(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-18
(45)【発行日】2022-11-29
(54)【発明の名称】建具、及び、網材の固定方法
(51)【国際特許分類】
E06B 9/52 20060101AFI20221121BHJP
E06B 3/38 20060101ALI20221121BHJP
【FI】
E06B9/52 E
E06B9/52 F
E06B3/38
E06B9/52 C
(21)【出願番号】P 2019091874
(22)【出願日】2019-05-15
【審査請求日】2021-11-01
(73)【特許権者】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】石川 修一
(72)【発明者】
【氏名】高見 綾一
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】実開昭57-174697(JP,U)
【文献】特開2000-054741(JP,A)
【文献】特開2010-159589(JP,A)
【文献】特開平09-025771(JP,A)
【文献】登録実用新案第3040394(JP,U)
【文献】特開2004-149115(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109138812(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 3/04-3/46
E06B 3/50-3/52
E06B 9/52-9/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内側に開く障子と、
前記障子の下端部を揺動自在に支持し、前記障子により閉止される開口を備えた枠体と、
前記開口を前記障子の室外側にて覆う網、及び、前記網の外周部に設けられ前記網より剛性が高い縁部、を有する網材と、
を有し、
前記枠体は、前記開口の室内側に前記網材の載置部と、前記開口を覆う状態で前記網材を係止する係止部と、
開いた状態の前記障子における上面の延長線上に、前記網材の下端部が収容され、前記載置部を備えた収容部と、
を有し、
前記縁部は、前記係止部に係止される被係止部を有しており、
前記網材は、開いた前記障子上に載置されると共に前記下端部が前記収容部に収容された状態で、前記障子と共に揺動可能であり、前記障子を閉じた状態で、前記載置部に載置されて前記被係止部が前記係止部に係止されていることを特徴とする建具。
【請求項2】
請求項
1に記載の建具であって、
前記障子には、当該障子に対する前記網材の傾きを補正するガイドが設けられていることを特徴とする建具。
【請求項3】
請求項1
または請求項2に記載の建具であって、
前記係止部は、面ファスナーの雄係止要素及び雌係止要素のうちのいずれか一方であり、
前記被係止部は、前記雄係止要素及び前記雌係止要素のうちの他方であることを特徴とする建具。
【請求項4】
請求項
1乃至請求項
3のいずれかに記載の建具における前記網材の固定方法であって、
開いている前記障子上に前記網材を載置する載置ステップと、
前記障子を閉じて前記網材を前記載置部に載置し、前記被係止部を前記係止部に係止する係止ステップと、
を有することを特徴とする網材の固定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内側に開く障子を有する建具に関する。
【背景技術】
【0002】
室内側に開く障子を有する建具としては、例えば、躯体に固定される窓枠と、この窓枠にヒンジ機構によって下框が連結され、室内側に倒して開放可能な障子を備えた内倒し窓が知られている(例えば、特許文献1参照)。この内倒し窓に網戸を取り付ける場合には、障子を開き、障子の室外側に上方から網戸を挿入し、窓枠が有する開口部から網戸を室外側へ押し出して取り付けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の建具のように、網戸を取り付ける際に、網戸を窓枠が有する開口部から室外側へ押し出すので、網戸を室外側に誤って落下させる虞がある。特に障子が室内側に開く内倒し窓では、開いた障子が網戸の取り付け作業の妨げとなり作業し辛いので、より障子を落下させる可能性が高いという課題がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、網材が取り付け易い建具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的を達成するための主たる発明は、室内側に開く障子と、前記障子の下端部を揺動自在に支持し、前記障子により閉止される開口を備えた枠体と、前記開口を前記障子の室外側にて覆う網、及び、前記網の外周部に設けられ前記網より剛性が高い縁部、を有する網材と、を有し、前記枠体は、前記開口の室内側に前記網材の載置部と、前記開口を覆う状態で前記網材を係止する係止部と、を有し、前記縁部は、前記係止部に係止される被係止部を有することを特徴とする建具である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、網材が取り付け易い建具を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】開いた障子に載置される網材を示す図である。
【
図6】
図6(a)は、開いた障子上に網材を載置する載置ステップを示す図、
図6(b)は、網材の下端部を収容部内に挿入する挿入ステップを示す図、
図6(c)は、障子を閉じて網材を取り付ける係止ステップを示す図、
図6(d)は、網材が取り付けられて障子が開かれている状態を示す図である。
【
図7】
図7(a)は、ガイドの第1変形例を示す図、
図7(b)は、ガイドの第2変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の第一実施形態に係る建具について図面を参照して説明する。
本実施形態の建具は、矩形状の枠体に対して、矩形状の障子の下端が揺動自在に支持されており、閉じた状態の障子が揺動し上部側が室内側に移動することにより障子が倒れて開放される内倒し窓用の建具(以下、単に建具という)である。
【0009】
以下の説明においては、建物等に取り付けられている建具1の上下となる方向を上下方向、左右となる方向を左右方向、奥行き方向を見込み方向として示す。建具1の各部位であっても、また、建具1をなす各部材が単体の状態であっても、取り付けられた状態にて上下方向、左右方向、見込み方向となる方向にて方向を特定して説明する。
【0010】
建具1は、
図1、
図2に示すように、矩形状に枠組みされて開口10aを形成する枠体10と、矩形状のガラス2aの周りを囲む矩形状の框体20を有し開口10aを閉止可能な障子2と、障子2の室外側にて枠体10に取り付けられる網材3と、を有している。以下の説明においては、枠体10に対して、閉じた障子2が位置する側を内周側、反対側を外周側とし、框体20に対しては、ガラス2aが位置する側が内周側、枠体10が位置する側を外周側として説明する。
【0011】
枠体10は、上下に配置される上枠材11及び下枠材12と、左右に配置される2本の縦枠材13とが枠組みされており、開口10aを形成している。各枠材11、12、13はいずれもアルミニウム等の金属製や合成樹脂製の押し出し成形材である。各枠材11、12、13には、外周側に突出して躯体(不図示)に固定され、ヒレ状をなす外周突出部11a、12a、13aが室内寄りに設けられている。各外周突出部11a、12a、13aは、見込み方向において同じ位置に設けられており、同一平面を形成する。
【0012】
また、枠体10には、内周側に突出する内周突出部11b、12b、13bが室外寄りに設けられている。各内周突出部11b、12b、13bの、突出している先端側すなわち内周側には、閉じた状態の障子2の框体20に当接されるシール材4が各々ほぼ全長にわたって設けられている。このため、障子2を閉じたときには、矩形状をなす框体20の室外側の面2bにシール材4が全周にわたって当接され気密・水密される。
【0013】
下枠材12には、内周突出部12bの先端、すなわち、シール材4よりも内周側に網材3の下端部3aが収容される溝状の収容部12cが設けられている。また、下枠材12には、内周突出部12bよりも室内側に、障子2の下端に設けられた被支持部2cを揺動自在に支持する揺動支持部12dが設けられている。
【0014】
収容部12cは、内周突出部12bに設けられているシール材4の嵌合部12eの上側の部位を収容部12cの底部12fとし、底部12fの室内側の縁から上方に延出された室内延出部12gと、底部12fの室外側の縁から上方に延出された室外延出部12hと、室外延出部12hの上縁から室内側に延出された上端延出部12i、とを有している。室外延出部12hは、室内延出部12gよりも上方まで延出されており、上端延出部12iの先端と、室内延出部12gの先端との間は、室内側に向かって開放された収容部開口12jをなしている。
【0015】
収容部開口12jは、開いた状態の障子2の上面(室外側の面)2bの延長線上に位置するように配置されている。収容部12cには、底部12f上に網材3が載置される載置部をなす載置部材6が設けられている。載置部材6は、左右方向の長さが下枠材12よりも短いブロック状をなす部材である。ここで、載置部材6は、必ずしも設けられていなくともよく、載置部材6が設けられていない場合には、底部12fが、網材3が載置される載置部となる。
【0016】
枠体10の上枠材11及び左右の縦枠材13には、内周突出部11b、13bの先端、すなわち、シール材4よりも内周側に、網材3を係止する係止部としての面ファスナー5の雌係止要素5aが室内側に設けられている。すなわち、面ファスナー5の雌係止要素5aは、枠体10の室内側に、当該枠体10が形成する開口10aに沿うように、コ字状に配置されている。ここで、上枠材11、下枠材12、及び、左右の縦枠材13が有する内周突出部11b、12b、13bの先端にて囲まれている空間が、枠体10が形成する開口10aに相当する。
【0017】
障子2を構成する框体20は、上下に配置される上框材21及び下框材22と、左右に配置される2本の縦框材23とを有し、左右の縦框材23間の上端部間及び下端部間にそれぞれ上框材21及び下框材22が介在されて矩形状に框組みされている。上框材21、下框材22および2本の縦框材23はいずれもアルミニウム等の金属製や合成樹脂製の押し出し成形材である。上框材21、下框材22および2本の縦框材23の内周側に設けられた溝部にガラス2aの外周部がガスケット7を介して収容されている。
【0018】
上框材21及び下框材22と、左右の縦框材23とが接合された框体20は、室外側の面2bが、同一平面をなすように接合されている。また、下框材22の外周側には、前述した被支持部2cが設けられており、上框材21には室内側に、上枠材11に設けられたラッチ係合部11cと解除可能に係合し、障子2を閉じた状態に維持するラッチ機構8が設けられている。
【0019】
左右の縦框材23の下端には、
図3に示すように、障子2に網材3を取り付ける際に、障子2に対する網材3の位置及び傾きを補正するガイド9が各々設けられている。ガイド9は、例えば、合成樹脂製のブロック状をなしており、左右の縦框材23の下端に下方から装着され、
図4に示すように、縦框材23の内側でビス止めされるように構成されている。左右の縦框材23に取り付けられるガイド9は、互いに左右が反転した対称形状をなしている。
【0020】
ビス止めされたガイド9は、網材3を案内するガイド部9aが室外側に露出している。ガイド部9aは、下側が、縦框材23の長手方向に沿うように網材3を案内する下ガイド部9bをなし、下ガイド部9bと繋がった上側の部位は、上方に向かって框体20の外周側に位置するように傾斜する上ガイド部9cをなしている。そして、左右の縦框材23にガイド9を各々取り付けると、2つの下ガイド部9bの間隔が、網材3の幅よりも僅かに広く、2つの上ガイド部9c間は、上方に向かって間隔が広がるように構成されている。
【0021】
網材3は、開口10aを覆う網30と、広げられた網30の外周部に設けられ矩形状をなす縁部としての網材フレーム31と、を有している。網材フレーム31は、合成樹脂等、網30よりも剛性が高い部材であり、矩形状をなす網30の各辺に沿って配置される4本のフレーム材31aと、隣接するフレーム材31aの端部間を連結するする角枠材31bとを有している。フレーム材31aと角枠材31bとは、互いに隣接するフレーム材31aの端部同士が角枠材31bにより接合されて内側に網枠開口31cが形成されている。網枠開口31cは、枠体10が形成する開口10aよりも小さい。
【0022】
4本のフレーム材31aが接合された網材フレーム31の室外側の面は、平坦であり、網枠開口31cを室外側から覆う網30の周縁部が網材フレーム31に全周にわたって、溶着または接着されている。網30が取り付けられた網材フレーム31の室外側の面には、網材フレーム31に沿って被係止部としての面ファスナー5の雄係止要素5bが矩形状をなすように設けられている。面ファスナー5の雄係止要素5bは、室外側に突出させて設けられている。ここで、網材3の下端部3aは、下枠材12の収容部12cに収容されるため、網材3の下端部側には面ファスナー5の雄係止要素5bを設けなくてもよいが、下端部側にも面ファスナー5の雄係止要素5bを設けておくことにより、網材3の上下を問わずに取り付けられるので、施工性が向上する。
【0023】
次に、本実施形態における網材3の固定方法について説明する。網材3は、枠体10が躯体に固定され、障子2が枠体10に揺動自在に支持されている状態で取り付ける。
【0024】
網材3を取り付ける場合には、
図6(a)に示すように、まず、閉じている障子2の上部に設けられているラッチ機構8を解除し、障子2の上部を室内側に移動して障子2を開いた状態とする(開放ステップ)。このとき、障子2はストッパーにより支持されて、枠体10に支持されている障子2の下端側が、屋内側に位置する障子2の上部よりも低くなるように傾斜している。
【0025】
次に、開いている障子2の上面となる室外側の面2b上に、網材3を載置する。このとき、網材3の網30が取り付けられている側、すなわち、面ファスナー5の雄係止要素5bが突出している側を上側に向け、網材3の網材フレーム31側を障子2側となる下側に向けて載置する(載置ステップ)。
【0026】
次に、
図3に示すように、網材3を障子2の室外側の面2b、及び、左右のガイド9に沿って下方に移動し、
図6(b)に示すように、網材3の下端部3aを収容部開口12jから収容部12c内に挿入する(挿入ステップ)。
【0027】
次に、
図6(c)に示すように、障子2を閉じることにより、障子2と共に載置されている網材3も移動する。このとき、網材3の下端部3aは、収容部12c内にて載置部材6上に載置され、網材3は障子2と共に鉛直方向に沿う姿勢となる。このとき、網材3の面ファスナー5の雄係止要素5bが枠体10の面ファスナー5の雌係止要素5aに係止され、網材3が枠体10取り付けられる(係止ステップ)。このため、
図6(d)に示すように、障子2を再び開いても網材3は枠体10に取り付けられている状態が維持される。枠体10に取り付けられた網材3は、下端部3aの網材フレーム31の室内側の面が、室内延出部12gに当接または近接して対向し、網材3の室外側の面が、上端延出部12iの先端に当接または近接して対向する。
【0028】
本実施形態の建具1によれば、枠体10が備える開口10aを覆う網材3を、開口10aの室内側に設けられた載置部材6に載置し、開口10aの室内側に設けられた面ファスナー5の雌係止要素5aに網材3の面ファスナー5の雄係止要素5bが係止されて網材3が開口10aを覆うので、網材3を開口10aよりも室外側に移動させることなく枠体10に取り付けることが可能である。このため、より取り付け易い網材3を備えた建具1を提供することが可能である。また、網枠開口31cは、枠体10が形成する開口10aよりも小さく形成されているので、障子2を閉じた際には、室内側から開口10aを形成する枠体10は見え難いので意匠性にも優れている。
【0029】
また、枠体10は、障子2を開いた状態で、障子2の上面2bの延長線上に、網材3の下端部3aが収容され、載置部材6を備えた収容部12cを有しているので、開いている障子2の上に網材3を載置し、網材3を下方に移動させることにより下端部3aを、載置部材6が設けられている収容部12c内に収容することが可能である。
【0030】
また、網材3は、下端部3aが収容部12cに収容された状態で、障子2と共に揺動可能であり、障子2を閉じた状態で、載置部材6に載置されて網材3の面ファスナー5の雄係止要素5bが枠体10の面ファスナー5の雌係止要素5aに係止される。このため、下端部3aを収容した状態で障子2を閉じることにより、網材3の下端部3aを載置部材6に載置し、網材3の面ファスナー5の雄係止要素5bを枠体10の面ファスナー5の雌係止要素5aに係止することが可能である。すなわち、障子2を閉じることにより網材3を枠体10に取り付けることが可能である。
【0031】
また、障子2に対する網材3の位置及び傾きを補正するガイド9が障子2に設けられているので、網材3を障子2に対する適切な姿勢にて障子2上に載置し、下端部3aを収容部12cに収容することが可能である。
【0032】
また、上記実施形態においては、網材フレーム31の室外側の面に、面ファスナー5の雄係止要素5bが矩形状をなすように設けられ、枠体10の室内側に、面ファスナー5の雌係止要素5aが開口10aに沿うようにコ字状に設けられている例について説明したが、これに限るものではない。例えば、網材フレーム31には、室外側の面の四隅など、網材フレーム31における周縁部の一部に面ファスナー5の雄係止要素5bが設けられており、枠体10には、障子2と共に移動して鉛直方向に沿う姿勢となった状態の網材3の面ファスナー5の雄係止要素5bと対向する位置に、面ファスナー5の雌係止要素5aが設けられている形態であっても、網材3を枠体10に係止可能であれば構わない。
【0033】
また、網材3を、雌係止要素5a及び雄係止要素5bでなる面ファスナー5で枠体10に係止するので、枠体10の雌係止要素5aに網材3の雄係止要素5bを押圧するだけで網材3を枠体10に取り付けることが可能である。また、網材3の枠体10からの取り外しも容易である。ここで、面ファスナー5は、網材3に雌係止要素5a、枠体10に雄係止要素5bが設けられていても構わない。
【0034】
また、本実施形態の網材3の固定方法によれば、開いている障子2の上に網材3を載置し、スライドさせて下端部3aを収容部12c内に収容し、障子2を閉じることにより、網材3の下端部3aを載置部材6に載置し、雄係止要素5bを雌係止要素5aに係止することが可能である。このため、網材3を障子2上に載置して障子2を閉じるだけで網材3を枠体10に容易に取り付けることが可能である。
【0035】
上記実施形態においては、網材3を案内するガイド9のガイド部9aが、縦框材23の長手方向に沿う下ガイド部9bと、下ガイド部9bと繋がって傾斜する上ガイド部9cとを有している例について説明したが、これに限るものではない。例えば、
図7(a)に示すように、ガイド部90aが縦框材23の長手方向に沿う中間ガイド部90bと、中間ガイド部90bの上下にそれぞれ上端または下端に向かって框体20の外周側に位置するように傾斜する傾斜ガイド部90cを有しており、障子2の室外側の面2bに取り付け可能なガイド9であっても構わない。
【0036】
この場合には、左右の縦框材23に同一のガイド90を取り付けることができるので、コストを抑えることが可能である。また、
図7(b)に示すように、左右の縦框材23の室外側に長手方向に沿って突出する突起片23aを、網材3を案内するガイドとしても構わない。この場合には、部材の点数及び組み立て工数を減らすことにより、更にコストを抑えることが可能である。
【0037】
また、上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
【0038】
本実施形態には、少なくとも以下の発明が含まれる。
室内側に開く障子と、前記障子の下端部を揺動自在に支持し、前記障子により閉止される開口を備えた枠体と、前記開口を前記障子の室外側にて覆う網、及び、前記網の外周部に設けられ前記網より剛性が高い縁部、を有する網材と、を有し、前記枠体は、前記開口の室内側に前記網材の載置部と、前記開口を覆う状態で前記網材を係止する係止部と、を有し、前記縁部は、前記係止部に係止される被係止部を有することを特徴とする建具である。
【0039】
このような建具によれば、枠体が備える開口を覆う網材を、開口の室内側に設けられた載置部に載置し、開口の室内側に設けられた係止部に被係止部が係止されて網材が開口を覆うので、網材を開口よりも室外側に移動させることなく枠体に取り付けることが可能である。このため、より取り付け易い網材を備えた建具を提供することが可能である。
【0040】
かかる建具であって、前記枠体は、開いた状態の前記障子における上面の延長線上に、前記網材の下端部が収容され、前記載置部を備えた収容部を有し、前記網材は、開いた前記障子上に載置されると共に前記下端部が前記収容部に収容された状態で、前記障子と共に揺動可能であり、前記障子を閉じた状態で、前記載置部に載置されて前記被係止部が前記係止部に係止されていることを特徴とする。
【0041】
このような建具によれば、枠体は、開いた状態の障子における上面の延長線上に、網材の下端部が収容され、載置部を備えた収容部を有しているので、開いている障子の上に網材を載置し、網材をスライドさせることにより下端部を、載置部が設けられている収容部内に収容することが可能である。また、網材は、下端部が収容部に収容された状態で、障子と共に揺動可能であり、障子を閉じた状態で、載置部に載置されて被係止部が係止部に係止されるので、下端部を収容した状態で障子を閉じることにより、網材の下端部を載置部に載置し、被係止部を係止部に係止することが可能である。すなわち、障子を閉じることにより網材を枠体に取り付けることが可能である。
【0042】
かかる建具であって、前記障子には、当該障子に対する前記網材の傾きを補正するガイドが設けられていることを特徴とする。
このような建具によれば、障子に対する網材の傾きを補正するガイドが障子に設けられているので、網材を障子に対する適切な姿勢にて障子上に載置し、下端部を収容部に収容することが可能である。
【0043】
かかる建具であって、前記係止部は、面ファスナーの雄係止要素及び雌係止要素のうちのいずれか一方であり、前記被係止部は、前記雄係止要素及び前記雌係止要素のうちの他方であることを特徴とする。
【0044】
このような建具によれば、係止部と被係止部との一方が、面ファスナーの雄係止要素であり、他方が面ファスナーの雌係止要素なので、枠体の係止部に網材の被係止部を押圧するだけで面材を枠体に取り付けることが可能である。また、面材の枠体からの取り外しも容易である。
【0045】
また、上記建具における前記網材の固定方法であって、開いている前記障子上に前記網材を載置する載置ステップと、前記障子を閉じて前記網材を前記載置部に載置し、前記被係止部を前記係止部に係止する係止ステップと、を有することを特徴とする網材の固定方法である。
【0046】
このような網材の固定方法によれば、開いている障子の上に網材を載置し、スライドさせて下端部を収容部内に収容し、障子を閉じることにより、網材の下端部を載置部に載置し、被係止部を係止部に係止することが可能である。このため、網材を障子上に載置して障子を閉じるだけで網材を枠体に容易に取り付けることが可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 建具、2 障子、2b 障子の上面(室外側の面)、2c 被支持部、
3 網材、3a 下端部、5 面ファスナー、5a 雌係止要素、
5b 雄係止要素、6 載置部材、9 ガイド、10 枠体、
10a 開口、12c 収容部、突起片23a、30 網、31 網材フレーム、
90 ガイド、