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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-18
(45)【発行日】2022-11-29
(54)【発明の名称】真空遮断バルブ
(51)【国際特許分類】
   H01H 33/66 20060101AFI20221121BHJP
   H01H 33/662 20060101ALI20221121BHJP
【FI】
H01H33/66 V
H01H33/662 J
H01H33/662 G
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020549872
(86)(22)【出願日】2018-11-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-18
(86)【国際出願番号】 EP2018081927
(87)【国際公開番号】W WO2019115178
(87)【国際公開日】2019-06-20
【審査請求日】2021-02-09
(31)【優先権主張番号】102017222406.1
(32)【優先日】2017-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】521001582
【氏名又は名称】シーメンス エナジー グローバル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】SIEMENS ENERGY GLOBAL GMBH & CO. KG
(74)【代理人】
【識別番号】110003317
【氏名又は名称】特許業務法人山口・竹本知的財産事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100169627
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 美奈
(72)【発明者】
【氏名】バロン,リディア
(72)【発明者】
【氏名】グラスコウスキー,フランク
(72)【発明者】
【氏名】ヤーンケ,ウーヴェ
(72)【発明者】
【氏名】ラウォール,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】シャハトシュナイダー,クラウス
(72)【発明者】
【氏名】シュティーラー,クリスチャン
【審査官】関 信之
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-054504(JP,A)
【文献】実開昭62-089740(JP,U)
【文献】実開昭53-024465(JP,U)
【文献】国際公開第2012/164659(WO,A1)
【文献】実開昭52-137073(JP,U)
【文献】特開昭59-209230(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 33/66
H01H 33/662
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの絶縁体(20)と、固定接触子(30)と、固定接触子フランジ(40)と、長手軸(56)を有する可動接触子(50)と、可動接触子フランジ(60)と、可動接触子軸受(70)と、ベローズ(80)とを備えた真空遮断バルブ(10)であって、
前記固定接触子(30)が前記固定接触子フランジ(40)に固定配置されており、前記可動接触子(50)が前記可動接触子軸受(70)内を移動可能に案内されており、かつ前記可動接触子が前記ベローズ(80)によって移動可能に前記可動接触子フランジ(60)に取り付けられており、
前記ベローズ(80)の第1ベローズ端部(82)が前記可動接触子フランジ(60)に取り付けられており、前記ベローズ(80)の第2ベローズ端部(84)が前記可動接触子(50)に取り付けられている、真空遮断バルブ(10)において、
前記可動接触子軸受(70)が、前記ベローズ(80)の外側に設けられており、
前記可動接触子(50)の長手軸(56)に沿った移動に対して前記可動接触子(50)上に固定されるように構成されて、前記可動接触子軸受(70)を通して案内されているスリーブ(90)によって、1バールを超える周囲圧力に対する真空遮断バルブ(10)の増大した圧力強度が達成され
前記可動接触子(50)が可動接触子ロッド(52)と可動接触子接触円板(54)とを有し、前記第2ベローズ端部(84)がベローズキャップ(86)を介して前記可動接触子ロッド(52)に接続されており、
前記スリーブが、前記第2ベローズ端部(84)の領域および/又は前記ベローズキャップ(86)の領域において、圧入、篏合係合、ラッチ係合、ろう接、溶接、前記スリーブによって形成されない前記可動接触子の肉厚化によって、前記可動接触子(50)上の位置に固定されることを特徴とする真空遮断バルブ(10)。
【請求項2】
前記スリーブ(90)が前記第2ベローズ端部(84)から前記可動接触子軸受(70)を通って外に延び出るように、前記スリーブ(90)が前記可動接触子(50)上に配置されており、前記可動接触子(50)の移動中に前記可動接触子(50)と前記スリーブ(90)との間で前記可動接触子(50)の長手軸(56)に沿った相対移動が起こらないように、前記スリーブ(90)が固定装置によって前記可動接触子(50)上に固定されていることを特徴とする請求項1記載の真空遮断バルブ(10)。
【請求項3】
前記可動接触子(50)が少なくとも1つの可動接触子ロッド(52)と1つの可動接触子接触円板(54)とを有し、前記第2ベローズ端部(84)が前記可動接触子ロッド(52)に直接接続されていることを特徴とする請求項1又は2記載の真空遮断バルブ(10)。
【請求項4】
前記スリーブの圧入が、前記第2ベローズ端部(84)と前記可動接触子(50)との間、又は前記ベローズキャップ(86)と前記可動接触子ロッド(52)との間で行われることを特徴とする請求項1乃至3の1つに記載の真空遮断バルブ(10)。
【請求項5】
前記可動接触子軸受(70)が、少なくとも1つの第1ガイド要素(72,72’)を有し、前記スリーブ(90)が、少なくとも1つの第2ガイド要素(92,92’)を有し、前記第1ガイド要素(72,72’)と前記第2ガイド要素(92,92’)とが、前記可動接触子軸受(70)内での前記スリーブ(90)の回転を防止するように、互いに係合することを特徴とする請求項1乃至の1つに記載の真空遮断バルブ(10)。
【請求項6】
前記可動接触子軸受(70)から前記スリーブ(90)が滑り出ないように、前記第1ガイド要素(72)と前記第2ガイド要素(92)とが、互いに係合して相互に移動制限することを特徴とする請求項記載の真空遮断バルブ(10)。
【請求項7】
前記可動接触子ロッド(52)が、少なくとも1つの第3ガイド要素(53)を有し、前記スリーブ(90)が、少なくとも1つの第4ガイド要素(94)を有し、前記可動接触子ロッド(52)上での前記スリーブ(90)の回転を防止するように、前記第3ガイド要素(53)と前記第4ガイド要素(94)とが協働することを特徴とする請求項1乃至6の1つに記載の真空遮断バルブ(10)。
【請求項8】
前記スリーブ(90)が、低摩擦係数を有する材料からなることを特徴とする請求項1乃至の1つに記載の真空遮断バルブ(10)。
【請求項9】
前記スリーブ(90)が、ポリテトラフルオロエチレン又はポリテトラフルオロエチレンの変態からなることを特徴とする請求項1乃至の1つに記載の真空遮断バルブ(10)。
【請求項10】
前記第2ベローズ端部(84)および/又は前記ベローズキャップ(86)が、さらにベローズシールド(88)を有することを特徴とする請求項1乃至6、8および9の1つに記載の真空遮断バルブ(10)。
【請求項11】
前記ベローズシールド(88)は、前記第2ベローズ端部(84)から前記可動接触子フランジ(60)の方向に延びていることを特徴とする請求項10記載の真空遮断バルブ(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中圧開閉装置用および高圧開閉装置用の真空遮断バルブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術よる真空遮断バルブは、真空遮断バルブの可動接触子を真空遮断バルブ内に移動可能に案内するためのベローズを有する。
【0003】
大きなストロークおよび/又は長いベローズの場合には、特に、1バール(1bar)を超える周囲圧力では、開閉過程において、ベローズが、折れ曲がりおよび/又はゆがみおよび/又はねじれ等の変形をもたらされ、可動接触子と擦れ合うという問題が生じる。これにより、ベローズの寿命が短くなり、従って、真空遮断バルブの寿命が短くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、ベローズの変形およびベローズと可動接触子との擦れ合いを低減又は防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、独立請求項1およびそれに従属する請求項によって解決される。
【0006】
一実施例では、真空遮断バルブが、少なくとも1つの絶縁体と、固定接触子と、固定接触子フランジと、可動接触子の長手軸を有する可動接触子と、可動接触子フランジと、可動接触子軸受と、ベローズとを有する。固定接触子が、固定接触子フランジ内に固定配置されており、可動接触子が、可動接触子軸受内を移動可能に案内されており、かつ可動接触子が、ベローズによって移動可能に可動接触子フランジに取り付けられており、ベローズの第1ベローズ端部が、可動接触子フランジに取り付けられており、ベローズの第2ベローズ端部が、可動接触子に取り付けられおり、可動接触子の長手軸に沿った移動に対して可動接触子上に固定されて可動接触子軸受を通して案内されているスリーブによって、1バールを超える周囲圧力に対する真空遮断バルブの増大した圧力強度が達成される。さらに、特に、2バールを超える、特に好ましくは4バールを超える周囲圧力に対する真空遮断バルブの増大した圧力強度が達成される。
【0007】
可動接触子上でのスリーブの固定は、ベローズがあらゆるスイッチ位置で保護されていることをもたらすと共に、固定接触子と可動接触子とからなる開閉システムが閉じている場合であっても、ベローズと可動接触子との間の摩擦接触又はベローズの変形が起き得ないことをもたらす。これはまた、より高い周囲圧力でより長い耐用年数をもたらす。真空遮断バルブが、過圧ガス中に、特に絶縁ガス中に、特に好ましくはSF6よりも小さいGWP(Global Warming Potential、地球温暖化係数)を有するガス中に配置されている場合、高められた周囲圧力が生じることが好ましい。特に、開閉装置に充填されているガスは、ケトン、特にフルオロケトン、ニトリル、又は窒素と二酸化炭素とのガス混合物であるとよい。
【0008】
スリーブは、好ましくは、スリーブが可動接触子に固定されている領域において、スリーブが可動接触子の外側輪郭を模擬する内側輪郭を有するように形成されている。
【0009】
さらに、スリーブは、有利な実施形態では、取り付けられた状態でスリーブとベローズとの間の距離が小さくなるように設計されている。
【0010】
好ましくは、さらに、スリーブが第2ベローズ端部から可動接触子軸受を通って外へ延び出るように、スリーブが可動接触子上に配置されており、可動接触子の移動中に可動接触子とスリーブとの間で可動接触子の長手軸に沿った相対移動が起こらないように、スリーブが固定装置によって可動接触子上に固定されている。
【0011】
さらに、可動接触子が少なくとも1つの可動接触子ロッドと1つの可動接触子接触円板とを有し、第2ベローズ端部が1つのベローズキャップを介して可動接触子ロッドに接続されていることが好ましい。可動接触子ロッドと可動接触子接触円板との間に、可動接触子体が配置されていてもよい。
【0012】
好ましくは、さらに、可動接触子が少なくとも1つの可動接触子ロッドと1つの可動接触子接触円板とを有し、第2ベローズ端部がベローズキャップを介して可動接触子ロッドに接続されていることも好ましい。可動接触子ロッドと可動接触子接触円板との間に可動接触子体が配置されていてもよい。
【0013】
また、スリーブは、第2ベローズ端部の領域および/又はベローズキャップの領域において、圧入によって可動接触子上の位置に固定されることが好ましい。それに代えて、スリーブは、篏合係合、ラッチ係合、ろう接、溶接、スリーブによって模擬されない可動接触子肉厚部への圧力嵌め、又はその他の方法によって固定されている。
【0014】
特に、スリーブの圧入は、第2ベローズ端部と可動接触子との間、又はベローズキャップと可動接触子ロッドとの間で行われることも好ましい。特に、付加的に、第2ベローズ端部、可動接触子又はベローズキャップにおける構造要素を用いたスリーブ係止も行うとよい。係合する突起および/又は凹部は、係止手段として特に適している。
【0015】
また、可動接触子軸受が第1ガイド要素を有し、スリーブが第2ガイド要素を有し、第1ガイド要素と第2ガイド要素とが互いに係合して、可動接触子軸受内でのスリーブの回転を防止することが好ましい。特に互いに係合する溝および突起によるさね継ぎ構造が適しており、即ち、第1ガイド要素が、例えば溝であり、第2ガイド要素が、例えば突出している構造要素、即ち突起の如き溝係合部であり、又は第1ガイド要素および第2ガイド要素がその逆の関係にある。その構造要素は、固定式、非可撓性、又は可撓性のいずれであってもよい。従って、第1ガイド要素と第2ガイド要素との協働が、可動接触子軸受内でのスリーブの回転を防止する。
【0016】
さらに、スリーブは、1つよりも多い第1ガイド要素、特に2つ又は3つの第1ガイド要素を有し、可動接触子軸受は、1つよりも多い第2ガイド要素、特に2つ又は3つの第2ガイド要素を有することが好ましい。この場合に、それぞれの対応するガイド要素が、互いに係合し、即ち、いずれの場合にも、1つの第1ガイド要素と1つの第2ガイド要素とが協働することによって、2つ、3つ、それ以上の第1ガイド要素および第2ガイド要素は、確実な案内を保証することとなり、従って、可動接触子軸受とスリーブとの間における効果的な回転保護をもたらす。
【0017】
また、スリーブが可動接触子軸受から滑り出ないように、第1ガイド要素と第2ガイド要素とが互いに係合して互いの運動を制限することが好ましい。例えば、これは、可動接触子の長手軸に平行な縦方向の溝の長さを制限することによって可能であり、これは、この例では、溝係合部、例えば突起が溝の端部に当たり、それゆえスリーブおよび該スリーブに接続されている可動接触子のそれ以上の移動が阻止される。それによって、移動が第1ガイド要素と第2ガイド要素とによって制限されるので、例えば輸送中に、スリーブが可動接触子と一緒に可動接触子軸受から滑り出るときに、ベローズが伸び過ぎによって過度に伸ばされるのを防止することができる。
【0018】
それゆえ、スリーブは、変形の危険性を低減することによって、より高い周囲圧力および/又はより大きなベローズストロークと、より大きなベローズ長さとを可能にし、それだけでなく、ベローズの伸び過ぎによるベローズ損傷に対する保護も可能にする。
【0019】
また、可動接触子ロッドが、第3ガイド要素を有し、スリーブが、第4ガイド要素を有し、第3ガイド要素と第4ガイド要素とが、可動接触子ロッド上でのスリーブの回転を防止するように協働することが好ましい。
【0020】
特に、第3ガイド要素は、可動接触子ロッド、特に可動接触子の周縁の平坦化された領域によって形成し、第4ガイド要素は、スリーブに、可動接触子ロッド又は可動接触子のその平坦化された領域に対応して補って盛り上げた平坦部によって形成することが好ましい。代替として、可動接触子ロッドが、全体的又は部分的に、楕円形の周縁輪郭、楕円形の断面積を有し、スリーブが、楕円形の周縁輪郭、楕円形の断面積を有してもよい。
【0021】
さらに、好ましくは、可動動接触子ロッドが、1つよりも多い第3ガイド要素、特に2つ又は3つの第3ガイド要素を有し、スリーブが、1つよりも多い第4ガイド要素、特に2つ又は3つの第4ガイド要素を有する。この場合に、それぞれ対応するガイド要素は、互いに係合し、即ち、いずれの場合にも、1つの第3ガイド要素と1つの第4ガイド要素とが協働することによって、2つ、3つ又はそれ以上の第3ガイド要素および第4ガイド要素は、確実な案内を保証することになり、従って、可動接触子軸受とスリーブとの間における効果的な回転保護をもたらす。
【0022】
第1ガイド要素、第2ガイド要素、第3ガイド要素および第4ガイド要素、又は多重のガイド要素を使用することによって、追加としてベローズの変形危険性を低減するために、スリーブによってベローズのねじれに関する変形危険性も低減される。
【0023】
また、スリーブは、低摩擦係数の材料で作られることが好ましい。特に、静止摩擦に関する摩擦係数および滑り摩擦に関する摩擦係数は共に小さいことが好ましく、静止摩擦および滑り摩擦に関する摩擦係数は同じであることが特に好ましく、これにより滑らかな滑り及び停止も可能になる。
【0024】
さらに、スリーブは、ポリテトラフルオロエチレン、又は変性ポリテトラフルオロエチレン、即ち、化学的に同類の材料からなることが好ましい。
【0025】
また、第2ベローズ端部および/又はベローズキャップが、さらにベローズシールドを有すると有利である。ベローズシールドは、蒸発した材料がベローズ上に堆積するのを防止および/又は低減する。
【0026】
さらに、ベローズシールドは、第2ベローズ端部から可動接触子フランジの方向に延在することが好ましい。
【0027】
以下、図面を参照して本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は本発明によるスリーブを有する真空遮断バルブの断面図である
図2図2はスリーブとベローズシールド付きのベローズキャップとを有する可動接触子ロッドの断面図である。
図3図3は可動接触子軸受内で案内されるスリーブの斜視図である。
図4図4はスリーブとガイド要素とを有する可動接触子の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、本発明によるスリーブ90を有する真空遮断バルブ10の断面図を示す。真空遮断バルブ10は、複数の絶縁要素20を有しており、これらの絶縁要素20は、ここでは、必要に応じて、中間要素25によって間隔をあけられている。
【0030】
さらに、真空遮断バルブ10は、固定接触子30を有しており、この固定接触子30は、ここでは、固定接触子ロッド32と、固定接触子体35と、固定接触子接触円板34とからなる。固定接触子30は、真空遮断バルブ10の一端において、固定接触子フランジ40により1つの絶縁体20に固定されている。
【0031】
真空遮断バルブ10の可動接触子50が、固定接触子20に対向して配置されており、この可動接触子50は、ここでは、例えば、可動接触子ロッド52と、可動接触子体55と、可動接触子接触円板54とからなる。
【0032】
可動接触子50上に、より正確には、可動接触子ロッド52上に、スリーブ90が固定されており、このスリーブ90は、可動接触子フランジ60における可動接触子軸受70を通して、そのベローズから外に案内されている。スリーブ90は、ここに示す例では、可動接触子ロッド52とベローズキャップ86との間において固定されている。従って、可動接触子50が可動接触子50の長手軸56に沿って移動するときに、スリーブ90と可動接触子50との間に相対運動が生じないように、スリーブ90は可動接触子52に固定される。真空遮断バルブ10内での可動接触子50の移動を可能にするベローズ80は、該ベローズ80の第1端部82で、可動接触子フランジ60に固定されている。ベローズ80の第2端部84は、図1では、ベローズキャップ86に固定されており、ここでもやはり、ベローズキャップ86は、可動接触子50の可動接触子ロッド52に固定されている。ベローズキャップ86は、図1では、任意のベローズシールド88を有し、このベローズシールド88は、ベローズキャップ86からベローズ80に沿って可動接触子フランジ60の方向に延びている。
【0033】
図2は、スリーブ90を有する可動接触子ロッド52を示しており、このスリーブ90は、可動接触子ロッド52とベローズキャップ86との間における圧入領域89内に矢印91の方向に圧入される。任意選択的に、この圧入領域89は、その可動接触子ロッドを肉厚化することによって形成されていてもよい。さらに、ベローズキャップ86は、図1に示すように、ベローズシールド88を有している。
【0034】
図3は、第3ガイド要素53を有する可動接触子ロッド52の一部と、スリーブ90内に第4ガイド要素94および第2ガイド要素92を有するスリーブ90の一部とを示し、第2ガイド要素92は、可動接触子軸受70の第1ガイド要素72と協働する。この第1ガイド要素72は、ここでは図示されていないが、図4に図示されている。
【0035】
図4は、可動接触子軸受70内のスリーブ90を示し、スリーブ90は、2つの第2ガイド要素92、92’を有し、可動接触子軸受70は、2つの対応する第1ガイド要素72,72’を有する。第1ガイド要素72、72’は、ここでは、溝係合部、すなわち固定の構造要素として実施されている。第2ガイド要素92,92’は、この例では、溝として実施されている。この場合に、溝92は、スリーブ90の全長にわたって延びているが、一端が制限されており、それによって、スリーブ90と、スリーブ90に結合された図示されていない可動接触子50とが、可動接触子軸受70を通って滑り出るのが防止される。
【符号の説明】
【0036】
10 真空遮断バルブ
20 絶縁体
25 中間要素
30 固定接触子
32 固定接触子ロッド
34 固定接触子接触円板
35 固定接触子体
40 固定接触子フランジ
50 可動接触子
52 可動接触子ロッド
53 第3ガイド要素
54 可動接触子接触円板
55 可動接触子体
56 可動接触子の長手軸
60 可動接触子フランジ
70 可動接触子軸受
72 第1ガイド要素
72’他の第1ガイド要素
80 ベローズ
82 第1ベローズ端部
84 第2ベローズ端部
86 ベローズキャップ
88 ベローズシールド
89 圧入領域
90 スリーブ
91 スリーブ90の圧入方向の矢印
92 第2ガイド要素
92’他の第2ガイド要素
94 第4ガイド要素

図1
図2
図3
図4