(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-18
(45)【発行日】2022-11-29
(54)【発明の名称】テーブル
(51)【国際特許分類】
A47B 13/02 20060101AFI20221121BHJP
【FI】
A47B13/02
(21)【出願番号】P 2018195786
(22)【出願日】2018-10-17
【審査請求日】2021-08-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000152228
【氏名又は名称】株式会社内田洋行
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】岡本 安都夫
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-131267(JP,A)
【文献】特開2018-068943(JP,A)
【文献】特開平3-222906(JP,A)
【文献】特開2010-285(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 1/00-41/06
A47B 91/00-97/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板を支持する複数の支持脚の各々に被取付部を有するテーブル本体と、
前記被取付部に形成された締結孔に対する締結部材の締結により前記複数の支持脚に各別に連結されるブラケットと前記ブラケットの各々に連結されるステージ本体とを有するフットステージと、を備え
、
前記ブラケットは、
前記締結部材の締結により前記被取付部に取り付けられる取付部と前記ステージ本体が連結されるステージ連結部とを有し、
前記ステージ本体は、
前記ステージ連結部を各別に収容するブラケット収容部を有するとともに前記ブラケット収容部の各々に前記ステージ連結部に上方から当接する当接面を有する
テーブル。
【請求項2】
前記締結部材が第1締結部材であり、
前記ブラケットと前記ステージ本体とが第2締結部材の締結により連結されている
請求項
1に記載のテーブル。
【請求項3】
前記締結孔が第1締結孔であり、
前記ステージ本体は、
前記当接面に開口して前記第2締結部材が締結される第2締結孔を有し、
前記ブラケットは、
前記ステージ連結部に上下方向に延びて前記第2締結部材が通る貫通孔を有する
請求項
2に記載のテーブル。
【請求項4】
前記ブラケットは、
前記貫通孔に連通して前記第2締結部材の頭部を収容する頭部収容部を有する
請求項
3に記載のテーブル。
【請求項5】
前記ステージ本体は、
前記ブラケットの各々に各別に連結されるジョイント部材を有し、
前記ジョイント部材は、
下方が開放された第1チャンネル部材と、
上方が開放された第2チャンネル部材であって前記第1チャンネル部材の側壁に内側から重なる側壁と前記第1チャンネル部材の下端よりも上方に位置する底壁とを有する前記第2チャンネル部材とを有し、
前記第1チャンネル部材の側壁と前記第2チャンネル部材の底壁とによって前記ブラケット収容部が構成され、前記第2チャンネル部材の底壁の下面が前記当接面を構成する
請求項
1~4のいずれか一項に記載のテーブル。
【請求項6】
前記ステージ本体は、
前記ブラケットの各々に各別に連結されるジョイント部材を有し、
前記ジョイント部材は、
下方が開放された第1チャンネル部材と、
上方が開放された第2チャンネル部材であって前記第1チャンネル部材の側壁に内側から重なる側壁と前記第1チャンネル部材の下端よりも上方に位置する底壁とを有する前記第2チャンネル部材とを有し、
前記第1チャンネル部材の側壁と前記第2チャンネル部材の底壁とによって前記ブラケット収容部が構成され、前記第2チャンネル部材の底壁の下面が前記当接面を構成し、
前記第2チャンネル部材の底壁に前記第2締結部材が通る
底壁貫通孔を有するとともに、前記第2チャンネル部材の底壁に接合されて前記第2締結部材が締結される溶接ナットを有する
請求項
3または4に記載のテーブル。
【請求項7】
前記ステージ本体は、
互いに異なる前記ジョイント部材に架設されるフットバーを有し、
前記ジョイント部材は、
上方が開放された第3チャンネル部材であって、前記第1チャンネル部材の延在方向において前記第2チャンネル部材に隣接するように前記第1チャンネル部材に収容され、前記第1チャンネル部材の側壁に内側から重なる側壁と前記第2チャンネル部材の底壁よりも下方に位置する底壁とを有する前記第3チャンネル部材を有し、
前記第3チャンネル部材は、
側壁の一部および底壁の一部が前記第2チャンネル部材の下方に位置し、
前記フットバーは、
前記第1チャンネル部材の側壁において前記第2チャンネル部材の側壁が重なる部分と前記第3チャンネル部材の側壁が重なる部分とに跨がるように接合されている
請求項
5または6に記載のテーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の支持脚によって支持されて床面から比較的高い位置に天板が位置するテーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスなどにおいては、複数の支持脚によって支持されて床面から比較的高い位置に天板が位置するテーブルが利用されている(例えば、特許文献1)。こうしたテーブルは、例えば、周囲に複数の椅子が配置され、少人数でのミーティング等に利用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したテーブルにおいては、天板が床面から比較的高い位置に位置しているため、椅子に座っている利用者が足を掛けることのできるフットステージがあると便利である。しかしながら、テーブルの設置場所や用途などによってはフットステージが不要となることもある。
【0005】
本発明は、利用者が足を掛けることのできるフットステージの着脱を可能にしたテーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するテーブルは、天板を支持する複数の支持脚の各々に被取付部を有するテーブル本体と、前記被取付部に形成された締結孔に対する締結部材の締結により前記複数の支持脚に各別に連結されるブラケットと前記ブラケットの各々に連結されるステージ本体とを有するフットステージと、を備える。
【0007】
上記構成によれば、テーブル本体に対してステージ本体がブラケットを介して締結により取り付けられる。そのため、テーブル本体に対してフットステージを着脱可能に構成することができる。
【0008】
上記構成のテーブルにおいて、前記ブラケットは、前記締結部材の締結により前記被取付部に取り付けられる取付部と前記ステージ本体に連結されるステージ連結部とを有し、前記ステージ本体は、前記ステージ連結部を各別に収容するブラケット収容部を有するとともに前記ブラケット収容部の各々に前記ステージ連結部に上方から当接する当接面を有することが好ましい。
【0009】
上記構成によれば、複数の支持脚の各々にブラケットが取り付けられたのち、各ブラケットのステージ連結部がブラケット収容部に収容されるようにステージ本体が配設されることで各ブラケットにステージ本体が載置された状態にすることができる。これにより、ブラケットにステージ本体を組み付ける際の作業者の負担を軽減することができる。
【0010】
上記構成のテーブルにおいて、前記締結部材が第1締結部材であり、前記ブラケットと前記ステージ本体とが第2締結部材の締結により連結されていることが好ましい。
上記構成によれば、ブラケットとステージ本体とが第2締結部材の締結により連結されることから、例えば溶接機などの特別な設備がなくともブラケットとステージ本体との連結を行うことができる。
【0011】
上記構成のテーブルにおいて、前記締結孔が第1締結孔であり、前記ステージ本体は、前記当接面に開口して前記第2締結部材が締結される第2締結孔を有し、前記ブラケットは、前記ステージ連結部に上下方向に延びて前記第2締結部材が通る貫通孔を有することが好ましい。
【0012】
上記構成によれば、ブラケットに対してステージ本体を載置する際に細かな位置合わせが不要である。そのため、ブラケットに対してステージ本体を載置する際,作業者がステージ本体を保持する時間が短くなり、作業者への負担を軽減することができる。
【0013】
上記構成のテーブルにおいて、前記ブラケットは、前記貫通孔に連通して前記第2締結部材の頭部を収容する頭部収容部を有することが好ましい。
上記構成によれば、第2締結部材の頭部が頭部収容部に収容されることで周囲から第2締結部材が視認しにくくなる。これにより、フットステージ、ひいてはテーブル全体の美観性を向上させることができる。
【0014】
上記構成のテーブルにおいて、前記ステージ本体は、前記ブラケットの各々に各別に連結されるジョイント部材を有し、前記ジョイント部材は、下方が開放された第1チャンネル部材と、上方が開放された第2チャンネル部材であって前記第1チャンネル部材の側壁に内側から重なる側壁と前記第1チャンネル部材の下端よりも上方に位置する底壁とを有する前記第2チャンネル部材とを有し、前記第1チャンネル部材の側壁と前記第2チャンネル部材の底壁とによって前記ブラケット収容部が構成され、前記第2チャンネル部材の底壁の下面が前記当接面を構成することが好ましい。
【0015】
上記構成によれば、複数のチャンネル部材によってジョイント部材が構成されることから、ジョイント部材の機械的な強度を確保しつつ、ジョイント部材、ひいてはステージ本体の軽量化を図ることができる。
【0016】
上記構成のテーブルにおいて、前記ジョイント部材は、前記第2チャンネル部材の底壁に前記第2締結部材が通る貫通孔を有するとともに、前記第2チャンネル部材の底壁に接合されて前記第2締結部材が締結される溶接ナットを有することが好ましい。
【0017】
上記構成によれば、ジョイント部材の機械的な強度の確保およびジョイント部材の軽量化を図りつつ、第2締結部材が締結される第2締結孔を簡易な構成のもとで形成することができる。
【0018】
上記構成のテーブルにおいて、前記ステージ本体は、互いに異なる前記ジョイント部材に架設されるフットバーを有し、前記ジョイント部材は、上方が開放された第3チャンネル部材であって、前記第1チャンネル部材の延在方向において前記第2チャンネル部材に隣接するように前記第1チャンネル部材に収容され、前記第1チャンネル部材の側壁に内側から重なる側壁と前記第2チャンネル部材の底壁よりも下方に位置する底壁とを有する前記第3チャンネル部材を有し、前記第3チャンネル部材は、側壁の一部および底壁の一部が前記第2チャンネル部材の下方に位置し、前記フットバーは、前記第1チャンネル部材の側壁において前記第2チャンネル部材の側壁が重なる部分と前記第3チャンネル部材の側壁が重なる部分とに跨がるように接合されていることが好ましい。
【0019】
上記構成によれば、ジョイント部材を介してブラケットとフットバーとの間で伝達される機械的な負荷を第2チャンネル部材および第3チャンネル部材の双方に分散させることができる。その結果、ジョイント部材、ひいてはフットステージの機械的な強度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】テーブルの一実施形態の概略構成を示す斜視図。
【
図2】テーブル本体とフットステージとの連結部分におけるフットステージの分解斜視図。
【
図5】ジョイント部材の内部の構成を示す部分断面斜視図。
【
図6】ジョイント部材とフットバーとの連結部分の構成を示す斜視図。
【
図7】ジョイント部材とフットバーとの連結部分において第2および第3チャンネル部材とフットバーとの位置関係の一例を示す側面図。
【
図9】支持脚に取り付けられたブラケットにステージ本体が載置される過程を示す斜視図。
【
図10】ブラケットにステージ本体が載置された状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1~
図10を参照して、テーブルの一実施形態について説明する。
(全体構成について)
図1に示すように、テーブル10は、テーブル本体11とテーブル本体11に対して着脱可能に取り付けられるフットステージ30とを有している。
【0022】
テーブル本体11は、テーブル10の上面視にて矩形形状を有する天板12と図示されないフレームを介して天板12を支持する複数の支持脚14(本実施形態では4つ)とを有している。各支持脚14は、テーブル10の上面視において、天板12を支持する部分よりも床面に接触する部分が外側に位置するように傾斜している。これら天板12および各支持脚14は、テーブル本体11単体でテーブルとしての機能を十分に果たすことができる強度に構成されている。
【0023】
フットステージ30は、複数の支持脚14の各々に対して連結されており、椅子に座った利用者が天板12で作業等をする際に足が掛けやすい距離だけ天板12から離れた位置に配設されている。フットステージ30は、複数の支持脚14の各々に各別に締結されるブラケット31と、ブラケット31の各々に対して連結されるステージ本体60とを有している。ステージ本体60は、ブラケット31に連結されるジョイント部材61と、互いに異なるジョイント部材61に連結されて枠状に配置される複数のフットバー85とで構成されている。複数のフットバー85は、テーブル10の上面視において天板12の周縁部よりも内側に位置している。
【0024】
(支持脚14について)
図2に示すように、テーブル本体11の各支持脚14は、フットステージ30のブラケット31が第1締結部材B1の締結により取り付けられる被取付部16を有している。被取付部16は、第1締結部材B1が締結される一対の第1締結孔17を有している。一対の第1締結孔17は、支持脚14においてブラケット31が取り付けられる被取付面18に開口して支持脚14の延在方向に沿って並んでいる。支持脚14の被取付面18は、中央部が窪んだ凹型屈曲形状に形成されている。各支持脚14は、例えば、アルミダイキャストなどの鋳造法で形成された基体に各種の機械加工が施されることにより作製される。基体での被取付部16は、機械加工により第1締結孔17を形成可能な加工代を有する中実部であり、支持脚14における他の部分よりも高い機械的強度に形成されている。
【0025】
(ブラケット31について)
図2および
図3に示すように、ブラケット31は、例えば、アルミダイキャストなどの鋳造法によって形成された基体に対して各種の機械加工を施すことにより作製される。ブラケット31は、支持脚14の被取付部16に一対の第1締結部材B1の締結によって取り付けられる取付部32を有している。またブラケット31は、取付部32の上半部に一体的に連結されて支持脚14の反対側に向けて突出する中間連結部35と、中間連結部35の先端面に一体的に連結されて当該先端面から支持脚14の反対側に向けて突出するステージ連結部45とを有している。
【0026】
取付部32は、支持脚14の延在方向に沿って長手方向が設定された平板形状を有しており、支持脚14の被取付面18に対向する取付面33が被取付面18に倣う凸型屈曲形状に形成されている。取付部32の取付面33(凸型)を支持脚14の被取付面18(凹型)に面接触させることにより、支持脚14を中心とする周方向において支持脚14に対するブラケット31の位置決めがなされる。取付部32には、第1締結部材B1が貫通する一対の第1貫通孔34が取付部32の長手方向に並んで形成されている。一対の第1貫通孔34の一方は取付部32の上端部寄りに形成され、一対の第1貫通孔34の他方は取付部32の下端部寄りの位置に形成されている。
【0027】
中間連結部35は、取付部32の上縁部から延びる中間上壁部36と、取付部32の上半部における両側縁部から延びる一対の中間側壁部37と、中間上壁部36の先端部および一対の中間側壁部37の先端部を連結する中間先端壁部38とを有している。一対の第1貫通孔34の一方は、中間上壁部36、一対の中間側壁部37、および、中間先端壁部38によって囲まれる空間39に向けて開口している。空間39は、第1締結部材B1のねじ込み作業を行うスペースの確保や機械的な強度を確保しつつブラケットの小型化および軽量化を図る肉抜き部として機能する。また、中間連結部35は、一対の補強リブ40を有している。一対の補強リブ40は、取付部32と一対の中間側壁部37の各々とがなす角部に一体的に連結されており、これら中間側壁部37と取付部32との連結部分を補強する。こうした補強リブ40が設定されることにより、ブラケット31の機械的な強度をさらに高められる。
【0028】
ステージ連結部45は、中間連結部35の中間先端壁部38に一体的に連結されている。ステージ連結部45は、中間先端壁部38における下半部であって中間先端壁部38の両側縁よりもジョイント部材61を構成する第1チャンネル部材62(
図4等参照)の肉厚分だけ内側の部分から延在している部分である。ステージ連結部45は、上面46の周縁部におけるR部47が下面48の周縁部におけるR部49よりも大きな曲率半径で構成されている。
【0029】
ステージ連結部45は、ステージ連結部45の延在方向に沿って並んだ一対の孔であって、ブラケット31とステージ本体60とを連結する第2締結部材B2が通る一対の第2貫通孔50を有している。各第2貫通孔50は、ステージ連結部45を上下方向に沿って貫通する孔であり、ステージ連結部45の下面48における開口部分に、第2貫通孔50の他の部分よりも大径の部分であって第2締結部材B2の頭部H2を収容可能な頭部収容部51を有している。
【0030】
また、ブラケット31は、ステージ連結部45と中間先端壁部38との連結部分における機械的な強度を高める先端補強部53を有している。先端補強部53は、ステージ連結部45と中間連結部35の中間先端壁部38とがなす角部においてこれらステージ連結部45と中間先端壁部38と一体的に連結されている。先端補強部53は、中間連結部35の中間先端壁部38における上半部であって中間先端壁部38の両側縁および上縁よりもジョイント部材61を構成する第1チャンネル部材62(
図4等参照)の肉厚分ほど内側の部分に一体的に連結されている。
【0031】
(ジョイント部材61について)
図4および
図5に示すように、ステージ本体60を構成するジョイント部材61は、第1チャンネル部材62と、第1チャンネル部材62に対して溶接される第2チャンネル部材65および第3チャンネル部材75とを有している。
【0032】
(第1チャンネル部材62)
第1チャンネル部材62は、下方が開放された肉厚一定のチャンネル部材であり、例えば圧延鋼板に対するプレス加工によって作製される。第1チャンネル部材62は、第1上壁63と、第1上壁63に対して緩やかなR部を介して一体的に連結された一対の第1側壁64とを有している。第1チャンネル部材62は、ジョイント部材61とブラケット31とが連結状態にあるとき、外観上、第1上壁63と中間連結部35の中間上壁部36とによって面一の上面が構成され、かつ、第1側壁64と中間連結部35の中間側壁部37とによって面一の側面が構成される形状を有している(
図10参照)。
【0033】
(第2チャンネル部材65)
第2チャンネル部材65は、第1チャンネル部材62の内側、すなわち第1上壁63と一対の第1側壁64との囲まれた空間に配設される。第2チャンネル部材65は、上方が開放された肉厚一定のチャンネル部材であり、例えば圧延鋼板に対するプレス加工によって作製される。
【0034】
第2チャンネル部材65は、第1チャンネル部材62の第1側壁64に対して第1チャンネル部材62の内側から重なる一対の第2側壁66と、第1チャンネル部材62の第1側壁64の下端よりもステージ連結部45の高さの分だけ上方に位置する第2底壁67とを有している。一対の第2側壁66は、第2底壁67に対して緩やかなR部を介して一体的に連結されている。第2チャンネル部材65の第2底壁67には、ジョイント部材61とブラケット31とを締結する第2締結部材B2が通る一対の底壁貫通孔68が形成されている。また、第2チャンネル部材65の第2底壁67には、第2締結部材B2が締結される溶接ナット69が第2チャンネル部材65の内側に接合されている。第2チャンネル部材65には、これら第2貫通孔50および溶接ナット69の雌ねじ部によって、第2締結部材B2が締結される第2締結孔が形成されている。
【0035】
第2チャンネル部材65は、第2側壁66の上端が第1チャンネル部材62の第1上壁63に当接する状態で、例えば、第2底壁67と第1チャンネル部材62の第1側壁64とがなす隅部を利用した隅肉溶接により第1チャンネル部材62に連結される。第2チャンネル部材65は、ブラケット31の先端補強部53を収容する空間がジョイント部材61に形成されるように第1チャンネル部材62の端面62aからブラケット31の先端補強部53の分だけずれた位置を基準として第1チャンネル部材62に連結される。第2底壁67の下面67aの一部は、ステージ連結部45に上方から当接する当接面として機能する。
【0036】
こうした第2チャンネル部材65を有するジョイント部材61は、第2チャンネル部材65の第2底壁67がステージ連結部45に上方から当接する状態において、第1チャンネル部材62の第1側壁64よりも下方にステージ連結部45がはみ出さないように構成されている。また、第2チャンネル部材65は、第2チャンネル部材65の延在方向において当接部分70と突出部分71とに仮想的に区画される。当接部分70は、ジョイント部材61とブラケット31とが連結状態にあるときにステージ連結部45の上方に位置する部分である。突出部分71は、ジョイント部材61とブラケット31とが連結状態にあるときにステージ連結部45から突出するようにステージ連結部45の斜め上方に位置する部分である。
【0037】
(第3チャンネル部材75)
第3チャンネル部材75は、第1チャンネル部材62の内側であって、第1チャンネル部材62の延在方向において第2チャンネル部材65に隣接する位置に配設されている。第3チャンネル部材75は、上方が開放された肉厚一定のチャンネル部材であり、例えば圧延鋼板に対するプレス加工によって作製される。
【0038】
第3チャンネル部材75は、第1チャンネル部材62の第1側壁64に対して第1チャンネル部材62の内側から重なる一対の第3側壁76と、第1チャンネル部材62の第1側壁64の下端を繋ぐように配設される第3底壁77とを有している。一対の第3側壁76は、第3底壁77に対して緩やかなR部を介して一体的に連結されている。また、第3チャンネル部材75は、一対の第3側壁76の一部と第3底壁77の一部とによって構成され、第2チャンネル部材65の突出部分71の下方をステージ連結部45に向かって突出して突出部分71の下側に位置する(下側から対向する)突出部分79を有する。
【0039】
第3チャンネル部材75は、第3側壁76の上端が第1チャンネル部材62の第1上壁63に当接する状態で第3底壁77と第1チャンネル部材62の第1側壁64とがなす隅部を利用した隅肉溶接により第1チャンネル部材62に連結される。
【0040】
こうした構成のジョイント部材61においては、第1チャンネル部材62の一対の第1側壁64と第2チャンネル部材65の第2底壁67とによって、ブラケット31のステージ連結部45が収容される空間であるブラケット収容部80が構成される。
【0041】
(フットバー85)
図6に示すように、フットバー85は、上壁86、下壁87、内側壁88、および、外側壁89を有する角形鋼管で構成されている。フットバー85は、その一端部と他端部とが互いに異なるジョイント部材61に連結され、これら一対のジョイント部材61に架設される。フットバー85は、上壁86と第1チャンネル部材62の第1上壁63とによって面一な上面が形成されるようにジョイント部材61に連結される。
【0042】
図7に示すように、フットバー85は、内側壁88と第1チャンネル部材62の第1側壁64とがなす隅部を利用した隅肉溶接により形成される溶接部分90を介してジョイント部材61に連結されている。溶接部分90は、上下方向に沿って延びており、第1側壁64のうちで第3チャンネル部材75の第3側壁76が重なる部分に配設されている。
【0043】
また、フットバー85は、外側壁89と第1チャンネル部材62の第1側壁64とがなす隅部を利用した隅肉溶接により形成される溶接部分91を介してジョイント部材61に連結されている。溶接部分91は、上下方向に沿って延びており、第1側壁64のうちで第2チャンネル部材65の第2側壁66が重なる部分と第3チャンネル部材75の第3側壁76が重なる部分とに跨がるように配設されている。
【0044】
図8に示すように、上述した構成のステージ本体60は、互いに異なるジョイント部材61にフットバー85が架設されている。そのため、ステージ本体60は、フットバー85とジョイント部材61の一部(フットバー85の連結部分)とによって形成される枠状部と、ジョイント部材61の他部であって枠状部から各支持脚14に向かって突出してブラケット31に連結されるジョイント部とを有していると換言可能である。
【0045】
(フットステージ30の組み付け方法)
図9および
図10を参照して、テーブル本体11に対するフットステージ30の組み付け方法の一例について説明する。
【0046】
図9に示すように、まず、テーブル本体11の各支持脚14に対して第1締結部材B1によりブラケット31を締結する。この際、支持脚14の被取付面18(凹型屈曲状)にブラケット31の取付面33(凸型屈曲状)をはめ込むようにすることにより、支持脚14の周方向における支持脚14の被取付部16とブラケット31の取付部32との位置合わせを容易に行うことができる。
【0047】
次に、床面にステージ本体60を載置したのち、このステージ本体60の上方に天板12が位置するようにテーブル本体11を配置する。そして、ステージ本体60を持ち上げて、各ジョイント部材61のブラケット収容部80に各ブラケット31のステージ連結部45が収容されるように位置合わせを行う。すなわち、ステージ連結部45の上方にブラケット収容部80が位置するように各ブラケット31に対するステージ本体60の位置合わせを行う。そして、矢印100で示すように、ステージ本体60を下方に移動させて各ステージ連結部45を各ジョイント部材61のブラケット収容部80に収容する。
【0048】
図10に示すように、各ブラケット収容部80にステージ連結部45が収容されると、第2チャンネル部材65の第2底壁67がステージ連結部45に上方から当接する。すなわち、当接面である第2底壁67の下面67aが支持面であるステージ連結部45の上面46に支持される。これにより、ステージ本体60は、各ブラケット31に載置された状態となる。そして、第2締結部材B2でステージ連結部45とジョイント部材61とを締結することにより、ステージ本体60がテーブル本体11に取り付けられる。
【0049】
本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)テーブル10は、テーブル本体11と、テーブル本体11の支持脚14に対して第1締結部材B1の締結により各別に連結されるブラケット31とブラケット31の各々に連結されるステージ本体60とを有するフットステージ30と、を備えている。こうした構成によれば、テーブル本体11に対してステージ本体60を着脱可能に構成することができる。
【0050】
(2)ブラケット31は、ステージ本体60に連結されるステージ連結部45を有し、ステージ本体60は、ステージ連結部45を各別に収容するブラケット収容部80を有している。また、ステージ本体60は、ブラケット収容部80の各々にステージ連結部45に上方から当接する当接面を有している。こうした構成によれば、テーブル本体11にフットステージ30を組み付ける際、各支持脚14に取り付けられたブラケット31にステージ本体60を載置した状態にすることができる。そのため、ブラケット31に対してステージ本体60を組み付ける際に作業者がステージ本体60を保持し続ける必要がなく、作業者への負担を軽減することができる。
【0051】
(3)ブラケット31とステージ本体60とが第2締結部材B2によって締結されている。そのため、例えば溶接機などの特別な設備がなくともブラケット31とステージ本体60との着脱を行うことができる。
【0052】
(4)ステージ本体60は、第2チャンネル部材65の第2底壁67の下面67aに開口して第2締結部材B2が締結される第2締結孔を有している。ブラケット31は、ステージ連結部45に上下方向に延びて第2締結部材B2が通る底壁貫通孔68を有する。
【0053】
ここで、例えば、第2底壁67に溶接ボルトが設けられている構成においては、ブラケット31にステージ本体60を載置する際、各溶接ボルトが各ステージ連結部45の第2貫通孔50に挿入されるように細かな位置調整が必要である。こうした位置調整は、溶接ボルトの本数が多くなるほど難しい作業となり、作業者がステージ本体60を保持する時間も自ずと長くなる。
【0054】
この点、上述した構成によれば、第2締結部材B2に関するブラケット31とステージ本体60との位置調整、すなわち貫通孔にボルトを挿入可能にするような細かな位置調整をブラケット31にステージ本体60を載置した状態で行うことができる。その結果、作業者がステージ本体60を保持する時間が短くなり、作業者への負担を軽減できる。
【0055】
(5)ブラケット31は、第2締結部材B2の頭部H2を収容する頭部収容部51を有している。こうした構成によれば、第2締結部材B2の頭部H2、ひいては第2締結部材B2そのものが周囲から視認しにくくなる。これにより、フットステージ30、ひいてはテーブル10全体の美観性を向上させることができる。
【0056】
(6)ブラケット31の各々に各別に連結されるジョイント部材61が複数のチャンネル部材によって構成されている。そのため、ジョイント部材61の機械的な強度を確保しつつ、ジョイント部材61、ひいてはステージ本体60の軽量化を図ることができる。
【0057】
(7)ジョイント部材61においては、第2チャンネル部材65の第2底壁67に、第2締結部材B2が通る底壁貫通孔68が形成され、また、第2締結部材B2が締結される溶接ナット69が接合されている。こうした構成によれば、ジョイント部材61の機械的な強度の確保およびジョイント部材61の軽量化を図りつつ、第2締結部材B2が締結される第2締結孔を簡易な構成のもとで形成することができる。
【0058】
(8)ジョイント部材61とフットバー85とは、第1チャンネル部材62の第1側壁64において第2チャンネル部材65の第2側壁66が重なる部分と第3チャンネル部材75の第3側壁76が重なる部分とに跨がる溶接部分91を介して連結されている。こうした構成によれば、ジョイント部材61を介してブラケット31とフットバー85との間で伝達される機械的な負荷を第2チャンネル部材65および第3チャンネル部材75の双方に効果的に分散させることができる。その結果、ジョイント部材61、ひいてはフットステージ30の機械的な強度を高めることができる。
【0059】
(9)ジョイント部材61とフットバー85とが上下方向に沿って延びる溶接部分90,91を介して連結されている。こうした構成の溶接部分90,91は、フットバー85に重力方向への荷重が作用したときにその荷重を剪断荷重ではなく軸荷重のように受けることができる。その結果、重力方向への荷重に対するステージ本体60の強度を高めることができる。また、こうした溶接部分90,91が視認しにくくなることで、ステージ本体60の美観性を向上させることもできる。
【0060】
(10)フットステージ30は、ブラケット31の中間連結部35、ジョイント部材61の第1チャンネル部材62、および、フットバー85によって構成される面一な上面を有している。すなわち、フットステージ30は、利用者が足を掛ける主な面が段差なく形成されている。その結果、フットステージ30に足を掛けた利用者に対して上記段差に起因した違和感を与えることがなく、また、フットステージ30、ひいてはテーブル10の美観性を向上させることもできる。
【0061】
(11)ジョイント部材61とブラケット31とが連結状態にあるとき、フットステージ30は、外観上、第1上壁63と中間連結部35の中間上壁部36とによって面一の上面が構成され、かつ、第1側壁64と中間連結部35の中間側壁部37とによって面一の側面が構成される形状を有している。こうした構成によれば、ジョイント部材61とブラケット31との連結部分における美観性を向上させることができる。
【0062】
(12)ブラケット31は、中間連結部35の中間先端壁部38とステージ連結部45とがなす角部に先端補強部53を有している。こうした構成によれば、ステージ連結部45と中間連結部35との間の連結部分における機械的な強度を高めることができる。
【0063】
(13)ブラケット31は、中間連結部35に形成された空間39に開口する第1締結孔17を有している。空間39は、ステージ連結部45に隣接するように配置されており、第1締結部材B1のねじ込み作業を行うスペースとして活用される。こうした構成によれば、ステージ本体60とブラケット31との連結部分、および、ブラケット31と支持脚14との連結部分、これらの連結部分の間の高低差を小さくすることができる。これにより、ステージ本体60への荷重がブラケット31を介して支持脚14とブラケット31との連結部分にモーメント荷重として作用したとしても、そのモーメント荷重を抑えることができる。また、第1締結部材B1の一部が空間39に位置していることで第1締結部材B1に外力が作用にくくなり、当該外力に起因した緩みを抑えることもできる。
【0064】
(14)ステージ連結部45は、上面46の周縁部におけるR部47が下面48の周縁部におけるR部49よりも大きな曲率半径で構成されている。こうした構成によれば、例えば、ジョイント部材61において、第2チャンネル部材65の第2底壁67と第1チャンネル部材62の第1側壁64とがなす隅部を利用して隅肉溶接を行ったとしてもその溶接ビードとステージ連結部45とが干渉しにくくなる。また、各ブラケット31に対してステージ本体60を載置する際、ステージ連結部45がブラケット収容部80に案内されやすくなる。
【0065】
(15)テーブル本体11では支持脚14の被取付面18が中央部の窪んだ凹型屈曲状に形成され、ブラケット31では被取付面18に取り付けられる取付面33が被取付面18に倣う凸型屈曲形状に形成されている。そのため、支持脚14を中心とする周方向において支持脚14に対するブラケット31の位置決めを容易に行うことができる。
【0066】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・ジョイント部材61とフットバー85とは、例えば、第1チャンネル部材62の第1側壁64において第3チャンネル部材75の第3側壁76が重なる部分にのみ連結されていてもよい。また、ジョイント部材61とフットバー85とは、ジョイント部材61の第1上壁63とフットバー85の上壁86とが溶接により連結される構成であってもよい。ジョイント部材61とフットバー85とは、締結部材の締結により連結される構成であってもよい。
【0067】
・ジョイント部材61が複数のチャンネル部材62,65,75により構成されている。これに限らず、ジョイント部材61は、第1チャンネル部材62と第2チャンネル部材65とによって構成されてもよい。この構成において、フットバー85は、第1チャンネル部材62の第1側壁64のうちで第2チャンネル部材65の第2側壁66が重なる部分とステージ連結部45が重なる部分とに跨がって連結されることが好ましい。また、ジョイント部材61は、例えば、鋼管部材とチャンネル部材とを適宜連結することによって作製されてもよいし、基体に対する機械加工、すなわち削り出しにより作製されてもよい。
【0068】
・ブラケット31は、第2締結部材B2の頭部H2を収容する頭部収容部51を有していなくともよい。
・ブラケット31とジョイント部材61とは、上下方向に沿って配設される第2締結部材B2によって連結される構成に限られない。例えば、ブラケット31とジョイント部材61とは、ステージ連結部45と第1チャンネル部材62の第1側壁64とを貫通するように配設される締結部材によって締結される構成であってもよい。また、ブラケット31とジョイント部材61とは溶接などの接合法によって連結されてもよい。
【0069】
・ブラケット31とジョイント部材61とは、その上面および側面が面一となるように構成されている。これに限らず、例えば、ジョイント部材61の上面がブラケット31の上面よりも上方に位置するようにジョイント部材61とブラケット31との間に段差が形成されていてもよい。
【0070】
・テーブル10においては、テーブル本体11にブラケット31を介してステージ本体60が連結されていればよい。そのため、ステージ本体60は、ブラケット31に対して下方から連結される構成であってもよい。
【0071】
・被取付面18と取付面33とは、互いに面接触する構成であることが好ましいがその形状は、例えば、平面形状であってもよいし、曲面形状であってもよい。
・フットステージ30は、ステージ本体60に各ブラケット31が連結された状態でテーブル本体11に連結される方法で組み付けられてもよい。
【0072】
・フットステージ30は、テーブル10の利用者が足を掛けられるものであればよく、例えば、互いに異なるフットバー85に連結される補強バーなどを有していてもよい。また、フットステージ30は、複数のフットバー85に架設されるプレートなどを有していてもよい。また、フットステージ30は、角形鋼管に限らず円形鋼管で構成されたフットバー85で構成されていてもよいし、複数の支持脚14の外側にフットバー85が配設される構成であってもよい。
【符号の説明】
【0073】
B1…第1締結部材、B2…第2締結部材、H2…頭部、10…テーブル、11…テーブル本体、12…天板、14…支持脚、16…被取付部、17…第1締結孔、18…被取付面、30…フットステージ、31…ブラケット、32…取付部、33…取付面、34…第1貫通孔、35…中間連結部、36…中間上壁部、37…中間側壁部、38…中間先端壁部、39…空間、40…補強リブ、45…ステージ連結部、46…上面、47…R部、48…下面、49…R部、50…第2貫通孔、51…頭部収容部、53…先端補強部、60…ステージ本体、61…ジョイント部材、62…第1チャンネル部材、62a…端面、63…第1上壁、64…第1側壁、65…第2チャンネル部材、66…第2側壁、67…第2底壁、67a…下面、68…底壁貫通孔、69…溶接ナット、70…当接部分、71…突出部分、75…第3チャンネル部材、76…第3側壁、77…第3底壁、79…突出部分、80…ブラケット収容部、85…フットバー、86…上壁、87…下壁、88…内側壁、89…外側壁、90,91…溶接部分。