(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-18
(45)【発行日】2022-11-29
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/14 20060101AFI20221121BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20221121BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20221121BHJP
【FI】
G08G1/14 A
G06Q50/10
G08G1/09 F
(21)【出願番号】P 2019098064
(22)【出願日】2019-05-24
(62)【分割の表示】P 2018154255の分割
【原出願日】2018-08-20
【審査請求日】2021-02-19
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 晃輔
【審査官】武内 俊之
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-209779(JP,A)
【文献】特開2009-276927(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/14
G06Q 50/10
G08G 1/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場内の車両が駐車するか退場するかを判別する判別部と、
前記判別部で判別された前記駐車場に駐車しようとする車両に対して、前記駐車場の中で空いている駐車スペースに関する空きスペース情報を通知する通知部と、
を備え、
前記通知部は、前記駐車場に駐車しようとする車両のうち、前記駐車場から退場しようとする車両とすれ違った車両に限定し、前記退場しようとする車両が駐車していた1台単位の駐車スペースの位置に関する情報を前記空きスペース情報として通知する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記判別部は、前記駐車場に付随する施設をユーザが利用しているか否かに関する情報に基づいて、駐車場内の車両が駐車するか退場するかを判別する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記判別部は、前記車両内で案内処理を実行するアプリケーションにおいて、自宅または他の施設が目的地として入力されている場合に、当該車両を前記駐車場から退場しようとする車両と判別する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記判別部は、前記車両内で案内処理を実行するアプリケーションにおいて、前記駐車場に付随する施設が目的地として入力されている場合に、当該車両を前記駐車場に駐車しようとする車両と判別する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記通知部は、前記駐車場から退場しようとする車両が前記駐車場に駐車しようとする車両と所定の時間以上すれ違わなかった場合、前記駐車場に駐車しようとする車両のすべてに前記空きスペース情報を通知する、
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記通知部は、前記駐車場から退場しようとする車両が前記駐車場に駐車しようとする車両とすれ違わずに退場した場合、その後前記駐車場に駐車しようと入場する車両に前記空きスペース情報を通知する、
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
駐車場内の車両が駐車するか退場するかを判別する判別工程と、
前記判別工程で判別された前記駐車場に駐車しようとする車両に対して、前記駐車場の中で空いている駐車スペースに関する空きスペース情報を通知する通知工程と、
を含み、
前記通知工程は、前記駐車場に駐車しようとする車両のうち、前記駐車場から退場しようとする車両とすれ違った車両に限定し、前記退場しようとする車両が駐車していた1台単位の駐車スペースの位置に関する情報を前記空きスペース情報として通知する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
駐車場内の車両が駐車するか退場するかを判別する判別手順と、
前記判別手順で判別された前記駐車場に駐車しようとする車両に対して、前記駐車場の中で空いている駐車スペースに関する空きスペース情報を通知する通知手順と、
をコンピュータに実行させ、
前記通知手順は、前記駐車場に駐車しようとする車両のうち、前記駐車場から退場しようとする車両とすれ違った車両に限定し、前記退場しようとする車両が駐車していた1台単位の駐車スペースの位置に関する情報を前記空きスペース情報として通知する
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車載端末やモバイル端末等を用いたナビゲーション(以下、「案内」ともいう。)を行う際、店舗などの施設に付属する駐車場の空きスペースに関する情報を表示する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来技術では、ゲートなどを通って入場する際にしか駐車場の空きスペースに関する情報を取得することができない。したがって、通知された空きスペースが入場した後に埋まった場合には、駐車場内でさらに空きスペースを探す手間が発生するという不具合があった。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、駐車場内を走行する車両に対して空きスペースに関する情報を通知することができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、判別部と、通知部とを備える。判別部は、駐車場内の車両が駐車するか退場するかを判別する。通知部は、前記判別部で判別された前記駐車場に駐車しようとする車両に対して、前記駐車場の中で空いている駐車スペースに関する空きスペース情報を通知する。また、前記通知部は、前記駐車場に駐車しようとする車両のうち、前記駐車場から退場しようとする車両とすれ違った車両に限定し、前記退場しようとする車両が駐車していた1台単位の駐車スペースの位置に関する情報を前記空きスペース情報として通知する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、駐車場内を走行する車両に対して空きスペースに関する情報を通知することができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理方法の一例を示す説明図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示す説明図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る駐車場データベースの一例を示す説明図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る車両データベースの一例を示す説明図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係るユーザデータベースの一例を示す説明図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る情報処理装置の制御部が実行する処理を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1.情報処理方法〕
まず、実施形態に係る情報処理装置1が行う情報処理方法について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理方法の一例を示す説明図である。情報処理装置1は、インターネットなどのネットワークN(
図2参照)を介して、車両Cと各種情報の送受信を行うサーバ等の情報処理装置である。
【0011】
車両Cは、ユーザによって運転される車やバイク等の車両である。また、車両Cは、情報処理装置1と通信を行うことができる端末装置を有し、車両Cの速度や位置を示すプローブデータを情報処理装置1に送信する。
【0012】
車両Cが有する端末装置は、各種サービスを利用するユーザが使用する端末装置である。例えば、かかる端末装置は、タブレット端末、PC、PDA、スマートフォン、車載されたカーナビゲーションシステム等、任意の情報処理装置が適用される。
【0013】
また、かかる端末装置は、3G(Generation)、4G、LTE(Long Term Evolution)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)等の無線通信網や、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)などの近距離無線通信を介してネットワークNに接続し、情報処理装置1と通信することができる。
【0014】
そして、情報処理装置1は、
図1の(a)に示すように、ネットワークN等を介して、対象となる駐車場Pを利用するユーザ、すなわち駐車場Pに付随する施設Fを利用するユーザの行動、若しくは当該行動に対して影響を及ぼし得る事象を示す情報(以下、「行動情報」ともいう。)を取得する(ステップS1)。
【0015】
例えば、
図1の(a)に示すように、対象となる施設Fには、所定の箇所(例えば、レジ横や出口)にビーコン(Beacon)Bが設置される。そして、情報処理装置1は、例えば、かかるビーコンBの近傍をユーザが通過した際に、かかる通過した旨の情報を行動情報として取得する。
【0016】
次に、情報処理装置1は、取得された行動情報に基づいて、車両Cのうち、駐車場Pに駐車された車両C1が駐車場Pから退場するタイミングを予測する(ステップS2)。例えば、情報処理装置1は、施設Fのレジ横に設置されたビーコンBからユーザが2人通過した旨の情報を取得した場合に、「ユーザが駐車した車両C1が2台、10分後に駐車場Pから退場する」と予測することができる。
【0017】
また、情報処理装置1は、施設Fの出口に設置されたビーコンBからユーザが一人通過した旨の情報を取得した場合に、「ユーザが駐車した車両C1が1台、5分後に駐車場Pから退場する」と予測することができる。なぜなら、レジ横や出口を通過するユーザは、まもなく施設Fを離れる、すなわち、まもなく車両Cに乗って駐車場Pから退場すると予測することができるからである。
【0018】
次に、情報処理装置1は、車両C1が駐車場Pから退場すると予測されたタイミングに基づいて、駐車場Pに駐車待ちしている車両C2に対し、駐車場Pに空きができるタイミングの情報を提供する(ステップS3)。
【0019】
例えば、情報処理装置1は、駐車待ちしている車両C2のうち先頭に並ぶ車両C2に対し、「5分後、駐車場Pに空きができる」旨の情報を提供することができる。また、情報処理装置1は、駐車待ちしている車両C2のうち2番目および3番目に並ぶ車両C2に対し、「10分後、駐車場Pに空きができる」旨の情報を提供することができる。なお、駐車待ちしている車両C2の順番などは、かかる車両C2の位置情報などに基づいて検出することができる。
【0020】
このように、実施形態では、施設Fを利用するユーザの行動を示す情報に基づいて、ユーザが駐車した車両C1が駐車場Pから退場するタイミングを予測する。これにより、満車状態となった駐車場Pに空きができるタイミングを予測することができる。
【0021】
なお、ここで示した例では、ユーザの行動を示す情報(すなわち、行動情報)として、ビーコンBからの情報を用いた場合について示したが、かかるユーザの行動を示す行動情報はビーコンBからの情報に限られない。また、行動情報はユーザの行動に対して影響を及ぼし得る事象を示す情報であってもよい。その他の行動情報の例については後述する。
【0022】
また、実施形態では、ビーコンBなどの駐車場P以外の箇所から得られる情報に基づいて、ユーザが駐車した車両C1が駐車場Pから退場するタイミングを予測する。これにより、駐車場Pから車両Cが出庫する時間間隔の平均値などから退場するタイミングを予測するなど、駐車場P自体から得られる情報に基づいて予測する場合に比べて、満車状態となった駐車場Pに空きができるタイミングをより正確に予測することができる。
【0023】
つづいて、
図1の(b)に示すように、駐車していた車両C1のうち車両C1aが駐車場Pの駐車スペースから発車し、駐車されていた駐車スペースが空きスペースEとなる。また、かかる車両C1aの発車にともない、駐車場Pに駐車待ちしている車両C2のうち車両C2aが駐車場Pの中に入場する。
【0024】
ここで、情報処理装置1は、駐車場P内の車両Cが駐車するか退場するかを判別する(ステップS4)。例えば、情報処理装置1は、車両Cを運転するユーザが施設Fを利用しているか否かを示す利用フラグに基づいて、駐車場P内で走行する車両Cが駐車するか退場するかを判別する。
【0025】
この場合、車両C1aを運転するユーザの利用フラグは利用を示す値(例えば「1」)であることから、情報処理装置1は、車両C1aが駐車場Pを退場しようとする車両であると判別する。また、車両C2aを運転するユーザの利用フラグは未利用を示す値(例えば「0」)であることから、情報処理装置1は、車両C2aが駐車場Pに駐車しようとする車両であると判別する。
【0026】
そして、情報処理装置1は、駐車場P内の車両Cのうち、駐車場Pに駐車しようとする車両C2aに対して、駐車場Pの中で空いている駐車スペースに関する情報(以下、「空きスペース情報」ともいう。)を通知する(ステップS5)。例えば、情報処理装置1は、退場しようとする車両C1aが駐車していた駐車スペース(すなわち、空きスペースE)の位置に関する情報を、空きスペース情報として車両C2aに通知する。
【0027】
このように、実施形態では、駐車場P内の車両Cが駐車するか退場するかを判別し、駐車場Pに駐車しようとする車両C2aに対して、駐車場Pの中で空いている駐車スペースに関する空きスペース情報を通知する。これにより、駐車場Pの中で駐車しようとする車両C2aを円滑に空きスペースEにたどり着かせることができる。
【0028】
なお、ここで示した例では、ユーザが施設Fを利用しているか否かを示す利用フラグに基づいて車両Cが駐車するか退場するかを判別しているが、判別手段としては利用フラグを用いた例に限られない。その他の判別手段の例については後述する。
【0029】
また、実施形態では、駐車場P内の車両Cのうち、駐車しようとする車両C2aに限定して空きスペースEに関する情報を通知する。これにより、駐車場Pを退場しようとする車両C1aに対しては、空きスペースEに関する情報を通知することを抑制することができる。
【0030】
したがって、実施形態によれば、車両C1aに余計な情報を通知することを抑制することができることから、車両C1aを運転するユーザを不快にさせることを抑制することができる。
【0031】
また、実施形態では、駐車場Pを退場しようとする車両C1aが駐車していた空きスペースEの位置に関する情報を空きスペース情報として車両C2aに通知する。これにより、新しくできたばかりの空きスペースEに関する情報を駐車しようとする車両C2aに通知することができる。したがって、実施形態によれば、通知された空きスペースEが通知された後に埋まってしまうことを抑制することができる。
【0032】
また、実施形態では、駐車場Pに駐車しようとする車両Cのうち、退場しようとする車両C1aとすれ違った車両C2aに限定して空きスペース情報を通知するとよい。このように、一つの空きスペースEの位置に関する情報を限定して通知することにより、一つの空きスペースEに対して複数の車両Cが駐車しようとして殺到することを抑制することができる。したがって、実施形態によれば、駐車場P内が混乱することを抑制することができる。
【0033】
〔2.情報処理装置の構成〕
次に、
図2を参照して、実施形態に係る情報処理装置1の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理装置1の構成の一例を示す説明図である。
図2に示すように、情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを備える。なお、情報処理装置1は、かかる情報処理装置1を利用する管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0034】
(通信部11について)
通信部11は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部11は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、車両Cに搭載される端末装置との間で情報の送受信を行う。
【0035】
(記憶部12について)
記憶部12は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
図2に示すように、記憶部12は、駐車場データベース121と、車両データベース122と、ユーザデータベース123とを有する。
【0036】
(駐車場データベース121について)
駐車場データベース121は、空きができるタイミングを予測する駐車場の情報が登録されたデータベースである。
図3は、実施形態に係る駐車場データベース121の一例を示す説明図である。
図3に示すように、駐車場データベース121には、駐車場IDと、位置情報と、駐車スペースの空き数と、施設情報と、チェックフラグを通過した数とが対応付けられて登録されている。
【0037】
ここで、駐車場IDとは、駐車場を識別するための識別子である。なお、駐車場データベース121は、駐車場IDと併せて、駐車場の名称等を記憶してもよい。また、位置情報とは、対応付けられた駐車場IDが示す駐車場の位置を示す情報である。
【0038】
また、駐車スペースの空き数とは、対応付けられた駐車場IDが示す駐車場において、駐車スペースが空いている数を示す情報である。また、施設情報とは、対応付けられた駐車場IDが示す駐車場に付随する施設を示す情報である。また、チェックフラグを通過した数とは、対応付けられた駐車場IDが示す駐車場に付随する施設の各所に設置された各種のチェックフラグ(例えば、ビーコンB)をユーザが通過した数を示す情報である。
【0039】
(車両データベース122について)
車両データベース122は、駐車場の空きスペース情報が通知される車両の情報が登録されたデータベースである。
図4は、実施形態に係る車両データベース122の一例を示す説明図である。
図4に示すように、車両データベース122には、車両IDと、位置情報と、速度情報と、出発地と、目的地とが対応付けられて登録されている。
【0040】
ここで、車両IDとは、車両を識別するための識別子である。なお、車両データベース122は、車両IDと併せて、車両のナンバーや車種等を記憶してもよい。また、位置情報とは、対応付けられた車両IDが示す車両の位置を示す情報である。また、速度情報とは、対応付けられた車両IDが示す車両の速度を示す情報である。
【0041】
また、出発地とは、対応付けられた車両IDが示す車両の出発地を示す情報である。また、目的地とは、対応付けられた車両IDが示す車両の目的地を示す情報である。
【0042】
なお、上述の位置情報および速度情報は、車両に搭載される端末装置から所定の時間間隔で送信されるプローブデータに含まれる情報である。また、上述の出発地および目的地は、車両に搭載される端末装置でユーザの案内処理を行う場合に、かかるユーザによって出発地および目的地が設定された際に車両データベース122に登録される。
【0043】
(ユーザデータベース123について)
ユーザデータベース123は、車両を運転して施設を訪れるユーザの情報が登録されたデータベースである。
図5は、実施形態に係るユーザデータベース123の一例を示す説明図である。
図5に示すように、ユーザデータベース123には、ユーザIDと、位置情報と、利用フラグと、車両IDとが対応付けられて登録されている。
【0044】
ここで、ユーザIDとは、ユーザを識別するための識別子である。なお、ユーザデータベース123は、ユーザIDと併せて、ユーザの氏名や、ユーザの属性を示す属性情報(デモグラフィック属性やサイコグラフィック属性)等を記憶してもよい。
【0045】
また、位置情報とは、対応付けられたユーザIDが示すユーザの位置を示す情報である。かかる位置情報は、例えば、対応付けられたユーザIDが示すユーザの所持するスマートフォンなどの携帯端末から取得することができる。
【0046】
また、利用フラグとは、対応付けられたユーザIDが示すユーザが各種の施設を所定の時間より前から現時点までに利用しているか否かを示す情報である。例えば、情報処理装置1は、ユーザIDが示すユーザが施設を利用している場合は、かかる施設に利用フラグ「1」を対応付けて登録し、ユーザIDが示すユーザが施設を利用していない場合は、かかる施設に利用フラグ「0」を対応付けて登録する。また、車両IDとは、対応付けられたユーザIDが示すユーザが運転する車両を識別するための識別子である。
【0047】
(制御部13について)
制御部13は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部13は、例えば、コントローラであり、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0048】
図2に示すように、制御部13は、収集部131と、取得部132と、予測部133と、提供部134と、判別部135と、通知部136とを備え、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部13の内部構成は、
図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0049】
(収集部131について)
収集部131は、車両Cに搭載される端末装置からプローブデータを収集する。そして、収集部131は、かかる端末装置から収集したプローブデータに基づいて、車両データベース122の位置情報および速度情報を更新する。
【0050】
また、収集部131は、ユーザが施設Fを利用した履歴情報を収集する。例えば、収集部131は、店舗である施設FのPOS(point of sales)システムからユーザの購入履歴等を履歴情報として収集する。そして、収集部131は、かかる履歴情報を収集できた場合に、ユーザデータベース123の利用フラグを「1」に更新する。一方で、収集部131は、かかる履歴情報を収集できない場合に、ユーザデータベース123の利用フラグを「0」に更新する。
【0051】
(取得部132について)
取得部132は、ネットワークNを介して、駐車場Pが付随する施設Fを利用するユーザの行動、若しくは当該行動に対して影響を及ぼし得る事象を示す情報(すなわち行動情報)を取得する。例えば、取得部132は、かかる行動情報として、施設Fの所定の箇所(例えば、レジ横や出口)に設置されたチェックフラグ(例えば、ビーコンB)の近傍を通過したユーザの数を行動情報として取得する。そして、取得部132は、取得した行動情報であるチェックフラグの近傍を通過したユーザの数を駐車場データベース121に登録する。
【0052】
(予測部133について)
予測部133は、取得部132で取得された行動情報に基づいて、車両Cのうち、駐車場Pに駐車された車両C1が駐車場Pから退場するタイミングを予測する。予測部133は、例えば、行動情報が取得されたチェックフラグの設置箇所と、かかるチェックフラグの近傍を通過したユーザの数とに基づいて、車両C1が駐車場Pから退場するタイミングと、かかるタイミングで退場する車両C1の台数とを予測することができる。
【0053】
例えば、5分後に駐車場Pから退場すると予測されるチェックフラグ(例えば、出口に設置されたビーコンB)と、10分後に駐車場Pから退場すると予測されるチェックフラグ(例えば、レジ横に設置されたビーコンB)と、15分後に駐車場Pから退場すると予測されるチェックフラグ(例えば、レジ近くの商品棚に設置されたビーコンB)とを段階的に施設Fに設ける。
【0054】
そして、5分後に退場すると予測されるチェックフラグの近傍を2人のユーザが通過し、10分後に退場すると予測されるチェックフラグの近傍を8人のユーザが通過した場合、予測部133は、5分後に2台の車両C1が駐車場Pから退場し、10分後に8台の車両C1が駐車場Pから退場すると予測することができる。
【0055】
このように、施設Fに段階的にチェックフラグを設けることにより、予測部133は、駐車場Pに駐車された車両C1が駐車場Pから退場するタイミングをより正確に予測することができる。
【0056】
予測部133は、ユーザが行動を行った場所と駐車場Pとの距離に基づいて、ユーザが駐車した車両C1が駐車場Pから退場するタイミングを予測することができる。また、予測部133は、ユーザが行動を行った場所と、ユーザが駐車場P内で車両C1を駐車した場所との距離に基づいて、ユーザが駐車した車両C1が駐車場Pから退場するタイミングを予測してもよい。さらに、予測部133は、ユーザが駐車場P内で車両C1を駐車した場所から駐車場Pの出口までの距離に基づいて、ユーザが駐車した車両C1が駐車場Pから退場するタイミングを予測してもよい。
【0057】
このように、施設Fや駐車場Pにおけるそれぞれの場所の距離に基づいて車両C1が駐車場Pから退場するタイミングを予測することにより、駐車場Pに空きができるタイミングをより正確に予測することができる。
【0058】
また、予測部133は、ユーザが施設F内や駐車場P内を移動する方向に基づいて、ユーザが駐車した車両C1が駐車場Pから退場するタイミングを予測してもよい。これにより、駐車場Pに空きができるタイミングをより正確に予測することができる。なお。かかるユーザの移動方向は、ユーザの所持するスマートフォンなどの携帯端末などから得ることができる。
【0059】
また、予測部133は、施設Fや駐車場Pでのユーザの行動を統計的に解析することによりモデルを生成し、かかるモデル化された情報に基づいて、ユーザが駐車した車両C1が駐車場Pから退場するタイミングを予測してもよい。例えば、あるユーザが過去の多くのパターンで施設Fのレジ横を通過した7分後に駐車場Pを退場しており、さらに当該ユーザがレジ横を通過した場合、予測部133は、「ユーザが駐車した車両C1が1台、7分後に駐車場Pから退場する」と予測することができる。
【0060】
また、予測部133は、過去に施設Fに来訪した複数のユーザの行動を統計的に解析することによりモデルを生成し、かかるモデル化された統計情報に基づいて、ユーザが駐車した車両C1が駐車場Pから退場するタイミングを予測してもよい。例えば、過去に施設Fに来訪した複数のユーザの行動を統計的に解析することにより、「昼食を取りに行くため、11時45分から12時にかけて、正規分布にしたがって来訪者全体のうちの2割のユーザが駐車場Pを退場する」という統計情報がモデル化されているとする。そして、11時30分時点で施設Fに来訪者が300人いる場合、予測部133は、かかるモデル化された統計情報に基づいて、「11時45分から12時にかけて、ユーザが駐車した車両C1が60台、駐車場Pから退場する」と予測することができる。
【0061】
なお、上記のモデル化された統計情報を生成する際に解析対象となる複数のユーザと、駐車場Pから退場するタイミングの予測対象となるユーザとは、同一でなくともよい。
【0062】
また、予測部133は、取得部132が取得した行動情報に基づいてユーザの状態を推定し、かかる推定されたユーザの状態に基づいて、ユーザが駐車した車両C1が駐車場Pから退場するタイミングを予測してもよい。すなわち、予測部133は、行動情報に基づいてユーザのコンテキスト情報を推定し、かかるコンテキスト情報に基づいてユーザが駐車した車両C1が駐車場Pから退場するタイミングを予測してもよい。
【0063】
例えば、施設F内に設置されたビーコンBから、取得部132が、「ユーザがアイスクリーム屋の前を通過した」「ユーザがレストランの前を通過した」「ユーザが花屋の前を通過した」という情報を連続して取得したとする。この場合、予測部133は、施設F内におけるアイスクリーム屋、レストランおよび花屋の位置に基づいて、ユーザの移動方向や移動速度を推定する。そして、予測部133は、推定されたユーザの移動方向や移動速度に基づいて、ユーザが駐車した車両C1が駐車場Pから退場するタイミングを予測することができる。
【0064】
このように、取得した行動情報に基づいてユーザのコンテキスト情報を推定し、かかるコンテキスト情報に基づいて車両C1が駐車場Pから退場するタイミングを予測することにより、駐車場Pに空きができるタイミングをより正確に予測することができる。
【0065】
(提供部134について)
提供部134は、予測部133で予測された車両C1が駐車場Pから退場するタイミングに基づいて、駐車場Pに駐車待ちしている車両C2に対し、駐車場Pに空きができるタイミングの情報を提供する。
【0066】
例えば、予測部133において「5分後に2台の車両C1が駐車場Pから退場し、10分後に8台の車両C1が駐車場Pから退場する」と予測された場合、提供部134は、先頭から2番目までに並ぶ車両C2に対して「5分後、駐車場Pに空きができる」旨の情報を提供し、3番目から10番目までに並ぶ車両C2に対して「10分後、駐車場Pに空きができる」旨の情報を提供することができる。
【0067】
このように、施設Fに段階的にチェックフラグを設けることにより、提供部134は、駐車待ちしている車両C2に対して駐車場Pに駐車可能となるタイミングをより正確に提供することができる。
【0068】
(判別部135について)
判別部135は、駐車場P内の車両Cが駐車するか退場するかを判別する。例えば、判別部135は、ユーザデータベース123に登録された利用フラグの値に基づいて、対象となるユーザの運転する車両Cが駐車するか退場するかを判別する。
【0069】
例えば、判別部135は、駐車場Pに付随する施設Fの利用フラグが「1」であるユーザの車両Cを、駐車場Pを退場しようとする車両C1aであると判別する。また、判別部135は、駐車場Pに付随する施設Fの利用フラグが「0」であるユーザの車両Cを、駐車場Pに駐車しようとする車両C2aであると判別する。
【0070】
(通知部136について)
通知部136は、駐車場P内の車両Cのうち、駐車場Pに駐車しようとする車両C2aに対して、駐車場Pの中で空いている駐車スペースに関する情報を通知する。例えば、通知部136は、駐車場Pを退場しようとする車両C1aが駐車していた駐車スペースの位置に関する情報を、空きスペース情報として車両C2aに通知する。
【0071】
なお、通知部136は、車両C1aが駐車していた駐車スペースの位置を、かかる車両C1aに搭載される端末装置から収集したプローブデータに基づいて検出することができる。
【0072】
また、通知部136は、駐車場Pに駐車しようとする車両Cのうち、退場しようとする車両C1aとすれ違った車両C2aに限定して空きスペース情報を通知することができる。これにより、駐車場P内が混乱することを抑制することができる。
【0073】
なお、通知部136は、退場しようとする車両C1aと駐車しようとする車両C2aとがすれ違ったことを、かかる車両C1aおよび車両C2aに搭載される端末装置から収集したプローブデータに基づいて検出することができる。
【0074】
また、車両C1aが駐車していた駐車スペースの位置や、車両C1aと車両C2aとがすれ違ったことは、プローブデータに基づいて検出する場合に限られず、駐車場Pに別途設置されたカメラや各種センサからの情報などに基づいて検出してもよい。
【0075】
また、通知部136は、駐車場Pから退場しようとする車両C1aが駐車場Pに駐車しようとする車両C2aと所定の時間以上すれ違わなかった場合に、駐車場Pに駐車しようとする車両C2aのすべてに空きスペース情報を通知するとよい。
【0076】
このように、車両C1aが駐車場Pに駐車しようとする車両C2aと所定の時間以上すれ違わなかった場合には、空きスペースEの近くに駐車しようとする車両C2aがいないと推測される。したがって、すべての車両C2aに空きスペース情報を通知することにより、空きスペースEを効率よく埋めて、駐車場P内を走る車両C2aの数を減らすことができる。したがって、実施形態によれば、駐車場Pが混乱することを抑制することができる。
【0077】
また、通知部136は、駐車場Pから退場しようとする車両C1aが駐車場Pに駐車しようとする車両C2aとすれ違わずに退場した場合、その後駐車場Pに駐車しようと入場する車両C2aに空きスペース情報を通知するとよい。
【0078】
このように、車両C1aが駐車場Pを出るまで駐車しようとする車両C2aとすれ違わなかった場合には、空きスペースEの近くに駐車しようとする車両C2aがいないと推測される。したがって、その後駐車しようと入場する車両C2aに空きスペース情報を通知することにより、空きスペースEを効率よく埋めて、駐車場P内を走る車両C2aの数を減らすことができる。したがって、実施形態によれば、駐車場Pが混乱することを抑制することができる。
【0079】
また、通知部136は、駐車場Pをこれから訪れようとする車両Cに対して、駐車場Pの空き状況や駐車場Pを走行する車両Cの数(すなわち、車両C1aの数と車両C2aの数の合計)を通知してもよい。すなわち、通知部136は、駐車場Pをこれから訪れようとする車両Cに対して、駐車場Pの混雑状況を通知してもよい。
【0080】
〔3.変形例〕
上述した実施形態に係る情報処理装置1は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、情報処理装置1の他の実施形態について説明する。
【0081】
〔3-1.POSシステムからの行動情報の取得〕
上述した情報処理装置1は、施設Fに設置されたビーコンBの近傍をユーザが通過した際に、かかる通過した旨の情報を行動情報として取得した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、情報処理装置1は、施設FのPOSシステムから得られる各種情報を行動情報として取得してもよい。
【0082】
例えば、情報処理装置1は、ユーザが施設Fのレジで買い物を精算する度ごとに、かかる買い物を精算した旨の情報を行動情報として施設FのPOSシステムから取得する。これにより、情報処理装置1は、例えば「買い物を精算したユーザの車両C1が1台、5分後に駐車場Pから退場する」と予測することができる。なぜなら、レジで買い物を精算したユーザは、まもなく車両Cに乗って駐車場Pから退場すると予測することができるからである。
【0083】
また、情報処理装置1は、ラーメン屋である施設Fにおいてユーザが替え玉を注文する度ごとに、かかる替え玉を注文した旨の情報を行動情報として施設FのPOSシステムから取得する。これにより、情報処理装置1は、例えば「替え玉を注文したユーザの車両C1が1台、5分後に駐車場Pから退場する」と予測することができる。なぜなら、替え玉を注文したユーザは、まもなく車両Cに乗って駐車場Pから退場すると予測することができるからである。
【0084】
さらに、施設FのPOSシステムにおいて、どこの棚の品物が取られたかがリアルタイムでわかる場合に、品物が取られた棚の位置がレジに近づいたら、情報処理装置1は、例えば「レジ近くの品物を取ったユーザの車両C1が1台、15分後に駐車場Pから退場する」と予測することができる。
【0085】
このように、情報処理装置1は、施設FのPOSシステムから得られる各種情報を行動情報として取得することができる。なお、施設FのPOSシステムから得ることができる行動情報は上述の例に限られず、POSシステムから得られる他の情報を行動情報として取得してもよい。
【0086】
〔3-2.各種センサからの行動情報の取得〕
また、情報処理装置1は、各種センサから得られる情報を行動情報として取得してもよい。例えば、お化け屋敷である施設Fで最後となるエリアに、ユーザが入ったことを検知することができる人感センサを設置する。
【0087】
そして、最後となるエリアに1人のユーザが入場したことをかかる人感センサが検知した場合、情報処理装置1は、かかる人感センサから入手した情報に基づいて、「最終エリアに入場したユーザの車両C1が1台、10分後に駐車場Pから退場する」と予測することができる。なぜなら、お化け屋敷の最終エリアに入場したユーザは、まもなく車両Cに乗って駐車場Pから退場すると予測することができるからである。
【0088】
また、例えば、施設Fを利用するユーザに重さを感知可能な生体センサが取り付けられる。そして、1人のユーザが重い物を持ったことをかかる生体センサが感知した場合、情報処理装置1は、かかる生体センサから入手した情報に基づいて、「重い物を持ったユーザの車両C1が1台、10分後に駐車場Pから退場する」と予測することができる。なぜなら、重い物を持ったユーザは、まもなく重い物を車両Cに積み込んで駐車場Pから退場すると予測することができるからである。
【0089】
このように、情報処理装置1は、各種センサから得られる情報を行動情報として取得することができる。なお、行動情報を得ることができるセンサは上述の例に限られず、その他のセンサから得られる情報を行動情報として取得してもよい。
【0090】
〔3-3.出発地に基づいた退場タイミングの予測〕
また、情報処理装置1は、車両データベース122に登録された車両Cの出発地に基づいて、駐車場Pに駐車する車両Cの退場タイミングを予測してもよい。例えば、千葉県のアミューズメントパークである施設Fに来場した車両Cの出発地が北海道であり、翌日が平日である場合、情報処理装置1は、例えば「北海道から来訪した車両C1が1台、午後4時に駐車場Pから退場する」と予測することができる。なぜなら、遠方から来訪した車両Cは、翌日が平日である場合、遅くまで残る可能性は低く、夕方までには退場する可能性が高いと予測することができるからである。
【0091】
一方で、千葉県のアミューズメントパークである施設Fに来場した車両Cの出発地が埼玉県であり、翌日が平日である場合、情報処理装置1は、例えば「埼玉県から来訪した車両C1が1台、午後8時に駐車場Pから退場する」と予測することができる。なぜなら、近場から来訪した車両Cは、翌日が平日である場合でも、早く退場する可能性は低く、夜間まで残る可能性が高いと予測することができるからである。
【0092】
このように、情報処理装置1は、車両Cの出発地と施設Fの所在地とを行動情報として取得し、かかる車両Cの出発地と施設Fの所在地とに基づいて、車両Cの退場タイミングを予測することができる。
【0093】
〔3-4.ユーザの自発的な行動に基づいた退場タイミングの予測〕
また、情報処理装置1は、ユーザが起こした自発的な行動に基づいて、駐車場Pに駐車する車両Cの退場タイミングを予測してもよい。例えば、施設Fの出口付近にポイントを付与する端末が設けられ、退場する際にチェックインするとユーザにポイントが付与されるサービスが実施されている。そして、1人のユーザがチェックインしてポイントを獲得した場合、情報処理装置1は、かかるチェックインされた情報に基づいて、「チェックインしたユーザの車両C1が1台、5分後に駐車場Pから退場する」と予測することができる。
【0094】
また、情報処理装置1は、ユーザが自発的に起こしたウェブ上の行動に基づいて、駐車場Pに駐車する車両Cの退場タイミングを予測してもよい。例えば、大型ショッピングモールである施設Fに来場したユーザが、かかる施設Fで行われるイベントの情報をウェブ上で事前に調べていた場合に、情報処理装置1は、例えば「ユーザの車両C1が1台、イベント終了時刻から10分後に駐車場Pから退場する」と予測することができる。なぜなら、事前にイベント情報を調べていたユーザは、イベントが終わり次第車両Cに乗って駐車場Pから退場すると予測することができるからである。
【0095】
このように、情報処理装置1は、ユーザが起こした自発的な行動を行動情報として取得し、かかるユーザが起こした自発的な行動に基づいて、駐車場Pに駐車する車両Cの退場タイミングを予測することができる。
【0096】
〔3-5.ユーザに起因する情報以外の情報に基づいた退場タイミングの予測〕
また、情報処理装置1は、ユーザ本人に起因する情報以外の情報に基づいて退場タイミングを予測してもよい。例えば、情報処理装置1は、ユーザの行動に対して影響を及ぼし得る事象を示す情報に基づいて、ユーザが駐車した車両C1が駐車場Pから退場するタイミングを予測してもよい。
【0097】
例えば、情報処理装置1は、施設Fの周辺の天候に基づいて、駐車場Pに駐車する車両Cの退場タイミングを予測してもよい。例えば、施設Fの周辺で雷が鳴り始めた場合、情報処理装置1は、かかる天候の情報に基づいて、「これから15分間、10台の車両C1が駐車場Pから退場する」と予測することができる。なぜなら、雷が鳴り始めた場合、施設Fを訪れているユーザの心理が「早く帰宅したい」と変化するため、多くの車両Cが退場すると予測することができるからである。
【0098】
また、施設Fの周辺で小雨が降り始めた場合にも、施設Fを訪れているユーザの心理が「早く帰宅したい」と変化するため、情報処理装置1は、上記と同様に多くの車両Cが退場すると予測することができる。
【0099】
一方で、施設Fの周辺でどしゃ降りの雨が降り始めた場合、情報処理装置1は、かかる天候の情報に基づいて、「これから10分間は車両C1が駐車場Pから退場しない」と予測することができる。なぜなら、どしゃ降りの雨が降り始めた場合、施設Fを訪れているユーザの心理が「どしゃ降りの雨が落ち着くまで施設Fに留まろう」と変化するため、駐車場Pに駐車する車両Cはしばらく退場しないと予測することができるからである。
【0100】
このように、情報処理装置1は、ユーザ本人に起因する情報以外の情報を行動情報として取得し、かかるユーザ本人に起因する情報以外の情報に基づいて、車両Cの退場タイミングを予測することができる。なお、ユーザ本人に起因する情報以外の情報は、例えば、他人からユーザ本人に対して起こされた行動(例えば、他人からユーザ本人への電子メールの送付)などであってもよい。
【0101】
〔3-6.出発地および目的地に基づいた車両の判別〕
また、情報処理装置1は、車両Cを運転するユーザが施設Fを利用しているか否かを示す利用フラグに基づいて、駐車場P内の車両Cが駐車するか退場するかを判別した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、情報処理装置1は、車両データベース122に登録された車両Cの出発地および目的地に基づいて、駐車場P内の車両Cが駐車するか退場するかを判別してもよい。
【0102】
例えば、駐車場P内の車両Cの目的地が自宅や他の施設など、施設F以外の箇所に設定されている場合、情報処理装置1は、かかる車両Cがこれから退場すると判別することができる。一方、駐車場P内の車両Cの目的地が施設Fに設定されている場合、情報処理装置1は、かかる車両Cがこれから駐車すると判別することができる。
【0103】
このように、情報処理装置1は、車両データベース122に登録された車両Cの出発地および目的地に基づいて、駐車場P内の車両Cが駐車するか退場するかを判別することができる。
【0104】
〔3-7.その他の手段による空きスペースの予測〕
また、情報処理装置1は、駐車場Pを退場しようとする車両であると判別された車両C1aが駐車していた駐車スペースの位置に関する情報を、空きスペース情報として車両C2aに通知した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、情報処理装置1は、予測部133により施設Fを退場すると予測されたユーザの車両Cが駐車している駐車スペースを、空きスペースEとなるより前に空きスペースとして通知してもよい。
【0105】
これにより、車両C2に通知された空きスペースEが通知された後に埋まってしまうことをさらに抑制することができる。
【0106】
〔4.処理手順〕
次に、
図6を参照して、情報処理装置1の制御部13が実行する処理について説明する。
図6は、実施形態に係る情報処理装置1の制御部13が実行する処理を示すフローチャートである。
【0107】
図6に示すように、制御部13は、まず、車両Cの端末装置からプローブデータを受信したか否かを判定する(ステップS101)。そして、車両Cの端末装置からプローブデータを受信した場合(ステップS101,Yes)、制御部13は、かかるプローブデータに基づいて、車両データベース122における車両Cの位置情報および速度情報を更新する(ステップS102)。一方で、車両Cの端末装置からプローブデータを受信していない場合(ステップS101,No)、ステップS102をスキップする。
【0108】
次に、制御部13は、ユーザが施設Fを利用しているか否かを判定する(ステップS103)。そして、ユーザが施設Fを利用している場合(ステップS103,Yes)、制御部13は、ユーザデータベース123における施設Fの利用フラグを「1」に更新する(ステップS104)。一方で、ユーザが施設Fを利用していない場合(ステップS103,No)、制御部13は、ユーザデータベース123における施設Fの利用フラグを「0」に更新する(ステップS105)。
【0109】
次に、制御部13は、施設Fに設置されたビーコンB等から、駐車場Pに付随する施設Fを利用するユーザの行動、若しくは当該行動に対して影響を及ぼし得る事象を示す行動情報を取得する(ステップS106)。そして、制御部13は、取得された行動情報に基づいて、車両Cのうち、駐車場Pに駐車された車両C1が駐車場Pから退場するタイミングを予測する(ステップS107)。
【0110】
次に、制御部13は、駐車場Pに駐車待ちしている車両C2がいるか否かを判定する(ステップS108)。そして、駐車場Pに駐車待ちしている車両C2がいる場合(ステップS108,Yes)、かかる車両C2に対して駐車場Pに空きができるタイミングの情報を提供する(ステップS109)。一方で、駐車場Pに駐車待ちしている車両C2がいない場合(ステップS108,No)、ステップS109をスキップする。
【0111】
次に、制御部13は、駐車場P内の車両Cが駐車するか退場するかを判別する(ステップS110)。例えば、制御部13は、ステップS103~S105において更新された施設Fの利用フラグに基づいて、駐車場Pで走行する車両Cが駐車するか退場するかを判別する。
【0112】
最後に、制御部13は、駐車場P内の車両Cのうち、駐車場Pに駐車しようとする車両C2aに対して、駐車場Pの中で空いている駐車スペースに関する空きスペース情報を通知し(ステップS111)、処理を終了する。
【0113】
〔5.ハードウェア構成〕
なお、実施形態における情報処理装置1は、例えば
図7に示すような構成のコンピュータ50によって実現される。
図7は、情報処理装置1の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ50は、CPU(Central Processing Unit)51、RAM(Random Access Memory)52、ROM(Read Only Memory)53、HDD(Hard Disk Drive)54、通信インターフェイス(I/F)55、入出力インターフェイス(I/F)56、およびメディアインターフェイス(I/F)57を備える。
【0114】
CPU51は、ROM53またはHDD54に記憶されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM53は、コンピュータ50の起動時にCPU51によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ50のハードウェアに依存するプログラム等を記憶する。
【0115】
HDD54は、CPU51によって実行されるプログラム、および当該プログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス55は、通信部11に対応し、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU51へ送り、CPU51が生成したデータを、ネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0116】
CPU51は、入出力インターフェイス56を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、および、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU51は、入出力インターフェイス56を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU51は、生成したデータを、入出力インターフェイス56を介して出力装置へ出力する。
【0117】
メディアインターフェイス57は、記録媒体58に記憶されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM52を介してCPU51に提供する。CPU51は、当該プログラムを、メディアインターフェイス57を介して記録媒体58からRAM52上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体58は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0118】
例えば、コンピュータ50が実施形態に係る情報処理装置1として機能する場合、コンピュータ50のCPU51は、RAM52上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部13の機能を実現する。また、HDD54には、記憶部12内のデータが記憶される。コンピュータ50のCPU51は、これらのプログラムを記録媒体58から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0119】
〔6.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0120】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。また、上述してきた実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0121】
〔7.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置1は、判別部135と、通知部136とを備える。判別部135は、駐車場P内の車両Cが駐車するか退場するかを判別する。通知部136は、判別部135で判別された駐車場Pに駐車しようとする車両C2aに対して、駐車場Pの中で空いている駐車スペースに関する空きスペース情報を通知する。
【0122】
これにより、情報処理装置1は、駐車場P内を走行する車両C2aに対して空きスペースに関する情報を通知することができる。
【0123】
また、実施形態に係る情報処理装置1において、判別部135は、駐車場Pに付随する施設Fをユーザが利用しているか否かに関する情報に基づいて、駐車場P内の車両Cが駐車するか退場するかを判別する。
【0124】
これにより、情報処理装置1は、駐車場P内の車両Cが駐車するか退場するかをより正確に判別することができる。
【0125】
また、実施形態に係る情報処理装置1において、判別部135は、車両C内で案内処理を実行するアプリケーションにおいて、自宅または他の施設が目的地として入力されている場合に、当該車両を駐車場Pから退場しようとする車両と判別する。
【0126】
これにより、情報処理装置1は、駐車場P内の車両Cが退場することをより正確に判別することができる。
【0127】
また、実施形態に係る情報処理装置1において、判別部135は、車両C内で案内処理を実行するアプリケーションにおいて、駐車場Pに付随する施設Fが目的地として入力されている場合に、当該車両を駐車場Pに駐車しようとする車両と判別する。
【0128】
これにより、情報処理装置1は、駐車場P内の車両Cが駐車しようとすることをより正確に判別することができる。
【0129】
また、実施形態に係る情報処理装置1において、通知部136は、駐車場Pに駐車しようとする車両C2aのうち、駐車場Pから退場しようとする車両C1aとすれ違った車両C2aに限定して空きスペース情報を通知する。
【0130】
これにより、駐車場P内が混乱することを抑制することができる。
【0131】
また、実施形態に係る情報処理装置1において、通知部136は、駐車場Pから退場しようとする車両C1aが駐車場Pに駐車しようとする車両C2aと所定の時間以上すれ違わなかった場合、駐車場Pに駐車しようとする車両C2aのすべてに空きスペース情報を通知する。
【0132】
これにより、駐車場P内が混乱することを抑制することができる。
【0133】
また、実施形態に係る情報処理装置1において、通知部136は、駐車場Pから退場しようとする車両C1aが駐車場Pに駐車しようとする車両C2aとすれ違わずに退場した場合、その後駐車場Pに駐車しようと入場する車両C2aに空きスペース情報を通知する。
【0134】
これにより、駐車場P内が混乱することを抑制することができる。
【0135】
また、実施形態に係る情報処理装置1において、通知部136は、駐車場Pから退場しようとする車両C1aが駐車していた駐車スペースの位置に関する情報を、空きスペース情報として通知する。
【0136】
これにより、通知された空きスペースEが通知された後に埋まってしまうことを抑制することができる。
【0137】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0138】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、予測部は、予測手段や予測回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0139】
1 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
121 駐車場データベース
122 車両データベース
123 ユーザデータベース
131 収集部
132 取得部
133 予測部
134 提供部
135 判別部
136 通知部