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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-18
(45)【発行日】2022-11-29
(54)【発明の名称】ブラインド
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/262 20060101AFI20221121BHJP
   E06B 9/388 20060101ALI20221121BHJP
【FI】
E06B9/262
E06B9/388
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019039190
(22)【出願日】2019-03-05
(65)【公開番号】P2020143459
(43)【公開日】2020-09-10
【審査請求日】2022-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【弁理士】
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】大塚 英希
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第2395194(EP,A1)
【文献】実開昭52-46552(JP,U)
【文献】特開2009-155929(JP,A)
【文献】実開昭57-111995(JP,U)
【文献】特開2004-257175(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/26-9/388
E06B 9/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の開口部に固定される支持部材と、
前記支持部材に一端が支持され当該支持部材から昇降可能に垂下する遮蔽材と、
前記遮蔽材の他端に設けられ、その長手方向の端部に当該長手方向の切欠部を有するボトムレールと、
前記開口部に固定され、当該開口部と前記遮蔽材との隙間を塞ぐ遮蔽片を有するフレームと、
を具備し、
前記遮蔽片は、その一部が前記支持部材の長手方向において前記遮蔽材と重複して前記切欠部を挿通し、
前記遮蔽片の少なくとも一方の面、又は、前記切欠部を形成する前記ボトムレールの前後の内壁面の少なくとも一方の面に、前記遮蔽片と前記内壁面とが点接触又は線接触可能な凸部が形成される
ブラインド。
【請求項2】
請求項1に記載のブラインドであって、
前記凸部は、遮蔽片の前後面のうち少なくとも前面に設けられた遮蔽片側凸部である
ブラインド。
【請求項3】
請求項2に記載のブラインドであって、
前記ボトムレールは、前記切欠部を形成する前後の内壁面のうち、前記遮蔽片側凸部と対向する面側に内壁面側凸部を有する
ブラインド。
【請求項4】
請求項3に記載のブラインドであって、
前記ボトムレールは、前記切欠部を形成する前後の内壁面の両面の、遮蔽片側凸部の位置よりも長手方向における外側に、対向するように2つの内壁面側凸部を有する
ブラインド。
【請求項5】
請求項4に記載のブラインドであって、
前記フレームは、前記遮蔽片の前後面の両面の対応する位置に前記遮蔽片側凸部を有する
ブラインド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラインドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、断面が六角形の複数の筒状のセルが連結されて畳み込み及び展開が可能に形成されたハニカムスクリーンと呼ばれるブラインドが存在する。
【0003】
下記特許文献1には、第1の面と第2の面とがスペーサ手段によって連結された六角形ハニカム断面のスクリーンによって開口部を遮蔽可能とし、開口部を形成する枠板とスクリーンの少なくとも一方の側縁との間の隙間を通過する光を遮蔽するために、縦方向のフレームであるキー手段を枠板に取付け、スクリーン側縁からスペーサ手段の内側に向かってスロットを形成し、キー手段をスロットに係合させることが開示されている。
【0004】
これによって、スクリーンを下降させて開口部を覆うことで、スクリーンと開口部との間から光や熱エネルギーが通過することを防止できるという特徴を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】欧州特許出願公開第2395194号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術においては、キー手段は、枠板への取付部となるフランジと、フランジに対して略直交する方向の係止片(ウエブ)と、からなり、係止片はフラットな面に形成されるため、昇降時においてブラインドが前後に揺れると、係止片は、スクリーン又はスクリーン下端のボトムレールに形成されるスロットと面接触することなり、昇降時の動作が安定しないという課題があった。
【0007】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、昇降動作を安定させることが可能なブラインドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係るブラインドは、支持部材と、遮蔽材と、ボトムレールと、フレームとを有する。上記支持部材は、建物の開口部に固定される。上記遮蔽材は、上記支持部材に一端が支持され当該支持部材から昇降可能に垂下する。上記ボトムレールは、上記遮蔽材の他端に設けられ、その長手方向の端部に当該長手方向の切欠部を有する。上記フレームは、上記開口部に固定され、当該開口部と上記遮蔽材との隙間を塞ぐ遮蔽片を有する。上記遮蔽片は、その一部が上記支持部材の長手方向において上記遮蔽材と重複して上記切欠部を挿通する。上記遮蔽片の少なくとも一方の面、又は、上記切欠部を形成する上記ボトムレールの前後の内壁面の少なくとも一方の面に、上記遮蔽片と上記内壁面とが点接触又は線接触可能な凸部が形成される。
【0009】
この構成により、固定状態にある遮蔽片に対し、昇降する側となる切欠き部の内壁面は接触することがあっても点接触又は昇降方向において線接触となるため、昇降時におけるボトムレールと遮蔽片との間の抵抗が軽減され、安定した昇降動作が可能となる。
【0010】
上記凸部は、遮蔽片の前後面のうち少なくとも前面に設けられた遮蔽片側凸部であってもよい。
【0011】
これにより、凸部を遮蔽片の前方側に設けることで、少なくとも遮蔽片の前方側では点接触又は昇降方向において線接触となるため、面接触による遮蔽片への傷の発生を抑えることができる。
【0012】
上記ボトムレールは、上記切欠部を形成する前後の内壁面のうち、上記遮蔽片側凸部と対向する面側に内壁面側凸部を有してもよい。
【0013】
これにより、遮蔽片と切欠部の内壁面に互いの面に向かって凸部を突出させることで、遮蔽片と接触した時でも、ボトムレールが前後に傾くことを防止できる。
【0014】
上記ボトムレールは、上記切欠部を形成する前後の内壁面の両面の、遮蔽片側凸部の位置よりも長手方向における外側に、対向するように2つの内壁面側凸部を有してもよい。
【0015】
これにより、切欠部を形成する前後の内壁面の両方の面に凸部を形成することで、切欠部の入り口部分が狭くなるため、ボトムレールがスクリーン等に煽られて遮蔽片から抜けようとしても、遮蔽片側の凸部が内壁面側凸部に引っ掛かるため、遮蔽片から外れることを防止できる。
【0016】
この場合更に上記フレームは、上記遮蔽片の前後面の両面に対応する位置に上記遮蔽片側凸部を有してもよい。
【0017】
これにより、ボトムレールの遮蔽片からの抜け止め効果を更に高めることができる。ここで前後の遮蔽片側凸部が遮蔽片の先端に形成される場合、当該遮蔽片側凸部が一体となって円柱状に形成されてもよい。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明によれば、昇降動作を安定させることができる。しかし、当該効果は本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係るブラインドの平面図である。
図2図1のブラインドの正面図である。
図3】上記ブラインドの右側面(YZ面)断面図である。
図4】上記ブラインドの下端部付近の部分断面斜視図である。
図5】上記ブラインドのフレームの部分断面斜視図である。
図6】上記フレームのフレーム本体の平面図である。
図7】上記ブラインドのボトムレール端部付近の平面(XZ面)断面図である。
図8図7の平面断面図から遮蔽材を一部省略した図である。
図9】上記フレームのボトムレールへの挿通状態を示す、ボトムレール端部付近の平面拡大断面図である。
図10】本発明の他の実施形態に係るフレームのボトムレールへの挿通状態を示す、ボトムレール端部付近の平面拡大断面図である。
図11】本発明の他の実施形態に係るフレームのボトムレールへの挿通状態を示す、ボトムレール端部付近の平面拡大断面図である。
図12】本発明の他の実施形態に係るフレームのボトムレールへの挿通状態を示す、ボトムレール端部付近の平面拡大断面図である。
図13】本発明の他の実施形態に係るフレームのボトムレールへの挿通状態を示す、ボトムレール端部付近の平面拡大断面図である。
図14】本発明の他の実施形態に係るフレームのボトムレールへの挿通状態を示す、ボトムレール端部付近の平面拡大断面図である。
図15】従来のフレームに遮蔽片が設けられたブラインドを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0021】
[ブラインドの構成]
図1は、本実施形態に係るブラインドの平面図であり、図2は当該ブラインドの正面図である。また図3は、当該ブラインドの右側面(YZ面)断面図であり、図4は、当該ブラインドの下端部付近の部分断面斜視図である。
【0022】
これらの図に示すように、本実施形態に係るブラインド100は、支持部材としてのヘッドボックス1と、遮蔽材としてのスクリーン2と、ボトムレール3とを有する。当該ブラインド100の両側部には、ブラインド100の上下方向(Y方向)に長尺のフレーム4がそれぞれ設けられる。
【0023】
ヘッドボックス1は、建物の窓枠等の開口部Oに設置される。スクリーン2は、当該ヘッドボックス1によってその上端が支持され昇降可能に垂下される。ボトムレール3は、当該スクリーン2の下端に設けられる。フレーム4は、当該ブラインド100の側部と開口部Oとの隙間を塞ぐように設けられている。
【0024】
図1乃至図3に示すように、ヘッドボックス1は、横長直方体形状を有し、ブラケット5を介して開口部Oにネジ等により固定される。ヘッドボックス1の上面と開口部Oとの間には、両者の隙間を塞ぐための例えばモヘヤ等の上部隙間防止材8が設けられている。
【0025】
図3に示すように、ヘッドボックス1の内部には、巻取ドラム11が設けられている。巻取ドラム11には回転軸10が貫通しており、これにより巻取ドラム11と回転軸10は一体に回転可能に支持される。図示しないが、ヘッドボックス1にはこのほか、回転軸の巻解き方向の回転を許容する状態と規制する状態とに切替えるストッパ等も設けられる。
【0026】
図3及び図4に示すように、スクリーン2は、同図Y方向に断面6角形の複数の筒状のセルが連結されて畳み込み及び展開可能に形成されたハニカムスクリーンである。当該スクリーン2の畳み込まれたときの前後幅(Z方向の長さ)は例えば25mmである。当該スクリーン2の生地は、例えば光を透過しない素材で形成されているが、シースルー状の素材で形成されていてもよい。
【0027】
スクリーン2内部には昇降コード挿通孔(図示せず)が形成されており、当該昇降コード挿通孔には、上記ヘッドボックス1から垂下された昇降コード(図示せず)が挿通されている。当該昇降コードの上端は、ヘッドボックス1内で巻取ドラム11に巻取り及び巻解き可能に連結されており、昇降コードの他端は、ボトムレール3に連結されている。
【0028】
ヘッドボックス1の右側端部には、回転軸10と一体回転可能なプーリ等を有する操作ユニット6が設けられており、プーリには操作コード7が巻き掛けられて導出されている。ユーザが当該操作コード7を操作することにより、昇降コードが昇降しボトムレール3が昇降することでスクリーン2を伸縮させることができる。
【0029】
ボトムレール3の長手方向の両端部は、組立時に上記スクリーン2の下端を挿入可能とするために開口しており、当該開口には、ボトムレールキャップ31が着脱可能に設けられている。
【0030】
ボトムレール3の底面には、開口部Oとボトムレール3の下端との隙間を塞ぐための例えばゴムパッキン等の下部隙間防止材9が設けられている。
【0031】
[フレームの詳細]
次に、上記フレーム4の詳細について、スクリーン2及びボトムレール3の関連箇所と併せて説明する。図5はフレーム4の部分断面斜視図であり、図6はフレーム4のフレーム本体の平面図である。また図7は、ボトムレール3の端部付近の平面(XZ面)断面図であり、図8図7の平面断面図からスクリーン2を一部省略した図である。
【0032】
図3図4図7及び図8に示すように、スクリーン2及びボトムレール3は、ボトムレール3の長手方向(X方向)の端部に、X方向の矩形状の切欠部21及び切欠部32を有する。ボトムレール3の切欠部32は、図8に示すように、ボトムレール3本体の切欠部を当該切欠部に沿った形状を有するボトムレールキャップ31が被うことで形成されている。
【0033】
図3乃至図8に示すように、フレーム4は、ベース部41と遮蔽片42とカバー部材43とを有する。また図5に示すように、フレーム4の上端には、ヘッドボックス1の左右端部との干渉を防ぐための切欠部である干渉防止部44が形成されている。
【0034】
図7及び図8に示すように、ベース部41の底面は、開口部Oにネジ等により固定される。遮蔽片42は、ベース部41の前後方向(Z方向)の前側端部からスクリーン2(及びボトムレール3)に向かって突出している。
【0035】
遮蔽片42は、その一部(例えば5分の4程度)が、ヘッドボックス1の長手方向(Z方向)においてスクリーン2及びボトムレール3と重複しており、スクリーン2の切欠部21及びボトムレール3の切欠部32を挿通している。これにより遮蔽片42は、開口部Oとスクリーン2との隙間を塞いでおり、空気の流入を防止して断熱性を向上させている。
【0036】
切欠部21及び32がブラインド100(スクリーン2)の前後方向(Z方向)におけるほぼ中心に形成されており、切欠部21及び32を挿通する遮蔽片42がベース部41の前後方向(Z方向)の前側端部に設けられることで、ベース部41は、遮蔽片42よりも、ブラインド100(スクリーン2)のZ方向における中心よりも後方側に位置することになる。これにより、ベース部41がブラインド100の正面側に露出しないため、意匠性が向上する。
【0037】
カバー部材43は、ベース部41を開口部Oに固定するためのネジ等の固定部材を覆うように当該ベース部41に着脱可能であり、ベース部41との間でフレーム4の全長に亘って空間部Sを形成している。本実施形態では、カバー部材43は断面凸形状を有し、ベース部41の内側側面の凹部に挿入され係合することで固定されている。
【0038】
当該カバー部材43によって空間部Sを形成することで、フレーム4自体の断熱性能を向上できるとともに、ベース部41の固定部材(ネジ等)を隠蔽して意匠性を向上することができる。
【0039】
図6乃至図8に示すように、遮蔽片42の前面42aのX方向端部には、Z方向へ突出する凸部45が形成されている。当該凸部45は、遮蔽片42を、ボトムレール3の切欠部32の前後方向(Z方向)の内壁面33と平面視で点接触させることが可能である。
【0040】
これにより、固定状態にある遮蔽片42に対して、昇降する側となるボトムレール3の切欠部32の内壁面33は接触したとしても昇降方向では線接触となるため、昇降時におけるボトムレール3と遮蔽片42との間の抵抗が軽減され、安定した昇降動作が可能となると共に、面接触による遮蔽片42への傷の発生を抑えることができる。
【0041】
[ブラインドの動作]
次に、以上のように構成されたブラインド100の動作について説明する。
【0042】
まず、図1のようにスクリーン2が展開した状態から畳み込む場合、ヘッドボックス1から導出されている操作コード7を操作して昇降コードの巻取方向に回転させると、回転軸10と巻取ドラム11が一体に回転して巻取ドラム11が昇降コードを巻取り、ボトムレール3が上昇してスクリーン2が最下端のセルから上端のセルに向かって順次畳み込まれる。この後、操作コード7の操作を終了すると、回転軸10の回転がストッパによって拘束され、スクリーン2の畳み込まれた状態が維持される。
【0043】
次に、スクリーン2が畳み込まれた状態から展開させる場合、操作コード7を操作してストッパを解除する。これによりボトムレール3及びスクリーン2が自重により下降し、スクリーン2が展開する。
【0044】
図9は、上記フレーム4のボトムレール3への挿通状態を示す、ボトムレール3の端部付近の平面拡大断面図である。図15は、当該図9との比較のために従来のフレームに遮蔽片が設けられたブラインドを示した図である。
【0045】
図15に示すように、従来の凸部を有さない遮蔽片PPがボトムレールの切欠部PSを挿通する場合、同図(a)の静止状態から昇降動作が行われると、同図(b)に示すように、ボトムレール3の揺動時に遮蔽片PPと切欠部SSの内壁面とが面接触することで、抵抗になって昇降が安定しないばかりでなく、遮蔽片PPの前面に傷が付きやすいため、ブラインドを畳み上げたときに傷が付いた遮蔽片PPが露出され、意匠性を損なってしまう。
【0046】
一方、本実施形態では、図9(a)に示すようなボトムレール3(スクリーン2)の停止状態から、上記のような昇降動作が行われると、ボトムレール3及びスクリーン2の切欠部32及び切欠部21は遮蔽片42に案内され、同図(b)に示すように、ボトムレール3が後方(室外側)に揺動した場合でも、遮蔽片42の前面側では、遮蔽片42の凸部45が切欠部32及び切欠部21と平面視で点接触する。これにより、安定した昇降動作が可能となると共に、遮蔽片42及びボトムレール3の内壁面33に傷が付くのを防ぐことができる。
【0047】
[まとめ]
以上説明したように、本実施形態によれば、遮蔽片42に凸部45を設けることで、固定状態にある遮蔽片42に対し、昇降する側となるボトムレール3の切欠部32の内壁面33は接触することがあっても昇降方向では線接触となるため、昇降時におけるボトムレール3と遮蔽片42との間の抵抗が軽減され、安定した昇降動作が可能となる。また、凸部45を遮蔽片42の前面42aに設けることで、少なくとも遮蔽片42の前面42a側では凸部45と平面視で点接触となるため、面接触による遮蔽片42への傷の発生を抑えることができる。
【0048】
[変形例]
本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更され得る。
【0049】
上述の実施形態では、凸部45は遮蔽片42の前面42aの端部に1つ設けられた。しかし、凸部が設けられる場所や数はこれに限られない。以下、凸部の変形例について説明する。
【0050】
上述の実施形態において、図10に示すように、遮蔽片42の前面42aのみならず、遮蔽片42の前面42a及び背面42bの両面の対応する位置に2つの凸部45a及び45bを設けてもよい。これにより、ボトムレール3が前後のいずれの方向に揺動しても、安定した昇降が可能となる。
【0051】
上述の実施形態において、図11に示すように、遮蔽片42の前面42aに複数の凸部45を設けてもよい。これにより、ボトムレール3を遮蔽片42に対して前後方向に傾きにくくすることができる。
【0052】
上述の実施形態において、遮蔽片42のみならず、ボトムレール3の切欠部32を形成する前後の内壁面33のうち、少なくとも遮蔽片42側の凸部45と対向する面側に凸部34を有してもよい。これにより、遮蔽片42と切欠部32の内壁面33に互いの面に向かって凸部を突出させることで、切欠部32が遮蔽片42と接触した時でも、ボトムレール3を前後方向に傾きにくくすることができる。
【0053】
この場合、図12に示すように、切欠部32を形成する前後の内壁面33の両面の、遮蔽片42側の凸部45の位置よりもX方向における外側に、対向するように2つの凸部34a及び34bを設けてもよい。当該凸部34aの位置は、Z方向において遮蔽片42側の凸部45と極力離れていることが好ましい。同図の例では、遮蔽片42側の凸部45が遮蔽片42の突出方向の端部に設けられているのに対して、ボトムレール3の内壁面33側の凸部34a及び34bは、切欠部32における上記突出方向とは逆方向の(外側の)端部(入口近傍)に設けられている。これにより、切欠部32の入り口部分が狭くなるため、ボトムレール3がスクリーン2等に煽られて遮蔽片42から抜けようとしても、遮蔽片42側の凸部45が内壁面33側の凸部34に引っ掛かるため、遮蔽片42から外れることを防止できる。
【0054】
この場合更に、遮蔽片42の前後面の両面の対応する位置に2つの凸部45a及び45bを設けてもよい。またこの場合、図13に示すように、当該2つの凸部45が前後面で一体となるように、遮蔽片42の先端に例えば円柱状の凸部45を設けてもよい。これにより、図12の例と比べて、ボトムレール3の遮蔽片42からの抜け止め効果を更に高めることができる。また、ボトムレール3が長手方向に揺動し、凸部45の円弧部分が切欠部32におけるX方向側の端部に位置する内壁面と接触した時でも、両者は昇降方向では線接触となって安定した昇降が可能となる。
【0055】
また、図14に示すように、切欠部32の入口部分の対向する凸部を、切欠部32と一体的に形成する代わりに、別途抜け止め部材35として切欠部32(ボトムレールキャップ31)に嵌合によって取り付けてもよい。
【0056】
上述の実施形態においては遮蔽片42に凸部45が設けられたが、遮蔽片45には凸部を設けず、切欠部32の内壁面33の前後面の少なくとも一方の面に凸部34を設けてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1………ヘッドボックス
2………(ハニカム)スクリーン
3………ボトムレール
4………フレーム
5………ブラケット
6………操作ユニット
7………操作コード
8………上部隙間防止材
9………下部隙間防止材
10……回転軸
11……巻取ドラム
21……(スクリーン)切欠部
31……ボトムレールキャップ
32……(ボトムレール)切欠部
33……内壁面
34……(内壁面側)凸部
35……抜け止め部材
41……ベース部
42……(第1)遮蔽片
42a…前面
42b…背面
43……カバー部材
44……干渉防止部
45……凸部
100…ブラインド
O………開口部
S………空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15