(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-18
(45)【発行日】2022-11-29
(54)【発明の名称】分析器具のための濾過デバイス
(51)【国際特許分類】
G01N 35/00 20060101AFI20221121BHJP
G01N 35/10 20060101ALI20221121BHJP
【FI】
G01N35/00 Z
G01N35/10 B
(21)【出願番号】P 2018525675
(86)(22)【出願日】2016-11-17
(86)【国際出願番号】 US2016062591
(87)【国際公開番号】W WO2017087707
(87)【国際公開日】2017-05-26
【審査請求日】2019-11-07
【審判番号】
【審判請求日】2021-12-16
(32)【優先日】2015-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510005889
【氏名又は名称】ベックマン コールター, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】サントス, ガブリエル
(72)【発明者】
【氏名】レイエス, ジャネット エフ.
(72)【発明者】
【氏名】コレラ, グレゴリー エム.
【合議体】
【審判長】石井 哲
【審判官】伊藤 幸仙
【審判官】井上 香緒梨
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-178334(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/170739(US,A1)
【文献】特開2006-194788(JP,A)
【文献】実開平6-86739(JP,U)
【文献】特開2009-160615(JP,A)
【文献】特開平7-92061(JP,A)
【文献】米国特許第11169060(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00 - 35/10
G01N 15/00 - 15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析器具であって、
サンプルを含有するように構成されるサンプル容器と、
入口ポートおよび出口ポートを含むチャンバと、
前記サンプル容器を穿刺し、前記サンプルの少なくとも一部を前記サンプル容器から吸引するように構成されるプローブを含む吸引デバイスであって、前記吸引デバイスは、前記プローブを移動させ、前記プローブを前記チャンバの入口ポートを通して挿入し、前記サンプルの前記少なくとも一部を前記チャンバの中に分注するように動作可能である、吸引デバイスと、
前記サンプルを分析するように構成されるサンプル分析デバイスと、
前記チャンバの出口ポートに接続され、前記チャンバと前記サンプル分析デバイスとの間の流体連通経路を形成するように構成される流管と、
前記チャンバに近接して固着される濾過デバイスであって、前記濾過デバイスは、大き過ぎる粒子の少なくとも一部がそれを通して通過することを防止する一方、分析されるべき粒子がそれを通して通過することを可能にするように構成され、前記大き過ぎる粒子は、前記吸引デバイスのプローブが前記サンプル容器を穿刺するにつれて、少なくとも部分的に、前記サンプル容器から発生させられ、前記濾過デバイスは、本体を含み、前記本体の縁は、複数の部分的開口を備え、前記本体は、前記濾過デバイスが前記流管内に締まり嵌めされるように前記流管の内径よりも大きい幅を有する断面形状を有する、濾過デバイスと
を備える、分析器具。
【請求項2】
前記濾過デバイスは、前記チャンバの出口ポートに隣接して前記流管内に配列される、請求項1に記載の分析器具。
【請求項3】
前記本体は、複数の開口を有する、請求項1に記載の分析器具。
【請求項4】
前記サンプル分析デバイスは、フローセルを含み、前記濾過デバイスによって遮断される前記大き過ぎる粒子の前記少なくとも一部は、前記フローセルを目詰まりさせるようなサイズである、請求項1に記載の分析器具。
【請求項5】
分析器具内のサンプルを濾過する方法であって、
濾過デバイスをチャンバに近接して固着することであって、前記濾過デバイスは、大き過ぎる粒子の少なくとも一部がそれを通して通過することを防止するように構成され、前記濾過デバイスは、本体を含み、前記本体の縁は、複数の部分的開口を備える、ことと、
流管を前記チャンバの出口ポートに接続し、前記チャンバとサンプル分析デバイスとの間の流体連通経路を形成することであって、前記本体は、前記濾過デバイスが前記流管内に締まり嵌めされるように前記流管の内径よりも大きい幅を有する断面形状を有する、ことと
を含む、方法。
【請求項6】
濾過デバイスを固着することは、流管内の濾過デバイスを前記流管の第1の端部に隣接して固着することを含み、
流管を接続することは、前記流管の第1の端部を前記チャンバの出口ポートに接続することを含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
吸引デバイスのプローブでサンプル容器を穿刺することであって、前記大き過ぎる粒子は、前記吸引デバイスのプローブが前記サンプル容器を穿刺するにつれて、少なくとも部分的に、前記サンプル容器から発生させられる、ことと、
前記サンプルの少なくとも一部を前記サンプル容器から吸引することであって、前記サンプルの前記少なくとも一部は、前記大き過ぎる粒子の少なくとも一部を含む、ことと、
前記プローブを前記チャンバの入口ポートを通して挿入することと、
前記サンプルの前記少なくとも一部を前記チャンバの中に分注することと、
前記サンプルの前記少なくとも一部を前記チャンバから前記サンプル分析デバイスに前記濾過デバイスを通して供給することと
をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
流体を前記チャンバに逆方向に供給し、前記チャンバを清掃し、前記濾過デバイスによって捕捉される前記大き過ぎる粒子を除去することをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
血液学分析器内のサンプルを濾過するための濾過デバイスであって、
複数の開口を有するプレートであって、前記複数の開口は、大き過ぎる粒子の少なくとも一部がそれを通して通過することを防止する一方、分析されるべき粒子がそれを通して通過することを可能にするように構成され、前記大き過ぎる粒子は、吸引デバイスがサンプル容器を穿刺するにつれて、少なくとも部分的に、前記サンプル容器から発生させられ、前記プレートは、チャンバの出口ポートに近接して固着されるように構成され、前記プレートの縁は、複数の部分的開口を備え、前記プレートは、前記濾過デバイスが流管内に締まり嵌めされるように前記流管の内径よりも大きい幅を有する断面形状を有し、前記流管は、前記チャンバとフローセルとの間の流体連通を形成する、プレート
を備える、濾過デバイス。
【請求項10】
前記プレートは、前記チャンバの出口ポートに隣接して流管内に固着される、請求項9に記載の濾過デバイス。
【請求項11】
前記プレートは、前記チャンバの出
口ポートの端部に固着される、請求項9に記載の濾過デバイス。
【請求項12】
前記プレートは、前記チャンバ内に設置される、請求項11に記載の濾過デバイス。
【請求項13】
分析器具内のサンプルを濾過するためのシステムであって、
チャンバの出口ポートに嵌合し、前記チャンバとサンプル分析デバイスとの間の流体連通経路を形成するように構成される流管と、
前記チャンバに近接して配列される濾過デバイスであって、前記濾過デバイスは、大き過ぎる粒子の少なくとも一部がそれを通して通過することを防止する一方、分析されるべき粒子がそれを通して通過することを可能にするように構成され、前記大き過ぎる粒子は、吸引デバイスがサンプル容器を穿刺し、前記サンプルの少なくとも一部を前記サンプル容器から吸引するにつれて、少なくとも部分的に、前記サンプル容器から発生させられ、前記濾過デバイスは、本体を含み、前記本体の縁は、複数の部分的開口を備え、前記本体は、前記濾過デバイスが前記流管内に締まり嵌めされるように前記流管の内径よりも大きい幅を有する断面形状を有する、濾過デバイスと
を備える、システム。
【請求項14】
前記濾過デバイスは、前記チャンバの出口ポートに隣接して前記流管内に配列される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記本体は、複数の開口を有する、請求項13に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本願は、PCT国際特許出願として2016年11月17日に出願され、米国仮特許出願第62/257,031号(出願日2015年11月18日)に対する優先権の利益を主張するものであり、その全開示は、全体が参照により本明細書中に援用される。
【0002】
血液学分析器は、流体(例えば、血液サンプル)中に含有される粒子(例えば、血液細胞)の異なる種類および特性を識別する、自動化された機械である。例えば、血液学分析器は、血液サンプル中の異なる種類の血液細胞の数をカウントするように動作する。
【0003】
ある実施例では、血液学分析器は、電気インピーダンス法、光散乱法、および/または蛍光性色素を使用して細胞タイプを区別する方法等、いくつかのタイプのフローサイトメトリ技法を使用することができる。いくつかの血液学分析器は、それが生じさせる電気インピーダンスの程度またはそれが実証する光散乱パターンのタイプのいずれかによって判定され得る、その特定のサイズまたは形状に基づいて、単一細胞を分類するように構成される。他の血液学分析器は、蛍光性色素を使用して分類され得る、その生化学または抗原性質によって、単一細胞を識別することができる。
【0004】
いくつかの血液学分析器は、サンプル粒子が、フローセル内の小開口を通して通過することを可能にするように構成される。ある実施例では、コアリング粒子等の異質粒子は、フローセル内の開口の中に、サンプル粒子とともに流動する。そのような異質粒子は、フローセル内の開口を目詰まりさせるために十分に大きく、それによって、フローセルの動作を遅延または停止させ得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
概して、本開示は、濾過デバイスを伴う分析器具を対象とする。1つの可能性として考えられる構成では、非限定的実施例として、濾過デバイスは、サンプルが分注される、チャンバに近接して配列される。種々の側面は、本開示に説明され、限定ではないが、以下の側面を含む。
【0006】
一側面は、サンプル容器と、チャンバと、吸引デバイスと、サンプル分析デバイスと、流管と、濾過デバイスとを含む、分析器具である。サンプル容器は、サンプルを含有する。チャンバは、入口ポートと、出口ポートとを含む。吸引デバイスは、サンプル容器を穿刺し、サンプルの少なくとも一部をサンプル容器から吸引するように構成される、プローブを含む。吸引デバイスは、プローブを移動させ、プローブをチャンバの入口ポートを通して挿入し、サンプルの少なくとも一部をチャンバの中に分注するように動作可能である。サンプル分析デバイスは、サンプルを分析するように構成される。流管は、チャンバの出口ポートに接続され、チャンバとサンプル分析デバイスとの間の流体連通経路を形成するように構成される。濾過デバイスは、チャンバに近接して固着される。濾過デバイスは、大き過ぎる粒子の少なくとも一部がそれを通して通過することを防止する一方、分析されるべき粒子がそれを通して通過することを可能にするように構成され、大き過ぎる粒子は、吸引デバイスのプローブがサンプル容器を穿刺するにつれて、少なくとも部分的に、サンプル容器から発生される。
【0007】
別の側面は、分析器具内のサンプルを濾過する方法である。本方法は、濾過デバイスをチャンバに近接して固着するステップであって、濾過デバイスは、大き過ぎる粒子の少なくとも一部がそれを通して通過することを防止するように構成される、ステップと、流管をチャンバの出口ポートに接続し、チャンバとサンプル分析デバイスとの間の流体連通経路を形成するステップとを含む。
【0008】
さらに別の側面は、血液学分析器内のサンプルを濾過するための濾過デバイスである。濾過デバイスは、大き過ぎる粒子の少なくとも一部がそれを通して通過することを防止する一方、分析されるべき粒子がそれを通して通過することを可能にするように構成される、複数の開口を有する、プレートを含む。大き過ぎる粒子は、吸引デバイスがサンプル容器を穿刺するにつれて、少なくとも部分的に、サンプル容器から発生される。プレートは、チャンバの出口ポートに隣接して固着されるように構成される。ある実施例では、プレートは、チャンバの出口ポートに隣接して流管内に固着される。流管は、チャンバとフローセルとの間の流体連通を形成する。ある実施例では、プレートは、チャンバの出力ポートの端部に固着される。
【0009】
さらに別の側面は、分析器具内のサンプルを濾過するためのシステムである。本システムは、チャンバの出口ポートに嵌合し、チャンバとサンプル分析デバイスとの間の流体連通経路を形成するように構成される、流管と、チャンバに近接して配列される、濾過デバイスとを含む。濾過デバイスは、大き過ぎる粒子の少なくとも一部がそれを通して通過することを防止する一方、分析されるべき粒子がそれを通して通過することを可能にするように構成される。大き過ぎる粒子は、吸引デバイスがサンプル容器を穿刺し、サンプルの少なくとも一部をサンプル容器から吸引するにつれて、少なくとも部分的に、サンプル容器から発生される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、濾過デバイスを含む、例示的器具の概略ブロック図である。
【0011】
【
図2】
図2は、器具を動作させるための例示的方法のフローチャートである。
【0012】
【0013】
【
図4】
図4は、例示的サンプル吸引システムの概略ブロック図である。
【0014】
【
図5】
図5は、
図4のサンプル吸引システムの概略ブロック図であって、プロービングデバイスが混合チャンバとともに配列されることを図示する。
【0015】
【
図6】
図6は、例示的混合チャンバを図式的に図示する。
【0016】
【
図7】
図7は、例示的サンプル分析システムを図示する、概略ブロック図である。
【0017】
【
図8】
図8は、濾過デバイスを含む、例示的濾過システムを図式的に図示する。
【0018】
【
図9】
図9は、濾過システムの例示的動作を図示する。
【0019】
【
図10】
図10は、フィルタシステムを据え付けるための例示的方法を図示する、フローチャートである。
【0020】
【0021】
【0022】
【
図13】
図13は、
図12に示される断面A-Aに沿って得られた例示的濾過デバイスの断面側面図である。
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【
図17】
図17は、流管の長さに沿って得られた
図16の流管の断面図であって、第2の端部継手を図示する。
【0027】
【
図18】
図18は、濾過デバイスを含む、濾過システムの別の実施例を図式的に図示する。
【発明を実施するための形態】
【0028】
種々の実施形態が、図面を参照して詳細に説明されるであろうが、同様の参照番号は、いくつかの図全体を通して、同様の部品およびアセンブリを表す。種々の実施形態の参照は、本明細書に添付された請求項の範囲を限定するものではない。加えて、本明細書に記載される任意の実施例は、限定ではなく、単に、添付の請求項に関する多くの可能性として考えられる実施形態のうちのいくつかを記載することを意図するものである。
【0029】
一般に、血液学分析器等の分析器具は、流体が小開口を含む流体回路を通して流動することを可能にするように動作する。いくつかの分析器具では、サンプル流体は、サンプル分析デバイス(例えば、フローセル)の小開口を通して通過される。開口は、サンプル流体の内容物が評価され得るように、一度にそれを通して通過させ得る粒子(例えば、血液細胞)の数を低減させる(すなわち、粒子を単一列で通過させる)ように定寸されることができる。開口が非常に小さいため、大き過ぎる粒子によって目詰まりを受けやすく、これは、フローセルの開口を遮断し得る。例えば、サンプルが、開口の断面を上回るサイズの任意の粒子または粒子の凝集を含有する場合、開口は、目詰まりし、それによって、器具の動作を遅延または停止させ得る。大き過ぎる粒子のいくつかの実施例は、サンプル容器が針によって穿刺されるときにサンプル容器から発生される、冠着残骸等の汚染物質である。
【0030】
本開示は、分析器具のための濾過デバイスを説明する。濾過デバイスは、そうでなければフローセル等のサンプル分析デバイスの開口を目詰まりさせ得る、大き過ぎる粒子の通過を遮断し、それによって、サンプル分析デバイスの目詰まりの機会を低減または排除するように構成される。濾過デバイスは、種々の血液学システムのために使用される。一例として、濾過デバイスは、開放吸引回路と併用され、少なくとも1つの開放混合チャンバ(例えば、それを通して吸引プローブが、延在し、サンプルをチャンバの中に分注する、入口を伴う、混合チャンバ)が、サンプルをサンプル分析デバイスに供給するために使用される。いくつかの実施形態では、濾過デバイスは、混合チャンバに近接して配列される。濾過デバイスは、混合チャンバの出力ポートにまたはそれに隣接して設置されることができる。例えば、濾過デバイスは、濾過デバイスがチャンバの出口ポートの直後に位置するように、チャンバの出口ポートに接続される流管内に固着される。他の実施例では、濾過デバイスは、チャンバ内のチャンバの出口ポートの端部に固着される。
【0031】
図1は、濾過デバイス102を含む、例示的器具100の概略ブロック図である。本実施例では、器具100は、サンプル源110と、サンプル吸引プローブ112と、サンプル吸引システム114と、サンプル調製システム116と、分配システム118と、サンプル分析システム120と、廃棄物管理システム122と、制御システム124とを含む、血液学分析器である。器具100の他の実施形態は、サンプル流体を分析するための他のタイプの機器であることができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、器具100は、血液サンプル中の異なる細胞の集団を検出するように構成される。器具100によって提供される結果は、集合的に、全血球数(CBCs)または細胞の区別を伴う全血球数(区別を伴うCBC)として知られ得る。他の実施形態では、器具100は、赤血球(RBC)数、RBC中のヘモグロビン、ヘマトクリットレベル、血小板数、血球データ、および5つの異なるタイプの白血球数を提供することができる。さらに他の実施形態では、器具100は、具体的診断を確認するために必要である、有核赤血球数(NRBC)を測定するように構成される。
【0033】
器具100は、種々の血液学分析器と関連付けられる、またはその中に実装されることができ、サンプル管が、チャンバの中に穿刺および分注される。器具100は、ストッパ(例えば、
図2では、キャップ152)を穿刺し、サンプルを流体経路の中に得るように動作する、任意の他の血液学分析器と併用されることができる。
【0034】
器具100は、サンプル分析システム120の開口320(
図7)を通して流体132を送達する、流体回路130を含む。以下に説明されるように、開口320は、サンプル中に含有される大き過ぎる粒子によって目詰まりし得る、低減されたサイズを有する。濾過デバイス102は、サンプル調製システム116内の混合チャンバ140の下流に位置付けられ、大き過ぎる粒子(例えば、コアリング粒子、粉塵、および残骸)の通過を遮断し、それによって、サンプル分析システム120を目詰まりから保護する。例えば、濾過デバイス102は、混合チャンバ140の出口にまたはそれに隣接して配置される。
【0035】
サンプル源110は、サンプル分析システム120内で分析されるべき流体132(また、サンプルと称される)を提供する。本実施例では、サンプル源110は、血液サンプルまたは試料である。サンプル源110は、サンプル132を含有する、サンプル容器134を含む。サンプル容器134の実施例は、試験管を含む。他のレセプタクルまたはバイアルも、他の実施形態では、サンプル容器134として使用されることができる。サンプル容器134の実施例は、
図3を参照してより詳細に説明および図示される。
【0036】
サンプル吸引プローブ112は、いくつかの実施形態では、サンプル源110の中に延在し、サンプルをサンプル源110から吸引し、サンプルをサンプル調製システム116に分注するために提供される。いくつかの実施形態では、サンプル吸引プローブ112は、それを通してサンプルがサンプル源110から受容され得る、1つまたはそれを上回る開口をその中に含む、針として構成される。
【0037】
サンプル吸引システム114は、サンプルをサンプル源110から吸引し、サンプルを流体回路130に沿ってサンプル源110からサンプル調製システム116に送達するように配列および構成される。サンプル吸引システム114のより詳細な実施例は、
図4を参照して図示および説明される。
【0038】
サンプル調製システム116は、サンプル源110からのサンプルおよび他の源からの他の流体(試薬および希釈剤等)を受容し、それらを選択的に混合し、試験流体を調製するように動作する。サンプル調製システム116は、少なくとも1つの流管136を使用して、サンプル分析システム120と流体連通する。サンプル調製システム116は、試験流体をサンプル分析システム120に流管136を通して供給する。いくつかの実施形態では、分配システム118は、複数の混合チャンバ140とサンプル分析システム120との間の選択的接続のために、サンプル調製システム116とサンプル分析システム120との間に配置される。
【0039】
いくつかの実施形態では、サンプル調製システム116は、サンプルと1つまたはそれを上回る他の流体を混合するために、少なくとも1つの混合チャンバ140を含む。混合チャンバ140は、それを通してサンプル吸引プローブ112が、延在し、サンプルを混合チャンバの中に分注する、入口142を有する。混合チャンバ140が、入口142を通して開放されるため、本タイプの混合チャンバ140は、本明細書では、開放混合チャンバと称され得る。混合チャンバ140は、直接または分配システム118を介してのいずれかにおいて、流管136を通して、サンプル分析システム120と流体連通することができる。
【0040】
本明細書に説明されるように、サンプル調製システム116は、そうでなければサンプル分析システム120を目詰まりさせるであろう、大き過ぎる粒子の通過を遮断するように構成される、濾過デバイス102を含む。いくつかの実施形態では、濾過デバイス102は、混合チャンバ140の下流であって、かつ分配システム118の上流である場所に配置される。いくつかの実施例では、濾過デバイス102は、チャンバ140の出口144に嵌合する、流管136の端部にまたはそれに隣接して、流管136内に固着される。他の実施例では、濾過デバイス102は、チャンバ140の出口144に配置される。濾過デバイス102の実施例は、
図8を参照してより詳細に図示および説明される。
【0041】
いくつかの実施形態では、サンプル調製システム116は、異なる目的のために、複数の混合チャンバ140を含む。いくつかの実施形態では、混合チャンバ140は、4つの混合チャンバを含む。例えば、第1の混合チャンバは、有核赤血球(NRBC)を分析するために(例えば、NRBC集団の分析のために)、試験流体またはサンプル(例えば、NRBCサンプル)を調製するために使用される。第2の混合チャンバは、白血球分画を分析するために(例えば、血液中に存在する各タイプの白血球のパーセンテージの測定のために)、試験流体またはサンプル(例えば、分画サンプル)を調製するために使用される。第3の混合チャンバは、網状赤血球数を分析するために(例えば、血液中の網状赤血球のパーセンテージの測定のために)、試験流体またはサンプル(例えば、網状赤血球サンプル)を調製するために使用される。第4の混合チャンバは、染料および血液混合物のために使用される。他の実施形態では、異なる数のチャンバ140が、異なる動作のために提供される。
【0042】
いくつかの実施形態では、サンプル調製システム116は、第1、第2、および第3の混合チャンバのための温度制御環境ならびに空気ジェット混合のために使用される流入試薬および空気を提供するように構成される、熱交換ブロック(本明細書では、温度制御ブロックとも称される)を含む。熱交換ブロックは、鋳造アルミニウムから作製されることができる。温度制御ブロックは、混合チャンバと関連付けられた複数の空気および試薬ポートを含む。第4の混合チャンバは、セラミック本体を有することができ、外部加熱器およびサーミスタ要素と嵌合される。サンプル調製システム116はさらに、それぞれ、混合チャンバと関連付けられる、複数の弁(例えば、ソレノイド弁)を含むことができる。
【0043】
分配システム118は、試験流体をサンプル調製システム116からサンプル分析システム120に分配するように動作する。分配システム118はまた、希釈剤液を混合チャンバ140に指向し、次いで、廃棄物管理システム122に指向するように動作することができる。いくつかの実施形態では、分配システム118は、流体をサンプル調製システム116内の異なる混合チャンバ140からサンプル分析システム120に選択的に指向するように動作可能である、弁システムを含む。分配システム118はまた、混合チャンバ140毎に逆流および清掃プロセスのための流体を指向することができる。
【0044】
弁システムのいくつかの実施形態は、2つのセラミックパッドを有する、面シール弁を含み、そのうちの一方は、定常のままであって、他方は、異なる混合チャンバ140からサンプル分析システム120に分配経路間で切り替えるために、間隔を空けて回転する。
【0045】
サンプル分析システム120は、そこに給送される試験流体を分析するように動作する。サンプル分析システム120の実施例は、
図7を参照して図示および説明される。
【0046】
廃棄物管理システム122は、任意の残りの流体を1つまたはそれを上回る混合チャンバ140から排出するように動作する。いくつかの実施形態では、流体回路130は、廃棄物管理システム122で終端し、そこでサンプルは、後続使用または廃棄のために収集および貯蔵される。
【0047】
制御システム124は、器具100の動作を制御し、サンプルの内容物を分析するように動作する。いくつかの実施形態では、制御システム124は、サンプル吸引システム114、サンプル調製システム116、およびサンプル分析システム120、および廃棄物管理システム122を制御するように動作する。
【0048】
図2は、器具100を動作させるための例示的方法200のフローチャートである。いくつかの実施形態では、方法200は、動作202、204、206、208、210、212、214、および216を含む。いくつかの実施形態では、動作202、204、206、208、および210は、サンプル吸引システム114によって行われ、動作212は、サンプル調製システム116によって行われ、動作214は、サンプル分析システム120によって行われ、動作216は、廃棄物管理システム122によって行われる。
【0049】
動作202では、器具100(例えば、サンプル吸引システム114)は、サンプル吸引プローブ112でサンプル容器134を穿刺するように動作する。サンプル吸引システム114は、サンプル容器134のキャップ152(
図3)を穿刺し、サンプル吸引プローブ112をサンプル容器134の中に延在させるように動作することができる。
【0050】
動作204では、器具100(例えば、サンプル吸引システム114)は、サンプルをサンプル容器からサンプル吸引プローブ112を通して吸引するように動作する。
【0051】
動作206では、器具100(例えば、サンプル吸引システム114)は、サンプル吸引プローブ112をサンプル調製システム116に隣接するように移動させる。いくつかの実施形態では、サンプル吸引システム114は、サンプル吸引プローブ112を混合チャンバ140の上方(例えば、混合チャンバ140の入口142の上方)に移動させる。
【0052】
動作208では、器具100(例えば、サンプル吸引システム114)は、サンプル吸引プローブ112を混合チャンバ140の中に挿入するように動作する。
【0053】
動作210では、器具100(例えば、サンプル吸引システム114)は、吸引されたサンプルを混合チャンバ140の中に分注するように動作する。
【0054】
動作212では、器具100(例えば、サンプル調製システム116)は、サンプルを混合チャンバ140からサンプル分析システム120に濾過デバイス102を通して供給するように動作する。サンプルを供給する前に、サンプル調製システム116は、1つまたはそれを上回る他の流体を受容し、それらをサンプル源110からのサンプルと混合し、試験流体を混合チャンバ140内で生産する。サンプル調製システム116は、次いで、試験流体を混合チャンバ140からサンプル分析システム120に供給する。
【0055】
動作214では、器具100(例えば、サンプル分析システム120)は、試験流体(吸引されたサンプルを含む)を分析するように動作する。試験流体を分析する例示的動作は、
図7を参照して図示および説明される。
【0056】
動作216では、器具100(例えば、廃棄物管理システム122)は、残りの試験流体をサンプル調製システム116(例えば、混合チャンバ140)から排出し、次のサイクルのためにサンプル調製システム116を清掃するように動作する。
【0057】
図3は、例示的サンプル容器134を図示する。いくつかの実施形態では、サンプル容器134は、容器本体150と、キャップ152とを含む。容器本体150は、サンプルを含有するために好適な管、バイアル、または任意の他のレセプタクルである。容器本体150は、開口部をその上部に有し、これは、キャップ152(本明細書では、ストッパまたはカバーとも称される)で密閉して被覆される。キャップ152は、ゴム、コルク、または他のプラスチックから作製され、サンプル吸引プローブ112によって穿刺されるように構成されることができる。キャップ152が、サンプル吸引プローブ112によって穿刺され、コアリング粒子(例えば、キャップ152の断片または屑)が、キャップ152から発生され、サンプル中に汚染物質として含まれ得る。コアリング粒子は、キャップ残骸を含み、典型的には、サンプル分析システム120を目詰まりさせ得る、大き過ぎる粒子である。コアリング粒子は、サンプル中に含まれ、サンプルとともに、サンプル吸引プローブ112を通して吸引され得る。したがって、サンプルおよびコアリング粒子は、ともに混合チャンバの中に分注されるであろう。さらに、コアリング粒子は、サンプル吸引プローブ112がサンプル容器のキャップまたはストッパを穿刺するとき、サンプル吸引プローブ112の外側に粘着し得、次いで、サンプル吸引プローブ112が、混合チャンバの中に挿入され、吸引されたサンプルを分注するとき、混合チャンバに侵入し得る。コアリング粒子を含む、大き過ぎる粒子は、
図9を参照してより詳細に図示および説明される。
【0058】
図4および5を参照すると、サンプル吸引プローブ112を含む、サンプル吸引システム114の実施例が、説明される。
【0059】
図4は、例示的サンプル吸引システム114の概略ブロック図である。いくつかの実施形態では、サンプル吸引システム114は、プロービングデバイス230と、吸引シリンジポンプ232と、プローブ駆動システム234とを含む。
【0060】
サンプル吸引システム114は、サンプル容器134を位置特定、照合、および穿刺するように動作する。サンプル吸引システム114はさらに、サンプルをサンプル容器134から吸引し、サンプルを混合チャンバ140のいずれかまたは全ての中に分注するように動作する。サンプル吸引システム114はさらに、一定分量のサンプルを染料チャンバから吸引するように動作することができる。
【0061】
プロービングデバイス230は、サンプル吸引プローブ112を含み、サンプル吸引プローブ112のためのアセンブリを支持する。
【0062】
吸引シリンジポンプ232は、所定の量において、サンプルをサンプル容器134から吸引し、サンプルの少なくとも一部を混合チャンバ140のうちの1つまたはそれを上回るものに分注するように動作する。
【0063】
プローブ駆動システム234は、必要に応じて、プロービングデバイス230を移動させるように動作する。いくつかの実施形態では、プローブ駆動システム234は、垂直駆動アセンブリ236と、水平駆動アセンブリ238とを含む。
【0064】
垂直駆動アセンブリ236は、プロービングデバイス230をサンプル容器134および混合チャンバ140に対して垂直に移動させる。例えば、垂直駆動アセンブリ236は、プロービングデバイス230をサンプル容器134の上方で上下(例えば、方向D1)に駆動させ、サンプルをそこから吸引し、混合チャンバ140の上方で上下(例えば、方向D1)に駆動させ、吸引されたサンプルを混合チャンバ140の中に分注する。
【0065】
水平駆動アセンブリ238は、サンプルをサンプル容器134から吸引し、サンプルの少なくとも一部を混合チャンバ140のうちの1つまたはそれを上回るものに分注するための適切な場所まで、垂直駆動アセンブリ236を水平(例えば、方向D2)に移動させる。
【0066】
図4を参照すると、プローブ駆動システム234は、プロービングデバイス230をサンプル容器134の上方に移動させる。プローブ駆動システム234は、プロービングデバイス230を降下させ、サンプル容器134のキャップ152を穿刺し、サンプルをそこから吸引するように動作することができる。いったんサンプルが吸引されると、プローブ駆動システム234は、プロービングデバイス230がサンプル容器134から離れるまで、プロービングデバイス230を上昇させるように動作する。
【0067】
図5は、
図4のサンプル吸引システム114の概略ブロック図であって、プロービングデバイス230は、混合チャンバ140とともに配列される。いったんサンプルが、
図4に図示されるように吸引されると、プローブ駆動システム234は、プロービングデバイス230が混合チャンバ140の上方に位置付けられるまで、プロービングデバイス230を水平に移動させることができる。プローブ駆動システム234は、次いで、吸引シリンジポンプ232がサンプルの少なくとも一部を混合チャンバ140に分注するように、プロービングデバイス230を降下させ、サンプル吸引プローブ112をチャンバ140の中に入口142を通して挿入することができる。いったんサンプルが、混合チャンバ140に分注されると、プローブ駆動システム234は、プロービングデバイス230を移動させ、サンプルを別の混合チャンバ140の中に分注するか、または、別のサンプルをサンプル容器134から吸引するためにプロービングデバイス230をサンプル容器134に戻すように動作することができる。
【0068】
再び
図4および5を参照すると、垂直駆動アセンブリ236のいくつかの実施形態は、プロービングデバイス230を垂直ガイドレールに沿って垂直に駆動するためのモータを含む。垂直駆動アセンブリ236はさらに、プロービングデバイスの場所を検出するためのセンサを含むことができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、水平駆動アセンブリ238は、垂直駆動アセンブリ236を支持プレートに対して水平に駆動するためのモータを含む。水平駆動アセンブリ238はさらに、垂直駆動アセンブリ236をそれに沿って支持および誘導するための1つまたはそれを上回るガイドロッドを含むことができる。モータは、垂直駆動アセンブリ236に駆動ベルトを通して接続されることができ、駆動ベルトは、モータ出力の回転を垂直駆動アセンブリ236の線形移動に変換する。
【0070】
図6は、例示的混合チャンバ140を図式的に図示する。いくつかの実施形態では、サンプル入口142およびサンプル出口144に加え、混合チャンバ140は、複数の入口ポート302および排出出口304を含む。
【0071】
混合チャンバ140(混合チャンバ270、272、274、および276を含む)は、サンプルをサンプル源110から受容し、異なるタイプの分析に特異的な異なる希釈剤を調製し、サンプル分析システム120に調製されたサンプルを移送するために使用され、次いで、該サンプル分析システム120は、調製されたサンプルを感知し、サンプルデータを発生させるように動作する。
【0072】
入口ポート302は、関連付けられた混合チャンバ140内で調製された希釈剤毎に要求される、試薬または他の流体を受容するように構成される、ポートを含む。いくつかの実施形態では、入口ポート302は、加圧された空気ジェットを混合チャンバ140の中にそれを通して受容するように構成される、空気ジェットポートを含む。空気ジェットポートを通して通過する、加圧された空気ジェットは、血液および試薬混合物を転動させる、3次元空気流パターンを発生させる。他の実施形態では、混合チャンバ140は、加圧された空気ジェットの使用にかかわらず、血液および試薬を混合するように震盪される。
【0073】
排出出口304は、最終的には、廃棄物管理システム122と流体連通する。排出出口304は、廃棄物を混合チャンバ140から廃棄物管理システム122の中に排出するために使用される。
【0074】
図7は、例示的サンプル分析システム120を図示する、概略ブロック図である。
【0075】
本実施例では、サンプル分析システム120は、フローセル310と、シース流体源312と、レーザ314と、センサ分析器318を含む取得デバイス316とを含む。
【0076】
フローセル310(また、測定チャンバと称される)は、サンプル中に含有される大き過ぎる粒子によって目詰まりされ得る、開口320を含む。流体回路130は、開口320においてより狭くなり、各粒子が評価されるように、一度に開口320を通して通過する粒子の数を低減させようと試みる。
【0077】
シース流体源312が、いくつかの実施形態では、提供される。シース流体源312は、シース流体をフローセル310に供給し、そこで、サンプルと混合される。いくつかの実施形態では、シース流体源はまた、逆流流体として使用され、流体回路130を清掃し、閉じ込められた粒子を濾過デバイス102から除去する。
【0078】
図7に描写されるように、フローセル310は、サンプルを混合チャンバ140のうちの1つから分配システム118を介して受容する。いくつかの実施形態では、サンプルは、開口320を通して流動し、サンプル流をレーザ314からのレーザビームで照明することによって分析される。取得デバイス316は、レーザビームが粒子によって散乱される方法等、センサ分析器318を使用して、サンプルの特性を検出する。
【0079】
いくつかの実施形態では、制御システム124は、信号および/またはデータを取得デバイス316から受信し、ユーザと相互作用し、サンプル中の粒子の特性に関連するデータを表示するように動作する。
【0080】
図8は、濾過デバイス102を含む、例示的濾過システム400を図式的に図示する。本実施例では、濾過システム400は、サンプル分析システム120を目詰まりさせ得る、大き過ぎる粒子の通過を遮断するように構成される。
【0081】
濾過システム400は、混合チャンバ140の直後に配列される。いくつかの実施形態では、濾過デバイス102は、混合チャンバ140の出口144に隣接して配列されるように、流管136内に固着される。他の実施形態では、濾過デバイス102は、混合チャンバ140の出口144を画定する、混合チャンバ140の出口ポート402内に固着される。
【0082】
いくつかの実施形態では、濾過システム400は、NRBCサンプルを調製するための混合チャンバ(例えば、第1の混合チャンバ270)のために提供される。他の実施形態では、濾過システム400は、他のタイプの混合チャンバ140(例えば、第2、第3、および/または第4の混合チャンバ272、274、および276)のために提供されることができる。
【0083】
流体路に進入する、コアリング粒子等の異質粒子を低減させるために、多くの器具は、プローブの外側コーティングの改変、プローブの表面粗度の改変、または異なるプローブ幾何学形状の使用等、種々の技法を採用している。いくつかの例示的器具は、コアリング粒子の生成を低減させるために、特殊コーティングをその上に伴い、二重管腔通気プローブを使用する。他の器具は、下向きに配向されたキャップまたはストッパを伴う、傾斜様式でサンプル容器のキャップを穿刺し、サンプルを閉鎖されたシステムの中に吸引することによって、コアリング粒子を低減させる。さらに他の器具は、閉鎖されたバイアルを穿刺するためのアセンブリを使用し、次いで、サンプルを吸引するための別のアセンブリを使用する。これらのアプローチは、プローブの表面仕上げおよび/または幾何学形状に依拠することによって、コアリング粒子を低減させている。しかしながら、これらのアプローチは、プローブの摩耗寿命に依存する。プローブがより多くの管を穿刺するにつれて、コアリング粒子のサイズおよび数は、変化し得る。例えば、傾斜ストッパ穿刺方略は、新しいコアリング粒子がサンプル流体経路に進入することを緩和することができる。しかしながら、そのような緩和は、ストッパが穿刺されたこれまでの回数および管内のコアリング粒子の数に限定される。さらに、穿刺アセンブリおよび吸引アセンブリを別個に使用するシステムは、残骸をサンプル経路から取り除くために、より多くの空間およびより多数の部品を要求する、複雑な機械的アセンブリを必要とする。
【0084】
本開示による濾過システム400は、粒子がサンプルの中にすでに導入された後、大き過ぎる粒子(例えば、コアリング粒子等の異質粒子または汚染物質)を篩い分けることを可能にする。上記に説明される他のアプローチとは対照的に、濾過システム400は、吸引プローブの条件にかかわらず、単純機構を用いて作製される。
【0085】
さらに、濾過システム400が、可能な限りサンプル源110に近接してサンプル分析システム120の上流に設置されるため、大き過ぎる粒子は、流体経路に沿って可能な限り早期に篩い分けられることができ、したがって、異質粒子が器具100内の流体経路を汚染する程度を低減させる。
【0086】
濾過システム400の設置は、本明細書に説明されるように、さらに、濾過デバイス102によって捕捉される大き過ぎる粒子を除去し、次のサンプルサイクルのために流体路を一掃するために、診断または清掃サイクルの間、濾過デバイス102が逆流されることを可能にする。故に、濾過システム400を伴う器具100は、器具100の目詰まりに対処するために、または、器具100から篩い分けられた大き過ぎる粒子を一掃するために、分析プロセスが中断するオフラインモードに切り替えられる必要がない。したがって、濾過システム400を伴う器具100は、ユーザ介入を要求する、オフライン条件に入る機会を低減させる。濾過デバイス102の場所は、本明細書に説明されるように、管類アセンブリ(例えば、
図8および9)または混合チャンバ(例えば、
図18)の一部として容易な交換を可能にする。濾過システム400の配列はさらに、目詰まりの前に大量の残骸を捕捉するために使用され得る、より大きい開放面積を提供する。対照的に、インライン濾過デバイスを含む、他の濾過システムは、サンプルラインの直径に限定される濾過面積を提供し、それによって、目詰まりをすぐにもたらす。そのようなインライン濾過システムに優る濾過システム400の他の利点は、サンプルがフローセル内のフィルタの下流で分析を受けるサイクル間に、フィルタを洗浄する能力を含む。
【0087】
図9は、濾過システム400の例示的動作を図示する。上記に説明されるように、濾過システム400は、試験流体410中に含有される大き過ぎる粒子の通過を遮断するように構成される、濾過デバイス102を含む。試験流体410の大き過ぎる粒子412は、サンプル分析システム120を通して通過するとき、サンプル分析システム120(例えば、フローセル310の開口320)を目詰まりさせ得る。
【0088】
混合チャンバ140内で調製されるため、試験流体410は、サンプル源110から提供されるサンプル粒子414ならびに汚染物質416を含有し得る。いくつかの実施形態では、汚染物質416は、サンプル吸引プローブ112によって穿刺されるにつれてキャップ152から発生される、コアリング粒子418を含む。汚染物質416はまた、他の源から発生された粉塵または残骸を含むことができる。コアリング粒子418を含む、汚染物質416は、典型的には、大き過ぎる、すなわち、サンプル分析システム120を目詰まりさせるサイズである。いくつかの実施形態では、サンプル粒子414の一部は、大き過ぎる、したがって、サンプル分析システム120によって試験されるべきではない。濾過デバイス102はまた、そのような大き過ぎるサンプル粒子414がサンプル分析システム120の中に流動しないように遮断するように設計される。
【0089】
図10は、濾過システム400を据え付けるための例示的方法430を図示する、フローチャートである。いくつかの実施形態では、方法430は、動作432および434を含む。
【0090】
動作432では、濾過デバイス102は、混合チャンバ140の出口144(例えば、出口ポート402)と接続される流管136の端部にまたはそれに隣接して、流管136内に固着される。代替として、濾過デバイス102は、混合チャンバ140の出口ポート402内に固着される。
【0091】
いくつかの実施形態では、濾過デバイス102は、流管136または出口ポート402内に締まり嵌めされる。例えば、流管136は、1つまたはそれを上回る可撓性材料から作製され、濾過デバイス102は、流管136の内径より若干大きい直径を有するように定寸される。他の実施形態では、流管136または出口ポート402は、
図15に説明されるように、濾過デバイス102を定位置に固着するためのフィルタ支持部分490を提供する。さらに他の実施形態では、濾過デバイス102は、
図18に説明されるように、混合チャンバ140内の出口ポート402の上方に接合される。
【0092】
動作434では、流管136の端部は、混合チャンバ140の出口144(例えば、出口ポート402)と係合される。
【0093】
図11-13を参照すると、例示的濾過デバイス102が、説明される。
【0094】
図11は、例示的濾過デバイス102を図式的に図示する。本実施例では、濾過デバイス102は、その中に形成される複数の開口452を含む、本体450を含む。
【0095】
いくつかの実施形態では、濾過デバイス102の本体450は、混合チャンバ140からの流路の内側に嵌合する、円形ディスク篩として形成される。本体450は、典型的には、ステンレス鋼金属のシート等の材料片から形成される。本体450の一実施例は、米国試験材料協会(ASTM)A666規格に従って、316ステンレス鋼から作製される。他の材料も、流体回路130を通して通過される材料に暴露されるとき、そのような材料が有意に腐食または別様に劣化しないことを前提として、使用されることができる。可能性として考えられる材料の他の実施例は、ガラスおよびプラスチックである。
【0096】
開口452は、サンプル分析システム120の開口320を目詰まりさせる可能性が高い大き過ぎる粒子が通過しないように遮断するために十分に小さく定寸されるが、着目粒子を遮断しないように十分に大きく定寸される。
【0097】
開口452は、任意の所望の形状を有することができる。本実施例では、開口452は、円形断面形状を有する。円形断面形状の利点は、実質的に一定断面距離を有するということである。円形断面形状の別の利点は、そうでなければそれを通して通過する粒子を損傷させ得る、鋭的角を低減させることである。しかしながら、他の実施形態は、三角形、正方形、長方形、五角形、または異なる形状等、他の形状を有する、開口452を含む。いくつかの実施形態では、開口452の縁を形成する壁は、平滑である。
【0098】
複数の開口452は、開口452のうちの1つが大き過ぎる粒子によって遮断されることになるときでも、他の開口452のうちの1つまたはそれを上回るものが開放されたままであることにより、サンプルの継続流を可能にするように提供される。典型的には、より多数の開口452が、好ましいが、本体172のサイズおよび開口形成技法の精度によって限定される。より多数の開口を有する利点は、より多数の大き過ぎる粒子が、濾過デバイス102を目詰まりさせずに、濾過デバイス102によって閉じ込められることができることである。
【0099】
図12は、例示的濾過デバイス102の正面図である。上記に説明されるように、例示的濾過デバイス102は、本体450と、開口452とを含む。
【0100】
本実施例では、本体450は、幅W1(その結果、また、高さおよび直径)を有する、円形断面形状を有する。幅W1は、濾過デバイス102が流管136内に締まり嵌めされるように、濾過デバイス102が固着される流管136の内径より若干大きいように定寸される。他の実施形態は、所望に応じて、他の断面形状を有する。本体450は、種々の可能性として考えられる形状およびサイズを有することができる。いくつかの実施形態では、本体450は、約0.05インチ~約0.2インチの範囲内の幅W1を有する。別の例示的実施形態では、本体450は、±0.002インチの公差を伴う、約0.094インチの幅W1を有する。
【0101】
開口452は、本体450を通して延在する。いくつかの実施形態では、開口452は、開口形成プロセスによって、本体450内に形成される。開口形成プロセスの実施例は、レーザ穿孔である。開口形成プロセスの別の実施例は、フォトリソグラフィを伴う。
【0102】
上記に説明されるように、本体450のサイズおよび開口形成技法の精度の範囲において、可能な限り多くの開口452を有することが好ましい。いくつかの実施形態では、濾過デバイス102は、約100~300個の開口を有するように作製される。他の実施形態では、濾過デバイス102は、約150~180個の開口を有する。さらに他の実施形態では、濾過デバイス102は、約167個の開口を有する。
【0103】
いくつかの実施形態では、本体450は、本体450の縁456に沿って部分的開口454を有する。部分的開口454は、本体450が開口452をその上に形成するために処理されるにつれて、必然的に形成されることができる。部分的開口454はまた、濾過デバイス102が流管136(または混合チャンバ140の出口ポート144)内に固着され、縁456が流管136(または出口ポート144)の内周と当接されると、大き過ぎる粒子が濾過デバイス102を通して通過しないように遮断するように動作する。したがって、部分的開口454は、濾過デバイス102の濾過効果を増加させることができる。例えば、部分的開口454は、本体450の縁456と濾過デバイス102が固着される流管136の内径との間の界面に生じ得る、残渣蓄積(大き過ぎる粒子を伴う)を低減させることができる。
【0104】
いくつかの実施形態では、開口452は、断面距離L1を有する。図示される実施例では、開口452は、距離L1が直径でもあるような円形断面を有する。しかしながら、他の実施形態は、他の断面形状を有することができる。いくつかの実施形態では、断面距離L1は、最大断面距離である。
【0105】
断面距離L1は、サンプル分析システム120の開口320を目詰まりさせ得る大き過ぎる粒子を遮断する一方、他のより小さい粒子が通過することを可能にするように選択される。特に、開口320の断面距離は、サンプル分析システム120によって分析されるべき粒子の断面距離未満である(または少なくともそれを有意に下回る)べきではない。
【0106】
いくつかの例示的寸法が、ここで説明されるであろうが、他の実施形態は、他の寸法を有することができる。一実施例として、サンプル分析システム120は、50~100ミクロンの断面距離L(
図7に示される)を伴う、開口320を有し、30ミクロンまたはそれ未満の断面を有する、粒子を分析するために利用される。本実施例では、濾過デバイス102は、断面距離Lより小さいまたはそれと等しいように定寸される、開口452を有するが、また、分析されるべき粒子の断面より大きく定寸される、開口452も有するように構成される。そのようなより大きい開口は、硬質栓を生じさせ得、除去のために複数回の試行を要求し得る、大粒子を除去するために適切であり得る。例えば、断面距離L1は、約50ミクロン(0.00197インチ)~約100ミクロン(0.00394インチ)の範囲内または約70ミクロン(0.00276インチ)~約80ミクロン(0.00315インチ)の範囲内、好ましくは、±15.24ミクロン(0.0030インチ±0.0006インチ)の公差を伴う、約76.20ミクロンである。
【0107】
開口452は、所定の開口間隔距離L2で離間される。いくつかの実施形態では、隣接する開口452の中心間で測定され得る、開口間隔距離L2は、約0.001インチ~約0.01インチの範囲である。他の実施形態では、開口間隔距離L2は、約0.005インチ~約0.008インチの範囲である。さらに他の実施形態では、開口間隔距離L2は、約0.007インチである。
【0108】
いくつかの実施形態では、濾過デバイス102は、約0.0069平方インチの総表面積と、約0.0015平方インチの総開放面積(開口452によって形成される)とを有するように構成される。他の総表面積および総開放面積も、他の実施形態では可能性として考えられる。
【0109】
濾過デバイス102は、所定のROB数を有するように構成される。ROB数は、フィルタ篩の遮断に対する相対的抵抗を示す。ROB数が高いほど、遮断に対する抵抗が大きい。MIL-STD-1246Class200あたりの流体汚染レベルが、以下のように定義されたROB数との比較の基礎として選定される。
【化1】
【0110】
いくつかの実施形態では、濾過デバイス102は、約0.04~約0.08のROB数を有するように構成される。他の実施形態では、濾過デバイス102のROB数は、約0.05~約0.07の範囲である。さらに他の実施形態では、濾過デバイス102のROB数は、約0.063である。
【0111】
濾過デバイス102は、所定のLohm率を有するように構成される。Lohm率は、流体流に対する抵抗の測定を示す。Lohm率は、1Lohmが、80°Fの温度における25psiの圧力降下に伴って、100ガロン/分の水を流動させるであろうようなものとして定義される。言い換えると、Lohmは、以下のように定義される。
【化2】
【0112】
いくつかの実施形態では、濾過デバイス102は、約100~約500であって、最大1000のLohm率を有するように構成される。他の実施形態では、濾過デバイス102のLohmは、約200~約400の範囲である。さらに他の実施形態では、濾過デバイス102のLohmは、約300である。
【0113】
いくつかの実施形態では、本体450の表面は、本体450が32√MAXの表面仕上げを有するように仕上げられる。さらに、本体450は、ASTMA967規格に従って不動態化される。本体450は、部分的開口454が位置する本体450の外径の周囲を除き、開口452の周囲にバリがないように処理される。
【0114】
開口サイズならびに他の寸法および公差を選択するためのプロセスは、濾過デバイス102が設置された経路を通して進行するであろう、大き過ぎる粒子の最高集団のサイズ範囲に依存する。濾過デバイス102の有効性を最適化するために、濾過デバイス102によって保護されるべき開口320の寸法は、濾過デバイス102の開口452のサイズを調節するように考慮されるべきである。
【0115】
図13は、
図12に示される断面A-Aに沿って得られた例示的濾過デバイス102の断面側面図である。濾過デバイス102は、本体450と、開口452とを含む。
【0116】
図12を参照して本明細書により詳細に議論される、開口452の断面距離L1はまた、
図13でも可視である。
【0117】
加えて、
図13は、開口452の長さL3でもある、本体450の厚さを図示する。いくつかの実施形態では、長さL3は、開口452の断面距離L1に類似する。例えば、開口452は、約1の長さ(L3)対断面距離(L1)の比率を有する。いくつかの実施形態では、本体450の厚さL3は、約0.0019インチ~約0.0040インチ)の範囲である。他の実施形態では、厚さL3は、約0.0027インチ~約0.0032インチの範囲である。さらに他の実施形態では、厚さL3は、約0.0025インチ±0.0010インチである。他の実施形態は、他の長さを有する。
【0118】
いくつかの実施形態では、開口452は、開口452が下流方向より上流方向において広くなるように、上流テーパ状部分458を含む。他の実施形態では、開口452はさらに、開口452を下流方向により広くする、下流テーパ状部分460を含む。
【0119】
図14-17を参照すると、例示的流管136が、説明される。特に、
図14および15は、例示的流管136を図示し、
図16および17は、別の例示的流管136を図示する。
【0120】
図14は、例示的流管136の概略斜視図である。本実施例では、流管136は、NRBC混合チャンバ(例えば、第1の混合チャンバ270)と併用されるように構成される。いくつかの実施形態では、流管136は、管類470の一端に端部継手472を伴う、管類470を含む。端部継手472は、管類470の一端に固着され、混合チャンバ140の出口ポート144と係合されるように構成される。
【0121】
流管136は、1つまたはそれを上回る可撓性材料から作製される。いくつかの実施例では、流管136は、ポリウレタンエラストマから作製される。
【0122】
図15は、
図14の流管136の断面図であり、流管136の長さに沿って得られたものである。説明されるように、流管136は、管類470と、端部継手472とを含む。
【0123】
いくつかの実施形態では、管類470は、約0.050インチ~約0.120インチの範囲の外径D5を有するように定寸される。他の実施形態では、管類470は、約0.090インチの外径D5を有する。
【0124】
管類470は、管類470の長さに沿ってフローチャネル474を画定する。いくつかの実施形態では、フローチャネル474は、約0.020インチ~約0.040インチの内径D6を有する。他の実施形態では、フローチャネル474の内径D6は、約0.030±0.002インチである。
【0125】
図示されるように、端部継手472は、管類470の端部に係合する。いくつかの実施形態では、端部継手472は、第1の端部476と、第1の端部476と反対の第2の端部478とを有する。端部継手472は、管類470の端部を受容および固着するように構成される、管類係合部分480を第1の端部476に画定する。いくつかの実施形態では、端部継手472および管類470は、一体的に形成される。
【0126】
端部継手472は、その第2の端部478において、混合チャンバ140の出口ポート144と係合されるように構成される。端部継手472は、出口受容部分482を画定し、その少なくとも一部は、混合チャンバ140の出口ポート144を受容および固着するように構成される。出口受容部分482は、混合チャンバ140の出口ポート144を密閉して固着するように適合される、内径D7を有する。いくつかの実施形態では、出口受容部分482の内径D7は、約0.07インチ~約0.08インチの範囲である。他の実施形態では、内径D7は、約0.081インチである。
【0127】
端部継手472は、約0.100インチ~約0.200インチの範囲であり得る、外径D8を有する。いくつかの実施形態では、端部継手472の外径D8は、約0.140インチである。
【0128】
いくつかの実施形態では、端部継手472の内径D7は、管類470の内径D6より大きいように構成される。そのような構成では、端部継手472内に画定されたフローチャネル484は、漏斗部分486を介して、管類470のフローチャネル474に遷移することができる。漏斗部分486は、端部継手472のフローチャネル484から管類470のフローチャネル474へと直径を下流方向に徐々に減少させるテーパ状表面を提供する。漏斗部分486は、混合チャンバ140の底部に対して押し上げられる。さらに、漏斗部分486は、汚染物質が粘着し得る、角または鋭的縁を低減させ、それによって、篩分効果を増加させ、濾過システム400の清掃をより容易にする。
【0129】
フィルタ支持部分490が、端部継手472に提供され、濾過デバイス102をその中に固着させることができる。いくつかの実施形態では、フィルタ支持部分490は、端部継手472の内側表面の円周の周囲に形成される、溝492を含む。いくつかの実施形態では、フィルタ支持部分490は、フローチャネル484の内側表面上または漏斗部分486の辺縁に画定される(
図15に示されるように)。フィルタ支持部分490は、濾過デバイス102をその中に締まり嵌めさせるように定寸されることができる。いくつかの実施形態では、フィルタ支持部分490は、約0.060インチ~約0.100インチの範囲の直径D9を有する。他の実施形態では、フィルタ支持部分490の直径D9は、約0.087インチ±0.002インチである。フィルタ支持部分490は、約0.003インチ~約0.010インチの範囲の厚さL5を有する。他の実施形態では、フィルタ支持部分490の厚さL5は、約0.005インチ±0.002インチである。
【0130】
図16は、別の例示的流管136の概略斜視図である。本実施例では、流管136は、NRBC混合チャンバ(例えば、第1の混合チャンバ270)と併用されるように構成される。流管136は、本実施例では、
図14に図示されるような流管136と同様に構成されるが、第2の端部継手500を除く。特に、流管136は、管類470を含み、第1の端部継手472および第2の端部継手500を管類470の両端に伴う。管類470および第1の端部継手472は、それらの
図14および15に説明されるものと同一であって、したがって、管類470および第1の端部継手472の説明は、簡潔目的のために省略される。
【0131】
第2の端部継手500は、第1の端部継手472の反対の管類470の他端に固着され、器具100内の所定の構成要素と係合されるように構成される。いくつかの実施例では、第2の端部継手500は、分配システム118に提供される、ポートに係合するように適合される。他の実施例では、第2の端部継手500は、サンプル分析システム120に提供されるポートに固着されるように構成される。第2の端部継手500は、他の実施形態では、他の構成要素と係合されるように構成される。
【0132】
図17は、流管136の長さに沿って得られた
図16の流管136の断面図であって、流管136を伴う第2の端部継手500をより詳細に図示する。
【0133】
本実施例では、第2の端部継手500は、
図14および15に図示されるように、第1の端部継手472と同様に構成される。第2の端部継手500は、第1の端部502と、第1の端部502と反対の第2の端部504とを有する。
【0134】
第2の端部継手500は、管類470の端部を受容および固着するように構成される、管類係合部分506を第1の端部502に画定する。いくつかの実施形態では、第2の端部継手500は、管類470と一体的に形成される。第2の端部継手500は、その第2の端部504において、構成要素のポートと係合されるように構成される。
【0135】
第2の端部継手500は、ポート受容部分508を画定し、その少なくとも一部は、構成要素のポートを受容および固着するように構成される。ポート受容部分508は、構成要素のポートを密閉して固着するように適合される、内径D10を有する。いくつかの実施形態では、ポート受容部分508の内径D10は、約0.03インチ~約0.08インチの範囲である。他の実施形態では、内径D10は、約0.052インチである。
【0136】
第2の端部継手500は、約0.100インチ~約0.200インチの範囲であり得る、外径D11を有する。いくつかの実施形態では、第2の端部継手500の外径D11は、約0.140インチである。
【0137】
いくつかの実施形態では、第2の端部継手500の内径D10は、管類470の内径D6より大きいように構成される。そのような構成では、管類470のフローチャネル474は、テーパ状部分512を介して、第2の端部継手500内に画定されたフローチャネル510に遷移することができる。テーパ状部分512は、管類470のフローチャネル474から第2の端部継手500のフローチャネル510に下流方向に直径を徐々に増加させる、テーパ状表面を提供する。
【0138】
図18は、濾過デバイス102を含む、濾過システム300の別の実施例を図式的に図示する。本実施例では、濾過デバイス102は、混合チャンバ140の出口144に配列される。特に、フィルタデバイス102は、混合チャンバ140内の出口144の端部に位置付けられる。濾過デバイス102は、種々の様式において混合チャンバ140に固着されることができる。いくつかの実施形態では、濾過デバイス102は、混合チャンバ140内の出口144の上方に接合される。
【0139】
上記に説明される種々の実施例および教示は、例証としてのみ提供され、本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。当業者は、本明細書に図示および説明される実施例ならびに用途に従わずに、かつ本開示の真の精神および範囲から逸脱することなく行われ得る、種々の修正ならびに変化を容易に認識するであろう。