(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-18
(45)【発行日】2022-11-29
(54)【発明の名称】TIRFM対応顕微鏡、及びTIRFM対応顕微鏡の動作方法
(51)【国際特許分類】
G02B 21/06 20060101AFI20221121BHJP
【FI】
G02B21/06
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021048672
(22)【出願日】2021-03-23
【審査請求日】2021-07-20
(31)【優先権主張番号】10 2020 108 117.0
(32)【優先日】2020-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】506098228
【氏名又は名称】オリンパス・ソフト・イメージング・ソリューションズ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル シェーファー
(72)【発明者】
【氏名】クラウス クリスティアン シャーマン
(72)【発明者】
【氏名】ジェニファー-ローズ クルーガー
(72)【発明者】
【氏名】フランク ヴィーンハウゼン
(72)【発明者】
【氏名】宮薗 侑也
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル クルーガー
【審査官】森内 正明
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-61967(JP,A)
【文献】特開2012-3284(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0064611(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 21/00 - 21/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
TIRFM対応顕微鏡であって、
第1投影レンズシステム(202,302,502a,602)と、
第1空間フィルタ装置(203,303,504,603)と、
第2投影レンズシステム(204,304,306,505,604,606)と、
対物レンズ(206,308,507,608)と、
インコヒーレント励起光を生成
する第1光源(201,301,501a,601)であって、前記第1投影レンズシステム(202,302,502a,602)、
前記第1空間フィルタ装置(203,303,504,603)、
前記第2投影レンズシステム(204,304,306,505,604,606)、及び
前記対物レンズ(206,308,507,608)を順に有する第1光学経路に放射するように設計される第1光源(201,301,501a,601)
と、を備え、
前記第1投影レンズシステム(202,302,502a,602)は、前記第1空間フィルタ装置(203,303,504,603)に前記励起光を投影するように設計され、前記第1空間フィルタ装置(203,303,504,603)は、前記励起光に2次元パターンにて空間的にフィルタをかけるように設計され、
前記第1空間フィルタ装置(203,303,504,603)は、前記対物レンズ(206,308,507,608)の後焦点面(BFP)と共役な面(cBFP)
に位置し、
前記対物レンズ(206,308,507,608)は、前記励起光をサンプルに向け、前記サンプルからの蛍光を受光するように設計、配置される対物レンズ(Objektivlinse)を備え、前記対物レンズ(206,308,507,608)の開口数NAObj及び前記サンプルの屈折率nspecに対して、NAObj>nspecが適用され、
第1制御ユニットを備え、前記第1制御ユニットは、様々な前記2次元パターンを選択または生成するために前記第1空間フィルタ装置(203,303,504,603)を動作させ、前記サンプルのTIRF照明が生成されるように、前記2次元パターンの位置、形状、及び/または寸法を選択または調節するように設計される、TIRFM対応顕微鏡。
【請求項2】
前記制御ユニットは、TIRF照明と非TIRF照明とを切り替えるために、前記2次元パターンとして環状パターン及び円形パターンをもたらすよう、前記第1空間フィルタ装置(203,303,504,603)を動作させるように設計される、ことを特徴とする請求項1に記載のTIRFM対応顕微鏡。
【請求項3】
前記環状パターンの外径は、前記対物レンズ(206,308,507,608)の後焦点面の延在部の最大値より小さいか、または等しく、前記環状パターンの内径は、前記対物レンズ(206,308,507,608)の焦点面(FP)における全反射のための臨界角と対応する、後焦点面(BFP)の臨界半径より大きいか、または等しい、ことを特徴とする請求項2に記載のTIRFM対応顕微鏡。
【請求項4】
第2空間フィルタ装置(305,605)は、前記第1光学経路において、前記対物レンズ(308,608)の焦点面(FP)と共役な面(cFP)に配置され、前記励起光に複数の異なる2次元パターンにて空間的にフィルタをかけるように設計され、前記第1制御ユニットまたは第2制御ユニットは、一連の前記2次元パターンを選択または生成するよう前記第2空間フィルタ装置(305,605)を動作させるように設計される、ことを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のTIRFM対応顕微鏡。
【請求項5】
前記第1空間フィルタ装置(203,303,504,603)は、複数の円形及び環状絞りを有する絞り変更装置として、またはプログラム可能な空間光変調器(203,303,504)として設計され、前記第2空間フィルタ装置(305,605)は、プログラム可能な透過型または反射型空間光変調器として設計される、ことを特徴とする請求項
4に記載のTIRFM対応顕微鏡。
【請求項6】
前記第1投影レンズシステム(202,302,502a,602)は完全に、または部分的に、前記第2投影レンズシステム(204,304,306,505,604,606)は完全に、または部分的に、且つ/または前記第1空間フィルタ装置(203,303,504,603)は、前記第1空間フィルタ装置(203,303,504,603)が前記第1の構成から、前記第1空間フィルタ装置(203,303,504,603)が前記対物レンズ(206,308,507,608)の焦点面(FP)と共役な面に配置される第2の構成にされ得るように、前記第1光学経路に沿って移動可能に配置される、ことを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載のTIRFM対応顕微鏡。
【請求項7】
前記第1空間フィルタ装置(203,303,504,603)が前記対物レンズ(206,308,507,608)の焦点面(FP)に対して共役となるように設計、配置される第3投影レンズシステムを備え、切替光学ユニットは、前記第1空間フィルタ装置(203,303,504,603)と前記対物レンズ(206,308,507,608)との間に配置され、前記切替光学ユニットは、前記第2投影レンズシステム(204,304,306,505,604,606)と前記第3投影レンズシステムとの間で前記光学経路を切り替えるように設計される、ことを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載のTIRFM対応顕微鏡。
【請求項8】
インコヒーレント励起光を生成し、放射するように設計される第2インコヒーレント光源(501b)を備え、前記第1光源(501a)及び前記第2光源(501b)は、それぞれ、デジタルミラーデバイスとして設計される前記第1空間フィルタ装置(504)に向けて方向付けられ、前記デジタルミラーデバイス(504)の回転可能なマイクロミラー要素は、第1回転位置において前記第1光源(501a)からの励起光を前記第1光学経路に向け、第2回転位置において前記第2光源(501b)からの励起光を前記第1光学経路に向ける、ことを特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載のTIRFM対応顕微鏡。
【請求項9】
前記第1光源(201,301,501a,601)及び/または前記第2光源(501b)は、1つのLEDまたは複数のLED、電球と導光体との組み合わせ、またはレーザ光源とダイナミックディフューザー(dynamischen Diffusor)との組み合わせを備える、ことを特徴とする請求項
8に記載のTIRFM対応顕微鏡。
【請求項10】
前記第1制御ユニットは、前記2次元パターンとして環状パターンの位置、形状、及び/または寸法を選択または調節するように設計される、請求項1~9の何れか1項に記載のTIRFM対応顕微鏡。
【請求項11】
前記第1空間フィルタ装置(203,303,504,603)は、複数の円形及び環状絞りを有する回転可能絞りリング(603)として、またはプログラム可能な透過型空間光変調器(203,303)あるいは反射型空間光変調器(504)として設計される、請求項5に記載のTIRFM対応顕微鏡。
【請求項12】
請求項1~11の何れか1項に記載のTIRFM対応顕微鏡の動作方法であって、前記第1空間フィルタ装置(203,303,504)上の2次元パターンの検索パターンシーケンスは、前記対物レンズ(206,308,507)の前記後焦点面(BFP)の中心を求めるために用いられ、前記2次元パターンのそれぞれは、前記第1光学経路上に励起光を伝送するための1つの小さなピクセルクラスタを有し、それは前記検索パターンシーケンスの間に、直線状の検索経路上を移動し、前記対物レンズ(206,308,507)から戻って来る蛍光の発光が最大値である位置は記録され、求められた複数の発光の最大値が位置する円の中心は、前記対物レンズ(206,308,507)の前記後焦点面(BFP)の中心として特定される、ことを特徴とするTIRFM対応顕微鏡の動作方法。
【請求項13】
複数の前記検索経路は、様々な角度で、前記第1空間フィルタ装置(203,303,504)の端部から中心に向かう、ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記対物レンズ(206,308,507,608)の前記後焦点面(BFP)の中心の最初の大まかな特定の後、精細さを増す検索パターンシーケンスが行われ、且つ/または検索パターンの制御が行われ、求められた前記円は、最大の鋭さで光度の最大値を特定し、それゆえに、中心の高精度な特定を行うために、様々な方向から半径方向にスキャンされる、ことを特徴とする請求項12または13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[説明]
本発明は、TIRFM対応顕微鏡、及びTIRFM対応顕微鏡の動作方法に関する。
全反射蛍光顕微鏡法(TIRFM)、つまりTIRF照明を用いる顕微鏡法は、エバネッセント場を用いて試料またはサンプルの蛍光の励起を引き起こす。エバネッセント場を生成するために、光はサンプルとの界面にて反射要素、例えばカバーガラスの内側で全反射する。このことは、界面の法線から算出される入射角Θ1の角度が、臨界角
【0002】
【0003】
を超えるとき、より低い屈折率n2の媒体との界面に浅い角度で入射する、より高い屈折率n1の媒体内の光は全反射するという事実を利用している。
これにより、光線場が界面を越えてガラス上のサンプル内に形成され、この光線場は、可視光の標準的なしみ出し深さ100~200nmを有し、界面と垂直に指数関数的に減衰する。放射波長の光を吸収可能な蛍光分子がこの領域に位置する場合に、それらは励起され、蛍光を放射する。このような蛍光は、全反射蛍光(TIRF)として周知である。TIRFは、生成される蛍光のガラス近傍の領域への非常に良好な制限を引き起こし、観測される層は、わずかに100~200nmの薄さである。このことは、通常の蛍光顕微鏡法または、共焦点顕微鏡法の場合よりも光学軸に沿った大幅に良好な分解能を実現する。
【0004】
多くのTIRFM対応(=TIRF顕微鏡法対応)顕微鏡は、照明及び蛍光の集光の両方のために、1つの対物レンズを用いる。このため、対物レンズは、臨界角を超える角度でサンプルを照明するのに適さなければならない。それゆえに、対物レンズの開口数NAは、より薄い媒体の屈折率n2よりも大きくなければならず、つまり、
【0005】
【0006】
である。
光が対物レンズの後焦点面を通過する位置は、
【0007】
【0008】
により、光が対物レンズの焦点面を通過する角度を決定し、ここで、rは対物レンズの後焦点面における、光学システムの中心ビーム経路からの光ビームの通過位置の半径方向の距離を示し、fは対物レンズの焦点距離または焦点長さを示す。エバネッセント光線場を生成するために、焦点面における光の角度は、臨界角を超えなければならず、光束の後焦点面の中心からの距離は、それに対応して臨界半径rcを超えなければならない。TIRFM対応顕微鏡は、それゆえに、通常、油浸で、1.45以上の非常に高い開口数(NA)を有する対物レンズを備える倒立光学顕微鏡(inverse Lichtmikroskope)として設計される。この高い開口数は均一な照射角度を可能にし、励起光は、対物レンズの辺縁部にて結合されて、サンプルとの界面に全反射角で均一に接触する。
【0009】
光が臨界角よりも小さな角度で界面に達すること、つまり光が界面で全反射しないことを防止するために、様々な可能性がある。インコヒーレント光源、例えば、LEDまたは電球を用いることによって、光の中央部を隠す環状絞りが、対物レンズの後焦点面(BFP)と共役な点で、ビーム経路内において用いられ得る。このような配置は、例えば、US6,597,499B2にて周知である。しかしながら、このような絞りを用いることは、光源によって放射される光の大部分が使用されないことをもたらし、これは、顕微鏡光学系によって広がる位相空間(エタンデュ)が、光源によって広がるエタンデュとほとんど一致していないという事実によっていっそう増幅され、それにより場合によっては、そもそも、放射される光の約1%しか励起のために使用できない。
【0010】
この問題を回避する別の解決策は、レーザTIRFMとして周知のレーザ光源を用いることであり、レーザTIRFMは、レーザ光源によって生成される光がほぼ完全にサンプルとの界面に到達するように、顕微鏡のビーム経路に結合される。この解決策は、しかしながら、より高価であり、光が非常に狭いスペクトルのみを有し、画像を乱し得る回折効果及び干渉効果がレーザ光のコヒーレンスの結果として生じ得るといった光学的な欠点を有する。
【0011】
この従来技術に基づいて、本発明の目的は、測定の高い自由度を可能にするTIRFM対応顕微鏡、及びTIRFM対応顕微鏡の動作方法を提供することである。
本目的は、インコヒーレント励起光を生成し、第1投影レンズシステム、第1空間フィルタ装置、第2投影レンズシステム、及び対物レンズを順に有する第1光学経路に放射するように設計される第1光源を備えるTIRFM対応顕微鏡であって、第1投影レンズシステムが、第1空間フィルタ装置に励起光を投影するように設計され、第1空間フィルタ装置が、励起光に2次元パターンにて空間的にフィルタをかけるように設計され、第1空間フィルタ装置が、対物レンズの後焦点面(BFP)と共役な面(cBFP)に第1の構成で位置し、対物レンズが、励起光をサンプルに向け、サンプルからの蛍光を受光するように設計、配置される対物レンズ(Objektivlinse)を備え、対物レンズの開口数NAObj及びサンプルの屈折率nspecに対して、NAObj>nspecが適用され、第1制御ユニットを備え、第1制御ユニットが、様々な2次元パターンを選択または生成するために第1空間フィルタ装置を動作させ、サンプルのTIRF照明が生成されるように、2次元、特に環状パターンの位置、形状、及び/または寸法を選択または調節するように設計される、TIRFM対応顕微鏡によって実現される。
【0012】
本発明によるTIRFM対応顕微鏡によって、対物レンズが集光及び照明のための両方に用いられる変形がさらに開発される。固定された環状絞りの代わりに、可変の空間フィルタ装置が用いられる。本発明によるサンプルのTIRF照明は、パターンの中央部及び環の外側の光が遮断される一方で、光学ビーム経路内の光のみが、生成されるかまたは選択される環状絞り内に残る、環状2次元パターンを選択または生成することによって、本発明により用いられるインコヒーレント光にて実現される。環状パターンの寸法を調節することにより、特に、サンプルへのエバネッセント場のしみ出し深さを制御することが可能である。
【0013】
TIRF照明を可能にする2次元パターンは、必ずしも環状である必要はない。中央部が臨界半径まで排除されれば十分である。臨界半径を超えるこの中央部の外側は、どのようなパターンでもTIRF照明を引き起こすであろう。しかしながら、環状パターンは、照明の比較的高い光度及び均一性を確実にする。
【0014】
実施形態において、制御ユニットは、TIRF照明と非TIRF照明とを切り替えるために、2次元パターンとして環状パターン及び円形パターンをもたらすよう、第1空間フィルタ装置を動作させるように設計される。励起光が臨界半径内も透過する円形パターンによって、TIRFM対応顕微鏡は、いわゆる落射照明を用いる落射蛍光顕微鏡としても動作することができ、落射照明はTIRF照明と同様に対物レンズを通過する。しかしながら、落射励起光(Epi-Anregungslicht)は全反射せず、代わりに、界面を通って完全にサンプルに透過する。後者は、それゆえにその全体の厚さを照明され、励起して蛍光を発する。界面に近い層を選択することによって、空間分解能を犠牲にして、より大きな光収率がそれゆえに実現される。
【0015】
好ましくは、環状パターンの外径は、対物レンズの後焦点面の延在部の最大値より小さいか、または等しく、環状パターンの内径は、対物レンズの焦点面における全反射のための臨界角と対応する、後焦点面の臨界半径より大きいか、または等しい。環状パターンの外径の制限は、通過可能な光の一部が顕微鏡のビーム経路内にとどまることを確実にし、それゆえに、光散乱によるいかなる乱れも生じず、一方、環状パターンの内径の制限は、臨界半径を下回らないことを確実にする。内径の調節により、サンプルへのしみ出し深さもまた制御される。
【0016】
TIRFM対応顕微鏡の実施形態において、第2空間フィルタ装置は、第1光学経路において、対物レンズの焦点面(FP)と共役な面(cFP)に配置され、励起光に複数の異なる2次元パターンにて空間的にフィルタをかけるように設計され、第1制御ユニットまたは第2制御ユニットは、一連の2次元パターンを選択または生成するよう第2空間フィルタ装置を動作させるように設計される。第2空間フィルタ装置は、第2空間フィルタ装置の2次元パターンが、焦点、つまり、サンプルまたは試料内の位置に、対応する照明光の空間分布をもたらすように、対物レンズの焦点面と共役な面(cFP)に配置される。第1及び第2フィルタ装置を組み合わせることにより、構造化照明を用いるTIRF顕微鏡法(全反射蛍光構造化照明顕微鏡法、TIRF-SIM)が可能となる。この場合において、第1空間フィルタ装置は、TIRF照明を生成するために、対物レンズの後焦点面と共役な面において、励起光に環状パターンをインプリントし、一方、同時に第2空間フィルタ装置は、対物レンズの焦点面と共役な面において、励起光に一連の構造化パターンをインプリントし、このようにして、励起光によって照明されるサンプル内の位置を特定する。構造化照明を用いるTIRF顕微鏡(TIRF-SIM)は、TIRFM対応顕微鏡でもある。
【0017】
適切な可変の空間フィルタ装置の実施形態において、第1空間フィルタ装置は、複数の円形及び環状絞りを有する絞り変更装置、特に回転可能絞りリングとして、またはプログラム可能な空間光変調器、特に透過型空間光変調器または反射型空間光変調器として設計され、特に第2空間フィルタ装置は、プログラム可能な透過型または反射型空間光変調器として設計される。プログラム可能な空間光変調器(SLM)は、一実施形態において、その個別の画素が、光透過状態と光不透過状態との間で切り替えられ得るように透過中に動作するLCDマトリクスであり(透過型SLM)、別の実施形態においては、回転可能なマイクロミラー要素のアレイまたはマトリクスを有するデジタルミラーデバイス(DMDまたは反射型SLM)である。透過型SLM及び反射型SLMは何れも、それらが、特定の2次元パターン、特に、例えば調節可能な内径及び調節可能な外径を有するリングを生成するように、目標を絞った方法で動作され得る。空間光変調器が自由にプログラム可能であるという事実は、TIRFM対応顕微鏡が、複数の設定にて柔軟に構築され、動作することを可能にする。
【0018】
TIRFM対応顕微鏡の実施形態は、第1投影レンズシステムが完全に、または部分的に、第2投影レンズシステムが完全に、または部分的に、且つ/または第1空間フィルタ装置が、第1空間フィルタ装置が第1の構成から、第1空間フィルタ装置が対物レンズの焦点面と共役な面に配置される第2の構成に可逆的にされ得るように、第1光学経路に沿って移動可能に配置される、ことによりTIRF照明と位置選択的落射照明との切り替えの可能性を提供する。それにより、対物レンズの後焦点面と共役な面におけるTIRFのフィルタリングが排除されて、その結果、落射照明が自動的に設定され、第2の構成における第1空間フィルタ装置によって空間的にフィルタにかけられる。
【0019】
実施形態において、第1空間フィルタ装置が対物レンズの焦点面に対して共役となるように設計、配置される第3投影レンズシステムを備え、切替光学ユニットが、第1空間フィルタ装置と対物レンズとの間に配置され、切替光学ユニットが、第2投影レンズシステムと第3投影レンズシステムとの間で光学経路を切り替えるように設計される場合に、TIRF照明と、位置選択的落射照明との切り替えのための代替えの、または、追加的な可能性が与えられる。
【0020】
2つの異なる光源、例えば異なる色のスペクトルを用いる照明の可能性は、インコヒーレント励起光を生成し、放射するように設計される第2インコヒーレント光源を備え、第1光源及び第2光源が、それぞれ、デジタルミラーデバイスとして設計される第1空間フィルタ装置に向けて方向付けられ、デジタルミラーデバイスの回転可能なマイクロミラー要素が、第1回転位置において第1光源からの励起光を第1光学経路に向け、第2回転位置において第2光源からの励起光を第1光学経路に向ける場合に、デジタルミラーデバイス(DMD)として設計される第1空間フィルタ装置を用いる実施形態にて与えられる。このようにして、DMDを動作させることによって、光源が選択され、光源がそれらの間で切り替えられ得る。さらなる発展において、ビーム吸収体が2つの光源のそれぞれに与えられ、このビーム吸収体は、顕微鏡の光学ビーム経路に伝送されない、光源からの光の一部を受光し吸収する。
【0021】
実施形態において、第1光源及び/または第2光源は、1つのLEDまたは複数のLED、電球と導光体との組み合わせ、またはレーザ光源とダイナミックディフューザー(dynamischen Diffusor)との組み合わせを備える。ダイナミックディフューザーは、例えば超音波領域の高周波運動で動作するディフューザーであり、それゆえに、レーザ光のコヒーレンスを乱す。その結果、特に、そうでなければDMDのマイクロミラー要素上にかなりの程度で発生し得る干渉及び回折効果は、もはや発生しない。
【0022】
本発明の目的は、上述の本発明によるTIRFM対応顕微鏡の動作方法によっても実現され、本方法において、第1空間フィルタ装置上の2次元パターンの検索パターンシーケンスが、対物レンズの後焦点面の中心を求めるために用いられ、2次元パターンのそれぞれが、第1光学経路に励起光を伝送するための1つの小さなピクセルクラスタを有し、それが検索パターンシーケンスの間に、特に直線状の検索経路上を移動し、対物レンズから戻って来る蛍光の発光が最大値である位置が記録され、求められた複数の発光の最大値が位置する円の中心が、対物レンズの後焦点面の中心として特定される。
【0023】
光度の最大値は、全反射のための臨界角に対応する円上に全て位置するので、本方法によりセンタリングを実施することが可能である。この中心上の環状絞りパターンのセンタリングは、顕微鏡の光学システムの空間配置に関連して、励起光の効果的なセンタリングを既に確実にしている。
【0024】
複数の検索経路は、好ましくは、様々な角度で、第1空間フィルタ装置の端部から中心に向かう。光学システムのセンタリングが最適なセンタリングに近い場合、これらの放射状の検索経路は、臨界半径の円と基本的に垂直に交差し、それにより、求められる光度の最大値は光度曲線において特に鋭く示される。浅い角度で当たるような検索経路の軌道は、最大値の広がりを引き起こし、センタリングの精度が下がる。
【0025】
全ての場合においてセンタリングを最適化するために、本方法の実施形態において、対物レンズの後焦点面の中心の最初の大まかな特定の後、精細さを増す検索パターンシーケンスが行われ、且つ/または検索パターンの制御が行われ、求められた円は、最大の鋭さで光度の最大値を特定し、それゆえに、中心の高精度な特定を行うために、様々な方向から半径方向にスキャンされる。
【0026】
様々な実施形態において、本発明によるTIRFM対応顕微鏡は、TIRF-SIMモードで動作するか、または、複数の様々な光源間を切り替え可能な方法で動作して、TIRF照明と非TIRF照明とが切り替えられ得る。それはまた、これらの特徴を組み合わせるように、そして、cBFP面にある第1の構成から、cFP面にある第2の構成への第1空間フィルタ装置の移行と同時に起こる光源の切り替えによって、複数の光源のうちの1つをTIRF及び別の落射照明で動作させるように配置され得る。このようにして、例えば、ブロードバンド落射照明を用いる概要モードが、狭帯域のTIRF照明を用いる詳細モードと切り替え可能に組み合わされ得る。
【0027】
本発明のさらなる特徴は、特許請求の範囲及び添付の図面と共に、本発明による実施形態の説明から明らかになるであろう。本発明による実施形態は、個々の特徴または、いくつかの特徴の組み合わせにて実現し得る。
【0028】
本発明の範囲において、「特に」または「好ましくは」によって指定される特徴は、任意の特徴として理解される。
本発明は、本発明の概念を制限することなく、例示的な実施形態に基づいて図面を参照して以下に説明され、これにより、文面にてより詳細に説明されない本発明による全ての詳細に関して、図面を明示的に参照するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】TIRF照明の場合の光学系の原理の概略図を示す。
【
図2】第1実施形態におけるTIRFM対応顕微鏡の光学部品の概略図を示す。
【
図3】TIRF-SIM対応顕微鏡の光学部品を有する第2実施形態の概略図を示す。
【
図4】TIRFM対応顕微鏡を用いたセンタリング原理の概略図を示す。
【
図5】第3実施形態におけるTIRFM対応顕微鏡の光学部品の概略図を示す。
【
図6】第4実施形態におけるTIRFM対応顕微鏡の光学部品の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図面において、同一または類似の要素、及び/または部品にはそれぞれの場合において同一の参照番号が与えられ、このため、再度の説明はそれぞれの場合において省略する。
図1は、TIRF照明の場合の光学系の原理の概略図を示す。TIRF顕微鏡法を可能にするために1つ以上の光学レンズを備えることができ、大きな開口数を有する顕微鏡の対物レンズ101が、ブラックボックスとして示される。光源(図示なし)からの励起光の伝播方向は、下から上へ向かう。対物レンズ101は、焦点面FP及び後焦点面BFPを有し、それらは、後方(
図1の下)から対物レンズ101に当たる平行光ビーム束が焦点面FPに集束し、一方、外側(
図1の上)から対物レンズ101に当たる他方向の平行光ビーム束が後焦点面BFPに集束するように定義される。
【0031】
光源(図示なし)から到来する2つのビーム束102,104が
図1に示され、それらは、後焦点面BFPの2つの異なる点を通過する。ビーム束102はBFPの中心を通過し、一方、ビーム束104は辺縁部の点を通過する。両方のビーム束102,104は、2つの点を異なる角度で通過する、つまりそれらがコリメートされていないビームを含む。対物レンズ101の光学特性は、中心ビーム束102の光ビームが、対物レンズ101と垂直に出射するビーム束103を形成するようコリメートされるようにされる。辺縁部ビーム束103もまたコリメートされるが、ビーム束のBFPの中心からの距離または半径による角度Θ(r)で、ビーム束105として出射する。この依存関係は、全反射が起こるべきTIRF照明の場合に、BFPにおいて、BFPの中心から臨界半径を超える距離を有するこれらの光ビームのみを通過させる理由を説明する。
【0032】
実際のTIRFM光学ユニットにおいて、この原理は、TIRF照明のための絞りが対物レンズ101の後焦点面BFPに直接配置されず、BFPと共役な面cBFPに配置されるように、後に修正されている。cBPFは、ビーム経路内のそれに続く光学要素によって、対物レンズ101のBFPに写像されるので、適切な寸法の環状絞りのcBFPへの配置は、BFPにおける直接的なフィルタリングと同じ効果を有する。
【0033】
図2は、第1実施形態におけるTIRFM対応顕微鏡の光学システムの概略図を示す。インコヒーレント光源201は励起光を生成し、これは
図1に示すように、前焦点面FP及び後焦点面BFPを有する対物レンズ206へ、ビーム経路を介して伝送される。ビーム経路は、第1投影レンズシステム202及び第2投影レンズシステム204、励起光が光源201から少なくとも部分的に対物レンズ206に向けられる、例えば、ダイクロイックミラーとして構成される偏向ユニット205も有する。第1投影レンズシステム202と第2投影レンズシステム204との間で対物レンズ206の後焦点面BFPと共役な面cBFPに、第1光学フィルタ装置203が、励起光を空間的にフィルタにかけるように配置され、空間的なフィルタリングのために様々な2次元パターンを提供できるように設計される。起動は、制御ユニット(図示なし)によって行われる。第1光学フィルタ装置203は、本実施形態において、透過型SLMとして、つまりプログラム可能なLCDマトリクスを用いて設計されてもよく、そのマトリクス点は、透過状態と非透過状態との間で切り替えられ得る。透過型SLMは、例えば環状絞りを生成するために起動されてもよく、環状絞りの内径は、対物レンズ206から始まる全反射のための臨界半径と等しいかまたは大きい。このような設定が、TIRF照明を生成する。
【0034】
対物レンズ206の焦点面FPに配置されるサンプルにて励起される蛍光は、対物レンズ206を通ってTIRFM対応顕微鏡に戻る。偏向ユニット205及び結像レンズ207を通過した後、検出器208に入射し、検出器208は蛍光を検出しそれを分析可能な電気信号に変換する。偏向ユニットは、その透過特性が励起光の波長と蛍光の波長との間に境界を有する、ビームスプリッタであっても、またダイクロイックミラーであってもよく、それにより、励起光はほぼ完全に偏向され、一方、蛍光はほぼ完全に検出器208へ透過される。
【0035】
図3は、第1の例示的な実施形態の変形を示すTIRFM対応顕微鏡の第2の例示的な実施形態を示す。インコヒーレント励起光は光源301によって生成され、第1投影レンズシステム302、第2投影レンズシステム304,306、及び偏向ユニット307を経由して対物レンズ308の焦点面FPに向けられ、一方、蛍光は対物レンズ308、偏向ユニット307、及び結像レンズ309を通過し、検出器310に入射する。しかしながら、第1の例示的な実施形態と対照的に、第2投影レンズシステム304,306は2つに分離され、対物レンズ308の焦点面FPと共役な面cFPが、第2投影レンズシステム304,306の第1部分304と、第2部分306との間に存在する。このcFPに、これもまたプログラム可能な第2空間フィルタ装置305が配置される。
【0036】
第1空間フィルタ装置303がcBFPに配置されるので、環状絞りと、それゆえにTIRF照明とがそこで生成され得る。cFPにおける第2空間フィルタ装置は、焦点面FPのどの領域が照明されるかを選択する。このようにして、構造化照明を用いるTIRF顕微鏡法(TIRF-SIM)が構築される。
【0037】
TIRFM対応顕微鏡の動作の例示的な適用が、概略的に
図4に示される。
図4の左側に、デジタルミラーデバイス(DMD)の表面が空間フィルタ装置401の例として示され、これは、対物レンズの後焦点面BFPと共役な面cBFPに配置される。DMDの代わりに、透過型SLMもまた用いられ得る。この面の上に重なるのは、対物レンズの前方のサンプルの位置での全反射のための臨界角に対応し、cBFPの中心を中心とする円である。ピクセルクラスタ402もまた示され、これらは、互いに120°の角度をなしてデジタルミラーデバイスの端部から中心に向かう3つの検索経路上に配置され、部分的に臨界半径の外側に配置され、部分的に臨界半径の内側に配置される。ピクセルクラスタ402は、
図4の右側に示される強度曲線にも見られ得る異なるテクスチャにて印が付けられる。臨界半径rの内側の励起された蛍光の強度または光度Iは、わずかにしか変化しない量であると、そこで認識されるであろう。臨界半径、または、臨界角のそれぞれに近づくにつれて、光度は急激に上昇し、その後臨界半径の外側で急激に低下して最終的に消滅する。
【0038】
臨界角の中心の位置は、それゆえに、様々な検索経路に関して蛍光の光度の最大値を測定し、最大の光度でピクセルクラスタを通る円の中心点を計算することによって、特定され得る。
【0039】
図3における第2の例示的な実施形態による非構造化照明は、このセンタリングのために必要であり、むしろ、構造化は、対物レンズの後焦点面BFPに共役な面にて行われる。それぞれのピクセルクラスタは、非コリメートビーム束を通過させ、これは、対物レンズの焦点面FPを通過するとき、サンプルホルダとサンプルとの間の界面を、特定の角度で特定の方向(
図1参照)に通過するコリメートビーム束に対応し、通過角度に応じて全反射するか、または全反射しない。
【0040】
図5において、第3実施形態におけるTIRFM対応顕微鏡の光学部品が概略的に示される。この例示的な実施形態において、顕微鏡は2つの異なるインコヒーレント光源501a,501bを備え、これらは、異なるスペクトルを生成することができ、それぞれは、それぞれの第1投影レンズシステム502a,502bを介して、対物レンズ507の後焦点面BFPと共役な面cBFPに配置されるデジタルミラーデバイスとして設計される第1空間フィルタ装置504に向けて方向付けられる。他の部品505,506,507,508,509は、第1の例示的な実施形態の部品204,205,206,207及び208に対応する。それらの機能に関して、第1及び第2の例示的な実施形態の説明が参照される。
【0041】
第1光源501aと第2光源501bとの間の切替プロセスが以下に説明される。第1空間フィルタ装置504のマイクロミラー要素は、第1位置と第2位置との間で回転され得る。第1光源501aからの励起光が用いられるとき、TIRF照明を生成するために必要とされるマイクロミラー要素は、第1光源からの励起光が第2投影レンズシステムに反射される第1位置に回転される。残りのマイクロミラー要素は第2位置に回転され、第1光源501aからの励起光は放射吸収体(ビームダンプ)503aに伝送される。このことは、極めて高いコントラストを容易にする。第2光源501bにも、放射吸収体503bが割り当てられる。光源501a,501b及び放射吸収体503a,503bは、1つの光源を他方に切り替えるために、さらなるビーム経路に対して対称に配置され、全てのマイクロミラー要素の回転位置は、容易に反転されなければならず、第1光源501aはオフにされなければならず、第2光源501bはオンにされなければならない。
【0042】
落射照明のために、両方の光源501a,501bがオンのままにされることもでき、第1空間フィルタ装置504の全てのマイクロ要素は、切り替えのために、第1または第2の回転位置にもたらされる。
【0043】
図6は、第4実施形態におけるTIRFM対応顕微鏡の光学部品を概略的に示す。光源601、第1投影レンズシステム602、2つの部分からなる第2投影レンズシステム604,606、偏向ユニット607、対物レンズ608、結像レンズ609、検出器610、及び、第2投影レンズシステムの2つの部分604,606の間で対物レンズ608の焦点面FPと共役な面cFPにおける第2空間フィルタ装置605は、
図3の第2実施形態の配置及び部品に対応する。プログラム可能な透過型SLMの代わりに、第4実施形態においては、例えば、絞りリングの形の絞り変更装置603が設けられ、これは、複数の異なる絞り形状及び寸法をもたらす。これらは、落射照明とTIRF照明との両方を、様々な臨界角の値に対して設定し得るような様々な寸法の環状絞り及び円形絞りを含み得る。
【0044】
図7及び8は、本発明による方法によるセンタリングの例を示す。これは、第1、第2または第3の実施形態による配置、つまり、cBFP面の位置にプログラム可能な空間フィルタ装置を必要とする。
図7において、反射型SLMまたはDMDの場合における空間フィルタ装置の表面のx-y位置が示される。それぞれが互いに60°空けられる6つの検索経路が示され、それぞれは、端部からDMDの中心x=0mm及びy=0mmに向かって直線状に延びる。これらの検索経路のそれぞれに沿って、小さな円形の領域が励起光を中継するために空けられ、励起光はその表面の残りの部分で遮断される。小さな空けられた領域は6つの検索経路に沿って通り(gefuhrt)、戻ってくる蛍光の光度が測定される。測定される光度は輝度として描画され、ここで、黒は消える信号、白は強い信号を意味する。DMDの中心から半径方向の個別の検索経路に沿った対応する軌道は、
図8において、中心からの距離に対して描画される。
【0045】
光度の最大値がそれぞれの検索経路上に見られるが、光度の最大値を有するそれぞれの位置の中心からの距離は、検索経路の角度によることが分かる。最大値は、後焦点面の臨界半径及び中心を描写する円上に位置する。これらの値は、センタリングのため、且つTIRF照明のための適切な環状パターンの内径を特定するために用いられ得る。2回目の検索の実行は、検索経路がこのような方法で求められる円の中心に向かって延びるように実施され得る。このことは、最大値が
図8におけるよりも良好に規定され、
図8において105°と表示される曲線の最大値とそれぞれ同様に鋭いといった利点を有する。このことは、最適な分解能及びセンタリングを実現する。
【0046】
図面のみから得られる特徴、及び他の特徴と組み合わせて開示される個々の特徴を含む全ての言及された特徴は、単独で、また組み合わせで、本発明にとって必須であると考えられる。本発明による実施形態は、個々の特徴またはいくつかの特徴の組み合わせによって実現され得る。
【符号の説明】
【0047】
101…対物レンズ、102…ビーム束、103…コリメートビーム束、104…ビーム束、105…コリメートビーム束、201…光源、202…第1投影レンズシステム、203…第1空間フィルタ装置、204…第2投影レンズシステム、205…偏向ユニット、206…対物レンズ、207…結像レンズ、208…検出器、301…光源、302…第1投影レンズシステム、303…第1空間フィルタ装置、304…第2投影レンズシステムの前部分、305…第2空間フィルタ装置、306…第2投影レンズシステムの後部分、307…偏向ユニット、308…対物レンズ、309…結像レンズ、310…検出器、401…第1空間フィルタ装置、402…検索経路上のピクセルクラスタ、501a…第1光源、501b…第2光源、502a…第1投影レンズシステム、502b…第3投影レンズシステム、503a…第1ビーム吸収体、503b…第2ビーム吸収体、504…第1空間フィルタ装置、505…第2投影レンズシステム、506…偏向ユニット、507…対物レンズ、508…結像レンズ、509…検出器、601…光源、602…第1投影レンズシステム、603…絞り変更装置、604…第2投影レンズシステムの前部分、605…第2空間フィルタ装置、606…第2投影レンズシステムの後部分、607…偏向ユニット、608…対物レンズ、609…結像レンズ、610…検出器、BFP…後焦点面、FP…焦点面、cBFP…後焦点面と共役な面、cFP…焦点面と共役な面、r…半径、l…光度