニューとその頻度は異なることが考えられ、表示された推奨メニューのリスト内で、自分が選択したい調理メニューを探すのに手間が生じる。また、個人毎の履歴情報までは記憶できないため、推奨メニューの表示が個人用にカスタマイズされづらい。
【0005】
本発明は上記事情に鑑み、自分が選択したい調理メニューを表示することで、利便性を高めた加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の加熱調理器は、被調理物を収容する本体と、前記本体に設けられた扉と、選択した調理メニューに従って、前記被調理物への加熱を含む調理動作を実行する調理実行部と、前記本体の正面にいる被写体を撮影して画像を取得する撮像部と、前記撮像部により撮像された画像に含まれる人の特徴を認識する認識部と、を備えた加熱調理器であって、前記扉の開閉状態を検出する扉開閉検出手段と、前記認識部で認識した特徴と選択した調理メニューとを関連付けた履歴情報を記憶する記憶部と、前記履歴情報に基づき、個人の使用頻度の高い調理メニューを表示する情報出力部と、前記認識部で認識した人の特徴を有する前記履歴情報が前記記憶部に記憶されているか否かを認証する表示制御手段と、をさらに備え、前記扉が開いたことを前記扉開閉検出手段が検出すると、前記撮像部と前記認識部を動作させ、前記表示制御手段の認証中に前記情報出力部が認証中であることを前記情報出力部に表示し、前記表示制御手段の認証が完了した場合に前記情報出力部が前記個人の使用頻度の高い調理メニューを表示し、前記表示制御手段の認証が完了しなかった場合に、前記情報出力部が初期画面を表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、複数の調理メニューの中から、使用頻度の高い調理メニューを個人用にカスタマイズして表示することが可能となり、自分が選択したい調理メニューを表示することで、利便性を高めた加熱調理器を提供できる。
【0008】
請求項2の発明によれば、調理メニュー上の操作部を指で触れるだけで、所望の調理メニューを選択できる。
【0009】
請求項3の発明によれば、撮像部と認識部が動作する時間を限定することで、省電力と認識の手間を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の加熱調理器の第1実施形態について、本体の外観を示す正面図である。
図2】同上、本体の電気的構成を示すブロック図である。
図3】顔認証を行なう際の加熱調理器の概略図である。
図4】個人におすすめの調理メニューを表示させた表示手段の平面図である。
図5】顔認証の手順を示す説明図である。
図6】本発明の加熱調理器の第2実施形態について、本体の外観を示す正面図である。
図7】同上、本体の主な電気的構成を示すブロック図である。
図8】同上、保温機能を有しない加熱調理器において、調理開始から余熱工程の終了温度に達した時までの動作手順を示すフローチャートである。
図9】同上、保温機能を有する加熱調理器において、調理開始から余熱工程の終了温度に達した時までの動作手順を示すフローチャートである。
図10】本発明の加熱調理器の第3実施形態について、本体の外観を示す正面図である。
図11】同上、本体の主な電気的構成を示すブロック図である。
図12】同上、手動調理における表示手段の表示例を示す説明図である。
図13】同上、料理集に掲載されるハンバーグのレシピを示したものである。
図14】同上、自動調理における表示手段の表示例を示す説明図である。
図15】同上、自動調理における表示手段の表示例を順次示した説明図である。
図16】従来の加熱調理器について、調理室内部の構成を概略的に示す図である。
図17】本発明の加熱調理器の第4実施形態について、調理室内部の構成を概略的に示す図である。
図18】同上、加熱調理時における調理室内部の状態を概略的に示す図である。
図19】同上、本体の主な電気的構成を示すブロック図である。
図20】同上、過上昇検出手段の回路図である。
図21】同上、各部の波形図である。
図22】同上、加熱調理前に被調理物の位置調整を設定する手順を示すフローチャートである。
図23】同上、加熱調理中に被調理物の位置調整を設定する手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る好ましい加熱調理器の実施形態について、添付図面を参照しながら詳しく説明する。
【実施例1】
【0012】
以下、図1図5を参照しながら、本発明の第1実施形態の加熱調理器について詳しく説明する。
【0013】
図1は、加熱調理器となるオーブンレンジの外観を示したものである。同図において、1は加熱動作を行なう本体であり、本体1の外郭をなすキャビネット2の内部には、前面を開口した調理室3が配設されている。また、本体のほぼ前面を覆うように、調理室3の前面開口部を開閉する扉4が回動可能に取り付けられ、調理室3内に被調理物を出し入れできる構成となっている。
【0014】
本体1の前部をなす扉4の上部には、縦開きの扉4を開閉するときに手をかける開閉操作用のハンドル5を備えており、扉4の下部には、表示や報知や操作のための操作パネル部6を備えている。操作パネル部6は、調理の設定内容や進行状況などを表示するための表示手段7の他に、表示手段7の画面上をタッチ操作可能にする静電式のタッチパネル8と、被調理物に対する調理の開始を指示するための押釦式スイッチからなる調理開始指示手段9と、設定を取り消したり調理を中止したりするための押釦式スイッチからなる取消し指示手段10が、ユーザーの手動操作が可能な操作手段11としてそれぞれ配設される。ここでの表示手段7は、ドットマトリックス液晶ディスプレイを使用しており、液晶ディスプレイに文字やイラストなどをドットで表示できる。またタッチパネル8は、表示手段7の手前(表面)側に配置され、複数の透明電極スイッチを有して、タッチされた位置が検出されるようになっている。
【0015】
図2は、上記本体1の電気的構成を示すブロック図である。同図において、15は加熱調理器の制御手段となるマイクロコンピュータで、このマイクロコンピュータ15は周知のように、演算処理手段としてのCPUや、計時手段としてのタイマーや、記憶手段としてのメモリや、入出力デバイスなどを備えている。本実施形態では記憶手段として、本体1で加熱調理が可能な個々の調理メニューに関する全ての情報を記憶する調理メニュー情報記憶手段16や、後述する調理メニュー選択手段25で選択された調理メニューの履歴(調理履歴)と、顔認識装置23による人の顔の認識結果から得られる使用者とを関連付けた履歴情報を記憶する履歴情報記憶手段17などを備えている。ここでいう個々の調理メニューに関する全ての情報とは、その調理メニューに対応する加熱の進行手順や、お気に入りメニューとしての登録の有無や、材料や作りかたなどのレシピ情報や、調理条件として設定された仕上がり度や、調理メニューの名前などを含む。但し、少ない材料で簡単に作れる単純な調理メニューでは、その調理メニューに対応したレシピ情報が含まれていない場合もある。
【0016】
マイクロコンピュータ15の入力ポートには、前述したタッチパネル8や、調理開始指示手段9や、取消し指示手段10の他に、調理室3内の温度を検出する温度検知手段21と、扉4の開閉状態を検出する扉開閉検出手段22と、人の特徴部分となる顔を画像のデータから認識する顔認識装置23が、それぞれ電気的に接続される。特に本実施形態のタッチパネル8は、マイクロコンピュータ15が調理に関する様々な画面を表示手段7に表示させるのに連携して、調理メニュー情報記憶手段16に記憶される複数の調理メニューの中から、特定の調理メニューを選択できるようにするための調理メニュー選択手段25や、調理メニューのような調理名が特定された自動調理とは別に、不特定の調理に応じた手動調理の加熱時間を設定するための手動時間設定手段26や、調理工程を選択するための調理工程選択手段27や、手動調理による加熱を選択するための手動加熱選択手段28として機能する構成となっている。
【0017】
また、本体1の使用者を特定するための顔認識装置23は、被写体を撮影して画像のデータを取得する撮像部としてのカメラ23Aと、カメラ23Aにより撮像された画像のデータに含まれる人の顔を認識し、その認識結果をデータとしてマイクロコンピュータ15に送出する認識部23Bと、を主な構成要素とする。ここでは本体1の使用者を特定するのに、その人の顔を利用しているが、例えば人の虹彩や身に着けている衣服などの他の特徴を利用してもよい。
【0018】
マイクロコンピュータ15の出力ポートには、前述した表示手段7や顔認識装置23の他に、調理室3内の被調理物をレンジ加熱するためのマイクロ波加熱手段31と、調理室3内の被調理物をヒータ加熱するためのヒータ加熱手段32と、調理の終了などを使用者にブザー音で知らせるブザー報知装置33が、それぞれ電気的に接続される。この中で、マグネトロンやその駆動手段を含むマイクロ波加熱手段31と、ヒータやその駆動手段を含むヒータ加熱手段32は、本体1の内部に加熱手段として配設される。
【0019】
マイクロコンピュータ15は、タッチパネル8や、調理開始指示手段9や、取消し指示手段10からの各操作信号と、温度検知手段21や、扉開閉検出手段22からの各検出信号を受けて、タイマーからの計時に基づく所定のタイミングで、マイクロ波加熱手段31と、ヒータ加熱手段32に駆動用の制御信号を出力し、また表示手段7に表示用の制御信号を出力する機能を有する。こうした機能は、記憶媒体としての前記メモリに記録したプログラムを、マイクロコンピュータ15が読み取ることで実現するが、特に本実施形態では、マイクロコンピュータ15を加熱制御手段35と、表示制御手段36と、報知制御手段37として機能させるプログラムを備えている。
【0020】
加熱制御手段35は、主に被調理物の加熱調理に係る各部の動作を制御するもので、調理開始指示手段9の操作に伴う操作信号を受け取ると、扉開閉検出手段22からの検出信号により、扉4が閉じていると判断した場合に、マイクロ波加熱手段31やヒータ加熱手段32に制御信号を送出して、被調理物への加熱を含む調理動作の実行(すなわち加熱工程)を開始する。本実施形態では、調理開始指示手段9を操作する前に、前述の手動時間設定手段26や手動加熱選択手段28からの操作により、加熱の種類(レンジ加熱またはヒータ加熱の選択)や、加熱の時間や、加熱の出力または温度をそれぞれ設定するための情報が、マイクロコンピュータ15に取り込まれると、加熱制御手段35がその設定した内容に基づきマイクロ波加熱手段31やヒータ加熱手段32を制御して、被調理物を加熱する手動調理機能の他に、こうした手動での設定を行なうことなく、調理開始指示手段9を操作する前に、調理メニュー選択手段25からの操作により、使用者が選択した特定の調理メニューの情報がマイクロコンピュータ15に取り込まれると、加熱制御手段35がその特定の調理メニューに対応する情報を調理メニュー情報記憶部15から読み出し、当該特定の調理メニューに従う加熱手順でマイクロ波加熱手段31やヒータ加熱手段32を制御して、被調理物を自動的に加熱する自動調理機能と、をそれぞれ備えている。また加熱制御手段35は、自動調理機能の開始時に、顔認識装置23の認識結果となる人の特徴から、その特徴を有する人と、調理メニュー選択手段25で選択した特定の調理メニューとを関連付けた履歴情報を作成し、これを履歴情報記憶手段17に記憶させる履歴情報作成機能を備えている。
【0021】
表示制御手段36は、加熱制御手段35と連携して、表示手段7の表示に係る動作だけでなく、顔認識装置23に係る動作を制御するものである。特に本実施形態の表示制御手段36は、表示手段7や顔認識装置23への電源供給を停止させている電源オフ状態で、扉開閉検出手段22からの検出信号を受けて扉4が開いたと判断すると、表示手段7や顔認識装置23への電力供給を開始させ、カメラ23Aで撮影された画像のデータを顔認識装置23からリアルタイムに取込んで、これを表示手段7に表示させる。その後、タイマーが計時する一定時間内に、顔認識装置23からの認識結果となる人の特徴から、その特徴を有する人の履歴情報が履歴情報記憶手段17の中から見つかれば、顔認識装置23による顔認証が完了したと判断し、当該履歴情報に基づいて、その人の使用頻度の高い調理メニューの一覧画面を表示手段7に表示させ、顔認識装置23への電源供給を再び停止させる。これに対して、タイマーが計時する一定時間内に、顔認識装置23からの認識結果となる人の特徴から、その特徴を有する人の履歴情報が履歴情報記憶手段17の中から見つからないまま一定時間が経過すると、顔認識装置23による顔認証が未完了であると判断し、例えば扉4を開けたときの初期画面となる通常のトップ画面を表示手段7に表示させ、顔認識装置23への電源供給を再び停止させる構成となっている。
【0022】
報知制御手段37は、加熱制御手段35や表示制御手段36と連携して、ブザー報知装置33に係る動作を制御するものである。
【0023】
以上の構成を有する本実施形態のオーブンレンジについて、図3図5を参照しながら、本発明に係る一連の動作を詳しく説明する。図3は、顔認証を行なう際の加熱調理器を概略的に示したものであり、ここには図示しないが、顔認識装置23のカメラ23Aは、被写体となるユーザーPが本体1の正面に向かい合った時に、ユーザーPの顔を撮影できる位置に配置される。
【0024】
図3に示すように、ユーザーPがオーブンレンジで調理を行なうには、最初に被調理物を調理室3内に入れるために、ハンドル5に手を掛けて扉4を開閉する。調理の開始前は、表示制御手段36により表示手段7や顔認識装置23への電源供給が停止した電源オフの状態となっており、扉4が開けられたのを扉開閉検出手段22が検出すると、表示制御手段36は扉開閉検出手段22からの検出信号を受けて、表示手段7や顔認識装置23への電源供給を開始させる電源オンの状態に切換える。これにより顔認識装置23は、カメラ23Aや認識部23Bが起動して、本体1の正面側から視野角Sの範囲内で被写体をリアルタイムに撮像することが可能となる。カメラ23Aで撮像された被写体は、画像のデータとして認識部23Bに取り込まれるが、認識部23Bはカメラ23Aからの画像のデータに人の顔が含まれていれば、これを認識結果のデータとしてマイクロコンピュータ15に送出する。
【0025】
図4は、顔認識装置23からの認識結果のデータを受けて、表示制御装置35が表示手段7に表示させた個人におすすめの調理メニューを含んだ選択用画面a-3を示している。この選択用画面a-3では、認識結果のデータで特定された個人の名前を含むおすすめ提示用のメッセージ表示部H1が表示されると共に、タッチパネル8の調理メニュー選択手段25により選択可能な項目選択表示部として、顔認識装置23からの認識結果で特定された個人におすすめの調理メニューを表示する一乃至複数の選択調理メニュー表示部C1が、メッセージ表示部H1の下方に一覧で配置される。
【0026】
表示制御手段36は、顔認識装置23からの認識結果に含まれる人の顔から、その顔の人に関係する履歴情報を履歴情報記憶手段17から抽出し、履歴情報の中のそれまでに選択した調理メニューを、選択調理メニュー表示部C1として表示手段7の選択用画面a-3内に表示させる。これにより、調理メニュー情報記憶手段16に記憶される複数の調理メニューの中から、自分の好みに合った使用頻度の高いおすすめの調理メニューを、個人用にカスタマイズして表示手段7の選択用画面a-3に表示できる。
【0027】
また、表示手段7に選択用画面a-3を表示させた状態で、選択調理メニュー表示部C1上のタッチパネル8に指を触れるだけで、その選択調理メニュー表示部C1に対応した特定の調理メニューが選択され、加熱制御手段35に取り込まれる。加熱制御手段35は、前述の顔認識装置23の認識結果に含まれていた顔の人と、調理メニュー選択手段25で選択した特定の調理メニューとを関連付けた履歴情報を作成する。この履歴情報は、履歴情報記憶手段17に自動的に記憶され、次の調理の際にその人へのおすすめの調理メニューとして、表示手段7の選択用画面a-3内に選択調理メニュー表示部C1を表示させることが可能になる。
【0028】
こうして扉4を開閉した後に、調理メニュー選択手段25で特定の調理メニューを選択操作したら、調理開始指示手段9を押動操作して調理開始を指示する。これを受けて加熱制御手段35は、記憶手段に組み込まれた制御プログラムに従い、調理メニュー情報記憶手段16から抽出した特定の調理メニューの全情報から、その情報に対応して生成された制御信号を所定のタイミングで出力し、調理室3内に入れられた被調理物に対する加熱調理を開始する。
【0029】
ここで、例えばオーブン加熱を行なう調理メニューが調理メニュー選択手段25で予め選択されていた場合、加熱制御手段35は温度検知手段21からの検出信号を受けて、調理室3内の温度を監視しながら、ヒータ加熱手段32に適切な制御信号を送出する。これにより、調理室3内の被調理物を、ヒータ加熱手段32からの輻射熱でヒータ加熱することが可能になる。
【0030】
また、レンジ加熱の調理メニューが調理メニュー選択手段25で予め選択されていた場合、加熱制御手段35は温度検知手段21からの検出信号を受けて、調理室3内の温度を監視しながら、マイクロ波加熱手段31に適切な制御信号を送出する。これにより、マイクロ波加熱手段31から調理室14内に電磁波となるマイクロ波が供給放射され、調理室3内の被調理物をレンジ加熱することが可能になる。
【0031】
図5は、上述した選択用画面a-3を表示させるまでの顔認証の手順を、図示したものである。同図において、調理の開始前の「電源投入直前」時には、表示手段7や顔認識装置23への電源供給が停止したいわゆる電源オフ状態となっており、表示手段7はバックライトが消えた何も表示されない消灯画面a-1になる。ここから扉4を開けて、表示手段7や顔認識装置23が「電源投入」、すなわち電源オンの状態に切換わると、表示制御手段36は表示手段7の表示を、それまでの消灯画面a-1から顔認証中の動作画面a-2に遷移させる。
【0032】
この動作画面a-2では、顔認識装置23が起動して顔認証中であることと、カメラ23Aに向けて顔を近づけることを促すメッセージ表示部H2と、表示制御手段36は顔認識装置23からリアルタイムで取り込んだ画像のデータを表示する画像データ表示部D1がそれぞれ配置される。ユーザーは動作画面a-2を見ながら、自分の顔が顔認識装置23に取り込まれたか否かを、画像データ表示部D1でリアルタイムに確認できる。
【0033】
表示制御手段36は、表示手段7に動作画面a-2を一定時間表示させている間に、顔認識装置23で得られる人の顔の認識結果を取り込む。取り込んだ認識結果となる人の顔から、その顔の人に関係する履歴情報が履歴情報記憶手段17の中から見つかれば、顔認識装置23による顔認証が完了したと判断し、表示手段7の表示を「顔認証後」の選択用画面a-3に遷移させる。これに対して、その顔の人に関係する履歴情報が履歴情報記憶手段17の中から見つからないまま一定時間が経過すると、顔認識装置23による顔認証が未完了であると判断し、表示手段7の表示を「顔認証未完了かつ一定時間経過後」の通常トップ画面a-4に遷移させる。表示制御手段36は表示手段7の表示を選択用画面a-3または通常トップ画面a-4に切換えると、不要な電力消費を避けて認識の手間を省くために、顔認識装置23への電源供給を停止させる。
【0034】
通常トップ画面a-4は、不特定多数のユーザーに対して、顔認識装置23の認識結果に依ることなく、その上のタッチパネル8への操作で、前述した手動調理機能や自動調理機能を可能にする初期画面である。ここでの通常トップ画面a-4は、いわゆるタブ形式の画面で、その上側には使用頻度の高いメニューボタンを下側に表示する「毎日1」のタブボタンT1や「毎日2」のタブボタンT2と、手動調理のためのメニューボタンを下側に表示する「手動」のタブボタンT3と、料理集のメニューボタンを下側に表示する「料理集」のタブボタンT4と、各種設定用のメニューボ夕ンを下側に表示する「設定」のタブボタンT5が横並びに配置される。また、タブボタンT1の下側には、「毎日1」に関連した6つのメニューボタン、すなわち「レンジ」メニューボタンB1と、「お気に入り」メニューボタンB2と、「履歴」メニューボタンB3と、「ごはん」メニューボタンB4と、「おかず」メニューボタンB5と、「3つの解凍」メニューボタンB6が、項目選択表示部として各々配置される。
【0035】
これ以降は図示しないが、通常トップ画面a-4が表示される状態で、メニューボタンB1~B6の何れかを指で触れたり、或いは「毎日1」以外のタブボタンT2~T5の何れかを指で触れたりすることで、手動調理機能における加熱の種類や、加熱の時間や、加熱の出力または温度がそれぞれ設定され、或いは自動調理機能における特定の調理メニューが選択される。その後、ユーザーPが調理開始指示手段9を押動操作して調理開始を指示すれば、手動調理機能及び自動調理機能の何れにおいても、加熱制御手段35がマイクロ波加熱手段31やヒータ加熱手段32への制御を開始して、調理室3内に入れられた被調理物に対する加熱を含む調理動作を実行する。
【0036】
以上のように本実施形態の加熱調理器としてのオーブンレンジは、調理メニュー記憶手段16に予め記憶される複数の調理メニューの中から、調理メニュー選択手段25により選択した調理メニューに従って、加熱手段となるとなるマイクロ波加熱手段31やヒータ加熱手段32を制御し、調理室3に入れられた被調理物への加熱を含む調理動作を実行する調理実行部としての加熱制御手段35と、被写体となるユーザーPの顔を撮影して、その画像のデータを取得する撮像部となるカメラ23Aと、カメラ23Aにより撮像された画像のデータに含まれる人の特徴として顔を認識する認識部23Bと、を備えており、ここでは認識部23Bで認識した人の顔と調理メニュー選択手段25により選択した調理メニューとを関連付けた履歴情報を記憶する記憶部としての履歴情報記憶手段17と、履歴情報記憶手段17に記憶されたそれまでの履歴情報に基づき、個人の使用頻度の高い調理メニューを表示する情報出力部としての表示手段7と、をさらに備えている。
【0037】
この場合、認識部23Bが認識した個人の特徴と選択した調理メニューとを関連付けた履歴情報が履歴情報記憶手段17に記憶されることで、複数の調理メニューの中から、使用頻度の高い調理メニューを個人用にカスタマイズして、情報出力部となる表示手段7に表示することが可能となり、自分が選択したい調理メニューを表示することで、利便性を高めた加熱調理器を提供できる。
【0038】
また、本実施形態の情報出力部は表示部となる表示手段7の他に、ユーザーPの操作入力を可能にする操作部としてのタッチパネル8の機能を有しており、表示手段7に表示される調理メニュー上でタッチパネル8を触れると、その調理メニューが選択されるように加熱制御手段35を構成している。
【0039】
この場合、個人におすすめの調理メニューを表示部に表示させた状態で、その調理メニュー上の操作部を指で触れるだけで、所望の調理メニューを選択できる。
【0040】
また本実施形態では、情報出力部となる表示手段7に電源が投入されると、撮像部23Aと認識部23Bからなる認識システムとしての顔認識装置23を、一定時間だけ動作させるように構成している。
【0041】
この場合、例えば調理を行なうために扉を開けるなどして、表示手段7に電源が投入されると、顔認識装置23を一定時間動作させて、その後の認識結果に従って、表示手段7による画面遷移が行われる。したがって、顔認識装置23が動作する時間を限定することで、省電力と認識の手間を削減できる。
【実施例2】
【0042】
以下、図6図9を参照しながら、本発明の第2実施形態の加熱調理器について詳しく説明する。なお、前述した第1実施形態の加熱調理器と共通する箇所には共通する符号を付し、共通する部分の説明は重複を避けるため極力省略する。
【0043】
図6は、加熱調理器となるオーブンレンジの外観を示したものである。本実施形態のオーブンレンジは、回転操作が可能なダイヤルからなる項目選択手段12と、押釦式スイッチからなる項目確定手段13が、操作手段11に付加されている点で、第1実施形態のオーブンレンジとは異なる。調理条件設定手段となる項目選択手段12と項目確定手段13は、ユーザーが選択可能な項目として、調理終了後の調理条件を設定するためのもので、項目選択手段12を回動操作することで、調理終了後における複数の調理条件の中から特定の調理条件が選択され、その後に項目確定手段13を押動操作することで、選択された特定の調理条件がマイクロコンピュータ15で設定される構成となっている。その他の外観構成は、第1実施形態のオーブンレンジと共通する。
【0044】
図7は、上記本体1の特に本実施形態の特徴部分に関係する電気的構成を示したものである。本実施形態のオーブンレンジは、前述の手動調理機能や自動調理機能により、調理室3内の被調理物を調理する加熱工程の終了後に、項目選択手段12や項目確定手段13で設定された特定の調理条件に基づき、引き続き調理室3内の被調理物をユーザーの設定した好みの温度に合せる余熱工程を行なう機能が、加熱制御手段35に付加されている点で、第1実施形態のオーブンレンジとは異なる。加熱制御手段35は、加熱工程が終了した時点で、予め特定の調理条件が設定されていれば、温度検知手段21からの検出信号により得られる被調理物の温度が、設定された特定の調理条件に対応した温度になるまで、必要に応じてヒータ加熱手段32を制御するなどして、余熱工程を継続する構成となっている。
【0045】
なお、図7では一部の構成を省略しているが、本実施形態のオーブンレンジは、前述の第1実施形態と同じ電気的構成を具備する。これにより、例えば加熱制御手段35の履歴情報作成機能として、自動調理機能の開始時に、顔認識装置23の認識結果となる人の特徴から、その特徴を有する人と、調理メニュー選択手段25で選択した特定の調理メニューに加えて、項目選択手段12や項目確定手段13で設定された特定の調理条件を関連付けた履歴情報を作成し、これを履歴情報記憶手段17に記憶させてもよい。それと共に、表示制御手段36が前述の顔認識装置23による顔認証が完了したと判断した場合に、個人の使用頻度の高い調理メニューの一覧画面だけでなく、個人の使用頻度の高い調理条件の一覧画面を表示手段7に表示させてもよい。
【0046】
次に、上記構成を有する本実施形態のオーブンレンジについて、図8および図9を参照しながら、その動作を詳しく説明する。図8は、余熱工程の際に保温を行なわないオーブンレンジにおいて、調理開始から余熱工程の終了温度に達した時までの動作手順を示すフローチャートである。同図において、加熱制御手段35は、前述の手動調理機能または自動調理機能により、マイクロ波加熱手段31やヒータ加熱手段32を制御して、調理室3内の被調理物を加熱調理する加熱工程が終了すると(ステップS1)、ステップS2に移行して、項目選択手段12と項目確定手段13とにより、調理終了後に特定の調理条件が設定されていたか否かを判定する。
【0047】
ステップS2において、特定の調理条件が設定されていれば、ステップS3に移行し、調理室3内の被調理物への加熱調理が終了した後に、設定した特定の調理条件に従って、被調理物を適温になるまで冷却または待機させる余熱工程を継続させ、被調理物の温度が適温に達したら、その時点でステップS4に移行して、余熱工程ひいてはオーブンレンジとしての全動作を終了する。なお、ここでいう被調理物を冷却させるとは、例えば図示しない送風装置となるファンモータを動作させて、調理室3内に冷風を送り込むことで実現できる。また被調理物を待機させるとは、マイクロ波加熱手段31やヒータ加熱手段32をオフ状態のままにすることで実現できる。何れにせよ、余熱工程が終了した時に、調理室3に入れられた被調理物を、個人の食事に適した温度や、取り出しなどの作業に適した温度に合せることができ、より個人の好みに合わせた使い方を実現できる。
【0048】
一方、ステップS2において、特定の調理条件が設定されていなければ、ステップS3の手順を行なうことなくステップS4に移行して、余熱工程を継続することなく、加熱調理の終了時にオーブンレンジとしての全動作を終了する。このときの被調理物の温度は、手動調理機能で設定した温度や、選択された特定の調理メニューに依存したものとなる。
【0049】
本実施形態では、加熱制御手段35に予め備えた複数の調理条件、すなわち「普通」、「猫舌」、「お好み」、「作業」の中から、特定の調理条件を項目選択手段12と項目確定手段13で選択し設定できるようになっている。ここで、特定の調理条件として「普通」を設定すると、余熱工程終了時に被調理物を個人の食事に適した温度に合せることができ、特定の調理条件として「猫舌」を設定すると、余熱工程終了時に被調理物を「普通」よりも低い温度に合せることができ、特定の調理条件として「作業」を設定すると、余熱工程終了時に被調理物を「普通」や「猫舌」よりも低く、調理室3からの取り出しなどの作業に適した温度に合せることができる。また、特定の調理条件として「お好み」を設定すると、余熱工程終了時における被調理物の温度を、項目選択手段12への操作により、例えば70℃のように具体的な数値に可変設定することができる。これらの選択可能な調理条件はあくまでも一例であり、オーブンレンジの仕様などに合せて適宜変更してよい。
【0050】
図9は、余熱工程の際に保温を行なうオーブンレンジにおいて、調理開始から余熱工程の終了温度に達した時までの動作手順を示すフローチャートである。同図において、ここではステップS2において、特定の調理条件が設定されていれば、ステップS3に移行して、加熱工程の終了後に被調理物を適温になるまで冷却または待機させる余熱工程を継続させ、さらにステップS11に移行して、加熱制御手段35は、設定された特定の調理条件が余熱工程で保温を行なうものか否かを判断する。ステップS11において、保温を行なうものであると判断されれば、ステップS12に移行して、加熱制御手段35は余熱工程で設定した時間になるまで、被調理物が適温に保温されるように、必要に応じてヒータ加熱手段32を制御し、設定した時間に達したら、余熱工程ひいてはオーブンレンジとしての全動作を終了する。
【0051】
それに対して、保温を行なうものではないと判断されれば、ステップS12に移行することなく、余熱工程で被調理物が適温に達したら、その時点で余熱工程ひいてはオーブンレンジとしての全動作を終了する。その他の動作手順は、図8のフローチャートと共通する。
【0052】
本実施形態では、「作業」以外を除く特定の調理条件を選択した場合に、項目選択手段12への操作により、余熱工程で特定の調理条件に応じた温度を保つ時間を、調理開始前に選択できる。この後に、項目確定手段13を押動操作すると、選択した特定の調理条件と共に余熱工程での保温時間が加熱制御手段35で設定される。したがって、「普通」、「猫舌」、「お好み」の何れかを特定の調理条件として設定した場合には、余熱工程で被調理物を一定時間適温に維持できる。
【0053】
以上のように、本実施形態の加熱調理器としてのオーブンレンジは、ユーザーが設定した温度で加熱調理するためのヒータ加熱手段32と、加熱調理の開始を指示する調理開始指示手段9と、調理室3内の被調理物の温度を非接触で検出する温度検知手段21と、加熱工程後の余熱工程終了温度を選択し設定する手段となる項目選択手段12および項目確定手段13と、調理室3内の被調理物を加熱調理するように、加熱手段であるマイクロ波加熱手段31やヒータ加熱手段32を制御する加熱工程に引き続いて、工程の終了時に調理室3内の被調理物を設定した終了温度に合せる余熱工程を行なう加熱制御手段35と、を備えている。
【0054】
この点について、従来の加熱調理器は、調理済で温めだけが必要な食品に関して、個人の好みに合わせた設定が可能であったが、沸騰に近い加熱が必要な調理を加熱工程で行なった場合には、調理終了時の食品の状態が個人の好みとは違い、熱すぎて食べにくいなどの問題があった。逆に、加熱工程でせっかく加熱調理したにも関わらず、ユーザーが離れた場所にいる間に、被調理物となる食品が冷めてしまうこともあった。また、調理終了後に被調理物に対して取り出しなどの作業が必要な場合、調理終了直後の調理室3内は温度が高すぎる不満もあった。
【0055】
しかし本実施形態では、ユーザーが加熱温度を設定する手動調理機能において、加熱工程後の余熱工程終了温度を選択し設定する手段として、項目選択手段12や項目確定手段13を備えているので、被調理物の調理開始前に余熱工程の終了時の温度を、ユーザーの意志で選択することが可能になる。
【0056】
また、本実施形態の加熱制御手段35は、加熱の種類、時間、出力、温度をそれぞれ設定して、その設定した内容に基づきマイクロ波加熱手段31やヒータ加熱手段32を制御して、被調理物を加熱する手動調理機能の他に、複数の調理メニューの中から特定の調理メニューを選択すると、その特定の調理メニューに従う加熱手順で、加熱手段となるマイクロ波加熱手段31やヒータ加熱手段32を制御して、被調理物を自動的に加熱する自動調理機能を備えており、自動調理機能の選択時に、項目選択手段12や項目確定手段13で余熱工程の終了温度を選択し設定できるように構成している。
【0057】
したがって、自動調理機能の選択時にも、被調理物の調理開始前に余熱工程の終了時の温度を、ユーザーの意志で選択できる。
【0058】
また本実施形態においては、余熱工程終了温度の選択肢として、加熱工程終了時の温度を含めて選択できるように構成してもよい。こうすれば、余熱工程の終了時の温度だけでなく、余熱工程の開始時となる加熱工程の終了時の温度を、ユーザーの意志で選択できる。
【0059】
また本実施形態において、余熱工程終了温度を「お好み」の温度として選択した場合、項目選択手段12により具体的な数値で余熱工程終了温度を設定できる構成となっている。
【0060】
したがって、被調理物の調理開始前に余熱工程の終了時の温度を、ユーザーの意志で具体的な数値に設定できる。
【0061】
また図示しないが、本実施形態において、余熱工程終了温度を「お好み」の温度として選択し、項目選択手段12により具体的な数値で余熱工程終了温度を設定した場合に、その設定を登録するかを問い合わせる画面を、表示制御手段36が表示手段7に表示させ、タッチパネル8により登録するか否かを選択できる構成にしてもよい。
【0062】
この場合、表示制御手段36は、登録した余熱工程終了温度を記憶手段に記憶させ、次の加熱調理の際に読み出して表示手段7に一覧を表示させる。その中から、ユーザーが希望する余熱工程終了温度上でタッチパネル8に指を触れると、特定の余熱工程終了温度が設定できるように構成すれば、ユーザーが余熱工程終了温度を毎回設定する手間を省くことができる。
【0063】
また本実施形態では、項目選択手段12で選択または具体的な数値で設定した余熱工程終了温度を、加熱調理の開始後の全工程で変更し再登録できるように、加熱制御手段35を構成してもよい。
【0064】
この場合、一旦は項目選択手段12で選択または具体的な数値で設定した余熱工程終了温度を、ユーザーの都合に対応して、加熱調理が開始した後に何時でも再設定し再登録できる。
【0065】
また本実施形態では、余熱工程終了温度として「作業」以外の例えば「普通」や、「猫舌」や、「お好み」を選択した場合に、選択または具体的な数値で設定した余熱工程終了温度を、項目選択手段12で選択した時間維持するような保温機能を、加熱制御手段35に備えている。
【0066】
この場合、加熱調理終了後の保温機能を備えたことで、調理室3に入れられた調理済の被調理物を、余熱工程でユーザーの食事に適した温度に一定時間維持することができる。
【0067】
また本実施形態では、項目選択手段12で選択した余熱工程終了温度を維持する保温時間を、加熱調理の開始後の全工程で変更できるように、加熱制御手段35を構成してもよい。
【0068】
この場合、一旦は項目選択手段12で選択した余熱工程終了温度を維持する保温時間を、ユーザーの都合に対応して、加熱調理が開始した後に何時でも再設定できる。
【0069】
また本実施形態では、余熱工程に関して、加熱調理の開始前や加熱調理中に選択し設定された余熱工程終了温度や保温時間を考慮し、それらに応じて加熱工程における時間や温度などの設定条件を補正するように、加熱制御手段35を構成してもよい。
【0070】
これにより、加熱工程における設定条件を適切に修正して、焦げ付きなどの行き過ぎた調理を防ぐことが可能になる。
【0071】
また、こうした加熱調理の開始前や加熱調理中に選択し設定された余熱工程終了温度や保温時間を、第1実施形態で説明した顔認証と組み合わせることで、使用頻度の高い余熱工程終了温度や保温時間を、個人用にカスタマイズして表示手段7に一覧で表示させ、その中からユーザーが希望する特定の余熱工程終了温度や保温時間を、タッチパネル8へのタッチ操作で簡単に選択でき、利便性をさらに高めた加熱調理器を提供できる。
【実施例3】
【0072】
以下、図10図15を参照しながら、本発明の第3実施形態の加熱調理器について詳しく説明する。なお、前述した第1実施形態や第2実施形態の加熱調理器と共通する箇所には共通する符号を付し、共通する部分の説明は重複を避けるため極力省略する。
【0073】
図10は、加熱調理器となるオーブンレンジの外観を示したものである。本実施形態のオーブンレンジは、調理メニュー選択手段と同等の料理メニュー選択手段25と、手動時間設定手段26と、調理工程選択手段27と、手動加熱選択手段28が、表示手段7の表面に設けられたタッチパネル8ではない点で、第1実施形態のオーブンレンジとは異なる。料理メニュー選択手段25と手動時間設定手段26は、回転操作が可能な一つのダイヤルで、それぞれの機能を兼用しており、状況に応じて料理メニューの選択と手動調理における加熱時間の設定とを使い分ける構成となっている。その他の外観構成は、第1実施形態のオーブンレンジと共通する。
【0074】
図11は、上記本体1の特に本実施形態の特徴部分に関係する電気的構成を示したものである。本実施形態では、料理メニュー選択手段25で選択された料理メニューを記憶する選択料理メニュー記憶手段41と、調理工程選択手段27で選択された調理工程を記憶する調理工程記憶手段42とを、マイクロコンピュータ15の記憶手段に備えた点で、第1実施形態のオーブンレンジとは異なる。加熱制御手段35は、手動加熱選択手段28への操作により、加熱の種類や出力が選択され、手動時間設定手段26への操作により、加熱の時間や温度を設定した後に、調理開始指示手段9が操作されると、選択された加熱の種類や出力と、設定された加熱の時間や温度に基づいて、調理室3に入れられた被調理物への手動調理による加熱を開始する。また、料理メニュー選択手段25への操作により、料理(調理)メニュー情報記憶手段16に予め記憶されている複数の料理メニューの中から特定の料理メニューが選択され、調理工程選択手段27への操作により、その料理メニューでの作りかたとなる各調理工程の中から、特定の調理工程が選択された後に、調理開始指示手段9が操作されると、選択された料理メニューの調理工程に従って、加熱の種類や出力や時間を自動的に設定し、この設定内容に基いて、調理室3に入れられた被調理物への自動調理による加熱を開始する。このとき選択された特定の料理メニューは、選択料理メニュー記憶手段41にその都度記憶され、特定の料理メニューの下で選択された特定の調理工程は、調理工程記憶手段42にその都度記憶される構成となっている。
【0075】
なお、図11では一部の構成を省略しているが、本実施形態のオーブンレンジは、前述の第1実施形態と同じ電気的構成を具備する。
【0076】
次に、上記構成を有する本実施形態のオーブンレンジについて、図12図15を参照しながら、その動作を詳しく説明する。
【0077】
図12は、手動調理における表示手段7の表示例を示したものである。ここでも表示制御手段36は、加熱制御手段35と連携して、表示手段7の表示に係る動作を制御する。電源を投入した直後や調理が終了して待機している状態(第1実施形態の「電源オンの状態」)では、表示手段7に初期表示部M1となる「0」のみを表示させた待機画面(c-1)を表示させる。ここから手動加熱選択手段28となるキーを押すと、表示手段7は手動加熱選択画面(c-2)の表示に切換わり、例えば手動のレンジ加熱で600Wの出力が選択されたことを手動加熱選択画面(c-2)で表示する。
【0078】
手動加熱選択画面(c-2)には、手動調理が選択されたのを示す手動表示部M2と、加熱の種類としてレンジ加熱が選択されたのを示すレンジ表示部M3と、金属製の付属品の使用を禁止する「金属×」や、マイクロ波の使用を示すアイコンなどの情報表示部M4と、選択された加熱の出力を示す出力表示部M5と、加熱時間(残時間)を示す時間表示部M6が各々表示される。
【0079】
この状態で、手動時間設定手段26となるダイヤルを回すと、時間設定初期画面となる手動加熱選択画面(c-2)の時間表示部M6は、ダイヤルを回すのに従って初期の「0秒」から増加し、加熱時間が例えば「20秒」に設定された時間設定画面(c-2-1)の状態となる。その後、調理開始指示手段9となるキーを押すと、手動調理による加熱が開始される。すなわち加熱制御手段35は、調理室3に入れられた被調理物に対して、出力600Wで20秒間のレンジ加熱が行われるように、マイクロ波加熱手段31の動作を制御する。
【0080】
また、表示手段7に前述の手動加熱選択画面を表示させた状態では、手動加熱選択手段28を押す毎に、選択される加熱の種類と出力との組み合わせが順次切換わる。例えば、表示手段7に手動加熱選択画面(c-2)を表示させた状態から、手動加熱選択手段28を操作すると、表示手段7の表示は例えば手動のレンジ加熱で500Wの出力が選択された手動加熱選択画面(c-3)に切換わり、そこからさらに手動加熱選択手段28を操作すると、表示手段7の表示は例えば手動のオーブン加熱が選択された手動加熱選択画面(c-4)に切換わる。表示手段7に手動加熱選択画面(c-3)を表示させた状態で、手動時間設定手段26を操作すると、加熱時間が例えば「20秒」に設定された時間設定画面(c-3-1)となり、そこから調理開始指示手段9を操作すると、手動調理による加熱が開始されるのは、前述した通りである。
【0081】
また、手動加熱選択画面(c-4)では、レンジ表示部M3に代わり、オーブン加熱が選択されたのを示すオーブン表示部M7が表示され、それ以外は手動表示部M2を除いて非表示となる。表示手段7が手動加熱選択画面(c-4)を表示した状態で、手動時間設定手段26となるダイヤルを回すと、設定温度の変更が可能になり、表示手段7は温度設定画面(c-4-1)の表示に切換わる。温度設定画面(c-4-1)では、手動表示部M2とオーブン表示部M7に加えて、例えば「160℃」のように設定した温度を示す温度表示部M8が表示され、設定した温度はダイヤルを回すことで増減する。
【0082】
表示手段7に温度設定画面(c-4-1)を表示させた状態で、手動加熱選択手段28を押すと、温度表示部M8に表示される設定した温度が確定し、次に加熱時間の変更が可能になって、表示手段7は時間設定初期画面(c-4-2)の表示に切換わる。時間設定初期画面(c-4-2)では、手動表示部M2とオーブン表示部M7と温度表示部M8に加えて、初期の「0秒」の時間表示部M6が表示される。
【0083】
表示手段7に時間設定初期画面(c-4-2)を表示させた状態で、手動時間設定手段26となるダイヤルを回すと、設定温度の変更が可能になり、時間表示部M6はダイヤルを回すのに従って初期の「0秒」から増加して、加熱時間が例えば「20分」に設定された時間設定画面(c-4-3)の状態となる。その後、調理開始指示手段9となるキーを押せば、手動調理によるオーブン加熱が開始され、加熱制御手段35は、調理室3に入れられた被調理物に対して、160℃の温度で20分間のオーブン加熱が行われるように、ヒータ加熱手段32の動作を制御する。
【0084】
図13は、オーブンレンジの付属品として、本体1とは別な料理集に掲載されるハンバーグのレシピを示したものである。ここでは、料理メニュー番号を示す「5」と、料理メニュー名を示す「ハンバーグ」が、レシピの上側にあるタイトルの部分R1に記載されている。また、タイトルの部分R1の左下側には、出来上がり状態の写真の部分R2と、使用する食材のリストの部分R3がそれぞれ記載され、タイトルの部分R1の右下側には、作りかた(調理工程)の部分R4が記載されている。
【0085】
作りかたの部分R4では、調理工程の順に番号が割り振られている。ここでは「1」、「4」、「6」が加熱の必要な工程となっており、例えば工程「1」では、加熱の種類と出力を示す「レンジ600W」や、加熱の時間を示す「2分」のように、それぞれの工程で加熱する場合の加熱条件が記載されている。したがって、上述した手動加熱での選択や設定から、オーブンレンジの本体1を利用してハンバーグを調理することも可能である。
【0086】
料理集には、図13に示す「ハンバーグ」の他に、本体1で自動調理が可能な全ての料理メニューのレシピが掲載される。各料理メニューの作りかたと、各調理工程の中で加熱が必要な調理工程の加熱条件(加熱の種類、出力、温度、時間など)は、予め料理メニューの全情報として料理メニュー情報記憶手段16に記憶保持される。料理集は、冊子のような書類の他に、パーソナルコンピュータやスマートフォンで閲覧できるデータであってもよい。また、調理工程の順に識別子として番号ではなく、例えば「A」、「B」、「C」のような文字を割り当ててもよい。
【0087】
図14は、上述の「ハンバーグ」を自動調理する場合の表示手段7の表示例を示したものである。同図において、手動調理の場合と同様に、表示手段7に待機画面(c-1)を表示させた状態から、料理メニュー選択手段25であるダイヤルを回すと、表示手段7は自動加熱選択画面(c-12)の表示に切換わり、複数の料理メニューの中から、特定の調理メニューが順に選択される。図14に示す自動加熱選択画面(c-12)は、自動調理で選択した料理メニューの番号が、料理集に掲載したハンバーグに相当する「5」であり、そのハンバーグに係る調理工程が、料理集に掲載した「1」番目の、レンジ加熱が選択されたことを表示している。
【0088】
自動加熱選択画面(c-12)には、自動調理における選択された料理メニューの番号を示すのに、「自動メニュー」の下に数字を付した自動メニュー番号表示部M11と、選択された料理メニューの調理工程を示すのに、「工程」の下に数字を付した工程番号表示部M12と、加熱の種類がレンジ加熱であることを示すレンジ表示部M3と、金属製の付属品の使用を禁止する「金属×」や、マイクロ波の使用を示すアイコンなどの情報表示部M4が各々表示される。
【0089】
また、表示手段7に自動加熱選択画面を表示させた状態では、調理工程選択手段27であるキーを押す毎に、表示手段7の表示は例えば自動加熱選択画面(c-13)、(c-14)のように切換わり、同じ選択された料理メニューの番号で、加熱が必要な調理工程のみが順次選択される。自動加熱選択画面(c-13)では、自動調理で選択した料理メニューの番号が「5」であると自動メニュー番号表示部M11に表示され、調理工程選択手段27で選択した調理工程が、「1」番目の次に加熱が必要な「4」番目であると工程番号表示部M12に表示され、加熱の種類は「オーブン」であることがオーブン表示部M7で表示され、調理室3に被調理物を入れる前の加熱である「予熱」であることが予熱表示部M13で表示される。また、次の自動加熱選択画面(c-14)では、自動調理で選択した料理メニューの番号が「5」であると自動メニュー番号表示部M11に表示され、調理工程選択手段27で選択した調理工程が、「4」番目の次に加熱が必要な「6」番目であると工程番号表示部M12に表示され、加熱の種類は「オーブン」であることがオーブン表示部M7で表示される。
【0090】
なお、オーブン加熱となる自動加熱選択画面(c-13)、(c-14)では、情報表示部M4として、金属の使用を禁止する「金属×」や、マイクロ波の使用を示すアイコンは表示されない。調理室3内に被調理物を入れてオーブン加熱を行なう自動加熱選択画面(c-14)では、付属品である金属製の角皿(図示せず)を、調理室3内の上段に載せて使用する別な情報表示部M15が表示される。
【0091】
自動加熱選択画面(c-14)では、ハンバーグの料理メニューにおいて加熱が必要な調理工程の中で、最後の工程番号である「6」が工程番号表示部M12に表示されており、表示手段7に自動加熱選択画面(c-14)が表示された状態で、調理工程選択手段27を押すと、ハンバーグの料理メニューにおいて加熱が必要な最初の調理工程が選択された自動加熱選択画面(c-12)に、表示手段7の表示が戻る構成となっている。
【0092】
また、図13で示した料理集の料理メニュー番号と作りかたの番号(識別子)は、自動加熱選択画面(c-12)~(c-14)の自動メニュー番号表示部M11に表示される番号と、工程番号表示部M12に表示される番号(識別子)とそれぞれ同じく、一致している。
【0093】
そして、表示手段7に自動加熱選択画面(c-12)~(c-14)の何れかを表示させた状態で、調理開始指示手段9となるキーを押すと、自動調理による加熱が開始される。すなわち加熱制御手段35は、選択された料理メニューの番号と、選択された調理工程の番号に応じた様々な加熱条件を、料理メニュー情報記憶手段16に予め記憶された料理メニュー全情報の中から抽出して設定し、調理室3に入れられた被調理物に対して、設定した加熱条件に沿ったレンジ加熱やオーブン加熱が行われるように、マイクロ波加熱手段31やヒータ加熱手段32の動作を制御する。
【0094】
ここで、加熱調理器の一般的な使い方に言及すると、従来は一つの料理で、下ごしらえから調理を完成させるまでには複数の作りかた(調理工程)があり、その工程のうちいくつかの工程で加熱調理器を使用していた。しかし、加熱調理器の使用が必要な各工程で、加熱条件を個別に設定するのは手間が掛かる。また、複数の調理工程を自動で連続的に設定すると、仮に途中で調理を取り消してしまった場合には、途中から再開できずに不便であり、途中で追加の加熱を行ないたくてもできなかった。
【0095】
そこで本実施形態では、料理メニューと調理工程を選択するだけで、それに対応した加熱条件を設定でき、一つの調理工程が完了した場合には、次の調理工程に対応した加熱条件が自動的に設定されることで、それぞれの調理工程で加熱条件を簡単に設定でき、途中の工程からでも簡単に加熱を再開できる加熱調理器を提供するのに、複数の調理メニューの中から、特定の料理メニューを選択するための料理メニュー選択手段25と、選択された特定の料理メニューの下で、複数の調理工程の中から特定の調理工程を選択するための調理工程選択手段27とを有し、加熱制御手段35は、選択された特定の料理メニューと調理工程に応じて、予め料理メニュー情報記憶手段16に記憶された加熱条件を設定し、加熱開始手段となる調理開始指示手段9への操作により、設定した加熱条件に基づく調理加熱を実行する構成となっている。
【0096】
したがって、選択した一つの料理メニューにおいて、いくつかの調理工程で加熱調理を行なう場合に、調理工程選択手段27を利用すれば簡単に希望の調理工程を選択することができ、選択した調理工程に対応する加熱条件を設定して、適切な加熱調理を行なうことが可能になる。
【0097】
また、本実施形態の調理工程選択手段27は、押動操作が可能なスイッチで構成され、調理工程選択手段27を押す毎に、加熱の必要な調理工程を順次選択でき、最後の加熱の必要な調理工程が選択された状態で、調理工程選択手段27を押すと、最初の加熱の必要な調理工程の選択に戻る構成となっている。
【0098】
そのため、スイッチの押動操作だけで、加熱の必要な調理工程を順番に選択することができ、調理工程の選択が容易であると共に、押し過ぎた場合でも元に戻って所望の調理工程を選択できる。
【0099】
また本実施形態では、料理メニューと調理の作りかたとを記載した料理集を付属しており、調理工程の選択時に表示手段7に表示される自動加熱選択画面(c-12)~(c-14)では、料理集の作りかたに記載される識別子としての番号と同一となるように、選択された調理工程の番号を工程番号表示部M12に表示する構成となっている。
【0100】
これにより、料理集に記載される調理工程の識別子と、自動加熱選択画面(c-12)~(c-14)の工程番号表示部12に表示される調理工程の識別子を一致させることで、調理工程の選択間違いの可能性を低減できる。
【0101】
前述のように、表示手段7に待機画面(c-1)を表示させた待機中の時に、料理メニュー選択手段25であるダイヤルを回して、料理メニューが「5」番のハンバーグを選択すると、調理工程選択手段27を操作しなくても、最初に加熱が必要な「1」番目の調理工程が選択された状態になる。ハンバーグの料理メニューでは、最初の調理工程から加熱が必要であるため、自動加熱選択画面(c-12)の工程番号表示部M12には、選択された調理工程が「1」番目であることが表示されるが、最初の工程で加熱の必要がない料理メニューであれば、その料理メニューを選択した直後の自動加熱選択画面(c-12)には、工程番号表示部M12に「1」ではなく、例えば「2」や「3」などの、当該調理メニューで加熱が必要な最初の調理工程の番号が表示され、その番号の調理工程が自動的に選択される。
【0102】
すなわち本実施形態では、料理メニュー選択手段25で特定の調理メニューを選択した場合に、加熱が必要な最初の調理工程が自動的に選択され、続けて調理工程選択手段27を操作すれば、一つずつ順に後の加熱が必要な調理工程が選択される構成となっている。
【0103】
これにより、選択した特定の調理メニューで、最初の調理工程をわざわざ選択する手間を省くことが可能になる。
【0104】
図15は、「ハンバーグ」を自動調理する場合の表示手段7の表示例を、図14よりも具体的に順に示したものである。選択された料理メニューが「5」番目のハンバーグで、選択された調理工程が「1」番目であることを、表示手段7の自動加熱選択画面(c-12)に表示させた状態で、調理開始指示手段9となるキーを押すと、自動調理による加熱が開始され、表示手段7の表示は自動加熱中画面(c-21)に切換わる。この自動加熱中画面(c-21)では、ユーザーに調理中であることを知らせるために、前述のレンジ表示部M3や情報表示部M4が点灯状態から点滅状態(図では、点線で囲んだ状態で示す)に切換わり、さらに加熱の出力が例えば「600W」であることを示す出力表示部M5と、加熱の残時間が例えば「2分00秒」であることを示す時間表示部M6が各々表示される。自動加熱中画面(c-21)に表示される時間表示部M6の残時間が「0秒」となり、調理室3内の被調理物に対する加熱が終了すると、表示手段7の表示は延長加熱選択画面(c-22)に切換わり、この延長加熱選択画面(c-22)が所定時間(例えば1分間)表示される。延長加熱選択画面(c-22)では、追加の加熱時間を示す延長時間表示部M16だけが表示され、それ以外は全て非表示となる。
【0105】
表示手段7に延長加熱選択画面(c-22)が表示されている間は、その直前に実行されていた加熱を延長できるように加熱制御手段35が機能しており、加熱不足であると感じた場合にこの機能を使用する。具体的には、加熱選択画面(c-22)が表示手段7に表示されている間に、手動時間設定手段26となるダイヤルを回すと、表示手段7の表示は延長時間設定画面(c-23)に切換わり、直前に実行されていた加熱であるレンジ600Wが自動的に再設定され、設定された加熱の種類と出力が、延長時間設定画面(c-23)のレンジ表示部M3と出力表示部M5にそれぞれ表示される。延長時間設定画面(c-23)には、その他に時間表示部M6に代わる延長時間表示部M16が表示され、手動時間設定手段26のダイヤルを回すのに従って、延長時間表示部M16に表示される追加の加熱時間の設定を増減させることができる。これにより、手動時間設定手段26のダイヤルを回すだけで、加熱が必要な調理工程が終わった後に、希望する追加の加熱時間を簡単に可変設定できる。
【0106】
こうして、延長時間表示部M16に表示される追加の加熱時間を、例えば希望する「20秒」に設定した後、調理開始指示手段9となるキーを押すと、追加の加熱が開始され、延長時間設定画面(c-23)に表示される延長時間表示部M16の残時間が「0秒」となり、調理室3内の被調理物に対する加熱が終了すると、表示手段7の表示は待機画面(c-1’)に切換わって待機状態となる。
【0107】
また、1番目の調理工程での加熱が終了して、延長加熱選択画面(c-22)が表示手段7に表示されている状態で、手動加熱選択手段28であるキーを押して手動調理を選択した後に、手動時間設定手段26であるダイヤルを回して加熱時間を設定すれば、自動調理による特定の料理メニューにおける調理工程の加熱に引き続いて、手動調理による加熱を実行することが可能である。これにより、各調理工程で加熱不足であった場合の追加加熱や、全く別な加熱を、自動調理に割り込みで実行することができる。
【0108】
加熱制御手段35は、選択した特定の料理メニューで一つの調理工程での加熱が終了する毎に、その料理メニューを選択料理メニュー記憶手段41に記憶させ、終了した調理工程を調理工程記憶手段42に記憶させるが、上述した延長の加熱や手動調理の加熱を実行しても、こうした記憶は保持される。したがって、図15に示す表示例で、延長時間設定画面(c-23)に表示される延長時間表示部M16の残時間が「0秒」となり、表示手段7の表示が待機画面(c-1’)に切換わって待機状態となった状態では、ハンバーグの料理メニューが1番目の調理工程まで完了したことが、選択料理メニュー記憶手段41と調理工程記憶手段42にそれぞれ記憶されており、この待機画面(c-1’)が表示されているときに、調理工程選択手段27のキーを押すと、ハンバーグの料理メニューで次に加熱が必要な4番目の調理工程が自動的に選択され、次の調理工程が簡単に選択される。また表示手段7の表示も、ハンバーグの料理メニューで4番目の調理工程が選択されたのを知らせる自動加熱選択画面(c-13)に切換わる。
【0109】
ここで、図13に戻ってハンバーグの作りかたを説明すると、4番目と6番目の調理工程は、予熱が必要なオーブン加熱工程であり、4番目の調理工程は、被調理物となる食品を入れずに、調理室3のみを加熱する予熱工程で、6番目の調理工程は、予熱された調理室3内に食品を入れて、その食品を加熱する工程である。5番目の調理工程は、加熱するハンバーグの形を整えて、付属の角皿の上に並べる工程であり、加熱を伴わない準備の工程である。
【0110】
図15に示す自動加熱選択画面(c-13)は、予熱を始める前の4番目の調理工程が選択された状態の表示であり、ハンバーグに相当する「5」番目の料理メニューが選択されたのを示す自動メニュー番号表示部M11と、「4」番目の調理工程が選択されたのを示す工程番号表示部M12と、「予熱」であることを示す予熱表示部M13と、加熱の種類が「オーブン」であることを示すオーブン表示部M7が各々表示される。
【0111】
表示手段7に自動加熱選択画面(c-13)を表示させた状態で、調理開始指示手段9となるキーを押すと、調理室3内のみを加熱する予熱が開始され、表示手段7の表示は自動加熱中画面(c-24)に切換わる。この自動加熱中画面(c-24)では、ユーザーに調理中であることを知らせるために、オーブン表示部M7が点灯状態から点滅状態に切換わり、引き続き予熱表示部M13と、さらに加熱の設定温度が例えば「250℃」であることを示す温度表示部M8が各々表示される。そして、温度検知手段21で検出される調理室3内の温度が、設定した予熱完了温度となる250℃に到達すると、表示手段の表示は予熱完了画面(c-25)に切換わり、報知制御手段37はブザー報知装置33を鳴動させて、ユーザーに予熱が完了したことを知らせる。
【0112】
予熱完了画面(c-25)では、引き続き予熱表示部M13と、温度表示部M8と、オーブン表示部M7が表示され、さらに予熱の完了を示す終表示部M17が表示される。表示手段7に予熱完了画面(c-25)が表示されてから、所定の時間である例えば20分間は、調理室3内の温度を予熱完了温度に維持するように、加熱制御手段35がヒータ加熱手段32を制御する。この予熱完了温度が維持されている状態で、食品を入れるために扉4を開けると、扉開閉検出手段32からの検出信号を受けて、表示手段7の表示が、ハンバーグの料理メニューで6番目の調理工程が選択されたのを知らせる自動加熱選択画面(c-14)に切換わる。
【0113】
自動加熱選択画面(c-14)は、6番目の調理工程が選択された状態の表示であり、ハンバーグに相当する「5」番目の料理メニューが選択されたのを示す自動メニュー番号表示部M11と、「6」番目の調理工程が選択されたのを示す工程番号表示部M12と、加熱の種類が「オーブン」であることを示すオーブン表示部M7と、付属品である金属製の角皿(図示せず)を、調理室3内の上段に載せて使用することを示す情報表示部M15が各々表示される。
【0114】
表示手段7に自動加熱選択画面(c-14)を表示させた状態で、、ユーザーが調理工程5で準備した整形後のハンバーグを角皿に並べて調理室3内に入れ、調理開始指示手段9となるキーを押すと、調理室3内の被調理物への加熱が開始され、表示手段7の表示は自動加熱中画面(c-26)に切換わる。この自動加熱中画面(c-26)では、ユーザーに調理中であることを知らせるために、オーブン表示部M7が点灯状態から点滅状態に切換わり、引き続き情報表示部M15と、さらに加熱の設定温度が例えば「250℃」であることを示す温度表示部M8と、加熱の残時間が例えば「13分00秒」であることを示す時間表示部M6が各々表示される。
【0115】
その後、調理室3内の被調理物への加熱に伴い、自動加熱中画面(c-26)に表示される時間表示部M6の残時間が「0秒」となり、被調理物に対する加熱が終了すると、表示手段7の表示は延長加熱選択画面(c-27)に切換わり、この延長加熱選択画面(c-27)が所定時間(例えば1分間)表示される。延長加熱選択画面(c-27)では、追加の加熱時間を示す延長時間表示部M16だけが表示され、それ以外は全て非表示となる。前述したように、加熱不足と感じた場合には、表示手段7に延長加熱選択画面(c-27)が表示されている間に、動時間設定手段26となるダイヤルを回せば、表示手段7の表示は延長時間設定画面(c-28)に切換わり、直前に実行されていた加熱であるオーブン250℃が自動的に再設定され、設定された加熱の種類と出力が、延長時間設定画面(c-28)のオーブン表示部M7と温度表示部M8にそれぞれ表示される。
【0116】
延長時間設定画面(c-28)には、その他に引き続いて情報表示部M15と、さらに時間表示部M6に代わる延長時間表示部M16が表示され、手動時間設定手段26のダイヤルを回すのに従って、延長時間表示部M16に表示される追加の加熱時間の設定を増減させることができる。これにより、手動時間設定手段26のダイヤルを回すだけで、加熱が必要な調理工程が終わった後に、希望する追加の加熱時間を簡単に可変設定できる。延長時間表示部M16に表示される追加の加熱時間を、例えば希望する「1分00秒」に設定した後、調理開始指示手段9となるキーを押すと、追加の加熱が開始され、延長時間設定画面(c-23)に表示される延長時間表示部M16の残時間が「0秒」となり、調理室3内の被調理物に対する加熱が終了すると、表示手段7の表示は待機画面(c-1’’)に切換わって待機状態(調理完了)となる。
【0117】
このように本実施形態では、料理メニューと調理工程をそれぞれ選択手段となる料理メニュー選択手段25と調理工程選択手段27で選択して、調理開始指示手段9となる加熱を実行した場合には、その調理工程での加熱が完了した後に、調理工程選択手段27が操作されると、前回と同じ料理メニューで、次の加熱が必要な調理工程が最初に選択される構成となっている。
【0118】
この場合、一つの料理メニューに関する調理工程の作業の経過に従って、簡単に次の調理工程を選択して、その調理工程での加熱条件を設定することができる。
【0119】
また本実施形態では、加熱の種類と加熱の時間を設定する手動加熱設定手段として手動時間設定手段26を備え、料理メニューと調理工程を選択して加熱を実行した場合は、その加熱が完了した後に手動時間設定手段26を操作することで、加熱の種類と加熱の時間を設定して手動加熱を行なうことができ、手動加熱を実行しても、前回と同じ料理メニューと調理工程を、記憶手段である選択料理メニュー記憶手段41と調理工程記憶手段42にそれぞれ記憶する構成となっている。
【0120】
この場合、料理メニューと調理工程を選択して自動加熱を行なう際に、途中で加熱不足などの手動加熱を追加や割り込みで使用しても、同じ調理メニューで次の調理工程による自動加熱を簡単に継続できる。
【0121】
また本実施形態では、選択した料理メニューの一つの調理工程に関して自動加熱が終了してから一定時間内は、追加の加熱ができるように構成され、自動加熱の完了後に追加の加熱を実行しても、追加の加熱前の料理メニューと調理工程を、記憶手段である選択料理メニュー記憶手段41と調理工程記憶手段42にそれぞれ記憶する構成となっている。
【0122】
この場合、料理メニューと調理工程を選択して自動加熱を行なう際に、途中で加熱不足などが生じても、簡単に追加の加熱を行なうことができ、しかも次の調理工程の選択を容易に行なうことができる。
【0123】
また本実施形態では、被調理物を収容する加熱室となる調理室3と、調理物3に被調理物を出し入れするために、調理室3の手前側に配設される扉4とを有し、選択した料理メニューの中で、予め調理室3を加熱しておく予熱工程が調理工程に含まれている場合には、予熱工程と、その後の加熱が必要な工程を別々な調理工程に分けて、予熱工程が完了した後に扉4が開けられると、自動的に予熱後の加熱が必要な工程が選択される構成となっている。
【0124】
このようにすれば、予熱後に次の加熱を必要とする調理工程が自動的に選択され、調理工程を選択する手間を省くことができる。
【0125】
なお、本実施形態においても、使用頻度の高い料理メニューを個人用にカスタマイズして、情報出力部となる表示手段7に表示するために、第1実施形態で説明した顔認証の技術を組み入れてもよい。
【実施例4】
【0126】
以下、本発明の第4実施形態の加熱調理器について詳しく説明する。なお、前述した第1実施形態~第3実施形態の加熱調理器と共通する箇所には共通する符号を付し、共通する部分の説明は重複を避けるため極力省略する。
【0127】
図16は、従来の調理室3内の構成を概略的に示したものである。同図において、51は、調理室3の左右側壁に突出して設けられる上下二段の皿固定部、52は、本体1の内部空間にヒータ53を取付けるための上下のヒータ取付け部である。皿固定部51は、図示しない付属品となる有底状の皿を載せるためのもので、前述したハンバーグの例では、食品を置いた状態の皿を、調理室3内の上段の皿固定部51に載せ、主に調理室3の上側に配設されるヒータ53からの輻射熱で、食品をオーブン加熱する構成となっている。
【0128】
従来の加熱調理器は、調理室3の内部で皿固定部51に載せた位置に皿が固定されてしまうため、ヒータと被調理物との間にある程度の距離がある場合には、調理に時間がかかっていた。また、加熱に伴い上方に膨らむ被調理物もあり、その場合は被調理物が調理室3内の上壁に接触し、出来上がりが悪くなる不満があった。さらに、皿に載せた食品を焙煎するような調理は、ほぼ不可能であった。本実施形態ではこうした課題を解決して、ヒータによる加熱調理で、ヒータ熱を最大限に利用できる加熱調理器としてのオーブンレンジを提案する。
【0129】
図17は、本実施形態のオーブンレンジにおいて、調理室3内の構成を概略的に示したものである。同図において、ここでは前述の皿固定部51に代わり、調理室3内部の左右側壁に沿って、上下方向に移動可能な可動式固定器55が配置される。可動式固定器55は、後述する付属品となる皿58(または網)を、少なくとも二箇所以上で固定できるように設けられ、本実施形態では皿58の四隅を可動式固定器55で固定する構成となっている。また56は、調理室3内部の左右側壁上部にそれぞれ配設された過上昇防止センサである。なお、ここでもヒータ53は、調理室3の上側と下側に位置して、本体1の内部空間にヒータ取付部52を利用して設けられるが、ヒータ取付部52とヒータ53を、調理室3の上側にのみ設けた構成としてもよい。
【0130】
図18は、図17に示す調理室3内の加熱調理時における状態を示したものである。加熱調理の際には、一乃至複数の被調理物Fを有底状の皿58の上に載せ、その皿58を調理室3内に入れて可動式固定器55に固定する。被調理物Fによっては、皿58の代わりに網を用いたりしても構わない。
【0131】
その他、本実施形態におけるオーブンレンジの外観構成は、第2実施形態の加熱調理器と同じであるため、説明と図示は省略する。
【0132】
図19は、本実施形態の特徴部分に関係する本体1の電気的構成を示したものである。本実施形態のオーブンレンジは、前述の過上昇防止センサ56を含んで構成される過上昇検出手段61と、可動式固定器55を上下に動作させるための可動式固定器移動手段62を、マイクロコンピュータ15と電気的に追加して接続している。さらにマイクロコンピュータ15は、項目選択手段12や項目確定手段13からの操作信号と、過上昇検出手段61からの検出信号を受けて、可動式固定器移動手段62の動作を制御する固定器動作制御手段を備えており、これらの点が第1実施形態~第3実施形態のオーブンレンジと異なる。
【0133】
なお、図19では一部の構成を省略しているが、本実施形態のオーブンレンジは、前述の第1実施形態と同じ電気的構成を具備する。また、前述のヒータ53は、図19に示すヒータ加熱手段32に相当する。
【0134】
図20は、過上昇検出手段61の回路例を示している。同図において、過上昇防止センサ56は、発光素子である赤外線LED56Aと、受光素子であるフォトトランジスタ56Bとからなる非接触の赤外線センサで構成され、これらの赤外線LED56Aとフォトトランジスタ56Bには、共通する動作電圧Vccが印加される。赤外線LED56Aは、スイッチ素子となるトランジスタ71と直列に接続され、フォトトランジスタ56Bは、抵抗72と直列に接続される。なお、74はトランジスタ71のベース電流制限用の抵抗、75はトランジスタ71の誤動作防止用の抵抗である。
【0135】
トランジスタ71のベースは、入力抵抗74を介してマイクロコンピュータ15の出力ポートに接続され、フォトトランジスタ56Bと抵抗72との接続点は、マイクロコンピュータ15の入力ポートに接続される。これにより、可動式固定器55の位置を自動で調整するために、固定器動作制御手段38からトランジスタ71のベースに向けて、H(高)レベルの制御信号となる自動位置調整信号が出力されると、トランジスタ71のエミッタ・コレクタ間がオン状態となり、赤外線LED56Aに電流が流れて赤外線を発し、過上昇検出手段61の過上昇防止検知が有効になる。このとき過上昇防止センサ56は、調理室3内の皿58に載せられた被調理物Fの位置(高さ)を検知し、赤外線LED56Aからの赤外線をフォトトランジスタ56Bが受光する位置にまで被調理物Fが上昇して、被調理物Fの過上昇を検知すると、フォトトランジスタ56Bがオン状態になって、フォトトランジスタ56Bと抵抗72との接続点から固定器動作制御手段38に向けて、Hレベルの過上昇検知信号が入力される構成となっている。
【0136】
図21は、図20の過上昇検出手段61を使用した場合の各部の波形図で、上段はマイクロコンピュータ15の出力ポートから過上昇検出手段61に送出される自動位置調整信号を示し、マイクロコンピュータ15の出力ポートから可動式固定器移動手段62に送出される過上昇検知に伴う下降指示信号を示している。
【0137】
可動式固定器移動手段62は、電動の駆動源となる例えば正逆回転が可能なモータと、そのモータの回転動作を可動式固定器55の直線動作に変換して伝達する駆動伝達機構と、可動式固定器53の位置を検出して、その検出信号をマイクロコンピュータ15に送出する位置検出機構とにより構成される。前述のように、固定器動作制御手段38から過上昇検出手段61にHレベルの自動位置調整信号が出力され、過上昇検出手段61の過上昇防止検知が有効になった状態で、過上昇検出手段61が被調理物Fの過上昇を検知すると、Hレベルの過上昇検知信号が固定器動作制御手段38に送出される。これを受けて固定器動作制御手段38は、調理室3内で皿58に載せられた被調理物Fひいては可動式固定器55を下降させるために、固定器動作制御手段38は可動式固定器移動手段62に向けて、L(低)レベルのパルス状の下降指示信号を送出する構成となっている。
【0138】
また図示しないが、可動式固定器55を上昇させるには、モータの回転を下降時と逆にするような別なパルス状の上昇指示信号を、可動式固定器移動手段62に送出する。これにより、皿58に載せられた被調理物Fひいては可動式固定器55を、段階的に下降させるだけでなく、段階的に上昇させることができる。
【0139】
なお、図20に示す回路図はあくまでも一例で、同様の機能を達成できれば別な構成であっても構わない。また、各信号のレベルについても上述の例に限定されない。例えば、被調理物Fの過上昇を検知したときに、フォトトランジスタ56Bがオン状態ではなくオフ状態になって、HレベルではなくLレベルの過上昇検知信号が発生するような過上昇防止センサ56を選定してもよい。可動式固定器移動手段62についても、可動式固定器55が上昇および下降できるならば、本実施形態のようなステップモータ以外の各種駆動源を利用して構成できる。
【0140】
次に、上記構成を有する本実施形態のオーブンレンジについて、図22図23の各フローチャートを参照しながら、その動作を詳しく説明する。なお、これらのフローチャートは、何れも被調理物Fを載せた皿58が、調理室3内で可動式固定器55に固定されていることを前提としている。
【0141】
図22は、加熱調理を開始する前に、被調理物Fの位置調整を設定する手順を示している。加熱調理前は前述のように本体1が待機中となっており、固定器動作制御手段38は、加熱制御手段35がヒータ加熱手段32を制御してヒータ加熱を開始する前に、項目選択手段12と項目確定手段13との操作により、被調理物Fの位置調整機能が選択されたか否かを判断する(ステップS21)。
【0142】
ステップS21において、被調理物Fの位置調整機能が選択されずに、調理開始指示手段9が押された場合には、ステップS28に移行して、可動式固定器55ひいては被調理物Fを載せた皿58をその位置に固定したまま、被調理物Fに対する調理加熱が開始する。
【0143】
一方、ステップS21において、被調理物Fの位置調整機能が選択された場合には、次のステップS22に移行して、その選択が自動であるのか、さもなければ手動であるのかを固定器動作制御手段38で判断する。ステップS22において、項目選択手段12と項目確定手段13との操作により、自動の位置調整機能が選択された場合には、ステップS23~S25からなる一連のステップ群Saに移行して、被調理物Fの位置を自動的に調整できるようにする。
【0144】
ステップ群Saにおいて、固定器動作制御手段38は、過上昇防止センサ56が過上昇を検知して、マイクロコンピュータ15に過上昇検知信号を送出したか否かを判断する(ステップS23)。ステップS23において、過上昇防止センサ56が過上昇検知信号を送出せず、被調理物Fの過上昇を検知しなければ、可動式固定器55を上昇させる上昇指示信号を可動式固定器移動手段62に送出し、皿58(または網)に載せられた被調理物Fを、調理室3の上側のヒータ53に近づける(ステップS24)。それに対して、ステップS23において、過上昇防止センサ56が過上昇検知信号を送出し、被調理物Fの過上昇を検知したならば、可動式固定器55を下降させる下降指示信号を可動式固定器移動手段62に送出し、皿58に載せられた被調理物Fを、調理室3の上側のヒータ53から一段階離す(ステップS25)。
【0145】
こうして、ステップ群Saの各手順で被調理物Fが自動で最適な位置に調整されたら、可動式固定器55はその位置で停止し、次に調理開始指示手段9が押された場合には、ステップS26に移行して、可動式固定器55ひいては被調理物Fを載せた皿58をその位置に固定したまま、被調理物Fに対する調理加熱が開始する。
【0146】
つまり、ユーザーがヒータ加熱による調理を行なう前に、項目選択手段12と項目確定手段13とを適宜操作して、自動の位置調整を選択すると、加熱調理が開始する前に、可動式固定器55に固定された皿58に載る被調理物Fを自動的に、過上昇防止センサ56で検知されず、且つヒータ53の熱を効果的に受けられる位置に近づけることができる。
【0147】
一方、前述のステップS22において、項目選択手段12と項目確定手段13との操作により、手動の位置調整機能が選択された場合には、ステップS27~S28からなる一連のステップ群Sbに移行して、被調理物Fの位置を手動で調整できるようにする。
【0148】
ステップ群Sbにおいて、固定器動作制御手段38は、加熱調理が開始する前に、皿58に載る被調理物Fを手動で移動できるように、ユーザーが項目選択手段12のダイヤルを一方向である時計回りに回転させた場合には、そこからの操作信号を受けて、可動式固定器55を上昇させる上昇指示信号を可動式固定器移動手段62に送出し、ユーザーが項目選択手段12のダイヤルを他方向である反時計回りに回転させた場合には、そこからの操作信号を受けて、可動式固定器55を下降させる下降指示信号を可動式固定器移動手段62に送出する。また、項目確定手段13となるキーを押すことで、可動式固定器55をその位置に固定させる停止指示信号を可動式固定器移動手段62に送出する。
【0149】
つまり、ユーザーがヒータ加熱による調理を行なう前に、項目選択手段12と項目確定手段13とを適宜操作して、手動の位置調整を選択すると、ユーザーが調整した位置に、可動式固定器55に固定された皿58に載る被調理物Fを固定することができる。
【0150】
次に、ステップS26での加熱調理開始後の動作を説明する。加熱制御手段35による被調理物Fへの加熱調理が開始すると、固定器動作制御手段38はステップ群Scに移行して、過上昇防止センサ56がマイクロコンピュータ15に過上昇検知信号を送出したか否かを判断する(ステップS29)。ステップS29において、被検知物Fの形状が調理加熱中に変化しなければ、過上昇防止センサ56は過上昇検知信号を送出せず、引き続きステップS29の判断を行なうが、被検知物Fの形状が調理加熱中に変化して上方に膨らみ、過上昇防止センサ56がこれを検知して過上昇検知信号を送出したならば、可動式固定器55を下降させる下降指示信号を可動式固定器移動手段62に送出し、皿58に載せられた被調理物Fを、調理室3の上側のヒータ53から一段階離す(ステップS30)。
【0151】
つまり、ユーザーがヒータ加熱による調理を行なう前に、項目選択手段12と項目確定手段13とを適宜操作して、自動の位置調整を選択すると、加熱調理中に被調理物Fが上方向に膨らんで、過上昇防止センサ56がその膨らみを検知した場合に、可動式固定器55に固定された皿58に載る被調理物Fを自動的に、調理室3の上側のヒータ53から遠ざけることが可能になる。
【0152】
次に、図23のフローチャートに基いて、加熱調理中に被調理物Fの位置調整を設定する手順を説明する。固定器動作制御手段38は、加熱制御手段35がヒータ53を制御して、可動式固定器55に固定された皿58に載る被調理物Fをヒータ加熱している間に、項目選択手段12と項目確定手段13との操作により、被調理物Fの位置調整機能が選択されたか否かを判断する(ステップS31)。
【0153】
ステップS21において、被調理物Fの位置調整機能が選択されない場合には、ステップS37に移行して、加熱調理中の位置調整は行わずに終了し、可動式固定器55ひいては被調理物Fを載せた皿58をその位置に固定したまま、被調理物Fに対する調理加熱を継続させる。
【0154】
一方、ステップS31において、被調理物Fの位置調整機能が選択された場合には、次のステップS32に移行して、その選択が自動であるのか、さもなければ手動であるのかを固定器動作制御手段38で判断する。ステップS32において、項目選択手段12と項目確定手段13との操作により、自動の位置調整機能が選択された場合には、ステップS33~S35からなる一連のステップ群Sdに移行して、被調理物Fの位置を自動的に調整できるようにする。
【0155】
ステップ群Sdにおいて、固定器動作制御手段38は、可動式固定器移動手段62に組み込まれる位置検出機構から検出信号を取り込んで、可動式固定器55の現在位置を記憶手段に記憶させる。そして、これを可動式固定器55ひいては被調理物Fの元の位置として、可動式固定器55に固定された皿58に載る被調理物Fが、自動的に最も低い位置にまで移動するように、固定器動作制御手段38から可動式固定器移動手段62に下降指示信号を送出する(ステップS33)。これにより、ユーザーは扉4を閉じた状態で、その扉4の透明窓部を通して、調理室3内の被調理物Fの仕上がりを確認できる。
【0156】
この後、固定器動作制御手段38はステップS34に移行して、項目選択手段12と項目確定手段13との操作により、被調理物Fを元に戻す選択がなされたか否かを判断する。ステップS34において、被調理物Fを元に戻す選択が行われたならば、ステップS35に移行し、固定器動作制御手段38から可動式固定器移動手段62に上昇指示信号を送出して、自動的に可動式固定器55を記憶手段に記憶されていた元の位置に戻す。そして、ステップS37に移行して、固定器動作制御手段38による加熱調理中の位置調整が終了し、被調理物Fは元の位置で加熱調理が行われる。それに対して、ステップS34において、被調理物Fを元に戻す選択が行わなければ、ステップS37に移行して、固定器動作制御手段38による加熱調理中の位置調整が終了し、被調理物Fは最も低い位置で加熱調理が行われる。
【0157】
こうして、調理室3内で被調理物Fを最も低い位置に移動させて、扉4を通して被調理物Fの仕上がりを視認した後に、被調理物Fを元の位置に戻して加熱調理を続けるか、或いは被調理物Fをヒータ53から最も離れた位置にして加熱調理を続けるかを、ユーザーの意志で選択できる。
【0158】
一方、前述のステップS32において、項目選択手段12と項目確定手段13との操作により、手動の位置調整機能が選択された場合には、ステップS36に移行して、被調理物Fの位置を手動で調整できるようにする。これは前述したように、ユーザーが項目選択手段12のダイヤルを一方向である時計回りに回転させた場合には、可動式固定器55を上昇させる上昇指示信号を可動式固定器移動手段62に送出し、ユーザーが項目選択手段12のダイヤルを他方向である反時計回りに回転させた場合には、可動式固定器55を下降させる下降指示信号を可動式固定器移動手段62に送出する。また、項目確定手段13となるキーを押すことで、可動式固定器55をその位置に固定させる停止指示信号を可動式固定器移動手段62に送出する。
【0159】
これにより、ヒータ53による加熱調理中も、項目選択手段12と項目確定手段13とを適宜操作して、手動の位置調整を選択すると、ユーザーが調整した位置に、可動式固定器55に固定された皿58に載る被調理物Fを固定することができる。
【0160】
さらに本実施形態のオーブンレンジは、調理メニュー情報記憶手段16に、被調理物Fへのヒータ加熱による調理メニューとして、焙煎調理を可能にする焙煎メニューの全情報が含まれている。加熱制御手段35と連携する固定器動作制御手段38は、項目選択手段12と項目確定手段13への操作により、複数の調理メニューの中から焙煎メニューが選択されると、可動式固定器55に固定された皿(または網)58に載る被調理物Fを自動的に、過上昇防止センサ56で検知されず、且つヒータ53の熱を効果的に受けられる位置に近づける。そして、少なくとも加熱制御手段35が調理室3の上側に配置したヒータ53を制御して、被調理物Fへのヒータ加熱を行なっている間は、固定器動作制御手段38により可動式固定器55を個別に動かして、皿58を様々な方向に傾けることで、皿58に載せられた被調理物Fを均等に焙る構成となっており、従来の加熱調理器ではほぼ不可能であった被調理物Fへの均等な焙煎を実現できる。
【0161】
以上のように本実施形態の加熱調理器としてのオーブンレンジは、図22のステップ群Saに示すように、ユーザーがヒータ加熱による調理を行なう前に、選択手段となる項目選択手段12と項目確定手段13とにより自動位置調整の機能を選択すると、加熱調理が開始する前に、可動式固定器55に固定された皿(または網)58に載る被調理物Fを自動的に、過上昇防止センサ56で検知されず、且つ加熱手段となるヒータ53の位置にできるだけ近づくように、可動式固定器55の位置を調整する制御手段としての固定器動作制御手段38を備えている。
【0162】
この場合、過上昇防止センサ56により、被調理物Fを自動的に最もヒータ53の熱を受けやすい位置に移動することで、被調理物Fに対する調理時間を短縮できる。また、調理室3の上側と下側にそれぞれヒータ53を備えた加熱調理器で、被調理物Fの両面に焼き色を付ける調理を行なう場合には、自動的に上下のヒータ53に近付けて、選択した焼き色に被調理物Fを仕上げることが可能になる。
【0163】
また本実施形態では、図22のステップ群Sbに示すように、ユーザーがヒータ加熱による調理を行なう前に、選択手段となる項目選択手段12と項目確定手段13とにより手動位置調整の機能を選択すると、加熱調理が開始する前に、可動式固定器55に固定された皿58に載る被調理物Fを、位置調整指示手段を兼ねる項目選択手段12を一方向に回転させることにより上昇させ、項目選択手段12を他方向に回転させることにより下降させるように、可動式固定器55の位置を調整する制御手段としての固定器動作制御手段38を備えている。
【0164】
この場合、過上昇防止センサ56の検知に関わりなく、手動で調理室3内での被調理物Fの位置を、ユーザーの意志で設定できる。また、手動で被調理物Fをヒータ53の熱を受けやすい位置に移動することで、被調理物Fに対する調理時間を短縮できる。
【0165】
また本実施形態では、図22のステップ群Scに示すように、ユーザーがヒータ加熱による調理を行なう前に、選択手段となる項目選択手段12と項目確定手段13とにより自動位置調整の機能を選択すると、加熱調理中に被調理物Fが上方向に膨らんで、過上昇防止センサ56がその膨らみを検知した場合に、可動式固定器55に固定された皿58に載る被調理物Fを自動的に、加熱手段となるヒータ53から遠ざけるように、可動式固定器55の位置を調整する制御手段としての固定器動作制御手段38を備えている。
【0166】
この場合、過上昇防止センサ56により、加熱調理中に被調理物Fが上方向に膨らんだのを検知した場合に、過上昇防止センサ56に検知されない位置にまで、被調理物Fを自動的にヒータ53から遠ざけることが可能になる。また、被調理物Fが膨らんだ状態であっても、その状態に合わせて最もヒータ53の熱を受けやすい位置に移動することで、被調理物Fに対する調理時間を短縮できる。
【0167】
また本実施形態では、図23のステップ群Sdに示すように、ユーザーがヒータ加熱による調理中に、被調理物Fの仕上がりを確認するために、選択手段となる項目選択手段12と項目確定手段13とにより自動位置調整の機能を選択すると、可動式固定器55に固定された皿(または網)58に載る被調理物Fを自動的に、調理室3内の最も低い位置にまで移動できるように、可動式固定器55の位置を調整する制御手段としての固定器動作制御手段38を備え、被調理物Fの仕上がりを確認した後に、項目選択手段12と項目確定手段13とにより被調理物Fを元の位置に戻すか否かを選択できる構成としている。
【0168】
この場合、ユーザーは扉4を閉じた状態で、調理室3内の被調理物Fの仕上がりを確認できる。また、被調理物Fの仕上がりを視認した後に、被調理物Fを元の位置に戻して加熱調理を続けるか、或いは被調理物Fをヒータ53から最も離れた位置にして加熱調理を続けるかを選択できる。
【0169】
また本実施形態では、図23のステップS36に示すように、ユーザーがヒータ加熱による調理中に、選択手段となる項目選択手段12と項目確定手段13とにより手動位置調整の機能を選択すると、加熱調理が開始する前に、可動式固定器55に固定された皿58に載る被調理物Fを、位置調整指示手段を兼ねる項目選択手段12を一方向に回転させることにより上昇させ、項目選択手段12を他方向に回転させることにより下降させるように、可動式固定器55の位置を調整する制御手段としての固定器動作制御手段38を備えている。
【0170】
この場合、被調理物Fの加熱調理中も、手動で調理室3内での被調理物Fの位置を、ユーザーの意志で設定でき、被調理物Fの位置を下降させることで、ユーザーは扉4を閉じた状態で、調理室3内の被調理物Fの仕上がりを確認できる。また、こうした被調理物Fの仕上がりを確認した後に、ユーザーが調整した位置で、被調理物Fに対する加熱調理を継続できる。
【0171】
さらに本実施形態では、ヒータ加熱の調理メニューで焙煎メニューが選択されると、調理室58の内部で皿58に載る被調理物Fを自動的にヒータ53に近付け、さらにそれぞれの可動式固定器55を個別に動かして、複数の可動式固定器55の動作を個々に制御するように、固定器動作制御手段38を構成している。
【0172】
したがって、調理室3内で皿58に載る被調理物Fをヒータ53に近づけた位置で、可動式固定器55を個別に動かしながらヒータ加熱を行なうことが可能となり、オーブンレンジで均等な焙煎を実現できる。
【0173】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更可能である。例えば第1実施形態において、認識部23Bからの認識結果ではなく、ユーザーPがタッチパネル8を操作することで、個人毎に振り分けられた履歴情報の中から特定の人の履歴情報を選択して、個人の使用頻度の高い調理メニューを表示手段7に表示させてもよい。また、各実施形態の特徴部分を組み合わせた加熱調理器としてもよい。
【符号の説明】
【0174】
1 本体
4 扉
7 表示手段(表示部、情報出力部)
8 タッチパネル(操作部、情報出力部)
17 履歴情報記憶手段(記憶部)
22 扉開閉検出手段
23A カメラ(撮像部)
23B 認識部
35 加熱制御手段(調理実行部)
36 表示制御手段
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