(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-18
(45)【発行日】2022-11-29
(54)【発明の名称】玩具
(51)【国際特許分類】
A63H 9/00 20060101AFI20221121BHJP
B65D 81/36 20060101ALI20221121BHJP
【FI】
A63H9/00 Z
B65D81/36 A
(21)【出願番号】P 2020180750
(22)【出願日】2020-10-28
【審査請求日】2021-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】森内 尚
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-018322(JP,A)
【文献】登録実用新案第3161698(JP,U)
【文献】シャチの車庫,遊戯王 ダンジョンダイスモンスターズ[online],2013年10月02日,http://blog.livedoor.jp/syati01/archives/50714644.html,[検索日:2022/10/13]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 9/00
B65D 81/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外殻にて内部空間を形成可能な形態の第1形態と、前記第1形態から展開した形態の第
2形態と、に変化可能な玩具であって、
前記外殻を成し、硬質素材にて構成されている主部品を備え、
前記主部品は、
平板を成す1つの主外殻部品と、
前記主外殻部品に連結され
、平板を成す複数の副外殻部品と、を含み
、
前記主外殻部品は、その外周縁を構成する辺の数が、前記副外殻部品の前記辺の数より
も多
く、
前記副外殻部品は、前記主外殻部品に連結されている第1の副外殻部品と、前記第1の
副外殻部品に連結されている第2の副外殻部品と、隣合う前記第2の副外殻部品同士を連結可能な三角形の形状を成す連結部品と、を含む、
玩具。
【請求項2】
請求項
1に記載の玩具であって、
前記主外殻部品は、六角形の形状を成し、前記副外殻部品は、四角形の形状を成す、
玩具。
【請求項3】
請求項
1又は2に記載の玩具であって、
前記第1形態において、前記第1の副外殻部品と、隣合う他の前記第1の副外殻部品と
は、前記連結部品を介する前記第2の副外殻部品同士の連結によって、隣接状態に位置規
制される、
玩具。
【請求項4】
請求項
3に記載の玩具であって、
前記第1の副外殻部品と前記第2の副外殻部品は、それぞれ、直方形と台形の形状を成
すものを含む、
玩具。
【請求項5】
請求項
3又は4に記載の玩具であって、
前記第1の副外殻部品が、直方形の形状を成す場合、前記第1の副外殻部品に連結され
ている前記第2の副外殻部品は、直方形の形状を成し、
前記第1の副外殻部品が、台形の形状を成す場合、前記第1の副外殻部品に連結されて
いる前記第2の副外殻部品は、台形の形状を成す、
玩具。
【請求項6】
請求項
1~5のいずれか1項に記載の玩具であって、
前記第2の副外殻部品と他の前記第2の副外殻部品との連結は、前記第2形態において
、解除状態である、
玩具。
【請求項7】
請求項
1~6のいずれか1項に記載の玩具であって、
前記第1の副外殻部品と前記第2の副外殻部品は、それぞれ、台形の形状をなすものを
含み、
前記台形の形状は、短辺と長辺とが平行に構成され、
台形の形状の前記第1の副外殻部品、及び台形の形状の前記第2の副外殻部品の長辺は
、各々同一の長さに構成され、
台形の形状の前記第1の副外殻部品、及び台形の形状の前記第2の副外殻部品の長辺同
士が隣接して連結されている、
玩具。
【請求項8】
請求項
1~7の何れか1項に記載の玩具であって、
前記第1の副外殻部品と前記第2の副外殻部品とは、前記第2形態において、山折りの
形状を成すことが可能に構成されている、
玩具。
【請求項9】
請求項
8に記載の玩具であって、
前記第2形態において、前記主外殻部品は、接地面に接地され、前記第1の副外殻部品
は、接地面と接地せず、前記第2の副外殻部品の少なくとも一部が接地面に接地している
、
玩具。
【請求項10】
請求項1~
9の何れか1項に記載の玩具であって、
前記主外殻部品と前記副外殻部品は、前記第1形態において、第1の開口が形成される
多面体を構成する、
玩具。
【請求項11】
請求項
10に記載の玩具であって、
前記第1形態において、前記第1の開口を閉塞可能な第1の副部品と、前記主外殻部品
を被覆可能な第2の副部品とをさらに備えている、
玩具。
【請求項12】
請求項
11に記載の玩具であって、
前記副外殻部品は、前記主外殻部品に連結されている第1の副外殻部品と、前記第1の
副外殻部品に連結されている第2の副外殻部品と、を含み、
前記第1の副外殻部品と第2の副外殻部品とによって、前記第2形態において、山折り
の形状を可能とし、
前記山折りの形状を成した前記第2形態において、第2の開口が形成され、
前記第2の開口は、前記第1の開口よりも開口面積が大きい開口である、
玩具。
【請求項13】
請求項
12に記載の玩具であって、
前記第1の副部品、及び前記第2の副部品の少なくとも一方は、前記第2形態において
、前記主外殻部品又は前記第1の副外殻部品上に載置可能に構成されている、
玩具。
【請求項14】
請求項1~
13のいずれか1項に記載の玩具であって、
前記第2形態は、陸上部、海上部、火口部の少なくとも何れかを模す、
玩具。
【請求項15】
請求項1~
14のいずれか1項に記載の玩具であって、
前記第1形態は、物品供給装置からの供給を可能とする転動可能な形状であり、前記第
2形態は、展開して他の物品を載置可能な形状である、
玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1においては、玩具ではないが組み立て式の正多角形の組立容器が開示されている。
この組立容器においては、正多角形板の各辺に折込線を介して側板を連設すると共にこれを2本の折込線によって内側にから外側板、内側板及び重合片を順次形成している。更に外側板の側縁に折込線を介して差込片を設け、これと同じ側の重合片の側縁に係止片を連設している。そして、各側板の外側板および内側板を隣接する側板の差込片を間に挟んで重合直立せしめ、外側板の基部を隣接する側板の係止片の斜辺に摩擦的に当接せしめるとともに、重合片を正多角形板の上面に重合せしめ、その一端で隣接する側板の係止片を正多角形板の上面に押圧固定せしめるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、展開された状態から、ものを入れることができる組立て式の組立容器が開示されているだけである。このような組立容器は、玩具ではなく玩具としての興趣性は全くない。
【0005】
本発明は、興趣性の高い玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る玩具の一態様は、外殻にて内部空間を形成可能な形態の第1形態と、第1形態から展開した形態の第2形態と、に変化可能な玩具であって、外殻の中心要素をなす、硬質素材にて構成されている主部品を備え、主部品は、主外殻部品と、主外殻部品に連結された少なくとも1つの副外殻部品と、を含み、主外殻部品、及び副外殻部品は、それぞれ、平板かつ多角形状を成し、主外殻部品は、その外周縁を構成する辺の数が、副外殻部品の辺の数よりも多い。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、興趣性の高い玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態の玩具において、玩具の第1形態を示す正面図である。
【
図3】第1形態における主部品の内部を示す斜視図である。
【
図4】
図3に示す主部品の係合解除を示す斜視図である。
【
図5】
図3に示す主部品の展開初期の状態の斜視図である。
【
図6】
図5におけるB-B線に沿った部分の断面図である。
【
図7】
図3に示す主部品の展開中段における斜視図である。
【
図8】
図7におけるC-C線に沿った部分の断面図である。
【
図10】
図9におけるD-D線に沿った部分の断面図である。
【
図11】
図9におけるA-A線断面で第2形態を示す概略断面図である。
【
図12】第2形態において、主部品による立体物の展示状態を示す説明図である。
【
図13】第2形態において、主部品と第2の副部品と用いた立体物の展示状態の一例を示す説明図である。
【
図14】第2形態において、主部品と第1の副部品と用いた立体物の展示状態の一例を示す説明図である。
【
図15】第2形態において、主部品と第1の副部品と用いた立体物の展示状態の他の例を示す説明図である。
【
図16】第2形態において、主部品の表側の演出形態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態である玩具1について、
図1~
図16を参照して説明する。
図1は、玩具1の第1形態1Fにおける正面図であり、
図2は、玩具1の分解斜視図である。
【0010】
図1に示すように、第1形態1Fの玩具1は、平板が組み合わされて内部空間SPを形成する略球形状の外殻1tにて構成されている。玩具1は、この第1形態1Fとは別に、第1形態1Fから後述するように、組立て直した形態の第2形態2F(
図9及び
図11~
図16参照)に変化可能である。
【0011】
図2に示すように、第1形態1Fにおける玩具1は、大きく分けると3つの部品からなり、最も大きいサイズの主部品5と、中間サイズの第1の副部品41と、最も小さい第2の副部品42と、を備えている。第1形態1Fにおいては、主部品5は、各面が平板の多角形状を成す板部の組み合わせで構成された略半球形の球欠形状である。第1の副部品41は、主部品5により若干小さい多面形状で略半球形の球欠形状であり、主部品5の第1の開口1h(
図3参照)を閉塞可能である。第2の副部品42は、主部品5の第1の開口1hとは反対側の平坦部分を被覆し、第1形態1Fの全体形状をより球形に近づける多面構造となっている。
【0012】
玩具1の第1形態1Fにおける3つの部品の組み立て状態では、主部品5と第1の副部品41は、例えば、主部品5の第1の開口1hの内側に第1の副部品41の開口側の縁を嵌め込むように取付ける。また、第2の副部品42は、その内面側に固定用の固定突起42dが設けられており、固定突起42dを主部品5の固定用孔10gに嵌め込むようにして取付ける。このようにして3部品は固定されることで、全体として略球形状の第1形態1Fを構成することができる。なお、第1形態1Fにおいては、3部品の取付けによって固定するだけでなく、例えば、外側からラッピングフィルム等によって固定しても良い。このように略球形状の第1形態1Fは、例えば、物品供給装置からの自動供給を可能とする転動可能な形状である。すなわち、玩具1が略球形であることでそれ自体が転がることができる。この結果、玩具1は自販機の移動路・供給路を利用した搬送が容易である。
【0013】
ここで、外殻1tは、プラスチック又は木材等の硬質素材にて構成されている。ここで言う、「硬質素材」とは、先ず、主部品5、第1の副部品41及び第2の副部品42として自立できる剛性を有していること、更には、第1形態1Fにおいて、玩具1を多数積み重ねた状態でも、その重さに耐えて形状を維持できる剛性を有していることを言う。
【0014】
図3は、第1形態1Fにおける主部品5の内部を示す斜視図である。
主部品5は、中心要素をなす1つの主外殻部品10と、主外殻部品10に連結された複数の副外殻部品20と、を備える。主外殻部品10は、例えば、6つの外周縁10sの辺からなる正六角形である。一方、副外殻部品20は、正方形或いは長方形である直方形にて構成された部分と、台形にて構成された部分を有している。副外殻部品20のうち、第1の副外殻部品21(20)は、主外殻部品10に第1接続部10cを介して接続されている。要するに、第1の副外殻部品21は、主外殻部品10の外周縁10sに沿ったヒンジ部として機能する第1接続部10cによって主外殻部品10に対して揺動可能に設けられている。副外殻部品20のうち、第2の副外殻部品22(20)は、第1の副外殻部品21に第2接続部21cを介して接続されている。
【0015】
主外殻部品10は、前述のように六角形の6つの辺である外周縁10sを備えるが、その辺の数は、副外殻部品20の4辺の数よりも多い構成となっている。このように、主外殻部品10が六角形或いはそれ以上の多角形にて構成されることで、その周りに多数の第1の副外殻部品21を接続することができ、主外殻部品10は、中心的部品として機能することができる。
【0016】
主外殻部品10と副外殻部品20は、第1形態1Fにおいて、第1の開口1hが形成される多面体を構成している。したがって、玩具1は、第1形態1Fを構成する際には、第1の開口1hを有する内部空間SPが形成されているので、必要に応じて、この第1の開口1hから内部空間SPに物品を入れることもできる。
【0017】
ここで、第1の副外殻部品21が直方形の場合、第1の副外殻部品21に接続された第2の副外殻部品22は、直方形の形状を成している。一方、第1の副外殻部品21が台形の場合、第1の副外殻部品21に接続された第2の副外殻部品22は、台形の形状を成している。また、台形の形状は、短辺Ssと長辺Lsとは平行に構成されており、台形の第1の副外殻部品21及び台形の形状の第2の副外殻部品22の長辺Lsは、同一の長さであって、第2接続部21cにて揺動可能に接続されている。
【0018】
また、第1の副外殻部品21は、主外殻部品10を中心にその円周方向において隣合うものが、直方形と台形とが交互になるように配置されている。また、第2の副外殻部品22においても、主外殻部品10を中心にその円周方向に隣合うものは、直方形と台形とが交互になるように配置されている。なお、第1の副外殻部品21と第2の副外殻部品22の接続においては同形状のものが接続されている。したがって、副外殻部品20は、円周方向において隣合う部品間で、六角形及び四角形の辺を接触させる組み合わせ状態では、各外殻1tを構成する面が所定角度になり、内部空間SPを有する立体的形状を作ることが可能になる。
【0019】
第2の副外殻部品22で直方形に構成されたものには、円周方向に隣合う他の第2の副外殻部品22と連結可能な三角形の形状の一対の連結部品30が設けられている。連結部品30は、第2の副外殻部品22に対して第3接続部22cを介して揺動可能に設けられている。連結部品30には、隣合う他の第2の副外殻部品22に係合可能に突出するフック部30fが設けられている。このフック部30fは、連結部品30の揺動先端側(自由端側)に設けられ、先端が係止部として機能するフック形状となっている。したがって、連結部品30を有する第2の副外殻部品22に対して隣合う他の第2の副外殻部品22には、フック部30fの着脱が可能な係合孔32(
図4参照)が設けられている。
【0020】
第1形態1Fにおいては、連結部品30によって、
図3に示すように、隣合う第2の副外殻部品22同士が連結固定されている。また、第1の副外殻部品21と、隣合う他の第1の副外殻部品21とは連結固定されていない。すなわち、隣合う第1の副外殻部品21同士は、第2の副外殻部品22同士の連結によって、隣接状態に位置規制され、維持されている。また、連結部品30は、その形状が三角形状であることによって、四角形の第2の副外殻部品22と隣合う台形の第2の副外殻部品22との隙間を埋めるように対応している。
【0021】
以下、第1形態1Fから第2形態2Fに変えるときの玩具1の操作について、
図4~
図10を参照して説明する。
図4は、主部品5の係合解除を示す斜視図である。
玩具1を、第1形態1Fから第2形態2Fに変えるときは、先ず、主部品5と、第1の副部品41と、第2の副部品42と、に分解する(
図2参照)。その後、
図4に示すように、6個の連結部品30を主部品5の内側に揺動させる。この操作によりフック部30fの全てを外す。これにより、第2の副外殻部品22と隣合う他の第2の副外殻部品22との連結が解除される。
【0022】
図5は、主部品5の展開初期の状態を示す斜視図である。
図6は、
図5におけるB-B線に沿った部分の断面図である。
連結部品30による連結が解除された状態では、第2の副外殻部品22及び第1の副外殻部品21は、主外殻部品10を中心にして外側に展開できる状態となっている。したがって、
図5に示すように、例えば、第1接続部10cを支点にして第1の副外殻部品21を展開すると共に、第2の副外殻部品22を、第2接続部21cを支点にして外側に広げることができる。
【0023】
ここで、
図6に示すように、第2の副外殻部品22と第1の副外殻部品21との間には、第2接続部21cを挟む位置に屈曲固定部28が設けられている。屈曲固定部28は、第1の副外殻部品21側に嵌入片28bが設けられ、第2の副外殻部品22側に嵌入片28bが嵌まり込む凹部28cを備える突部28aが設けられている。
図6においては、第2の副外殻部品22を、第2接続部21cを支点にして外側に広げる前の状態であるので、嵌入片28bと突部28aは離れている。
【0024】
図7は、主部品5の展開中段の状態を示す斜視図である。
図8は、
図7におけるC-C線に沿った部分の断面図である。
連結部品30による連結を解除し、第2の副外殻部品22及び第1の副外殻部品21を、
図7に示すように外側に展開するが、このとき、第2の副外殻部品22を、第2接続部21cを中心にして第1の副外殻部品21の外側(第1形態1Fにおいて外側)に近づけるように回転する。すなわち、
図8に示すように、屈曲固定部28の嵌入片28bと突部28aとが近づくように折り曲げる。この折り曲げ操作は、連結部品30の連結を解除した状態で可能であるので、展開と同時でも良いし、展開後に行っても良い。
【0025】
図9は、主部品5による第2形態2Fの状態を示す斜視図である。
図10は、
図9におけるD-D線に沿った部分の断面図である。
展開操作の終段において、
図9に示すように、第1の副外殻部品21と第2の副外殻部品22とは完全に延ばしきった展開状体とはせずに、所定の角度で盛り上がった状態にする。すなわち、
図10に示すように、嵌入片28bと突部28aとが嵌り合うことで、第1の副外殻部品21と第2の副外殻部品22とは所定の角度で固定される。この固定は、全ての第2の副外殻部品22と第1の副外殻部品21との間において、断面形状が山折りの形状Mfに維持される。なお、ここで言う、「山折りの形状」とは、第2の副外殻部品22と第1の副外殻部品21とによる形状において、第2接続部21cを頂点とした山のような形状を言う。
【0026】
図11は、
図9におけるA-A線断面で第2形態を示す概略断面図である。
図11に示すように、第1の副外殻部品21と第2の副外殻部品22とによる山折りの形状Mfがあることによって、第2形態2Fにおいて、立体的に空間が表現される。要するに、第2形態2Fにおいて、主外殻部品10は、載置面60に接地され、且つ第2の副外殻部品22の先端側の端部22eが載置面60と接地していることで、第1の副外殻部品21は、載置面60とは接地しない浮き上がった状態となる。このように山折りの形状Mfを成した第2形態2Fにおいては、第2接続部21cにより区画される領域の第2の開口2hが形成される。この第2の開口2hは、第1の開口1hよりも開口面積が大きい開口となる。このように第2の開口2hが大きく構成されていることで、例えば、第2の開口2h内に物品を展示するような場合に大きい物品を置くことができ便利である。
【0027】
図12は、第2形態2Fにおいて、主部品5による立体物の展示状態を示す説明図である。
図12に示すように、例えば、怪獣などのキャラクターCの頭部を模した物品を、第2の開口2hの内側に置く。この場合、キャラクターCの頭部は、主外殻部品10の上に載置する。このようにキャラクターCの頭部を第2の開口2hの内側に置くことで、キャラクターCの頭部が、第2の開口2hから出た状態を演出できる。
【0028】
図13は、第2形態2Fにおいて、主部品5と第2の副部品42と用いた立体物の展示状態の一例を示す説明図である。
第2形態2Fにおいて、
図13に示す場合、第2の副部品42を、主外殻部品10の上に置いた状態で、これを台座部としてその上にキャラクターCの頭部を載置している。ここでは、第2形態2Fが、主部品5と第2の副部品42とによって構成される。この形態においては、キャラクターCの頭部を置く位置が高くなる。なお、この場合、第2の副部品42は、例えば、固定突起42dを固定用孔10gに嵌め込むことで、より確りと固定できる。また、第2の副部品42の上端面は、比較的狭いものの平坦面で構成されているのでキャラクターCの頭部を載置することができる。しかし、必要に応じて、キャラクターCの頭部と第2の副部品42とを、例えば凹凸嵌合等により連結する構造を用いても良い。
【0029】
図14は、第2形態2Fにおいて、主部品5と第1の副部品41と用いた立体物の展示状態の一例を示す説明図である。
第2形態2Fにおいて、
図14に示す場合においては、第1の副部品41を、第2の開口2hの中に入れた状態で、この第1の副部品41を台座部としてキャラクターCの頭部を載置している。ここでは、第2形態2Fが、主部品5と第1の副部品41とによって構成される。この形態においては、第1の副部品41は、その開口側の端部が第1の副外殻部品21に係合する。また、第1の副部品41の開口側の端部は、第1の副外殻部品21の隣合うもの同士の隙間に入り込む(図示の状態)ようにして係止して固定することもできる。この場合においても、キャラクターCの頭部を置く位置は高くできる。この場合においても、固定用孔10gに嵌め込む部材を使用して第1の副部品41を固定するようにしても良い。
【0030】
図15は、第2形態2Fにおいて、主部品5と第1の副部品41と用いた立体物の展示状態の他の例を示す説明図である。
図15に示す場合においては、
図14に示した場合と同様に、第1の副部品41を第2の開口2hの中に入れるのではあるが、
図14の場合とは、第1の副部品41の装着向きが逆になっている。この場合においては、第1の副部品41の内側にキャラクターCの頭部が入った状態となる。この形態において、第1の副部品41は、主外殻部品10上に載置されるが、必要に応じて、固定用孔10gに嵌め込む部材を使用し、第1の副部品41を主外殻部品10に固定する構成としても良い。
【0031】
図16は、第2形態2Fにおいて、主部品5の表側の演出形態を示す説明図である。
第2形態2Fにおいては、上記したようにキャラクターCを展示する時には、少なくとも主部品5は、その表側を演出面とする。したがって、
図16に示すように、第1の副外殻部品21と第2の副外殻部品22に、陸上部の岩などを模した演出面Dが設けてある。この演出面Dは、第1形態1Fにおける内部空間SPに収まる大きさであれば、比較的大きい突出形状を設けることができる。なお、主外殻部品10にも演出面Dを設けても良いが、載置面としてなるべく平らの方が良い。また、演出面Dは、陸上部に限らず、その他に、例えば海上部、火山の火口部などを模すことができる。また、
図15に示すように、第1の副部品41の内側を上にする展示形態においては、第1の副部品41を単なる台座として利用するだけでなく、第1の副部品41の内側を利用して、色彩や形状による演出が可能になり演出の幅が広がる。
【0032】
以上述べたように、本実施形態の玩具1によれば、第1形態1Fにおいて、平板かつ多角形状を成し連結可能である主外殻部品10及び副外殻部品20は、組み合わせたときに内部空間SPが形成されていることで、内部空間SP内に物品を収容できる。また、外殻1tの内側に立体的な装飾物を設けることができる。更に、平板かつ多角形状を成し連結可能である主外殻部品10及び副外殻部品20は、展開したときに多様な形状とすることができ、興趣性の高い玩具1を提供できる。
【0033】
また、本実施形態の玩具1では、第1形態1Fにおいて、第1の開口1hを閉塞可能な第1の副部品41を備えることで、第1形態1Fにおいて閉じた内部空間SPを構成することができる。また、主部品5は、第1の開口1hが形成される多面体を構成することができ、必要に応じて第1の開口1hから内部空間SPに物品を収容することができる。また、玩具1では主外殻部品10を被覆可能な第2の副部品42を備えることで、主外殻部品10の外面の平板形状を球形により近い形状にできる。このように、第1形態1Fにおける形状が略球形であるので、物品供給装置からの自動供給を可能とし、その販売形態の汎用性を高くできる。
【0034】
また、本実施形態の玩具1では、1つの主外殻部品10を中心に揺動自在に連結された複数の副外殻部品20を備えているので、主外殻部品10の中心に各部品を揺動させることで、容易に形態を変えることができる。
【0035】
また、本実施形態の玩具1では、主外殻部品10、副外殻部品20においては、六角形及び四角形の外周縁(辺)を接触或いは離間させる組み合わせの構造であるので、外周縁同士を接近させることで内部空間SPを形成でき、外周縁同士を離間させることで他の立体的形状を作ることができる。例えば、第1の副外殻部品と第2の副外殻部品は、直方形と台形の形状を成していることで、各部品が平板形状であっても、その外周縁を接するように組み合わせることで、全体的な形状として湾曲する形態を作り出すことができる。
【0036】
また、本実施形態の玩具1では、台形の形状の副外殻部品においては、短辺と長辺とが平行に構成され、また、各々同一の長さに構成されているので、長辺同士を接続したときに、正六角形を形成することができる。これにより、平板の組み合わせの時に球形の近い形態を作りやすい。
【0037】
本実施形態の玩具1では、第1の副外殻部品21と第2の副外殻部品22とが連結される場合、両部品が略同じ形状とすることで、隙間の少ない連続する面を形成することができ、また、台形同士の連結の場合、六角形を形成することができるので、平板による略球形の形成が可能である。
【0038】
また、本実施形態の玩具1では、副外殻部品20が、主外殻部品10に連結された第1の副外殻部品21と、第1の副外殻部品21に連結された第2の副外殻部品22と、を含む2連の構造であるので、その接続部(第1接続部10c、第2接続部21c)を屈曲させたりして複雑な形状を表現することができる。
【0039】
本実施形態の玩具1では、連結部品30は三角形状であるので、四角形の第2の副外殻部品22同士の回動による接近或いは離間に際して形成される隙間に対応し易い。
【0040】
本実施形態の玩具1では、内部空間SPを形成する第1形態1Fにおいて、主外殻部品10の周りに設けられる第1の副外殻部品21の形態維持は、第2の副外殻部品22同士の連結部品30によって達成される。要するに、第1の副外殻部品21には、連結部位がなくてよく、連結及び連結の解除がし易い。よって、第1形態1Fと第2形態2Fとの間の形態変化をする際の操作部分が少ない、取扱い性の良い玩具1を提供できる。
【0041】
本実施形態の玩具1では、第2形態において、第2の副外殻部品22同士の連結が解除されることで、第1の副外殻部品21及び第2の副外殻部品22は、円周方向(主外殻部品10を中心にして円周方向)の隣合う部品同士の拘束状態がなくなる。この結果、第2形態において表現できる玩具1の形状は、部品間の間隔を自在にでき、また形状を大きくできる。
【0042】
また、本実施形態の玩具1では、第2形態2Fにおいて、主外殻部品10が接地面(載置面60)に接地されると共に第2の副外殻部品22が接地面と接地していることで、主外殻部品10と第2の副外殻部品22との間で第1の副外殻部品21が浮き上がった状態の山折りの形状Mfによって立体的に空間を表現できる。また、山折りの形状Mfを成した状態において形成される第2の開口2hは、第1の開口1hよりも開口面積が大きいので、第1形態1Fの時よりも大きい形状を表現することができ、第2の開口2h内に大きい物品を載置することができる。
【0043】
本実施形態の玩具1では、第1の副部品41、及び第2の副部品42の少なくとも一方は、第2形態2Fにおいて、主外殻部品10若しくは第1の副外殻部品21上に載置可能であるので、両副部品41,42によって高さの高くなる台座部を成すことができる。また、第1形態1Fにおいて外殻1tを構成する第1の副部品41及び第2の副部品42が、第2形態2Fにおいて利用可能に構成されているので、部品の有効利用ができる。
【0044】
また、本実施形態の玩具1では、第2形態2Fは、陸上部、海上部、火口部の少なくとも何れかを模すことで、展示形態を彩ることができる。また、第2形態2Fにおいて、表面となる面は、陸上部、海上部、火口部の少なくとも何れかを模す構成の部分を、第1形態1Fでは、内部空間SP内に収容することができる。したがって、第1形態1Fでは見えない演出が、第2形態2Fの時に初めて見ることができる興趣性の高い玩具1を提供できる。
【0045】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はその技術思想の範囲で適宜変更することができる。例えば、上記実施形態においては、主外殻部品10は六角形状としたが、これに限るものではなく、八角形や、さらに多い多角形でも良い。
また、上記実施形態においては、副外殻部品20は、主外殻部品10の外径方向において、第1の副外殻部品21に第2の副外殻部品22を接続した2連の構成とした。しかし、必ずしもこれに限定されるものではなく、第3の副外殻部品や第4の副外殻部品を設けた、3連、4連の構成であっても良い。
また、上記実施形態においては、第2形態2Fにおいて、第1の副外殻部品21と第2の副外殻部品22とを山折りの形状Mfに固定する屈曲固定部28が、全ての副外殻部品20に設けられる構成としたが、これに限るものではない。例えば、屈曲固定部28は、円周方向において1つ置きに設けられた構成であっても良い。
【符号の説明】
【0046】
1 玩具
1F 第1形態
1t 外殻
2F 第2形態
5 主部品
10 主外殻部品
10s 外周縁
20 副外殻部品
21 第1の副外殻部品(副外殻部品)
22 第2の副外殻部品(副外殻部品)
30 連結部品
41 第1の副部品
42 第2の副部品
Mf 山折りの形状
Ls 長辺
SP 内部空間
Ss 短辺