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特許7179922ピアツーピアデバイスに関するクラウドベースの近接ペアリング及び切り替え
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-18
(45)【発行日】2022-11-29
(54)【発明の名称】ピアツーピアデバイスに関するクラウドベースの近接ペアリング及び切り替え
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/10 20180101AFI20221121BHJP
   H04W 8/00 20090101ALI20221121BHJP
   H04W 12/062 20210101ALI20221121BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20221121BHJP
【FI】
H04W76/10
H04W8/00 110
H04W12/062
H04W92/18
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021115046
(22)【出願日】2021-07-12
(62)【分割の表示】P 2019124195の分割
【原出願日】2016-04-15
(65)【公開番号】P2021180502
(43)【公開日】2021-11-18
【審査請求日】2021-08-04
(31)【優先権主張番号】62/171,844
(32)【優先日】2015-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】14/871,487
(32)【優先日】2015-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】スリヴァトサ アクシェイ マンガラム
(72)【発明者】
【氏名】ドゥーリー クレイグ ピー
(72)【発明者】
【氏名】ショー デイヴィッド ジョン
(72)【発明者】
【氏名】バッタ ガネシャ アドカスサラ ガナパティ
(72)【発明者】
【氏名】ジャイルズ マイケル ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】ハリハラン スリラム
【審査官】望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-541886(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-H04W99/00
H04B7/24-H04B7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線アクセサリデバイスに動作を実行させるように構成されたプロセッサを備えた無線アクセサリデバイスであって、前記動作は、
ダイレクト無線通信リンクを介して直接にホストデバイスと通信することと、
前記ダイレクト無線通信リンクを介して前記ホストデバイスから、前記ホストデバイスに記憶され、前記ホストデバイスとは異なる第1のデバイスに関連付けられたリンク情報の第1の項目を受信することと、
を含み、
リンク情報の前記第1の項目は、前記アクセサリデバイスに、最初に前記第1のデバイスとのペアリング手順に従事することなく、その後、前記第1のデバイスとのダイレクト無線リンクを確立することを許可する、
無線アクセサリデバイス。
【請求項2】
共通のユーザに関連付けられたデバイスのセットは、前記ホストデバイスと前記第1のデバイスとを含む、
請求項1に記載の無線アクセサリデバイス。
【請求項3】
アクセサリデバイスと第1のデバイスとの間で直接に無線通信リンクを確立することを含み、前記無線通信リンクは、前記アクセサリデバイスと前記第1のデバイスがペアリング手順に従事することなく確立され、前記無線通信リンクは、前記第1のデバイスに関連付けられたリンク情報の項目を用いて確立され、リンク情報の前記項目は、前記第1のデバイスとは異なるホストデバイスに記憶され、前記アクセサリデバイスと前記ホストデバイスとの間に確立された第2の無線通信リンクを介して前記ホストデバイスにより直接に前記アクセサリデバイスに提供される、
方法。
【請求項4】
リンク情報の前記第1の項目は、
リンクキー、
長期キー、
セキュリティ認証情報、
アドレス、又は、
帯域外キーを含む、
請求項1に記載の無線アクセサリデバイス。
【請求項5】
前記動作は、
前記アクセサリデバイスが前記第1のデバイスの所定の範囲内に入ると、前記ダイレクト無線リンクを自動的に確立することをさらに含む、
請求項1に記載の無線アクセサリデバイス。
【請求項6】
前記ダイレクト無線リンクは、Bluetooth接続を含む、
請求項1に記載の無線アクセサリデバイス。
【請求項7】
リンク情報の前記第1の項目は、
Bluetoothアドレス、
Bluetoothデバイス名、又は、
デバイスのクラス、
のうちの少なくとも1つを含む、
請求項6に記載の無線アクセサリデバイス。
【請求項8】
前記動作は、
前記第1のデバイスからの前記ダイレクト無線リンクを介して、前記第1のデバイスとは異なる第2のデバイスに関連付けられたリンク情報の第2の項目を受信することをさらに含み、リンク情報の前記第2の項目は、前記アクセサリデバイスに、最初に前記第2のデバイスとのペアリング手順に従事することなく、前記第2のデバイスとの第2のダイレクト無線リンクを確立することを許可する、
請求項1に記載の無線アクセサリデバイス。
【請求項9】
共通のユーザに関連付けられたデバイスのセットは、前記ホストデバイスと前記第1のデバイスとを含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項10】
リンク情報の前記第1の項目は、
リンクキー、
長期キー、
セキュリティ認証情報、
アドレス、又は、
帯域外キーを含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項11】
前記アクセサリデバイスが前記第1のデバイスの所定の範囲内に入ることに応じて、前記無線通信リンクを確立することをさらに含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項12】
前記ダイレクト無線リンクは、Bluetooth接続を含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項13】
リンク情報の前記第1の項目は、
Bluetoothアドレス、
Bluetoothデバイス名、又は、
デバイスのクラス、
を含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のデバイスからの前記無線通信リンクを介して、前記アクセサリデバイスに、前記第1のデバイスとは異なる第2のデバイスに関連付けられたリンク情報の第2の項目を提供することと、
前記無線通信リンクを終了させることと、
リンク情報の前記第2の項目を用い、前記無線通信リンクを終了させた後に、前記アクセサリデバイスが最初に前記第2のデバイスとのペアリング手順を従事することなく、前記アクセサリデバイスと前記第2のデバイスとの間の新たなダイレクト無線リンクを確立することと、
をさらに含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項15】
プロセッサにより実行可能な命令を記憶する非一時的メモリ要素であって、
前記命令は、無線アクセサリデバイスに、
ホストデバイスとダイレクト無線通信リンクを介して直接に通信させ、
前記ホストデバイスからの前記無線通信リンクを介して、前記ホストデバイスに記憶され、前記ホストデバイスとは異なる第1のデバイスに関連付けられたリンク情報の第1の項目を受信させ、
リンク情報の前記第1の項目は、前記アクセサリデバイスに、最初に前記第1のデバイスとのペアリング手順に従事することなく、その後、前記第1のデバイスとのダイレクト無線リンクを確立することを許可する、
非一時的メモリ要素。
【請求項16】
共通のユーザに関連付けられたデバイスのセットは、前記ホストデバイスと前記第1のデバイスとを含む、
請求項15に記載の非一時的メモリ要素。
【請求項17】
リンク情報の前記第1の項目は、
リンクキー、
長期キー、
セキュリティ認証情報、
アドレス、又は、
帯域外キーを含む、
請求項15に記載の非一時的メモリ要素。
【請求項18】
前記命令は、前記無線アクセサリデバイスに、前記アクセサリデバイスが前記第1のデバイスの所定の範囲内に入ったときに前記ダイレクト無線リンクを自動的に確立させるように前記プロセッサにより実行可能である、
請求項15に記載の非一時的メモリ要素。
【請求項19】
前記ダイレクト無線リンクは、Bluetooth接続を含み、
リンク情報の前記第1の項目は、
Bluetoothアドレス、
Bluetoothデバイス名、又は、
デバイスのクラス、
を含む、
請求項15に記載の非一時的メモリ要素。
【請求項20】
前記命令は、前記無線アクセサリデバイスに、前記第1のデバイスからの前記ダイレクト無線リンクを介して、前記第1のデバイスとは異なる第2のデバイスに関連付けられたリンク情報の第2の項目を受信させるように前記プロセッサにより実行可能であり、
リンク情報の前記第2の項目は、前記アクセサリデバイスに、最初に前記第2のデバイスとのペアリング手順に従事することなく、前記第2のデバイスとの第2のダイレクト無線リンクを確立することを許可する、
請求項15に記載の非一時的メモリ要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、アクセサリデバイスと2つ以上の電子デバイスとの間の、ペアリングセッションの確立及び切り替えを含めた、電子デバイスに関するものである。
[関連技術の説明]
【0002】
近年、電子デバイスは、ますます高機能化されてきている。スマートフォン、スマートウォッチ、スマートグラス、タブレットコンピュータ、及びノートブックコンピュータを含めた電子デバイスは、多くの場合、キーボード、マウス、トラックパッド、ヘッドセット、スピーカ、リモートコントローラ、ビデオゲームコントローラなどの、数多くのタイプの補助デバイス又はアクセサリデバイスと通信することが可能である。そのようなアクセサリデバイスは、電子デバイスとの接続若しくはペアリングのために、有線技術及び無線技術を含めた、様々な通信技術のうちの1つ以上をサポートすることができる。具体的には、これらのデバイスは、数ある中でも、IEEE 802.11(WLAN又はWi-Fi)、又はBLUETOOTH(登録商標)(BT)若しくはBLUETOOTH(登録商標)低エネルギー(BLUETOOTH Low Energy;BTLE)などの、近距離無線通信技術並びに近距離無線通信規格を利用する場合が多い。
【0003】
近距離無線通信技術は、多くの場合、無線パーソナルエリアネットワーク(wireless personal area network;WPAN)を確立するために使用される。WPANは、電子デバイス相互間での通信(イントラパーソナル通信)のために、あるいは、より高レベルのネットワーク及びインターネットへの接続(アップリンク)のために、又はアクセサリデバイスと電子デバイスとの接続(ペアリング)のために使用することができる。WPANを確立する際に使用される、他の近距離無線通信技術としては、無線USB(商標)、INSTEON(登録商標)、IrDA(商標)などが挙げられる。WPANの到達範囲は、数センチメートル~数メートルで変動し得る。WPANの1つの基本概念は、「プラグイン」と称される。例えば、任意の2つのWPAN機能搭載デバイスが、(互いに数メートルの範囲内に)接近すると、それらのデバイスは、ケーブルによって接続されているかのごとく、互いに通信を確立することができる。WPAN対応デバイス及び/又はWPAN対応アクセサリに関連付けられた別の特徴は、他のデバイス/アクセサリを選択的にロックアウトすることにより、不必要な干渉、又は情報への無許可アクセスを防止する、各デバイス/アクセサリの能力である。
【0004】
上述のように、電子デバイスは、多くの場合、1つ以上のアクセサリデバイスとペアリングして、それらのペアリング済みデバイス間の直接的なピアツーピア通信を有効にすることが可能である。アクセサリデバイスと電子デバイスとのペアリングは、多くの場合、機能的な接続を確立するための、所定の手順及び/又はアクションを必要とする。それゆえ、この分野における更なる改善が所望される。
【発明の概要】
【0005】
本明細書では、特に、電子デバイスが、アクセサリデバイスとのペアリング状態に効率的に遷移し、またペアリング状態から効率的に遷移することができるように、複数の電子デバイス間でアクセサリデバイスを共有するための、改善されたシステム及び方法の実施形態が提示される。
【0006】
一部のシナリオでは、ユーザは、必要に応じて、1つのアクセサリデバイスを、複数の他の電子デバイスにわたって利用することを所望する場合がある。例えば、ユーザは、BLUETOOTH(登録商標)(BT)ヘッドセットを、ある期間中は、携帯電話、例えばiPhone(登録商標)、と共に使用し、次いで、同じヘッドセットを、別の時点で、タブレットコンピュータ(例えば、iPad(登録商標))と共に、また場合により、更に別の時点で、ウェアラブル電子デバイス(例えば、Apple Watch(登録商標))と共に使用することを望む場合がある。しかしながら、アクセサリデバイスを、第1の電子デバイスとペアリングされている(またそれゆえ、その第1の電子デバイスによって使用可能な)状態から、第2の電子デバイス及び第3の電子デバイス(など)とペアリングされている状態に遷移させることは、非効率性を呈する場合がある。
【0007】
一部の実施形態では、特定のユーザに関連付けられた(又は、指定されたUEデバイスのセット/グループ内に含まれる)第1のユーザ機器(user equipment;UE)デバイスは、アクセサリデバイスと第1の通信リンクを確立して、この通信リンクに関連付けられたリンク(ペアリング)情報を、クラウドサーバなどのサーバに送信することができる。このサーバは、第1のUEと同一のユーザに関連付けられた(又は、第1のUEデバイスと同一の、指定されたUEデバイスのグループに属する)他のUEと、この(第1の)リンク情報を共有することができる。これらの他のUEデバイスに関連付けられたリンク情報(すなわち、第2のリンク情報)もまた、同様に、アクセサリデバイスと共有することができ、次いで、第1のリンク情報及び第2のリンク情報は、それら他のUEデバイス及びアクセサリデバイスによって、それら他のUEデバイスのうちのいずれかとアクセサリデバイスとの間で対応の通信リンクを確立する際に、使用可能となり得る。
【0008】
一部の実施形態は、少なくとも1つのアンテナと、1つ以上の無線アクセス技術(例えば、Wi-Fi又はBluetooth)を実装する1つ以上の無線機と、その少なくとも1つのアンテナに結合された処理要素とを備えるデバイスにおいて、実装することができる。このデバイスは、1つ以上の他のアクセサリデバイスと通信することができる。本明細書で説明される技術は、限定するものではないが、コンピュータシステム、アクセスポイント、セルラ電話、ポータブルメディアプレーヤ、タブレットコンピュータ、ウェアラブルデバイス、及び様々な他のコンピューティングデバイスを含めた、数多くの異なるタイプのデバイスにおいて実装することができ、かつ/あるいは、それらのデバイスと共に使用することができる点に留意されたい。
【0009】
近距離無線通信プロトコル、例えば、BLUETOOTH(登録商標)(BT)低エネルギー(BTLE)を通じて、デバイスのペアリングを引き起こすために、近接性を使用することができる。いくつかのホストが近傍に存在する場合、近接ペアリングに関するユーザインターフェース(user interface;UI)が、アクセサリがペアリングを試みているホスト上にのみ出現し得る。クラウドベースの近接ペアリング/切り替えは、アクセサリに対するペアリングの選択肢を、指定又は選択されたデバイスのグループに、例えば、ユーザのiCloud(登録商標)登録デバイスに限定するために役立つ。アクセサリデバイスが、デバイスのセットのうちの1つにペアリングされる場合、そのアクセサリ、例えばBTスタックは、そのペアリング及び第1のデバイスに関連付けられたリンク情報を、そのセット内の他のデバイスに送信することができる。そのセット内の他のデバイスに関連付けられたリンクキー及び/又は他の接続情報もまた、現在接続されているデバイスによって、アクセサリデバイスと共有することができる。すなわち、そのセット内の他のデバイスに関連付けられたリンクキー及び/又は他の接続情報もまた、現在接続されているデバイスによって、アクセサリデバイスに提供することができる。アクセサリデバイスが、そのユーザデバイスのセットからの別のユーザデバイスの、特定の近接性の範囲内に存在する場合、接続解除メッセージを、例えばクラウドを介して、現在接続されているデバイスに送信することにより、そのデバイスのセットのうちの別のデバイスへの、近接性に基づくアクセサリデバイスの切り替えを可能にすることができる。
【0010】
上記に加えて、アクセサリデバイスとユーザデバイスとの間の簡易なペアリングを、様々な異なるシナリオに従って実行することができる。第1の実施例では、ユーザデバイス及びアクセサリ(又は、アクセサリデバイス)は、ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus;USB)又はセキュアWi-Fiなどの、セキュアなトランスポートを介して接続することができ、リンク情報、例えばセキュリティ認証情報を交換するために、その既存のトランスポートを使用することができる。第2の実施例では、近距離無線通信接続、例えばBLUETOOTH(登録商標)接続が、3つ以上のデバイス間で所望される場合、他の2つのデバイスとの接続を有するデバイスが、既存のBLUETOOTH(登録商標)接続を介して、BLUETOOTH(登録商標)セキュリティ認証情報などのリンク情報を転送する、中継器としての役割を果たすことにより、ペアリング手順を経ることを必要とせずに、第3の接続を確立することができる。
【0011】
この「発明の概要」は、本文書で説明される主題のうちの一部の概要を、手短に提供することを意図するものである。したがって、上述の特徴は、単なる例に過ぎず、いかなる方式でも、本明細書で説明される主題の範囲又は趣旨を制限するものとして解釈されるべきではないことが、理解されるであろう。本明細書で説明される主題の他の特徴、態様、及び利点は、以下の「発明を実施するための形態」、図、及び「特許請求の範囲」から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一部の実施形態による、第1のデバイスが、BLUETOOTH(登録商標)及びWi-Fiを介して、様々な他のデバイスに接続する、例示的な無線通信システムである。
図2】一部の実施形態による、第1のコンピュータシステムが、BLUETOOTH(登録商標)及びWi-Fiを介して、様々な他のデバイスに接続する、例示的な無線通信システムである。
図3】一部の実施例による、例示的なユーザデバイスを示すブロック図である。
図4】一部の実施形態による、アクセサリデバイスが、第1のデバイスとのペアリング状態から、第2のデバイスとのペアリング状態に切り替わる、例示的方法を示すフローチャートである。
図5】一部の実施形態による、アクセサリデバイスが、第1のユーザデバイスに無線接続されている、例示的な通信システムである。
図6】一部の実施形態による、アクセサリデバイスが、第1のユーザデバイスから接続解除され、第2のユーザデバイスに無線接続される、図5からの通信システムである。
図7】一部の実施形態による、様々なデバイスが、有線接続及び無線接続を通じて相互接続されている、例示的な通信システムである。
【0013】
本明細書で説明される特徴は、様々な修正及び代替形態を受け入れる余地があるが、それらの特定の実施形態が例として図面に示され、本明細書で詳細に説明される。しかしながら、図面及びそれらに対する詳細な説明は、開示されている特定の形態に限定することを意図するものではなく、逆に、その意図は、添付の「特許請求の範囲」によって定義されるような本主題の趣旨及び範囲内に収まる、全ての修正、均等物、及び代替物を包含することである点を理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0014】
頭字語
【0015】
本出願の全体を通して、様々な頭字語が使用される。本出願の全体を通して出現し得る、最も顕著に使用される頭字語の定義を、以下に提示するものとする。
UE:ユーザ機器
RF:高周波
AP:アクセスポイント(Access Point)
BT:Bluetooth
BTLE:Bluetooth低エネルギー
BTLEA:オーディオ用Bluetooth低エネルギー(Bluetooth Low Energy for Audio)
TDD:時分割複信(Time Division Duplexing)
Tx:送信/送信する(Transmission/Transmit)
Rx:受信/受信する(reception/Receive)
LAN:ローカルエリアネットワーク(Local Area Network)
WLAN:無線LAN(Wireless LAN)、Wi-Fiとも称される
RAT:無線アクセス技術(Radio Access Technology)
RSSI:受信信号強度インジケータ(Received Signal Strength Indicator)
Wi-Fi:米国電気電子学会(IEEE;Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11標準規格に基づく無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)RAT
用語
以下は、本出願に出現し得る用語の用語集である。
【0016】
記憶媒体-様々なタイプのメモリデバイス又は記憶デバイスのうちの任意のもの。用語「記憶媒体」は、インストール媒体、例えば、CD-ROM、フロッピーディスク104、又はテープデバイス;DRAM、DDR RAM、SRAM、EDO RAM、ラムバスRAMなどの、コンピュータシステムメモリ又はランダムアクセスメモリ;フラッシュ、磁気媒体、例えばハードドライブ、又は光記憶装置などの、不揮発性メモリ;レジスタ、又は他の同様のタイプの記憶要素などを含むことが意図されている。この記憶媒体は、他のタイプのメモリ、並びにそれらの組み合わせも含み得る。更には、この記憶媒体は、プログラムが実行される第1のコンピュータシステム内に配置することができ、又は、インターネットなどのネットワークを介して第1のコンピュータシステムに接続する、第2の異なるコンピュータシステム内に配置することもできる。後者の場合には、第2のコンピュータシステムが、第1のコンピュータシステムに、実行するためのプログラム命令を提供することができる。用語「記憶媒体」は、異なる場所に、例えば、ネットワークを介して接続された異なるコンピュータシステム内に存在し得る、2つ以上の記憶媒体を包含し得る。この記憶媒体は、1つ以上のプロセッサ及び/又は処理要素によって実行することが可能な、プログラム命令(例えば、コンピュータプログラムとして具現化されたもの)を記憶することができる。
【0017】
搬送媒体-上述のような記憶媒体、並びに、バス、ネットワークなどの物理的伝送媒体、及び/又は、電気信号、電磁信号、若しくはデジタル信号などの信号を伝達する他の物理的伝送媒体。
【0018】
コンピュータシステム(又は、コンピュータ)-パーソナルコンピュータシステム(personal computer system;PC)、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、ネットワーク装置、インターネット装置、携帯情報端末(personal digital assistant;PDA)、テレビシステム、グリッドコンピューティングシステム、又は他のデバイス、若しくはデバイスの組み合わせを含めた、様々なタイプのコンピューティングシステムあるいは処理システムのうちの任意のもの。一般的に、用語「コンピュータシステム」は、記憶媒体からの命令を実行する少なくとも1つのプロセッサを有する、任意のデバイス(又は、デバイスの組み合わせ)を包含するように、広く定義することができる。
【0019】
ユーザ機器(UE)(又は、「UEデバイス」)-移動式又は携帯式であり、無線通信を実行する、様々なタイプのコンピュータシステムデバイスのうちの任意のもの。無線通信デバイスとも称される。UEデバイスの例としては、携帯電話若しくはスマートフォン(例えば、iPhone(登録商標)、Android(登録商標)ベースの電話機)、及び、iPad(登録商標)、Samsung Galaxy(登録商標)などのタブレットコンピュータ、ポータブルゲームデバイス(例えば、Nintendo DS(登録商標)、PlayStation Portable(登録商標)、Gameboy Advance(登録商標)、iPod(登録商標))、ラップトップ、ウェアラブルデバイス(例えば、Apple Watch(登録商標)、Google Glass(登録商標))、PDA、ポータブルインターネットデバイス、音楽プレーヤ、データ記憶デバイス、又は他のハンドヘルドデバイスなどが挙げられる。様々な他のタイプのデバイスも、Wi-Fi通信能力、又は、セルラ通信能力及びWi-Fi通信能力の双方、並びに/あるいは、例えばBLUETOOTH(登録商標)などの近距離無線アクセス技術(short-range radio access technologies;SRAT)を介した、他の無線通信能力などを含む場合には、このカテゴリ内に含まれることになる。一般的に、用語「UE」又は「UEデバイス」は、ユーザによって容易に持ち運ばれ、かつ無線通信が可能な、任意の電子デバイス、コンピューティングデバイス、及び/又は遠隔通信デバイス(又は、デバイスの組み合わせ)を包含するように、広く定義することができる。
【0020】
基地局(Base Station;BS)-用語「基地局」は、その通常の意味の全範囲を有するものであり、固定ロケーションに設置され、無線電話システム又は無線システムの一部として通信するために使用される、無線通信局を少なくとも包含する。
【0021】
処理要素-デバイス内で、例えば、ユーザ機器デバイス内で、又はセルラネットワークデバイス内で機能を実行することが可能な、様々な要素若しくは要素の組み合わせを指す。処理要素としては、例えば、プロセッサ及び関連するメモリ、個別のプロセッサコアの諸部分又は回路、プロセッサコア全体、プロセッサのアレイ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit;特定用途向け集積回路)などの回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array;FPGA)などのプログラム可能ハードウェア要素、並びに、上記の様々な組み合わせのうちのいずれかを挙げることができる。
【0022】
無線デバイス(又は、無線通信デバイス)-WLAN通信、SRAT通信、Wi-Fi通信などを使用して無線通信を実行する、様々なタイプのコンピュータシステムデバイスのうちの任意のもの。本明細書で使用するとき、用語「無線デバイス」とは、上記で定義されたようなUEデバイス、又は、据置型無線クライアント若しくは無線基地局などの、据置型デバイスを指すものとすることができる。例えば、無線デバイスは、アクセスポイント(AP)又はクライアント局(UE)などの、802.11システムの任意のタイプの無線局、あるいは、例えば基地局又はセルラ電話などの、セルラ無線アクセス技術(例えば、LTE、CDMA、GSM(登録商標))に従って通信する、セルラ通信システムの任意のタイプの無線局とすることができる。
【0023】
Wi-Fi-用語「Wi-Fi」は、その通常の意味の全範囲を有するものであり、無線LAN(WLAN)アクセスポイントによってサービス提供され、これらのアクセスポイントを通じてインターネットへの接続性を提供する、無線通信ネットワーク又はRATを少なくとも包含する。最新のWi-Fiネットワーク(又は、WLANネットワーク)は、IEEE 802.11標準規格に基づくものであり、「Wi-Fi」という名称で市販されている。Wi-Fi(WLAN)ネットワークは、セルラネットワークとは異なるものである。
【0024】
BLUETOOTH(登録商標)-用語「BLUETOOTH(登録商標)」は、その通常の意味の全範囲を有するものであり、数ある中でも、Bluetooth標準規格の将来的な実装形態を含む、Bluetooth低エネルギー(BTLE)及びオーディオ用Bluetooth低エネルギー(BTLEA)を含めた、Bluetooth標準規格の様々な実装形態のうちのいずれかを、少なくとも包含する。
【0025】
パーソナルエリアネットワーク-用語「パーソナルエリアネットワーク」は、その通常の意味の全範囲を有するものであり、コンピュータ、電話機、タブレット、及び/又は入出力デバイスなどのデバイス間で、データ伝送のために使用される、様々なタイプのコンピュータネットワークのうちのいずれかを、少なくとも包含する。Bluetoothは、パーソナルエリアネットワークの一例である。PANは、近距離無線通信技術の一例である。
【0026】
自動的に-ユーザ入力が、アクション又は動作を直接指定若しくは実行することなく、コンピュータシステム(例えば、コンピュータシステムによって実行されるソフトウェア)、又はデバイス(例えば、回路機構、プログラム可能ハードウェア要素、ASICなど)によって、それらのアクション又は動作が実行されることを指す。それゆえ、用語「自動的に」は、ユーザが入力を提供することにより動作を直接実行する、動作がユーザによって手作業で実行又は指定されることとは対照的である。自動手順は、ユーザによって提供される入力によって開始することができるが、「自動的に」実行される後続のアクションは、ユーザによって指定されるものではなく、すなわち、実行するべき各アクションをユーザが指定する、「手作業」では実行されない。例えば、ユーザが、各フィールドを選択し、情報を指定する入力を提供することによって(例えば、情報をタイプ入力すること、チェックボックスを選択すること、無線の選択などによって)、電子フォームに記入することは、コンピュータシステムが、そのユーザアクションに応答して、そのフォームを更新しなければならない場合であっても、手作業によるフォームの記入である。そのフォームは、コンピュータシステムによって自動的に記入することができ、この場合、コンピュータシステム(例えば、コンピュータシステム上で実行されるソフトウェア)は、そのフィールドに対する回答を指定するユーザ入力を全く使用することなく、そのフォームのフィールドを分析して、フォームに記入する。上述のように、ユーザは、フォームの自動記入を呼び出すことができるが、そのフォームの実際の記入には関与しない(例えば、ユーザがフィールドに対する回答を手作業で指定することはなく、むしろ、それらの回答は、自動的に完遂される)。本明細書は、ユーザが行ったアクションに応答して動作が自動的に実行される、様々な実施例を提供する。
【0027】
~ように構成される-様々な構成要素は、あるタスク又はタスク群を実行する「ように構成される」として、説明される場合がある。そのような文脈では、「~ように構成される」とは、動作時にそのタスク又はタスク群を実行する「構造を有する」ことを一般に意味する、広義の記述である。それゆえ、構成要素は、その構成要素が現在そのタスクを実行していない場合であっても、そのタスクを実行するように構成することができる(例えば、導電体のセットは、2つのモジュールが接続されていない場合であっても、一方のモジュールをもう一方のモジュールに電気的に接続するように構成することができる)。一部の文脈では、「~ように構成される」とは、動作時にそのタスク又はタスク群を実行する「回路機構を有する」ことを一般に意味する、広義の構造の記述とすることができる。それゆえ、構成要素は、その構成要素が現在動作していない場合であっても、そのタスクを実行するように構成することができる。一般的に、「~ように構成される」に対応する構造を形成する回路機構は、ハードウェア回路を含み得る。
【0028】
説明の便宜上、様々な構成要素は、あるタスク又はタスク群を実行するものとして説明される場合がある。そのような説明は、「~ように構成される」という語句を含むものとして解釈されるべきである。1つ以上のタスクを実行するように構成された構成要素を記述することは、その構成要素に関する解釈に、米国特許法第112条、第6段落が行使されないことを、明示的に意図するものである。
図1-BTデバイスに接続する例示的な第1のデバイス
【0029】
図1は、第1のユーザによって所有され、かつ/又は第1のユーザによって動作させることが可能な、例示的な第1のデバイス106を示す。第1のデバイス106は、BLUETOOTH(登録商標)(BT)などの無線接続を介して、タブレットコンピュータ114、1つ以上のスマートフォン116、コンピュータ118、リモートコントロール120、キーボード122、ヘッドセット又はスピーカ124、並びに/あるいはリモートゲームコントローラ(game controllers;GC)126及び128などの様々なデバイスと、選択的に接続することができる。図1に示される実施例では、第1のデバイス106は、場合によりいくつかのBTデバイスと接続されるものとして示されているが、第1のデバイス106は、様々なタイプのデバイスのうちの任意のものに接続することができる。この例示的実施形態では、第1のデバイスは、コンピュータ、タブレット、スマートフォン、ウェアラブルデバイスなどの、様々なタイプのデバイスのうちのいずれかとすることができる。
【0030】
第1のデバイス106はまた、広域ネットワーク108を通じて、サーバコンピュータ110にも接続されるものとして示されている。サーバコンピュータ110は、例えば第1のユーザアカウントによって示されるような、第1のユーザに関連付けられた他のデバイス、又は第1のユーザによって所有されている他のデバイスに関する情報を、記憶することができる。例えば、サーバ110は、第1のユーザによって所有されている他のデバイスに関する情報を記憶する、クラウドベースのサーバとすることができる。第1のデバイス106は、Wi-Fiネットワークを介したネットワーク108を通じて、例えば、インターネット接続用のWi-Fiアクセスポイントを通じて、サーバ110に接続することができる。あるいは、又は更には、第1のデバイス106は、セルラ接続を介したネットワーク108を通じて、サーバ110に接続することができる。以下で更に論じられるように、第1のデバイス106は、無線デバイスとのペアリングを作成し(近距離無線通信を確立し)、そのプロセスで、リンク情報を作成して記憶するように動作することができる。このリンク情報は、第1のデバイス106が無線デバイスとペアリングされる際に使用される近距離無線通信プロトコルに応じて、任意のデータ、セキュリティ認証情報(例えば、セキュリティキー)、リンクキー、長期キー、OOBキーなどを含み得る。
【0031】
上述のように、近接ペアリングの導入はまた、限定するものではないが、ホスト対ホストの較正差、環境変動、及び2.4GHzネットワークに関連付けられた場合のWi-Fiの影響を含めた、いくつかの難題も招くものである。他のホストシステムよりも、これらの因子の影響を受けやすい、いくつかのホストシステムが存在する。例えば、いくつかのホストが近傍に存在する場合、近接ペアリング(proximity pairing;PP)に関するユーザインターフェース(UI)は、ペアリングが意図されているホストデバイス上にのみ表示されるべきであり、近傍の他のいずれのホスト上にも表示されるべきではない。これらの問題点の一部を緩和するために、近接ペアリング/切り替えは、指定又は選択されたデバイスのセットにペアリングを限定することに、基づくものとすることができる。例えば、一部の実施形態では、デバイス間の(例えば、アクセサリデバイスと電気デバイス/ユーザデバイスとの間の)クラウドベースの近接ペアリング/切り替えは、ユーザのクラウドベースのデバイスにアクセスを限定するのに役立ち得る。このことは、意図された時点で、意図された(正しい)電子デバイス/ユーザデバイスと共にアクセサリデバイスを使用するのに役立つ、シームレスな体験をユーザに提供することができる。次いで、第1のデバイス106は、サーバ110にリンク情報(又は、他の接続情報)を提供するように構成することができ、それにより、このリンク情報は、第1のユーザに関連付けられた他のデバイス、又はユーザによって所有されている他のデバイスと共有することができる。これらの他のデバイスは、第1のデバイス106がペアリングすることが可能な、指定又は選択されたデバイス(のセット)と見なすことができる。
図2-BTデバイスに接続する例示的な第1のコンピュータシステム
【0032】
図2は、第1のデバイス106がコンピュータシステムであり得る、一実施例を示す。それゆえ、図2は、様々なタイプの無線デバイスのうちの1つ以上に接続された、第1のコンピュータシステム106Aの一実施例を示す。この例示的実施形態では、第1のコンピュータシステム106Aは、無線マウス130、無線キーボード122、無線トラックパッド132、及び/又は無線ヘッドホン/イヤホン/スピーカ124に接続することができる。更には、第1のコンピュータシステム106Aは、Wi-Fi、セルラ、又は有線接続などの、様々な通信技術のうちのいずれかを使用して、インターネットなどの広域ネットワーク108を介した通信を確立することができ、また、ネットワーク108を介して、(例えば)リモートのデバイス/サーバ110と通信することもできる。更には、コンピュータシステム106Aは、ストリーミングデバイス138(例えば、AppleTV(登録商標))に無線接続することができ、タブレット114及びセルラ電話116などの様々なモバイルデバイスと接続することができる。全般的には、第1のデバイス106(コンピュータデバイス106Aなど)は、上記で列挙されたデバイスのうちの任意の1つ以上、及び、例えば近距離無線通信インターフェース、例えばBTなどを備える、任意の他の同様のデバイスに、WPANを介して接続することができる点に留意されたい。
図3-デバイスの例示的ブロック図
【0033】
図3は、図1での第1のデバイス106、及び/又は図2でのコンピュータデバイス106Aなどの、デバイス106の例示的ブロック図を示す。図示のように、デバイス106は、デバイス106に関するプログラム命令を実行することが可能なプロセッサ(複数可)302を含み得るものであり、グラフィック処理を実行して、ディスプレイ340に表示信号を提供することが可能な、表示回路機構304を備え得る。プロセッサ(複数可)302はまた、プロセッサ(複数可)302からアドレスを受信して、それらのアドレスをメモリ(例えば、メモリ306、読み出し専用メモリ(read only memory;ROM)350、フラッシュメモリ310)内の場所に変換するように構成することが可能な、メモリ管理ユニット(memory management unit;MMU)340にも結合することができ、並びに/あるいは、表示回路機構304、無線機330、コネクタI/F320、及び/又はディスプレイ342などの、他の回路若しくは他のデバイスにも結合することができる。MMU340は、メモリ保護、及びページテーブルの変換若しくはセットアップを実行するように構成することができる。一部の実施形態では、MMU340は、プロセッサ(複数可)302の一部分として含めることができる。
【0034】
図示のように、プロセッサ302は、デバイス106の様々な他の回路に結合することができる。例えば、デバイス106は、様々なタイプのメモリ、コネクタインターフェース320(例えば、コンピュータシステムに結合するためのもの)、ディスプレイ342、及び無線通信回路機構(例えば、Wi-Fi、BLUETOOTH(登録商標)、LTE、LTE-A、GPSなどに関するもの)を含み得る。デバイス106は、基地局及び/又は他のデバイスとの無線通信を実行するために、少なくとも1つのアンテナ(例えば、335a)、及び場合により、複数のアンテナ(例えば、アンテナ335a及びアンテナ335bによって示されるもの)を含み得る。アンテナ335a及びアンテナ335bは、例として示されており、UEデバイス106は、より多くのアンテナを含む場合もある。全般的には、それら1つ以上のアンテナは、アンテナ335と総称される。例えば、デバイス106は、無線機330を用いて無線通信を実行するために、アンテナ335を使用することができる。上述のように、UEは、一部の実施形態では、複数の無線通信規格を使用して、無線通信するように構成することができる。
【0035】
引き続き本明細書で更に説明されるように、デバイス106は、アクセサリデバイスとのペアリング及び接続に関する、改善された方法を実行するための、ハードウェア構成要素並びにソフトウェア構成要素を含み得る。例えば、ユーザのデバイスは、そのユーザに関連付けられた他のデバイスと共有されるべき、アクセサリデバイスに関連付けられたリンク情報をサーバに提供するための、無線ソフトウェアドライバ(例えば、BLUETOOTH(登録商標)プロトコルスタック)又は他のソフトウェアを、記憶及び実行することができる。デバイス106は、例えば、記憶媒体(例えば、非一時的コンピュータ可読記憶媒体)上に記憶されたプログラム命令を実行することによって、及び/又は、ハードウェア若しくはファームウェアの動作を通じて、本明細書で説明される方法の一部又は全てを実行するように構成することができる。他の実施形態では、本明細書で説明される方法は、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)などのプログラム可能ハードウェア要素によって、及び/又はASIC(特定用途向け集積回路)として、少なくとも部分的に実装することができる。それゆえ、デバイス106は、本明細書で説明される様々な実施形態のうちのいずれかによる方法を実行するように、構成することができる。
【0036】
一部の実施形態では、無線機330は、対応する様々なRAT規格に関する通信を制御することに特化された、個別のコントローラを含み得る。例えば、図3に示されるように、無線機330は、Wi-Fiコントローラ350及びBLUETOOTH(登録商標)コントローラ354を含み得るものであり、また、セルラコントローラ(例えば、LTEコントローラ)352も備え得る。一部の実施形態では、これらのコントローラのうちの1つ以上又は全てを、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの何らかの組み合わせとして実装することができる。無線機330内には、3つの個別のコントローラが示されているが、他の実施形態は、デバイス106で実装することが可能な様々な異なるRATに関する、より少ないコントローラ、より多くのコントローラ、及び/又は異なるコントローラを有し得る。
【0037】
また、図2で例示されているアクセサリデバイスのいずれも、第1のデバイス106の構成要素として図3で説明された、特定の構成要素を含み得る点にも留意されたい。例えば、ヘッドセットアクセサリデバイス(例えば、図2の124)は、そのアクセサリデバイスの機能性及び目的に特有の、様々な他の構成要素(例えば、スピーカ、トランスデューサなど)に加えて、近距離無線通信用の無線回路機構、例えば、図3に示されるコントローラ354などのBLUETOOTH(登録商標)コントローラを含み得る。
図4-アクセサリデバイスの共有
【0038】
図4は、一部の実施形態による、アクセサリデバイスが、第1のデバイスとの接続から、第2のデバイスへの接続に遷移することが可能な、例示的方法に関するフローチャートを示す。第1のデバイス及び第2のデバイスは、デバイス106などの、上記で列挙及び/又は説明された様々なデバイスのうちのいずれかとすることができ、一部のシナリオでは、異なるデバイスのクラスに属する場合がある。一部の実施形態では、第1のデバイス及び第2のデバイスはまた、指定されたデバイスのグループ、又は指示されたデバイスのセット内に含めることができ、例えば、それらは、クラウドベースのサーバによって保持することが可能な、あるユーザの共通のユーザアカウント(例えば、iCloud(登録商標)アカウントなどの、クラウドベースのアカウント)に関連付けることができる。他の実施形態では、それらのデバイスは、別の基準に基づいたデバイスのグループに属するものとして、グループ化及び/又は指示することができる。一般的に、それらのデバイスは、デバイスのグループの一部、例えば、信頼済みデバイスのグループの一部と見なすことができる。アクセサリデバイスは、第1のデバイス及び第2のデバイスとペアリングするための近距離無線通信を容易化及び可能にする、少なくとも1つの構成要素を含む、ヘッドセット、ゲームコントローラ、マウス、キーボード、ウェアラブルデバイス、若しくは他の同様のデバイスなどの、図1及び図2に関連して上述された様々なデバイスのうちのいずれかとすることができる。
【0039】
402で、第1のデバイスは、アクセサリデバイスとペアリングすることができる。一部の実施形態では、第1のデバイス又はアクセサリデバイス上でのユーザ入力により、ペアリングが開始される場合もあり、又は、ペアリングは、自動的に実施される場合もある。例えば、第1のデバイスは、アクセサリデバイスと、それらデバイス間の接続を確立することを目的として、ペアリング要求を交換することができる。アクセサリデバイスは、有線接続又は無線接続を含む、様々な手段のうちの1つ以上によって、第1のデバイスと接続することが可能であり得る。例えば、アクセサリデバイスは、BT技術を使用して、第1のデバイスに無線接続するように動作することが可能な、BLUETOOTH(登録商標)(BT)デバイスとすることができる。一般的に、アクセサリデバイスは、利用可能な様々なWPAN技術又は近距離無線通信技術のうちのいずれかを使用して、第1のデバイスに無線接続するように動作することができる。
【0040】
404で、第1のデバイスは、この第1のペアリングに(又は、第1のペアリング要求に)関連付けられた情報を、サーバ、例えばクラウドベースのサーバなどの、中央ロケーションに通信することができる。このクラウドベースのサーバは、第1のデバイスもまた属している指定されたデバイスのグループに属する、様々な他のデバイス、例えば、第1のデバイスのユーザに全てが属しているデバイス、又は第1のユーザによって使用されるものとして指定されているデバイスに関連付けられた、対応の情報を記憶することができる。例えば、ユーザが、ポータブルコンピュータ、タブレットデバイス、及びスマートフォンを所有している場合には、サーバ(中央ロケーション)は、これら3つのデバイスのそれぞれに関連付けられた、対応の情報を記憶することができる。このサーバはまた、これら3つのデバイスのそれぞれにデータを通信する能力、例えば、データをプッシュする能力も有し得る。第1のデバイスによってクラウドベースのサーバに通信される(第1のペアリングに関連付けられた)情報は、リンクキー、アドレス、及び/又は他の情報などの、そのアクセサリデバイスに関連する、並びに/あるいは、そのアクセサリデバイスと接続を確立することに関連する、様々な項目を含み得る。この情報は、第1のデバイスとアクセサリデバイスとの間でのペアリングの結果として、自動的に通信される場合もあり、あるいは、この情報の通信は、第1のデバイス上でのユーザ入力によって、又は、クラウドベースのサーバによる、その情報に対する要求によって、トリガされる場合もある。第1のデバイスがBTを使用してアクセサリデバイスに接続する場合には、BTソフトウェアスタックが、その情報をクラウドベースのサーバに伝達するように動作し得る。第1のデバイスは、インターネットへの有線接続若しくは無線接続などの、様々な手段によって、例えば、Wi-Fi、LTE、有線インターネット、又は関連技術を使用して、クラウドベースのサーバと通信することができる。クラウドベースのサーバは、この情報を記憶することができ、かつ/又は、その受信された情報を、指定された(又は、指示された)デバイスのグループに関連付けられた/属している、1つ以上の(又は、全ての他の)デバイス、例えば、第1のデバイスのユーザのユーザアカウントに関連付けられたデバイス間に、配信することができる。それゆえ、406に示されるように、アクセサリデバイス(及び、第1のペアリング要求)に関連付けられた情報は、第1のデバイスから、その指定のグループ内の他のデバイスに、例えば、第2のデバイスなどの、同一ユーザに関連付けられた他のデバイスに伝播させることができる。一部の実施形態では、次いで、この第2のデバイスは、その情報を記憶することができる。
【0041】
アクセサリデバイスと第1のデバイスとのペアリング(要求)に関連付けられた情報はまた、そのペアリングに関連付けられたリンク情報としても参照することができ、それゆえ、その第1のペアリングに関連付けられるものとして、アクセサリデバイス及び第1のデバイスの双方に関する情報を含み得る。したがって、このリンク情報は、第1のデバイスに関する第1の部分、及びアクセサリデバイスに関する第2の部分を含み得る。例えば、リンク情報の第1の部分は、第1のデバイスのセキュリティ認証情報を含み得るものであり、リンク情報の第2の部分は、アクセサリデバイスのセキュリティ認証情報を含み得る。更には、第1のデバイスはまた、1つ以上の他のユーザデバイスに関連付けられたリンク情報(第2のリンク情報とも称されるもの)も、アクセサリデバイスに送信することができる。この(第2の)リンク情報を、アクセサリデバイスに提供することによって、アクセサリデバイスは、第2のユーザデバイスに以前に記憶されている第1のリンク情報と、そのアクセサリデバイスに以前に記憶されている第2のリンク情報とを使用して、それら他の指定のユーザデバイスのうちの第2のユーザデバイスと、自動的に(ユーザの介入を必要とする場合もあれば必要としない場合もある、ペアリング手順を経ることを必要とせずに)接続することが可能となる。
【0042】
図4のフローチャートで示されるように、第1のデバイスは、サーバと(又は、より一般的には、他のデバイスについての、リンク情報を含めた情報を、受信、記憶、及び共有することが可能な外部デバイスと)接続することにより、他のデバイスについてのどんな情報が、そのサーバ上に記憶されているかを確証する(404)。しかしながら、いずれかの時点で、第1のデバイスは、既に第2のリンク情報を以前に受信している場合もあり、そのような場合には、第1のデバイスは、この情報を既に記憶している可能性があるため、サーバに接続する必要がないことを留意されたい。換言すれば、第1のデバイスは、1つ以上の他のユーザデバイスに関連付けられた(又は、それら他のユーザデバイスに対応する)リンク情報を既に記憶している可能性があり、このローカルに記憶された履歴を使用して、それら1つ以上の他のデバイスに関する接続認証情報を作成することができる。したがって、404は、そのようなシナリオでは実施する必要がなく、省略することができる。
【0043】
410で、ある条件及び/又はアクションにより、第2のユーザデバイスがアクセサリデバイスとペアリングするための指示を、トリガすることができる。例えば、一部の実施形態では、第2のデバイスは、アクセサリデバイスに対する、そのデバイスの近接性を判定することができる。第2のデバイスとアクセサリデバイスとの間の近接性は、信号強度などの様々な測定基準を使用して算出することができ、近接性に基づくペアリングを開始するか否かを判定するための閾値と比較することができる。近接性に基づくペアリングの場合には、アクセサリデバイスが、少なくとも、そのアクセサリデバイスの指定の近接性の範囲内に存在していると判定される場合には、412で、第2のデバイスは、そのアクセサリデバイスと自動的に(ペアリング手順を必要とせずに)接続することができ、又は必要に応じて、例えば、そのアクセサリデバイスに接続するか否かを問い合わせるポップアップUIで、ユーザに入力を促すことによって、そのアクセサリデバイスに第2のデバイスをペアリングする選択肢を、ユーザに提示することができる。ペアリング又は接続をトリガするために使用される距離は、任意の所望の距離又は指定された距離として設定することができる。一部の実装形態では、この近接性は、ペアリング/接続することが予期される距離であると判定された距離に、設定することができる。例えばボタン及び/又はディスプレイとのユーザ対話を介した、第2のデバイス上でのユーザ入力により、そのアクセサリデバイスとペアリングする要望を示すことができる。あるいは、第2のユーザデバイスは、いずれのユーザ対話も必要とすることなく、かつ/又は、いずれのマルチステップペアリング手順も必要とすることなく、以前に記憶されている(上述のような、第2のユーザデバイス及びアクセサリデバイスの双方での)リンク情報を使用して、そのアクセサリデバイスと単純に接続することもできる。
【0044】
上述のように、412で、第2のユーザデバイスは、410で受信された指示に応じて、アクセサリデバイスとペアリングするように動作することができる。アクセサリデバイスは、既に、第1のデバイスとアクティブにペアリングされている場合があるため、第2のデバイスは、そのアクセサリデバイスを第1のユーザデバイスから第2のユーザデバイスに遷移させることを目的として、接続解除メッセージを(例えば、インターネットを介して、又はクラウドベースのサーバを通じて)第1のデバイスに通信することができる。
一部の実装形態では、代替的に、アクセサリが、この接続解除メッセージを通信することができる。第2のユーザデバイスは、アクセサリデバイスと接続するために、そのアクセサリデバイスに関連付けられたリンクキー情報などの、404/406で受信された情報を使用することができる。同様に、アクセサリデバイスも、第2のユーザデバイスと接続するために、その第2のユーザデバイスに関連付けられたリンクキー情報などの、408で受信された情報を使用することができる。このことにより、第2のユーザデバイス及びアクセサリデバイスは、ペアリング手順を必要とすることなく、より容易かつ効率的に、互いに接続することが可能となる。それゆえ、アクセサリデバイスは、第1のユーザデバイスから接続解除することができ、第2のユーザデバイスと新たな接続を確立することができる。
【0045】
図5及び図6は、一連の実施形態による、近距離無線通信を介してアクセサリデバイスにユーザデバイスを接続するために、図4で説明されたペアリングプロセスを、どのように使用することができるかについての図を提示するものである。図5に示されるように、ユーザが、この図ではヘッドセットとして示されるアクセサリデバイス508を、BLUETOOTH(登録商標)(BT)を介して、この図ではコンピュータ504として、例えばiMac(登録商標)として示される、そのユーザの登録デバイスのうちの任意の1つにペアリングする場合、そのデバイスは、例えばBTスタックを通じて、(ユーザデバイス504とアクセサリデバイス508との)ペアリングに関連付けられたリンク情報を、クラウド502を介して、そのユーザの登録アカウント内の他のデバイスに送信するように選択することができる。例として、第2のユーザデバイス506が、スマートフォンとして図5に示されている。それら他のユーザデバイスのうちのいずれか、例えばユーザデバイス506が、アクセサリデバイス508を使用することを意図する場合には、そのリンク情報、例えばリンクキーを、現在接続されているデバイス504から、アクセサリデバイス508に中継することができる。次いで、図6に示されるように、アクセサリデバイス508が、第2のユーザデバイス506のペアリング近接範囲内に移動されると、現在接続されているデバイス504に、クラウド502を介して接続解除メッセージが送信されることにより、近接切り替えを可能にすることができる。したがって、アクセサリデバイス508に提供済みの、第2のユーザデバイス506に関連付けられたリンク情報と、第2のユーザデバイス506に提供済みの、アクセサリデバイス508に関連付けられたリンク情報とを使用して、アクセサリデバイス508を、第2のユーザデバイス506と接続させることができる。それゆえ、この技術により、リンク情報(例えば、キー)の(一方向又は双方向での)交換を必要とする、自動又は手動のいずれかでの、より冗長なペアリングプロセスが不要となる。
【0046】
図7は、一部の他の実施形態による、デバイスが接続及びペアリングされている状態の通信システムを示す。より具体的には、図7は、ユーザデバイスとアクセサリデバイスとを、互いに容易に接続及び/又はペアリングすることを可能にするために確立することが可能な、有線接続のタイプ並びに無線接続のタイプの図を、それぞれ提示するものである。ユーザデバイス702とアクセサリデバイス708とは、USB714(図示)又はセキュアWi-Fi(より一般的には、セキュアな有線接続又は無線接続)などの、セキュアなトランスポートを介して接続することができ、デバイス702とデバイス708との間で、Bluetoothセキュリティ認証情報(より一般的には、非セキュア及び/又は近距離無線通信プロトコルに従った、デバイス間のペアリングの確立に対応するリンク情報)を交換するために、その既存のトランスポートを使用することができる。BLUETOOTH(登録商標)接続(又は、より一般的には、非セキュア及び/又は近距離無線通信プロトコルに従った、接続若しくはペアリング)が、3つ以上のデバイス間で所望される場合には、デバイス704及びデバイス706との接続を有するデバイス702が、既存のBLUETOOTH(登録商標)(又は、より一般的には、非セキュア及び/又は近距離無線通信プロトコル)接続を介して、BLUETOOTH(登録商標)セキュリティ認証情報(より一般的には、非セキュア及び/又は近距離無線通信プロトコルに従った、デバイス間のペアリングの確立に対応するリンク情報)を転送する、中継器としての役割を果たすことにより、デバイス704及びデバイス706がペアリング手順を経ることを必要とせずに、デバイス704とデバイス706との間の第3の接続をもたらすことができる。
【0047】
図7に示されるシステムの一部の実施形態は、第1のタイプのアクセサリデバイス704及び第2のタイプのデバイス706、例えばウェアラブルデバイス706の双方に接続された、ハンドヘルドデバイス702を含み得る。既存のBLUETOOTH(登録商標)(BT)接続710及び接続712を使用して、第1のタイプのアクセサリデバイス704とウェアラブルデバイス706との間で、第1のタイプのアクセサリデバイス704及びウェアラブルデバイス706のBTセキュリティ認証情報を交換することができる。次いで、デバイス704及びデバイス706は、ペアリング手順を必要とすることなく、特定の条件下で互いに接続することができる。別の実施例では、ハンドヘルドデバイス702は、iAP(商標)プロトコルを使用して、USBを介してディスプレイデバイス708(例えば、CarPlay(登録商標)デバイス)に接続することができる。この既存のUSB接続を使用して、BTセキュリティ認証情報を交換し、ハンドヘルドデバイス702とディスプレイデバイス708とを自動的に接続することができる。更に別の実施例では、ハンドヘルドデバイスは、セキュアWi-Fi接続を介して、第2のタイプのアクセサリデバイスに接続することができる。この既存のWi-Fi接続を使用して、BTセキュリティ認証情報を交換し、そのハンドヘルドデバイスと第2のタイプのアクセサリデバイスとを自動的に接続することができる。
簡易なペアリング手順
【0048】
上記に従って、例えば図4図5図6、及び図7で説明されるようなペアリングを促進するために、以下の通り実行することができる。最初に、ペアリングのタイプを決定することができる。デバイスのタイプ及び用途に基づいて、いくつかの異なるタイプのペアリングのうちの1つを、選択/特定することができる。第1のタイプのペアリングは、リンクキーを使用するペアリングとすることができる。このペアリング方法は、BR/EDR(Basic Rate/Enhanced Data Rate;基本レート/拡張データレート)デバイス又はデュアルモードデバイス間でのクラシックペアリングに関して使用することができ、この場合、リンクキーが一方のデバイス上で生成され、簡易ペアリングのために他方のデバイスに送信される。第2のタイプのペアリングは、長期キーを使用するペアリングとすることができる。このペアリング方法は、2つのデュアルモードデバイス又はLEデバイス間でのLE(低エネルギー)ペアリングに関して使用することができ、この場合、LTK(Long Term Key;長期キー)及び他のLEペアリング関連キーが、双方のデバイス上で生成され、次いで互いに交換される。第3のタイプのペアリングは、OOB(Out of Band;帯域外)データを使用するペアリングとすることができる。このペアリング方法は、用途に固有の理由で、上記の方法のいずれも選択することが不可能である場合に、使用することができる。このペアリングのタイプが選択される場合、OOBキー(例えば、BLUETOOTH(登録商標)コア仕様2.1以降でのOOB関連付けモデルによって定義されるもの)を生成して、OOBトランスポートを介して交換することができる。
【0049】
第2に、デバイス情報発見を実行することができる。OOBトランスポートを使用して、BTペアリングが所望されているデバイスに関する、デバイス固有情報を読み取ることができる。したがって、OOBトランスポートを介して、以下のデータを取得することができる:デバイスのBTアドレス、デバイスのBTデバイス名、及び(デバイスがBR/EDRデバイス又はデュアルモードデバイスである場合)デバイスのCOD(class of device;デバイスのクラス)。第3に、リンクキーを生成することができる。ユーザデバイス側で実行されているアプリケーションが、そのリモートデバイス情報及びペアリングのタイプを、BTスタックに提供することができ、その特定のペアリングのタイプに関するセキュリティキーを生成するように、要求することができる。第4に、それらのリンクキーを交換することができる。生成されたセキュリティキーを、既存の非BTトランスポートを介して交換して、それぞれのセキュリティデータベース内に記憶することができる。
【0050】
本発明の実施形態は、様々な形態のうちのいずれかで実現することができる。例えば、一部の実施形態では、本発明は、コンピュータにより実行される方法、コンピュータ可読記憶媒体、又はコンピュータシステムとして実現することができる。他の実施形態では、本発明は、ASICなどの、1つ以上のカスタム設計されたハードウェアデバイスを使用して実現することができる。他の実施形態では、本発明は、FPGAなどの、1つ以上のプログラム可能なハードウェア要素を使用して実現することができる。
【0051】
一部の実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体(例えば、非一時的記憶要素)は、プログラム命令及び/又はデータを記憶するように構成することができ、このプログラム命令は、コンピュータシステムによって実行される場合には、そのコンピュータシステムに、方法を、例えば、本明細書で説明される方法の実施形態のうちのいずれか、又は、本明細書で説明される方法の実施形態の任意の組み合わせ、又は、本明細書で説明される方法の実施形態のうちのいずれかの任意のサブセット、又は、そのようなサブセットの任意の組み合わせを実行させる。
【0052】
一部の実施形態では、デバイス(例えば、UE)は、プロセッサ(又は、プロセッサのセット)及び記憶媒体(又は、記憶要素)を含むように構成することができ、記憶媒体は、プログラム命令を記憶し、プロセッサは、記憶媒体からプログラム命令を読み込み、実行するように構成され、そのプログラム命令は、本明細書で説明される様々な方法の実施形態のうちのいずれか(又は、本明細書で説明される方法の実施形態の任意の組み合わせ、又は、本明細書で説明される方法の実施形態のうちのいずれかの任意のサブセット、又はそのようなサブセットの任意の組み合わせ)を実施するように実行可能である。このデバイスは、様々な形態のうちのいずれかで実現することができる。
【0053】
上記の実施形態は、かなり詳細に説明されているが、上記の開示が完全に理解されると、当業者には、数多くの変形及び修正が明らかとなるであろう。以下の「特許請求の範囲」は、そのような変形及び修正の全てを包含するように解釈されることを意図するものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7