IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝エレベータ株式会社の特許一覧

特許7179940操作ボタン位置入替装置および操作ボタン位置入替方法
<>
  • 特許-操作ボタン位置入替装置および操作ボタン位置入替方法 図1
  • 特許-操作ボタン位置入替装置および操作ボタン位置入替方法 図2
  • 特許-操作ボタン位置入替装置および操作ボタン位置入替方法 図3
  • 特許-操作ボタン位置入替装置および操作ボタン位置入替方法 図4
  • 特許-操作ボタン位置入替装置および操作ボタン位置入替方法 図5
  • 特許-操作ボタン位置入替装置および操作ボタン位置入替方法 図6
  • 特許-操作ボタン位置入替装置および操作ボタン位置入替方法 図7
  • 特許-操作ボタン位置入替装置および操作ボタン位置入替方法 図8
  • 特許-操作ボタン位置入替装置および操作ボタン位置入替方法 図9
  • 特許-操作ボタン位置入替装置および操作ボタン位置入替方法 図10
  • 特許-操作ボタン位置入替装置および操作ボタン位置入替方法 図11
  • 特許-操作ボタン位置入替装置および操作ボタン位置入替方法 図12
  • 特許-操作ボタン位置入替装置および操作ボタン位置入替方法 図13
  • 特許-操作ボタン位置入替装置および操作ボタン位置入替方法 図14
  • 特許-操作ボタン位置入替装置および操作ボタン位置入替方法 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-18
(45)【発行日】2022-11-29
(54)【発明の名称】操作ボタン位置入替装置および操作ボタン位置入替方法
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/50 20060101AFI20221121BHJP
   B66B 3/02 20060101ALI20221121BHJP
   B66B 3/00 20060101ALN20221121BHJP
【FI】
B66B1/50 A
B66B3/02 K
B66B3/00 K
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021147513
(22)【出願日】2021-09-10
【審査請求日】2021-09-10
(73)【特許権者】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】名取 新
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-026417(JP,A)
【文献】特開2018-002428(JP,A)
【文献】国際公開第01/096224(WO,A1)
【文献】特開2014-204137(JP,A)
【文献】特開2016-003126(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/46
B66B 1/50
B66B 3/02
B66B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも行先階を指定する行先階ボタンとドア開閉用の開閉ボタンとを含む操作ボタンの表示位置をタッチパネル上で変更できるスペースを持つタッチパネル式のかご内操作盤において、
操作ボタンのタッチ回数を計数するタッチ回数計数部と、
タッチ回数が所定数を超えたか否かを判定するタッチ回数判定部と、
タッチ回数が所定値を超えた場合には、前記操作ボタンの表示位置を利用者が触れていない前記タッチパネル上のスペースに変更する表示変更部と、
変更された表示位置に操作ボタンが表示されるように前記かご内操作盤を制御するボタン制御部と、を備える操作ボタン位置入替装置。
【請求項2】
前記表示変更部で変更される表示位置の表示順を予め設定する表示順設定部、を備える請求項1に記載の操作ボタン位置入替装置。
【請求項3】
前記表示順設定部は、
行先階ボタンが縦方向に2列で並んで表示されている場合には、左側か右側に並べた状態を初期位置としていずれか1つの行先階ボタンが所定のタッチ回数を超えると、全ての行先階ボタンを初期位置が左側ならば右側に、右側ならば左側にボタン1つ分変更し、または、
行先階ボタンが中央に並べた状態、もしくは左右に広げた状態を初期位置としていずれか1つの行先階ボタンが所定のタッチ回数を超えると、全ての行先階ボタンを初期位置が中央ならば左右に、左右ならば中央にそれぞれボタン1つ分変更するように表示順を設定する、請求項2に記載の操作ボタン位置入替装置。
【請求項4】
前記表示順設定部は、
行先階ボタンが中央に並べた状態を初期位置として、所定のタッチ回数を超えたボタンを上下左右のボタンが表示されていないスペースにボタン1つ分移動させるよう表示順を設定する、請求項2に記載の操作ボタン位置入替装置。
【請求項5】
前記表示順設定部は、
行先階ボタンが前記タッチパネルの中央より左側または中央より右側に並べた状態を初期位置として、いずれか一つのボタンが所定のタッチ回数を超えると、全ての行先階ボタンを、隣り合う行先階ボタン間中心に表示されるように斜めに移動させるよう表示順を設定する、請求項2に記載の操作ボタン位置入替装置。
【請求項6】
前記表示順設定部は、
開閉ボタンが中央に近い位置に表示した状態を初期位置として、どちらかの開閉ボタンが所定のタッチ回数を超えるごとに両方のボタンを左右にそれぞれボタン1つ分移動させるよう表示順を設定する、請求項2に記載の操作ボタン位置入替装置。
【請求項7】
前記表示順設定部は、
行先階ボタンが横方向に複数列並んで表示されている車いす用のかご内操作盤の場合には、行先階ボタンを上側か下側に並べた状態を初期値としていずれか1つの行先階ボタンが所定のタッチ回数を超えるごとに全ての行先階ボタンを初期位置が上側なら下側に、下側なら上側にボタン1つ分移動させていき、それに合わせて開閉ボタンとの位置を入れ替えるよう表示順を設定する、請求項2に記載の操作ボタン位置入替装置。
【請求項8】
前記かご内操作盤のタッチパネル上に、ボタン表示されていないスペースが無い状態で、いずれか1つの操作ボタンが所定のタッチ回数を超えた場合には、その旨を管理センタに通知する通知部を備える、請求項1~7の何れか1項に記載の操作ボタン位置入替装置。
【請求項9】
前記かご内操作盤に対して、各ボタンのタッチ回数に応じてボタンの色を変更し、タッチパネル上にボタンの配置を初期位置に戻す復帰ボタン、所定のタッチ回数を超えていなくても利用者の意思でボタンの位置を変更させる移動ボタンを備え、
前記ボタン制御部は、前記復帰ボタンおよび移動ボタンを制御する、請求項1~8の何れか1項に記載の操作ボタン位置入替装置。
【請求項10】
各操作ボタンの表示位置を変更できるスペースを持つタッチパネル式のかご内操作盤のタッチ回数を計数し、
タッチ回数が所定数を超えたか否かを判定し、
タッチ回数が所定値を超えた場合には、前記操作ボタンの表示位置を利用者が触れていないタッチパネル上のスペースへ変更し、
変更された表示位置に操作ボタンが表示されるように前記かご内操作盤を制御する、操作ボタン位置入替方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、操作ボタン位置入替装置および操作ボタン位置入替方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータのボタンは不特定多数の人間が触れる。特に、かご内操作盤には、行先階ボタンとドア開閉用の開閉ボタンとが設置され、利用者が目的の階床へ移動する場合には必ず行先階ボタンをタッチする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第01/096224号
【文献】特開2013-035610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、利用者がエレベータの操作ボタン(行先階ボタン、開閉ボタン)に触れることでウイルスや細菌に接触感染する可能性が指摘されている。
【0005】
接触感染を防止するために操作ボタンを常に消毒するのは難しく、特に基準階など利用者の多い階床の操作ボタンほど多くの人が触れるため、接触感染する可能性が高いと言える。
【0006】
本発明は上記事情に鑑み、利用者が操作ボタンの同じ個所に触れることを減らし、エレベータの操作ボタンによる接触感染を抑制する操作ボタン位置入替装置および操作ボタン位置入替方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための実施形態は、少なくとも行先階を指定する行先階ボタンとドア開閉用の開閉ボタンとを含む操作ボタンの表示位置をタッチパネル上で変更できるスペースを持つタッチパネル式のかご内操作盤において、操作ボタンのタッチ回数を計数するタッチ回数計数部と、タッチ回数が所定数を超えたか否かを判定するタッチ回数判定部と、タッチ回数が所定値を超えた場合には、前記操作ボタンの表示位置を利用者が触れていない前記タッチパネル上のスペースに変更する表示変更部と、変更された表示位置に操作ボタンが表示されるように前記かご内操作盤を制御するボタン制御部と、を備える操作ボタン位置入替装置である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る操作ボタン位置入替装置の構成を示すブロック図。
図2】実施形態に係るタッチパネル式のかご内操作盤を示す構成図。
図3】実施形態に係る操作ボタン位置入替装置で実行されるボタン移動の手順を示すフローチャート。
図4】行先階ボタンを左側に表示したかご内操作盤を示す構成図。
図5】行先階ボタンを中央に表示したかご内操作盤を示す構成図。
図6】行先階ボタンを右側に表示したかご内操作盤、図7は行先階ボタンを左右に広げて表示したかご内操作盤を示す構成図。
図7】行先階ボタンを左右に広げて表示したかご内操作盤を示す構成図。
図8】1つの行先階ボタンを左側に表示したかご内操作盤を示す構成図。
図9】1つの行先階ボタンを上側に表示したかご内操作盤を示す構成図。
図10】行先階ボタンを斜め移動して表示したかご内操作盤を示す構成図。
図11】開閉ボタンを左右に広げて表示したかご内操作盤を示す構成図。
図12】行先階ボタンを上側に表示した車いす用操作盤を示す構成図。
図13】行先階ボタンを下側に表示した車いす用操作盤を示す構成図。
図14】行先階ボタンと開閉ボタンの表示を入れ替えた車いす用操作盤を示す構成図。
図15】追加ボタンとボタンの表示色を変更した行先階ボタンを含むかご内操作盤を示す構成図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
図1に示すように、かご内操作盤10は、操作ボタンとして少なくとも行先階ボタン11とドア開閉用の開閉ボタン12とを備える。また、かご内操作盤10には、操作ボタンの表示位置を入れ替える機能を有する操作ボタン位置入替装置100が接続されている。
【0010】
操作ボタン位置入替装置100は、タッチ回数計数部101と、タッチ回数判定部102と、表示順設定部103と、表示変更部104と、ボタン制御部105と、通知部106とを備える。
【0011】
タッチ回数計数部101は、利用者によりタッチされた各操作ボタンについて、そのタッチ回数を計数する。
【0012】
タッチ回数判定部102は、何れかの操作ボタンのタッチ回数が所定数を超えたか否かを判定する。
【0013】
表示順設定部103は、表示変更部104で変更される表示位置の表示順を予め設定した移動パターンを有する。
【0014】
表示変更部104は、何れかの操作ボタンのタッチ回数が所定値を超えた場合には、前記操作ボタンの表示位置を利用者が触れていないタッチパネル上の空きスペースに変更する。
【0015】
ボタン制御部105は、変更された表示位置に操作ボタンが表示されるようにかご内操作盤を制御する。
【0016】
通知部106は、かご内操作盤10のタッチパネル上に、ボタン表示されていないスペースが無い状態で、何れかの操作ボタンが所定のタッチ回数を超えた場合には、その旨をエレベータを管理する建屋の管理センタに通知する。
【0017】
図2は、第1実施形態のかご内操作盤10を示している。
【0018】
図2に示すように、かご内操作盤10には、1~6行までの6行、a~d列までの4列の合計6×4=24個分の表示スペースがある。今、a列には奇数階である1F~9Fの5個の行先階ボタン11の表示がされている。b列には1行目に開ボタン(開閉ボタン12)が表示され、2行~6行には偶数回である2~10Fの5個の行先階ボタン11が表示されている。c列には1行目に閉ボタン(開閉ボタン12)が表示され、2行~6行は空きスペースとなっている。d列は1~6行の全てが空きスペースである。
【0019】
実施形態では、何れかの操作ボタンのタッチ回数が所定値を超えた場合には、前記操作ボタンの表示位置を利用者が触れていないタッチパネル上の空きスペースに変更することで、利用者が操作ボタンの同じ個所に触れることを減らし、操作ボタンによる接触感染を抑制する。
【0020】
図3は、操作ボタン位置入替装置100で実行される処理手順を示すフローチャートである。
【0021】
エレベータの運行が開始されると、先ず、操作ボタンの移動回数をカウントする移動カウンタのカウント値がリセットされる(ステップS1)。そして、かご内操作盤10の行先階ボタン11および開閉ボタンが、表示順設定部103に予め設定されている初期位置に表示される(ステップS2)。同時に操作ボタンのタッチ回数を計数するタッチ回数計数部101のカウント値がリセットされる(ステップS3)。
【0022】
この状態でエレベータが運行し、タッチ回数計数部101のカウント値がリセットされてから所定時間、例えば、1時間経過したか否かが判定される(ステップS4)。1時間経過している場合には、タッチ回数計数部101のカウント値がリセットされる(ステップS4YES、S3)。
【0023】
1時間経過していない場合には、1時間内でいずれかの操作ボタンが何回タッチされたかをカウントし、所定回数であるN回(例えば、50回)、タッチされている場合(ステップS5YES)には、表示の移動が所定回数であるM回(例えば、5回)、移動されたか否かを判定する(ステップS6)。N回タッチされていない場合(ステップS5NO)には、タッチ回数のカウントを継続する。
【0024】
M回移動していない場合には、表示変更部104は、表示順設定部103に設定されている表示位置に従って、ボタン位置を移動する(ステップS7)。M回移動している場合には、かご内操作盤10の移動スペースが無いので、通知部106は、管理センタの管理者にその旨を通知する(ステップS8)。
【0025】
このように、実施形態の操作ボタン位置入替装置100によれば、利用者が操作ボタンの同じ個所に触れることを減らすことができ、操作ボタンによる接触感染を抑制することができる。
【0026】
<表示の移動パターンの具体例>
次に、かご内操作盤10上で操作ボタン(行先階ボタン11、開閉ボタン12)の表示を移動させる移動パターンの具体例を説明する。
【0027】
図4は行先階ボタンを左側に表示したかご内操作盤である。図5は行先階ボタンを中央に表示したかご内操作盤である。図6は行先階ボタンを右側に表示したかご内操作盤である。図7は行先階ボタンを左右に広げて表示したかご内操作盤である。図8は1つの行先階ボタンを左側に表示したかご内操作盤である。図9は1つの行先階ボタンを上側に表示したかご内操作盤である。図10は行先階ボタンを斜め移動して表示したかご内操作盤である。図11は開閉ボタンを左右に広げて表示したかご内操作盤である。図12は行先階ボタンを上側に表示した車いす用操作盤である。図13は行先階ボタンを下側に表示した車いす用操作盤である。図14は行先階ボタンと開閉ボタンの表示を入れ替えた車いす用操作盤である。
【0028】
《全ての行先階ボタン11を左右どちらかに移動させていく場合》
全ての行先階ボタン11を左右どちらかに移動させていく場合について図4図6を例に説明する。
【0029】
初期位置として、図4に示すように左側に行先階ボタン11を表示させるか、または図6に示すように右側に行先階ボタン11を表示させる。設定した時間(例えば、1時間)当たりで同じ行先階ボタン11が設定したタッチ回数を超えるごとに、初期位置が図4の表示例ならば、図5の表示→図6の表示と表示の順番を右方向に移動させる。一方、初期位置が図6の表示例ならば図5の表示→図4の表示に移動させる。このように、順番で全ての行先階ボタン11の表示を切り替えていき、全ての行先階ボタン11を左右に移動させて表示する。
【0030】
《全ての行先階ボタン11の間隔を変えていく場合》
全ての行先階ボタン11の間隔を変えていく場合について図5図7を例に説明する。
【0031】
図5または図7を初期位置として表示させ、設定した時間当たりで同じ行先階ボタン11が設定したタッチ回数を超えると、初期位置が図5なら図7、初期位置が図7なら図5のように全ての行先階ボタン11の間隔を変えて表示する。
【0032】
《設定したタッチ回数を超えた行先階ボタンのみを移動させる場合》
設定したタッチ回数を超えた行先階ボタン11のみを移動させる場合について図5図8図9を例に説明する。
【0033】
図5を初期位置として表示させ、図8に示すように、設定した時間当たりで同じ行先階ボタン11aが設定したタッチ回数を超えると、図8図9の順番でその行先階ボタン11aをボタンが表示されていないスペースに移動させて表示する。
【0034】
このとき、行先階ボタン11aのように、1つのボタンが大きく移動してしまい、利用者が位置の変化した行先階ボタン11aを見失わないように、1つの行先階ボタン11が移動できる範囲を予め設定しておく必要がある。
【0035】
《全ての行先階ボタンを斜めに移動させる場合》
全ての行先階ボタンを斜めに移動させる場合について図4図6図10を例に説明する。
【0036】
図4または図6を初期位置として表示させ、設定した時間当たりで同じ行先階ボタン11が設定したタッチ回数を超えると、初期位置が図4ならば図10図5の順番で全ての行先階ボタン11を、今まで表示されていた行先階ボタン11bを4つのボタンの中心位置に斜め移動させて表示する。なお、この例の場合には、行先階ボタン11の4つのボタンの中心位置でもタッチを読み取ることができるようにかご内操作盤10のタッチパネルが構成されている。
【0037】
《開閉ボタンの場合》
開閉ボタン12の場合は、図5を初期位置として表示させ、設定した時間当たりでどちらかの開閉ボタン12が設定したタッチ回数を超えると、図11のように左の開ボタン12aと右の閉ボタン12bとの間隔を広げるようを左右に移動させて表示する。
【0038】
<車いす用かご内操作盤>
図12図14は、車いす用操作盤20における操作ボタンの表示位置を移動させる例を示している。
【0039】
車いす用操作盤20の場合は、図12を初期位置として表示させ、設定した時間当たりで同じ行先階ボタン21が設定したタッチ回数を超えると、図13のように全ての行先階ボタン21を一段下の列に移動させて表示する。
【0040】
下の列に開閉ボタン3の表示があり、空きスペースがなく、行先階ボタン21を下側に表示できなくなった場合には、図14に示すように開閉ボタン22を上側の列に移動して表示し、行先階ボタン21を下側の列に表示させる。
【0041】
なお、図14に示した表示例を初期位置として、図13の表示例、図12の表示例のように逆の順番で表示を変更するようにしてもよい。
【0042】
以上の表示方法により、利用者が同じ個所を触れることを減らすことができ、新型コロナ等への接触感染を防止することができる。
【0043】
<第2実施形態>
第2実施形態について説明する。
【0044】
図4図11に示したかご内操作盤10、または図12図14に示した車いす用操作盤20において、各操作ボタンが何度も表示を切り替えていき、1度も表示されていない空きスペースがなくなることになる。この場合には、図1に示した通知部106から管理センタの管理者に通知を送り、各ボタンを初期位置で表示させるように制御する。これにより、かご内操作盤の消毒を促すことができる。
【0045】
<第3実施形態>
第3実施形態について説明する。記述する。
【0046】
図15に示すかご内操作盤30は、行先階ボタン31と、開閉ボタン32に加えて、ボタン配置移動ボタン33と、復帰ボタン34を追加している。は追加ボタンとボタンの変色が加わったかご内操作盤30の図である。
【0047】
ボタン配置移動ボタン33は、所定のタッチ回数を超えていなくても利用者の意思で各操作ボタンの位置を移動させることができるボタンである。また、復帰ボタン34は各操作ボタンを初期位置に戻すボタンである。
【0048】
また、第3実施形態では、各操作ボタンをタッチ回数に応じてボタンの表示色を変更するように構成している。
【0049】
例えば、図15において、「太線」で示す4Fの行先階ボタン35は所定回数である5回以上押されているので、例えば、「黄色」で表示する例を示している。また、「斜線」で示す1Fの行先階ボタン36は所定回数である10回以上押されているので、例えば、「赤色」で表示する。
【0050】
このように、第3実施形態によれば、操作回数が多い操作ボタンについては色分けして表示することで、各操作ボタンが多くの人に触れられているかを判断することができる。若し、利用者が操作回数の多い操作ボタンに触れたくないと判断した際は、ボタン配置移動ボタン33を押圧操作することで、利用者の意思でボタンの配置を入れ替えることができる。
【0051】
以上のように、各実施形態によれば、かご内操作盤10をタッチパネル式とし、操作ボタンの表示位置を入れ替えることにより、利用者が同じ個所に触れることを減らし、エレベータの操作ボタンによる接触感染を抑制することができる。
【0052】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0053】
10,30…かご内操作盤、11,21,31,35,36…行先階ボタン、12,12a,12b,22,32…開閉ボタン、20…車いす用かご内操作盤、33…ボタン配置移動ボタン、34…復帰ボタン、100…操作ボタン位置入替装置、101…タッチ回数計数部、102…タッチ回数判定部、103…表示順設定部、104…表示変更部、105…ボタン制御部、106…通知部
【要約】
【課題】 利用者が同じ個所に触れることを減らし、エレベータの操作ボタンによる接触感染を防止する。
【解決手段】 少なくとも行先階を指定する行先階ボタンとドア開閉用の開閉ボタンとを含む操作ボタンの表示位置をタッチパネル上で変更できるスペースを持つタッチパネル式のかご内操作盤において、操作ボタンのタッチ回数を計数するタッチ回数計数部と、タッチ回数が所定数を超えたか否かを判定するタッチ回数判定部と、タッチ回数が所定値を超えた場合には、前記操作ボタンの表示位置を利用者が触れていない前記タッチパネル上のスペースに変更する表示変更部と、変更された表示位置に操作ボタンが表示されるように前記かご内操作盤を制御するボタン制御部と、を備える。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15