(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-18
(45)【発行日】2022-11-29
(54)【発明の名称】互いに位置整合された伝送経路および受信経路を有するLIDAR
(51)【国際特許分類】
G01S 7/481 20060101AFI20221121BHJP
【FI】
G01S7/481 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021142191
(22)【出願日】2021-09-01
(62)【分割の表示】P 2020512865の分割
【原出願日】2018-08-03
【審査請求日】2021-09-03
(32)【優先日】2017-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】317015065
【氏名又は名称】ウェイモ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】ドロズ,ピエール-イヴ
(72)【発明者】
【氏名】ハチソン,デイビッド ニール
(72)【発明者】
【氏名】シェパード,ラルフ ハミルトン
(72)【発明者】
【氏名】ゴルシャン,ナサニエル
【審査官】藤田 都志行
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-065527(JP,A)
【文献】実開平02-052176(JP,U)
【文献】特開2003-214813(JP,A)
【文献】米国特許第05917596(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/48- 7/51
G01S 17/00-17/95
G01C 3/00- 3/32
G01B 11/00-11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
光を放出する光源と、
導波路であって、前記導波路の第1の側面から前記導波路の第2の側面に向けて前記放出された光を導く導波路と、
レンズと、
前記レンズに向かって前記導波路から反射光が伝搬するように、前記導かれた光の少なくとも一部分を反射するミラーであって、前記レンズが、前記導波路から伝搬する前記反射光をシーンに向けて指向させる、ミラーと、
光検出器と、
アパーチャを画定する不透明材料であって、集束された光の少なくとも一部分が前記アパーチャを通して前記光検出器へと伝送されるように、前記レンズが前記シーンからの光を集束させる、不透明材料と、を備え
、
前記導波路が、前記第1の側面と前記第2の側面との間に延在する第3の側面を有し、前記第3の側面が、前記導波路と前記不透明材料との間に配設された基板に取り付けられる、システム。
【請求項2】
前記不透明材料が前記レンズと前記導波路との間に介在し、前記反射光が、前記導波路から前記アパーチャを通って前記レンズに向かって伝播する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記導波路が、前記アパーチャと前記光検出器との間に配設される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記アパーチャを通して伝送される前記集束された光の少なくとも一部分が、前記導波路を通って伝搬することなく前記光検出器へと伝搬する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記ミラーが、前記導波路の前記第2の側面上に配設された反射材料を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ミラーが、前記導波路の前記第3の側面に対して鋭角に傾斜している、請求項
5に記載のシステム。
【請求項7】
シリンドリカルレンズをさらに備え、前記光源が、前記シリンドリカルレンズを介して前記導波路の前記第1の側面に光学的に結合される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記シリンドリカルレンズが光ファイバを含む、請求項
7に記載のシステム。
【請求項9】
前記アパーチャと前記光検出器との間に配設された光フィルタをさらに備え、前記光フィルタが、所定の波長域内の光を選択的に透過させるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記光源が、所定の波長域内の波長を有する光を放出する、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記光検出器が、単一光子アバランシェダイオード(SPAD)のアレイを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
複数の導波路であって、各導波路が、前記導波路のそれぞれの第1の側面から前記導波路のそれぞれの第2の側面へと光を導くように構成される、複数の導波路と、
複数の光源であって、前記複数の導波路の各それぞれの光源が、前記複数の導波路のそれぞれの導波路の前記第1の側面に光学的に結合される、複数の光源と、
レンズと、
複数のミラーであって、前記複数のミラーの各それぞれのミラーが、前記複数の導波路のそれぞれの導波路の前記第2の側面上に配設され、かつ、前記レンズに向かって前記それぞれの導波路から反射光が伝搬するように、前記それぞれの導波路内の前記導かれた光の少なくとも一部分を反射し、前記レンズが、各々の前記導波路から伝搬する前記反射光をシーンに向けて指向させる、複数のミラーと、
複数の光検出器と、
複数のアパーチャを画定する不透明材料であって、集束された光の少なくとも一部分が前記複数のアパーチャを通して前記複数の光検出器へと伝送されるように、前記レンズが前記シーンからの光を集束させる、不透明材料と、を備えるシステム。
【請求項13】
前記不透明材料が前記レンズと前記複数の導波路との間に介在し、各それぞれの導波路から伝搬する反射光が前記複数のアパーチャのそれぞれのアパーチャを通って前記レンズに向かって伝搬するように、前記それぞれの導波路が前記それぞれのアパーチャに光学的に結合される、請求項
12に記載のシステム。
【請求項14】
前記複数の導波路が、前記複数のアパーチャと前記複数の光検出器との間に配設される、請求項
13に記載のシステム。
【請求項15】
前記複数の光検出器の各それぞれの光検出器が前記複数のアパーチャのそれぞれのアパーチャに光学的に結合され、前記それぞれのアパーチャを通して伝送される前記集束された光の少なくとも一部分が、それぞれの導波路を通って伝搬することなく、前記それぞれの光検出器へと伝搬するように、前記それぞれのアパーチャと前記それぞれの光検出器との間に前記それぞれの導波路が位置決めされる、請求項
14に記載のシステム。
【請求項16】
前記複数のアパーチャと前記複数の光検出器との間に配設された少なくとも1つの光フィルタをさらに備え、前記少なくとも1つの光フィルタが、所定の波長域内の光を選択的に透過させるように構成される、請求項
12に記載のシステム。
【請求項17】
前記複数の光検出器の各光検出器が、単一光子アバランシェダイオード(SPAD)のアレイを含む、請求項
12に記載のシステム。
【請求項18】
方法であって、
光源によって、導波路の第1の側面に向けて光を放出することと、
前記導波路の内部で、前記放出された光を前記導波路の前記第1の側面から前記導波路の第2の側面に導くことと、
前記導かれた光の少なくとも一部分を前記導波路の第3の側面に向けて反射することであって、反射光が前記導波路の前記第3の側面からアパーチャを通ってレンズへと伝播するように、前記導かれた光の少なくとも一部分を反射することと、
前記レンズによって、前記導波路から伝搬する前記反射光をシーンに向けて指向させることと、
前記レンズによって、前記シーンからの光を集束させることであって、前記集束された光の少なくとも一部分が前記アパーチャを通して光検出器へと伝送されるように前記シーンからの光を集束させることと、を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年9月5日に出願された米国特許出願第15/695,755号の優先権を主張し、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本明細書で特に断りのない限り、本節に記載の資料は、本出願の特許請求の範囲の先行技術ではなく、本節に含めることにより先行技術であると認めるものではない。
【0003】
フォトダイオード、単一光子アバランシェダイオード(SPAD)、または他のタイプのアバランシェフォトダイオード(APD)などの光検出器を使用して、光検出器の表面上に照射された光を検出することができる(例えば、光の強度を示す電圧または電流などの電気信号を出力することにより)。このようなデバイスの多くのタイプは、シリコンなどの半導体材料から製造される。大きな幾何学的領域にわたって光を検出するために、複数の光検出器がアレイとして配置され得る。これらのアレイは、シリコン光電子増倍管(SiPM)またはマルチピクセル光子カウンタ(MPPC)と呼ばれることがある。
【0004】
上記の配置のうちのいくつかは、比較的低い光強度に感度を有するため、それらの検出品質を高いものとする。しかしながら、このことは、また上記の配置が不利なバックグラウンド効果の影響を偏って受けやすくし得る(例えば、外部光源からの外光が、光検出器による測定に影響を与える可能性がある)。
【発明の概要】
【0005】
一例では、システムは、光を放出する光源を含む。システムはまた、導波路であって、導波路の第1の側面から第1の側面と反対側の導波路の第2の側面に向けて放出光を導く導波路を備える。導波路が、第1の側面と第2の側面との間に延在する第3の側面を有する。システムはまた、誘導光を導波路の第3の側面に向けて反射するミラーを備える。反射光の少なくとも一部分は、導波路からシーンに向かって伝播する。このシステムはまた、光検出器を備える。システムはまた、シーンからの光を導波路および光検出器に向けて集束するレンズを備える。
【0006】
別の例では、システムは、光を放出する光源を備える。システムはまた、入力端と、入力端と反対側の1つ以上の出力端と、を有する導波路を備える。導波路は、放出光を入力端から1つ以上の出力端に導く。導波路は、入力端から1つ以上の出力端まで延在する所与の側面を有する。システムはまた、誘導光の少なくとも一部分を導波路の所与の側面に向けて反射する1つ以上のミラーを備える。反射光は、導波路から外へ伝播する。システムはまた、導波路から外へ伝播する反射光をシーンに向けて指向させるレンズを備える。システムはまた、1つ以上の光検出器アレイを備える。レンズは、シーンからの光を導波路および1つ以上の光検出器アレイに向けて集束させる。
【0007】
また別の例では、導波路の第1の側面に向けて光を放出することを伴う。この方法はまた、導波路の内部で、放出光を第1の側面から第1の側面と反対側の導波路の第2の側面に導くことを伴う。この方法はまた、導波路の第3の側に向けて誘導光を反射することを伴う。反射光の少なくとも一部分は、導波路の第3の側面からシーンに向かって伝播する。この方法はまた、レンズを介して、シーンからの光を導波路および光検出器上に集束させることを伴う。
【0008】
さらに別の例では、システムは、導波路の第1の側面に向けて光を放出する手段を備える。このシステムはまた、導波路の内部で、放出光を第1の側面から第1の側面と反対側の導波路の第2の側面に導く手段を備える。このシステムはまた、誘導光を導波路の第3の側面に向けて反射する手段を備える。反射光の少なくとも一部分は、導波路の第3の側面からシーンに向かって伝播する。このシステムはまた、レンズを介して、シーンからの光を導波路および光検出器上に集束させる手段を備える。
【0009】
前述の概要は例示にすぎず、決して限定することを意図したものではない。上述の例示的な態様、実施形態、および特徴に加えて、さらなる態様、実施形態、および特徴は、図面および以下の詳細な説明を参照することにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】例示的な実施形態による、アパーチャを含むシステムの説明図である。
【
図2A】例示的な実施形態による、LIDARデバイスの簡略化されたブロック図である。
【
図3A】例示的な実施形態による、導波路を含むシステムの説明図である。
【
図4A】例示的な実施形態による、複数の導波路を含むシステムの第1の断面図を示す。
【
図5】例示的な実施形態による、導波路を含む別のシステムの断面図を示す。
【
図6】例示的な実施形態による、導波路を含むまた別のシステムの断面図を示す。
【
図7】例示的な実施形態による、方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書に記載される例示的な実施形態または特徴は、他の実施形態または特徴よりも好ましいまたは有利であると必ずしも解釈されるべきではない。本明細書に記載される例示的な実施形態は、限定することを意図するものではない。開示された実装形態の特定の態様を、多種多様な異なる構成で配置および組み合わせることができることが容易に理解されるであろう。さらに、図面に示される特定の配置は、限定するものと見なされるべきではない。他の実装形態は、所与の図面に示される各要素の数が増減されたものが含まれ得ることを理解されたい。加えて、例示される要素のいくつかが、組み合わされるか、または省略され得る。同様に、例示的な実装形態は、図面に示されない要素を含み得る。
【0012】
I.概要
例示的な実装形態は、1つ以上の光検出器を使用して光を検出することを伴うデバイス、システム、および方法に関連し得る。いくつかの例では、光検出器は、光検出および測距(LIDAR)デバイスの検知構成要素であり得る。
【0013】
一例のシステムはレンズを含む。レンズは、シーンからの光を集束するために使用され得る。ただし、レンズは、システムによって観測されることを意図されていないバックグラウンド光(例えば、太陽光)を集束させてもよい。光を選択的にフィルタリングする(すなわち、シーン内の情報に対応する光からバックグラウンド光を分離する)ために、不透明材料(例えば、選択的にエッチングされた金属、マスクで部分的に覆われたガラス基板など)がレンズの背後に設置され得る。不透明材料は、様々な実施形態において、スラブ、シート、または様々な他の形状として成形されることが可能である。不透明材料内に、アパーチャが画定され得る。この配置により、レンズによって集束された光の一部分または全体が、アパーチャを通した伝送のために選択されることが可能である。
【0014】
アパーチャを通して伝送される光の伝播方向において、システムは、アパーチャを通して伝送された集束光の少なくとも一部分を検出するように配置された光検出器(例えば、SPADなど)のアレイを含み得る。
【0015】
システムはまた、光を放出する光源と、導波路の入力端で放出光を受け取る導波路とを含み得る。導波路は、放出光を入力端から入力端の反対側の導波路の出力端に導く。導波路は、入力端から出力端まで延びる所与の側面を有する。導波路は、放出光の少なくとも一部分を所与の側面からレンズに向けて伝送する。一般に、導波路の出力端は、レンズから光検出器のアレイに伝播する集束光の伝播経路に沿って配置され得る。一実施形態では、導波路から伝送された放出光は、集束光が光検出器のアレイに向けて通して伝送されるのと同じアパーチャを通って伝播し得る。
【0016】
導波路の所与の側面からの誘導光の伝播を促進するために、いくつかの例では、システムは、導波路の内部を伝播する誘導光の伝播経路に沿って配設されたミラーを含み得る。ミラーは、導波路の所与の側に向けて傾き得る。したがって、ミラーは、光検出器のアレイに向かって伝播する集束光の経路と互いに一致する所与の側面の特定の領域に向かって誘導光(または誘導光の一部分)を反射し得る。例えば、特定の領域は、不透明材料によって画定されるアパーチャに隣接してもよい。
【0017】
したがって、例示的な一配置では、システムは、導波路、アパーチャ、およびレンズを通って延在する送信経路に従って、放出された光ビームを指向させることにより、シーンを照明し得る。システムはまた、同じレンズおよびアパーチャを通って延在する受信経路に従って、照明されたシーンから、放出された光ビームの反射を受け取り得る。それゆえ、この例の光の送信経路および受信経路は、互いに位置整合される(例えば、同じまたは同様のそれぞれの視野に関連付けられる)ことが可能である。
【0018】
送信経路は受信経路と空間的に一致しているため、この例示的なシステムは、視差に関連付けられた光学走査歪みを低減(または防止)し得る。例えば、代わりに送信経路および受信経路が互いに対して空間的にずれているとすると(例えば、それぞれの視方向またはポインティング方向が異なる、など)、シーンの走査された表現は、視差などの光学歪みの影響を受ける可能性がある。
【0019】
他の態様、特徴、実装形態、構成、配置、および利点も可能である。
【0020】
II.例示的なシステムおよびデバイス
図1Aは、例示的な実施形態による、アパーチャを含むシステム100の説明図である。図示されるように、システム100は、光検出器のアレイ110(検出器112および114によって例示される)、不透明材料120内に画定されたアパーチャ120a、およびレンズ130を含む。システム100は、シーン内のオブジェクト198によって反射または散乱された光102を測定し得る。いくつかの場合には、光102はまた、バックグラウンド光源(図示せず)からレンズ130に向かって直接伝播する光を含み得る。いくつかの例では、システム100は、光検出および測距(LIDAR)デバイスに含まれ得る。例えば、LIDARデバイスは、自律車両のナビゲーションに使用されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、システム100またはシステム100の部分は、レンズ130を通す以外に外光にさらされない領域内に包含され得る。これにより、アレイ110の検出器に到達する周囲光の量(測定に影響を与える可能性がある)を低減し得る。
【0021】
アレイ110は、検出器112および114によって例示される光検出器の配置を含む。様々な実施形態において、アレイ110は異なる形状を有し得る。図示されるように、アレイ110は矩形形状を有する。しかしながら、他の実施形態では、アレイ110は円形であってもよく、または異なる形状を有してもよい。アレイ110のサイズは、アパーチャ120aから発散する想定される光110の断面積に応じて選択され得る。例えば、アレイ110のサイズは、要因の中でもとりわけ、アレイ110とアパーチャ120a間の距離、アパーチャ120aとレンズ130間の距離、アパーチャ120aの寸法、レンズ130の光学特性に基づき得る。いくつかの実施形態では、アレイ110は可動であってもよい。例えば、アレイ110の指定位置は、アパーチャ120aにより近く、またはアパーチャ120aからより遠くなるように調整可能であってもよい。そのために、例えば、アレイ110は、1次元、2次元、または3次元で並進することが可能な電動ステージに搭載されることが可能である。
【0022】
さらに、いくつかの実装形態では、アレイ110は、コンピューティングデバイスまたは論理回路に1つ以上の出力を提供し得る。例えば、マイクロプロセッサを備えたコンピューティングデバイスは、アレイ110に入射する光102の強度を示す電気信号をアレイ110から受信してもよい。次いで、コンピューティングデバイスは、電気信号を使用して、オブジェクト198に関する情報(例えば、オブジェクト198とシステム100間の距離など)を決定し得る。いくつかの実施形態では、アレイ110内の光検出器のうちのいくつかまたはすべては、互いに並列に相互接続され得る。そのために、例えば、アレイ110は、アレイ110内の光検出器の特定の配置およびタイプに応じて、SiPMまたはMPPCであってもよい。例えば、光検出器を並列回路構成で接続することにより、光検出器からの出力を組み合わせて、光102内の光子を検出することができる検出面積(例えば、
図1Aに示されるアレイ110の陰影領域)を効果的に増大させることができる。
【0023】
光検出器112、114などは、様々なタイプの光検出器を含み得る。一例では、検出器112、114などは、SPADを含む。SPADは、逆バイアスされたpn接合(すなわち、ダイオード)内でアバランシェ降伏を利用して、SPADへの所与の入射照明に対する出力電流を増加させ得る。さらに、SPADは、単一の入射光子に対して複数の電子正孔対を生成することが可能であり得る。別の例では、光検出器112、114などは、線形モードのアバランシェフォトダイオード(APD)を含み得る。いくつかの場合に、APDまたはSPADがアバランシェ降伏電圧を超えてバイアスされ得る。このようなバイアス条件は、1より大きいループ利得を有する正のフィードバックループを生成し得る。さらに、しきい値のアバランシェ降伏電圧を超えてバイアスされたSPADは、単一光子に感度を有し得る。他の例では、光検出器112、114などは、フォトレジスタ、電荷結合素子(CCD)、光電池、および/または任意の他のタイプの光検出器を含み得る。
【0024】
いくつかの実装形態では、アレイ110は、アレイ全体に複数のタイプの光検出器を含み得る。例えば、アレイ110を、光102の複数の所定の波長を検出するように構成することができる。そのために、例えば、アレイ110は、1つの波長域に感度を有するいくつかのSPADと、異なる波長域に感度を有する他のSPADとを含んでもよい。いくつかの実施形態では、光検出器110は、400nmと1.6μmとの間の波長(可視および/または赤外波長)に感度を有し得る。さらに、光検出器110は、所与の実施形態内で、または様々な実施形態にわたって、様々なサイズおよび形状を有し得る。いくつかの実施形態では、光検出器112、114などは、アレイ110の面積の1%、0.1%、または0.01%であるパッケージサイズを有するSPADを含み得る。
【0025】
不透明材料120(例えば、マスクなど)は、レンズ130によって集束されたシーン(例えば、バックグラウンド光)からの光102の一部分がアレイ110に伝送されることを阻止し得る。例えば、不透明材料120は、アレイ110によって実行される測定の精度に悪影響を及ぼす可能性がある特定のバックグラウンド光を阻止するように構成されてもよい。代替的または追加的に、不透明材料120は、検出器112、114などによって検出可能な波長域の光を阻止してもよい。一例では、不透明材料120は、入射光の一部分を吸収することにより伝送を阻止してもよい。別の例では、不透明材料120は、入射光の一部分を反射することにより伝送を阻止してもよい。不透明材料120の例示的な実装形態の非網羅的なリストは、考えられるものの中でもとりわけ、エッチングされた金属、ポリマー基板、2軸配向ポリエチレンテレフタレート(BoPET)シート、または不透明マスクで覆われたガラスを含む。いくつかの例では、不透明材料120、したがってアパーチャ120aは、レンズ130の焦点面に、または焦点面の近くに配置され得る。
【0026】
アパーチャ120aは、光102(または光102の一部分)を通して伝送し得る、不透明材料120内のポートを提供する。アパーチャ120aは、様々な方法で不透明材料120内に画定され得る。一例では、不透明材料120(例えば、金属など)をエッチングして、アパーチャ120aを画定してもよい。別の例では、不透明材料120を、マスクで覆われたガラス基板として構成してもよく、マスクは、アパーチャ120aを画定するギャップを含んでもよい(例えば、フォトリソグラフィなどを介して)。様々な実施形態において、アパーチャ120aは、少なくとも光検出器112、114などによって検出可能である光の波長に対して、部分的または完全に透明であり得る。例えば、不透明材料120がマスクで覆われたガラス基板である場合、アパーチャ120aは、アパーチャ120aが完全に中空ではなく、ガラスでできているように、マスクで覆われていないガラス基板の一部分として画定されてもよい。それゆえ、いくつかの場合に、アパーチャ120aは、光102の1つ以上の波長に対してほぼ透明であるが完全には透明ではなくてもよい(例えば、ガラス基板は通常100%透明ではない)。代替的に、いくつかの場合に、アパーチャ120aは、不透明材料120の中空領域として形成されてもよい。
【0027】
いくつかの例では、アパーチャ120aは(不透明材料120と併せて)、焦点面で、シーンからの光102を空間的にフィルタリングするように構成され得る。そのために、例えば、光102を、不透明材料120の表面に沿った焦点面上に集束してもよく、アパーチャ120aは、集束光の一部分のみをアレイ110に伝送させてもよい。したがって、アパーチャ120aは、光学ピンホールとして振る舞い得る。一実施形態では、アパーチャ120aは、0.02mm2~0.06mm2(例えば、0.04mm2)の断面積を有し得る。他の実施形態では、アパーチャ120aは、レンズ130の光学特性、アレイ110までの距離、アレイ110の光検出器のノイズ除去特性などの様々な要因に応じて異なる断面積を有し得る。
【0028】
それゆえ、アパーチャ120aに関して上記で使用される「アパーチャ」という用語は、光を通して伝送し得る不透明材料の凹部または穴を表記し得るが、「アパーチャ」という用語は多岐にわたる光学的特徴を含み得ることに留意されたい。一例では、本明細書および特許請求の範囲を通して使用される「アパーチャ」という用語は、光が少なくとも部分的に通して伝送され得る不透明材料内に画定される透明または半透明の構造を追加的に包含し得る。別の例では、「アパーチャ」という用語は、不透明な材料で囲まれたミラーなどの、光路を他の方法で選択的に制限する構造体(例えば、反射または屈折による)を表記し得る。例示的な一実施形態では、光を特定の方向に反射するように、不透明材料に囲まれたミラーアレイを配置することができ、それによって「アパーチャ」と呼ばれ得る反射部分を画定する。
【0029】
アパーチャ120aは矩形形状を有するように図示されているが、アパーチャ120aは、とりわけ、丸い形状、円形形状、楕円形状などの異なる形状を有することができることに留意されたい。いくつかの例では、アパーチャ120aは、代替的に、システム100内の光学収差を打ち消すように特別に設計された不規則な形状を有することができる。例えば、鍵穴形状のアパーチャは、エミッタ(例えば、光102を放出する光源)と受光器(例えば、レンズ130およびアレイ110)との間で生じる視差を打ち消すことに役立ち得る。例えば、エミッタおよび受光器が同じ位置に位置決めされていない場合、視差が発生し得る。特定のシーン内にあると想定される特定のオブジェクトに対応する特定の形状のアパーチャ、または光102の特定の偏光(例えば、水平または垂直偏光)を選択する不規則なアパーチャなどの、他の不規則なアパーチャ形状も可能である。
【0030】
レンズ130は、シーンからの光102を、アパーチャ120aが配置された焦点面上に集束させ得る。この配置により、レンズ130でのシーンから収集された光強度は、光102が投影される断面積が低減されるように集束され得る(すなわち、光102の空間パワー密度を増加させる)。例えば、レンズ130は、例の中でもとりわけ、収束レンズ、両凸レンズ、および/または球面レンズを含み得る。代替的に、レンズ130を、前後に配置されるレンズの連続セットとして実装することができる(例えば、光を第1の方向に集束する両凸レンズ、および光を第2の方向に集束する追加の両凸レンズ)。他のタイプのレンズおよび/またはレンズ配置も可能である。加えて、システム100は、レンズ130に入射する光102を不透明材料120上に集束させるのを支援するために、レンズ130の近くに配置された他の光学素子(例えば、ミラーなど)を含み得る。
【0031】
オブジェクト198は、システム100を取り巻くシーン内に配置された任意のオブジェクトであり得る。システム100がLIDARデバイスに含まれる実装形態では、オブジェクト198は、光(光の一部分は光102として戻り得る)を放出するLIDAR送光器によって照明され得る。LIDARデバイスが自律車両でナビゲーションに使用される例示的な実施形態では、オブジェクト198は、とりわけ、歩行者、他の車両、障害物(例えば、樹木、がれきなど)、または道路標識であり得る、またはこれらを含み得る。
【0032】
上述のように、光102は、オブジェクト198によって反射または散乱され、レンズ130によって集束され、不透明材料120のアパーチャ120aを通して伝送され、アレイ110の光検出器によって測定され得る。このシーケンスは、オブジェクト198についての情報を決定するために(例えば、LIDARデバイスで)行われ得る。いくつかの実施形態では、アレイ110によって測定される光102は、考えられるものの中でもとりわけ、別のLIDARデバイスの送光器によって伝送される複数のオブジェクトを反射または散乱する光、周囲光、太陽光を、追加的または代替的に含み得る。
【0033】
いくつかの例では、オブジェクト198を分析するために使用される光102の波長(複数可)は、シーン内にあると想定されるオブジェクトのタイプと、レンズ130からのオブジェクトの想定距離と、に基づいて選択され得る。例えば、シーン内にあると想定されるオブジェクトが波長500nmのすべての到来光を吸収する場合、500nm以外の波長を選択してオブジェクト198を照明し、システム100によって分析してもよい。光102の波長(例えば、LIDARデバイスの送光器によって伝送される場合)は、光102(または光102の一部分)を生成する光源に関連付けられ得る。例えば、光がレーザダイオードによって生成される場合、光102は、900nm(または他の赤外線および/または可視波長)を含む波長域内の光を含んでもよい。それゆえ、光102を生成するための様々なタイプの光源が可能である(例えば、光ファイバ増幅器、様々なタイプのレーザ、フィルタを備える広帯域光源など)。
【0034】
示されるように、光102は、アパーチャ120aから伝播して遠ざかるにつれて発散する。発散に起因して、アレイ110での検出面積(例えば、光102によって照明される陰影領域として図示されている)は、アパーチャ120aの断面積よりも大きくなり得る。所与の光パワー(例えば、W単位で測定される)に対する検出面積(例えば、m2単位で測定される)が増加すると、アレイ110に入射する光強度(例えば、w/m2単位で測定される)の低減につながり得る。
【0035】
光強度の低減は、アレイ110がSPADまたは高感度を有する他の光検出器を含む実施形態において特に有益であり得る。例えば、SPADは、半導体内でアバランシェ降伏を引き起こす大きな逆バイアス電圧からSPADの感度を得る。このアバランシェ降伏を、例えば、単一の光子の吸収によってトリガすることができる。SPADが単一の光子を吸収してアバランシェ降伏が始まると、SPADは、SPADがクエンチされるまで(例えば、逆バイアス電圧を回復することによって)、追加の光子を検出することができない。SPADがクエンチされるまでの時間は、回復時間と呼ばれることがある。回復時間に迫る時間間隔で追加の光子が到着している(例えば、10倍以内で)場合、SPADが飽和し始める可能性があり、それゆえSPADによる測定の信頼性が低下する可能性がある。アレイ110内の個々の光検出器(例えば、SPAD)に入射する光パワーを低減することにより、アレイ110内の光検出器(例えば、SPAD)は不飽和のままであり得る。その結果、個々の各SPADによる光測定の精度が向上し得る。
【0036】
図1Bは、システム100の別の説明図である。図示されるように、システム100はまた、フィルタ132および光エミッタ140を含む。フィルタ132は、所定の波長域内の光を選択的に透過するように構成された任意の光学フィルタを含み得る。例えば、フィルタ132を、エミッタ140によって放出される光信号の可視波長域、赤外波長域、または他の波長域内の光を選択的に透過するように構成することができる。例えば、光学フィルタ132は、特定の波長の光を減衰させるか、またはアレイ110からの特定の波長の光を転向させるように構成されてもよい。例えば、光学フィルタ132は、エミッタ140によって放出される波長域外にある光102の波長を減衰または転向させてもよい。したがって、光学フィルタ132は、少なくとも部分的に、周囲光またはバックグラウンド光がアレイ110による測定に悪影響を与えることを低減し得る。
【0037】
様々な実施形態において、光学フィルタ132は、アレイ110に対して様々な位置に位置決めされ得る。図示されるように、光学フィルタ132は、レンズ130と不透明材料120との間に位置決めされる。しかしながら、光学フィルタ132は、代替的に、考えられることの中でもとりわけ、レンズ130とオブジェクト198との間、不透明材料120とアレイ110との間に位置決めされ、アレイ110と組み合わされ(例えば、アレイ110が、光学フィルタ132またはアレイ110内の光検出器の各々が個別の光学フィルタで個々に覆われ得る表面スクリーンを有し得る、など)、アパーチャ120aと組み合わされ(例えば、アパーチャ120aが、特定の波長域などに対してのみ透明であり得る、など)、またはレンズ130と組み合わされ(例えば、レンズ130上に配設された表面スクリーン、特定の波長域に対してのみ透明なレンズ130の材料など)てもよい。
【0038】
図1Bに示されるように、光エミッタ140は、アレイ110によって測定される光信号を放出する。エミッタ140は、レーザダイオード、ファイバレーザ、発光ダイオード、レーザバー、ナノスタックダイオードバー、フィラメント、LIDAR送光器、または任意の他の光源を含み得る。図示されるように、エミッタ140は、シーン内のオブジェクト198によって反射されてアレイ110により最終的に測定される光(少なくとも光の一部分)を放出し得る。いくつかの実施形態では、エミッタ140は(連続波レーザとは対照的に)パルスレーザとして実装され、等価な連続パワー出力を維持しながらピーク出力を増加させ得る。
【0039】
図2Aは、例示的な実施形態による、LIDARデバイス200の簡略化されたブロック図である。いくつかの例示的な実施形態では、LIDARデバイス200を、車両に搭載し、車両の周囲環境(例えば、オブジェクト298を含むシーンなど)をマッピングするために利用することができる。図示されるように、LIDARデバイス200は、コントローラ238、エミッタ140と同様であり得るレーザエミッタ240、システム100と同様であり得るノイズ制限システム290、回転プラットフォーム294、および1つ以上のアクチュエータ296を含む。システム290は、光検出器のアレイ210、内部にアパーチャが画定された不透明材料220(図示せず)、およびレンズ230を含み、これらをそれぞれアレイ110、不透明材料120、およびレンズ130と同様とすることができる。代替的に、LIDARデバイス200は、図示される構成要素よりも多いまたは少ない構成要素を含んでもよいことに留意されたい。例えば、LIDARデバイス200は、光学フィルタ(例えば、フィルタ132)を含んでもよい。それゆえ、システム290を、システム100および/または本明細書に記載される任意の他のノイズ制限システムと同様に実装することができる。
【0040】
デバイス200は、エミッタ240を動作させて、オブジェクト298を含むシーンに向けて光202を放出することができ、これらは、それぞれ、エミッタ140、光102、およびデバイス100のオブジェクト198と同様であってもよい。そのために、いくつかの実装形態では、エミッタ240(および/またはデバイス200の1つ以上の他の構成要素)を、LIDARデバイス200のLIDAR送光器として構成することができる。次いで、デバイス200は、シーンからの光202の反射を検出して、オブジェクト298に関する情報をマッピングするか、または他の方法で決定し得る。そのために、いくつかの実装形態では、アレイ210(および/またはシステム290の1つ以上の他の構成要素)を、LIDARデバイス200のLIDAR受光器として構成することができる。
【0041】
コントローラ238は、LIDARデバイス200の1つ以上のコンポーネントを制御し、1つ以上のコンポーネントから受信した信号を分析するように構成されてもよい。そのために、コントローラ238は、デバイス200を動作させるためにデバイス200のメモリ(図示せず)に記憶された命令を実行する1つ以上のプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサなど)を含み得る。追加的または代替的に、コントローラ238は、本明細書に記載される様々な機能のうちの1つ以上を実行するように配線されたデジタルまたはアナログ回路を含んでもよい。
【0042】
回転プラットフォーム294は、軸の周りに回転して、LIDAR200のポインティング方向(例えば、環境に対する放出光202の方向など)を調整するように構成され得る。そのために、回転プラットフォーム294を、LIDAR 200の1つ以上の構成要素を支持するのに好適な任意の固体材料から形成することができる。例えば、システム290(および/またはエミッタ240)は、回転プラットフォーム294の回転に応答して特定の相対配置を維持しながら、これらの構成要素の各々が環境に対して移動するように、回転プラットフォーム294によって(直接的または間接的に)支持され得る。特に、LIDAR 200が周囲環境を走査しながらLIDAR 200のポインティング方向を調整し得るように、搭載された構成要素を軸の周りに(同時に)回転させることが可能である。このようにして、回転プラットフォーム294を回転軸の周りの異なる方向に作動させることにより、LIDAR200のポインティング方向を水平に調整することができる。一例では、LIDAR200を車両に搭載することができ、回転プラットフォーム294を、車両からの様々な方向で周囲環境の領域を走査するために回転させることができる。
【0043】
このようにしてプラットフォーム294を回転させるために、1つ以上のアクチュエータ296が回転プラットフォーム294を作動させ得る。そのために、アクチュエータ296は、考えられるものの中でもとりわけ、モータ、空気圧アクチュエータ、油圧ピストン、および/または圧電アクチュエータを含み得る。
【0044】
この配置により、コントローラ238は、環境に関する情報を取得するために、アクチュエータ(複数可)296を動作させて回転プラットフォーム294を多様に回転させることが可能である。一例では、回転プラットフォーム294を、軸の周りのいずれかの方向に回転させることが可能である。別の例では、回転プラットフォーム294は、LIDAR200が環境の360°視野(FOV)を走査するように、軸の周りの周回転を実行し得る。また別の例では、回転プラットフォーム294を特定の範囲内で回転させて(例えば、繰り返し、軸の周りの第1の角度位置から第2の角度位置まで回転させて第1の角度位置に戻すことによって、など)、環境のより狭いFOVを走査することができる。他の例も可能である。
【0045】
また、回転プラットフォーム294を、LIDAR200に様々なリフレッシュレートで環境を走査させるために、様々な周波数で回転させることが可能である。一実施形態では、LIDAR200は、10Hzのリフレッシュレートを有するように構成され得る。例えば、LIDAR200が360°FOVを走査するように構成されている場合、アクチュエータ(複数可)296は、プラットフォーム294を毎秒10周分だけ回転させ得る。
【0046】
図2Bは、LIDARデバイス200の斜視図を示す。図示されるように、デバイス200はまた、エミッタ240からの放出光をデバイス200の環境に向けて指向させる送光器レンズ231を含む。
【0047】
そのために、
図2Bは、エミッタ240およびシステム290が各々別個のそれぞれの光学レンズ231および230を有する場合の、デバイス200の例示的な実装形態を示す。しかしながら、他の実施形態では、デバイス200を、エミッタ240とシステム290との両方に対して単一の共有レンズを有するように代替的に構成することができる。共有レンズを使用して、放出光を指向させることと入射光(例えば、光202)を受け取ることとの両方を行うことにより、サイズ、コスト、および/または複雑さに関する利点を提供することができる。例えば、共有レンズ配置により、デバイス200は、(システム290により)光202を受け取る視点とは異なる視点からの(エミッタ240による)光の伝送に関連付けられた視差を軽減することができる。
【0048】
図2Bに示されるように、エミッタ240によって放出された光ビームは、レンズ231からLIDAR200のポインティング方向に沿ってLIDAR200の環境に向かって伝播し、次いで環境内の1つ以上のオブジェクトを光202として反射し得る。次いで、LIDAR200は、反射光202を(例えば、レンズ230を通して)受け取り、1つ以上のオブジェクトに関するデータ(例えば、1つ以上のオブジェクトとLIDAR200間の距離など)を提供し得る。
【0049】
さらに、
図2Bに示されるように、回転プラットフォーム294は、図示される特定の相対配置でシステム290およびエミッタ240を搭載する。例として、回転プラットフォーム294が軸201の周りに回転する場合、システム290およびエミッタ240のポインティング方向は、図示される特定の相対配置に応じて同時に変化し得る。この処理を通じて、LIDAR200は、軸201の周りのLIDAR 200の様々なポインティング方向に応じて、周囲環境の様々な領域を走査することができる。それゆえ、例えば、デバイス200(および/または別のコンピューティングシステム)は、軸201の周りのLIDAR200の様々なポインティング方向に関連付けられたデータを処理することにより、デバイス200の環境の360°(またはそれより小さい)ビューの3次元マップを決定することができる。
【0050】
いくつかの例では、軸201は実質的に垂直であり得る。これらの例では、システム290(およびエミッタ240)を軸201の周りに回転させることにより、デバイス200のポインティング方向を水平に調整することができる。
【0051】
いくつかの例では、システム290(およびエミッタ240)を、(軸201に対して)傾けて、LIDAR200のFOVの垂直範囲を調整することができる。例として、LIDARデバイス200を、車両の上部上に搭載することができる。この例では、システム290(およびエミッタ240)を、(例えば、車両に向かって)傾けて、車両が位置決めされる運転面に近い環境の領域から、車両の上方にある環境の領域からのデータ点よりも多くのデータ点を収集することができる。LIDARデバイス200の、他の搭載位置、傾斜構成、および/または用途も可能である(例えば、車両の異なる側面上、ロボットデバイス上、または任意の他の搭載面上)。
【0052】
デバイス200の様々な構成要素の形状、位置、およびサイズは様々であることが可能であり、例のためのみに
図2Bに図示されるものとして示されていることに留意されたい。
【0053】
ここで
図2Aに戻ると、いくつかの実装形態では、コントローラ238は、アレイ210によって測定された信号に関連付けられたタイミング情報を使用して、オブジェクト298の指定位置(例えば、LIDARデバイス200からの距離)を決定し得る。例えば、レーザエミッタ240がパルスレーザである実施形態では、コントローラ238は、出力光パルスのタイミングを監視し、それらのタイミングをアレイ210により測定された信号パルスのタイミングと比較することができる。例えば、コントローラ238は、光の速度と光パルスの移動時間(タイミングを比較することにより計算することができる)とに基づいて、デバイス200とオブジェクト298間の距離を推定することができる。一実装形態では、プラットフォーム294の回転中に、エミッタ240は光パルス(例えば、光202)を放出することができ、システム290は、放出された光パルスの反射を検出することができる。デバイス200(またはデバイス200からのデータを処理する別のコンピュータシステム)は、走査環境の放出された光パルスとその検出された反射との1つ以上の特性(例えば、タイミング、パルス長、光強度など)の比較に基づいて、走査環境の3次元(3D)表現を生成することができる。
【0054】
いくつかの実装形態では、コントローラ238は、視差(例えば、レーザエミッタ240およびレンズ230が空間内の同じ指定位置に位置決めされていないことに起因する)を打ち消すように構成され得る。視差を打ち消すことにより、コントローラ238は、出力光パルスのタイミングとアレイ210によって測定された信号パルスのタイミングとの比較の精度を向上させることができる。
【0055】
いくつかの実装形態では、コントローラ238は、エミッタ240によって放出される光202を変調することが可能である。例えば、コントローラ238は、エミッタ240の投影(例えば、ポインティング)方向を変化させることが可能である(例えば、エミッタ240を搭載するプラットフォーム294などの機械的ステージを作動させることにより)。別の例として、コントローラ238は、エミッタ240によって放出される光202のタイミング、パワー、または波長を変調することが可能である。いくつかの実装形態では、コントローラ238はまた、考えられるものの中でもとりわけ、光202の伝播経路に沿ったフィルタ(例えば、フィルタ132)の追加または除去、デバイス200の様々な構成要素(例えば、アレイ210、不透明材料220(および不透明材料220内のアパーチャ)、レンズ230など)の相対位置の調整などの、他の動作の態様を制御し得る。
【0056】
いくつかの実装形態では、コントローラ238はまた、材料220内のアパーチャ(図示せず)を調整することが可能である。いくつかの実施形態では、アパーチャは、不透明材料内に画定されたいくつかのアパーチャから選択可能であり得る。このような実施形態では、レンズ230と不透明材料220との間にMEMSミラーを位置決めすることが可能であり、MEMSミラーは、レンズ230からの集束光を複数のアパーチャのうちの1つに指向させるように、コントローラ238によって調整可能であり得る。いくつかの実施形態では、様々なアパーチャは、異なる形状およびサイズを有し得る。さらに他の実施形態では、アパーチャは、アイリス(または他のタイプの絞り)によって画定され得る。アイリスは、例えば、アパーチャのサイズまたは形状を制御するために、コントローラ238によって拡大または縮小され得る。
【0057】
それゆえ、いくつかの例では、LIDARデバイス200は、オブジェクト298および/またはシーンに関する追加のまたは異なる情報を取得するために、システム290の構成を変更することができる。一例では、コントローラ238は、シーンからシステム290によって受け取ったバックグラウンドノイズが現在比較的低い(例えば、夜間)という判定に応答して、より大きいアパーチャを選択してもよい。より大きいアパーチャにより、例えば、システム290は、そうでない場合にレンズ230によってアパーチャの外側に集束される光202の一部分を検出することが可能になり得る。別の例では、コントローラ238は、光202のこの部分を遮断するために異なるアパーチャ位置を選択してもよい。また別の例では、コントローラ238は、アパーチャと光検出器アレイ210間の距離を調整することが可能である。そうすることにより、例えば、アレイ210の検出領域の断面積(すなわち、アレイ210での光202の断面積)を同様に調整することができる。例えば、
図1Aでは、アレイ110の検出領域は、アレイ110上の陰影によって示されている。
【0058】
しかしながら、いくつかのシナリオでは、システム290の構成を変更することができる範囲は、要因の中でもとりわけ、LIDARデバイス200またはシステム290のサイズなどの様々な要因に依存し得る。例えば、
図1Aを再度参照すると、アレイ110のサイズは、アパーチャ120aの指定位置からアレイ110の指定位置までの光102の発散の程度に依存し得る。それゆえ、例えば、アレイ110の最大の垂直および水平範囲は、LIDARデバイス内にシステム100を収容するために利用可能な物理的空間に依存し得る。同様に、例えば、アレイ110とアパーチャ120a間の距離の値の利用可能な範囲も、システム100が利用されるLIDARデバイスの物理的制限によって制限され得る。したがって、本明細書では、光検出器がシーンからの光を遮断してバックグラウンドノイズを低減することができる検出面積を増加させる空間効率の良いノイズ制限システムの例示的な実装形態が記載される。
【0059】
エミッタ240およびレンズ230が異なる物理的位置を有するいくつかのシナリオでは、オブジェクト298の走査された表現は、エミッタ240によって放出される光202の送信経路と、レンズ230に入射する反射光202の受信経路と、の間の空間的なずれに関連付けられた視差を受けやすい可能性がある。したがって、本明細書では、このような視差の影響を低減および/または軽減するための例示的な実装形態を記載する。一例では、デバイス200は、代替的に、システム290内にエミッタ240を含むことができ、それにより、LIDAR200のLIDAR送信経路および受信経路が互いに位置整合する(例えば、両方の経路がレンズ230を通って伝播する)。
【0060】
デバイス200の構成要素について示される様々な機能ブロックを、図示される配置とは異なる様々な方法で再分布させる、再配置する、組み合わせる、および/または分離することができることに留意されたい。
【0061】
図3Aは、例示的な実施形態による、導波路360を含むシステム300の説明図である。いくつかの実装形態では、システム300を、送光器240とシステム290に代えてまたは加えて、デバイス200とともに使用することができる。図示されるように、システム300は、それぞれシステム100、光102、およびオブジェクト198と同様に、シーン内のオブジェクト398によって反射された光302を測定し得る。さらに、図示されるように、システム300は、光検出器アレイ310、不透明材料320、アパーチャ320a、レンズ330、および光源340を含み、これらはそれぞれアレイ110、材料120、アパーチャ120a、レンズ130、およびエミッタ140と同様であってもよい。例のために、アパーチャ320aは、アパーチャ120aの形状(矩形)とは異なる形状(楕円形)を有するように図示されている。他のアパーチャ形状も可能である。
【0062】
図示されるように、システム300はまた、集束光302の伝播経路に沿って配置された(アパーチャ320aを通して伝送された)導波路360(例えば、光導波路など)を含む。例えば、図示されるように、集束光302の第1の部分が導波路360(例えば陰影領域)上に投影され、集束光302の第2の部分がアレイ310上に投影される。
【0063】
図3Bは、システム300の断面図を示す。
図3Bに最もよく示されるように、集束光302の少なくとも一部分が、導波路360を通って伝播することなく、レンズ330からアレイ310に伝播し得る。
図3Aおよび
図3Bに示されるように、導波路360は、光源340によって放出されて導波路360の側面360a上に投影された放出光304を受け取るように配置されている。
【0064】
そのために、導波路360を、ガラス基板(例えば、ガラス板など)、フォトレジスト材料(例えば、SU-8など)、または光304の1つ以上の波長に対して少なくとも部分的に透明な任意の他の材料から形成することができる。さらに、いくつかの例では、導波路360は、導波路360を囲む材料とは異なる屈折率を有する材料から形成され得る。それゆえ、導波路360は、導波路360の1つ以上の端面、側面、壁などでの内部反射(例えば、全反射、漏れ全反射など)を介して、導波路360内で伝播する光の少なくとも一部分を導き得る。例えば、導波路360は、側面360c、360d、および/または導波路360の長さに沿った他の側面での内部反射を介して、側面360aに入射する放出光304を側面360b(側面360aと反対側)に向けて導いてもよい。
【0065】
さらに、
図3Aおよび3Bに示されるように、システム300はまた、ミラー350を含む。ミラー350は、光304波長を(少なくとも部分的に)反射するのに好適な反射特性を有する任意の反射材料を含み得る。そのために、例示的な反射材料の非網羅的なリストは、例の中でもとりわけ、金、アルミニウム、他の金属または金属酸化物、合成ポリマー、ハイブリッド顔料(例えば、繊維状粘土および染料など)を含む。
【0066】
ミラー350は、導波路360の側面360cに向かってオフセット角度390で(例えば、側面360aの向きと比較して)傾き得る。例えば、側面360aと側面360cとの間の角度392は、ミラー350と側面360cとの間の角度390より大きくてもよい。一実施形態では、ミラー350のオフセット角度または傾斜角度390は、45°であり、側面360Aと側面360Cとの間の角度392は、90°である。ただし、他の角度も可能である。一般に、ミラー350は、導波路360の内部で伝播する(側面360aで受信され、側面360bに向けて導かれる)誘導光304の少なくとも一部分の経路に沿って配置される。図示される実施形態では、ミラー350は、導波路360の側面360b上に配設されている。例えば、導波路360を、側面360cと側面360bとの間の角度390が側面360cと側面360aとの間の角度392と異なるように形成することができる。次いで、ミラー350を側面360b上に配設することができる(例えば、化学気相成長、スパッタリング、機械的結合、または別の処理を介して)。しかしながら、他の実施形態では、ミラー350を、代替的に導波路360の内部に(例えば、側面360aと側面360bの間に)配設することができる。
【0067】
上述のように、導波路360は、例えば全反射を介して、導波路360の内部で放出光304の少なくとも一部分を側面360bに向けて導き得る。例えば、
図3Bに最もよく示されるように、導波路360は、側面360aと360bとの間で垂直に(例えば、長手方向に)延在し得る。いくつかの例では、側面360cは、導波路360の比較的高い屈折率の媒体(例えば、フォトレジスト、エポキシなど)と、側面360cに隣接する比較的低い屈折率の媒体(例えば、空気、真空、光学接着剤、ガラスなど)と、の間の界面に対応し得る。それゆえ、例えば、誘導光304が臨界角未満で側面360cに伝播する場合(例えば、側面360cでの隣接する材料の屈折率の比などに基づき得る)、側面360c(または側面360cの一部分)に入射する誘導光は、反射されて導波路360内に戻り得る。同様に、臨界角未満で側面360dに入射する誘導光も、反射して導波路360内に戻り得る。それゆえ、導波路360は、例えば、側面360cおよび360dでの内部反射を介して、誘導光の発散を制御し得る。同様に、導波路360は、導波路360の2つの対向する端部間で、
図3Bの説明図においてページを通って延在して、誘導光304の発散を制御し得る。
【0068】
それゆえ、放出光304(側面360aで受け取られる)の少なくとも一部分は、傾斜した側面360bに到達し得る。次いで、ミラー350(例えば、側面360bに配設される)は、導波光304の少なくとも一部分を側面360cに向けて導波路360から反射し得る。例えば、オフセット角度または傾斜角度390を、ミラー350からの反射光304が臨界角より大きい角度で側面360cの特定の領域に向かって伝播するように選択することができる。その結果、反射光304は、(例えば、全反射などを介して)反射して導波路360内に戻るのではなく、側面360cを通して(少なくとも部分的に)伝送され得る。さらに、図示される実施形態では、アパーチャ320aは、側面360cの特定の領域に隣接して位置決めされることが可能であり、それゆえ、光304をレンズ330に向けて伝送し得る。次いで、レンズ330は、光304をシーンに向けて指向させ得る。
【0069】
次いで、放出光304は、シーン内の1つ以上のオブジェクト(例えば、オブジェクト398)で反射し、レンズ330に(例えば、シーンからの光302の一部として)戻り得る。次いで、レンズ330は、アパーチャ320aを通して光302(放出された光ビームの反射を含む)を集束させ得る。
【0070】
図3Aに最もよく示されるように、集束光302の第1の部分は、導波路360(例えば、陰影領域)上に集束され得る。いくつかの場合に、集束光302の第1の部分は、導波路360の透明領域を通って伝播し得る(例えば、側面360cから側面360dへ、次いで導波路360からアレイ310に向かって、ミラー350によって遮断されることなく。ただし、いくつかの例では、集束光302の第1の部分は、ミラー350によって少なくとも部分的に遮断され、次いでアレイ310から反射され得る(例えば、導波路360の内部で導かれるなど)。これを緩和するために、いくつかの実装形態では、ミラー350を、アパーチャ320aおよび/またはミラー350の位置での集束光302の投影面積に対して、小さなサイズを有するように構成することができる。これらの例では、集束光302の大部分は、ミラー350(および/または導波路360)に隣接して伝播し、アレイ310に向かって伝播し続け得る。代替的に、ミラー350を、アレイ310に向かう伝播のためにミラー350を通して入射する集束光302の少なくとも一部分を透過する部分的または選択的反射材料(例えば、ハーフミラー、ダイクロイックミラーなど)から形成することができる。
【0071】
上述のように、システム300を、送光器240およびシステム290に加えてまたは代えて、LIDARデバイス200とともに使用することができる。そのような実装形態では、システム300は、システム300が集束光302を受け取る指定位置(例えば、アパーチャ320a)と同じ指定位置(例えば、アパーチャ320a)から光304を放出し得る。放出光304の送信経路と集束光302の受信経路とは互いに位置整合されている(例えば、両方の経路はアパーチャ320aの視点からのものであるため、システム300は視差の影響を受けにくい可能性がある。次に、システム300を利用するLIDARデバイスは、視差に関連する誤差の影響を受けにくい走査されたシーン(例えば、データポイントクラウドなど)の表現を生成することが可能である。
【0072】
図示されるシステム300の構成要素および特徴のサイズ、位置、向き、および形状は必ずしも縮尺通りではなく、説明の便宜のためにのみ図示されるものとして示されていることに留意されたい。また、システム300は、図示される構成要素よりも少ないまたは多い構成要素を含むことができ、図示される構成要素の1つ以上を、別々に物理的に組み合わせ、および/または物理的に別々の構成要素に分割することが可能であることに留意されたい。
【0073】
第1の実施形態では、アレイ310、アパーチャ320a、および導波路360の相対配置は様々であり得る。第1の例では、アレイ310と導波路360との間に不透明材料320(それゆえアパーチャ320a)を代替的に配置することができる。例えば、アパーチャ320aを通して伝送される集束光302の伝播経路に重なる経路に沿って放出光304を依然として伝送しながら、導波路360を、不透明材料320の反対側に隣接して配置することができる。第2の例では、アレイ310を、代替的に、導波路360と不透明材料320との間に配設することができる。例えば、アレイ310は、放出光304が通ってアパーチャ320a(およびレンズ330)に向かって伝播するアパーチャ(例えば、空洞など)を含み得る。
【0074】
第2の実施形態では、アレイ310を、複数の光検出器ではなく単一の光検出器で置き換えることができる。
【0075】
第3の実施形態では、導波路360とアパーチャ320a間の距離は様々であり得る。一例では、導波路360を、不透明材料320に沿って(例えば、接触させて、など)配設することができる。例えば、側面360cは、アパーチャ320aと実質的に同一平面上または近位にあり得る。ただし、他の例(図示されるように)では、導波路360を、不透明材料320(およびアパーチャ320a)からある距離(例えば、ギャップなど)に配置することができる。
【0076】
第4の実施形態では、システム300は、シーンを走査しながら、特定の光学構成(例えば、集束構成など)を達成するためにレンズ330、不透明材料320、および/または導波路360を移動させるアクチュエータを、任意選択により含むことが可能である。より一般的には、システム300の光学特性を、システム300のさまざまな用途に従って調整することができる。
【0077】
第5の実施形態では、アパーチャ320aの位置および/または向きは様々であり得る。一例では、アパーチャ320aを、レンズ330の焦点面に沿って配設することができる。別の例では、アパーチャ320aを、レンズ330の焦点面に対して平行に、ただし焦点面とレンズ330間の距離とは異なるレンズ330への距離に配設することができる。また別の例では、アパーチャ320aを、レンズ330の焦点面に対してオフセット配向で配置することができる。例えば、システム300は、(例えば、アクチュエータを介して)不透明材料320(および/または導波路360)を回転させて、アパーチャ320a内への光302および/または304の入射角を調整することができる。そうすることにより、例えば、コントローラ(例えば、コントローラ238)は、要因の中でもとりわけ、(例えば、走査されたシーンの特定の領域から到達するノイズ/干渉を低減するように、など)レンズ330のレンズ特性、システム300の環境などの様々な要因に応じて、システム300の光学特性をさらに制御することができる。
【0078】
第6の実施形態では、導波路360は、代替的に、円筒形状または任意の他の形状を有することができる。加えて、いくつかの例では、導波路360を、剛性構造体(例えば、スラブ導波路)または可撓性構造体(例えば、光ファイバ)として実装することができる。
【0079】
図4Aは、例示的な実施形態による、複数の導波路460、462、464、466を含むシステム400の第1の断面図を示す。例示のために、
図4Aはxyz軸を示しており、z軸はページを貫いて延在している。システム400は、システム100、290、および/または300と同様であってもよく、システム290および送光器240に代えてまたは加えて、デバイス200とともに使用することができる。例えば、ページの表面に沿った導波路460の側面は、導波路360の側面360cと同様であってもよい。
【0080】
図示されるように、システム400は、光学素子434と、光源340と同様の1つ以上の光源を含む送光器440と、各々がミラー350と同様であり得る複数のミラー450、452、454、456と、各々が導波路360と同様であり得る複数の導波路460、462、464、466と、を含む。
【0081】
光学素子434は、送光器440と導波路460、462、464、466との間に介在してもよく、放出光404の光学特性を再指向、集束、コリメート、および/または他の方法で調整するように構成されてもよい。そのために、光学素子434は、レンズ、ミラー、シリンドリカル、光フィルタなどの光学素子の任意の組み合わせを備え得る。
【0082】
一例では、光学素子434は、シリンドリカルレンズ、および/または光ビーム404(例えば、送光器440によって放出される)を光部分404a、404b、404c、404dとして導波路460、462、464、466に向けて(少なくとも部分的に)コリメートおよび/または指向させるように構成された他の光学素子を含み得る。この例では、光学素子434は、光ビームをコリメートすることにより、放出された光部分404aから導波路460内に比較的大量のエネルギーを伝送し得る。代替的または追加的に、この例では、光学素子434は、導波路460の内部で導かれる(例えば、全反射を介して、など)光ビーム(複数可)404aに好適な特定の入射角(例えば、導波路460の臨界角未満など)で、放出された光部分404aを導波路460内に指向させてもよい。
【0083】
図示される実施形態では、光学素子434を、送光器440と導波路460、462、464、466との間に介在させた単一の光学素子として実装することができる。例えば、光学素子434を、光ビーム404a、404b、404c、404dを少なくとも部分的にコリメートするためのシリンドリカルレンズとして配置される光ファイバとして実装することができる。他の実施形態では、光学素子434を、考えられるものの中でもとりわけ、複数の物理的に分離した光学素子(例えば、複数のシリンドリカルレンズ)として代替的に実装することができる。
【0084】
送光器440は、それぞれ光源340および放出光304と同様に、光404を放出するように構成され得る。そのために、送光器440は、1つ以上の光源(例えば、レーザバー、LED、ダイオードレーザなど)を含んでもよい。
【0085】
第1の実施形態では、送光器440は、光404を送信する単一の光源を備え得る。例えば、光部分404a、404b、404c、404dの各々は、単一の光源から発してもよい。この配置により、例えば、単一の光源を使用して、システム400の4つの異なる送信チャネルを駆動することができる。
【0086】
第2の実施形態では、送光器440内の所与の光源を使用して、4つよりも少ないまたは多い送信チャネルを駆動することができる。例えば、送光器440は、光部分404a、404bを提供する第1の光源と、光部分404c、404dを提供する第2の光源と、を含み得る。一実装形態では、単一の光源を使用して8つの送信チャネルを駆動することができる。
【0087】
第3の実施形態では、送光器440は、各送信チャネルを駆動するための別個の光源を含み得る。例えば、第1の光源が光部分404aを放出してもよく、第2の光源が光部分404bを放出してもよく、第3の光源が光部分404cを提供してもよく、第4の光源が光部分404dを放出してもよい。
【0088】
送光器440内の光源の数にかかわらず、放出された光ビーム404a、404b、404c、404dは、次いで、システム400の環境に向けて別個の送信経路に沿って伝播し得る。例として、光ビーム(複数可)404aを、導波路460の第1の側面(例えば、導波路360の側面360aと同様)を通して伝送することが可能である。次いで、導波路460は、ミラー450が位置決めされる導波路460の反対側の第2の側面(例えば、側部360bと同様)に向けて導波路460の長手方向に光404aを導き得る。次いで、ミラー450は、誘導光404aをページから(z軸に沿って)シーンに向けて反射し得る。それゆえ、光部分404aは、上述の送信経路に関連付けられた第1の送信チャネル(例えば、LIDAR送信チャネルなど)を画定し得る。
【0089】
同様に、光ビーム(複数可)404bは、導波路462およびミラー452により画定された送信経路に関連付けられた第2の送信チャネルを画定することが可能であり、光ビーム(複数可)404cは、導波路464およびミラー454により画定された送信経路に関連付けられた第3の送信チャネルを画定することが可能であり、光ビーム(複数可)404dは、導波路466およびミラー456により画定された光の送信経路に関連付けられた第4の送信チャネルを画定することが可能である。この配置により、システム400は、光ビームのパターンをシーンに向けて放出し得る。
【0090】
図4Bは、システム400の第2の断面図を示し、z軸はまた、ページから外を指している。
図4Bに示されるように、システム400はまた、システム300の不透明材料320と同様であり得る不透明材料420を含む。不透明材料420は、アパーチャ420a、420b、420c、および420dによって例示される複数のアパーチャを画定することができ、これらの各々は、アパーチャ320aと同様であり得る。例えば、アパーチャ420aは、導波路460の出力端(例えば、光404aが導波路460を出る)と位置整合され(例えば、隣接し、重なり)得る。例えば、アパーチャ420aは、z軸の方向にミラー450と重なり得る。同様に、アパーチャ420bを導波路462の出力端と位置整合させることができ、アパーチャ420cを導波路464の出力端と位置整合させることが可能であり、アパーチャ420dを導波路466の出力端と位置整合させることが可能である。それゆえ、アパーチャ420a、420b、420c、420dの各々を、放出された光部分404a、404b、404c、404dのそれぞれの送信経路と互いに位置整合させることができ、それゆえ、システム400の4つの送信チャネルの位置を画定することができる。
【0091】
加えて、いくつかの例では、シーンからの集束光(例えば、
図4Bでページ内へと伝播する)は、不透明材料320に入射する集束光302と同様に不透明材料420上に投影されてもよい。そのために、システム400は、アパーチャ420a、420b、420c、420dのそれぞれの位置で不透明材料420上に投影される集束光のそれぞれの部分に関連付けられた複数の受信チャネルを提供し得る。
【0092】
例えば、アパーチャ420aを通して伝送される集束光の第1の部分を、第1の受信チャネルに関連付けられた第1の光検出器によって受け留めることが可能であり、アパーチャ420bを通して伝送される集束光の第2の部分を、第2の受信チャネルに関連付けられた第2の光検出器によって受け留めることが可能であり、アパーチャ420cを通して伝送される集束光の第3の部分を、第3の受信チャネルに関連付けられた第3の光検出器によって受け留めることが可能であり、アパーチャ420dを通して伝送される集束光の第4の部分を、第4の受信チャネルに関連付けられた第4の光検出器によって受け留めることが可能である。
【0093】
この配置により、システム400は、シーンの一次元(1D)画像(例えば、画素またはLIDARデータポイントの水平配置など)を取得することができる。例えば、1D画像の第1の画素またはデータポイントは、アパーチャ420aに関連付けられた第1の受信チャネルからのデータに基づくことが可能であり、1D画像の第2の画素は、アパーチャ420bに関連付けられた第2の受信チャネルからのデータに基づくことが可能である。追加的に、この配置では、各送信チャネルは、対応する受信チャネルに関連付けられた受信経路と(それぞれのアパーチャを通して)互いに位置整合された送信経路に関連付けられてもよい。それゆえ、システム400は、アパーチャ420a、420b、420c、420dの指定位置によって画定される、互いに位置整合された送信/受信チャネルの対を提供することにより、視差の影響を軽減することができる。
【0094】
導波路460、462、464、466は、水平(例えば、xy平面に沿った)配置をなすように
図4Aに示されているが、いくつかの例では、システム400は、異なる配置をなす導波路を含み得る。第1の例において、導波路を、シーンの垂直な1D画像(またはLIDARデータポイントのライン)表現を取得するために、代替的または追加的に垂直に(例えば、yz平面に沿って)配置することができる。第2の例では、導波路を、シーンの2次元(2D)画像(またはLIDARデータポイントの2Dグリッド)を取得するために、水平および垂直の両方に(例えば、2次元グリッドとして)代替的に配置することができる。
【0095】
図4Cは、システム400の第3の断面図を示しており、z軸はまた、ページから外を指している。例えば、
図4Bに示されるシステム400の構成要素のうちの1つ以上は、
図4Aに示される構成要素のうちの1つ以上の上方または下方に(例えば、z軸に沿って)配置され得る。
【0096】
図示されるように、システム400はまた、410、412、414、418によって例示される複数の受光器を搭載する支持構造体470を含む。さらに、図示されるように、システム400はまた、1つ以上の光遮蔽体472を含む。
【0097】
受光器410、412、414、および416の各々は、アレイ110、210、および/または310のうちのいずれかの光検出器と同様の1つ以上の光検出器を含み得る。受光器410、412、414、416は、それぞれアパーチャ420a、420b、420c、420d(
図4Bに示される)を通して伝送される集束光を受け留めるように配置され得る。一実施形態では、受光器410、412、414、416は、それぞれ、ミラー450、452、454、456(すなわち、導波路460、462、464、463の出力端)に(例えば、z軸の方向に)重なるように配置され得る。いくつかの例では、受光器410、412、414、416の各々は、互いに並列に接続された光検出器のそれぞれのアレイ(例えば、SiPM、MPCCなど)を含み得る。他の例では、各受光器は単一の光検出器を含んでもよい。
【0098】
支持構造体470は、受光器410、412、414、416の光検出器が搭載されたプリント回路基板(PCB)を含み得る。例として、光検出器(複数可)の第1のグループは、受光器410に関連付けられた第1の受信チャンネルを画定してもよく、隣接する第2のグループは、受光器412に関連付けられた第2の受信チャネルを画定してもよく、隣接する第3のグループは、受光器414に関連付けられた第3の受信チャネルを画定してもよく、第4のグループは、受光器416に関連付けられた第4の受信チャネルを画定してもよい。代替的または追加的に、構造体470は、受光器410、412、414、416を支持するのに好適な材料特性を有する異なるタイプの固体材料を含んでもよい。
【0099】
遮光体(複数可)472は、受光器410、412、414、416の周りに配置された1つ以上の光吸収材料(例えば、ブラックカーボン、ブラッククロム、ブラックプラスチックなど)を含み得る。そのために、例えば、遮光体(複数可)472は、外部光源(例えば、周囲光など)からの光が受光器410、412、414、416に到達するのを防止する(または低減する)ことが可能である。代替的または追加的に、例えば、遮光体(複数可)472は、受光器410、412、414、416に関連付けられた受信チャネル間のクロストークを防止または低減することができる。それゆえ、この例では、遮光体(複数可)472は、システム400の受光器410、412、414、416などを互いに光学的に分離するように構成されてもよい。図示されるように、例えば、遮光体(複数可)472は、ハニカム構造の形状に成形されてもよく、ハニカム構造の各セルは、第2の隣接する受光器(例えば、受光器412)の光検出器に向かって伝播する光から第1の受光器(例えば、受光器410)の光検出器を遮蔽する。この配置により、システム400は、システム400内のそれぞれの導波路と各々位置整合された光検出器の複数のアレイの(例えば、構造体470の表面に沿った)空間効率の良い配置を提供し得る。遮光体(複数可)472の他の形状および/または配置(例えば、矩形形状のセル、他の形状のセルなど)も可能である。
【0100】
図4Dは、システム400の第4の断面図を示しており、y軸はページを貫いて指している。図示されるように、導波路460は、導波路360の側面360aおよび360bとそれぞれ同様であり得る側面460aおよび460bを含む。さらに、図示されるように、システム400はまた、レンズ430と、光フィルタ432と、複数の基板474、476と、基板474および476間に配設された材料478と、支持構造体480と、複数の接着剤482、484と、を含む。
【0101】
レンズ430は、レンズ330と同様であってもよい。例えば、レンズ430は、シーンからの光を不透明材料420に向けて集束させてもよい。次いで、集束光402のそれぞれの部分は、それぞれ、アパーチャ420a、420b、420c、420d(
図4Bに示される)を通して伝送され得る。例えば、
図4Dでは、集束光402の部分402aは、アパーチャ420aを通して導波路460および受光器410上に伝送されてもよい。
図4Dに示されるように、導波路460は、レンズ430に対して第1の距離にあることが可能であり、受光器410は、レンズ430に対して第2の(より大きい)距離にあることが可能である。さらに、
図4Dに示されるように、放出された光部分404aは、ミラー450により、アパーチャ420aを通してレンズ430に向けて反射され得る。
【0102】
光フィルタ432は、光フィルタ132と同様であってもよい。例えば、光フィルタ432は、光402の波長(例えば、放出光404の波長以外など)を減衰させるように構成された1つ以上のデバイスを含み得る。いくつかの例では、基板476(およびフィルタ434)は、水平に(ページを貫いて、y軸に沿って)延在して、導波路462、464、および466(
図4Aに示される)に向かって伝播する光を同様に減衰させ得る。
図4Dに示されるように、フィルタ432は、基板476の所与の側面上に(例えば、基板476と受光器410との間に)配設され得る。
【0103】
別の実施形態では、フィルタ432は、(基板474、476間の)基板476の反対側の側面上、または光402の伝播経路に沿ったシステム400の任意の他の指定位置に(すなわち、受光器410での光402aの検出前に)、代替的に配設されてもよい。また別の実施形態では、基板476を、フィルタ432の光フィルタリング特性を有する材料から形成することができる。それゆえ、この実施形態では、フィルタ432をシステム400から省くことができる(すなわち、フィルタ432の機能を基板476により実行することができる)。さらに別の実施形態では、フィルタ432を、各々、基板476と受光器のうちのそれぞれの1つとの間に配設される複数の(例えば、より小さい)フィルタとして実装することができる。例えば、第1のフィルタを使用して、受光器410に向かって伝播する光を減衰させることができ、第2の別個のフィルタを使用して、受光器412に向かって伝播する光を減衰させることができる、などである。例として
図4Cを再度参照すると、遮光体472のハニカム構造のセル410、412、414、416などの各々に(またはこれに隣接して)、各フィルタを配設することができる。
【0104】
基板474および476を、それぞれの基板に少なくともいくつかの波長の光(例えば、放出光404の波長など)を透過させるように構成された任意の透明材料から形成することができる。一実施形態では、基板474および476はガラスウエハを含み得る。
【0105】
材料478は、導波路460の周りの光学媒体を画定するのに好適な光学特性を有する任意の光学材料から形成され得る。例えば、材料478は、導波路460(および導波路462、464、466)の屈折率よりも低い屈折率を有する気体、液体、または固体材料を含み得る。いくつかの例では、材料478は、基板474および476を互いに結合する光学接着剤を含み得る。これらの例では、材料478は、レンズ430(および/またはアパーチャ420a)に対して特定の位置で導波路460を支持するように構成され得る。
【0106】
上記のように、いくつかの例では、材料478は、システム400の2つ以上の構成要素を互いに機械的に取り付ける接着材料を含み得る。一例では、材料478(光学接着剤として構成される)を、液体形態の2つの特定の構成要素間に配設することができ、次いで固体形態に硬化させて2つの特定の構成要素を互いに付着させてもよい。そのために、例示的な光学接着剤は、透明な無色の液体形態から固体形態に転換し得るフォトポリマーまたは他のポリマーを含み得る(例えば、紫外線または他のエネルギー源への曝露に応答して)。
【0107】
図示されるように、材料478は、基板476および478間に、それらと接触して配設され得る。追加的に、図示されるように、材料478は導波路460の1つ以上の側面と接触している。上述のように、材料478は、導波路460の材料よりも低い屈折率を有し得る。接着剤478に隣接する導波路460の壁、側面などでの屈折率の差により、導波路460の内部の誘導光が導波路460と接着剤478との界面(複数可)で内部反射して導波路460内に戻り得る。一実装形態では、システム400の導波路を基板474上に配設し、次いで材料478を基板474上および導波路上に配設して、導波路を特定の相対配置で支持および/または維持することができ、次いで基板476を材料478上に配設して、基板474を基板476に取り付けることができる。
【0108】
支持構造体480は、支持構造体470と同様の材料(例えば、PCB、固体プラットフォームなど)から形成され得る。図示されるように、構造体480を、送光器440を搭載するプラットフォームとして構成することができる。例えば、構造体480を、送光器440の1つ以上の光源(例えば、レーザバーなど)が搭載されたPCBとして実装することができる。そのために、構造体480は、送光器440を作動させるパワーおよび信号を伝送するための配線または他の回路を、任意選択により含むことが可能である。いくつかの例では、構造体470は、同様に、受光器410を動作させるためにパワーを伝送し、および/または受光器410と信号を通信するための配線および/または回路を含み得る。
【0109】
接着剤482、484を、システム400の少なくとも2つの構成要素を互いに取り付けるか、または他の方法で結合するのに好適な、任意の接着材料から形成することができる。例示的な接着材料の非網羅的なリストは、とりわけ、非反応性接着剤、反応性接着剤、溶剤ベースの接着剤(例えば、溶解ポリマーなど)、ポリマー分散接着剤(例えば、ポリ酢酸ビニルなど)、感圧性接着剤、接触接着剤(例えば、ゴム、ポリクロロプレン、エラストマなど)、高温接着剤(例えば、熱可塑性プラスチック、エチレン酢酸ビニルなど)、多成分接着剤(例えば、熱硬化性ポリマー、ポリエステル樹脂-ポリウレタン樹脂、ポリポール-ポリウレタン樹脂、アクリルポリマー-ポリウレタン樹脂など)、一液型接着剤、紫外線(UV)光硬化型接着剤、光硬化材料(LCM)、熱硬化接着剤(例えば、熱硬化性エポキシ、ウレタン、ポリイミドなど)、および湿気硬化接着剤(例えば、シアノアクリレート、ウレタンなど)を含む。
【0110】
いくつかの例では、接着剤482、484は、材料478と同様に、光学接着材料(例えば、少なくともいくつかの波長の光404に対して透明である材料)を含み得る。他の例では、接着剤482、484は、不透明である、および/または光の少なくともいくつかの波長をそれ以外に減衰または阻止する接着材料を含み得る。
【0111】
基板474および476(を含むこれらの)間の構成要素のアセンブリは、導波路の「チップ」アセンブリを合わせて提供することができる。例えば、基板474は、システム400のチップアセンブリの上面を画定してもよく、基板476、接着剤482、および構造体480は、合わせてチップアセンブリの底面を画定してもよい。
【0112】
追加的に、図示される例では、光学素子434は、導波路460が搭載された基板474の同じ表面上に配設され得る。ただし、他の例では、光学素子434は、チップアセンブリの内部の異なる表面上に配設され得る。第1の例では、光学素子434を、構造体480上に搭載することが可能である。第2の例では、光学素子434は、導波路460の側面460a上に搭載され、および/または側面460aに取り付けられ得る。第3の例では、図示されていないが、基板476は、代替的に、光学素子434の指定位置と重なるようにさらに水平に(例えば、x軸に沿って)延在することが可能である(例えば、構造体480は、より水平に狭くなることが可能である、など)。この例では、光学素子434を基板476上に配設することが可能である。第4の例では、光学素子434は、チップアセンブリの内部の別の支持構造体(図示せず)上に代替的に配設され得る。他の例も可能である。
【0113】
追加的に、送光器440をチップアセンブリ内に含めることも可能である。例えば、図示されるように、接着剤482は、送光器440および/または構造体480を基板476に結合(例えば、取り付け)してもよい。さらに、例えば、接着剤484は、構造体480(および/または送光器440)を基板474に結合し、または取り付けてもよい。
【0114】
送光器440および光学素子434をチップアセンブリ内に配設することにより、システム400は、これらの光学部品への損傷を遮蔽および/または防止することが可能である。追加的に、例えば、システム400のチップアセンブリは、これらの光学部品を互いに対して特定の相対配置で支持および/または維持することが可能である。そうすることにより、例えば、システム400は、これらの構成要素の特定の相対配置が不注意に変更される場合(例えば、これらの構成要素のうちの1つが他の構成要素とは異なるように移動する場合)に発生し得る較正誤差および/または位置不整合誤差の影響を受けにくくなり得る。
【0115】
図4Aに最もよく示されるように、いくつかの例では、導波路462、464、466を、導波路460と同様に基板474上に配設することができる(例えば、xy平面に水平に配置される)。さらに、いくつかの例では、システム400は、同じ水平面内に追加の(またはより少ない)導波路を含むことができる(例えば、基板474上などに配設される)。さらに、
図4Cを再度参照すると、これらの追加の導波路は、ハニカム形状の遮光構造体472のそれぞれのセルを同様に位置整合させることができる。
【0116】
いくつかの例では、システム400は、導波路460、462、464、466が位置決められる平面とは異なる水平面に沿って取り付けられた導波路を含み得る。異なる水平面内の導波路は、システム400の追加の受光器と位置整合され得る。例えば、追加の受光器は、
図4Cに示されるハニカム形状の遮光体(複数可)472のそれぞれのセル内に配設されてもよい。さらに、不透明材料420は、これらの追加の導波路と位置整合された追加のアパーチャを含み得る。この構成により、システム400は、レンズ430の焦点面の追加領域を撮像して、2次元(2D)走査画像(またはLIDARデータポイントの2Dグリッド)を提供することができる。代替的または追加的に、システム400のアセンブリ全体を回転または移動させて、シーンの2D走査画像を生成することができる。
【0117】
一例では、不透明材料420は、レンズ430の焦点面に沿ってアパーチャのグリッドを画定してもよく、グリッドの各アパーチャは、レンズ430のFOVのそれぞれの部分に関連付けられた受信チャネルの光を伝送し得る。一実施形態では、不透明材料420は、64個のアパーチャを4列含むことができ、水平方向に(例えば、y軸に沿って)隣接するアパーチャの各列は、アパーチャの別の列から垂直オフセットによって(例えば、z軸に沿って)分離される。それゆえ、この実施形態では、システム400は、4×64=256個の受信チャネル、および256個の互いに位置整合された送信チャネルを提供し得る。他の実施形態では、システム400は、異なる数の送信/受信チャネル(それゆえ、異なる数の関連付けられたアパーチャ)を含み得る。
【0118】
いくつかの実装形態では、システム400は、複数の送信および受信チャネルを使用して周囲環境を走査しながら、軸の周りに回転させることができる。
図2を再度参照すると、例えば、システム400を、システム400が(アパーチャ420a、420b、420c、420dなどを介して)光パルスを伝送して光パルスの反射を検出している間に(例えばアクチュエータ296などを使用して)軸の周りに回転するプラットフォーム294と同様の回転プラットフォーム上に搭載することができる。この例では、コントローラ(例えば、コントローラ238)または他のコンピュータシステムは、システム400の互いに位置整合された送信/受信チャネルを使用して収集されたLIDARデータを受信し、次いでLIDARデータを処理してシステム400の環境の3D表現を生成することができる。一実装形態では、システム400を車両で利用することができ、3D表現を使用して車両の様々な動作を促進することができる(例えば、車両の周囲のオブジェクトを検出および/または識別し、環境内の車両の自律ナビゲーションを促進し、ディスプレイなどを介して車両のユーザに3D表現を表示する)。
【0119】
システム400の様々な構成要素について
図4A~
図4Dに示される様々なサイズ、形状、および位置(例えば、隣接する導波路間の距離など)は必ずしも縮尺通りではなく、説明の便宜のためのみに図示されるものとして示されていることに留意されたい。
【0120】
図5は、例示的な実施形態による別のシステム500の断面図を示す。システム500は、例えば、システム100、290、300、および/またはシステム400と同様であってもよい。説明の便宜上、
図5はxyz軸を示し、ここで、y軸はページから外を指している。そのために、
図5に示されるシステム500の断面図は、
図4Cに示されるシステム400の断面図と同様であってもよい。
【0121】
図5に示されるように、システム500は、受光器510、不透明材料520、アパーチャ520a、光フィルタ532、光学素子534、送光器540、ミラー550、側面560aおよび560bを有する導波路560、支持構造体570、1つ以上の遮光体572、基板574、576、材料578、支持構造体580、および接着剤582、584を含み、これらは、それぞれ、システム400の、受光器410、不透明材料420、アパーチャ420a、光フィルタ432、光学素子434、送光器440、ミラー450、導波路460、側面460aおよび460b、支持構造体470、遮光体(複数可)472、基板474、476、材料578、支持構造体480、および接着剤482、484と同様であり得る。そのために、集束光502、集束された光部分502a、放出光504、および放出された光部分504aは、それぞれ、集束光402、集束された光部分402a、放出光404、および放出された光部分404aと同様であり得る。
【0122】
上述のように、本明細書の例示的なシステムは、レンズ、導波路、および光検出器(複数可)のさまざまな配置を利用して、互いに位置整合された送信/受信経路を画定し得る。
【0123】
第1の例示的な配置では、システム400(
図4Dに最もよく示されている)は、導波路460とレンズ430との間に介在させたアパーチャ420aを含む。この例では、放出光404aと集束光402aとの両方が同じアパーチャ420aを通して伝送され、それゆえ、互いに位置整合された送信/受信経路に関連付けられ得る。
【0124】
第2の例示的な配置では、システム500(
図5に示される)は、導波路560と受光器510との間に介在させたアパーチャ520aを含む。それゆえ、システム500では、集束光502aはアパーチャ520aを通して伝送されるが、放出光504aはアパーチャ520aを通して伝送されない。ただし、システム500では、導波路560の出力端(例えば、ミラー550が位置決めされている)は、アパーチャ520aとレンズ530との間に(例えば、集束光502aの伝播経路に沿って)介在させて、アパーチャ520aを通して伝送される集束光502aと同じまたは同様の視点からの放出光504aを指向させてもよい。それゆえ、放出光504aの送信経路と集束光502aの受信経路とがまた、互いに位置整合され得る(放出光504aおよび集束光502aが同じアパーチャを通して伝送されない場合でも)。
【0125】
第3の例示的な配置では、代替的に、導波路560と不透明材料520との間に受光器510を配設することが可能である。例えば、受光器510は、放出光504aがアパーチャ520aに向かって伝播することができる空洞を含んでもよい。
【0126】
第4の例示的な配置では、代替的に、受光器510および導波路560を、レンズ530に対して同じ距離に配置することができる。例えば、
図3Aを再度参照すると、ミラー350が放出光304を、集束光302をアレイ310に向けて伝送するために使用される同じアパーチャ320aに向けて指向させるように、アレイ310の1つ以上の光検出器(例えば、1つ以上の列、行、または他のグループの光検出器)を導波路360に置き換えることが可能である。
【0127】
第5の例示的な配置では、代替的に、基板576をシステム500から省くことができ、代わりに、不透明材料520(例えば、ピンホールアレイ)をフィルタ532または遮光体(複数可)572上に配設することができる。例えば、
図4Bを再度参照すると、代替的に、不透明材料420によって画定されるアパーチャアレイを、
図4Cに示される遮光体(複数可)472のハニカムバッフル構造体上に代替的に配設することができる。
【0128】
他の例示的な配置も可能である。それゆえ、様々な例では、システム500は、図示されるものよりも多い、少ない、または異なる構成要素を含んでもよい。さらに、様々な構成要素の配置は、本開示の範囲から逸脱することなく変わり得る。
【0129】
システム500のいくつかのコンポーネントは、説明の便宜上、
図5の説明図から省かれていることに留意されたい。例えば、図示されていないが、システム500はまた、複数の導波路、および/または、システム100、290、300、400および/またはデバイス200の構成要素のうちのいずれかなどの1つ以上の他の構成要素を含んでもよい。例えば、システム500は、システム400の導波路460、462、464、466と同様に、水平配置で(xy平面に沿って)基板574上に配設された複数の導波路を含んでもよい。
【0130】
図6は、例示的な実施形態による別のシステム600を示す。システム600は、システム100、290、300、400、および/または500と同様であってもよく、送光器240およびシステム290に代えてまたは加えて、LIDARデバイス200とともに使用されることが可能である。説明の便宜上、
図6はxyz軸を示し、z軸はページを貫いて指している。そのために、
図6に示されるシステム600の断面図は、
図4Aに示されるシステム400の断面図と同様であってもよい。
【0131】
図示されるように、システム600は、送光器640、光学素子634、複数のミラー650、652、654、656、および導波路660を含み、これらはそれぞれ、システム400の、送光器440、光学素子434、ミラー450、452、454、456、および導波路460と同様であり得る。さらに、図示されるように、システム600はまた、反射器690および692を含む。
【0132】
それぞれ送光器440、光404、導波路460、および光学素子434と同様に、送光器640は、光604を導波路660内に光学素子634を介して放出することができる。
【0133】
ただし
図6に示されるように、導波路660は、複数の出力端660b、660c、660d、および660eを含む。それゆえ、例えば、システム600は、複数の導波路460、462、464、466を使用する代わりに単一の導波路660を使用することにより、複数の送信/受信チャネルを提供する代替実施形態を提示し得る。
【0134】
例えば、出力端660b、660c、660d、660eの各々は、導波路460の側面460bと同様であってもよい。出力端660bは、放出光604の第1の部分をページから外へ(例えば、側面360cと同様の導波路660の所与の側面を通して)反射する傾斜ミラー650(出力端660b上に配設される)を含み得る。同様に、放出光604の第2の部分を、ミラー652によって反射し、出力端660cで導波路660から外へ伝送することが可能であり、放出光604の第3の部分を、ミラー654によって反射し、出力端660dで導波路660の外へ伝送することが可能であり、放出光604の第4の部分を、ミラー656によって反射し、出力端660eで導波路660の外へ伝送することが可能である。
【0135】
追加的に、図示されていないが、システム600はまた、導波路460、462、464、466の出力端に対して
図4Bに示されているアパーチャ420a、420b、420c、420dの配置と同様に、出力端660b、660c、660d、660eの指定位置を少なくとも部分的に(z軸に沿って)重ねる複数のアパーチャを含んでもよい。さらに、システム600はまた、
図4Cの受光器410、412、414、416と同様に、アパーチャ(それゆえ、出力端660b、660c、660d、660e)と互いに位置整合された複数の受光器(図示せず)を含んでもよい。
【0136】
それゆえ、導波路660を使用して、放出光604からのエネルギーを、出力端660b、660c、660d、660eと重なる受信経路と(例えば、z軸の方向に)互いに位置整合された4つの異なる送信経路に分配することができる。そのために、例えば、光源640を使用して、4つの別個の導波路を使用する代わりに単一の導波路660を使用して、システム600の4つの別個の送信チャネルを駆動することができる。
【0137】
例えば、導波路660は、入力端660aから出力端660b、660c、660d、660eまで長手方向に延在してもよい。さらに、図示されるように、導波路660は、導波路660の入力端660aから第2の長手方向部分「b」まで延在する第1の長手方向部分「a」を含むことができ、第2の長手方向部分「b」は、導波路660の第1の長手方向部分「a」から第3の長手方向部分「c」まで延在することができ、第3の長手方向部分「c」は、第2の長手方向部分「b」から出力端660b、660c、660d、660eまで延在することができる。
【0138】
追加的に、システム600は、第1の長手方向部分「a」の両側に沿って配置された反射器690、692を含んでもよい。反射器690、692は、入射する放出光604の波長を反射するように構成されたミラーまたは他の反射材料として実装され得る。そのために、反射器690、692の例示的な反射材料の非網羅的なリストは、例の中でもとりわけ、金、アルミニウム、他の金属または金属酸化物、合成ポリマー、ハイブリッド顔料(例えば、繊維状粘土および染料など)を含む。
【0139】
一実施形態では、反射器690、692は、第1の導波路部分「a」の(例えば、2つの平行なxz平面に沿って)水平面上に、または水平面に隣接して配設される2つの平行ミラーを含み得る。この実施形態では、反射器690および692は共同して、導波路660に入る放出光604のホモジナイザを提供し得る。例えば、反射器690、692は、反射器690、692に入射する放出光604を(水平に)反射してもよい。その結果、導波路660の第2の部分「b」に入る放出光604のエネルギーは、入力端660での放出光604のエネルギー分布に対してより均一に分布し(すなわち、均一化する)得る。そうすることにより、例えば、放出光604のエネルギーは、出力端660b、660c、660d、660eに関連付けられた送信チャネル間でより均一に分配し得る。
【0140】
いくつかの実施形態では、システム600は、追加的または代替的に、放出光604を垂直に(例えば、z軸に沿って)および水平に(例えば、y軸に沿って)均一化するように、導波路660の他の側面に沿って配設された反射器を含んでもよい。例えば、放出光604を垂直に均一化するために、導波路660の他の2つの側面(例えば、ページの面に平行な側面)に沿って2つの平行な反射器を同様に配置することができる。
【0141】
いくつかの実装形態では、反射器690および692の使用に加えてまたは代えて、放出光604を様々な方法で均一化することができる。
【0142】
第1の実装形態では、システム600は、代替的に、反射器690および692なしで構成されてもよい。例えば、導波路部分「a」を、反射器690および692がなくても、全反射を介して放出光604の均一化を可能にするのに十分に大きい長さを有するように構成することができる。
【0143】
第2の実装形態では、導波路660の1つ以上の側面(例えば、反射器690および692が配設されるように図示された側面および/または導波路部分「a」の1つ以上の他の側面)を、代替的または追加的に、側面660aから第2の導波路部分「b」までの距離が短いほど放出光608の均一性が良くなることを達成するようにテーパ状(例えば、テーパインまたはテーパアウト)にすることができる(例えば、側面がテーパ状でない実装形態におけるよりも導波路部分「a」の長さが短い)。
【0144】
第3の実装形態では、システム600は、側面660aから第2の導波路部分「b」までのより短い距離(例えば、1つ以上のミラーが存在しない実装形態におけるよりも導波路部分「a」)の長さが短い)で放出光604の改善された均一性を達成する放出光604の経路を折り畳む1つ以上のミラーを含み得る。放出光604を均一化するための他の実装形態も同様に可能である。
【0145】
いくつかの例では、図示されるように、第2の長手方向部分「b」の導波路660の幅は、第2の部分「b」の内部で第3の部分「c」に向けて導かれる放出光604の発散(水平方向)を制御するために次第に増加し得る。このようにして、導波路660は、誘導光のそれぞれの部分を出力端660b、660c、660d、660eに向けて導く前に、放出光604の発散(水平方向)を可能にすることができる。そのために、第2の部分「b」の長さは、第1の導波路部分「a」からの放出光604が、導波路部分「c」における導波路660の分岐間で分割される前に水平に(例えば、y軸の方向に)発散することを十分に可能にするように選択し得る。
【0146】
第3の長手方向部分「c」において、導波路660は、放出光604のそれぞれの部分の経路を出力端660b、660c、660d、660eへの別個の送信経路を画定するように互いに離れて延在する複数の長尺部材(例えば、分岐など)を含み得る。図示される例では、導波路660は、4つの長尺部材(例えば、分岐など)を有する。第1の長尺部材は、導波路部分「b」から出力端660bまで延在する導波路660の部分に対応することが可能であり、第2の長尺部材は、導波路部分「b」から出力端660cまで延在する導波路660の部分に対応することが可能であり、第3の長尺部材は、導波路部分「b」から出力端660dまで延在する導波路660の部分に対応することが可能であり、第4の長尺部材は、導波路部分「b」から出力端660eまで延在する導波路660の部分に対応することが可能である。
【0147】
この配置により、導波路660は、第1の長尺部材を介して端部660bに向かう放出光604の第1の部分と、第2の長尺部材を介して端部660cに向かう放出光604の第2の部分と、第3の長尺部材を介して端部660dに向かう放出光604の第3の部分と、第4の長尺部材を介して端部660eに向かう放出光604の第4の部分と、を導き得る。さらに、例えば、放出光604のそれぞれの部分(それぞれの長尺部材を介して導かれる)は、次いで、ミラー650、652、654、656によってページから(例えば、z軸の方向)シーンに向けて反射されてもよい。
【0148】
それゆえ、この配置では、導波路660は、それぞれの出力端に向けて導波路660のそれぞれの長尺部材(例えば、分岐)を通して導かれるいくつかの部分に放出光604を分割するビームスプリッタとして構成され得る。代替的または追加的に、いくつかの実装形態では、長尺部材は、出力端で終端する代わりに、1つ以上の追加の長尺部材(図示せず)に向かって延在することができる。例えば、第1の長尺部材(出力端660bに関連付けられる)は、第1の長尺部材内の誘導光を、単一の出力端660bの代わりにいくつかの出力端で終わる複数の分岐(例えば、長尺部材)に分割してもよい。それゆえ、この例では、導波路660は、光604(導波路660に導かれる)を追加の出力端に分離して、システム600の追加の送信(および/または受信)チャネルを画定することができる。さらに、いくつかの例では、第1の長尺部材から延在する追加の分岐の各々は、同様に複数の分岐などに分割することができる。同様に、第2、第3および/または第4の長尺部材(それぞれ出力端660c、660d、660eに関連付けられる)は、代替的または追加的に、出力端660c、660d、660eでそれぞれ終端する代わりに、導波路660の複数の分岐に向かって延在することができる。
【0149】
それゆえ、導波路660は、例示のためにのみ、1つの入力端および4つの出力端を有するように示されていることに留意されたい。本開示の範囲から逸脱することなく、導波路660の様々な代替実装形態が可能である。一例では、より少ないまたはより多い長尺部材が導波路部分「b」から延在してもよい。別の例では、導波路部分「c」の長尺部材のうちの1つ以上を、それぞれの出力端で終端する代わりに、複数の別個の分岐に分割することができる。他の例も可能である。
【0150】
例えば、これらの配置のいずれかを用いて、導波路660を、このようにして、同じ光源(例えば、光源640)を使用して複数の送信チャネルを駆動するように構成することができる。さらに、いくつかの例では、導波路660によって画定される送信チャネルの各々は、システム600の環境に向けて(例えば、グリッドパターンなどで)実質的に同様の時間にそれぞれの光パルスを伝送し得る(例えば、それぞれの光パルスは、導波路660によって分割された単一の光パルスから発生し得る)。
【0151】
いくつかの実装形態では、導波路660の長尺部材の少なくとも一部の断面積は、導波路660内の誘導光の伝播方向に次第に減少し得る。例えば、図示されるように、第1の長尺部材は、出力端部660bの近くで次第に減少する断面積を有してもよい。この構成では、例えば、出力端660bで導波路660を出る放出光604の第1の部分の光線の角度広がりは、出力端660bの近くにテーパがない(すなわち、断面積が次第に減少する)とする場合よりも大きいことが可能である。代替的に、別の実施形態では、出力端660bの近くのテーパは、反対方向であり得る(例えば、出力部660bの近くの第1の長尺部材の断面積を次第に増加させる)。この実施形態では、出力端660bで導波路660を出る放出光604の第1の部分における光線の角度広がりは、出力端660bの近くにテーパがない場合よりも小さいことが可能である。それゆえ、いくつかの実装形態では、システム600を、導波路660の側壁をテーパすることにより、伝送される光信号における光線の角度広がりを制御するように構成することができる。この処理を通じて、例えば、伝送される光線の角度広がりは、伝送される光線をシステム600の環境に向けて指向させる、例えばレンズ130、230、330、430、530、および/または630のいずれかなどのレンズ(図示せず)の開口数に一致するように選択され得る。
【0152】
図示されるように、第2、第3、および第4の長尺部材はまた、それぞれの出力端660c、660d、660eの近くで次第に減少する幅(例えば、テーパインする導波路660の壁)を有し得る。ただし、上記の考察に沿って、出力端660c、660d、660eの近くの導波路660の壁を、代替的に、システム600の特定の構成(レンズの特性など)に応じて出力光ビームの角度広がりを他の方法で制御するためにテーパアウトする(例えば、断面積を次第に増加させる、など)ことができる。
【0153】
システム600は、図示される構成要素よりも少ない、多い、および/または異なる構成要素を含むことができることに留意されたい。例えば、導波路660は、4つの出力端660b、660c、660d、660eを通って延在する4つの送信経路を画定する4つの長尺部材を含むように示されているが、導波路660は、代替的に、より少ないまたはより多い出力端(および関連付けられた長尺部材)を含んでもよい。一実施形態では、導波路660は、放出光604を8つの出力端に向けて指向させ得る。この実施形態では、単一の光源640は、システム600の8つの別個の送信チャンネル(8つの対応する受信チャンネルと互いに位置整合される)を駆動し得る。さらに、この実施形態では、システム600は、32個の光源に結合された32個の導波路を含み得る。それゆえ、この実施形態では、システム600は、32個の光源(例えば、レーザなど)を使用して駆動される32×8=256個の互いに位置整合された送信/受信チャネルを画定し得る。他の構成も可能である。
【0154】
III.例示的な方法およびコンピュータ可読媒体
図7は、例示的な実施形態による方法700のフローチャートである。方法700は、例えば、システム100、290、300、400、500、600、および/またはデバイス200とともに使用され得る方法の実施形態を提示する。方法700は、ブロック702~708のうちの1つ以上によって示されるように、1つ以上の動作、機能、またはアクションを含み得る。ブロックは順次的な順序で示されているが、これらのブロックは、場合によっては、並列に、および/または本明細書に記載されるものとは異なる順序で実行されてもよい。また、様々なブロックは、所望の実装形態に基づいて、より少ないブロックに結合され、追加のブロックに分割され、および/または削除されてもよい。
【0155】
加えて、本明細書に開示される方法700ならびに他の処理および方法について、フローチャートは、本実施形態の1つの可能な実装形態の機能および動作を示す。この点で、各ブロックは、モジュール、セグメント、製造または動作処理の一部分、または処理の特定の論理機能またはステップを実装するためにプロセッサによって実行可能な1つ以上の命令を含むプログラムコードの一部分を表し得る。プログラムコードは、例えば、ディスクまたはハードドライブを含む記憶デバイスなど、任意のタイプのコンピュータ可読媒体に記憶されてもよい。コンピュータ可読媒体は、例えば、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、およびランダムアクセスメモリ(RAM)のような短期間データを記憶するコンピュータ可読媒体などの非一過性コンピュータ可読媒体を含み得る。コンピュータ可読媒体はまた、例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、光ディスクまたは磁気ディスク、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)などのセカンダリまたは永続的長期ストレージなどの非一過性媒体を含み得る。コンピュータ可読媒体はまた、任意の他の揮発性または不揮発性記憶システムであってもよい。コンピュータ可読媒体は、例えば、コンピュータ可読記憶媒体、または有形の記憶デバイスとみなされ得る。加えて、方法700および本明細書で開示される他の処理および方法について、
図7の各ブロックは、処理内の特定の論理機能を実行するために配線される回路を表し得る。
【0156】
ブロック702で、方法700は、導波路(例えば、360)の第1の側面(例えば、360a)に向けて光(例えば、304)を(例えば、光源340を介して)放出することを伴う。ブロック704で、方法700は、導波路の内部で、放出光を第1の側面から第1の側面と反対側の導波路の第2の側面(例えば、360b)に導くことを伴う。ブロック706で、方法700は、導波路の第3の側面(例えば、360c)に向けて誘導光を反射する(例えば、ミラー350を介して)ことを伴う。いくつかの例では、反射光の少なくとも一部分は、第3の側からシーンに向かって伝播し得る。例えば、
図3Aおよび
図3Bを再度参照すると、反射光304は、アパーチャ320aおよびレンズ330を通ってシーン(例えば、オブジェクト398)に向かって伝播し得る。ブロック708で、方法700は、レンズ(例えば、330)を介して、シーンから導波路および光検出器(例えば、アレイ310に含まれる光検出器のいずれかなど)上に伝播する光(例えば、302)を集束させることを伴う。
【0157】
IV.結論
上記の詳細な説明は、添付の図面を参照して、開示されたシステム、デバイス、および方法の様々な特徴および機能について記載している。本明細書では様々な態様および実施形態が開示されているが、他の態様および実施形態も明らかであろう。本明細書で開示された様々な態様および実施形態は、例示のみを目的とするものであり、限定することを意図するものではなく、真の範囲は以下の特許請求の範囲によって示される。