(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-18
(45)【発行日】2022-11-29
(54)【発明の名称】建物の施解錠制御システム
(51)【国際特許分類】
E05B 65/00 20060101AFI20221121BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20221121BHJP
【FI】
E05B65/00 B
G08B25/04 F
G08B25/04 H
(21)【出願番号】P 2019091713
(22)【出願日】2019-05-14
【審査請求日】2021-10-22
(73)【特許権者】
【識別番号】504093467
【氏名又は名称】トヨタホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100161230
【氏名又は名称】加藤 雅博
(72)【発明者】
【氏名】岡田 まり
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-052476(JP,A)
【文献】特開2005-248452(JP,A)
【文献】特開2010-168755(JP,A)
【文献】特開2005-284628(JP,A)
【文献】特開2018-120644(JP,A)
【文献】特開2006-132194(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00-85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋外との間で第1出入口を介して人の出入りを可能とする第1屋内エリアと、
前記第1屋内エリアとの間で第2出入口を介して人の出入りを可能とする第2屋内エリアと、
前記第1出入口に設けられた開閉体を施錠する第1施錠装置と、
前記第2出入口に設けられた開閉体を施錠する第2施錠装置と、
を備える建物に適用され、前記第1施錠装置の施解錠を制御する建物の施解錠制御システムであって、
外来者の訪問に伴う前記第1施錠装置の解錠要求が生じたことを判定する第1判定手段と、
前記第1屋内エリア内において前記建物における所定の居住者の有無を判定する第2判定手段と、
前記第2施錠装置の施解錠の状態を判定する第3判定手段と、
前記第1判定手段により前記解錠要求が生じたと判定された場合に、前記第2判定手段により前記第1屋内エリア内に所定の居住者がいないと判定され、かつ前記第3判定手段により前記第2施錠装置が施錠状態であると判定されたことを条件に、前記第1施錠装置の解錠を許可する解錠許可手段と、
を備え
、
さらに、前記第1判定手段により前記解錠要求が生じたと判定された場合に、前記第2判定手段により前記第1屋内エリア内に所定の居住者がいると判定されたことに基づいて、当該居住者に対して前記第1屋内エリアからの退出を促す報知を実施する報知手段を備えることを特徴とする、建物の施解錠制御システム。
【請求項2】
屋外との間で第1出入口を介して人の出入りを可能とする第1屋内エリアと、
前記第1屋内エリアとの間で第2出入口を介して人の出入りを可能とする第2屋内エリアと、
前記第1出入口に設けられた開閉体を施錠する第1施錠装置と、
前記第2出入口に設けられた開閉体を施錠する第2施錠装置と、
を備える建物に適用され、前記第1施錠装置の施解錠を制御する建物の施解錠制御システムであって、
外来者の訪問に伴う前記第1施錠装置の解錠要求が生じたことを判定する第1判定手段と、
前記第1屋内エリア内において前記建物における所定の居住者の有無を判定する第2判定手段と、
前記第2施錠装置の施解錠の状態を判定する第3判定手段と、
前記第1判定手段により前記解錠要求が生じたと判定された場合に、前記第2判定手段により前記第1屋内エリア内に所定の居住者がいないと判定され、かつ前記第3判定手段により前記第2施錠装置が施錠状態であると判定されたことを条件に、前記第1施錠装置の解錠を許可する解錠許可手段と、
を備え
、
前記第2判定手段は、前記所定の居住者の有無の判定として、見守りを要する者として定められた所定の見守り対象者が前記第1屋内エリア内にいることを判定することを特徴とする、建物の施解錠制御システム。
【請求項3】
屋外との間で第1出入口を介して人の出入りを可能とする第1屋内エリアと、
前記第1屋内エリアとの間で第2出入口を介して人の出入りを可能とする第2屋内エリアと、
前記第1出入口に設けられた開閉体を施錠する第1施錠装置と、
前記第2出入口に設けられた開閉体を施錠する第2施錠装置と、
を備える建物に適用され、前記第1施錠装置の施解錠を制御する建物の施解錠制御システムであって、
外来者の訪問に伴う前記第1施錠装置の解錠要求が生じたことを判定する第1判定手段と、
前記第1屋内エリア内において前記建物における所定の居住者の有無を判定する第2判定手段と、
前記第2施錠装置の施解錠の状態を判定する第3判定手段と、
前記第1判定手段により前記解錠要求が生じたと判定された場合に、前記第2判定手段により前記第1屋内エリア内に所定の居住者がいないと判定され、かつ前記第3判定手段により前記第2施錠装置が施錠状態であると判定されたことを条件に、前記第1施錠装置の解錠を許可する解錠許可手段と、
を備え
、
前記外来者が、前記第1屋内エリア内において前記建物における所定の居住者のうち特定者との面会が許可された面会許可者であることを判定する面会許可者判定手段を備え、
前記第1判定手段は、前記面会許可者の訪問時において前記解錠要求が生じたことを判定し、
前記第2判定手段は、前記第1屋内エリア内に、前記所定の居住者として前記特定者がいることを判定し、
前記解錠許可手段は、前記第1判定手段により前記解錠要求が生じたと判定された場合に、前記第2判定手段により前記第1屋内エリア内に前記特定者がいると判定され、かつ前記第3判定手段により前記第2施錠装置が施錠状態であると判定されたことを条件に、前記第1施錠装置の解錠を許可することを特徴とする、建物の施解錠制御システム。
【請求項4】
前記外来者が、前記第1屋内エリア内において前記建物における所定の居住者のうち特定者との面会が許可された面会許可者であることを判定する面会許可者判定手段を備え、
前記第1判定手段は、前記面会許可者の訪問時において前記解錠要求が生じたことを判定し、
前記第2判定手段は、前記第1屋内エリア内に、前記所定の居住者として前記特定者がいることを判定し、
前記解錠許可手段は、前記第1判定手段により前記解錠要求が生じたと判定された場合に、前記第2判定手段により前記第1屋内エリア内に前記特定者がいると判定され、かつ前記第3判定手段により前記第2施錠装置が施錠状態であると判定されたことを条件に、前記第1施錠装置の解錠を許可する、請求項
1又は2に記載の建物の施解錠制御システム。
【請求項5】
前記第1屋内エリアは、前記第1出入口に通じる外側エリアと前記第2出入口に通じる内側エリアとを有し、それら外側エリア及び内側エリアの間が仕切り壁により仕切られ、かつ当該仕切り壁の出入口に設けられた開閉体に第3施錠装置が設けられており、
前記第2判定手段は、前記第1屋内エリアのうち前記外側エリアに前記特定者以外の所定の居住者がいないことを判定し、
前記解錠許可手段は、前記第1判定手段により前記解錠要求が生じたと判定された場合に、前記第2判定手段により前記外側エリア内に前記特定者以外の所定の居住者がいないと判定され、かつ前記第3判定手段により前記第2施錠装置が施錠状態であると判定されたことを条件に、前記第1施錠装置の解錠を許可する、請求項
3又は4に記載の建物の施解錠制御システム。
【請求項6】
前記第1屋内エリアは、前記第1出入口に通じる外側エリアと前記第2出入口に通じる内側エリアとを有し、それら外側エリア及び内側エリアの間が仕切り壁により仕切られ、かつ当該仕切り壁の出入口に設けられた開閉体に第3施錠装置が設けられており、
前記第2判定手段は、前記外側エリア及び前記内側エリアに前記特定者以外の所定の居住者がいないことを判定し、
前記解錠許可手段は、前記第1判定手段により前記解錠要求が生じたと判定された場合に、前記第2判定手段により前記外側エリア及び前記内側エリア内に前記特定者以外の所定の居住者がいないと判定され、かつ前記第3判定手段により前記第2施錠装置が施錠状態であると判定されたことを条件に、前記第1施錠装置の解錠を許可する、請求項
3又は4に記載の建物の施解錠制御システム。
【請求項7】
前記解錠許可手段は、前記面会許可者以外の外来者の訪問に伴い前記解錠要求が生じたと判定された場合に、前記第2判定手段により前記外側エリア内に所定の居住者がいないと判定され、かつ前記第3施錠装置が施錠状態であることを条件に、前記第1施錠装置の解錠を許可する、請求項
5又は
6に記載の建物の施解錠制御システム。
【請求項8】
前記面会許可者判定手段は、前記外来者である前記面会許可者が、居住者の介護を行う介護業者であることを判定する、請求項
3~
7のいずれか1項に記載の建物の施解錠制御システム。
【請求項9】
前記第1判定手段により前記解錠要求が生じたと判定された場合に、前記第2判定手段により前記第1屋内エリア内に所定の居住者がいないと判定され、かつ前記第3判定手段により前記第2施錠装置が解錠状態であると判定されたことに基づいて、前記第2施錠装置を施錠する解錠制御手段を備える、請求項1
~8のいずれか1項に記載の建物の施解錠制御システム。
【請求項10】
前記外来者が、前記第1屋内エリア内への進入が許可された業者であることを判定する業者判定手段を備え、
前記第1判定手段は、前記業者の訪問により前記解錠要求が生じたことを判定する、請求項1~
9のいずれか1項に記載の建物の施解錠制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の施解錠制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、住宅等の建物において居住者が不在の場合であっても許可された者であれば住宅内に進入可能なシステムが提案されている。例えば、特許文献1には、居住者の不在時において、訪問が予約されている業者に対して住宅内への進入を許可し、住宅内の設備の点検等の作業がその業者により行なわれた後には、作業完了確認印の押印を業者に付与することができるシステムが開示されている。これにより、通常であれば在宅して立ち合い対応が必要な処理を、不在時にも実施できるため利便性が高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、複数の人が居住する住宅においては、例えば、住宅を管理する者(例えば、親)が不在であっても他の居住者(例えば、子供)が在宅している場合がある。このような場合、業者に対して住宅内への進入を許可すると、その在宅者と業者とが鉢合わせすることになり、在宅者に対する安全性の面で懸念がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、居住者以外であっても許可された者であれば建物内に進入可能なシステムであって、建物内にいる居住者に対する安全性の向上を図ることができる建物の施解錠制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、第1の発明の建物の施解錠制御システムは、
屋外との間で第1出入口を介して人の出入りを可能とする第1屋内エリアと、
前記第1屋内エリアとの間で第2出入口を介して人の出入りを可能とする第2屋内エリアと、
前記第1出入口に設けられた開閉体を施錠する第1施錠装置と、
前記第2出入口に設けられた開閉体を施錠する第2施錠装置と、
を備える建物に適用され、前記第1施錠装置の施解錠を制御する建物の施解錠制御システムであって、
外来者の訪問に伴う前記第1施錠装置の解錠要求が生じたことを判定する第1判定手段と、
前記第1屋内エリア内において前記建物における所定の居住者の有無を判定する第2判定手段と、
前記第2施錠装置の施解錠の状態を判定する第3判定手段と、
前記第1判定手段により前記解錠要求が生じたと判定された場合に、前記第2判定手段により前記第1屋内エリア内に所定の居住者がいないと判定され、かつ前記第3判定手段により前記第2施錠装置が施錠状態であると判定されたことを条件に、前記第1施錠装置の解錠を許可する解錠許可手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
第1の発明によれば、外来者の訪問により解錠要求が生じたと判定された場合には、第1屋内エリアに所定の居住者が存在していないこと、及び第2施錠装置が施錠状態であることを条件として、第1施錠装置が解錠されて、外来者は第1屋内エリア内に進入できる。これにより、外来者が建物の第1屋内エリアに進入する場合において、外来者が第1屋内エリア以外(すなわち第2屋内エリア)に進入することを抑制しつつ、第1屋内エリアでの外来者と所定の居住者との鉢合わせが抑制できる。例えば、第1屋内エリアに子供がいたとしても、その子供が外来者に鉢合わせしてしまうことが抑制できる。よって、在宅する居住者に対する安全が確保されつつ、かつ外来者は建物内に進入でき、建物内で必要な業務(例えば、宅配業者による宅配物の配達)を行うことができる。これにより、利便性を損なわず、かつ居住者に対する安全性の向上を図ることができる。
【0008】
第2の発明の建物の施解錠制御システムは、第1の発明において、
前記第1判定手段により前記解錠要求が生じたと判定された場合に、前記第2判定手段により前記第1屋内エリア内に所定の居住者がいると判定されたことに基づいて、当該居住者に対して前記第1屋内エリアからの退出を促す報知を実施する報知手段を備えることを特徴とする。
【0009】
第2の発明によれば、第1屋内エリア内に所定の居住者がいる場合には、報知手段により退出が促され、その居住者を第1屋内エリアから退出させるよう導くことができる。所定の居住者が第1屋内エリアから退出することにより外来者が第1屋内エリア内に進入可能な状態となる。そのため、報知手段を設けることによって本システムを速やかにかつ確実に遂行することができる。
【0010】
第3の発明の建物の施解錠制御システムは、第1又は第2の発明において、
前記第1判定手段により前記解錠要求が生じたと判定された場合に、前記第2判定手段により前記第1屋内エリア内に所定の居住者がいないと判定され、かつ前記第3判定手段により前記第2施錠装置が解錠状態であると判定されたことに基づいて、前記第2施錠装置を施錠する解錠制御手段を備えることを特徴とする。
【0011】
第3の発明によれば、第2施錠装置を施錠する解錠制御手段が備えられることにより、居住者が第2施錠装置を設定(施錠)しておく必要がなく、第2施錠装置が自動で施錠されるため、本システムを確実に遂行することができる。
【0012】
第4の発明の建物の施解錠制御システムは、第1~第3の発明のいずれかにおいて、
前記第2判定手段は、前記所定の居住者の有無の判定として、見守りを要する者として定められた所定の見守り対象者が前記第1屋内エリア内にいることを判定することを特徴とする。
【0013】
第4の発明によれば、見守り対象者を識別することにより、見守り対象者に特定して鉢合わせの回避を実行できる。これにより、例えば子供等の弱者が外来者と第1屋内エリア内で鉢合わせすることを抑制でき、見守り対象者の安全確保を図ることができる。
【0014】
第5の発明の建物の施解錠制御システムは、第1~第4の発明のいずれかにおいて、
前記外来者が、前記第1屋内エリア内への進入が許可された業者であることを判定する業者判定手段を備え、
前記第1判定手段は、前記業者の訪問により前記解錠要求が生じたことを判定することを特徴とする。
【0015】
例えば、外来者が物品を搬送する搬送業者であった場合、搬送業者は第1屋内エリア内に物品を搬入することができる。これにより、居住者が搬送業者に応対することなく、第1屋内エリアを介して物品を受け取ることができる。また、建物内にいる居住者が子供等の弱者(見守り対象者)の場合には、搬送業者と鉢合わせすることなく、物品の受け取りができるため安全性かつ利便性が高い。
【0016】
第6の発明の建物の施解錠制御システムは、第1~第5の発明のいずれかにおいて、
前記外来者が、前記第1屋内エリア内において前記建物における所定の居住者のうち特定者との面会が許可された面会許可者であることを判定する面会許可者判定手段を備え、
前記第1判定手段は、前記面会許可者の訪問時において前記解錠要求が生じたことを判定し、
前記第2判定手段は、前記第1屋内エリア内に、前記所定の居住者として前記特定者がいることを判定し、
前記解錠許可手段は、前記第1判定手段により前記解錠要求が生じたと判定された場合に、前記第2判定手段により前記第1屋内エリア内に前記特定者がいると判定され、かつ前記第3判定手段により前記第2施錠装置が施錠状態であると判定されたことを条件に、前記第1施錠装置の解錠を許可することを特徴とする。
【0017】
第6の発明によれば、特定者との面会が許可された面会許可者が訪問してきた際に、特定者が第1屋内エリア内にいる場合、面会許可者は第1屋内エリア内に進入できる。また、第1屋内エリアでの面会許可者と特定者以外の居住者との鉢合わせを抑制しつつ、あらかじめ定められた面会許可者は第1屋内エリア内で特定者と面会することができる。
【0018】
第7の発明の建物の施解錠制御システムは、第6の発明において、
前記第1屋内エリアは、前記第1出入口に通じる外側エリアと前記第2出入口に通じる内側エリアとを有し、それら外側エリア及び内側エリアの間が仕切り壁により仕切られ、かつ当該仕切り壁の出入口に設けられた開閉体に第3施錠装置が設けられており、
前記第2判定手段は、前記第1屋内エリアのうち前記外側エリアに前記特定者以外の所定の居住者がいないことを判定し、
前記解錠許可手段は、前記第1判定手段により前記解錠要求が生じたと判定された場合に、前記第2判定手段により前記外側エリア内に前記特定者以外の所定の居住者がいないと判定され、かつ前記第3判定手段により前記第2施錠装置が施錠状態であると判定されたことを条件に、前記第1施錠装置の解錠を許可することを特徴とする。
【0019】
第7の発明によれば、第1屋内エリアの外側エリアでは特定者以外の所定の居住者が面会許可者と鉢合わせすることを抑制しつつ、特定者は、面会許可者と第1屋内エリア内で面会することができる。これにより、例えば、子供がひとりで外側エリア内にいる場合には、面会許可者は第1屋内エリア内へ進入できないのに対して、子供が特定者と一緒に内側エリア内にいる場合には、面会許可者は第1屋内エリア内へ進入できる。よって、特定者以外の所定の居住者が、特定者と一緒でない空間において面会許可者と鉢合わせすることを抑制でき、居住者(特に特定者以外の見守り対象者)の安全確保を図ることができる。
【0020】
第8の発明の建物の施解錠制御システムは、第6の発明において、
前記第1屋内エリアは、前記第1出入口に通じる外側エリアと前記第2出入口に通じる内側エリアとを有し、それら外側エリア及び内側エリアの間が仕切り壁により仕切られ、かつ当該仕切り壁の出入口に設けられた開閉体に第3施錠装置が設けられており、
前記第2判定手段は、前記外側エリア及び前記内側エリアに前記特定者以外の所定の居住者がいないことを判定し、
前記解錠許可手段は、前記第1判定手段により前記解錠要求が生じたと判定された場合に、前記第2判定手段により前記外側エリア及び前記内側エリア内に前記特定者以外の所定の居住者がいないと判定され、かつ前記第3判定手段により前記第2施錠装置が施錠状態であると判定されたことを条件に、前記第1施錠装置の解錠を許可することを特徴とする。
【0021】
第8の発明によれば、第1屋内エリア(外側エリア及び内側エリア)内では特定者以外の所定の居住者が面会許可者と鉢合わせすることを抑制しつつ、特定者は、面会許可者と第1屋内エリア内で面会することができる。これにより、特定者以外の所定の居住者が特定者と一緒にいる場合においても、特定者以外の所定の居住者が面会許可者と鉢合わせすることを抑制でき、居住者(特に特定者以外の見守り対象者)の安全確保を図ることができる。
【0022】
第9の発明の建物の施解錠制御システムは、第7又は第8の発明において、
前記解錠許可手段は、前記面会許可者以外の外来者の訪問に伴い前記解錠要求が生じたと判定された場合に、前記第2判定手段により前記外側エリア内に所定の居住者がいないと判定され、かつ前記第3施錠装置が施錠状態であることを条件に、前記第1施錠装置の解錠を許可することを特徴とする。
【0023】
第9の発明によれば、面会許可者以外の外来者が訪問した場合には、その外来者は内側エリアには進入できないように第3施錠装置が施錠される。この際、面会許可者以外の外来者は、外側エリアに所定の居住者がいない場合は外側エリアに進入できる。よって、内側エリア内において特定者が面会許可者と面会可能な状態を維持しつつ、かつ所定の居住者が外側エリア内において面会許可者以外の外来者と鉢合わせしてしまうことを抑制しつつ、面会許可者以外の外来者は外側エリア内に進入できる。すなわち、所定の居住者の安全を確保しつつ、第1屋内エリアを内側エリアと外側エリアとで目的(用途)の異なるエリアとして同時に利用することができ、利便性の向上を図ることができる。
【0024】
第10の発明の建物の施解錠制御システムは、第6~第9のいずれかにおいて、
前記面会許可者判定手段は、前記外来者である前記面会許可者が、居住者の介護を行う介護業者であることを判定することを特徴とする。
【0025】
外来者が介護業者であった場合、介護業者は介護対象者である居住者(特定者)の介護のために第1屋内エリア(内側エリア)内まで進入することができる。これにより、特定者以外の居住者が介護業者に応対することなく、介護業者と特定者とが第1屋内エリア(内側エリア)で面会することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図3】施解錠制御システムの処理手順を示すフローチャート。
【
図7】他の実施形態における住宅の間取りを示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、住宅が、下階部としての一階部分と、上階部としての二階部分とを有する二階建てとされている。また、本実施形態では、住宅に、居住者(以下、ユーザ)として、夫婦と、その夫婦の子供(一人)と、その夫婦の親(一人)とが居住している。
図1は住宅の一階部分の間取りを示す平面図である。
【0028】
図1に示すように、住宅10の一階部分11には、屋内空間として、玄関ホール13と、LDK14と、廊下15と、スイッチルーム16と、ファミリー玄関17とが設けられている。
【0029】
玄関ホール13には、玄関口21が設けられ、その玄関口21を通じて玄関ホール13への出入りが可能となっている。玄関口21には玄関ドア22が設けられ、この玄関ドア22により玄関口21が開閉されるようになっている。玄関ドア22には、施錠装置(以下、玄関施錠装置)31が設けられている。玄関施錠装置31は、錠前を電気的に施解錠することで玄関ドア22の施錠(ロック)及び解錠(アンロック)を行う装置である。なお、玄関施錠装置31が第1施錠装置に相当する。
【0030】
LDK14は、キッチン空間14a(以下、キッチン14a)と、リビングダイニング空間14b(以下、LD14b)とが設けられている。キッチン14aとLD14bとの間には可動式の間仕切24が設けられ、その間仕切24により両空間14a,14bを互いに仕切ることが可能となっている。間仕切24には、施錠装置(以下、キッチン施錠装置)32が設けられている。キッチン施錠装置32は、間仕切24が仕切られた状態において、錠前を電気的に施解錠することで施錠(ロック)及び解錠(アンロック)を行う装置である。なお、キッチン施錠装置32が第2施錠装置に相当する。
【0031】
LDK14は玄関ホール13に隣接しており、玄関ホール13から出入口25を通じて出入り可能となっている。出入口25にはLDドア26が設けられている。LDドア26には、施錠装置(以下、LD施錠装置)33が設けられている。LD施錠装置33は、錠前を電気的に施解錠することでLDドア26の施錠(ロック)及び解錠(アンロック)を行う装置である。なお、LD施錠装置33が第3施錠装置に相当する。
【0032】
スイッチルーム16は、外出時や帰宅時に身支度を変えるための小部屋である。スイッチルーム16からは廊下15が延びており、その廊下15はLDK14に通じている。スイッチルーム16は玄関ホール13に隣接しており、玄関ホール13から出入口27を介して出入りが可能となっている。出入口27にはSRドア28が設けられている。SRドア28には、施錠装置(以下、SR施錠装置)34が設けられている。SR施錠装置34は、錠前を電気的に施解錠することでSRドア28の施錠(ロック)及び解錠(アンロック)を行う装置である。
【0033】
ファミリー玄関17は、駐車スペース18に隣接しており、駐車スペース18からファミリー玄関17には、出入口29を介して出入り可能とされている。ファミリー玄関17は、スイッチルーム16に隣接しており、ファミリー玄関17からLDK14には廊下15及びスイッチルーム16を通じて行き来が可能となっている。
【0034】
ここで、玄関ホール13が外側エリアに相当し、LD14bが内側エリアに相当する。よって、玄関ホール13と、LD14bとを含むエリアが第1屋内エリアに相当し、キッチン14aと、廊下15と、スイッチルーム16と、ファミリー玄関17とを含むエリアが第2屋内エリアに相当する。
【0035】
玄関口21の屋外側には、屋外カメラ36が設けられている。屋外カメラ36は、玄関口21の屋外側において存在する人の顔を撮影する構成とされている。例えば、玄関口21の屋外側には、インターホン39が設けられており、屋外カメラ36は、インターホン39に内蔵されている。インターホン39には、操作部であるタッチセンサ39aが備えられている。タッチセンサ39aは、例えば、静電容量式のセンサであって、そのセンサ部分に人が接触したことを検出する。なお、本実施形態では、タッチセンサ39aに人が接触すると住宅10内にチャイム音が鳴る構成とされており、訪問者が住宅10内のユーザに訪問を報知できるようになっている。
【0036】
玄関口21の屋内側(例えば、玄関ホール13の壁)には、玄関内カメラ37が設けられている。玄関内カメラ37は、玄関ホール13において存在する人の顔を撮影する構成とされている。LD14bには、LDカメラ38が設けられている。LDカメラ38は、LD14bにおいて存在する人の顔を撮影する構成とされている。
【0037】
住宅10内には、ディスプレイ45が備えられており、例えば、LD14bに設けられている。ディスプレイ45は、スピーカ45aを備えている。
【0038】
次に、
図2に基づき施解錠制御システムの電気的構成について説明する。
【0039】
施解錠制御システムは、当該システムを統括管理(制御)するコントローラ40を備える。コントローラ40は、例えば、LD14bの壁に取り付けられている。コントローラ40は、CPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータを備えて構成されている。コントローラ40は、各種情報を記憶する記憶部41を有している。
【0040】
本システムでは、住宅10を訪問する訪問者(外来者)のうち、あらかじめ定められた第1訪問者Xと第2訪問者Yとに対して、住宅10内の所定のエリアに進入が許可される。本実施形態では、第1訪問者Xは、玄関ホール13に(すなわち、玄関ホール13まで)進入が許可され、第2訪問者Yは、玄関ホール13とLD14bとに(すなわち、LD14bまで)進入が許可される。例えば、記憶部41には、第1訪問者Xである人の顔と、第2訪問者Yである人の顔とが記憶(登録)されている。
【0041】
また、本システムでは、住宅10のユーザ(居住者)のうち、子と夫婦の親とが見守り対象者Tであること、及び見守り対象者Tのうち、夫婦の親が要介護者Rであることがあらかじめ定められている。例えば、記憶部41には、住宅10の各ユーザの顔が記憶(登録)されており、見守り対象者Tとして子供の顔及び夫婦の親の顔が、要介護者Rとして夫婦の親の顔が対応付けられて記憶されている。
【0042】
ここで、第1訪問者Xは、例えば、宅配業者、ペットシッタ、設備メンテナンス業者等である。宅配業者は玄関ホール13内まで進入することにより、玄関ホール13内に宅配物を配達することができる。ペットシッタは、玄関ホール13内まで進入することにより、玄関ホール13内でペットのケア(食事の配達及び配膳や散歩に連れ出して帰宅する等)を行うことが可能である。第2訪問者Yは、例えば、介護者である。介護者は、LD14b内まで進入することにより、要介護者RをLD14b内で介護したり、LD14bにいる要介護者Rをデイサービスに連れ出して、その後そのLD14bまで要介護者Rを連れて帰る等が可能である。
【0043】
コントローラ40には、タッチセンサ39aが接続されている。コントローラ40には、タッチセンサ39aから逐次検出結果が入力される。タッチセンサ39aからタッチセンサ39aへの接触が検出された旨の検出結果が入力されると、コントローラ40は屋外カメラ36により撮影された画像に対する画像認識処理を行う。すなわち、第1訪問者X及び第2訪問者Yがタッチセンサ39aに接触することにより、所定のエリアへの進入要求を発信することになる。この進入要求の発信により、訪問者の訪問に伴う解錠要求が生じるようになっている。
【0044】
コントローラ40には、各カメラ36~38が接続され、各カメラ36~38により撮影された画像(映像)が逐次入力される。コントローラ40は、各カメラ36~38により撮影された画像に対して画像認識処理を行い、その画像における人を特定する。
【0045】
例えば、第1訪問者X及び第2訪問者Yが所定のエリアへの進入要求を発信した場合、コントローラ40は、屋外カメラ36により撮影された画像に対する画像認識処理により、訪問者の顔を認識する。そして、コントローラ40は、記憶された複数の顔とその訪問者の顔とを照合して、記憶された第1訪問者X又は第2訪問者Yのいずれかの顔と訪問者の顔とが一致した場合、訪問者はその一致した顔の人(第1訪問者X又は第2訪問者Yのいずれか)であるとして特定され、その特定された人として認証される。
【0046】
よって、コントローラ40は、タッチセンサ39aからの検出結果(すなわち、所定のエリアへの進入要求)が入力され、屋外カメラ36により撮影された訪問者が第1訪問者X又は第2訪問者Yのいずれかであると認証されることにより、解錠要求が生じたと判定する。コントローラ40が第1判定手段に相当する。また、コントローラ40は、タッチセンサ39aからの検出結果が入力され、屋外カメラ36により撮影された訪問者が第2訪問者Yであると認証されることにより、訪問者が要介護者Rの介護者(すなわち、第2訪問者Y)であると判定する。よって、コントローラ40が面会許可者判定手段に相当する。
【0047】
同様にして、例えば、コントローラ40は、玄関内カメラ37(LDカメラ38、以下LDカメラ38の場合)により撮影された画像に対する画像認識処理により、玄関ホール13にいる人の顔(LD14bにいる人の顔)を認識する。そして、コントローラ40は、記憶された複数の顔とその玄関ホール13にいる人の顔(LD14bにいる人の顔)とを照合して、記憶された第1訪問者X、第2訪問者Y、見守り対象者T、要介護者R又は他のユーザのいずれかの顔と玄関ホール13にいる人の顔(LD14bにいる人の顔)とが一致した場合、その玄関ホール13にいる人(LD14bにいる人)はその一致した顔の人(第1訪問者X、第2訪問者Y、見守り対象者T、要介護者R又は他のユーザのいずれか)であるとして特定し、その特定された人として認証する。なお、コントローラ40が第2判定手段に相当する。
【0048】
コントローラ40には、各施錠装置31~34が接続され、各施錠装置31~34の施解錠はコントローラ40により制御されている。よって、コントローラ40は、玄関施錠装置31の解錠を許可する解錠許可手段と、キッチン施錠装置32の施解錠の状態を判定する第3判定手段と、キッチン施錠装置32を施錠する解錠制御手段とに相当する。
【0049】
なお、本実施形態では、間仕切24には電動式の開閉装置(図示略)が備えられており、例えば、コントローラ40の指示によりキッチン施錠装置32が施錠される際に間仕切24が開けられていた場合には開閉装置が駆動して、間仕切24を閉じられた(仕切った)状態とする。この場合、間仕切24を閉じた後、キッチン施錠装置32が施錠される。
【0050】
コントローラ40には、ディスプレイ45が接続されている。コントローラ40は、ディスプレイ45に対して通知要求を送信する。ディスプレイ45は、コントローラ40から通知要求を受信した場合、ディスプレイ45における表示処理とスピーカ45aにおける音声報知処理とを行う。これにより、コントローラ40は、見守り対象者Tに対してディスプレイ45により通知を行わせる(見守り対象者Tに対する通知処理)。よって、コントローラ40が報知手段に相当する。
【0051】
次に、コントローラ40により実行される施解錠制御処理について説明する。この施解錠制御処理は、住宅10側でユーザにより設定される訪問者応対モードに基づいて行われる。本実施形態では、訪問者応対モードは、以下の4つである;
・在宅モード:住宅10内にいるユーザが応対するモード;
・見守りモード(不在モード1):住宅10内にいる見守り対象者Tに対して保護しつつ、第1訪問者X及び第2訪問者Yに対して住宅10内に進入を許可するモード;
・お出かけモード(不在モード2):第1訪問者Xに対して住宅10内に進入を許可するモード;
・居留守モード(不在モード3):住宅10内にいるユーザに対して保護しつつ、第1訪問者Xに対して住宅10内に進入を許可するモード。
【0052】
本実施形態では、見守りモードは夫婦が不在の場合に設定されることが想定されており、見守り対象者Tを保護するために行われるモードである。また、本実施形態では、住宅10の通常状態としては、ユーザが在宅か不在かにかかわらず、玄関施錠装置31が施錠状態とされ、キッチン施錠装置32、LD施錠装置33及びSR施錠装置34が解錠状態とされている。
【0053】
以下、上記4つの訪問者応対モードを実行する方法について、
図3~
図6の制御処理の流れを示すフローチャートに基づき説明する。本処理は、所定の時間周期(例えば、0.5秒)で繰り返し実行される。
【0054】
図3に示すように、ステップS11では、訪問者による所定のエリアへの進入要求が検出されたか否か、すなわち、タッチセンサ39aにより検出結果が入力されたか否かを判定する。タッチセンサ39aにより検出結果が入力された場合、所定のエリアへの進入要求が検出されたとして、ステップS12へ進む。タッチセンサ39aにより検出結果が入力されていない場合、所定のエリアへの進入要求が検出されていないとして本処理を終了する。
【0055】
ステップS12では、住宅10側で設定された応対モードが在宅モードであるか否かを判定する。在宅モードである場合、本処理を終了する。本実施形態では、ステップS11におけるタッチセンサ39aの接触によってチャイム音が鳴るため、在宅モードである場合には、住宅10内にいるユーザが訪問者に気付くことができ、そのユーザが訪問者への応対をすることができる。在宅モードでない場合、ステップS13へ進む。
【0056】
ステップS13では、住宅10側で設定された応対モードが見守りモードであるか否かを判定する。見守りモードである場合、ステップS14へ進む。見守りモードでない場合、ステップS15へ進む。
【0057】
ステップS14では、見守りモード処理が行われる。見守りモード処理では、
図4に示すように、まず、ステップS21で、訪問者が第1訪問者Xであるか否か、すなわち、屋外カメラ36により撮影された画像において第1訪問者Xが認証されたか否かを判定する(第1判定手段に相当)。第1訪問者Xが認証された場合、訪問者は第1訪問者XであるとしてステップS22へ進む。第1訪問者Xが認証されていない場合、訪問者は第1訪問者XでないとしてステップS31へ進む。
【0058】
ステップS22では、見守り対象者Tが玄関ホール13にいるか否か、すなわち、玄関内カメラ37により撮影された画像において見守り対象者Tが認証されたか否かを判定する(第2判定手段に相当)。玄関内カメラ37により撮影された画像において見守り対象者Tが認証された場合、見守り対象者Tが玄関ホール13にいるとして、ステップS23へ進む。玄関内カメラ37により撮影された画像において見守り対象者T認証されない場合、見守り対象者Tは玄関ホール13にいないとして、ステップS24へ進む。
【0059】
ステップS23では、玄関ホール13にいる見守り対象者Tに対して退出を促す通知を行う(報知手段に相当)。すなわち、ディスプレイ45に対して退出を促す通知要求を送信する。ディスプレイ45は、ディスプレイ45における表示処理とスピーカ45aにおける音声報知処理を行う。例えば、ディスプレイ45には「第1訪問者Xが訪問したので玄関ホールから退出してください」と表示され、スピーカ45aから「玄関ホールから退出してください」という音声が発信される。その後、ステップS22に戻り、見守り対象者Tが玄関ホール13からいなくなるまでステップS22~S23を繰り返す。
【0060】
ステップS24では、LD施錠装置33及びSR施錠装置34が施錠される。続くステップS25では、玄関施錠装置31が解錠される。これにより、第1訪問者Xは、玄関ホール13内に進入できる。
【0061】
続くステップS26では、玄関ホール13に第1訪問者Xがいるか否かを判定する。すなわち、玄関内カメラ37により撮影された画像において第1訪問者Xが認証されたか否かを判定する。第1訪問者Xが認証された場合、第1訪問者Xが玄関ホール13にいるとして、ステップS26へ戻り、ステップS26の処理を繰り返す。第1訪問者Xが認証されない場合、第1訪問者Xは玄関ホール13にいないとして、ステップS27へ進む。
【0062】
ステップS27では、玄関施錠装置31が施錠される。続くステップS28では、LD施錠装置33及びSR施錠装置34が解錠される。これにより、住宅10内には進入不可な状態となり、住宅10内のユーザ(ここでは、見守り対象者T)が玄関ホール13内に進入できる。その後、見守りモード処理を終了し、
図3に戻り、施解錠処理を終了する。
【0063】
ステップS21で、訪問者が第1訪問者Xでないとされた場合、ステップS31へ進み、訪問者が第2訪問者Yであるか否かを判定する。すなわち、屋外カメラ36により撮影された画像において第2訪問者Yが認証されたか否かを判定する(面会許可者判定手段に相当)。第2訪問者Yが認証された場合、訪問者は第2訪問者YであるとしてステップS32へ進む。第2訪問者Yが認証されない場合、訪問者は第2訪問者Yでないとして見守りモード処理を終了し、
図3に戻り、施解錠処理を終了する。
【0064】
ステップS32では、要介護者Rが玄関ホール13又はLD14bのいずれかにいるか否か、すなわち、玄関内カメラ37又はLDカメラ38により撮影された画像において要介護者Rが認証されたか否かを判定する(第2判定手段に相当)。要介護者Rが認証されない場合、要介護者Rは玄関ホール13又はLD14bにいないとして、ステップS33へ進む。要介護者Rが認証された場合、要介護者Rが玄関ホール13又はLD14bのいずれかにいるとして、ステップS34へ進む。
【0065】
ステップS33では、住宅10内にいる要介護者Rに対して第2訪問者Y(介護者)の訪問通知を行う(報知手段に相当)。すなわち、ディスプレイ45に対して第2訪問者訪問の通知要求を送信する。ディスプレイ45は、ディスプレイ45における表示処理とスピーカ45aにおける音声報知処理を行う。例えば、ディスプレイ45には「第2訪問者Yが訪問したので玄関ホール又はリビングに移動してください」と表示され、スピーカ45aから「玄関ホール又はリビングに移動してください」という音声が発信される。その後、ステップS32に戻り、要介護者Rが玄関ホール13又はLD14bに移動する(すなわち、ステップS32で「玄関ホール13又はLD14bにいる」と判定される)までステップS32を繰り返す。
【0066】
ステップS34では、要介護者R以外の見守り対象者Tが玄関ホール13又はLD14bのいずれかにいるか否か、すなわち、玄関内カメラ37又はLDカメラ38により撮影された画像において要介護者R以外の見守り対象者Tが認証されたか否かを判定する(第2判定手段に相当)。要介護者R以外の見守り対象者Tが認証された場合、要介護者R以外の見守り対象者Tが玄関ホール13又はLD14bのいずれかにいるとしてステップS35へ進む。要介護者R以外の見守り対象者Tが認証されない場合、要介護者R以外の見守り対象者Tは玄関ホール13又はLD14bのいずれにもいないとしてステップS36へ進む。
【0067】
ステップS35では、玄関ホール13又はLD14bにいる要介護者R以外の見守り対象者Tに対して退出を促す通知を行う(報知手段に相当)。すなわち、ディスプレイ45に対して退出を促す通知要求を送信する。ディスプレイ45は、ディスプレイ45における表示処理とスピーカ45aにおける音声報知処理を行う。例えば、ディスプレイ45には「第2訪問者Yが訪問したので玄関ホール及びリビングから退出してください」と表示され、スピーカ45aから「玄関ホール及びリビングから退出してください」という音声が発信される。その後、ステップS34に戻り、要介護者R以外の見守り対象者Tが玄関ホール13及びLD14bからいなくなるまでステップS34~S35を繰り返す。
【0068】
ステップS36では、キッチン施錠装置32及びSR施錠装置34が施錠される。続くステップS37では、玄関施錠装置31が解錠される。なお、LD施錠装置33は、通常状態で解錠状態であるため、そのまま解錠状態が維持されればよい。これにより、第2訪問者Yは、玄関ホール13及びLD14b内に進入できる。
【0069】
続くステップS38では、第2訪問者YがLD14bにいるか否か、すなわち、LDカメラ38により撮影された画像において第2訪問者Yが認証されたか否かを判定する。第2訪問者Yが認証された場合、第2訪問者YがLD14bにいるとしてステップS39へ進む。第2訪問者Yが認証されない場合、第2訪問者YはLD14bにいないとしてステップS40へ進む。
【0070】
ステップS39では、玄関施錠装置31が施錠される。なお、玄関施錠装置31がいったん施錠状態となった後にはその状態が維持されればよい。
【0071】
ステップS40では、第2訪問者Yが玄関ホール13にいるか否か、すなわち、玄関内カメラ37により撮影された画像において第2訪問者Yが認証されたか否かを判定する。第2訪問者Yが認証された場合、第2訪問者Yが玄関ホール13にいるとしてステップS41へ進む。第2訪問者Yが認証されない場合、第2訪問者Yは玄関ホール13にいないとしてステップS42へ進む。
【0072】
ステップS41では、玄関施錠装置31が解錠される。なお、玄関施錠装置31がいったん解錠状態となった後にはその状態が維持されればよい。
【0073】
ステップS42では、玄関施錠装置31が施錠される。続くステップS43では、キッチン施錠装置32、LD施錠装置33及びSR施錠装置34が解錠される。なお、LD施錠装置33が解錠状態である場合は、そのまま解錠状態が維持されればよい。これにより、住宅10内には進入不可な状態となり、住宅10内のユーザ(ここでは、見守り対象者T)が玄関ホール13及びLD14b内に進入できる。その後、見守りモード処理を終了し、
図3に戻り、施解錠処理を終了する。
【0074】
ステップS13で見守りモードでないと判定された場合、ステップS15へ進み、お出かけモードであるか否かを判定する。お出かけモードである場合には、ステップS16へ進む。お出かけモードでない場合には、ステップS17へ進む。
【0075】
ステップS16では、お出かけモード処理が行われる。お出かけモード処理では、
図5に示すように、まず、ステップS51で、訪問者が第1訪問者Xであるか否か、すなわち、屋外カメラ36により撮影された画像において第1訪問者Xが認証されたか否かを判定する。第1訪問者Xが認証された場合、訪問者は第1訪問者XであるとしてステップS52へ進む。第1訪問者Xが認証されない場合、訪問者は第1訪問者Xでないとしてお出かけモード処理を終了し、
図3に戻り、施解錠処理を終了する。
【0076】
ステップS52では、LD施錠装置33及びSR施錠装置34が施錠される。続くステップS53では、玄関施錠装置31が解錠される。これにより、第1訪問者Xは、玄関ホール13内に進入できる。
【0077】
続いてステップS54では、玄関ホール13に第1訪問者Xがいるか否か、すなわち、玄関内カメラ37により撮影された画像において第1訪問者Xが認証されたか否かを判定する。第1訪問者Xが認証された場合、第1訪問者Xが玄関ホール13にいるとしてステップS54へ戻り、ステップS54の処理を繰り返す。第1訪問者Xが認証されない場合、第1訪問者Xは玄関ホール13にいないとしてステップS55へ進む。
【0078】
ステップS55では、玄関施錠装置31が施錠される。続くステップS56では、LD施錠装置33及びSR施錠装置34が解錠される。これにより、住宅10内には進入不可な状態となる。その後、お出かけモード処理を終了し、
図3に戻り、施解錠処理を終了する。
【0079】
ステップS15でお出かけモードでないと判定された場合、ステップS17へ進み、居留守モード処理が行われる。居留守モード処理では、
図6に示すように、まず、ステップS61で、訪問者が第1訪問者Xであるか否か、すなわち、屋外カメラ36により撮影された画像において第1訪問者Xが認証されたか否かを判定する。第1訪問者Xが認証された場合、訪問者は第1訪問者XであるとしてステップS62へ進む。第1訪問者Xが認証されない場合、訪問者は第1訪問者Xでないとしてお出かけモード処理を終了し、
図3に戻り、施解錠処理を終了する。
【0080】
ステップS62では、ユーザ(すなわち、全居住者)が玄関ホール13にいるか否か、すなわち、玄関内カメラ37により撮影された画像においてユーザが認証されたか否かを判定する(第2判定手段に相当)。ユーザが認証された場合、ユーザが玄関ホール13にいるとしてステップS63へ進む。ユーザが認証されない場合、ユーザは玄関ホール13にいないとしてステップS64へ進む。
【0081】
ステップS63では、玄関ホール13にいるユーザに対して退出を促す通知を行う(報知手段に相当)。すなわち、ディスプレイ45に対して退出を促す通知要求を送信する。ディスプレイ45は、ディスプレイ45における表示処理とスピーカ45aにおける音声報知処理を行う。例えば、ディスプレイ45には「第1訪問者Xが訪問したので玄関ホールから退出してください」と表示され、スピーカ45aから「玄関ホールから退出してください」という音声が警報音とともに発信される。その後、ステップS62に戻り、ユーザが玄関ホール13からいなくなるまでステップS62~S63を繰り返す。
【0082】
ステップS64では、LD施錠装置33及びSR施錠装置34が施錠される。続くステップS65では、玄関施錠装置31が解錠される。これにより、第1訪問者Xは、玄関ホール13内に進入できる。
【0083】
続くステップS66では、玄関ホール13に第1訪問者Xがいるか否か、すなわち、玄関内カメラ37により撮影された画像において第1訪問者Xが認証されたか否かを判定する。第1訪問者Xが認証された場合、第1訪問者Xが玄関ホール13にいるとしてステップS66へ戻り、ステップS66の処理を繰り返す。第1訪問者Xが認証されない場合、第1訪問者Xは玄関ホール13にいないとして、ステップS67へ進む。
【0084】
ステップS67では、玄関施錠装置31が施錠される。続くステップS68では、LD施錠装置33及びSR施錠装置34が解錠される。これにより、住宅10内には進入不可な状態となり、住宅10内のユーザが玄関ホール13内に進入できる。その後、居留守モード処理を終了し、
図3に戻り、施解錠処理を終了する。
【0085】
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0086】
・本実施形態によれば、住宅10に居住するユーザが第1訪問者Xと第2訪問者Yとに応対せずに(すなわち、鉢合わせせずに)、第1訪問者Xと第2訪問者Yとを住宅10内に進入させる不在モード1~3(見守りモード、お出かけモード、居留守モード)が設定できる。第1訪問者Xは、玄関ホール13への進入が許可されており、第2訪問者Yは、玄関ホール13とLD14bとへの進入が許可されている。この際、住宅10のユーザのうち、子と夫婦の親とが見守り対象者Tであること、及び見守り対象者Tのうち、夫婦の親が要介護者Rであることがあらかじめ定められている。これにより、ユーザの在宅状況に応じて第1訪問者Xと第2訪問者Yとを進入させるか否かを選択でき、利便性の向上を図ることができる。
【0087】
・本実施形態によれば、見守りモード及び居留守モードの場合、第1訪問者Xがインターホン39に設けられたタッチセンサ39aに接触することにより、第1訪問者Xが認証されて、コントローラ40により解錠要求が生じたと判定される。この場合、玄関ホール13にユーザ(見守りモードの場合は見守り対象者T、以下同じ)が存在していないこと、及びLD施錠装置33及びSR施錠装置34が施錠状態であることを条件として、玄関施錠装置31が解錠されて、第1訪問者Xは玄関ホール13内に進入できる。これにより、第1訪問者Xが住宅10の玄関ホール13に進入する場合において、第1訪問者Xが玄関ホール13以外(すなわちLDK14やスイッチルーム16等)に進入することを抑制しつつ、玄関ホール13での第1訪問者Xとユーザ(見守り対象者T)との鉢合わせが抑制できる。
【0088】
よって、在宅するユーザ(見守り対象者T)に対する安全が確保されつつ、かつ第1訪問者Xは住宅10内に進入でき、住宅10内で必要な業務を行うことができる。例えば、第1訪問者Xが宅配業者の場合、ユーザ(見守り対象者T)は、宅配業者に応対することなく、玄関ホール13を介して物品を受け取ることができる。第1訪問者Xがペットシッタの場合、ユーザ(見守り対象者T)は、ペットシッタに応対することなく、玄関ホール13においてペットのケアを受けることができる。これにより、利便性を損なわず、かつユーザに対する安全性の向上を図ることができる。
【0089】
・本実施形態によれば、見守りモードの場合、第2訪問者Yがインターホン39に設けられたタッチセンサ39aに接触することにより、第2訪問者Yが認証されて、コントローラ40により解錠要求が生じたと判定される。この場合、玄関ホール13又はLD14bに要介護者Rが存在していること、玄関ホール13及びLD14bに要介護者R以外の見守り対象者Tが存在していないこと、並びにキッチン施錠装置32及びSR施錠装置34が施錠状態であることを条件として、玄関施錠装置31及びLD施錠装置33が解錠されて、第2訪問者Yは玄関ホール13及びLD14b内に進入できる。これにより、第2訪問者Yが住宅10の玄関ホール13及びLD14bに進入する場合において、第2訪問者Yが玄関ホール13及びLD14b以外(すなわちキッチン14aやスイッチルーム16等)に進入することを抑制しつつ、玄関ホール13及びLD14bでの第2訪問者Yと要介護者R以外の見守り対象者Tとの鉢合わせが抑制でき、かつ、要介護者Rと第2訪問者Yとは玄関ホール13又はLD14bで面会が可能である。
【0090】
よって、在宅する要介護者R以外の見守り対象者Tに対する安全が確保されつつ、かつ第2訪問者Yは住宅10内に進入でき、住宅10内で必要な業務を行うことができる。例えば、第2訪問者Yが介護者の場合、要介護者R以外の見守り対象者Tは介護者に応対することなく、玄関ホール13とLD14bとで要介護者Rは介護者からのケアを受けることができる。
【0091】
・本実施形態によれば、居留守モード及び見守りモードにおいて第1訪問者Xが訪問してきた場合に、玄関ホール13内にユーザ(見守りモードの場合は見守り対象者T、以下同じ)がいると、スピーカ45aにより退出が促され、ユーザ(見守り対象者T)を玄関ホール13から退出させるよう導くことができる。また、見守りモードにおいて第2訪問者Yが訪問してきた場合に、玄関ホール13又はLD14b内に見守り対象者Tがいると、スピーカ45aにより退出が促され、見守り対象者Tを玄関ホール13及びLD14bから退出させるよう導くことができる。
【0092】
また、見守りモードにおいて第2訪問者Yが訪問してきた場合に、玄関ホール13又はLD14b内に要介護者Rがいないと、スピーカ45aにより玄関ホール13又はLD14bに移動するよう促され、要介護者Rを玄関ホール13又はLD14bに導くことができる。よって、本実施形態によれば、スピーカ45aによりユーザに行動を促すことができるため、結果として本システムを速やかにかつ確実に遂行できる。
【0093】
・本実施形態によれば、キッチン施錠装置32、LD施錠装置33及びSR施錠装置34はコントローラ40により施解錠が制御される。これにより、ユーザが設定したモードに応じて施錠装置32~34の施解錠状態を設定(施解錠)しておく必要がない。第1訪問者X又は第2訪問者Yが訪問してきた場合には、設定したモードに応じて自動で施錠装置32~34が施解錠され、本システムを確実に遂行することができる。
【0094】
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
【0095】
(1)上記実施形態では、居留守モードの場合には第2訪問者Yは住宅10内に進入できない構成とされていたが、居留守モードの場合であっても第2訪問者Yが住宅10内に進入できる構成としてもよい。この場合、居留守モードは、見守りモードのフローチャートにおいて、ステップS22の「見守り対象者T」を「ユーザ」に置き換え、ステップS34の「要介護者R以外の見守り対象者T」を「要介護者R以外のユーザ」に置き換える以外は、同様にして処理される。
【0096】
(2)上記実施形態では、タッチセンサ39aにより接触が検出され、屋外カメラ36により撮影された画像により第1訪問者X又は第2訪問者Yを認証されることにより解錠要求が生じたと判定される構成としたが、解錠要求が生じたとされる方法はこれに制限されない。例えば、住宅10側に通信装置が備えられており、固有のID情報を記憶するICタグを第1訪問者X及び第2訪問者Yが携帯するものとする。この場合、ICタグからのID情報を通信装置を介してコントローラ40が受信することにより、第1訪問者X及び第2訪問者Yが認証され、これによりコントローラ40は解錠要求が生じたと判定してもよい。または、住宅10側(屋外側)に数字キーが備えられており、第1訪問者X及び第2訪問者Yがそれぞれ所定の数字列を入力することによりコントローラ40は解錠要求が生じたと判定してもよい。
【0097】
(3)上記実施形態では、玄関内カメラ37及びLDカメラ38により撮影された画像に基づいてユーザ(見守り対象者T、要介護者Rを含む)が玄関ホール13及びLD14bにいるか否かを判定する構成としたが、他の手段による検出結果に基づいてユーザが玄関ホール13及びLD14bにいるか否かを判定してもよい。例えば、上記(2)のICタグを各ユーザが携帯し、玄関ホール13及びLD14bに通信装置を設けることにより、各ユーザが玄関ホール13及びLD14bにいるか否かを検出(判定)することができる。
【0098】
(4)上記実施形態では、玄関ホール13から住宅10の内側へと出入りする出入口を2つ設け、玄関ホール13からLD14bとスイッチルーム16とに出入りできる構成としたが、玄関ホール13から住宅10の内側へと出入りする出入口は1つ(LD14bへ出入りする出入口25)であってもよい。
【0099】
(5)上記実施形態では、第1訪問者Xが進入可能なエリア(すなわち、玄関ホール13)と第2訪問者Yと進入可能なエリア(玄関ホール13及びLD14b)とが異なっていたが、当該エリアは同一であってもよい。
【0100】
(6)上記実施形態では、見守りモードにおいて、第2訪問者Yが訪問してきた場合に、玄関ホール13又はLD14bに要介護者R以外の見守り対象者Tがいると、要介護者R以外の見守り対象者Tが退出するまで第2訪問者Yに対して進入が許可されていないが、第2訪問者Yの進入許可の条件はこれに制限されない。例えば、要介護者Rと要介護者R以外の見守り対象者TとがLD14bにいる場合、要介護者Rと要介護者R以外の見守り対象者Tとが玄関ホール13にいる場合、など、要介護者Rと要介護者R以外の見守り対象者Tとが同じエリアにいる場合には第2訪問者Yに対して進入が許可されてもよい。
【0101】
(7)上記実施形態では、建物として戸建ての住宅10を対象とする施解錠システムを説明したが、本発明の防犯システムの適用対象となる建物は戸建ての住宅10に制限されず、例えば、集合住宅であってもよい。
【0102】
この場合、集合住宅内において、外側エリア及び内側エリアからなる第1屋内エリアと、第2屋内エリアとは、例えば
図7に示すように定められているとよい。
図7では、集合住宅100内において、一階部分110には共有エントランス101と、共有スペース102とが設けられ、二階部分120と三階部分130とには、共有スペース102と、各世帯ごとの住居121,131とが設けられている。一階の共有スペース102から二階及び三階の共有スペース102には、階段(図示略)によりアクセスできるようになっている。一階部分110において、共有エントランス101と共有スペース102との間には、例えば自動ドアが設けられており、自動ドアには許可された者の通行を可能とするオートロックシステムが適用されている。
【0103】
各世帯ごとの住居121,131には、屋内空間として、各玄関ホール122,132と、各介護エリア123,133と、各プライベートエリア124,134とが設けられおり、これら各空間122~124,132~134は、それぞれ壁で仕切られている。その各空間122~124,132~134を仕切る壁の各開口部(図示略)には、ドア(図示略)がそれぞれ設けられ、各ドアには施錠装置(図示略)がそれぞれ設けられている。
【0104】
また、二階及び三階の共有スペース102と各玄関ホール122,132との間は壁で仕切られており、この壁の各開口部(図示略)には、ドア(図示略)がそれぞれ設けられ、各ドアには施錠装置(図示略)がそれぞれ設けられている。
【0105】
図7においては、玄関ホール122,132が外側エリアに相当し、各介護エリア123,133が内側エリアに相当する。よって、玄関ホール122,132と、各介護エリア123,133とを含むエリアが第1屋内エリアに相当し、各プライベートエリア124,134を含むエリアが第2屋内エリアに相当する。なお、第1~第3施錠装置は図示を省略したが、共有スペース102と各玄関ホール122,132との間に設けられた施錠装置が第1施錠装置に相当し、各玄関ホール122,132と、各介護エリア123,133との間に設けられた施錠装置が第3施錠装置に相当し、各介護エリア123,133と、各プライベートエリア124,134との間に設けられた施錠装置が第2施錠装置に相当する。
【0106】
図7においては、共有エントランス101に宅配ボックス103が設けられている。したがって、宅配物は、宅配ボックス103に預け入れることも可能であるが、宅配業者が第1訪問者Xの場合には、各玄関ホール122,132まで宅配物を届けることも可能である。
【0107】
(8)上記実施形態では、特定者は要介護者Rであり、面会許可者は介護業者であるが、特定者は見守り対象者Tのいずれかであればよい。例えば、特定者が子の場合、面会許可者としてはベビーシッタ、チャイルドシッタ、チャイルドサポート等の子の預かり、送迎を行う業者である。この場合、特定者である子が玄関ホール13又はLD14bにいる場合において、面会許可者であるチャイルドサポート等の業者が訪問してタッチセンサ39aを接触すると、その業者が認証されて、玄関ホール13及びLD14bに進入が許可される。
【符号の説明】
【0108】
10…住宅、13…玄関ホール、14…LDK、14a…キッチン空間、14b…リビングダイニング空間、21…玄関口、22…玄関ドア、23…出入口、24…間仕切、25…出入口、26…LDドア、27…出入口、28…SRドア、31…玄関施錠装置、32…キッチン施錠装置、33…LD施錠装置、34…SR施錠装置、36…屋外カメラ、37…玄関内カメラ、38…LDカメラ、40…コントローラ、45…ディスプレイ、45a…スピーカ。