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▶ 株式会社ノエビアの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-18
(45)【発行日】2022-11-29
(54)【発明の名称】洗浄料組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/44 20060101AFI20221121BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20221121BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20221121BHJP
【FI】
A61K8/44
A61K8/34
A61Q19/10
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019065334
(22)【出願日】2019-03-29
(65)【公開番号】P2020164445
(43)【公開日】2020-10-08
【審査請求日】2021-09-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000135324
【氏名又は名称】株式会社ノエビア
(72)【発明者】
【氏名】小根田 大
【審査官】田中 雅之
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-251074(JP,A)
【文献】特開2018-002608(JP,A)
【文献】特開2002-256298(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
C11D 1/00-19/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(A)~(D)を含有する洗浄料組成物。
(A)アシルグリシン塩
(B)アシルアルキル中性アミノ酸塩
(C)両性界面活性剤
(D)マルチトール
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、泡質が良好で、泡持ちに優れる洗浄料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、洗浄料として、種々の商品が開発されており、特に界面活性剤を基剤とするものは、低刺激でありながら、良好な洗浄力を有するため、洗顔料や全身洗浄料等に用いられている(特許文献1)。しかし、泡質及び泡持ちに関しては問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-90518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、泡質が良好で、泡持ちに優れる洗浄料組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、
下記(A)~(D)を含有する洗浄料組成物
(A)アシルグリシン塩
(B)アシルアルキル中性アミノ酸塩
(C)両性界面活性剤
(D)マルチトール
を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の洗浄料組成物は、泡質が良好で、泡持ちに優れるという効果を発揮する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下本発明を実施するための形態を説明する。
【0008】
本発明の洗浄料組成物は、使用する部位により、洗髪料、洗顔料、ボディ洗浄料等の用途に用いることができる。
【0009】
本発明に用いられるアシルグリシン塩としては、ココイルグリシン塩,ラウロイルグリシン塩,ミリストイルグリシン塩,ステアロイルグリシン塩等が挙げられる。ココイルグリシン塩を用いることが好ましい。塩を形成する塩基性化合物としては、ナトリウム,カリウム,アルギニン,リシン,ジエタノールアミン,トリエタノールアミン等が挙げられ、ナトリウム,カリウムがより好ましい。
【0010】
配合量としては洗浄料組成物全量に対し、1~70質量%が好ましく、より好ましくは3~50質量%である。
【0011】
本発明に用いられるアシルアルキル中性アミノ酸塩のアシル基としては、オクタノイル,デカノイル,ラウロイル,ミリストイル,パルミトイル,ステアロイル,オレオイル等が挙げられ、ラウロイルがより好ましい。アルキル基としては、メチル,エチル,プロピル,イソプロピル等が挙げられ、エチルがより好ましい。中性アミノ酸としてはグリシン,アラニン等が挙げられ、アラニンがより好ましい。塩を形成する塩基性化合物としては、ナトリウム,カリウム,アルギニン,リシン,ジエタノールアミン,トリエタノールアミン等が挙げられ、ナトリウム,カリウムがより好ましい。たとえば、ラウロイルメチルアラニンNa,ココイルメチルアラニンNa,ヤシ油脂肪酸アシルメチルアラニンNa等が挙げられる。
【0012】
配合量としては洗浄料組成物全量に対し、0.1~10質量%が好ましい。
【0013】
本発明に用いられる両性界面活性剤としては、通常の化粧料に用いられる両性界面活性剤であれば特に制限されずに使用することができ、1種を単独でもしくは2種以上を併用して用いることができる。
【0014】
かかる両性界面活性剤としては、オレイルベタイン,(カプリル/カプラミド)プロピルベタイン,コカミドプロピルヒドロキシスルタイン,コカミドプロピルベタイン,ココアンホ酢酸Na,ココアンホジ酢酸2Na,ココアンホプロピオン酸Na,ココベタイン,ステアリルベタイン,パーム核脂肪酸アミドエチルヒドロキシエチルアミノプロピオン酸Na,パーム核脂肪酸アミドプロピルベタイン,ヒドロキシアルキル(C12,14)ヒドロキシエチルアラニン,ヘプタデシルヒドロキシエチルカルボキシラートメチルイミダゾリニウムクロリド/ヘプタデシルビスヒドロキシエチルイミダゾリニウム,ミリスタミドプロピルベタイン,ラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン,ラウラミドプロピルベタイン,ラウラミノプロピオン酸Na,ラウリミノジプロピオン酸Na,ラウリルヒドロキシスルタイン,ラウリルベタイン,ラウロアンホ酢酸Na等が挙げられる。
【0015】
本発明においては、コカミドプロピルベタイン、ココアンホ酢酸Na、ココアンホジ酢酸Na、ココアンホプロピオン酸Na、ラウロアンホ酢酸Naから選択される1種又は2種以上を用いることが効果の観点から好ましく、さらにはコカミドプロピルベタイン及びココアンホ酢酸Naから選択される1種又は2種を用いることが好ましい。
【0016】
配合量としては洗浄料組成物全量に対し1~20質量%、好ましくは1~15質量%である。1質量%未満では充分な泡質改善効果が得られず、20質量%を超えると結晶の析出などの問題を生じるので好ましくない。
【0017】
本発明に用いられるマルチトールは、グルコースとソルビトールが結合した二糖類の糖アルコールである。市販の、マルビット(物産フードサイエンス株式会社製)、粉末マビット(株式会社林原生物化学研究所製)等を用いることもできる。
【0018】
配合量としては洗浄料組成物全量に対して、0.01~30質量%、好ましくは0.1~25質量%であり、さらに好ましくは0.1~20質量%である。
【0019】
本発明の洗浄料組成物は本発明の効果を損なわない範囲で多価アルコールを配合することができる。多価アルコールとしては、グリセリン,ポリグリセリン,1,3-ブチレングリコール,プロピレングリコール,イソプレングリコール,ポリエチレングリコール,ソルビトール,キシリトール等が挙げられる。
【0020】
本発明の洗浄料組成物はキレート剤を配合することができる。キレート剤は、特に限定されないが、エデト酸(エチレンジアミン四酢酸(EDTA))、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸、ジヒドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸、1,3-プロパンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ヒドロキシエタンジホスホン酸、それらの塩等が挙げられ、1種または2種以上を適宜組み合わせて配合することができる。
【0021】
剤型としては、液状、ペースト状、固形を問わないが、液状が好ましい。
【0022】
洗浄料組成物は固形のものをそのまま又は泡吐出容器、エアゾール容器、ポンプ容器、チューブ容器、ボトル容器、ジャー容器等の容器に充填して用いる。泡吐出容器を用いることが好ましい。
【0023】
泡吐出容器とは泡吐出機構を備えた容器のことであり、泡吐出容器内に充填された洗浄料組成物と、空気とを混合して多孔質膜体を通過させることにより泡沫状に吐出することができる容器のことである。
【0024】
泡吐出容器内部の多孔質膜体は、100~400メッシュが好ましい。
【0025】
本発明の洗浄料組成物には、上述の必須成分の他に、本発明の効果を損ねない範囲で、更にその他の成分を配合することができる。かかる成分としては、上記以外のアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、カルボキシビニルポリマー、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体等の高分子化合物、スクワラン、流動パラフィン、シリコーン油、ラノリン誘導体、脂肪酸、高級アルコール、ポリエーテル変性シリコーン等の過脂肪剤、パール化剤、香料、色素、紫外線吸収剤、酸化防止剤、殺菌剤、抗炎症剤、防腐剤等を配合することができる。
【実施例
【0026】
本発明の洗浄料組成物の泡質及び泡持ちについて、以下の通り評価を行った。
【0027】
[評価]
専門パネラー2名により、洗浄料組成物の泡質及び泡持ちについて評価を行った。
【0028】
[評価方法]
表1に示した処方を用いて洗浄料組成物を調製し、吐出口側150メッシュ、吸い口側100メッシュの多孔質膜体を備えた泡吐出容器に充填、吐出させ、泡質及び泡持ちの評価を行った。泡持ちについては吐出してから30分後の泡の状態を評価した。評価結果は下記の基準を用いて合議により判定した。
【0029】
[評価基準]泡質、泡持ち
◎:非常に良い
△:少し悪い
×:悪い
【0030】
【表1】
【0031】
表1に示した通り、本発明の実施例1では泡質及び泡持ちにおいて良好な結果が得られた。