(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-18
(45)【発行日】2022-11-29
(54)【発明の名称】光レセプタクルおよび光モジュール
(51)【国際特許分類】
G02B 6/42 20060101AFI20221121BHJP
H01S 5/022 20210101ALI20221121BHJP
H01L 31/02 20060101ALI20221121BHJP
H01L 31/0232 20140101ALI20221121BHJP
【FI】
G02B6/42
H01S5/022
H01L31/02 B
H01L31/02 D
(21)【出願番号】P 2019056233
(22)【出願日】2019-03-25
【審査請求日】2022-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000208765
【氏名又は名称】株式会社エンプラス
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 悠生
【審査官】山本 元彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-224851(JP,A)
【文献】特開2013-061587(JP,A)
【文献】特開2003-307603(JP,A)
【文献】特開2016-004265(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0097037(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/26-6/27
G02B 6/30-6/34
G02B 6/42-6/43
H01S 5/022
H01L 31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子および前記発光素子から出射された光を監視するための受光素子を有する光電変換装置と、光伝送体との間に配置されたときに、前記発光素子と前記光伝送体の端面とを光学的に結合するための光レセプタクルであって、
前記発光素子から出射された光を入射させる第1光学面と、
前記第1光学面で入射した光を受光素子に向かうモニター光と前記光伝送体の端面に向かう信号光とに分離し、前記モニター光を前記受光素子に向けて集光させつつ透過させ、前記信号光を前記光伝送体の端面に向けて反射させる光分離部と、
前記光分離部で反射した前記信号光を前記光伝送体の端面に向けて出射させる第2光学面と、を有し、
前記光分離部は、
前記第1光学面で入射した光を前記受光素子に向けて集光させつつ透過させる複数の分割集光面と、
前記分割集光面と異なる領域に形成され、前記第1光学面で入射した光を前記第2光学面に向けて反射させる複数の分割反射面と、を有し、
前記分割反射面は、前記第1光学面で入射した光の光軸に対する傾斜面であり、
前記分割集光面および前記分割反射面は、前記第1光学面で入射した光の光軸と、前記信号光の光軸とを含む前記光レセプタクルの中央仮想断面において、前記分割反射面の傾斜方向において交互に配置されて
おり、
前記複数の分割集光面は、前記光分離部に到達する光の照射スポットの全体に存在するように配置されており、
前記複数の分割集光面は、各分割集光面から出射した光が1つの受光素子に入るように形成されている、
光レセプタクル。
【請求項2】
前記中央仮想断面および前記中央仮想断面に平行な他の仮想断面において、前記分割集光面の断面および前記分割反射面の断面の合計長さに対する前記分割集光面の断面の長さの比率は、前記中央仮想断面において最大であり、前記中央仮想断面から遠ざかるにつれて徐々に小さくなる、請求項1に記載の光レセプタクル。
【請求項3】
前記複数の分割集光面は、平面視したときに各分割集光面の外縁の一部が1つの円周上に位置するように構成されている、請求項1または請求項2に記載の光レセプタクル。
【請求項4】
前記複数の分割集光面は、入射光の光軸に対する角度がそれぞれ異なる、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の光レセプタクル。
【請求項5】
前記複数の分割集光面は、入射光の進行方向が前記傾斜方向に近づくように前記入射光をそれぞれ屈折させる、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の光レセプタクル。
【請求項6】
前記光分離部は、入射光の光軸に対して平行であり、かつ前記分割集光面と前記分割反射面とを接続する複数の段差面をさらに有する、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の光レセプタクル。
【請求項7】
前記第1光学面で入射した光を前記光分離部に向けて反射させる反射面をさらに有する、請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の光レセプタクル。
【請求項8】
発光素子および前記発光素子から出射された光を監視するための受光素子を有する光電変換装置と、
請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の光レセプタクルと、
を有する、光モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光レセプタクルおよびこれを有する光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバーを用いた光通信では、送信用の発光素子または受信用の受光素子を有する光モジュールが使用される。光モジュールは、発光素子または受光素子と光ファイバーの端面とを光学的に結合する光レセプタクルを有する。送信側の光モジュールでは、光レセプタクルは、発光素子から出射された通信情報を含む光(以下「信号光」という)を光ファイバーの端面に入射させる。一方、受信側の光モジュールでは、光レセプタクルは、光ファイバーの端面から出射された信号光を受光素子に導く。複数の発光素子または受光素子と複数の光ファイバーの端面とを一括して結合する光レセプタクルは、所定のピッチで配列された複数のレンズ面を有するため、レンズアレイと称されることもある。
【0003】
送信側の光モジュールとしては、発光素子に加えて、発光素子から出射された光の出力を監視するための受光素子を有するものがある。たとえば、特許文献1は、面発光レーザーから出射された出射光の一部を監視するモニター部(受光素子)を備える光通信モジュールを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図1は、特許文献1に開示されている光通信モジュールの例を示す。特許文献1に開示されている光通信モジュールでは、面発光レーザー10から出射され、第1レンズ部50で光結合部材32内に入射したレーザー光を反射部62で光ファイバー21に向かって反射させる。これにより、当該光通信モジュールでは、面発光レーザー10と光ファイバー21とを結合させている。
【0006】
また、特許文献1に開示されている光通信モジュールでは、面発光レーザー10から出射され、第1レンズ部50で光結合部材32内に入射したレーザー光を透過面71で透過させ、モニター部40(受光素子)に入射させることで、その出力を監視している。
【0007】
ここで、特許文献1に開示されている光通信モジュールでは、面発光レーザー10から出射されたレーザー光の内、光束の周辺部の出力(透過面71を透過した光)しか監視することができず、面発光レーザー10の光束の全体の出力を監視することはできない。したがって、特許文献1に開示されている光通信モジュールでは、面発光レーザー10からの出力を適切に監視できないことがある。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、発光素子から出射された光の全体を監視することで、発光素子からの出力をより適切に監視することができる光レセプタクルおよび光モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る光レセプタクルは、発光素子および前記発光素子から出射された光を監視するための受光素子を有する光電変換装置と、光伝送体との間に配置されたときに、前記発光素子と前記光伝送体の端面とを光学的に結合するための光レセプタクルであって、前記発光素子から出射された光を入射させる第1光学面と、前記第1光学面で入射した光を受光素子に向かうモニター光と前記光伝送体の端面に向かう信号光とに分離し、前記モニター光を前記受光素子に向けて集光させつつ透過させ、前記信号光を前記光伝送体の端面に向けて反射させる光分離部と、前記光分離部で反射した前記信号光を前記光伝送体の端面に向けて出射させる第2光学面と、を有し、前記光分離部は、前記第1光学面で入射した光を前記受光素子に向けて集光させつつ透過させる複数の分割集光面と、前記分割集光面と異なる領域に形成され、前記第1光学面で入射した光を前記第2光学面に向けて反射させる複数の分割反射面と、を有し、前記分割反射面は、前記第1光学面で入射した光の光軸に対する傾斜面であり、前記分割集光面および前記分割反射面は、前記第1光学面で入射した光の光軸と、前記信号光の光軸とを含む前記光レセプタクルの中央仮想断面において、前記分割反射面の傾斜方向において交互に配置されている。
【0010】
本発明に係る光モジュールは、発光素子および前記発光素子から出射された光を監視するための受光素子を有する光電変換装置と、本発明に係る光レセプタクルと、を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、発光素子から出射された光の全体を監視することで、発光素子からの出力をより適切に監視することができる光レセプタクルおよび光モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、従来の光通信モジュールを示す図である。
【
図2】
図2は、実施の形態1に係る光モジュールの断面図(光路図)である。
【
図3】
図3A~Cは、実施の形態1に係る光レセプタクルの構成を示す図である。
【
図4】
図4は、光分離部の構成および光路を示す部分拡大図である。
【
図5】
図5は、実施の形態2に係る光モジュールの断面図(光路図)である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
[実施の形態1]
(光モジュールの構成)
図2は、本発明の実施の形態1に係る光モジュール100の断面図(光路図)である。この図では、光レセプタクル300内の光路を示すために光レセプタクル300の断面へのハッチングを省略している。以下の説明では、光レセプタクル300について、光伝送体400側の面を「正面」とし、光電変換装置200側の面を「底面」として説明する。
【0015】
図2に示されるように、光モジュール100は、発光素子220を有する送信用の光電変換装置200と、光電変換装置200の上に配置された光レセプタクル300を有する。使用時には、光レセプタクル300の正面(
図2において右側に位置する面)に、光伝送体400が接続される。すなわち、光レセプタクル300は、光電変換装置200と光伝送体400との間に配置される。光レセプタクル300は、光電変換装置200の発光素子220と、光伝送体400の端面410とを光学的に結合する。
【0016】
送信用の光電変換装置200は、基板210上に、発光素子220、および受光素子230を有する。
【0017】
発光素子220は、基板210上に配置されており、基板面に対して垂直方向に光Lを出射する。発光素子220は、例えば、垂直共振器面発光レーザー(Vertical Cavity Surface Emitting Laser;VCSEL)である。
【0018】
受光素子230は、発光素子220の出力を監視するためのモニター光Lmを受光する。本実施の形態では、受光素子230は、発光素子220よりも光伝送体400から離れた位置に、発光素子220と一列になるように、基板210上に配置されている。受光素子230は、たとえば、フォトディテクタである。
【0019】
光レセプタクル300は、第1光学面310(後述)と発光素子220とが対向し、かつ光分離部340(後述)と受光素子230とが対向するように基板210上に配置されている。光レセプタクル300がこのように配置されることで、発光素子220と光伝送体400の端面410とを光学的に結合し、光分離部340において分離されたモニター光Lmが受光素子230に集光するようになり、発光素子220の出力が監視される。
【0020】
光レセプタクル300には、発光素子220に対応する光伝送体400が接続される。通常、光伝送体400の端部にはフェルール(不図示)などが装着されており、このフェルールを光レセプタクル300の正面側の凹部に挿入することで、光レセプタクル300の第2光学面350と対向する位置に光伝送体400の端面410が位置決めされる。
【0021】
光伝送体400は、例えば、光導波路または光ファイバーである。光ファイバーは、シングルモード方式であってもよいし、マルチモード方式であってもよい。
【0022】
(光モジュールの動作)
本実施の形態に係る光モジュール100では、光電変換装置200の発光素子220から出射された光Lは第1光学面310で光レセプタクル300の内部に入射する。光レセプタクル300の内部に入射した光Lは、第1反射面320(後述)および第2反射面330(後述)で順次反射されて光分離部340に到達する。光分離部340は、光Lをモニター光Lmと信号光Lsとに分離する。モニター光Lmは、光分離部340で集光されつつ光電変換装置200の受光素子230に向けて出射される。信号光Lsは、第2光学面350から光伝送体400の端面410に向けて出射される。
【0023】
(光レセプタクルの構成)
本実施の形態の光モジュール100は、光レセプタクル300の構成に主たる特徴を有する。そこで、光レセプタクル300については、以下に改めて詳細に説明する。
【0024】
図3A~Cは、光レセプタクル300の構成を示す図である。
図3Aは、光レセプタクル300の左側面図であり、
図3Bは、光レセプタクル300の底面図であり、
図3Cは、
図3BにおいてC-C線で示す光レセプタクル300の断面図である。なお、
図3Cでは、ハッチングを省略している。
【0025】
図3A~Cに示されるように、光レセプタクル300は、略直方体形状の部材である。光レセプタクル300は、光通信に用いられる波長の光に対して光透過性を有する材料を用いて形成される。そのような材料の例には、ポリエーテルイミドや環状オレフィン樹脂などの透明樹脂が含まれる。光レセプタクル300は、例えば射出成形により一体として製造されうる。
【0026】
本実施の形態に係る光レセプタクル300は、第1光学面310と、第2光学面350と、第1反射面320と、第2反射面330と、光分離部340とを有する。
【0027】
第1光学面310は、発光素子220に対向するように配置されており、発光素子220から出射された光を光レセプタクル300の内部に入射させる。本実施の形態では、第1光学面310は、光レセプタクル300の底面側に配置されており、発光素子220に向かって凸状の凸レンズ面である。また、本実施の形態では、第1光学面310は、発光素子220から出射された光をコリメート光に変換させる。なお、本実施の形態では第1光学面310は凸状のレンズ面であるが、第1光学面310の形状は特に限定されず、平面であってもよい。
【0028】
第1光学面310の数は、特に限定されず、1個であってもよく、複数個であってもよい。本実施の形態では、第1光学面310の数は1個である。なお、複数の発光素子220が一列に配置されている場合には、発光素子220と同じ数の第1光学面310が一列に配置されていてもよい。さらに、発光素子220が2列以上に配列されている場合には、第1光学面310も同じ列数で配列されてもよい。
【0029】
第2光学面350は、光伝送体400の端面410に対向するように配置されており、発光素子220から出射され、光レセプタクル300の内部を通る信号光Lsを光伝送体400に向けて出射させる。本実施の形態では、第2光学面350は、光レセプタクル300の正面側に配置されており、光伝送体400に向かって凸状の凸レンズ面である。
【0030】
第2光学面350の数は、特に限定されず、1個であってもよく、複数個であってもよい。本実施の形態では、第2光学面350の数は1個である。なお、複数の光伝送体400が一列に配置されている場合には、光伝送体400と同じ数の第2光学面350が一列に配置されていてもよい。さらに、光伝送体400が2列以上に配列されている場合には、第2光学面350も同じ列数で配列されてもよい。
【0031】
第1反射面320は、第1光学面310で入射した光Lを第2反射面330に向けて反射させる。本実施の形態では、第1反射面320は、光レセプタクル300の天面側の配置された凹部内に形成されている。
【0032】
第2反射面330は、第1反射面320で反射した光を光分離部340に向けて反射させる。本実施の形態では、第2反射面330は、光レセプタクル300の天面側に配置された凹部内に形成されている。
【0033】
図4は、光分離部340の構成および光路を示す部分拡大断面図である。
図4でも、ハッチングを省略している。以下、
図4を用いて光分離部340について詳細に説明する。
【0034】
光分離部340は、入射した光Lを受光素子230に集光させる複数の分割集光面341と、入射した光Lを光伝送体400の端面410に向かって反射させる複数の分割反射面342とを有する。
【0035】
また、本実施の形態では、光分離部340は、分割集光面341と、分割反射面342とをそれぞれ接続する複数の段差面343を有する。
【0036】
複数の分割集光面341は、それぞれ、第1光学面310で入射した光Lを受光素子230に向けて集光させつつ透過させる。複数の分割集光面341は、光分離部340に到達する光の到達領域(照射スポット)の全体に偏りなく存在するように配置されている。
図4に示されているように、本実施の形態において、複数の分割集光面341は、入射した光Lに対する傾斜角度がそれぞれ異なる。具体的には、本実施の形態では、正面側(第2光学面350側)に
近いほど、分割集光面341に対する入射した光Lの入射角が小さくなるように、複数の分割集光面341の傾斜角度が調整されている。これにより、複数の分割集光面341に入射した光Lが、分割反射面342の傾斜面に近づく方向に屈折され、受光素子230に集光される。また、複数の分割集光面341の傾斜角度をこのように調整することで、分割集光面341を有する光レセプタクル300を射出成形しやすくすることができる。
【0037】
複数の分割反射面342は、それぞれ、分割集光面341と異なる領域に形成され、第1光学面310で入射した光Lを第2光学面350に向けて反射させる。複数の分割反射面342も、光分離部340に到達する光の到達領域(照射スポット)の全体に偏りなく存在するように配置されている。複数の分割反射面342は、それぞれ入射した光Lの光軸に対する傾斜面である。複数の分割反射面342は、それぞれ光レセプタクル300の天面から底面に向かうにつれて正面に近づくように傾斜している。本実施の形態では、複数の分割反射面342の傾斜角は、いずれも第2反射面330で反射した光の光軸に対して45°である。また、本実施の形態において、分割反射面342は、一つの仮想平面上に所定の間隔で配置されている。
【0038】
複数の段差面343は、それぞれ、入射した光Lの光軸に対する平行面であり、かつ分割集光面341と分割反射面342とを接続する。本実施の形態では、段差面343は、第2反射面330で反射した光の光軸に対する平行面である。
【0039】
なお、
図4に示されるように、分割集光面341および分割反射面342は、第1光学面310で入射した光Lの光軸と、前記信号光Lsの光軸とを含む光レセプタクル300の中央仮想断面において、分割反射面342の傾斜方向において交互に配置されている。
【0040】
上記の中央仮想断面およびこれに平行な他の仮想断面において、分割集光面341の断面および分割反射面342の断面の合計長さに対する分割集光面341の断面の長さの比率は、上記の中央仮想断面において最大となり、中央仮想断面から遠ざかるにつれて徐々に小さくなってもよい。たとえば、
図4において紙面の奥または手前の方向の断面において、分割集光面341の比率が小さくなるようになってもよい。すなわち、複数の分割集光面341は、円形の凸レンズ面を帯状に分割した形状であってもよい。この場合、平面視(底面視)したときに、各分割集光面341の外縁の一部は、1つの円周(凸レンズ面の外周に相当)上に位置することになる。
【0041】
また、分割集光面341の断面および分割反射面342の断面の合計長さに対する分割集光面341の断面の長さの比率は、上記の中央仮想断面から遠ざかっても同じであってもよい。すなわち、複数の分割集光面341は、シリンドリカルレンズ面を帯状に分割した形状であってもよい。なお、ここで、上記の仮想断面から遠ざかる方向は、例えば、仮想断面に垂直な方向である。
【0042】
(光レセプタクルの動作)
本実施の形態に係る光レセプタクル300では、光分離部340の複数の分割集光面341は、第1光学面310で入射した光Lを受光素子230に向けて集光させつつ透過させる。一方、光分離部340の複数の分割反射面342は、第1光学面310で入射した光Lを光伝送体400の端面410に向かって反射させる。
【0043】
(効果)
本実施の形態に係る光レセプタクル300は、発光素子220から出射され、光レセプタクル300に入射した光Lについて、偏った一部からではなく、全体からモニター光Lmを分離することができる。したがって、光レセプタクル300は、発光素子220から出射される光Lをより適切に監視することができる。
【0044】
また、光レセプタクル300では、光分離部340における複数の分割集光面341の傾斜角度をそれぞれ別個に調整することで、光電変換装置200における任意の位置にモニター光Lmを集光させることができる。たとえば、複数の分割集光面341は、分割集光面341の直下に配置された受光素子230に集光させることもできるし、直下ではない位置に配置された受光素子230に集光させることもできる。これにより、光レセプタクル300では、光電変換装置200における発光素子220および受光素子230の位置にあわせてモニター光Lmを集光させることができ、光電変換装置200の設計の自由度を高めることができる。
【0045】
[実施の形態2]
以下、本発明の実施の形態2について、
図5を参照しつつ、実施の形態1との相違点を中心に説明する。なお、実施の形態2において、実施の形態1と同じ構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0046】
(光モジュールの構成および動作)
実施の形態2に係る光モジュール100は、光電変換装置201において、受光素子230が発光素子220よりも正面側(光伝送体400側)に配置されている点で、実施の形態1に係る光モジュール100と異なる。
【0047】
また、実施の形態2に係る光モジュール100では、上記の発光素子220および受光素子230の配置に合わせて、光レセプタクル301内の第1反射面320、第2反射面330および光分離部340の配置が変わっている点でも、実施の形態1に係る光モジュール100と異なる。
【0048】
実施の形態2に係る光モジュール100でも、発光素子220から出射され、第1光学面310で入射した光Lは、第1反射面320および第2反射面330で順次反射されて、光分離部340に到達する。光分離部340は、第2反射面330からの光を、モニター光Lmと信号光Lsとに分離し、モニター光Lmを受光素子230に向かって集光させ、信号光Lsを光伝送体400の端面410に向かって反射させる。
【0049】
(効果)
実施の形態2に係る光レセプタクル301は、実施の形態1に係る光レセプタクル300と同様の効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明に係る光レセプタクルおよび光モジュールは、光伝送体を用いた光通信に有用である。
【符号の説明】
【0051】
10 面発光レーザー
21 光ファイバー
32 光結合部材
40 モニター部
50 第1レンズ部
62 反射部
71 透過面
100 光モジュール
200、201 光電変換装置
210 基板
220 発光素子
230 受光素子
300、301 光レセプタクル
310 第1光学面
320 第1反射面
330 第2反射面
340 光分離部
341 分割集光面
342 分割反射面
343 段差面
350 第2光学面
400 光伝送体
410 光伝送体の端面
L 入射した光
Lm モニター光
Ls 信号光