(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-18
(45)【発行日】2022-11-29
(54)【発明の名称】巻取り機を操作するための方法、および巻取り機
(51)【国際特許分類】
D01D 13/00 20060101AFI20221121BHJP
B65H 67/04 20060101ALI20221121BHJP
B65H 67/048 20060101ALI20221121BHJP
【FI】
D01D13/00
B65H67/04 B
B65H67/048 A
(21)【出願番号】P 2019563828
(86)(22)【出願日】2018-05-14
(86)【国際出願番号】 EP2018062374
(87)【国際公開番号】W WO2018210748
(87)【国際公開日】2018-11-22
【審査請求日】2021-02-10
(31)【優先権主張番号】102017004866.5
(32)【優先日】2017-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】307031976
【氏名又は名称】エーリコン テクスティル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Oerlikon Textile GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Leverkuser Strasse 65, D-42897 Remscheid, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アーヌルフ ザウアー
【審査官】長谷川 大輔
(56)【参考文献】
【文献】英国特許出願公開第02469734(GB,A)
【文献】特表2007-505801(JP,A)
【文献】特開平11-107030(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H67/00-67/08
D01D1/00-13/02
D01H1/00-17/02
G07C1/00-15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融紡糸プロセスにおいて巻取り機を操作するための方法であって、複数の糸を、駆動される2つの巻取りスピンドルによって交互にパッケージに巻き、前記糸の最初の仕掛け、および/または前記巻取りスピンドルのうちの1つの巻取りスピンドルからの巻かれたパッケージの除去を、操作員によって実施し、かつ前記操作員は、予め少なくとも1つの制御命令を操作パネルにおいて発信する、方法において、前記操作員は、前記制御命令を発信するために、事前の個人確認を実施する
ことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記操作員は、前記個人確認のために、個人認識コードを備えたRFIDトランスポンダを使用し、前記個人認識コードは、前記操作パネルにおける読取り機を介して読み取られる、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記個人認識コードを、機械制御装置の内部において、複数の記憶された個人認識コードと比較し、読み取られた前記個人認識コードが、記憶された1つの個人認識コードと合致した場合に、前記制御命令を許可する、
請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記個人認識コードを、前記操作員による前記制御命令の発信時に記憶する、
請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記個人認識コードの読込み後に、一定の時間間隔内において複数の制御命令を許可する、
請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記時間間隔の経過後に、前記操作員は、別の制御命令を発信するために前記個人確認を繰り返し実施する、
請求項5記載の方法。
【請求項7】
複数の糸(9)をパッケージ(10)に巻き取るための巻取り機であって、巻取りタレット(2)に突出するように保持された2つの巻取りスピンドル(3.1,3.2)が設けられており、該巻取りスピンドル(3.1,3.2)は、前記パッケージ(10)を巻くために、回転可能に駆動される前記巻取りタレット(2)によって、作動領域と、巻き終わった前記パッケージ(10)を除去するための交換領域とに交互に案内可能であり、さらに複数の駆動装置(4.1,4.2,5,15)と、前記駆動装置(4.1,4.2,5,15)に接続された制御ユニット(12)とが設けられていて、該制御ユニット(12)は、操作パネル(13)に接続されている、巻取り機において、
前記操作パネル(13)は、操作員の個人識別のための識別手段(21)を有している
ことを特徴とする、巻取り機。
【請求項8】
前記識別手段(21)は、前記操作パネル(13)に配置された、個人認識コードを読み取るための読取り機(22)と、前記個人認識コードを備えた、前記操作員に割り当てられたRFIDトランスポンダ(24)とを有している、
請求項7記載の巻取り機。
【請求項9】
前記読取り機(22)は、前記制御ユニット(12)に接続されており、かつ前記制御ユニット(12)は、前記個人認識コードを記憶するためのデータメモリ(25)を有している、
請求項8記載の巻取り機。
【請求項10】
前記制御ユニット(12)は、制御アルゴリズムを有しており、該制御アルゴリズムによって、前記操作パネル(13)における1つの入力が、または一定の時間間隔内において複数の入力が、前記個人確認後に許可される、
請求項9記載の巻取り機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念部に記載された、溶融紡糸プロセスにおいて巻取り機を操作するための方法、および請求項7の上位概念部に記載の、複数の糸をパッケージに巻き取るための巻取り機に関する。
【0002】
溶融紡糸プロセスにおいて合成糸を製造する場合、紡糸位置においてグループとして生ぜしめられた糸は、互いに並んで平行にパッケージに巻き取られる。そのために特殊な巻取り機が使用され、これらの巻取り機は、互いに並んで平行に巻かれる複数のパッケージを収容するために、長く突出する巻取りスピンドルを有している。このとき10、12、またはそれどころか16のパッケージを、巻取りスピンドルにおいて同時に巻くことができる。溶融紡糸時に連続的に生ぜしめられる糸を、中断なしにパッケージに巻き取ることができるようにするために、巻取り機には、互いに180°ずらされて平行に配置された2つの巻取りスピンドルが設けられており、両巻取りスピンドルは、回転可能な巻取りタレットに保持されている。巻取りスピンドルは、巻取りタレットによって、パッケージを巻くための作動領域と、巻き終わったパッケージを除去するための交換領域とに交互に案内される。このとき巻取りスピンドルには、作動領域において複数の巻取り箇所が対応配置されており、これによって巻取り箇所毎に1本の糸を1つのパッケージに巻くことができる。このような巻取り機は、例えば国際公開第2005/035415号に基づいて公知である。
【0003】
公知の巻取り機では、交換領域において保持された満管パッケージは、操作員によって除去されることが通常である。そのために巻取り機における操作パネルを介して、操作員によって制御命令がトリガ(発信)され、これによって例えば押退け装置を、巻取りスピンドルの周囲におけるパッケージを押し退けるために活性化させることができる。しかしながらこのとき、作動領域に保持されている巻取りスピンドルにおける糸の巻取りが妨げられないままであることが、保証されていなくてはならない。
【0004】
さらに、特にプロセス開始時、または例えば糸切れによるプロセス中断後には、操作員によって巻取り機において別の操作工程が実施されねばならない。その場合には、駆動装置および別の補助装置を、巻取り箇所への糸群の仕掛けおよび挿通を目的として活性化させるために、巻取り機における操作パネルを介して複数の制御命令をトリガさせることができる。ゆえに巻取り機の操作時には、誤制御を回避するために、操作員の正確な操作行動が特に問題である。
【0005】
したがって本発明の課題は、冒頭に述べた形式の、巻取り機を操作するための方法、および巻取り機を改良して、操作員に由来するすべての操作工程が支障なく実施されるようにすることである。
【0006】
本発明の別の目的は、巻取り機の操作時に、工程が適格な操作員によって実施可能であることを保証することにある。
【0007】
この課題は、本発明によれば、請求項1記載の特徴を備えた、巻取り機を操作するための方法、および請求項7記載の特徴を備えた巻取り機によって解決される。
【0008】
本発明の好適な発展形態は、それぞれの従属請求項の特徴および特徴の組合せによって定義されている。
【0009】
本発明は、操作員が巻取り機において実施すべき操作工程は、種々様々な資格を必要とするという認識に基づいている。例えば操作員による巻取りスピンドルからの満管パッケージの除去は、特別な手作業の器用さを必要としない。パッケージは、好ましくはドッフィングワゴンによって収容されて搬出される。プロセス開始時における糸の仕掛け時に、操作員は、ハンドインジェクタを案内しなくてはならず、このハンドインジェクタは、連続的に走行する糸群を収容して、屑容器に導く。このとき操作員は、巻取り箇所において糸を分離し、かつ挿通するために、種々様々な取扱いをハンドインジェクタによって実施しなくてはならない。巻取り機におけるそれぞれの操作工程を迅速かつ適切に実施できることを保証するために、本発明によれば、操作員は、制御命令を発信するために、事前の個人確認を実施する必要がある。そのために操作パネルは、操作員の個人識別のための識別手段を有している。これによって、巻取り機におけるそれぞれの操作工程が、適格な操作員によって、適切かつ迅速に実施可能であることが保証されている。さらに、それぞれの操作工程を該当する操作員に割り当てるという可能性がある。
【0010】
迅速かつ問題のない個人識別のために、方法の、特に好適であることが判明している変化形態では、操作員は、個人認識コードを備えたRFIDトランスポンダを使用し、個人認識コードは、操作パネルにおける読取り機を介して読み取られる。したがって操作パネルにおける識別手段は、操作員に割り当てられたRFIDトランスポンダを読み取ることができるようにするために、読取り機、例えばスキャナを有している。
【0011】
該当する操作工程が適切かつ迅速に実施され得ることを保証するために、方法の特に好適な変化形態では、個人認識コードを、機械制御装置の内部において、複数の記憶された個人認識コードと比較し、読み取られた個人認識コードが、記憶された1つの個人認識コードと合致した場合に初めて、制御命令を許可する。このようにすると、無資格者による巻取り機における誤制御を回避することができる。
【0012】
しかしながら基本的に、個人認識コードを制御命令の発信時に記憶するという可能性もある。このようにすると、巻取り機において実施された操作工程を、一人の操作員に一義的に割り当てることができる。
【0013】
特に、複数の一連の制御命令を、一人の操作員によって実施できるようにするために、方法の好適な変化形態では、個人認識コードの読込み後に、一定の時間間隔内において複数の制御命令を許可する。このようにすると、通常、複数の制御命令を必要とする時間的に制限された、巻取り機における操作工程を、一人の操作員によって問題なく実行することができる。
【0014】
時間間隔の経過後に初めて、操作員は、別の制御命令を発信するために個人識別を繰り返すことが必要である。
【0015】
これによって本発明に係る巻取り機は、操作パネルにおける読取り機に接続されている制御ユニットと、個人認識コードを記憶するための少なくとも1つのデータメモリとを有している。これによって制御ユニット内において、後続の制御命令を、記憶された個人認識コードに結びつけることができる。
【0016】
さらに、制御命令の関連付けと許可とを可能にするために、データメモリ内にすでに蓄積された個人認識コードを、新たに読み込まれた個人認識コードと直接比較することができる。
【0017】
例えば糸の仕掛けのような、一定の時間にわたって延長された複数の操作工程を、可能な限り中断なしに連続的に操作員によって実施するために、制御ユニットは、好ましくは制御アルゴリズムを有しており、該制御アルゴリズムによって、操作パネルにおける1つの入力が、または一定の時間間隔内において複数の入力が、個人確認後に許可される。このようになっていると、操作パネルにおいて発信された個々の制御命令、および一定の時間間隔内において発信された複数の制御命令のどちらも、操作員によって発信することができる。
【0018】
次に、本発明に係る、巻取り機を操作するための方法を、添付の図面を参照しながら、本発明に係る巻取り機の1実施形態を用いて詳説する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明に係る巻取り機の実施形態を概略的に示す側面図である。
【
図2】糸の巻取り時における作動中の、
図1に示された実施形態を概略的に示す正面図である。
【
図3】
図2に示された実施形態を概略的に示す側面図である。
【0020】
図1、
図2および
図3には、本発明に係る巻取り機の実施形態が、複数の見方でかつ異なった作動状況において示されている。したがって実施形態を説明するための以下の記載は、図面のうちの1つの図面を特に強調していない限りにおいて、すべての図面に対するものである。
【0021】
巻取り機は本実施形態では、4本の糸を互いに平行に並んでパッケージに巻くために、全部で4つの巻取り箇所を有している。巻取り箇所の数は、一例である。例えば、10本、12本、またはそれ以上の糸を、溶融紡糸プロセスにおいて、互いに平行に並んで、駆動される巻取りスピンドルにおいてパッケージに巻くことが通常である。ここでは糸は符号9で、かつパッケージは符号10で示されている。
【0022】
実施形態は機械架台1を有しており、この機械架台1に、巻取りタレット2が回転可能に支持されている。機械架台1における巻取りタレット2の回転運動は、タレット駆動装置5によって行われる。巻取りタレット2には、互いに180°ずらされて配置された2つの巻取りスピンドル3.1,3.2が突出するように保持されている。巻取りスピンドル3.1,3.2には、それぞれ2つのスピンドル駆動装置4.1,4.2が対応配置されている。タレット駆動装置5を用いて、巻取りスピンドル3.1,3.2を備えた巻取りタレット2を移動させることができる。このようにして巻取りスピンドル3.1,3.2を、巻き終わったパッケージを除去するための交換領域と、糸を巻くための作動領域とに交互に案内することができる。
【0023】
巻取りスピンドル3.1,3.2は、巻取り箇所に沿って延びていて、かつ周囲に複数の巻管11を有しており、このとき巻取り箇所毎に1つのパッケージ10を、巻管11のうちの1つの巻管において形成することができる。
【0024】
図2および
図3に示された作動状況において、巻取りスピンドル3.1は、糸9をパッケージ10に巻くための作動領域に、かつ巻取りスピンドル3.2は、巻き終わったパッケージ10を備えて交換領域に位置している。
【0025】
作動領域において巻取りスピンドル3.1,3.2は、圧着ローラ6と共働する。糸を綾振りするために綾振り装置7が設けられており、この綾振り装置7は、それぞれの巻取り箇所に対して1つの綾振りユニットを有している。綾振り装置7の上流には、それぞれの巻取り箇所に対してそれぞれ1つの別個の変向ローラ8が配置されている。変向ローラ8は、移動可能なローラ保持体19に自由回転可能に保持されている。変向ローラ8は、糸9を分離するために働き、これらの糸9は、溶融紡糸プロセスにおいて糸群として案内され、かつゴデットによって引き出される。
【0026】
そのために本実施形態では、2つのゴデット17.1,17.2がゴデット保持体16に保持されており、このときゴデット保持体16は、巻取り機の機械架台1に支持されている。ゴデット17.1,17.2は、ゴデット保持体16の反対に位置している側において、ゴデット駆動装置18.1,18.2に連結されている。
【0027】
制動された巻取りスピンドル3.1または3.2の周囲における巻き終わったパッケージ10を押し退けるために、機械架台1の下側領域には押退け装置14が配置されている。押退け装置14は、スライダを有しており、このスライダは、空気力式のリニア駆動装置15を用いて、巻取りスピンドル3.1,3.2の軸方向において移動可能である。このようにしてスライダは、停止位置と進出させられた終端位置との間において往復案内させることができる。
図1~
図3において、押退け装置14は、停止位置において示されている。
【0028】
巻取り機を操作するために、操作パネル13が機械架台1の前側に配置されていて、かつ操作パネル13は操作員によって操作することができる。操作パネル13は、完全な機械制御装置を含む制御ユニット12に接続されている。この制御ユニット12は、駆動装置4.1,4.2,5,15、および別の補助装置のここでは図示されていないアクチュエータ、ならびにセンサに接続されている。
【0029】
図2における図面から分かるように、操作パネル13は複数の制御キー領域または制御キー23を有している。制御キー23のそばには、操作員の個人識別のための識別手段21が配置されている。本実施形態において識別手段21は、電磁波をベースにした送信器・受信器システムによって形成されている。したがって操作パネル13には、読取り機22の形態の、識別手段21の受信器が形成されている。読取り機22は、例えばスキャナであってよい。
【0030】
識別手段21の送信機能は、操作員に割り当てられたRFIDトランスポンダ24の形式で行われる。ゆえに個人識別のためには、操作員が該当するRFIDトランスポンダ24を、個人認識コードの読込みのために読取り機22に近づけることが必要である。このとき読取り機22は、操作パネル13を介して制御ユニット12に直接接続されている。制御ユニット12は、読み込まれた個人認識コードを記憶することができるデータメモリ25を有している。
【0031】
図1~
図3に示された実施形態において操作工程を実施できるようにするためには、したがって操作員はまず個人確認を行うことが必要である。
【0032】
例えば
図1に示された状況において、糸9はプロセス開始時に巻取り箇所に仕掛けられ、かつ巻き始められる。糸9は、糸群としてハンドインジェクタ20を用いて連続的に収容され、かつここでは図示されていない屑容器に案内される。ハンドインジェクタ20は、操作員によって保持され、かつ糸を分離しかつ仕掛けるために案内される。巻取り機の内部における駆動装置および補助装置を活性化するために、操作員は、少なくとも1つまたは複数の制御命令を巻取り機において発信することが必要である。そのためには、操作パネル13における少なくとも1つまたは複数の制御キー23を操作しなければならない。制御命令を制御ユニット12において発信できるようにするために、操作員はまず個人確認を実施しなくてはならない。そのためにRFIDトランスポンダ24は、操作パネル13における読取り機22に近づけられる。それぞれの属人的な個人認識コードが読み込まれ、制御ユニット12に供給され、かつ少なくともデータメモリ25において記憶される。機械制御装置の制御アルゴリズムに基づいて、個人確認後直ぐに、操作員による制御命令が許可されることになる。このとき個人認識コードに時間間隔が割り当てられるという可能性があり、この時間間隔において、当該時間間隔中に発信される複数の制御命令が、追加的な個人確認なしに、許可される。この時間間隔の経過後に初めて、操作員は、新たな個人確認を操作パネル13において実施することが必要である。
【0033】
しかしながらまた択一的に、操作員の読み取られた個人認識コードを、まず、データメモリ25に記憶された別の個人認識コードと比較するという可能性もある。読み取られた個人認識コードが、記憶された1つの個人認識コードと合致した後で初めて、操作パネル13における制御キー23の操作が解除される。これによって巻取り機における不適切な操作または誤操作を、好適に回避することができる。
【0034】
しかしながらまた択一的にまたは補足的に、個人認識コードに関連して、制御キー23の一部だけを制御命令を発信するために解除するという可能性もある。これによって直性的に特定された操作工程を、特定の操作員に割り当てることができる。このようなアクセス許可もまた同様に、巻取り機の誤操作を阻止する。すなわち糸の障害のない挿通および分離を可能にするために、操作員による糸の仕掛けは、ある一定の技量を必要としている。
【0035】
これに対して、交換領域に保持された巻取りスピンドルにおけるパッケージ10を除去するための操作工程は、比較的簡単な作業として仕分けすることができる。この実施形態は、
図3に示されている。ここにおいても、まず、操作員は、個人確認を実施することが要求されている。個人確認は、同様な形式で行われるので、操作員はRFIDトランスポンダ24を操作パネル13における読取り機22に近づけなくてはならない。
【0036】
ここで実施形態において示されかつ記載された、個人識別のための識別手段21は、一例である。基本的には、今日既に汎用の、例えば指紋認証のような別の識別手段をも使用することが可能である。しかしながら送信器・受信器システムは、溶融紡糸プロセスの環境において好適であると評価されている。