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  • 特許-深さ計測器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-18
(45)【発行日】2022-11-29
(54)【発明の名称】深さ計測器
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/22 20060101AFI20221121BHJP
   G01W 1/14 20060101ALN20221121BHJP
【FI】
G01B11/22 Z
G01W1/14 Q
【請求項の数】 5
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021020724
(22)【出願日】2021-02-12
(62)【分割の表示】P 2016212949の分割
【原出願日】2016-10-31
(65)【公開番号】P2021089293
(43)【公開日】2021-06-10
【審査請求日】2021-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】516326737
【氏名又は名称】ジル コーポレイト リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】オリバー スチュアート ブラックロック
【審査官】櫻井 仁
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-058187(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2003-0087593(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第106323189(CN,A)
【文献】特開2000-258554(JP,A)
【文献】特開平11-194089(JP,A)
【文献】特開平03-242595(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
G01W 1/00- 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用する場合に垂直配置となるようにされる延長支持部(1)と、
放射部(2)のN個の集合(Nは1より大きな整数)であって、放射部の各集合は、前記延長支持部(1)上に搭載され、かつそれに沿って間隔をあけて配置される、集合と、
検出部(3)のN個の集合であって、検出部の各集合は、前記延長支持部(1)上に搭載され、かつそれに沿って間隔をあけて配置される、集合と、
を備え、
2N個の集合は、それぞれ異なる方向に向けられ、
前記放射部(2)及び前記検出部(3)は、プロセッサに電気的に接続され、後者に対して前記放射部(2)への信号の送信及び前記検出部(3)からの信号の受信を可能にする、深さ計測器において、
隣接する放射部(2)が発した信号である、検出部(3)によって受信される信号の強度が、その信号が前記放射部(2)及び前記検出部(3)に隣接する物質によって反射された程度に依存することとなるように、各放射部(2)及び各検出部(3)は、前記計測器から外側に向けられ、前記放射部(2)及び検出部(3)は、前記計測器のリング状の平台(3a)上に配置され、各リング状の平台(3a)は、前記N個の集合のそれぞれから1つの放射部及び1つの検出部を含み、
前記放射部(2)及び前記検出部(3)は、それぞれ2N個の方向に向けられた放射部-検出部対の2N個の集合を提供するように前記延長支持部(1)の周囲に互いに交互に並ぶ、ことを特徴とする、深さ計測器。
【請求項2】
前記放射部(2)及び検出部(3)は、光エミッター(2)及び光検出器(3)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の深さ計測器。
【請求項3】
前記プロセッサは、各検出部(3)から受信される信号の2つより多い異なるレベルをプロセッサが区別することが可能となるように構成されることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の深さ計測器。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記延長支持部(1)の意図された下方端からその意図された上方端まで上方へ連続的に各放射部(2)にアドレスするようにプログラムされることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の深さ計測器。
【請求項5】
前記プロセッサは、隣接する放射部(2)をオフ状態にするか又は伝送しないような別の状態にしつつ、検出部(3)から受信される前記信号のレベルを記憶し、その後前記放射部(2)を信号の伝送をする状態に切り替えるようにプログラムされて、その時にプロセッサは前記検出部(3)から受信した前記信号のレベルを比較し、前記放射部(2)がオフ状態だったか又は伝送していなかった別の状態だったときの前記信号のレベルに対するその信号のレベルの差異を記憶することを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の深さ計測器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用の場合に垂直配置となるようにされる延長支持部と、上記延長支持部上に搭載されてそれに沿って間隔をあけて配置される複数の放射部と、上記延長支持部上に搭載されてそれに沿って間隔をあけて配置される複数の検出部とを備えるものであって、上記放射部及び上記検出部はプロセッサに電気的に接続され、後者に対して上記放射部への信号の送信及び上記検出部からの信号の受信を可能にする、深さ計測器に関する。
【背景技術】
【0002】
そうした計測器のひとつが、特開平03-242595号公報に記載及び説明されている。
【0003】
そうした計測器が遭遇する課題のひとつは、積雪深の計測に用いる場合に、万一、雪が計測器に向かって動くような風向状況であると、地面に到達する前に計測器上に落ち着き、放射部及び検出部に対して雪が付着するようになりうることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平03-242595号公報
【0005】
本発明は、改善策を提供しようとするものである。
【発明の概要】
【0006】
したがって、本発明の第1の態様は、使用の場合に垂直配置となるようにされる延長支持部と、上記延長支持部上に搭載されてそれに沿って間隔をあけて配置される複数の放射部と、上記延長支持部上に搭載されてそれに沿って間隔をあけて配置される複数の検出部とを備えるものであって、上記放射部及び上記検出部はプロセッサに電気的に接続され、後者に対して上記放射部への信号の送信及び上記検出部からの信号の受信を可能にし、そうした受信器の少なくとも2組(at least two sets of such emitters)又はそうした検出部の少なくとも2組(at least two sets of such detectors)が上記延長支持部上に搭載され、該集合は、異なるそれぞれの方向に向けられている、深さ計測器を対象にしている。
【0007】
そうした構成で、積雪深の測定を提供するために用いる場合で、上記集合のうちのひとつが示す深さがその他の集合又はその他の集合のうちのひとつが示す深さと異なる場合は、これは、より大きい深さを示している集合がその上に付着した雪を有することを表しているため、その集合によって示された深さは無視してよい。このように、そうした構成は、計測器上に付着した雪から生じる偽の深さ表示と、グランドレベルから積み重なった雪からの真の深さ表示とを区別することが可能であるという利点を提供する。
【0008】
隣接する放射部が発した信号である、検出部によって受信される信号の強度は、その信号が放射部及び検出部に隣接する物質によってどれだけ反射されるかによって決まることとなるように、各放射部及び各検出部は、各放射部及び各検出部は計測器から外側に向けられうる。
【0009】
放射部及び検出部は、光エミッター及び光検出器を備えうる。そうした構成は、特に、積雪深の測定に有用である。
【0010】
プロセッサは、各検出部から受信される2つ以上の異なる信号のレベルをプロセッサが区別することが可能となるように構成されてよい。これにより、計測器は、異なるタイプの雪を区別する、例えば乾いた雪(crisp snow)、半解けの雪(slushy snow)及び氷状の雪(icy snow)などを区別することが可能となる。
【0011】
プロセッサは、延長支持部のみなされる(intended)下方端からみなされるその上方端まで上方へ連続的に各放射部にアドレス(address)するようにプログラムされうる。そうした構成で、測定された信号が直前の検出部からの信号より低くなる検出部の高さが、地上における積雪深を表しうる。
【0012】
プロセッサは、隣接する放射部をオフ状態にする又は伝送しないような別の状態にしつつ、検出部から受信される上記信号のレベルを記憶し、その後放射部を信号の伝送をする状態に切り替えるようにプログラムされてよく、その時に、プロセッサは検出部から受信した上記信号のレベルを比較し、放射部がオフ状態だった又は伝送していなかった別の状態だったときの上記信号のレベルに対するその信号のレベルの差異を記憶する。このことは、相違する信号が周辺光から独立であるために、それはプロセッサにより提供される結果に関する効果を有さず、それによって後者は、例えば、日中又は夜間のどちらで計測器を動作しているかに関わらず同じ表示を与えるという利点を提供する。
【0013】
あるいは、プロセッサは、各放射部に対して、例えばパルス信号である変更された信号を伝送させるようにプログラムされてよく、かつ、隣接する検出部からの対応する変更された信号を測定するようにプログラムされてよい。このことはまた、周辺光から独立である測定値を得るという利点を提供し、より大きな信号対雑音性能を与える。
【0014】
放射部及び検出部は、相互に登録づけられている(in registration with one another)。このことは、測定値を、1つの集合の放射部/検出部から、その他の集合又はその他の集合のいずれかひとつの放射部/検出部の高さに相当する所定の高さで、得ることができることを保証する。
【0015】
所定の放射部-検出部対の放射部及び検出部間に、仕切りが設けられうる。上記仕切りは、放射部-検出部対のうちの放射部によって発せられる上記信号に対して不透明度を有しうる。
【0016】
1つの放射部-検出部対と隣接する放射部-検出部対との間に、仕切りが設けられうる。上記仕切りは、上記対又は上記隣接する対の放射部によって発せられる上記信号に対して不透明度を有しうる。これにより、深さを測定される周辺物質による反射を介さずに、放射部から検出部へ信号が直接伝達する可能性が軽減される。
【0017】
特開平03-242595号公報において開示されるそうした計器が遭遇する他の課題としては、深さを測定しようとする物質の異なる形態を容易に区別することができないことがある。
【0018】
したがって、本発明の第2の態様は、使用の場合に垂直配置となるようになされる延長支持部と、上記延長支持部上に搭載されてそれに沿って間隔をあけて配置される複数の放射部と、上記延長支持部上に搭載されてそれに沿って間隔をあけて配置される複数の検出部とを備えるものであって、上記放射部及び上記検出部はプロセッサに電気的に接続され、後者に対して上記放射部への信号の送信及び上記検出部からの信号の受信を可能にし、複数の異なる周波数範囲内で選択的に、該選択された範囲外で放射エネルギーを発する/検出することなく、もしくはその範囲内で発せられる/検出される上記放射エネルギーと比較して低いレベルにおいてのみ上記選択された範囲外で放射エネルギーを発する/検出するように、各放射部が放射エネルギーを発することが可能であり及び/もしくは各検出部が放射エネルギーを検出可能であって、又は、それぞれ異なる周波数範囲内で、それらの範囲外で放射エネルギーを発する/検出することなく、もしくはそれらの範囲内で発せられる/検出される放射エネルギーと比較して低いレベルにおいてのみそれらの範囲外で放射エネルギーを発する/検出するように、異なる放射部が放射エネルギーを発することが可能であり及び/もしくは異なる検出部が放射エネルギーを検出可能である深さ計測器を対象にしている。
【0019】
上記範囲は狭いものでありうるため、実質的に所定の周波数で、上記放射部がそれぞれ放射エネルギーを発し、又は上記検出部が放射エネルギーを検出する。
【0020】
上記所定の周波数は、波長0.6マイクロメートル、1.1マイクロメートル及び1.65マイクロメートルに相当しうる。
【0021】
本発明に従ってなされる深さ計測器の例が、以下の添付の図面により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明を実施する深さ計測器の側面図である。
図2図2は、図1に示すII-II線で示される面における計測器の横断面図である。
図3図3は、説明的グラフを示す。
図4図4は、異なる説明的グラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、透明又は半透明材料よりなる垂直剛性柱1を備え、それに沿って互いに均等に間隔をあけて配置されて、それぞれ発光ダイオード2を備える複数の放射部が配置される、深さ計測器を示す。複数の光検出部3もまた、剛性柱1に沿って、互いに均等に間隔をあけて配置され、ダイオード2と位置を合わせる。各放射部2及び隣接する検出部3は、互いにごく近接している。各放射部及び隣接する検出部は、放射部-検出部対を形成する。そうした各対は、柱1の概ね水平な平台(プラットフォーム)3a上に据え付けられ、多数のそうした支持平台がまた柱1に沿って間隔をあけて配置される。
【0024】
柱1の下方端には、グランドスパイク5と、スパイク5及び柱1間に挟まれる安定ディスク又はフランジ6とが設けられる。
【0025】
柱1の上方端には、ケース4を伴うプロセッサが設けられる。プロセッサは、多様な回路(図示せず)を経由して、全ての放射部2と及び全ての検出部3と電気的に接続される。
【0026】
柱1の上半分には、突起7が設けられ、そこから支線(張り索)8が柱1からさらに離れる端部まで延び、その端部は地面にしっかりと固定される。これにより、柱1のさらなる安定性が提供される。
【0027】
図2からより容易に確認できるように、各平台3aは、平台円周に沿って円周方向に等間隔に間隔をあけて配置される4つの放射部及び4つの検出部を支持する。そのため、各平台上で、その円周に沿って進むと、放射部が検出部と交互に並ぶ。各放射部2及び各検出部3は、所定の水平方向において、各放射部2が、隣接する検出部3の双方に対して実質的に45度の角度に向けられ、各検出部3が、隣接する放射部2の双方に対して実質的に45度の角度に向けられるように、放射状に外側に向けられる。各放射部2は、所定の高さにおいて2つの隣接する検出部3を有し、各検出部3は、所定の高さにおいて2つの隣接する放射部2を有し、各放射部2及び各検出部3は、2つの放射部-検出部対の一部を構成する。各放射部-検出部対の放射部2及び検出部3間には、仕切り9及び10がある。これらの仕切りは、所定の放射部-検出部対の放射部2から検出部3へ直接光が伝送される程度を軽減するように不透明度を有しうる。
【0028】
平台3aのそれぞれの8つの放射部-検出部対は、その他の全ての平台3aの放射部-検出部対と同様の8つの各方向に向けられるということがわかるであろう。結果として、8本の2等分線がまた、隣接する仕切り間を45度の角度として、柱1の軸線周辺に均等に間隔をあけて配置されるように、放射部-検出部対の8つの集合は、各集合の放射部及び検出部間に仕切り9又は10によって構成されるそれぞれの2等分線を伴う。
【0029】
使用の場合には、フランジ6が地表に対して押圧され、かつ、支線8もまた図1に示すように地面に固定されるようにスパイク5を地面に挿入して、図1及び2に説明する計測器を次の手法で動作する。
【0030】
ケース4を伴うプロセッサは、最下の8つの放射部-検出部対のそれぞれの検出部3から発する信号をプロセッサが読み取るように、適切にプログラムされる。プロセッサは、これを行う一方で、それらの対の放射部をそれぞれオフに切り替えるか、又はさせなければ非伝送状態(non-transmitting condition)とする。その後プロセッサは、最下の平台3aの各放射部-検出部対の放射部2をオンに切り替えるため、それにより、1つの放射部-検出部対と別の放射部-検出部対との間で測定への干渉がない。その後プロセッサは、放射部2が伝送状態にあるときに各放射部-検出部対の検出部3から得た読み取りと、各対の放射部2が伝送していないときに検出部3から得た読み取りとの差異を記憶する。
【0031】
これがその後、柱1の底部から上方へ連続的にその上部に向かって、各平台3aの放射部-検出部対で繰り返される。
【0032】
その後プログラムは、これらの結果を解析して、所定の放射部-検出部対の放射部2から検出部3へ光を反射する物質がないという事実により前記差異が急激に低下するのは柱1のどの高さにおいてかを示す。それはまた、例えば柱1上に何らかの雪の付着があるか否かの表れである、所定の高さの平台3a上の放射部-検出部対から、また相違する信号の値から得られた結果における何らかの差異の表示、並びに、例えば、乾いた雪、半解けの雪、氷状の雪もしくはこれらの間の状態であるか、又は、細粒の霜(frost)、粗粒の霜もしくは気泡を含有する氷塊であるか、物質の種類の表示を提供する。
【0033】
この手順は、実質的に0.6マイクロメートルの波長に相当する周波数で、排他的に動作するように切り替えられた放射部2及び/又は検出部3によって完了する。その後、実質的に1.1マイクロメートルの波長で、排他的に動作するように切り替えられた放射部2及び/又は検出部3で繰り返される。上記手順は、その後、実質的に1.65マイクロメートルの波長で、排他的に動作するように切り替えられた放射部2及び/又は検出部で繰り返される。
【0034】
図3は、それぞれ反射されている放射エネルギーの波長の関数とする細粒の霜、粗粒の霜及び気泡を伴う氷塊の反射率を示す複数の曲線を示す。図4は、それぞれ反射されている放射エネルギーの波長の関数とする異なる含水量レベルでの、0℃(約273.15K)における雪の反射率を示す複数の曲線を示す。これらのグラフは、Clark, R. N., Chapter 1: Spectroscopy of Rocks and Minerals, and Principles of Spectroscopy, in Manual of Remote Sensing, Volume 3, Remote Sensing for the Earth Sciences, (A.N. Rencz, ed.) John Wiley and Sons, New York, p 3- 58, 1999からである。
【0035】
図3に関して、その参照事項を以下のとおり記述する。(a)細粒(~50μm)の霜(water frost)、(b)中粒(~200μm)の霜、(c)粗粒(400から2000μm)の霜及び(d)微小気泡を大量に含有の氷塊の反射率の近赤外スペクトルである。有効粒径が大きいほど、氷中を動く光子の平均光子経路がより大きくなり、吸収がより大きくなる。曲線(d)は、氷中の経路長が長いため、反射率が非常に低い。これらのスペクトルに関する氷温は、112から140Kである。
【0036】
図4に関して、その参照事項を以下のとおり記述する。融雪の一連の反射率スペクトルである。最上の曲線(a)は0℃(約273.15K)においてであり、液体状態の水は少量のみである一方、最下のスペクトル(j)は、雪の上にある約3cmの水溜りのものである。最上のスペクトルにおいては、温度の理由から、1.65~μm(1.65μmからの)帯域がないことに留意されたい。1.65~μmの特徴は、温度依存性であり、温度の増加に伴い強度が減少する(Clark,1981a及びその参考文献を参照)。液体状態の水が形成されるにつれて、約0.75μm及び1~μm氷帯の短波長側における吸収が増加することに留意されたい。UV吸収が増加するスペクトル(e)辺りで、液体状態の水がスペクトル的に検出されるようになる。これらのグラフは、どのようにして異なる周波数又は波長での異なる測定を用いて図1及び2で説明した計測器で深さ測定される物質の種類を示すことができるかを示し、異なる深さにおける物質の性質上の変化の表示を含む。
【0037】
全てのこれらの表示は、無線又は有線通信を経由して、ケース4を伴うマイクロプロセッサから遠隔にデータ収集センターへ伝送されて、様々な値が、行う必要がある任意の補修動作を適切に指示可能であるように、かつ、概して統計上の記録を作成可能であるように記録及び観測される。
【0038】
多数のそうした計測器が、ネットワークの一部を形成し、広いエリアをカバーすることができる。そうしたネットワークからの結果は、インターネットを介して公表されうる。
【0039】
得られる構成が本発明の範囲を外れることなく、説明した計測器に対する多数の変形及び修正が、読者に対して容易に想起されてよい。例えば、柱1に沿って間隔をあけて配置される放射部の2つの集合及び検出部の2つの集合のみであってもよく、又は3つのそうした各集合もしくは4つ以上、例えば8であってもよい。これについてより普遍的に述べると、N>1として、放射部2のN個の集合及び検出部3のN個の集合であって、それぞれ2N方向に向けられる放射部-検出部対の2N個の集合を有することができる。もちろん、放射部-検出部対の2つの集合を提供する放射部2の1組(a set of)及び検出部3の2組(two sets of)、又は、放射部-検出部対の2つの集合を提供する検出部3の1組及び放射部2の2組を有することが依然として有用である。説明した計測器における放射部及び検出部は、光エミッター及び光検出器であるが、それらは異なる放射エネルギー又は異なる物理的効果を発し、かつ、検出するように構成されてよい。計測器は、積雪深を測定する装置として記載したが、特に光を反射するものであれば、計測器は他の物質又は流体の深さを測定するように構成されてよい。柱1は、長さ50cmから長さ15mのいずれか、又は実際はこの範囲外であってよく、様々な地域で測定される雪の深さに依存する。スパイク5は、長さを約30cmとしうる。ケース4を伴うプロセッサは、放射部及び検出部の何れかの故障を検出するようにプログラムされうる。
【0040】
ケース4を伴うマイクロプロセッサは、各放射部2によって伝送される信号を、例えばパルスのように、変更させることができるように、かつ、マイクロプロセッサによって処理される対応する検出部3からの信号が対応して変更されるように、プログラムされうる。このことにより、放射部がオフ状態のときの測定を行う必要を回避し、周辺光の影響を回避し、かつ、より大きな信号対雑音性能を提供する。
図1
図2
図3
図4