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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-18
(45)【発行日】2022-11-29
(54)【発明の名称】金属ナトリウムの不活化方法
(51)【国際特許分類】
   A62D 3/30 20070101AFI20221121BHJP
【FI】
A62D3/30
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018137215
(22)【出願日】2018-07-20
(65)【公開番号】P2020010999
(43)【公開日】2020-01-23
【審査請求日】2021-03-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000004307
【氏名又は名称】日本曹達株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109508
【弁理士】
【氏名又は名称】菊間 忠之
(72)【発明者】
【氏名】木下 友樹
【審査官】長谷部 智寿
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-273802(JP,A)
【文献】特開平11-293308(JP,A)
【文献】国際公開第2015/186637(WO,A1)
【文献】特開2005-139192(JP,A)
【文献】特開昭52-153904(JP,A)
【文献】特開2007-254870(JP,A)
【文献】特開昭54-146208(JP,A)
【文献】特開昭57-086800(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62D 3/30
B09B 3/00
B08B 3/08
C01D 1/00-17/00
C07C 31/30
G21F 9/28
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不活性油に浸かった金属ナトリウムにアルコールを反応させて、金属ナトリウムをナトリウムアルコキシドに転化させることを有し、
不活性油が、金属ナトリウムの保管に用いられる金属ナトリウムに対して不活性な油であり、
アルコールが、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、および1-ヘプタノールからなる群から選ばれる少なくとも1つである、
金属ナトリウムの不活化方法。
【請求項2】
金属ナトリウムを不活性油に浸け、次いで、該不活性油にアルコールを添加して、金属ナトリウムにアルコールを反応させて、金属ナトリウムをナトリウムアルコキシドに転化させることを有し、
不活性油が、金属ナトリウムの保管に用いられる金属ナトリウムに対して不活性な油であり、
アルコールが、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、および1-ヘプタノールからなる群から選ばれる少なくとも1つである、
金属ナトリウムの不活化方法。
【請求項3】
転化させる際の温度を0℃~98℃に調整することをさらに有する、請求項1または2に記載の不活化方法。
【請求項4】
不活性油が絶縁油である、請求項1~のいずれかひとつに記載の不活化方法。
【請求項5】
転化させる際に、不活性ガスによるパージを行うことをさらに有する、請求項1~のいずれかひとつに記載の不活化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属ナトリウムの不活化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
PCBの脱塩素化無害化処理などの反応薬剤として使用される金属ナトリウム分散体は、通常、鉱物油のなかに微粒子状金属ナトリウムを分散させたものである。PCBの脱塩素化無害化処理などによって使用された後の機器部品などには金属ナトリウムが付着して残存していることがある。
【0003】
金属ナトリウムの付着した機器部品の洗浄方法として、非特許文献1は、空気中での水蒸気洗浄、不活性ガス中での水蒸気洗浄、アルコール洗浄、高温度オイル洗浄、液化アンモニア洗浄、低温合金による洗浄、布などによる洗浄、水洗、サンドプラストなどを開示している。
【0004】
非特許文献1などによれば、水蒸気洗浄は、ナトリウム洗浄の最も一般的な方法である。貯槽がナトリウムを取出しにくい形状の場合にも有効である。しかし、ナトリウムが多量にある場合には時間がかかる。ナトリウムが水蒸気で吹き飛ばされて水溜りに落ち、過度に反応が進行する可能性もある。
アルコール洗浄に用いられるアルコールは水に比べて金属ナトリウムとの反応が遅い。金属ナトリウムが多量にある場合には時間がかかる。またアルコールは引火性がある。
【0005】
高温オイル洗浄は、200℃程度で鉱物油により機械的に洗い流す方法である。しかし、十分な洗浄は不可能である。
人による拭き取り方法は、極少量の水またはアルコールで湿らせた布などで拭き取るため、多量のナトリウム洗浄には不向きである。不活性ガス雰囲気下での作業のため、重装備が必要である。
水を掛け流して失活させる方法は、発生する水素のコントロールが難しく、金属ナトリウムと水の反応熱で加熱された金属ナトリウムが一度に溶融して、反応が一気に加速するおそれがあり、失活の制御が難しくなる恐れがある。
【0006】
また、特許文献1は、金属ナトリウムの付着した機器表面を、加圧、大気圧、減圧等の圧力変動下に炭酸ガスを混入した湿り不活性ガスで、一段階で洗浄することにより、付着している金属ナトリウムを炭酸ナトリウムに転化し、安定化することを特徴とする機器表面に付着残存した金属ナトリウムの処理方法を開示している。
【0007】
特許文献2は、金属ナトリウムが用いられるナトリウム使用設備に用いられ、金属ナトリウムが付着している前記ナトリウム使用設備の構成部品をナトリウムの融点以上の温度の不活性油で洗浄することにより前記付着している金属ナトリウムの除去を実施することを特徴とするナトリウム使用設備の洗浄方法を開示している。
【0008】
特許文献3は、金属ナトリウムが付着した被洗浄部材の洗浄方法であって、洗浄装置を構成する洗浄容器に洗浄液を貯留して液相を設け、その液相に金属ナトリウムが付着した被洗浄部材を浸漬させることを特徴とする金属ナトリウムの洗浄方法、ならびに金属ナトリウムが付着した被洗浄部材を洗浄する洗浄装置内に不活性ガスを吹き込み、洗浄装置内の酸素濃度を爆発限界濃度以下とすることを特徴とする金属ナトリウムの洗浄方法を開示している。
【0009】
特許文献4は、金属ナトリウムを不活性油に浸け、次いで、該不活性油に水分を添加して金属ナトリウムを苛性ソーダに転化させることを有する、金属ナトリウムの不活化方法を開示している。
【0010】
特許文献5は、ナトリウムで汚染された被洗浄機器類を収納する洗浄タンクと、この洗浄タンク内にアルコールからなる洗浄液を供給する供給タンクと、前記洗浄タンクにバルブを介して連通する洗浄液回収タンクと、この回収タンクで回収した洗浄液を前記洗浄タンクへ供給するポンプと、前記回収タンク内を減圧に維持するための減圧ポンプと、前記回収タンク内に不活性ガスを供給するための不活性ガス供給タンクと、前記洗浄タンクにバルブを介して接続された廃液ドレンタンクと、前記洗浄タンク内で汚染ナトリウムと洗浄液との反応によって生じる水素を処理するための、前記回収タンクにバルブと減圧ポンプを介して通過する、処理水素の濃度が75体積%以上となるよう空気または酸素を混入したガスを送風して処理する酸化処理装置と、処理されたガス中から水を回収する冷却器と、この冷却器で回収した水を貯蔵する水ドレンタンクとを設けたことを特徴とするナトリウム汚染機器類の洗浄システムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特開昭62-75396号公報
【文献】特開2007-254870号公報
【文献】特開2003-121593号公報
【文献】WO2015/186637A1
【文献】特開昭58-96300号公報
【非特許文献】
【0012】
【文献】「液体ナトリウム取扱い安全指針」日本原子力研究所,17-19頁,1968年12月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の課題は、金属ナトリウムの不活化方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するための手段として、以下の形態を包含する本発明を完成するに至った。
【0015】
〔1〕不活性油と炭素原子の数が4~8であるアルコールとの混合液中で、金属ナトリウムをナトリウムアルコキシドに転化させることを有する、金属ナトリウムの不活化方法。
【0016】
〔2〕金属ナトリウムを不活性油に浸け、次いで、該不活性油に炭素原子の数が4~8であるアルコールを添加して、金属ナトリウムをナトリウムアルコキシドに転化させることを有する、金属ナトリウムの不活化方法。
【0017】
〔3〕アルコールが1-ペンタノール、1-ヘキサノール、および1-ヘプタノールからなる群から選ばれる少なくとも1つである、〔1〕または〔2〕に記載の不活化方法。
〔4〕転化させる際の温度を0℃~98℃に調整することをさらに有する、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の不活化方法。
〔5〕不活性油が絶縁油である、〔1〕~〔4〕のいずれかひとつに記載の不活化方法。
〔6〕不活性ガスによるパージを行うことをさらに有する、〔1〕~〔5〕のいずれかひとつに記載の不活化方法。
【発明の効果】
【0018】
本発明の方法によると、少ない量のアルコールによって、金属ナトリウムをナトリウムアルコキシドに完全に転化させることができる。ナトリウムアルコキシドが不活性油に溶解するので、洗浄槽の底にナトリウムアルコキシドが溜まることがなく、廃棄処理が容易である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の金属ナトリウムの不活化方法の一形態は、不活性油と炭素原子の数が4~8であるアルコールとの混合液中で、金属ナトリウムをナトリウムアルコキシドに転化させることを有する。
本発明の金属ナトリウムの不活化方法の別の一形態は、金属ナトリウムを不活性油に浸け、次いで、該不活性油に炭素原子の数が4~8であるアルコールを添加して、金属ナトリウムをナトリウムアルコキシドに転化させることを有する。
【0020】
本発明に用いられる不活性油は、金属ナトリウムを保管する際に使用されるものであれば特に限定されない。不活性油としては、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、ケロシン、デカリン、トランス油(JIS C 2320-1993に記載のトランス油)、絶縁油、重油(JIS K2205に記載)、流動パラフィン又は洗浄油(フロン、トリクロロエタン、灯油などの代替品として、自動車、電子部品、精密機器の洗浄用に用いられる炭化水素系を主成分とした溶剤)などを挙げることができる。これらのうち、絶縁油が好ましい。
【0021】
絶縁油は、JIS 規格において、種類Aと、種類Bとに分類される。
【0022】
種類Aは、1~7種に分類される。
1種:鉱油を主成分とする絶縁油。油入コンデンサや油入ケーブルで用いられる1号、油入変圧器や油遮断器で用いられる2号、3号(寒冷地除く)、大容量高圧変圧器で用いられる4号がある。
2種:アルキルベンゼンを主成分とする絶縁油。油入コンデンサや油入ケーブルで用いられる。分枝鎖形の1号(低粘度)、2号(高粘度)、直鎖形の3号(低粘度)、4号(高粘度)がある。
3種:ポリブテンを主成分とする絶縁油。油入コンデンサや油入ケーブルで用いられる。低粘度の1号、中粘度の2号、高粘度の3号がある。
4種:アルキルナフタレンを主成分とする絶縁油。油入コンデンサで用いられる。低粘度の1号、高粘度の2号がある。
5種:アルキルジフェニルアルカンを主成分とする絶縁油。油入コンデンサで用いられる。低粘度の1号、高粘度の2号がある。
6種:シリコーン油を主成分とする絶縁油。油入変圧器で用いられる。
7種:1種絶縁油と2種絶縁油の混合絶縁油。油入コンデンサや油入ケーブルで用いられる1号、油入変圧器や油遮断器で用いられる2号、3号(寒冷地除く)、大容量高圧変圧器で用いられる4号がある。
【0023】
種類Bは、1~6種 IECに分類される。
1種 IEC:鉱油を主成分とする絶縁油。油入ケーブルで用いられる1種 IEC 1号(クラス I、クラス II、クラス III、IEC60465:1988 に対応)、油入変圧器や油遮断器で用いられる1種 IEC 2号(クラス I、クラス II、クラス III、IEC60296:1982 に対応)、鉱油に酸化防止剤を添加した1種 IEC 2A号(クラス I A、クラス II A、クラス III A、IEC60296:1982 に対応)がある。
2種 IEC:アルキルベンゼンを主成分とする絶縁油。油入コンデンサや油入ケーブルで用いられる。クラス I、クラス II、クラス III がある。IEC60867:1993 に対応する。
3種 IEC:ポリブテンを主成分とする絶縁油。油入コンデンサや油入ケーブルで用いられる。低粘度のクラス I、高粘度のクラス II(タイプ I、タイプ II)がある。IEC60963:1988 に対応する。
4種 IEC:アルキルナフタレンを主成分とする絶縁油。油入コンデンサで用いられる。IEC60867:1993 に対応する。
5種 IEC:油入コンデンサで用いられる絶縁油。メチルポリアリルメタンを主成分とする5種 IEC 1号、アルキルジフェニルエタンを主成分とする5種 IEC 2号がある。IEC60867:1993 に対応する。
6種 IEC:シリコーン油を主成分とする絶縁油。油入変圧器で用いられる。IEC60836:1988 に対応する。
【0024】
転化させる際の温度は、反応効率および安全性の観点から、好ましくは0℃~98℃、より好ましくは0~60℃、さらに好ましくは0~40℃に調整する。
【0025】
本発明の方法が適用される金属ナトリウムは、その状態によって制限されない。例えば、装置や貯槽に付着した金属ナトリウム、空気に触れて酸化したような劣化金属ナトリウムなどが挙げられる。装置は、ニーダー、ポンプ、攪拌翼などの機械設備に加えて、それら機械設備間を繋ぐ管、弁、フランジ、ストレーナなどを包含するものである。
【0026】
金属ナトリウムに対する不活性油の量は、不活性油が金属ナトリウムに触れていれば、特に制限されない。例えば、装置に付着した金属ナトリウムを不活化する場合には、金属ナトリウムが付着した装置全体が不活性油に浸かる程度の量にすることができる。貯槽に付着した金属ナトリウムを不活化する場合には、貯槽内面に付着した金属ナトリウムが不活性油の液面下になる程度の量にすることができる。
【0027】
本発明に用いられるアルコールは、炭素原子の数が4~8であるアルコールである。本発明に好ましく用いられるアルコールは、不活性油に対して相溶、具体的に容量比50:50、室温において不活性油に完全溶解する。また、本発明に用いられるアルコールは、25℃の水に対する溶解度が、好ましくは100g/l以下、より好ましくは80g/l以下である。急激な反応進行を抑制できる観点から、本発明に好ましく用いられるアルコールは、1-ペンタノール、1-ヘキサノール、および1-ヘプタノールからなる群から選ばれる少なくとも1つである。
【0028】
アルコール(ROH)とNaとの反応によってナトリウムアルコキシド(NaOR)と水素(H2)が生成する。水素ガス濃度を測定して、時間あたりの水素生成量を算出することができる。例えば、貯槽の排気ラインにて水素ガス濃度を測定することができる。時間あたりの水素生成量から反応の進行状況を把握することができる。安全性向上のため、時間あたりの水素生成量が多い場合は、時間あたりのアルコールの添加量を減らすことが好ましい。具体的には、水素ガス濃度が4vol%未満となるように、排気中の水素ガス濃度をモニターしながら、時間あたりのアルコールの添加量を調整することが好ましい。例えば、時間あたりのアルコールの添加量は、Na1モルに対して、好ましくは0.1~5モル/時、より好ましくは0.5~4モル/時、更に好ましくは0.7~2モル/時である。
【0029】
一方、生成したナトリウムアルコキシドは、沈殿せずに、不活性油に溶解するので、不活性油の排出とともに、系外に除去できる。不純物に由来してスラッジなどが生成することがある。スラッジなどの固形分は不活性油などにて洗い流すことができる。
【0030】
次に、実施例を示して、本発明をより具体的に説明する。なお、実施例は本発明の範囲をそれに制限するものでない。
【0031】
実施例において次の不活性油を使用した。
絶縁油G:色 L0.5(ASTM)、密度0.8790g/cm3(15℃)、動粘度44.86mm2/g(0℃)、8.250mm2/g(40℃)、2.230mm2/g(100℃)、流動点-32.5℃、引火点144℃(PM)、酸化0.01mgKOH/g未満、水分7ppm、JIS C2320 1種2号適合品
【0032】
実施例1
300mlのガラスフラスコに、絶縁油G 100gと金属ナトリウム1gを入れ、200rpmで液を撹拌しながら、窒素ガスによるパージを行った。これに、100ml/minで窒素ガスを供給しながら、21~25℃の範囲に温度を保つようにして、1-ペンタノールの1時間滴加と1時間滴加停止とを繰り返して、金属ナトリウムをナトリウムアルコキシドに転化させた。排出される窒素ガスに含まれる水素の濃度は最大で0.76%であった。1-ペンタノール5モルの滴加で金属ナトリウム1モルを完全に失活させることができた。
【0033】
実施例2
1-ペンタノールを1-ブタノールに変えた以外は実施例1と同じ方法で金属ナトリウムをナトリウムアルコキシドに転化させた。1-ブタノール5モルの滴加で金属ナトリウム1モルを完全に失活させることができた。
【0034】
実施例3
1-ペンタノールを1-ヘキサノールに変えた以外は実施例1と同じ方法で金属ナトリウムをナトリウムアルコキシドに転化させた。1-ヘキサノール5モルの滴加で金属ナトリウム1モルを完全に失活させることができた。
【0035】
実施例4
1-ペンタノールを1-ヘプタノールに変えた以外は実施例1と同じ方法で金属ナトリウムをナトリウムアルコキシドに転化させた。1-ヘプタノール10モルの滴加で金属ナトリウム1モルを完全に失活させることができた。
【0036】
実施例5
1-ペンタノールを1-オクタノールに変えた以外は実施例1と同じ方法で金属ナトリウムをナトリウムアルコキシドに転化させた。1-オクタノール10モルの滴加で金属ナトリウム1モルを完全に失活させることができた。
【0037】
比較例1
1-ペンタノールをメタノールに変えた以外は実施例1と同じ方法で金属ナトリウムをナトリウムアルコキシドに転化させた。排出される窒素ガスに含まれる水素の濃度は最大で0.45%であった。液の温度が27℃に達することがあった。金属ナトリウム1モルに対してメタノール10モルを滴加したが、金属ナトリウム約0.67gがフラスコ内に残っていた。