(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-18
(45)【発行日】2022-11-29
(54)【発明の名称】太陽光発電システムの設計支援装置
(51)【国際特許分類】
G06F 30/10 20200101AFI20221121BHJP
G06F 30/20 20200101ALI20221121BHJP
【FI】
G06F30/10 100
G06F30/20
(21)【出願番号】P 2018225600
(22)【出願日】2018-11-30
【審査請求日】2021-11-04
(73)【特許権者】
【識別番号】504093467
【氏名又は名称】トヨタホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100161230
【氏名又は名称】加藤 雅博
(72)【発明者】
【氏名】水野 祐一
【審査官】松浦 功
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-173932(JP,A)
【文献】特開2004-164325(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/00 -30/28
H02S 10/00 -99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の太陽光モジュールを有して構成され太陽光発電を行う太陽光発電装置と、1又は複数のパワーコンディショナを有して構成され前記太陽光発電装置により発電された電力を直流から交流に変換する電力変換装置とを備える太陽光発電システムを建物に導入する際の設計支援を行う太陽光発電システムの設計支援装置であって、
前記建物において前記太陽光モジュールを設置する設置面の情報を取得する設置面情報取得手段と、
その設置面情報取得手段により取得された前記設置面の情報に基づいて、前記太陽光発電装置を構成する前記太陽光モジュールについて前記設置面における割り付けを行う第1モジュール割付手段と、
その第1モジュール割付手段により割り付けられた前記太陽光モジュールにより構成される前記太陽光発電装置の発電容量を算出する発電容量算出手段と、
前記電力変換装置について前記太陽光発電装置から入力可能な電力容量である入力可能容量が前記発電容量算出手段により算出された前記太陽光発電装置の発電容量よりも小さくなるよう、当該電力変換装置を構成する前記パワーコンディショナを選定するパワーコンディショナ選定手段と、
前記太陽光発電装置の発電容量が前記パワーコンディショナ選定手段により選定された前記パワーコンディショナにより構成される前記電力変換装置の前記入力可能容量以下となるよう、当該太陽光発電装置を構成する前記太陽光モジュールについて前記設置面における割り付けを行う第2モジュール割付手段と、
を備えることを特徴とする太陽光発電システムの設計支援装置。
【請求項2】
前記第1モジュール割付手段は、前記太陽光発電装置の発電容量が最も大きくなるように、当該太陽光発電装置を構成する前記太陽光モジュールについて前記設置面上における割り付けを行うことを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電システムの設計支援装置。
【請求項3】
前記第2モジュール割付手段により割り付けられた前記太陽光モジュールにより構成される前記太陽光発電装置の発電容量を前記太陽光発電システムの発電容量として算出するシステム容量算出手段と、
前記パワーコンディショナ選定手段により選定された前記パワーコンディショナにより構成される前記電力変換装置のコストと、前記第2モジュール割付手段により割り付けられた前記太陽光モジュールにより構成される前記太陽光発電装置のコストとをそれぞれ算出し、それら算出した各コストの和を前記太陽光発電システムのコストとして算出するシステムコスト算出手段と、
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽光発電システムの設計支援装置。
【請求項4】
前記第2モジュール割付手段は、前記第1モジュール割付手段により前記設置面において割り付けられた前記各太陽光モジュールの一部を除去することで、当該設置面における前記太陽光モジュールの割り付けを行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の太陽光発電システムの設計支援装置。
【請求項5】
前記電力変換装置の前記入力可能容量が前記発電容量算出手段により算出された前記太陽光発電装置の発電容量以上となるように、当該電力変換装置を構成する前記パワーコンディショナを選定する第1パワーコンディショナ選定手段と、
前記第1モジュール割付手段により割り付けられた前記太陽光モジュールにより構成される前記太陽光発電装置のコストと、前記第1パワーコンディショナ選定手段により選定された前記パワーコンディショナにより構成される前記電力変換装置のコストとをそれぞれ算出し、それら算出した各コストの和を前記太陽光発電システムのコストとして算出する第1コスト算出手段とを備え、
前記第1コスト算出手段によりコストが算出された前記太陽光発電システムの発電容量は、前記発電容量算出手段により算出された前記太陽光発電装置の発電容量に相当し、
前記第1コスト算出手段は、前記算出された前記太陽光発電システムのコストと当該太陽光発電システムの発電容量とに基づいて、当該太陽光発電システムの単位発電容量当たりのコストを算出し、
前記第1コスト算出手段により算出された単位発電容量当たりのコストが基準値を上回っている場合には、前記パワーコンディショナ選定手段としての第2パワーコンディショナ選定手段による前記パワーコンディショナの選定処理と、前記第2モジュール割付手段による前記太陽光モジュールの割付処理とをそれぞれ行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の太陽光発電システムの設計支援装置。
【請求項6】
前記電力変換装置の前記入力可能容量が前記発電容量算出手段により算出された前記太陽光発電装置の発電容量以上となるように、当該電力変換装置を構成する前記パワーコンディショナを選定する第1パワーコンディショナ選定手段と、
前記第1パワーコンディショナ選定手段により選定された前記パワーコンディショナにより構成される前記電力変換装置の前記入力可能容量と、前記発電容量算出手段により算出された前記太陽光発電装置の発電容量との容量差を算出する容量差算出手段と、を備え、
前記容量差算出手段により算出された前記容量差が所定値を上回っている場合には、前記パワーコンディショナ選定手段としての第2パワーコンディショナ選定手段による前記パワーコンディショナの選定処理と、前記第2モジュール割付手段による前記太陽光モジュールの割付処理とをそれぞれ行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の太陽光発電システムの設計支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物に太陽光発電システムを導入する際の設計支援を行う太陽光発電システムの設計支援装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
住宅等の建物には、太陽光発電システムが導入されている場合がある。太陽光発電システムは、太陽光発電を行う太陽光発電装置と、その太陽光発電装置で発電された電力を直流から交流に変換する電力変換装置とを備えて構成されている。太陽光発電装置は、複数の太陽光モジュール(太陽光パネル)を有して構成され、それら各太陽光モジュールは例えば建物において屋根面上に設置される。また、電力変換装置は、1又は複数のパワーコンディショナを有して構成される。
【0003】
ところで、近年、太陽光発電システムを建物に導入する際の設計支援を行う設計支援システムが一部で提案されている(例えば特許文献1参照)。かかる設計支援システムでは、まず太陽光発電装置を構成する太陽光モジュールについて建物の屋根面上における割付(数や配置)が行われる。このモジュール割付に際しては、例えば太陽光発電装置の発電容量が最も大きくなるように、屋根面上における太陽光モジュールの割り付けが行われる。
【0004】
そして、次に、電力変換装置を構成するパワーコンディショナの選定が行われる。パワーコンディショナには、太陽光発電装置から入力可能な電力の容量(以下、入力可能容量という)が異なる複数の仕様のものが存在する。ここで、電力変換装置を構成するパワーコンディショナの選定に際しては、例えば電力変換装置の入力可能容量(すなわち同装置を構成するパワーコンディショナの入力可能容量の合計)が太陽光発電装置の発電容量以上となるように選定が行われる。この場合、太陽光発電装置で発電された発電電力の全てを電力変換装置にて交流電力に変換することが可能となるため、太陽光発電装置による発電電力を無駄なく使用することが可能となる。
【0005】
このように、上記の設計支援システムを用いれば、建物(屋根)に応じた太陽光モジュールの割り付けとパワーコンディショナの選定とを行うことができる。そのため、顧客に対して、その顧客が住む建物に適した太陽光発電システムを提案することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述の設計支援システムでは、パワーコンディショナの選定に際し、電力変換装置の入力可能容量が太陽光発電装置の発電容量以上となるように選定が行われるため、この場合、電力変換装置の入力可能容量と太陽光発電装置の発電容量とのうち低い側の容量である太陽光発電装置の発電容量により太陽光発電システム(全体)の発電容量が決まることになる。つまり、この場合、太陽光発電装置の発電容量がそのまま太陽光発電システムの発電容量となる。
【0008】
ここで、電力変換装置の入力可能容量のうち、太陽光発電装置の発電容量を上回る分については電力の変換に用いられない無駄な余剰容量となっている。つまり、この余剰容量は、太陽光発電システムの発電に寄与しない無駄な容量となっている。かかる余剰容量が大きいと、太陽光発電システムの発電量(発電容量)に対するコスト(換言すると単位発電量当たりのコスト)が無駄に高くなってしまうため、費用対効果の悪いシステムが顧客に提案されることになってしまう。
【0009】
そこで、パワーコンディショナの選定に際しては、電力変換装置の余剰容量をできるだけ小さくするように選定が行われることが望ましい。つまり、電力変換装置の入力可能容量と太陽光発電装置の発電容量との差(容量差)ができるだけ小さくなるように選定が行われることが望ましい。
【0010】
しかしながら、電力変換装置の入力可能容量は選定するパワーコンディショナの組み合わせや数によって決まるものであるため、細かく調整することが難しいと考えられる。そのため、太陽光発電装置の発電容量の値によっては、電力変換装置の入力可能容量と太陽光発電装置の発電容量との容量差を小さくするようパワーコンディショナを選定するのが困難な場合が想定される。その場合、電力変換装置の余剰容量が大きくなって、費用対効果の悪い(低い)太陽光発電システムが顧客に提案されることになってしまう。
【0011】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、費用対効果の高い太陽光発電システムを顧客に提案することができる太陽光発電システムの設計支援装置を提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決すべく、第1の発明の太陽光発電システムの設計支援装置は、複数の太陽光モジュールを有して構成され太陽光発電を行う太陽光発電装置と、1又は複数のパワーコンディショナを有して構成され前記太陽光発電装置により発電された電力を直流から交流に変換する電力変換装置とを備える太陽光発電システムを建物に導入する際の設計支援を行う太陽光発電システムの設計支援装置であって、前記建物において前記太陽光モジュールを設置する設置面の情報を取得する設置面情報取得手段と、その設置面情報取得手段により取得された前記設置面の情報に基づいて、前記太陽光発電装置を構成する前記太陽光モジュールについて前記設置面における割り付けを行う第1モジュール割付手段と、その第1モジュール割付手段により割り付けられた前記太陽光モジュールにより構成される前記太陽光発電装置の発電容量を算出する発電容量算出手段と、前記電力変換装置について前記太陽光発電装置から入力可能な電力容量である入力可能容量が前記発電容量算出手段により算出された前記太陽光発電装置の発電容量よりも小さくなるよう、当該電力変換装置を構成する前記パワーコンディショナを選定するパワーコンディショナ選定手段と、前記太陽光発電装置の発電容量が前記パワーコンディショナ選定手段により選定された前記パワーコンディショナにより構成される前記電力変換装置の前記入力可能容量以下となるよう、当該太陽光発電装置を構成する前記太陽光モジュールについて前記設置面における割り付けを行う第2モジュール割付手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、取得された建物における設置面の情報に基づいて、太陽光発電装置を構成する太陽光モジュールについて設置面上における割り付け(以下、第1割り付けという)が行われる。また、その第1割り付けによって得られた太陽光発電装置についてその発電容量が算出される。なお、取得される設置面の情報には、例えば設置面の大きさや形状に関する情報が含まれる。
【0014】
また、電力変換装置の入力可能容量が上記算出された太陽光発電装置の発電容量よりも小さくなるよう、当該電力変換装置を構成するパワーコンディショナが選定される。そして、太陽光発電装置の発電容量が上記選定されたパワーコンディショナにより構成される電力変換装置の入力可能容量以下となるよう、当該太陽光発電装置を構成する太陽光モジュールについて設置面上における割り付け(以下、第2割り付けという)が行われる。
【0015】
ここで、太陽光発電装置の発電容量は、割り付けられる太陽光モジュールの数や大きさにより比較的細かく調整することが可能である。そのため、太陽光発電装置の発電容量が電力変換装置の入力可能容量以下となるように太陽光モジュールの割り付け(第2割り付け)を行うに際しては、電力変換装置の入力可能容量と太陽光発電装置の発電容量との容量差ができるだけ小さくなるように又は容量差がないように割り付けを行うことが可能となる。これにより、電力変換装置における無駄な余剰容量をできるだけ小さくすることが可能となり又は当該余剰容量をなくすことが可能となるため、費用対効果の高い太陽光発電システムを顧客に提案することが可能となる。
【0016】
第2の発明の太陽光発電システムの設計支援装置は、第1の発明において、前記第1モジュール割付手段は、前記太陽光発電装置の発電容量が最も大きくなるように、当該太陽光発電装置を構成する前記太陽光モジュールについて前記設置面上における割り付けを行うことを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、まず第1割り付けとして、太陽光発電装置の発電容量が最も大きくなるように、設置面における太陽光モジュールの割り付けが行われる。そして、かかる第1割り付けによって得られた太陽光発電装置をベースに、パワーコンディショナの選定と、太陽光モジュールの第2割り付けとが行われる。これにより、発電容量が大きく、かつ費用対効果の高い太陽光発電システムを顧客に提案することが可能となる。
【0018】
第3の発明の太陽光発電システムの設計支援装置は、第1又は第2の発明において、前記第2モジュール割付手段により割り付けられた前記太陽光モジュールにより構成される前記太陽光発電装置の発電容量を前記太陽光発電システムの発電容量として算出するシステム容量算出手段と、前記パワーコンディショナ選定手段により選定された前記パワーコンディショナにより構成される前記電力変換装置のコストと、前記第2モジュール割付手段により割り付けられた前記太陽光モジュールにより構成される前記太陽光発電装置のコストとをそれぞれ算出し、それら算出した各コストの和を前記太陽光発電システムのコストとして算出するシステムコスト算出手段と、を備えることを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、太陽光発電システムの発電容量とコストとがそれぞれ算出されるため、顧客に対し太陽光発電システムの費用対効果を数値で示すことが可能となる。
【0020】
第4の発明の太陽光発電システムの設計支援装置は、第1乃至第3のいずれかの発明において、前記第2モジュール割付手段は、前記第1モジュール割付手段により前記設置面において割り付けられた前記各太陽光モジュールの一部を除去することで、当該設置面における前記太陽光モジュールの割り付けを行うことを特徴とする。
【0021】
本発明によれば、第1割り付けにより設置面上に割り付けられた各太陽光モジュールの一部が除去されることで、太陽光モジュールの第2割り付けが行われる。これにより、比較的容易に第2割り付けを行うことが可能となる。
【0022】
第5の発明の太陽光発電システムの設計支援装置は、第1乃至第4のいずれかの発明において、前記電力変換装置の前記入力可能容量が前記発電容量算出手段により算出された前記太陽光発電装置の発電容量以上となるように、当該電力変換装置を構成する前記パワーコンディショナを選定する第1パワーコンディショナ選定手段と、前記第1モジュール割付手段により割り付けられた前記太陽光モジュールにより構成される前記太陽光発電装置のコストと、前記第1パワーコンディショナ選定手段により選定された前記パワーコンディショナにより構成される前記電力変換装置のコストとをそれぞれ算出し、それら算出した各コストの和を前記太陽光発電システムのコストとして算出する第1コスト算出手段とを備え、前記第1コスト算出手段によりコストが算出された前記太陽光発電システムの発電容量は、前記発電容量算出手段により算出された前記太陽光発電装置の発電容量に相当し、前記第1コスト算出手段は、前記算出された前記太陽光発電システムのコストと当該太陽光発電システムの発電容量とに基づいて、当該太陽光発電システムの単位発電容量当たりのコストを算出し、前記第1コスト算出手段により算出された単位発電容量当たりのコストが基準値を上回っている場合には、前記パワーコンディショナ選定手段としての第2パワーコンディショナ選定手段による前記パワーコンディショナの選定処理と、前記第2モジュール割付手段による前記太陽光モジュールの割付処理とをそれぞれ行うことを特徴とする。
【0023】
設置面上における太陽光モジュールの割り付けとして、第1割り付けと、第2割り付けとが行われる上述の構成では、第1割り付けにより得られる太陽光発電装置の発電容量よりも、第2割り付けにより得られる太陽光発電装置の発電容量の方が小さくなる。換言すると、第2割り付けにより得られる太陽光発電装置の発電容量よりも、第1割り付けにより得られる太陽光発電装置の発電容量の方が大きい。
【0024】
そこで、本発明では、第1割り付けにより得られた太陽光発電装置の発電容量が(発電容量算出手段により)算出された後、まず、(第1パワーコンディショナ選定手段により)電力変換装置の入力可能容量が上記算出された太陽光発電装置の発電容量以上となるように、電力変換装置を構成するパワーコンディショナが選定されるようにしている。この場合、太陽光発電装置で発電された発電電力のすべてが電力変換装置で変換されることになり、比較的発電容量の大きい太陽光発電システムを得ることが可能となる。
【0025】
そして、本発明では、このように得られた太陽光発電システムについて、その単位発電容量当たりのコストが算出される。この単位発電容量当たりのコストは、太陽光発電システムの費用対効果を示す指標となるものであり、当該コストが低いほど費用対効果が高いということになる。この場合、上記のように得られた太陽光発電システムについて、その費用対効果を確認することができるため、費用対効果が高い場合には、発電容量が比較的大きく、かつ費用対効果の高い太陽光発電システムを顧客に提供することができる。
【0026】
また、上記のように算出された単位発電容量当たりのコストが基準値を上回っている場合、つまり上記のように得られた太陽光発電システムの費用対効果が低い場合には、第2パワーコンディショナ選定手段(請求項1のパワーコンディショナ選定手段に相当)によるパワーコンディショナの選定と、太陽光モジュールの第2割り付けとがそれぞれ行われるようになっている。これにより、いずれにしても、費用対効果の高い太陽光発電システムを顧客に提供することが可能となっている。
【0027】
第6の発明の太陽光発電システムの設計支援装置は、第1乃至第4のいずれかの発明において、前記電力変換装置の前記入力可能容量が前記発電容量算出手段により算出された前記太陽光発電装置の発電容量以上となるように、当該電力変換装置を構成する前記パワーコンディショナを選定する第1パワーコンディショナ選定手段と、前記第1パワーコンディショナ選定手段により選定された前記パワーコンディショナにより構成される前記電力変換装置の前記入力可能容量と、前記発電容量算出手段により算出された前記太陽光発電装置の発電容量との容量差を算出する容量差算出手段と、を備え、前記容量差算出手段により算出された前記容量差が所定値を上回っている場合には、前記パワーコンディショナ選定手段としての第2パワーコンディショナ選定手段による前記パワーコンディショナの選定処理と、前記第2モジュール割付手段による前記太陽光モジュールの割付処理とをそれぞれ行うことを特徴とする。
【0028】
本発明によれば、上記第5の発明と同様、太陽光モジュールの第1割り付けと、第1パワーコンディショナ選定手段によるパワーコンディショナの選定(第1選定)とが行われることで、比較的発電容量の大きい太陽光発電システムを得ることが可能となる。
【0029】
また、本発明では、パワーコンディショナの第1選定により得られた電力変換装置の入力可能容量と、太陽光モジュールの第1割り付けにより得られた太陽光発電装置の発電容量との容量差が算出される。この容量差は、太陽光発電に寄与しない無駄な余剰容量に相当するもので、この容量差が小さいほど太陽光発電システムの費用対効果が高いものとなる。この場合、上記のように得られた太陽光発電システムについて、その費用対効果を確認することができるため、費用対効果が高い場合には、発電容量が比較的大きく、かつ費用対効果の高い太陽光発電システムを顧客に提供することができる。
【0030】
また、上記算出された容量差が所定値を上回っている場合、つまり上記のように得られた太陽光発電システムの費用対効果が低くなっている場合には、第2パワーコンディショナ選定手段(請求項1のパワーコンディショナ選定手段に相当)によるパワーコンディショナの選定と、太陽光モジュールの第2割り付けとがそれぞれ行われるようになっている。これにより、いずれにしても、費用対効果の高い太陽光発電システムを顧客に提供することが可能となっている。
【0031】
以上のように、本発明によっても、上記第5の発明と同様の効果を得ることが可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】太陽光発電システムが設けられた建物を示す平面図。
【
図4】設計支援処理によって得られる太陽光発電システムを示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、建物に太陽光発電システムを設置する際の設計支援を行う設計支援装置について具体化している。以下では、その設計支援装置の説明を行うのに先立ち、まず建物に設置される太陽光発電システムの概要について説明する。
図1は、太陽光発電システムが設けられた建物を示す平面図である。
【0034】
図1に示すように、建物11には、屋根部12が設けられている。屋根部12は寄せ棟式の屋根となっており、棟(詳しくは大棟及び隅棟)により分割された複数(具体的には4つの)の屋根面13を有している。これら屋根面13のうち、日当たりの悪い北側の屋根面13を除く3つの屋根面13aが太陽光モジュール23を設置する設置面となっている。
【0035】
建物11には、太陽光発電システム20が設けられている。太陽光発電システム20は、太陽光が照射されることで発電を行う太陽光発電装置21と、その太陽光発電装置21により発電された直流電力を交流電力に変換する電力変換装置22とを備える。
【0036】
太陽光発電装置21は、複数の太陽光モジュール23を有して構成されている。太陽光モジュール23は、太陽電池素子(太陽電池セル)を所定枚数配列してモジュール化(パッケージ化)したもので、太陽光パネルとも呼ばれる。太陽光モジュール23には、大きさや形状の異なる複数種類のものがあり、
図1の例では、四角形や三角形の太陽光モジュール23が用いられている。太陽光モジュール23は屋根部12の各屋根面13a上に複数並べて設けられている。具体的には、太陽光発電装置21は、複数の太陽光モジュール23が互いに組み合わせられてなるアレイ24を複数(本実施形態では3つ)備え、それら各アレイ24が屋根部12の各屋根面13a上にそれぞれ設置されている。
【0037】
電力変換装置22は、1又は複数のパワーコンディショナ26を有して構成される。パワーコンディショナ26は、太陽光発電装置21で発電された直流電力を交流電力に変換するものである。
図1の例では、電力変換装置22が2つのパワーコンディショナ26を有して構成され、屋外において建物11に隣接して設置されている。電力変換装置22は、太陽光発電装置21に電力線28を介して接続されている。具体的には、電力変換装置22は、太陽光発電装置21の各アレイ24にそれぞれ電力線28を介して接続されている。電力変換装置22には、太陽光発電装置21による発電電力(直流電力)が電力線28を介して供給され、その供給された直流電力が電力変換装置22(詳しくはパワーコンディショナ26)において交流電力に変換される。そして、その交流電力が電力変換装置22から建物11内の分電盤(図示略)に供給され、その後、分電盤から建物11内の各種電気機器に供給されるようになっている。
【0038】
続いて、設計支援装置30の概要について
図2に基づいて説明する。
図2は、設計支援装置30の概略構成を示す図である。
【0039】
図2に示すように、設計支援装置30は、パーソナルコンピュータにより構成され、建物を設計するCADプログラムを有している。設計支援装置30は、例えば建物メーカに設けられ、同メーカの設計者により使用される。設計支援装置30は、制御部31と、操作部32と、表示部33と、記憶部34とを備えている。
【0040】
制御部31は、建物に太陽光発電システムを導入する際の設計支援を行う設計支援処理を実施するものである。操作部32は、その設計支援処理に際し必要な各種操作を行うもので、キーボードやマウス等を有して構成されている。表示部33は、設計支援処理の結果等、各種情報を表示するもので、ディスプレイからなる。また、記憶部34には、設計支援処理に必要な各種情報が記憶されている。
【0041】
次に、設計支援装置30により実行される設計支援処理の流れについて
図3に基づき説明する。
図3は、設計支援処理の流れを示す機能ブロック図である。なお、設計支援装置30では、
図3中の各機能ブロック41,42,45,47,48,51~55が制御部31により実現され、各データベース43,46が記憶部34により構築されている。また、ここでは、上述した建物11に太陽光発電システム20を導入する際の設計支援を、設計支援処理により行うことを想定しており、その建物11の設計データ(CADデータ)があらかじめ記憶部34に記憶されているものとする。
【0042】
また、以下においては、
図3に加え
図4を適宜参照しながら、設計支援処理の内容について説明を行う。
図4は、設計支援処理によって得られる(設計される)太陽光発電システム20を示す平面図となっている。また、
図4では、太陽光発電システム20の発電容量やコストに関する情報も併せて示している。
【0043】
図3に示すように、屋根面情報取得部41は、建物11の屋根部12において太陽光モジュール23を設置する各屋根面13a(設置面に相当)の情報を取得する。屋根面情報取得部41は、記憶部34に記憶されている屋根部12の設計データ(例えば屋根伏図のデータ)に基づき、各屋根面13aの情報を取得する。取得される屋根面13aの情報には、屋根面13aの大きさ(広さ)や形状に関する情報等が含まれている。なお、屋根面情報取得部41が設置面情報取得手段に相当する。
【0044】
第1モジュール割付部42は、屋根面情報取得部41により取得された各屋根面13aの情報に基づいて、太陽光発電装置21を構成する太陽光モジュール23について、各屋根面13a上における割り付け(配置)を行う。太陽光モジュール23の割り付けに際しては、複数種類の太陽光モジュール23に関する情報が記憶された太陽光モジュールデータベース43が用いられる。太陽光モジュールデータベース43には、形状や大きさの異なる複数の太陽光モジュール23(詳しくはその外形データ)が記憶されている。例えば、太陽光モジュールデータベース43には、形状の異なる太陽光モジュール23として、四角形や三角形、台形の太陽光モジュール23が記憶されている。
【0045】
第1モジュール割付部42では、屋根面13aの大きさや形状に応じた複数の太陽光モジュール23(その外形図データ)を太陽光モジュールデータベース43から読み出し、その読み出した太陽光モジュール23を各屋根面13a上にそれぞれ割り付けていく。この場合、各屋根面13a上への太陽光モジュール23の割り付けは、例えば屋根伏図のデータ(CADデータ)上にて行われる。
【0046】
また、第1モジュール割付部42では、太陽光発電装置21を構成する各太陽光モジュール23のモジュール面積の合計が最も大きくなるように、各屋根面13a上への太陽光モジュール23の割り付けを行う。換言すると、第1モジュール割付部42では、太陽光発電装置21を構成する各太陽光モジュール23の発電容量の合計が最も大きくなるように、つまり太陽光発電装置21の発電容量が最も大きくなるように、各太陽光モジュール23の割り付けを行う。
図4(a)には、このように割り付けられた各太陽光モジュール23の割付状態が示されている。なお、第1モジュール割付部42が第1モジュール割付手段に相当する。
【0047】
ちなみに、太陽光発電装置21の発電容量とは、同装置21により発電可能な電力の容量のことであり、換言すると、同装置21により発電可能な電力の最大値のことである(太陽光モジュール23の発電容量についてもこれと同様)。また、太陽光発電装置21の発電容量は、搭載容量(積載容量)や設備容量と呼ばれることもある。
【0048】
第1発電容量算出部44は、第1モジュール割付部42により割り付けられた各太陽光モジュール23により構成される太陽光発電装置21の発電容量Pを算出する。これにより、本建物11において、発電容量が最大となる太陽光発電装置21について、その発電容量Pが算出される。なお、以下においては、かかるモジュール割り付けにより構成される太陽光発電装置21を太陽光発電装置21Aともいう。
図4(a)の例では、太陽光発電装置21Aの発電容量が6kwと算出されている。なお、第1発電容量算出部44が発電容量算出手段に相当する。
【0049】
第1パワーコンディショナ選定部45は、電力変換装置22について太陽光発電装置21から入力可能な電力の容量(入力可能な電力の最大値)である入力可能容量Vが、第1発電容量算出部44により算出された太陽光発電装置21(21A)の発電容量P以上となるように(V≧P)、当該電力変換装置22を構成するパワーコンディショナ26を選定する。パワーコンディショナ26の選定に際しては、複数種類のパワーコンディショナ26に関する情報が記憶されたパワーコンディショナデータベース46が用いられる。パワーコンディショナデータベース46には、太陽光発電装置21から入力可能な電力の容量である入力可能容量が互いに異なる複数のパワーコンディショナ26が記憶されている。第1パワーコンディショナ選定部45では、電力変換装置22の入力可能容量Vが太陽光発電装置21Aの発電容量P以上となるように、パワーコンディショナデータベース46に記憶された複数のパワーコンディショナ26の中から、当該電力変換装置22を構成する1又は複数のパワーコンディショナ26を選定する。なお、電力変換装置22の入力可能容量は、その電力変換装置22を構成する1又は複数のパワーコンディショナ26の入力可能容量の総和に相当する(電力変換装置22を構成するパワーコンディショナ26が1つの場合には、そのパワーコンディショナ26の入力可能容量が電力変換装置22の入力可能容量となる。)。
【0050】
また、第1パワーコンディショナ選定部45では、電力変換装置22の入力可能容量Vと、第1発電容量算出部44により算出された太陽光発電装置21Aの発電容量Pとの容量差(V-P)が最も小さくなるように、当該電力変換装置22を構成するパワーコンディショナ26を選定する。ここで、電力変換装置22の入力可能容量Vが太陽光発電装置21の発電容量P以上とされる場合には、それら各容量V,Pのうち小さい側の容量である太陽光発電装置21の発電容量Pにより太陽光発電システム20の発電容量が決まることになる。つまり、この場合、太陽光発電装置21の発電容量Pがそのまま太陽光発電システム20の発電容量となる。したがって、かかる場合には、電力変換装置22の入力可能容量Vのうち、太陽光発電装置21の発電容量Pを上回る分、すなわち上記容量差(V-P)に相当する分については、太陽光発電に寄与しない無駄な余剰容量となる。この余剰容量が大きいと、太陽光発電システム20の発電容量に対するコストが大きくなってしまい、費用対効果の悪いシステムになってしまう。このため、第1パワーコンディショナ選定部45では、上述のように、上記容量差(V-P)が最も小さくなるように、電力変換装置22を構成するパワーコンディショナ26を選定するようにしている。なお、第1パワーコンディショナ選定部45が第1パワーコンディショナ選定手段に相当する。
【0051】
図4(a)の例では、第1パワーコンディショナ選定部45により、同じ仕様(つまり同じ入力可能容量)のパワーコンディショナ26が2台選定されている。したがって、
図4(a)の例では、電力変換装置22が2台のパワーコンディショナ26により構成されている。これらのパワーコンディショナ26は、入力可能容量が5.5kwとなっている。このため、
図4(a)の例では、電力変換装置22の入力可能容量Vが5.5kw×2台により11kwとされ、電力変換装置22の入力可能容量Vと太陽光発電装置21(21A)の発電容量P(6kw)との容量差(V-P)が11kw-6kwにより5kwとされる。この場合、第1パワーコンディショナ選定部45において、上記容量差(V-P)が最も小さくなるようパワーコンディショナ26が選定されているにもかかわらず、容量差(V-P)が比較的大きなものとなっており、換言すると電力変換装置22の余剰容量が比較的大きなものとなっている。これは、電力変換装置22の入力可能容量Vは、パワーコンディショナ26の組み合わせや数によって決まるものであり、細かく調整することが困難であるからと考えられる。
【0052】
ちなみに、パワーコンディショナデータベース46に記憶された入力可能容量の異なる複数のパワーコンディショナ26は互いのコスト(費用)が相違しており、詳しくは入力可能容量が大きいパワーコンディショナ26ほどコストが高くなっている。したがって、第1パワーコンディショナ選定部45において、上記容量差(V-P)が最も小さくなるように、つまり電力変換装置22の入力可能容量Vが最も小さくなるように、電力変換装置22を構成するパワーコンディショナ26を選定することは、結局のところ、電力変換装置22のコストが最も低くなるようにパワーコンディショナ26を選定することにもなっている。
【0053】
以上より、上述した各機能ブロック41,42,44,45による処理によれば、本建物11において発電容量が最大となる太陽光発電システム20(以下、太陽光発電システム20Aともいう)が得られる(
図4(a)参照)。
【0054】
第1コスト算出部47は、第1モジュール割付部42により割り付けられた太陽光モジュール23により構成される太陽光発電装置21Aのコストと、第1パワーコンディショナ選定部45により選定されたパワーコンディショナ26により構成される電力変換装置22(以下、電力変換装置22Aともいう)のコストとをそれぞれ算出する。そして、第1コスト算出部47では、それら算出した太陽光発電装置21Aのコストと電力変換装置22Aのコストとを足し合わせ、太陽光発電システム20A全体のコストを算出する。なお、第1コスト算出部47が第1コスト算出手段に相当する。
【0055】
第1コスト算出部47では、太陽光発電装置21Aのコストが、同装置21Aを構成する太陽光モジュール23のkw当たり(単位発電容量当たり)の単価に基づき算出される。
図4(a)の例では、太陽光モジュール23のkw当たりの単価が20万円となっている。また、太陽光発電装置21Aの発電容量P、つまり各太陽光モジュール23により構成される太陽光発電装置21Aの発電容量Pは、上述したように6kwとなっている。このため、太陽光発電装置21Aのコストは、6kw×20万円により120万円と算出される。
【0056】
また、第1コスト算出部47では、電力変換装置22Aのコストが、同装置22Aを構成するパワーコンディショナ26のコストに基づき算出される。パワーコンディショナ26のコスト情報はパワーコンディショナデータベース46に記憶されている。このため、その記憶されたパワーコンディショナ26のコスト情報に基づき、電力変換装置22Aのコストが算出される。
図4(a)の例では、第1パワーコンディショナ選定部45により選定されたパワーコンディショナ26の1台当たりの価格(コスト)が20万円となっている。このため、電力変換装置22Aのコストは、2台×20万円により40万円と算出される。したがって、
図4(a)の例では、太陽光発電システム20Aのコストが、120万円(太陽光発電装置21Aのコスト)+40万円(電力変換装置22Aのコスト)により160万円と算出される。
【0057】
第1コスト算出部47では、さらに、上記算出した太陽光発電システム20Aのコストと、太陽光発電システム20Aの発電容量とに基づいて、太陽光発電システム20Aの単位発電容量当たり(1kw当たり)のコストを算出する。この場合、太陽光発電システム20Aのコストを太陽光発電システム20Aの発電容量で除することにより、太陽光発電システム20Aの単位発電容量当たりのコストを算出する。太陽光発電システム20Aの発電容量は、上述したように、第1発電容量算出部44により算出される太陽光発電装置21Aの発電容量Pに相当するため、この場合、太陽光発電システム20Aのコストを上記算出された太陽光発電装置21Aの発電容量Pで除することにより、太陽光発電システム20Aの単位発電容量当たりのコストが算出される。
図4(a)の例では、太陽光発電システム20Aのコストが160万円、太陽光発電装置21Aの発電容量Pが6kwとなっている。そのため、太陽光発電システム20Aの単位発電容量当たりのコストが、160万円/6kwにより26.7万円/kwと算出される。
【0058】
コスト評価部48は、第1コスト算出部47により算出された太陽光発電システム20Aの単位発電容量当たりのコストに基づいて、太陽光発電システム20Aの費用対効果を評価する。すなわち、コスト評価部48では、第1コスト算出部47により算出された単位発電容量当たりのコストが予め定められた基準値を上回っていないか否かを判定し、判定の結果、単位発電容量当たりのコストが基準値を上回っている場合には太陽光発電システム20Aの費用対効果が悪い(低い)と評価し、単位発電容量当たりのコストが基準値を上回っていない場合には費用対効果が良い(高い)と評価する。
【0059】
図4(a)の例では、上述したように、太陽光発電システム20Aの単位発電容量当たりのコストが26.7万円/kwと算出されている。また、上記の基準値は、例えば25万円/kwに設定されている。したがって、
図4(a)の例では、コスト評価部48において、単位発電容量当たりのコストが基準値を上回っていると判定され、その結果、太陽光発電システム20Aの費用対効果が悪いと評価される。
【0060】
コスト評価部48において、太陽光発電システム20Aの費用対効果が良いと評価された場合には、後述する出力部55による出力処理に進み、第1コスト算出部47により算出されたコストの情報を表示部33に出力する(表示させる)。そして、出力処理の後、本設計支援処理が終了する。
【0061】
これに対して、コスト評価部48において、太陽光発電システム20Aの費用対効果が悪いと評価された場合には、費用対効果の高い太陽光発電システム20を新たに設計(設計支援)する処理を行う。そこで、以下においては、その処理について説明する。また、以下の説明では、
図3に加え
図4(b)を参照しながら説明を行う。
【0062】
図3に示すように、第2パワーコンディショナ選定部51は、電力変換装置22の入力可能容量Vが、第1発電容量算出部44により算出された太陽光発電装置21(21A)の発電容量Pよりも小さくなるように(V<P)、当該電力変換装置22を構成するパワーコンディショナ26を選定する。
【0063】
第2パワーコンディショナ選定部51では、第1パワーコンディショナ選定部45と同様、パワーコンディショナ26の選定に際し、パワーコンディショナデータベース46を用いる。すなわち、第2パワーコンディショナ選定部51では、電力変換装置22の入力可能容量Vが第1発電容量算出部44により算出された太陽光発電装置21Aの発電容量Pよりも小さくなるように、パワーコンディショナデータベース46に記憶された複数のパワーコンディショナ26の中から、当該電力変換装置22を構成する1又は複数のパワーコンディショナ26を選定する。具体的には、第2パワーコンディショナ選定部51では、第1発電容量算出部44により算出された太陽光発電装置21Aの発電容量Pと、電力変換装置22の入力可能容量Vとの差(P-V)が最も小さくなるように、当該電力変換装置22を構成するパワーコンディショナ26を選定する。なお、第2パワーコンディショナ選定部51がパワーコンディショナ選定手段及び第2パワーコンディショナ選定手段に相当する。
【0064】
図4(b)の例では、第2パワーコンディショナ選定部51によりパワーコンディショナ26が1台だけ選定されている。詳しくは、
図4(b)の例では、第1パワーコンディショナ選定部45により選定された同一仕様の2台のパワーコンディショナ26(
図4(a)参照)が1台減らされることにより、残りの1台のパワーコンディショナ26が選定されている。これにより、
図4(b)の例では、電力変換装置22が1台のパワーコンディショナ26により構成されている。そのため、電力変換装置22の入力可能容量Vは5.5kw×1台により5.5kwとされる。
【0065】
第2モジュール割付部52は、太陽光発電装置21の発電容量Pが第2パワーコンディショナ選定部51により選定されたパワーコンディショナ26により構成される電力変換装置22(以下、電力変換装置22Bともいう)の入力可能容量V以下となるよう(P≦V)、当該太陽光発電装置21を構成する太陽光モジュール23について、屋根面13a上における割り付けを行う。具体的には、第2モジュール割付部52では、第1モジュール割付部42により屋根面13a上に割り付けられた各太陽光モジュール23(
図4(a)参照)の一部を除去することで、屋根面13a上における上記割り付けを行う。なお、第2モジュール割付部52が第2モジュール割付手段に相当する。
【0066】
また、第2モジュール割付部52では、電力変換装置22Bの入力可能容量Vと太陽光発電装置21の発電容量Pとの容量差(V-P)が最も(可能な限り)小さくなるように又は容量差(V―P)がなくなるように、当該太陽光発電装置21を構成する太陽光モジュール23について、屋根面13a上における割り付けを行う。ここで、かかる太陽光モジュール23の割り付けに際しては、割り付ける太陽光モジュール23の数や大きさを調整することで、それら太陽光モジュール23により構成される太陽光発電装置21の発電容量Pを比較的細かく調整することができる。そのため、第2モジュール割付部52では、上記容量差(V-P)が小さくなるように又は上記容量差(V-P)がなくなるように、太陽光モジュール23の割り付けを行うことが可能となる。したがって、この場合、電力変換装置22Bの余剰容量を小さくすること又はなくすことができ、費用対効果の高い太陽光発電システム20を得ることが可能となる。
【0067】
図4(b)の例では、第2モジュール割付部52において、第1モジュール割付部42により割り付けられた各太陽光モジュール23のうち、2つの太陽光モジュール23(詳しくは三角形の太陽光モジュール23)が除去されることで、上記割り付けが行われている。これにより、
図4(b)の例では、太陽光発電装置21の発電容量Pが6kw(
図4(a)参照)から5.5kwに減少している。したがって、
図4(b)の例では、太陽光発電装置21の発電容量P(5.5kw)が電力変換装置22Bの入力可能容量V(5.5kw)と同じとされ、それによりそれら各容量V,Pの容量差(V-P)がないものとなっている。
【0068】
第2発電容量算出部53は、第2モジュール割付部52により割り付けられた各太陽光モジュール23により構成される太陽光発電装置21(以下、太陽光発電装置21Bともいう)の発電容量Pを算出する。ここで、上述したように、第2モジュール割付部52では、太陽光発電装置21の発電容量Pが電力変換装置22Bの入力可能容量V以下となるよう、当該太陽光発電装置21を構成する太陽光モジュール23について屋根面13a上への割り付けが行われる。このため、太陽光発電装置21Bの発電容量Pと電力変換装置22Bの入力可能容量Vとのうち、低い側の容量である太陽光発電装置21Bの発電容量Pによって太陽光発電システム20(以下、太陽光発電システム20Bともいう)の発電容量が決まることになる。つまり、この場合、太陽光発電装置21Bの発電容量Pがそのまま太陽光発電システム20Bの発電容量となる。したがって、第2発電容量算出部53では、太陽光発電装置21Bの発電容量Pを算出することにより、太陽光発電システム20Bの発電容量を算出することにもなっている。
【0069】
図4(b)の例では、太陽光発電装置21Bの発電容量P、つまりは太陽光発電システム20Bの発電容量が5.5kwと算出されている。したがって、太陽光発電システム20Bでは、その発電容量が、上述した太陽光発電システム20Aの発電容量(6kw)よりも若干小さくなっている。なお、第2発電容量算出部53がシステム容量算出手段に相当する。
【0070】
第2コスト算出部54は、第2モジュール割付部52により割り付けられた太陽光モジュール23により構成される太陽光発電装置21Bのコストと、第2パワーコンディショナ選定部51により選定されたパワーコンディショナ26により構成される電力変換装置22Bのコストとをそれぞれ算出する。そして、第2コスト算出部54では、それら算出した太陽光発電装置21Bのコストと電力変換装置22Bのコストとを足し合わせ、太陽光発電システム20B全体のコストを算出する。なお、第2コスト算出部54がシステムコスト算出手段に相当する。
【0071】
第2コスト算出部54では、第1コスト算出部47と同様、太陽光発電装置21Bのコストが、同装置21Bを構成する太陽光モジュール23のkw当たりの単価に基づき算出される。
図4(b)の例では、太陽光モジュール23のkw当たりの単価が20万円となっており(この点は
図4(a)の例も同様)、また太陽光発電装置21Bの発電容量が5.5kwとなっている。このため、太陽光発電装置21Bのコストは、5.5kw×20万円により110万円と算出される。
【0072】
また、第2コスト算出部54では、第1コスト算出部47と同様、電力変換装置22Bのコストが、同装置22Bを構成するパワーコンディショナ26のコストに基づき算出される。すなわち、パワーコンディショナデータベース46に記憶されたパワーコンディショナ26のコスト情報に基づき、電力変換装置22Bのコストが算出される。
図4(b)の例では、第2パワーコンディショナ選定部51により選定されたパワーコンディショナ26の1台当たりの価格(コスト)が20万円となっている(この点は
図4(a)の例も同様)。このため、電力変換装置22Bのコストは、1台×20万円により20万円と算出される。したがって、
図4(b)の例では、太陽光発電システム20Bのコストが、110万円(太陽光発電装置21Bのコスト)+20万円(電力変換装置22Bのコスト)により130万円と算出される。
【0073】
第2コスト算出部54では、さらに、上記算出した太陽光発電システム20Bのコストと、第2発電容量算出部53により算出された太陽光発電システム20Bの発電容量とに基づき、太陽光発電システム20Bの単位発電容量当たり(1kw当たり)のコストを算出する。この場合、太陽光発電システム20Bのコストを太陽光発電システム20Bの発電容量で除することにより、太陽光発電システム20Bの単位発電容量当たりのコストを算出する。
図4(b)の例では、太陽光発電システム20Bのコストが130万円、太陽光発電システム20Bの発電容量が5.5kwとなっている。そのため、太陽光発電システム20Bの単位発電容量当たりのコストが、130万円/5.5kwにより23.6万円/kwと算出される。したがって、太陽光発電システム20Bでは、単位発電容量当たりのコストが、上述した太陽光発電システム20Aの単位発電容量当たりのコスト(26.7万円/kw)よりも低くなっており、詳しくは上述したコスト評価部48における基準値よりも低くなっている。そのため、太陽光発電システム20Bは、上述の太陽光発電システム20Aと比べて、費用対効果の高いシステムとなっている。
【0074】
出力部55は、第1コスト算出部47により算出された太陽光発電システム20Aのコスト及び単位発電容量当たりのコストと、第2コスト算出部54により算出された太陽光発電システム20Bのコスト及び単位発電容量当たりのコストとをそれぞれ表示部33に出力する。これにより、表示部33には、各太陽光発電システム20A,20Bのコスト情報が表示される。
【0075】
また、出力部55では、太陽光発電システム20Aについて、上記コスト情報に加え、第1モジュール割付部42により割り付けられた太陽光モジュール23の情報(割付情報)と、第1パワーコンディショナ選定部45により選定されたパワーコンディショナ26の情報とが表示部33に出力される。また、これと同様に、太陽光発電システム20Bについても、上記コスト情報に加え、第2モジュール割付部52により割り付けられた太陽光モジュール23の情報(割付情報)と、第2パワーコンディショナ選定部51により選定されたパワーコンディショナ26の情報とが表示部33に出力される。したがって、表示部33には、各太陽光発電システム20A,20Bについて、上記コスト情報に加え、太陽光モジュール23の情報とパワーコンディショナ26の情報とが表示される。これにより、発電容量が最大となる太陽光発電システム20Aと、費用対効果の高い太陽光発電システム20Bとをそれぞれ顧客に対し提案することが可能となる。
【0076】
なお、出力部55において、各太陽光発電システム20A,20Bのコスト情報等を表示部33に出力することに代え又は加えて、プリンタ等に出力するようにしてもよい。
【0077】
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0078】
第1モジュール割付部42では、取得された建物11における屋根面13aの情報に基づき、太陽光発電装置21を構成する太陽光モジュール23について屋根面13a上における割り付けが行われる。また、第1発電容量算出部44では、第1モジュール割付部42により割り付けられた太陽光モジュール23により構成される太陽光発電装置21(21A)についてその発電容量が算出される。
【0079】
また、第2パワーコンディショナ選定部51では、電力変換装置22の入力可能容量が第1発電容量算出部44により算出された太陽光発電装置21(21A)の発電容量よりも小さくなるよう、当該電力変換装置22を構成するパワーコンディショナ26が選定される。そして、第2モジュール割付部52では、太陽光発電装置21の発電容量が第2パワーコンディショナ選定部51により選定されたパワーコンディショナ26により構成される電力変換装置22(22B)の入力可能容量以下となるよう、当該太陽光発電装置21を構成する太陽光モジュール23について屋根面13a上における割り付けが行われる。
【0080】
ここで、太陽光発電装置21の発電容量は、割り付けられる太陽光モジュール23の数や大きさにより比較的細かく調整することが可能である。そのため、太陽光発電装置21の発電容量が電力変換装置22の入力可能容量以下となるように太陽光モジュール23の割り付けを行うに際しては、電力変換装置22の入力可能容量と太陽光発電装置21の発電容量との容量差ができるだけ小さくなるように又はかかる容量差がないように割り付けを行うことが可能となる。これにより、電力変換装置22(22B)における無駄な余剰容量をできるだけ小さくすることが可能となり又は当該余剰容量をなくすことが可能となるため、費用対効果の高い太陽光発電システム20(20B)を顧客に提案することが可能となる。
【0081】
第1モジュール割付部42では、太陽光発電装置21の発電容量が最も大きくなるように、屋根面13aにおける太陽光モジュール23の割り付けが行われる。この場合、かかるモジュール割付により得られた太陽光発電装置21(21A)をベースに、第2パワーコンディショナ選定部51によるパワーコンディショナ26の選定と、第2モジュール割付部52による太陽光モジュール23の割り付けとが行われる。これにより、発電容量が大きく、かつ費用対効果の高い太陽光発電システム20(20B)を顧客に提案することが可能となる。
【0082】
第2発電容量算出部53では、太陽光発電システム20Bの発電容量が算出され、第2コスト算出部54では、太陽光発電システム20Bのコストが算出されるため、顧客に対し太陽光発電システム20Bの費用対効果を数値で示すことが可能となる。具体的には、第2コスト算出部54では、上記算出された太陽光発電システム20Bの発電容量及びコストに基づき、太陽光発電システム20Bの単位発電容量当たりのコストが算出されるため、太陽光発電システム20Bの費用対効果をわかりやすい形で顧客に提示することが可能となる。
【0083】
また、第1コスト算出部47では、発電容量が最大となる太陽光発電システム20Aについてその単位発電容量当たりのコストが算出され、出力部55では、その算出された太陽光発電システム20Aの単位発電容量当たりのコストと、上記算出された太陽光発電システム20Bの単位発電容量当たりのコストとが共に表示部33に出力される。これにより、顧客に対しそれら各太陽光発電システム20A,20Bの費用対効果を対比しながら提示することが可能となる。
【0084】
第2モジュール割付部52では、第1モジュール割付部42により屋根面13a上に割り付けられた各太陽光モジュール23の一部が除去されることで、当該屋根面13a上における太陽光モジュール23の割り付けが行われる。これにより、第2モジュール割付部52によるモジュール割付を比較的容易に行うことが可能となる。
【0085】
屋根面13a上における太陽光モジュール23の割り付けとして、第1モジュール割付部42による第1割り付けと、第2モジュール割付部52による第2割り付けとが行われる上記実施形態の構成では、第1割り付けにより得られる太陽光発電装置21Aの発電容量よりも、第2割り付けにより得られる太陽光発電装置21Bの発電容量の方が小さくなる。換言すると、第2割り付けにより得られる太陽光発電装置21Bの発電容量よりも、第1割り付けにより得られる太陽光発電装置21Aの発電容量の方が大きい。
【0086】
そこで、上記実施形態では、第1割り付けにより得られる太陽光発電装置21Aについて、その発電容量が算出された後、第1パワーコンディショナ選定部45において、電力変換装置22(22A)の入力可能容量が上記算出された太陽光発電装置21Aの発電容量以上となるよう、電力変換装置22Aを構成するパワーコンディショナ26が選定されるようになっている。この場合、太陽光発電装置21Aで発電された発電電力のすべてが電力変換装置22Aで変換され、比較的発電容量の大きい太陽光発電システム20Aを得ることが可能となる。
【0087】
そして、このように得られた太陽光発電システム20Aについて、その単位発電容量当たりのコストが第1コスト算出部47において算出される。この場合、太陽光発電システム20Aの費用対効果を確認することができるため、費用対効果が高い場合には、発電容量が比較的大きく、かつ費用対効果の高い太陽光発電システム20Aを顧客に提供することができる。
【0088】
また、太陽光発電システム20Aの単位発電容量当たりのコストが基準値を上回っている場合、つまり太陽光発電システム20Aの費用対効果が低くなっている場合には、第2パワーコンディショナ選定部51によるパワーコンディショナ26の選定と、第2モジュール割付部52による太陽光モジュール23の割り付けとがそれぞれ行われるようになっている。これにより、いずれにしても、費用対効果の高い太陽光発電システム20(20B)を顧客に提供することが可能となっている。
【0089】
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
【0090】
・上記実施形態では、第1モジュール割付部42において、太陽光発電装置21の発電容量が最大となるように太陽光モジュール23の割り付けを行ったが、第1モジュール割付部42では必ずしもこのように割り付けを行う必要はない。例えば、太陽光発電装置21の発電容量が予め定めた目標値以上となるように、太陽光モジュール23の割り付けを行うようにしてもよい。
【0091】
・第1パワーコンディショナ選定部45において、電力変換装置22を構成するパワーコンディショナ26を選定するに際し、パワーコンディショナ26の回路数や変換効率等を加味して選定を行ってもよい。また、これと同様に、第2パワーコンディショナ選定部51においてもパワーコンディショナ26の回路数や変換効率等を加味して選定を行うようにしてもよい。
【0092】
・上記実施形態では、第2パワーコンディショナ選定部51において、第1パワーコンディショナ選定部45により選定されたパワーコンディショナ26の台数を減らすことで、パワーコンディショナ26の選定を行ったが、第2パワーコンディショナ選定部51では必ずしもこのようにして選定を行う必要はない。例えば、第1パワーコンディショナ選定部45により選定されたパワーコンディショナ26よりも入力可能容量の小さいパワーコンディショナ26(換言すると、第1パワーコンディショナ選定部45により選定されたパワーコンディショナ26よりも小型のパワーコンディショナ26)をパワーコンディショナデータベース46に記憶された各パワーコンディショナ26の中から抽出することで選定を行ってもよい。この場合にも、第2パワーコンディショナ選定部51において、電力変換装置22の入力可能容量が、第1発電容量算出部44により算出された太陽光発電装置21の発電容量よりも小さくなるように、パワーコンディショナ26を選定することが可能となる。
【0093】
・第1パワーコンディショナ選定部45により選定されたパワーコンディショナ26により構成される電力変換装置22Aの入力可能容量Vと、第1発電容量算出部44により算出された太陽光発電装置21Aの発電容量Pとの容量差(V-P)を算出するようにしてもよい(容量差算出手段に相当)。この容量差(V-P)は、太陽光発電に寄与しない無駄な余剰容量に相当するものであり、この容量差が小さいほど太陽光発電システム20Aの費用対効果が高いものとなる。この場合、太陽光発電システム20Aの費用対効果を確認することができるため、費用対効果が高い場合には、発電容量が大きく、かつ費用対効果の高い太陽光発電システム20Aを顧客に提供することができる。
【0094】
また、このように容量差(V―P)を算出するようにした構成にあって、算出した容量差(V-P)が所定値を上回っている場合、つまり太陽光発電システム20Aの費用対効果が低くなっている場合に、第2パワーコンディショナ選定部51によるパワーコンディショナ26の選定と、第2モジュール割付部52による太陽光モジュール23の割り付けとを行うようにしてもよい。この場合、いずれにしても、費用対効果の高い太陽光発電システム20(20B)を顧客に提供することが可能となる。
【0095】
・上記実施形態において、第1パワーコンディショナ選定部45によるパワーコンディショナ26の選定処理を行わないようにしてもよい。この場合、パワーコンディショナ26の選定処理としては、第2パワーコンディショナ選定部51による処理のみとなる。かかる場合にも、選定処理の後、第2モジュール割付部52によるモジュール割付を行うことで、費用対効果の高い太陽光発電システム20を得ることが可能となる。
【0096】
・上記実施形態では、第2モジュール割付部52において、第1モジュール割付部42により屋根面13a上に割り付けた各太陽光モジュール23の一部を除去することで、屋根面13a上における太陽光モジュール23の割り付けを行った。すなわち、上記実施形態では、第2モジュール割付部52において、第1モジュール割付部42により割り付けた太陽光モジュール23を利用して割り付けを行ったが、第2モジュール割付部52では、必ずしもこのように割り付けを行う必要はなく、一から太陽光モジュール23を屋根面13a上に割り付けていくようにしてもよい。この場合、第1モジュール割付部42における太陽光モジュール23の割り付けと同様、太陽光モジュールデータベース43を用いて割り付けを行うことが考えられる。
【0097】
・上記実施形態では、建物11において太陽光モジュール23の設置面が屋根面13aとされ、その屋根面13aの情報を屋根面情報取得部41(設置面情報取得手段に相当)により取得するようにしたが、太陽光モジュール23の設置面は屋根面に限らず、建物の外壁面に設定されている場合もある。その場合には、設置面情報取得手段により外壁面の情報を取得するようにすればよい。
【符号の説明】
【0098】
11…建物、12…屋根部、13a…設置面としての屋根面、20…太陽光発電システム、21…太陽光発電装置、22…電力変換装置、23…太陽光モジュール、26…パワーコンディショナ、30…設計支援装置、31…制御部、34…記憶部、41…設置面情報取得手段としての屋根面情報取得部、42…第1モジュール割付手段としての第1モジュール割付部、44…発電容量算出手段としての第1発電容量算出部、45…第1パワーコンディショナ選定手段としての第1パワーコンディショナ選定部、47…第1コスト算出手段としての第1コスト算出部、51…パワーコンディショナ選定手段及び第2パワーコンディショナ選定手段としての第2パワーコンディショナ選定部、52…第2モジュール割付手段としての第2モジュール割付部、53…システム容量算出手段としての第2発電容量算出部、54…システムコスト算出手段としての第2コスト算出部。