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特許7179945分離形のモータとモータ制御回路とを備えた外科用器具
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-18
(45)【発行日】2022-11-29
(54)【発明の名称】分離形のモータとモータ制御回路とを備えた外科用器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20221121BHJP
【FI】
A61B17/072
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021174511
(22)【出願日】2021-10-26
(62)【分割の表示】P 2018534666の分割
【原出願日】2016-12-15
(65)【公開番号】P2022009499
(43)【公開日】2022-01-14
【審査請求日】2021-10-26
(31)【優先権主張番号】14/984,552
(32)【優先日】2015-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
【住所又は居所原語表記】#475 Street C, Suite 401, Los Frailes Industrial Park, Guaynabo, Puerto Rico 00969, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ハリス・ジェイソン・エル
(72)【発明者】
【氏名】イェイツ・デビッド・シー
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・ザ・フォース・フレデリック・イー
【審査官】菊地 康彦
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第2772206(EP,A2)
【文献】国際公開第2015/148118(WO,A2)
【文献】特開2014-083440(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00-17/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用器具であって、
ジョーアセンブリであって、
複数のステープルを含んだステープルカートリッジと、
アンビルと、を備え、前記ステープルカートリッジと前記アンビルの少なくとも一方は、前記ステープルカートリッジと前記アンビルとの間に組織を捕捉するために前記ステープルカートリッジと前記アンビルのもう一方に対して移動可能である、ジョーアセンブリと、
発射シーケンスの間に、前記捕捉された組織の中に前記複数のステープルを配備するように構成された発射アセンブリと、
ハンドルであって、
アクチュエータと、
インターフェースと、を備える、ハンドルと、
モータカートリッジであって、前記インターフェースは前記ハンドルに前記モータカートリッジを解放可能に結合するように構成され、前記モータカートリッジは、
前記モータカートリッジが前記ハンドルに結合されているときに、前記発射アセンブリに動作可能に結合される電気モータと、
モータ制御回路であって、前記アクチュエータの作動に応答して、捕捉された前記組織の中に前記複数のステープルを配備するように前記発射アセンブリを誘導するために、前記電気モータに少なくとも1つの回転運動を発生させるように構成されている、モータ制御回路と、を備える、モータカートリッジと、
コントローラであって、
プロセッサと、
プログラム命令を記憶するコンピュータ可読記憶装置であって、該プログラム命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、前記モータカートリッジの機能不良を検出させる、プログラム命令を記憶するコンピュータ可読記憶装置と、を備える、コントローラと、を備え、
前記ハンドルは、前記モータカートリッジへのアクセスを制御するために、モータアクセスドアを解放可能にロックし、
前記コントローラは、前記モータカートリッジの前記機能不良を検出して更に前記モータアクセスドアが取り外されたことを検出したときに、前記モータカートリッジを、別のモータカートリッジと交換する指示をユーザに提供する、外科用器具。
【請求項2】
前記コンピュータ可読記憶装置はメモリである、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項3】
前記プログラム命令は、実行されると、前記プロセッサに更に、前記モータカートリッジの前記機能不良を検出した後に、前記モータカートリッジの損傷ステータスを前記メモリに記憶させる、請求項2に記載の外科用器具。
【請求項4】
少なくとも1つのユーザフィードバック要素を更に備え、前記プログラム命令は、実行されると、前記プロセッサに更に、前記機能不良を前記ユーザに警告するために前記少なくとも1つのユーザフィードバック要素を用いさせる、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項5】
前記プログラム命令は、実行されると、前記プロセッサに更に、前記モータカートリッジを交換するための指示を前記ユーザに提供するために前記少なくとも1つのユーザフィードバック要素を用いさせる、請求項4に記載の外科用器具。
【請求項6】
電源を更に備え、前記プログラム命令は、実行されると、前記プロセッサに更に、前記モータカートリッジの前記機能不良を検出した後に、前記電源から前記モータカートリッジへの電力伝送を停止させる、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項7】
電流センサを更に備え、前記プログラム命令は、実行されると、前記プロセッサに、前記モータカートリッジの前記機能不良を検出した際に前記電流センサを用いさせる、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項8】
モータカートリッジ交換フィードバック要素を更に備え、前記プログラム命令は、実行されると、前記プロセッサに、前記モータカートリッジの取り外しまたは取り付けを検出するために前記モータカートリッジ交換フィードバック要素を用いさせる、請求項1に記載の外科用器具。
【請求項9】
前記モータカートリッジ交換フィードバック要素は圧力センサである、請求項8に記載の外科用器具。
【請求項10】
外科用器具であって、
エンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタに動作可能に結合された駆動アセンブリと、
交換式モータカートリッジであって、
モータ制御回路基板と、
モータと、を備える、交換式モータカートリッジと、
主制御回路基板であって、
プロセッサと、
プログラム命令を記憶するコンピュータ可読記憶装置であって、該プログラム命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、前記交換式モータカートリッジの機能不良を検出させる、プログラム命令を記憶するコンピュータ可読記憶装置と、を備える、主制御回路基板と、
インターフェースであって、
前記モータを前記駆動アセンブリに解放可能に結合するように構成された機械的インターフェース部分と、
前記モータ制御回路基板を前記主制御回路基板に解放可能に結合するように構成された電気的インターフェース部分と、を備える、インターフェースと、を備え、
前記外科用器具は、前記交換式モータカートリッジへのアクセスを制御するために、モータアクセスドアを解放可能にロックし、
前記プロセッサは、前記交換式モータカートリッジの前記機能不良を検出して更に前記モータアクセスドアが取り外されたことを検出したときに、前記交換式モータカートリッジを、別の交換式モータカートリッジと交換する指示をユーザに提供する、外科用器具。
【請求項11】
前記交換式モータカートリッジは、別のモータを更に備える、請求項10に記載の外科用器具。
【請求項12】
前記コンピュータ可読記憶装置はメモリである、請求項10に記載の外科用器具。
【請求項13】
前記プログラム命令は、実行されると、前記プロセッサに更に、前記交換式モータカートリッジの前記機能不良を検出した後に、前記交換式モータカートリッジの損傷ステータスを前記メモリに記憶させる、請求項12に記載の外科用器具。
【請求項14】
少なくとも1つのユーザフィードバック要素を更に備え、前記プログラム命令は、実行されると、前記プロセッサに更に、前記機能不良を前記ユーザに警告するために前記少なくとも1つのユーザフィードバック要素を用いさせる、請求項10に記載の外科用器具。
【請求項15】
前記プログラム命令は、実行されると、前記プロセッサに更に、前記交換式モータカートリッジを交換するための指示を前記ユーザに提供するために前記少なくとも1つのユーザフィードバック要素を用いさせる、請求項14に記載の外科用器具。
【請求項16】
電源を更に備え、前記プログラム命令は、実行されると、前記プロセッサに更に、前記交換式モータカートリッジの前記機能不良を検出した後に、前記電源から前記モータカートリッジへの電力伝送を停止させる、請求項10に記載の外科用器具。
【請求項17】
電流センサを更に備え、前記プログラム命令は、実行されると、前記プロセッサに、前記交換式モータカートリッジの前記機能不良を検出した際に前記電流センサを用いさせる、請求項10に記載の外科用器具。
【請求項18】
モータカートリッジ交換フィードバック要素を更に備え、前記プログラム命令は、実行されると、前記プロセッサに、前記交換式モータカートリッジの取り外しまたは取り付けを検出するために前記モータカートリッジ交換フィードバック要素を用いさせる、請求項10に記載の外科用器具。
【請求項19】
前記モータカートリッジ交換フィードバック要素は圧力センサである、請求項18に記載の外科用器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、同一所有者の同時に出願された、代理人整理番号END7792USNP/150506として参照され、「MECHANISMS FOR COMPENSATING FOR BATTERY PACK FAILURE IN POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」と題された米国出願、及び代理人整理番号END7797USNP/150511として参照され、「MECHANISMS FOR COMPENSATING FOR DRIVETRAIN FAILURE IN POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」と題された米国出願に関するものであり、これらの各々は参照によってそのすべての内容が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、外科用器具に関し、また様々な状況において、組織をステープル留め及び切断するために設計された、外科用ステープル留め及び切断器具並びにそれらと共に使用するためのステープルカートリッジに関する。
【図面の簡単な説明】
【0003】
様々な態様の特徴が、添付の「特許請求の範囲」で詳細に記載されている。それらの様々な態様は、しかしながら、その機構と操作方法のいずれに関しても、それらの利点と共に、以下の説明文を添付図面と併せて参照することで最良に理解され得る。
図1】本開示による、外科用器具、アダプタ、及びエンドエフェクタを含んだ電気機械式外科用システムの斜視分解図である。
図2】本開示の少なくとも1つの態様による、図1の外科用器具の斜視図である。
図3】本開示の少なくとも1つの態様による、図1の外科用器具の斜視分解図である。
図4】本開示の少なくとも1つの態様による、図1の外科用器具のバッテリの斜視図である。
図5】本開示の少なくとも1つの態様による、図1の外科用器具の頂面部分分解図である。
図6】本開示の少なくとも1つの態様による、アダプタを分離された、図1の外科用器具の正面斜視図である。
図7】本開示の少なくとも1つの態様による、図2の線7-7に沿った図1の外科用器具の側面断面図である。
図8】本開示の少なくとも1つの態様による、図2の線8-8に沿った図1の外科用器具の頂面断面図である。
図9】本開示の少なくとも1つの態様による、図1のエンドエフェクタの斜視分解図である。
図10A】本開示の少なくとも1つの態様による、ロッキング部材の頂面図である。
図10B】本開示の少なくとも1つの態様による、図10Aのロッキング部材の斜視図である。
図11】本開示の少なくとも1つの態様による、図1の外科用器具の模式図である。
図12】本開示の少なくとも1つの態様による、各部品が分離された電気機械式外科用システムの斜視図である。
図13】少なくとも本開示の態様による、図12の電気機械式外科用システムのシャフトアセンブリ及び電動外科用器具の、それらの間の接続を示す背面斜視図である。
図14】少なくとも本開示の態様による、図13のシャフトアセンブリの、各部品が分離された斜視図である。
図15】少なくとも本開示の態様による、図13のシャフトアセンブリのトランスミッションハウジングの、各部品が分離された斜視図である。
図16】少なくとも本開示の態様による、図15のトランスミッションハウジング内で支持される第1のギヤトレーンシステムの斜視図である。
図17】少なくとも本開示の態様による、図15のトランスミッションハウジング内で支持される第2のギヤトレーンシステムの斜視図である。
図18】少なくとも本開示の態様による、図15のトランスミッションハウジング内で支持される第3の駆動シャフトの斜視図である。
図19】本開示の少なくとも1つの態様による外科用器具の斜視図である。
図19A】少なくとも本開示の態様による、図19の外科用器具の頂面図である。
図19B】少なくとも本開示の態様による、図19の外科用器具の部分分解図である。
図20】少なくとも本開示の態様によるモータカートリッジの斜視図である。
図21】少なくとも本開示の態様による、図20の外科用器具の様々な構成要素の回路図である。
図22】少なくとも本開示の態様によるモータカートリッジの健全性を監視する方法を概説する論理図である。
図23】少なくとも本開示の態様による、モータカートリッジの健全性を監視するために電流センサを用いる方法を概説する論理図である。
図24】少なくとも本開示の態様による、図20の外科用器具のモジュールを概説する論理図である。
図25】少なくとも本開示の態様による、図20の外科用器具のモジュールを概説する論理図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
分離形のモータとモータ制御回路とを備えた外科用器具の様々な形態を詳細に説明する前に、例示的形態が、適用又は使用において、添付の図面及び説明で例示される部品の構造及び構成配置の詳細に限定されないことに留意されたい。例示的な形態は、他の形態、変形、及び修正で実行されるか、又はそれらに組み込まれてもよく、様々な方法で実施又は行われてもよい。更に、特に明記しない限り、本明細書で用いる用語及び表現は、読者の便宜のために例示的な形態を説明する目的で選択されたものであり、それらを限定するためのものではない。
【0005】
更に、以下で説明する形態、形態の表現、実施例のうちの任意の1つ又は2つ以上を、以下で説明する他の形態、形態の表現、実施例のうちの任意の1つ又は2つ以上と組み合わせることができるものと理解されたい。
【0006】
種々の形態は、分離形のモータとモータ制御回路とを備えた外科用器具に関するものである。一形態では、分離形のモータとモータ制御回路とを備えた外科用器具は、開放的外科手技における使用のために構成され得るが、腹腔鏡、内視鏡、及びロボット支援手技などの他の種類の手術における用途も有する。
【0007】
図1~18は、全体的に10として示される外科用システムの様々な態様を示しており、この外科用システムは、電動ハンドヘルド形電気機械式外科用器具によって作動及び操作されるようにそれぞれが構成された複数の様々なエンドエフェクタを選択的に取り付けるように構成された電動ハンドヘルド形電気機械式器具の形態をなしている。図1~18の態様は、2012年10月23日に出願され、「SURGICAL INSTRUMENT WITH RAPID POST EVENT DETECTION」と題された米国特許出願公開第2014/0110453号、2013年6月19日に出願され、「APPARATUS FOR ENDOSCOPIC PROCEDURES」と題された米国特許出願公開第2013/0282052号、及び2013年5月10日に出願され、「APPARATUS FOR ENDOSCOPIC PROCEDURES」と題された米国特許出願公開第2013/0274722号に開示されている。
【0008】
図1~3を参照すると、外科用器具100はアダプタ200と選択的に接続されるように構成されており、アダプタ200は、エンドエフェクタ又は使い捨てのローディングユニット若しくはリロード300と選択的に接続されるように構成されている。図1~3に示すように、外科用器具100は、下側ハウジング部分104を有するハンドルハウジング102と、下側ハウジング部分104から延びかつ/又は下側ハウジング部分上で支持される中間ハウジング部分106と、中間ハウジング部分106から延びかつ/又は中間ハウジング部分上で支持される上側ハウジング部分108とを含んでいる。中間ハウジング部分106と上側ハウジング部分108は、下側部分104と一体的に形成されかつ下側部分から延出する遠位半部110aと、複数の締結具によって遠位半部110aに接続可能な近位半部110bとに分割される。接合されると、遠位及び近位半部110a、110bは、空洞102aをその中に有するハンドルハウジング102を画定し、その空洞に回路基板150及び駆動機構160が設置される。
【0009】
遠位及び近位半部110a、110bは、図2及び3に見られるように、上側ハウジング部分108の長手方向軸線「X」を横断する平面に沿って分割される。ハンドルハウジング102はガスケット112を含み、このガスケットは、遠位半部及び/又は近位半部110a、110bの縁を完全に囲んで延びるものであり、遠位半部110aと近位半部110bとの間に介在される。ガスケット112は、遠位半部110a及び近位半部110bの周囲を密封する。ガスケット112は、回路基板150及び駆動機構160が滅菌及び/又は洗浄手順から保護されるように、遠位半部110aと近位半部110bとの間に気密シールを確立するように機能する。
【0010】
このように、ハンドルハウジング102の空洞102aは、遠位半部110a及び近位半部110bの周囲に沿って密封されるが、それでいて、ハンドルハウジング102内への回路基板150及び駆動機構160の組付けをより容易にかつより効率的にし得るように構成されている。
【0011】
ハンドルハウジング102の中間ハウジング部分106は、回路基板150が設置されるハウジングを提供する。回路基板150は、外科用器具100の種々の動作を制御するように構成されている。
【0012】
外科用器具100の下側ハウジング部分104は、その上部表面に形成されたアパーチャ(図示せず)を規定し、そのアパーチャは中間ハウジング部分106の下又は中に位置している。下側ハウジング104のアパーチャは、下側ハウジング部分104内に設置された電気部品(図4に示すようなバッテリ156、図3に示すような回路基板154など)を中間ハウジング部分106及び/又は下側ハウジング部分108内に設置された電気部品(回路基板150、駆動機構160など)と電気的に相互接続するために導線152が通過する通路を提供する。
【0013】
ハンドルハウジング102はガスケット103を含み、このガスケットは、下側ハウジング部分104(図示せず)のアパーチャ内に配置され、それによってワイヤ152を通過させると同時に下側ハウジング部分104のアパーチャを閉塞又は密封する。回路基板150及び駆動機構160が滅菌及び/又は洗浄手順から保護されるように、ガスケット103は、下側ハウジング部分106と中間ハウジング部分108との間に気密シールを確立するように機能する。
【0014】
図示のように、ハンドルハウジング102の下側ハウジング部分104は、再充電可能バッテリ156が着脱可能に設置されるハウジングを提供する。バッテリ156は、外科用器具100の電気部品のうちのいずれかに電力を供給するように構成される。下側ハウジング部分104は、バッテリ156が挿入される空洞(図示せず)を画定している。下部ハウジング部分104は、下部ハウジング部分104の空洞を閉鎖し、その中にバッテリ156を保持するように枢動的に接続されたドア105を含んでいる。
【0015】
図3及び5を参照すると、上側ハウジング部分108の遠位半部110aがノーズ又は接続部分108aを画定している。ノーズコーン114が上側ハウジング部分108のノーズ部分108a上で支持されている。ノーズコーン114は透明材料から作製されている。例えば照明部材116などのフィードバックインジケータが、ノーズコーン114を通して照明部材116が視認可能となるように、ノーズコーン114内に配設される。照明部材116は、発光ダイオードプリント回路基板(LED PCB)であってもよい。照明部材116は、固有の離散事象に関連付けられた特定の色パターンで複数の色を照明するように構成されている。
【0016】
ハンドルハウジング102の上側ハウジング部分108は、駆動機構160が配置されるハウジングを提供する。図5に示すように、駆動機構160は、外科用器具100の種々の動作を実施するために、シャフト及び/又はギヤ構成要素を駆動するように構成されている。具体的に言えば、駆動機構160は、エンドエフェクタ300(図1及び9を参照)の近位本体部分302に対してエンドエフェクタ300のツールアセンブリ304を選択的に移動させるため、ハンドルハウジング102に対して長手方向軸線「X」(図2を参照)を中心としてエンドエフェクタ300を回転させるため、エンドエフェクタ300のカートリッジアセンブリ308に対してアンビルアセンブリ306を移動させるため、及び/又はエンドエフェクタ300のカートリッジアセンブリ308内のステープル留め及び切断カートリッジを発射するため、シャフト及び/又はギヤ構成要素を駆動するように構成されている。
【0017】
駆動機構160は、アダプタ200に対してすぐ近位側に配置されたセレクタギヤボックスアセンブリ162を含む。セレクタギヤボックス組立体162の近位側に、第1のモータ164を有する機能選択モジュール163があり、この第1のモータは、セレクタギヤボックスアセンブリ162内のギヤ要素を選択的に移動させて、第2のモータ166を有する入力駆動構成要素165と係合させるように機能する。
【0018】
図1~4に示すように、また上述したように、上側ハウジング部分108の遠位半部110aは、アダプタ200の対応する駆動結合アセンブリ210を受容するように構成された接続部分108aを画定している。
【0019】
図6~8に示すように、外科用器具100の接続部分108aは、アダプタ200が外科用器具100に嵌合されるときにアダプタ200の駆動連結アセンブリ210を受容する円筒状凹部108bを有している。接続部分108aは、3つの回転式駆動コネクタ118、120、122を収容している。
【0020】
アダプタ200が外科用器具100に嵌合されると、外科用器具100の回転式駆動コネクタ118、120、122の各々が、図6に示すように、アダプタ200の対応する回転式コネクタスリーブ218、220、222と結合する。この点に関して言えば、対応する第1の駆動コネクタ118と第1のコネクタスリーブ218との間のインターフェース、対応する第2の駆動コネクタ120と第2のコネクタスリーブ220とのインターフェース、及び対応する第3の駆動コネクタ122と第3の駆動コネクタスリーブ222とのインターフェースは、外科用器具100の駆動コネクタ118、120、122の各々の回転がアダプタ200の対応するコネクタスリーブ218、220、222の対応する回転を引き起こすようにキー結合される。
【0021】
外科用器具100の駆動コネクタ118、120、122とアダプタ200のコネクタスリーブ218、220、222との嵌合は、3つのそれぞれのコネクタインターフェースの各々を介して回転力を独立に伝達することを可能にしている。外科用器具100の駆動コネクタ118、120、122は、駆動機構160によって独立に回転されるように構成されている。この件に関して言えば、駆動機構160の機能選択モジュール163は、駆動機構160の入力駆動構成要素165によって、外科用器具100のいずれの駆動コネクタ118、120、122が駆動されるかを選択する。
【0022】
外科用器具100の駆動コネクタ118、120、122の各々は、アダプタ200のそれぞれのコネクタスリーブ218、220、222とのキー結合式の及び/又は実質的に回転不能なインターフェースを有するので、アダプタ200が外科用器具100に結合されると、回転力が外科用器具100の駆動機構160からアダプタ200に選択的に伝達される。
【0023】
外科用器具100の駆動コネクタ118、120及び/又は122の選択的回転は、外科用器具100がエンドエフェクタ300の種々の機能を選択的に作動させることを可能にする。外科用器具100の第1の駆動コネクタ118の選択的かつ独立的な回転は、エンドエフェクタ300のツールアセンブリ304の選択的かつ独立的な開放及び閉鎖、並びにエンドエフェクタ300のツールアセンブリ304のステープル留め/切断構成要素の選択的かつ独立的な駆動に対応する。また、外科用器具100の第2の駆動コネクタ120の選択的かつ独立的な回転は、長手方向軸線「X」(図2を参照)を横断するエンドエフェクタ300のツールアセンブリ304の選択的かつ独立的な関節運動に対応する。加えて、外科用器具100の第3の駆動コネクタ122の選択的かつ独立的な回転は、外科用器具100のハンドルハウジング102に対する長手方向軸線「X」(図2を参照)を中心としたエンドエフェクタ300の選択的かつ独立的な回転に対応する。
【0024】
上述したように、また図5及び8に示すように、駆動機構160は、セレクタギヤボックスアセンブリ162と、そのセレクタギヤボックスアセンブリ162の近位側に位置する機能選択モジュール163とを含んでおり、機能選択モジュールは、セレクタギヤボックスアセンブリ162内のギヤ要素を選択的に移動させて第2のモータ166と係合させるように機能するものである。したがって、駆動機構160は、所定の時点で外科用器具100の駆動コネクタ118、120、122のうちの1つを選択的に駆動する。
【0025】
図1~3に示すように、ハンドルハウジング102は、中間ハウジング部分108の遠位表面又は側面上で制御アセンブリ107を支持する。制御アセンブリ107は、結合前に残りの器具100とは別個に組立て及び試験され得る、完全に機能的な機械的サブアセンブリである。
【0026】
制御アセンブリ107は、中間ハウジング部分108と協働して、一対の指作動制御ボタン124、126及び一対のロッカー装置128、130をハウジング107a内で支持する。制御ボタン124、126は、それぞれ延長シャフト125、127に結合されている。具体的に言えば、制御アセンブリ107は、延長シャフト125をスライド可能に受容するための上側アパーチャ124aと、延長シャフト127をスライド可能に受容するための下側アパーチャ126aとを画定している。
【0027】
制御アセンブリ107及びその構成要素(例えば、制御ボタン124、126及びロッカー装置128、130)は、作動力、キー構成要素の摩耗の低減、摩損の排除、平滑でかつ一貫した作動、改善された構成要素及びアセンブリの信頼性、並びにより緊密な適合及び触感の統一性のための低減されたクリアランスのために、低摩擦性でかつ自滑性の滑らかなプラスチック若しくは材料又は可動構成要素を被覆するコーティングから形成されてもよい。これは、ブッシング、ロッカージャーナル、プランジャブッシング、スプリングポケット、保持リング、及びスライダ構成要素にプラスチック材料を使用することを含む。また、構成要素を可塑的に成形することにより、ネット形状又はメッシュ形状の構成要素にこれらの性能属性のすべてがもたらされる。プラスチック構成要素は、オートクレービング、蒸気滅菌及び洗浄などの電解条件下での腐食及びバイメタル陽極反応を排除する。潤滑性プラスチック及び材料とのプレス嵌めはまた、同様の金属製構成要素と比較して、構成要素に対する歪又は機能的なペナルティを最小にしてクリアランスを除去する。
【0028】
制御アセンブリ107の構成要素を形成するのに適した材料には、限定するものではないが、ポリアミン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフタルアミド、ポリフェニルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリテトラフルオロエチレン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。これらの成分は、潤滑剤の存在下で使用されても非存在下で使用されてもよく、また摩耗及び摩擦力の低減のための添加剤を含んでもよい。
【0029】
外科用器具100の構造及び動作の詳細な説明に関しては、参照によってそのすべての内容が本明細書に組み込まれる米国特許出願第13/331,047号、現在の米国特許第8,968,276号を参照されてもよい。
【0030】
外科用器具100は、エンドエフェクタ300によって捕捉された組織内に複数のステープルを配備又は排出するように構成された発射アセンブリを含む。発射アセンブリは、図9に示すように、駆動アセンブリ360を含む。駆動アセンブリ360は、動的クランプ部材365に固定される遠位端部と、近位係合部368とを有する可撓性駆動ビーム364を含む。係合部368は、ショルダー370を画定する階段状部分を含む。係合部368の近位端部は、直径方向に対向する内向き延出フィンガ372を含む。フィンガ372は中空駆動部材374と係合して、ビーム364の近位端部に駆動部材374を不動に固定する。駆動部材374は、エンドエフェクタ300がアダプタ200の遠位継手230に取り付けられるときにアダプタ200の駆動管246(図1)の接続部材を受容する近位ポートホール376aを画定している。
【0031】
駆動アセンブリ360がツールアセンブリ304内で遠位側に前進されるとき、クランプ部材365の上側ビーム365aはアンビルプレート312とアンビルカバー310との間に画定されたチャネル内で移動し、下側ビーム365bはキャリア316の外部表面の上で移動してツールアセンブリ304を閉鎖し、そこからステープルを発射する。
【0032】
エンドエフェクタ300の近位本体部分302は、上側ハウジング部分301a及び下側ハウジング部分301bを囲むシース又は外管301を含んでいる。ハウジング部分301a、301bは、エンドエフェクタ300の近位端部から延びるフック付き近位端部366aを有する関節リンク366を囲んでいる。関節リンク366のフック付き近位端部366aは、エンドエフェクタ300がアダプタ200の遠位ハウジング232に固定されるときにアダプタ200の結合フック(図示せず)と係合する。アダプタ200の駆動バー258が上記で説明したように前進又は後退されるとき、エンドエフェクタ300の関節リンク366がエンドエフェクタ300内で前進又は後退されて、近位本体部分302の遠位端部に対してツールアセンブリ304を枢動させる。
【0033】
上記の図9で説明したように、ツールアセンブリ304のカートリッジアセンブリ308は、キャリア316内で支持可能なステープルカートリッジ305を含んでいる。カートリッジは、エンドエフェクタ300内に永久的に導入されてもよく、又は、着脱可能及び交換可能となるように構成されてもよい。ステープルカートリッジ305は、中央長手方向スロット305aと、長手方向スロット305aの各側部に配置された3つの直線状列のステープル保持スロット305bとを画定している。ステープル保持スロット305bの各々は、単一のステープル307とステープルプッシャ309の一部分とを受容する。器具100の動作中、駆動アセンブリ360は作動スレッドと当接し、カートリッジ305に作動スレッドを押し通す。作動スレッドがカートリッジ305を通して移動するとき、作動スレッドのカムウェッジが結果的にステープルプッシャ309と係合してステープル保持スロット305b内でステープルプッシャ309を垂直に移動させ、また結果的に、ステープル307をアンビルプレート312に対する成形のために排出する。
【0034】
中空駆動部材374は、先に発射されたエンドエフェクタ300の発射を防止するロックアウト機構373を含んでいる。ロックアウト機構373は、ロッキング部材371が駆動部材374に対してピン377を中心として枢動するように、ピン377を介して遠位ポートホール376b内に枢動的に結合されたロッキング部材371を含んでいる。
【0035】
図10A及び10Bを参照すると、ロッキング部材371が、細長グライド381と383との間に形成されたチャネル379を画定している。ウェブ385は、グライド381及び383の上側表面の一部分と接合している。ウェブ385は、駆動部材374のポートホール376b内に嵌合するように構成及び寸法決めされている。水平レッジ389及び391が、それぞれグライド381及び383から延びている。図9に最も良く示すように、スプリング393は、駆動部材374内に配設され、水平レッジ389及び/又は水平レッジ391と係合してロッキング部材371を下向きに付勢する。
【0036】
動作の際、ロッキング部材371は最初は、水平レッジ389及び391がハウジング部分301bの側壁に形成された突出部303a、303bの頂部に載りかかる状態で、ハウジング部分301a及び301bの近位端部に、事前発射位置に配設される。この位置では、ロッキング部材317は持ち上げられ、突出部303a、303bの遠位側に、ハウジング部分301bの底部表面に形成された突出部303cとの係合から外れ、ウェブ385は、駆動ビーム364に画定されたショルダー370と長手方向に並ぶ。この構成により、ロッキング部材371を起動して使い捨てのエンドエフェクタ300を無効にすることなく、外科医がその位置に満足するまで、アンビル306を開放し、ステープル留めされる組織の上に再配置することが可能となる。
【0037】
駆動ビーム364が駆動管246によって遠位側に移動されると、ロッキング部材371が突出部303a、303bから脱出し、突出部303cの遠位側に、スプリング393によって付勢されてハウジング部分301bと係合する。ロッキング部材371は、機器の発射の全体を通じて、依然としてこの構成にある。
【0038】
駆動ビーム364が後退すると、少なくとも部分的な発射の後、ロッキング部材371は、突出部303a、303bの下方を進み、ハウジング部分301bの突出部303cに乗り上げ、ついにはロッキング部材371の最遠位部分が突出部303cの近位側に位する。スプリング393は、ロッキング部材371を付勢して突出部303cと並列させて、使い捨てエンドエフェクタを効果的に無効にする。既存のエンドエフェクタ300が装着された装置を再作動させる試みがなされる場合、ロッキング部材371はハウジング部分301bの突出部303cと当接することになり、また駆動ビーム364の遠位移動を阻止することになる。
【0039】
器具100の別の態様が図11に示されている。器具100はモータ164を含んでいる。モータ164は、1つ又は2つ以上の駆動装置(例えば、図6の回転式駆動コネクタ118、120、122)を作動させるように構成された任意の電気モータであってよい。モータ164は、DCバッテリ(例えば、充電式の鉛ベース、ニッケルベース、リチウムイオンベースのバッテリなど)であり得るバッテリ156、AC/DC変圧器、又は電気エネルギーをモータ164に供給するのに適した任意の他の電源に結合される。
【0040】
バッテリ156及びモータ164は、回路基板154上に配設されたモータドライバ回路404に結合されており、このモータドライバ回路は、バッテリ156からモータ164への電気エネルギーの流動を含めてモータ164の動作を制御する。ドライバ回路404は複数のセンサ408a、408b、...408nを含んでおり、これらのセンサは、モータ164及びバッテリ156の動作状態を測定するように構成されている。センサ408a~408nは、電圧センサ、電流センサ、温度センサ、圧力センサ、テレメトリセンサ、光センサ、及びそれらの組み合わせを含み得る。センサ408a~408nは、バッテリ156によって供給される電気エネルギーの電圧、電流、及び他の電気的特性を測定し得る。センサ408a~408nはまた、モータ164の毎分回転数(RPM)としての回転速度、トルク、温度、引き込み電流、及びその他の動作特性を測定し得る。RPMは、モータ164の回転を測定することによって決定され得る。様々な駆動シャフト(例えば、図6の回転式駆動コネクタ118、120、122)の位置が、各シャフト内に若しくはシャフトに近接して配設された様々なリニアセンサを使用することによって決定され得るか、又はRPM測定から補外され得る。別の態様では、一定のRPMにおけるモータ164の調整された引き込み電流に基づいてトルクが計算され得る。更なる態様では、ドライバ回路404及び/又はコントローラ406は、例えば測定値の変化率などを決定するために、時間を測定し、上述の値をその時間の関数(積分及び/又は微分を含む)として処理し得る。
【0041】
ドライバ回路404はまたコントローラ406にも結合されるが、このコントローラは、計算を実施しかつ/又は1組の命令に従って動作するように適合された任意の適切な論理制御回路であってよい。コントローラ406は、一時記憶型メモリ(例えばRAM)及び/又は非一時記憶型メモリ(例えば、フラッシュメディア、ディスクメディアなど)を含み得るメモリに動作可能に接続された中央処理装置を含み得る。コントローラ406は、ドライバ回路404とインターフェースするための複数の入力部及び出力部を含んでいる。具体的に言えば、コントローラ406は、モータ164及びバッテリ156の動作状態に関連する測定センサ信号をドライバ回路404から受信し、次に、センサ読取り値及び特定のアルゴリズム命令に基づいてモータ164の動作を制御するためにドライバ回路404に制御信号を出力する。コントローラ406はまた、ユーザインターフェース(例えば、コントローラ406に結合された制御アセンブリ107のスイッチ、ボタン、タッチスクリーンなど)から複数のユーザ入力を受け付けるように構成されている。取外し可能なメモリカード又はチップが設けられてもよく、あるいはデータが無線でダウンロードされてもよい。
【0042】
図12~18を参照すると、外科用システム10’が示されている。外科用システム10’は、多数の点で外科用システム10と類似している。例えば、外科用システム10’は外科用器具100を含んでいる。器具ハウジング102の上側ハウジング部分108は、多数の点でシャフトアセンブリ200と類似したシャフトアセンブリ500のトランスミッションハウジング512の対応するシャフト結合アセンブリ514を受容するように構成されたノーズ又は接続部分108aを画定している。
【0043】
シャフトアセンブリ500は、外科用器具の少なくとも1つの駆動部材をエンドエフェクタの少なくとも1つの回転受容部材に相互連結するための力伝達アセンブリを有する。力伝達アセンブリは、少なくとも1つの回転式駆動部材に接続可能な第1の端部と、エンドエフェクタの少なくとも1つの回転受容部材に接続可能な第2の端部とを有する。シャフトアセンブリ500が外科用器具100に嵌合されると、外科用器具100の回転式駆動部材又はコネクタ118、120、122の各々は、シャフトアセンブリ500の対応する回転式コネクタスリーブ518、520、522と結合する(図13及び15を参照)。この点に関して言えば、対応する第1の駆動部材又はコネクタ118と第1のコネクタスリーブ518とのインターフェース、対応する第2の駆動部材又はコネクタ120と第2のコネクタスリーブ520とのインターフェース、及び対応する第3の駆動部材又はコネクタ122と第3の駆動コネクタスリーブ522とのインターフェースは、外科用器具100の駆動部材又はコネクタ118、120、122の各々の回転がシャフトアセンブリ500の対応するコネクタスリーブ518、520、522の対応する回転を引き起こすようにキー結合される。
【0044】
外科用器具100の駆動部材又はコネクタ118、120及び/若しくは122の選択的回転は、外科用器具100がエンドエフェクタ400の種々の機能を選択的に作動させることを可能にする。
【0045】
図12及び14を参照すると、シャフトアセンブリ500は、近位端部510aと遠位端部510bとを有する細長い実質的に剛性の外側管状本体510と、管状本体510の近位端部210aに接続され、かつ外科用器具100に選択的に接続されるように構成されたトランスミッションハウジング212と、を含んでいる。加えて、シャフトアセンブリ500は、細長本体部分510の遠位端部510bに接続された関節動作ネックアセンブリ530を更に含んでいる。
【0046】
トランスミッションハウジング512は、外科用器具100の第1、第2及び/若しくは第3の回転式駆動部材又はコネクタ118、120、及び/若しくは122の回転速度/回転力を、そのような回転速度/回転力がエンドエフェクタ501に伝達される前に変化させる(例えば、増加又は減少させる)ために、一対のギヤトレーンシステムを中に収容するように構成されている。図15に見られるように、トランスミッションハウジング512及びシャフト結合アセンブリ514は、第1の近位又は入力駆動シャフト524a、第2の近位又は入力駆動シャフト526a、及び第3の駆動シャフト528を回転可能に支持する。
【0047】
シャフト駆動結合アセンブリ514は、それぞれ第1、第2及び第3のコネクタスリーブ518、520、522の遠位側に配設された第1、第2及び第3の付勢部材518a、520a及び522aを含んでいる。付勢部材518a、520a及び522aの各々は、それぞれ第1の近位駆動シャフト524a、第2の近位駆動シャフト526a、及び第3の駆動シャフト228の周りに配設される。シャフトアセンブリ500が外科用器具100に接続されるときに、コネクタスリーブ218、220及び222が外科用器具100のそれぞれ駆動回転式駆動部材又はコネクタ118、120、122の遠位端部と係合した状態を維持するのを助けるために、付勢部材518a、520a及び522aは、それぞれスリーブ518、520及び522に作用する。
【0048】
シャフトアセンブリ500は、それぞれトランスミッションハウジング512及び管状本体510内に配設された第1及び第2のギヤトレーンシステム540、550と、隣接する結合アセンブリ514とを含んでいる。上述したように、各ギヤトレーンシステム540、550は、外科用器具100の第1及び第2の回転式駆動コネクタ118及び120の回転速度/回転力を、そのような回転速度/回転力がエンドエフェクタ501に伝達される前に変化させる(例えば、増加又は減少させる)ように構成及び適合されている。
【0049】
図15及び16に示すように、第1のギヤトレーンシステム540は、第1の入力駆動シャフト524aと、第1の入力駆動シャフト524aにキー結合された第1の入力駆動シャフトスパーギヤ542aとを含んでいる。第1のギヤトレーンシステム540はまた、トランスミッションハウジング512内で回転可能に支持された第1のトランスミッションシャフト544と、第1のトランスミッションシャフト544にキー結合されかつ第1の入力駆動シャフトスパーギヤ542aと係合された第1の入力トランスミッションスパーギヤ544aと、第1のトランスミッションシャフト544にキー結合された第1の出力トランスミッションスパーギヤ544bと、を含んでいる。第1のギヤトレーンシステム540は、トランスミッションハウジング512及び管状本体510内で回転可能に支持された第1の出力駆動シャフト546aと、第1の出力駆動シャフト546aにキー結合されかつ第1の出力トランスミッションスパーギヤ544bと係合された第1の出力駆動シャフトスパーギヤ546bと、を更に含んでいる。
【0050】
少なくとも1つの事例では、第1の入力駆動シャフトスパーギヤ542aは10の歯を含み、第1の入力トランスミッションスパーギヤ544aは18の歯を含み、第1の出力トランスミッションスパーギヤ544bは13の歯を含み、第1の出力駆動シャフトスパーギヤ546bは15の歯を含む。そのように構成されているため、第1の入力駆動シャフト524aの入力回転は、1:2.08の比で第1の出力駆動シャフト546aの出力回転に変換される。
【0051】
動作の際、外科用器具100の第1のそれぞれの駆動コネクタ118の回転の結果として、第1のコネクタスリーブ558及び第1の入力駆動シャフト524aの回転により、第1の入力駆動シャフトスパーギヤ542aが回転されると、第1の入力駆動シャフトスパーギヤ542aが第1の入力トランスミッションスパーギヤ544aと係合して、第1の入力トランスミッションスパーギヤ544aを回転させる。第1の入力トランスミッションスパーギヤ544aが回転すると、第1のトランスミッションシャフト544が回転され、それにより、第1のトランスミッションシャフト544にキー結合された第1の出力駆動シャフトスパーギヤ546bを回転させる。第1の出力駆動シャフトスパーギヤ546bが回転すると、第1の出力駆動シャフトスパーギヤ546bはそれと係合されているので、第1の出力駆動シャフトスパーギヤ546bも同様に回転される。第1の出力駆動シャフトスパーギヤ546bが回転すると、第1の出力駆動シャフトスパーギヤ546bは第1の出力駆動シャフト546aに係合されているので、第1の出力駆動シャフト546aが回転される。
【0052】
第1のギヤシステム540を含んだシャフトアセンブリ500は、エンドエフェクタ501を動作、作動、及び/又は発射させるために、外科用器具100からエンドエフェクタ501に作動力を伝達するように機能する。
【0053】
図15及び17に示すように、第2のギヤトレーンシステム550は、第2の入力駆動シャフト526aと、第2の入力駆動シャフト526aにキー結合された第2の入力駆動シャフトスパーギヤ552aとを含んでいる。第2のギヤトレーンシステム550はまた、トランスミッションハウジング512内で回転可能に支持された第1のトランスミッションシャフト554と、第1のトランスミッションシャフト554にキー結合されかつ第2の入力駆動シャフトスパーギヤ552aと係合された第1の入力トランスミッションスパーギヤ554aと、第1のトランスミッションシャフト554にキー結合された第1の出力トランスミッションスパーギヤ554bと、を含んでいる。
【0054】
第2のギヤトレーンシステム550は、トランスミッションハウジング512内で回転可能に支持された第2のトランスミッションシャフト556と、第2のトランスミッションシャフト556にキー結合され、かつ第1のトランスミッションシャフト554にキー結合された第1の出力トランスミッションスパーギヤ554bと係合された第2の入力トランスミッションスパーギヤ556aと、第2のトランスミッションシャフト556にキー結合された第2の出力トランスミッションスパーギヤ556bと、を更に含んでいる。
【0055】
第2のギヤトレーンシステム550はそれに加えて、トランスミッションハウジング512及び管状本体510内で回転可能に支持された第2の出力駆動シャフト558aと、第2の出力駆動シャフト558aにキー結合されかつ第2の出力トランスミッションスパーギヤ556bと係合された第2の出力駆動シャフトスパーギヤ558bと、を含んでいる。
【0056】
少なくとも1つの事例では、第2の入力駆動シャフトスパーギヤ552aは10の歯を含み、第1の入力トランスミッションスパーギヤ554aは20の歯を含み、第1の出力トランスミッションスパーギヤ554bは10の歯を含み、第2の入力トランスミッションスパーギヤ556aは20の歯を含み、第2の出力トランスミッションスパーギヤ556bは10の歯を含み、第2の出力駆動シャフトスパーギヤ558bは15の歯を含む。そのように構成されているため、第2の入力駆動シャフト526aの入力回転は、1:6の比で第2の出力駆動シャフト558aの出力回転に変換される。
【0057】
動作の際、外科用器具100の第2のそれぞれの駆動コネクタ120の回転の結果として、第2のコネクタスリーブ560及び第2の入力駆動シャフト526aの回転により、第2の入力駆動シャフトスパーギヤ552aが回転されると、第2の入力駆動シャフトスパーギヤ552aが第1の入力トランスミッションスパーギヤ554aと係合して、第1の入力トランスミッションスパーギヤ554aを回転させる。第1の入力トランスミッションスパーギヤ554aが回転すると、第1のトランスミッションシャフト554が回転され、それにより、第1のトランスミッションシャフト554にキー結合された第1の出力トランスミッションスパーギヤ554bを回転させる。第1の出力トランスミッションスパーギヤ554bが回転すると、第2の入力トランスミッションスパーギヤ556aはそれと係合されているので、第2の入力トランスミッションスパーギヤ556aも同様に回転される。第2の入力トランスミッションスパーギヤ556aが回転すると、第2のトランスミッションシャフト256が回転され、それにより、第2のトランスミッションシャフト556にキー結合された第2の出力トランスミッションスパーギヤ256bを回転させる。第2の出力トランスミッションスパーギヤ556bが回転すると、第2の出力駆動シャフトスパーギヤ558bはそれと係合されているので、第2の出力駆動シャフトスパーギヤ558bも回転される。第2の出力駆動シャフトスパーギヤ558bが回転すると、第2の出力駆動シャフトスパーギヤ558bは第2の出力駆動シャフト558aに係合されているので、第2の出力駆動シャフト558aも回転される。
【0058】
第2のギヤトレーンシステム550を含んだシャフトアセンブリ500は、外科用器具100に対してシャフトアセンブリ500及び/又はエンドエフェクタ501を回転させるために、外科用器具100からエンドエフェクタ501に作動力を伝達するように機能する。
【0059】
図15及び18に示すように、トランスミッションハウジング512及びシャフト結合アセンブリ514は第3の駆動シャフト528を回転可能に支持する。第3の駆動シャフト528は、第3のコネクタスリーブ522を支持するように構成された近位端部528aと、関節アセンブリ570へと延びかつ関節アセンブリに作動的に接続された遠位端部528bとを含んでいる。
【0060】
図14に示すように、シャフトアセンブリ500の細長い外側管状本体510は、第1の半部511aと第2の半部511bとを含んでおり、半部511a、511bは、互いに嵌合されると、外側管状本体510を貫く少なくとも3つの長手方向に延びるチャネルを画定する。チャネルは、第1の出力駆動シャフト546a、第2の出力駆動シャフト558a、及び第3の駆動シャフト528がトランスミッションハウジング512から関節動作ネックアセンブリ530へと延びるときに、第1の出力駆動シャフト546a、第2の出力駆動シャフト558a、及び第3の駆動シャフト528を回転可能に受容及び支持するように構成及び寸法決めされている。第1の出力駆動シャフト546a、第2の出力駆動シャフト558a、及び第3の駆動シャフト528の各々は細長いものであり、またトランスミッションハウジング520から関節運動ネックアセンブリ530へと回転力を伝達するように十分に剛性のあるものである。
【0061】
図14に示すように、シャフトアセンブリ500は、関節動作ネックアセンブリ530を更に含んでいる。関節動作ネックアセンブリ530は、近位ネックハウジング532と、近位ネックハウジング532に接続されかつその近位ネックハウジングから直列に延びる複数のリンク534と、複数のリンク534のうちの最遠位のリンクに接続されかつその最遠位のリンクから延びる遠位ネックハウジング536とを含んでいる。本明細書で開示される態様のいずれにおいても、シャフトアセンブリはエンドエフェクタの関節動作を可能にするための単一のリンク又は枢動部材を有し得ることが企図される。本明細書で開示される態様のいずれにおいても、遠位ネックハウジングが最遠位のリンクに組み込まれ得ることが企図される。
【0062】
以下の開示内容全体が参照により本明細書に組み込まれるものである。すなわち、
2012年10月23日に出願され、「SURGICAL INSTRUMENT WITH RAPID POST EVENT DETECTION」と題された米国特許出願公開第2014/0110453号、
2013年6月19日に出願され、「APPARATUS FOR ENDOSCOPIC PROCEDURES」と題された米国特許出願公開第2013/0282052号、及び
2013年5月10日に出願され、「APPARATUS FOR ENDOSCOPIC PROCEDURES」と題された米国特許出願公開第2013/0274722号である。
【0063】
図19~19Bを参照すると、外科用器具10が示されている。外科用器具10は、多数の点で外科用器具100と類似している。例えば、外科用器具10は、アダプタ200を介してエンドエフェクタ又は使い捨てのローディングユニット若しくはリロード300に選択的に接続されるように構成されている。また、外科用器具10は、下側ハウジング部分104と、中間ハウジング部分106と、上側ハウジング部分108とを含んだハンドルハウジング102を含んでいる。加えて、外科用器具10は、図20に示すように、交換式モータカートリッジ12を更に含んでいる。モータカートリッジ12は、外科用器具10に分離可能に結合可能である。モータカートリッジ12へのアクセスを得るために、モータアクセスドア13(図19)が開放され得る。モータアクセスドア13が開放されると、モータカートリッジ12は取り外され、別のモータカートリッジと交換され得る。
【0064】
以下に更に詳細に説明するように、外科用器具10は、損傷したモータカートリッジ12を検出し、特定の事例では、損傷したモータカートリッジ12を損傷のないモータカートリッジ12と交換するよう外科用器具10の操作者に指示するように構成される。モータカートリッジ12を交換する能力は、損傷したモータカートリッジ12が損傷のないモータカートリッジ12と迅速に交換され得るので、少なくとも、修理の機能性を改善することが可能となるため、極めて有用である。損傷したモータカートリッジ12を交換する能力がない場合、外科用器具10の構成要素の大部分が良好な動作状態にあっても、その外科用器具10は作動不能にされ得る。モータカートリッジ12を交換する能力はまた、新規な製品設計にモジュール性を与え、寿命改善の一部としてのハードウェアアップグレードの導入を簡潔にする上でも有用である。例えば、第1世代のモータカートリッジは、アップグレードされた第2世代のモータカートリッジと容易に交換され得る。モータカートリッジはまた、例えば、同じタイプのモータカートリッジを用いる外科用器具同士の間で取り換えられ得る。
【0065】
モータカートリッジ12は、例えば、少なくとも1つのモータ16及び少なくとも1つのモータ回路基板18などの外科用器具10の高電流構成要素を含むハウジング14を備える。外科用器具10の高電流構成要素は、主制御回路基板19及び様々なフィードバックシステムなどの低電流構成要素と比べて、より損傷を受けやすいので、モータカートリッジ12を交換することによって高電流構成要素を容易に交換できることが望ましい。
【0066】
図21に示すように、モータカートリッジ12は外科用器具10に解放可能に結合される。モータカートリッジ12と外科用器具10とのインターフェース21は、機械的コネクタ22、23、24、及び25によって表される機械的構成要素と、電気的コネクタ26、28、30、及び32によって表される電力/通信伝送構成要素とを備える。少なくとも1つの事例では、主制御回路基板19は、図19Bに示すように、ソケットの形態をなし得る受け器53を備える。受け器53は、例えば、主制御回路基板19を回路基板18及び18’に電気的に結合するために、コネクタ28及び32を受容するように構成され得る。特定の事例では、インターフェース21は、モータカートリッジ12と外科用器具10との結合係合の後に起動され得る1つ又は2つ以上のスイッチを備え得る。様々な好適なコネクタが、参照によってすべての内容が本明細書に組み込まれる、2013年4月16日出願の「Drive system decoupling arrangement for a surgical instrument」と題された米国特許出願公開第2014/0305990号に記載されている。
【0067】
図21に示す態様では、モータカートリッジ12は、別々のモータ制御回路基板18及び18’によって制御される2つのモータ16及び16’を含む。代替的に、モータ16及び16’は1つのモータ制御回路基板によって制御されてもよい。特定の事例では、2つ又は3つ以上の別個のモータカートリッジが外科用器具10に用いられ得るが、ここで各モータカートリッジは、例えば、少なくとも1つのモータと、その少なくとも1つのモータを制御するための少なくとも1つのモータ制御回路基板とを含む。簡潔にするため、以下の説明では、モータ16と制御回路基板18とに焦点を当てることにするが、以下の説明はまた、モータ16’及び制御回路基板18’にも当てはまる。
【0068】
モータ16は、1つ又は2つ以上の駆動装置(例えば、図19Bの回転式駆動コネクタ24)を作動させるように構成された任意の電気モータであってよい。モータ16は、外科用器具10内の電源34によって給電される。電気エネルギーは、インターフェース21を介してモータ16に伝達される。電源34は、DCバッテリ(例えば、充電式の鉛ベース、ニッケルベース、リチウムイオンベースのバッテリなど)、AC/DC変圧器、又はモータ16に電気エネルギーを供給するのに好適な任意の他の電源であってよい。モータカートリッジ12が外科用器具10に結合されると、電源34及びモータ16は、電源34からモータ16への電気エネルギーの流れを含めてモータ16の動作を制御するモータ制御回路18に結合される。
【0069】
図21を参照すると、主制御回路基板19はマイクロコントローラ20(「コントローラ」)を含んでいる。特定の事例では、コントローラ20は、マイクロプロセッサ36(「プロセッサ」)と、1つ又は2つ以上のコンピュータ可読媒体又はメモリユニット38(「メモリ」)とを含んでもよい。特定の事例では、メモリ38は、様々なプログラム命令を格納してもよく、それが実行されると、プロセッサ36によって、本明細書に記載される複数の機能及び/又は計算が行われてもよい。電源34は、例えば、主制御回路基板19のコントローラ20及び/又は他の構成要素に電力を供給するように構成され得る。
【0070】
コントローラ20、及び/又は本開示の他のコントローラは、集積型及び/若しくは離散的なハードウェア要素、ソフトウェア要素、並びに/又は両方の組み合わせを使用して実現されてもよい。集積型ハードウェア要素の例としては、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、集積回路、ASIC、PLD、DSP、FPGA、論理ゲート、レジスタ、半導体素子、チップ、マイクロチップ、チップセット、マイクロコントローラ、SoC、及び/又はSIPが挙げられ得る。離散的なハードウェア要素の例としては、論理ゲート、電界効果トランジスタ、バイポーラトランジスタ、抵抗、コンデンサ、インダクタ、及び/若しくはリレーなど、回路並びに/又は回路素子が挙げられ得る。特定の事例では、コントローラ20は、例えば1枚又は2枚以上の基板上に個別の回路素子又は部品と集積型の回路素子又は部品とを備えるハイブリッド回路を含んでもよい。
【0071】
特定の事例では、コントローラ20、及び/又は本開示の他のコントローラは、例えば、Texas Instrumentsから入手可能なLM 4F230H5QRであってもよい。特定の事例では、Texas InstrumentsのLM4F230H5QRは、容易に利用可能な他の特性の中でも特に、最大40MHz、256KBの単一サイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリと、40MHz超の性能を改善するプリフェッチバッファと、32KBの単一サイクルSRAMと、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部ROMと、2KBのEEPROMと、1つ又は2つ以上のPWMモジュールと、1つ又は2つ以上のQEIアナログと、12のアナログ入力チャネルを備えた1つ又は2つ以上の12ビットADCとを備える、ARM Cortex-M4Fプロセッサコアである。他のマイクロコントローラが、本開示と共に使用するために容易に代用され得る。したがって、本開示は、この文脈に限定されるべきではない。
【0072】
様々な事例において、本明細書に記載の種々の工程のうちの1つ又は2つ以上が、組み合わせ論理回路又は順序論理回路のいずれかを備える有限状態機械によって実施され得るが、ここで、組み合わせ論理回路又は順序論理回路のいずれかが少なくとも1つのメモリ回路に結合される。少なくとも1つのメモリ回路は、有限状態機械の現在の状態を記憶する。組み合わせ又は順序論理回路は、有限状態機械を各工程に移行させるように構成される。順次論理回路は、同期的であっても非同期的であってもよい。他の事例では、本明細書で説明する様々な工程のうちの1つ又は2つ以上が、例えば、プロセッサ36と有限状態機械との組み合わせを含んだ回路によって実施され得る。
【0073】
図22を参照すると、図22は、例えば、モータカートリッジ12の健全性を監視し、検出されたモータカートリッジの機能不良に応答するために、外科用器具10によって実現され得る実行可能な動作を表す論理図70である。モータ起動信号が、外科用器具10のアクチュエータ42からプロセッサ36によって受信され得る(72)。アクチュエータ42は、アクチュエータ42の作動時に回路を閉鎖又は開放するように構成されたスイッチであってもよい。回路の閉鎖又は開放は、アクチュエータ42が作動されていることをプロセッサ36に合図し得る。少なくとも1つの事例では、アクチュエータ42は、例えば、外科用器具10の発射シーケンスを起動するために操作者によって作動され得る発射トリガの形態をなし得る。別の事例では、アクチュエータ42は、例えば、外科用器具10のエンドエフェクタ300を閉鎖するために操作者によって作動され得る閉鎖トリガの形態をなし得る。別の事例では、アクチュエータ42は、例えば、外科用器具10のエンドエフェクタ300を回転させるために操作者によって作動され得る回転トリガの形態をなし得る。
【0074】
起動信号を受信すると、プロセッサ36は、モータ16を起動するようにモータ制御回路基板18に合図し得る(74)。モータカートリッジ12の健全性は、アクチュエータ42が作動されている間、絶えず監視され得る(76)。通常の動作状態では、図21に示すように、モータ16は電源34から電流を引き込み、アクチュエータ42の作動に応答してインターフェース21を通して駆動機構160に伝達される回転運動を発生させる。しかしながら、モータカートリッジ12の機能不良が検出された場合(78)、以下でより詳細に説明するように、1つ若しくは2つ以上の安全及び/又は動作測定が起動され得る(79)。そうでなければ、機能不良が検出されるまで(78)、アクチュエータ42が作動されている間、モータカートリッジの健全性が絶えず監視される(76)。
【0075】
図23を参照すると、図23は、例えば、モータカートリッジ12の健全性を監視し、検出されたモータカートリッジの機能不良に応答するために、外科用器具10によって実現され得る実行可能な動作を表す論理図80である。モータ起動信号が、外科用器具10のアクチュエータ42からプロセッサ36によって受信され得る(82)。起動信号を受信すると、プロセッサ36は、モータ16を起動するようにモータ制御回路基板18に合図し得る(84)。86では、モータカートリッジ12の電流引き込みを監視することにより、アクチュエータ42が作動されている間、モータカートリッジ12の健全性が絶えず監視され得る。図21に示すように、モータカートリッジ12の電流引き込みは、1つ又は2つ以上の電流センサ40によって監視され得る。感知された電流読取り値は、電流センサ40によってプロセッサ36に通信され得る。88では、アクチュエータ42が作動されている間に、モータカートリッジ12の電流引き込みが所定値又は範囲外になると、プロセッサ36は、モータカートリッジ12の機能不良が検出されたと判断し得る(88)。モータカートリッジ12の機能不良が検出された場合(88)、以下でより詳細に説明するように、1つ若しくは2つ以上の安全及び/又は動作測定が起動され得る(89)。そうでなければ、機能不良が検出されるまで(88)、アクチュエータ42が作動されている間、モータカートリッジの健全性が絶えず監視される(86)。
【0076】
所定の値又は範囲は、例えばメモリ38に記憶され得る。所定の範囲がメモリ38に記憶されている場合、プロセッサ36はメモリ38にアクセスして、電流センサ40の電流読取り値、又は複数の電流読取り値の平均値を所定の範囲と比較し得る。電流読取り値が所定の範囲の最大値以上である場合、プロセッサ36は、モータカートリッジ12の機能不良が検出されたと判断し得る(88)。また、電流読取り値が所定の範囲の最小値以下である場合、プロセッサ36は、モータカートリッジ12の機能不良が検出されたと判断し得る(88)。
【0077】
同様に、記憶値がメモリ38に記憶されている場合、プロセッサ36はメモリ38にアクセスして、電流センサ40の電流読取り値、又は複数の電流読取り値の平均値を所定の範囲と比較し得る。電流読取り値が、例えば所定値以上であるか、又は例えば所定値以下である場合、プロセッサ36は、モータカートリッジ12の機能不良が検出されたと判断し得る(88)。
【0078】
少なくとも1つの事例では、プロセッサ36は、モータカートリッジ12の電流引き込みが、アクチュエータ42が起動されている間に、所定値の10%以下となった場合、モータカートリッジ12の機能不良が検出されたと判断し得る。少なくとも1つの事例では、プロセッサ36は、モータカートリッジ12の電流引き込みが、アクチュエータ42が起動されている間に、所定値の20%以下となった場合、モータカートリッジ12の機能不良が検出されたと判断し得る。少なくとも1つの事例では、プロセッサ36は、モータカートリッジ12の電流引き込みが、アクチュエータ42が作動されている間に、所定値の150%以上となった場合、モータカートリッジ12の機能不良が検出されたと判断し得る。少なくとも1つの事例では、プロセッサ36は、モータカートリッジ12の電流引き込みが、アクチュエータ42が作動されている間に、所定値の200%以上となった場合、モータカートリッジ12の機能不良が検出されたと判断し得る。
【0079】
上記に示したように、プロセッサ36は、1つ若しくは2つ以上の安全及び/又は動作測定を起動する(79及び89)ことによって、検出されたモータカートリッジ12の機能不良に応答するように構成され得る。例えば、プロセッサ36は、外科用器具100の操作者に警告を発するために、1つ又は2つ以上のフィードバック要素44を用いてもよい。特定の事例では、フィードバック要素44は、例えば表示画面、バックライト、及び/又はLEDなど、1つ又は2つ以上の視覚フィードバックシステムを備えてもよい。特定の事例では、フィードバック要素44は、例えばスピーカ及び/又はブザーなど、1つ又は2つ以上の音声フィードバックシステムを備えてもよい。特定の事例では、フィードバック要素44は、例えば、1つ又は2つ以上の触覚フィードバックシステムを備えてもよい。特定の事例では、フィードバック要素44は、例えば、視覚、音声、及び/又は触覚フィードバックシステムの組み合わせを備えてもよい。
【0080】
上記に加えて、プロセッサ36は、例えばモータカートリッジ12を交換する方法について操作者に指示を与えるために、外科用器具10のフィードバック表示画面46(図19B)を用いてもよい。加えて、プロセッサ36は、モータカートリッジ12の損傷ステータスをメモリ38に記憶又は記録することによって、検出されたモータカートリッジ12の機能不良に応答してもよい。
【0081】
少なくとも1つの事例では、プロセッサ36は、損傷したモータカートリッジ12が損傷のないモータカートリッジと交換されるまで、外科用器具10を使用不能にしてもよい。例えば、メモリ38はプログラム命令を含んでもよく、そのプログラム命令は、検出されたモータカートリッジ12の機能不良に応答してプロセッサ36によって実行されると、損傷したモータカートリッジ12が交換されるまで、プロセッサ36にアクチュエータ42からの入力を無視させ得るものである。以下でより詳細に説明するように、モータカートリッジ12が交換されたときにプロセッサ36に警告するために、モータカートリッジ交換フィードバック要素58が用いられてもよい。
【0082】
主として図19A及び21を参照すると、外科用器具10はモータアクセスドア13を含み得る。モータアクセスドア13は、モータカートリッジ12へのアクセスを制御するために、ハンドルハウジング102に解放可能にロックされ得る。図19Aに示すように、モータアクセスドア13は、例えば、ハンドルハウジング102とロッキング係合するためのスナップタイプのロッキング機構47などのロッキング機構を含んでもよい。モータアクセスドア13をハンドルハウジング102にロッキングするための他のロッキング機構も本開示によって企図される。使用の際、臨床医は、ロッキング機構47をロック解除し、モータアクセスドア13を開放することによって、モータカートリッジ12へのアクセスを獲得し得る。少なくとも1つの事例では、モータアクセスドア13は、例えば、ハンドルハウジング102に分離可能に結合されてもよく、また、モータアクセスドア13へのアクセスをもたらすために、ハンドルハウジング102から取り外されてもよい。別の例では、モータアクセスドア13は、例えば、ヒンジ(図示せず)を介してハンドルハウジング102に枢動的に結合されてもよく、また、モータアクセスドア13へのアクセスをもたらすために、ハンドルハウジング102に対して枢動されてもよい。更に別の例では、モータアクセスドア13は、モータアクセスドア13へのアクセスをもたらすために、ハンドルハウジング102に対してスライド可能に移動可能となり得るスライド式ドアであってもよい。
【0083】
再び図21を参照すると、特定の事例では、モータドアフィードバック要素48は、ロッキング機構47がロック解除されていることをプロセッサ36に警告するように構成され得る。少なくとも1つの例では、モータドアフィードバック要素48は、プロセッサ36に動作可能に結合されたスイッチ回路(図示せず)を備えてもよく、そのスイッチ回路は、例えば、ロッキング機構47が臨床医によってロック解除されたときには開放構成に遷移され、かつ/又は、ロッキング機構47が臨床医によってロックされたときには閉鎖構成に遷移されるように構成され得る。少なくとも1つの例では、モータドアフィードバック要素48は、プロセッサ36に動作可能に結合された少なくとも1つのセンサ(図示せず)を備えてもよく、そのセンサは、例えば、ロッキング機構47が臨床医によってロック解除及び/又はロック構成に遷移されたときにトリガされるように構成され得る。モータドアフィードバック要素48は、臨床医によるロッキング機構47のロッキング及び/又はロック解除を検出するための他の手段を含んでもよい。
【0084】
図21及び24を参照すると、コントローラ20は、ファームウェア、ソフトウェア、ハードウェア、又はそれらの任意の組み合わせとして実装される1つ又は2つ以上の埋め込みアプリケーションを含んでもよい。特定の事例では、コントローラ20は、例えば、ソフトウェア、プログラム、データ、ドライバ、及び/又はアプリケーションプログラムインターフェース(API)などの様々な実行可能モジュールを備え得る。図24は、例えばメモリ38に記憶され得る例示的なモジュール50を示している。モジュール50は、例えば、モータカートリッジ12を交換することに関して、外科用器具10のユーザに対して警告し、案内し、かつ/又はフィードバックを提供するために、プロセッサ36によって実行され得る。
【0085】
図24に示すように、モジュール50は、例えばモータカートリッジ12を交換する方法に関する指示をユーザに提供するために、プロセッサ36によって実行される。様々な事例において、モジュール50は、例えば、モータカートリッジ12の交換を必要とする1つ又は2つ以上のエラーの検出に関する意思決定工程52など、1つ又は2つ以上の意思決定工程を含んでよい。少なくとも1つの事例では、上記で更に詳細に説明したように、プロセッサ36は、例えば、モータカートリッジ12の電流引き込みが、アクチュエータ42が作動されている間、所定の範囲外であるとき、モータカートリッジ12の交換を必要とするエラーを検出するように構成される。
【0086】
プロセッサ36が意思決定工程52においてエラーを検出したとき、プロセッサ36は、例えば、モータ16を停止及び/又は無効化することによって応答し得る。加えて、特定の事例では、プロセッサ36はまた、図25に示すように、モータカートリッジのエラーを検出した後、モータカートリッジ12の損傷ステータスをメモリ38に記憶してもよい。上記で説明したように、メモリ38は、例えば、外科用器具10がユーザによってリセットされるときに、記憶されたステータスを保存し得る不揮発性メモリであってもよい。様々な事例において、モータ16は、例えば、電源34をモータ16から切断することによって、停止及び/又は無効化され得る。様々な事例において、主制御回路基板19は、例えば、モータカートリッジ12への電力供給を停止するためにプロセッサ36によって用いられ得るモータオーバーライド回路を含んでもよい。モータ16を停止させかつ/又はモータカートリッジ12への電力供給を停止する工程は、例えば、外科用器具10に更なる損傷を与える可能性を防止するか又は少なくとも低減する上で有利となり得る。
【0087】
上記に加えて、依然として図24を参照すると、モジュール50は、モータアクセスドア13が取り外されているか否かを検出するための意思決定工程54を含んでもよい。上記で説明したように、プロセッサ36は、モータアクセスドア13が取り外されているか否かに関してプロセッサ36に警告するように構成され得るモータドアフィードバック要素48に作動的に結合され得る。特定の事例では、プロセッサ36は、例えば、ロッキング機構47がロック解除されたことをモータドアフィードバック要素48が報告したときに、モータアクセスドア13が取り外されたことを検出するようにプログラムされ得る。特定の事例では、プロセッサ36は、例えば、モータアクセスドア13が開放されたことをモータドアフィードバック要素48が報告したときに、モータアクセスドア13が取り外されたことを検出するようにプログラムされ得る。特定の事例では、プロセッサ36は、例えば、ロッキング機構47がロック解除されたこと及びモータアクセスドア13が開放されたことをモータドアフィードバック要素48が報告したときに、モータアクセスドア13が取り外されたことを検出するようにプログラムされ得る。
【0088】
依然として図24を参照すると、プロセッサ36がモータカートリッジエラーを意思決定工程52において検出せず、またモータアクセスドア13が取り外されたことを意思決定工程54において検出しないとき、プロセッサ36は、外科用器具10の通常の動作を中断することができず、また様々な臨床アルゴリズムを進め得る。しかしながら、プロセッサ36は、モータカートリッジ12の交換を必要とするエラーを引き続き検出し得る。
【0089】
特定の事例では、プロセッサ36がモータカートリッジエラーを意思決定工程52において検出しないが、モータアクセスドア13が取り外されたことを意思決定工程54において検出したとき、プロセッサ36は、上記で説明したように、モータ16を停止及び/又は無効化することによって応答し得る。加えて、プロセッサ36はまた、モータアクセスドア13を再度取り付けるための指示をユーザに提供し得る。特定の事例では、モータカートリッジエラーが検出されていない間に、モータアクセスドア13が再度取り付けられたことをプロセッサ36が検出すると、プロセッサ36は、図24に示すように、モータ16に電力を再接続し、ユーザに臨床アルゴリズムを継続させるように構成され得る。
【0090】
上記に加えて、プロセッサ36がモータカートリッジエラーを検出し、モータアクセスドア13の取外しを更に検出したとき、プロセッサ36は、例えば、視覚、聴覚、及び/又は触覚フィードバックをユーザに提供することによって、モータカートリッジ12を交換するようにユーザに合図し得る。特定の事例では、プロセッサ36は、フィードバック表示画面46のバックライトを点滅させることによって、モータカートリッジ12を交換するように外科用器具10のユーザに合図し得る。いずれの場合も、プロセッサ36は、図24に示すように、モータカートリッジ12を交換するための指示をユーザに提供し得る。
【0091】
再び図24を参照すると、様々な事例において、モータアクセスドア13を取り外すため、及び/又はモータカートリッジ12を交換するためにプロセッサ36によってユーザに提供される指示は、1つ又は2つ以上の工程を含み得るが、それらの工程は年代順にユーザに提示され得る。それらの工程は、ユーザによって実施されるべき処置を含み得る。そのような事例では、ユーザは、各工程で提示された処置を実施することによって工程を進め得る。特定の事例では、各工程のうちの1つ又は2つ以上で必要とされる処置は、例えば、フィードバック表示画面46(図19B)上に表示されるアニメーション画像の形態でユーザに提示され得る。特定の事例では、各工程のうちの1つ又は2つ以上は、言葉、記号、及び/又は画像を含み得るメッセージとしてユーザに提示され得る。
【0092】
上記に加えて、依然として図24を参照すると、モジュール50は、モータカートリッジ12が交換されたか否かを検出するための意思決定工程56を含んでもよい。少なくとも1つの事例では、外科用器具10のユーザは、例えば、ユーザフィードバック要素44のうちの1つ又は2つ以上を使用して、モータカートリッジ12が交換されたときに、プロセッサ36に警告するように要求される。代替的に、図21に示すように、プロセッサ36は、モータカートリッジ12が交換されているときにプロセッサ36に警告するように構成され得るモータカートリッジ交換フィードバック要素58に作動的に結合され得る。少なくとも1つの事例では、モータカートリッジ交換フィードバック要素58は、モータカートリッジ12が取り外されかつ/又は交換されたときにプロセッサ36に警告するために、モータカートリッジ12が取り外されかつ/又は交換されたときにトリガされ得る1つ若しくは2つ以上のセンサ及び/又はスイッチを含む。
【0093】
少なくとも1つの事例では、モータカートリッジ交換フィードバック要素58は、外科用器具10とモータカートリッジ12との間のインターフェース21に配置された圧力センサを含む。プロセッサ36は、モータカートリッジ12が取り外されかつ/又は交換されたことを検出するために、モータカートリッジ交換フィードバック要素58の圧力センサを用いるように構成され得る。少なくとも1つの事例では、プロセッサ36は、モータカートリッジ12が外科用器具10内に設置されているときに、閾値設定の圧力読取り値を検出するために、モータカートリッジ交換フィードバック要素58の圧力センサを用いるように構成され得る。閾値設定の圧力読取り値は、メモリ38に記憶され得る所定の閾値を設定するために用いられ得る。代替的に、所定の閾値は、圧力センサによって取得されたいかなる読取り値とも独立に計算され、メモリ36に記憶され得る。
【0094】
上記に加えて、プロセッサ36は、モータカートリッジ交換フィードバック要素58の圧力センサによって検出された1つ又は2つ以上の圧力読取り値が所定の閾値以下であるとき、取り付けられたモータカートリッジ12が取り外されたと判断するように構成され得る。プロセッサ36はまた、例えば、モータカートリッジ交換フィードバック要素58の圧力センサによって後に検出された圧力読取り値が所定の閾値以上になったとき、交換モータカートリッジ12が取り付けられたと判断するように構成され得る。
【0095】
上記に加えて、依然として図24を参照すると、モータカートリッジ12が交換されたと判断されると、プロセッサ36は、モータアクセスドア13を再度取り付けるようにユーザに指示するように構成され得る。モータアクセスドア13が取り付けられていることが後に検出されると、プロセッサ36は、取り付けられた交換モータカートリッジ12への電力伝送を可能にするように構成され得る。特定の事例では、プロセッサ36は、正常に取り付けられた交換モータカートリッジ12を使用すること及び/又は外科用器具10が様々な臨床アルゴリズムを継続する準備が整ったことを警告するために、ユーザフィードバック要素44のうちの1つ又は2つ以上を用いるように更に構成される。
【0096】
様々な事例において、モータアクセスドア13は、ハンドルハウジング102にモータカートリッジ12を固定するように構成されたモータアクセス部材又はモータ固定部材と置き換えられ得る。代替的に、例えば、ハンドルハウジング102からモータカートリッジ12を引っ張るか又は後退させることによって、モータカートリッジ12が外科用器具10から容易に取り外され得るか又は分離され得るように、モータアクセスドア13は、完全に取り外されても、モータカートリッジ12のハウジング14に組み込まれてもよい。少なくとも1つの事例では、モータアクセスドアがない場合、モータカートリッジ12のハウジング14の外壁59(図20)は、モータカートリッジ12が外科用器具10に取り付けられたときに外科用器具10のハンドルハウジング102の外壁の一部分を形成するように構成され得る。そのような事例では、外壁59は、例えば、外科用器具のユーザによって握持され、モータカートリッジ12をハンドルハウジング102から分離するのを支援するために引っ張られ得るアタッチメント部分(図示せず)を含み得る。
【0097】
図25は、例えばメモリ38に記憶され得る例示的なモジュール60を示している。モジュール60は、多数の点でモジュール50と類似している。例えば、モジュール60はまた、例えば、モータカートリッジ12を交換することに関して、外科用器具10のユーザに対して警告し、案内し、かつ/又はフィードバックを提供するために、プロセッサ36によって実行され得るが、しかしながら、モジュール60は、モータアクセスドア機構が使用されないときに実装される。
【0098】
図24に示すように、モジュール50は、例えばモータカートリッジ12を交換する方法に関する指示をユーザに提供するために、プロセッサ36によって実行される。様々な事例において、モジュール50は、例えば、モータカートリッジ12の交換を必要とする1つ又は2つ以上のエラーの検出に関する意思決定工程52など、1つ又は2つ以上の意思決定工程を含んでよい。少なくとも1つの事例では、上記でより詳細に説明したように、プロセッサ36は、例えば、モータカートリッジ12の電流引き込みが、アクチュエータ42が起動されている間、所定の範囲外であるとき、モータカートリッジ12の交換を必要とするエラーを検出するように構成される。
【0099】
モジュール50と同様に、モジュール60はまた、例えば、モータカートリッジ12の交換を必要とする1つ又は2つ以上のエラーの検出に関する意思決定工程52など、1つ又は2つ以上の意思決定工程を含んでいる。プロセッサ36が意思決定工程52においてエラーを検出したとき、プロセッサ36は、例えば、モータ16を停止及び/又は無効化することによって応答し得る。加えて、特定の事例では、プロセッサ36はまた、図25に示すように、モータカートリッジのエラーを検出した後、モータカートリッジ12の損傷ステータスをメモリ38に記憶してもよい。
【0100】
上記に加えて、プロセッサ36がモータカートリッジエラーを検出すると、プロセッサ36は、例えば、視覚、聴覚、及び/又は触覚フィードバックをユーザに提供することによって、モータカートリッジ12を交換するようにユーザに合図し得る。特定の事例では、プロセッサ36は、フィードバック表示画面46のバックライトを点滅させることによって、モータカートリッジ12を交換するように外科用器具10のユーザに合図し得る。いずれの場合も、プロセッサ36は、図25に示すように、モータカートリッジ12を交換するための指示をユーザに提供し得る。更に、モジュール60は、上記でより詳細に説明したように、モータカートリッジ12が交換されたか否かを検出するための意思決定工程56を含んでいる。加えて、モータカートリッジ12が交換されたと判断されると、プロセッサ36は、取り付けられた交換モータカートリッジ12への電力伝送を可能にするように構成され得る。プロセッサ36は、交換モータカートリッジ12が正常に取り付けられたことをユーザに警告するために、ユーザフィードバック要素44のうちの1つ又は2つ以上を用いるように更に構成され得る。
【0101】
様々な詳細が先の説明で記述されているが、分離形のモータとモータ制御回路とを備えた外科用器具の様々な態様がこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることを理解されたい。例えば、簡潔かつ明確にするために、選択された態様は、詳細に示すのではなく、ブロック図で示されている。本明細書に示した詳細な説明のいくつかの部分は、コンピュータメモリに格納されたデータに対して動作する命令という点で提示され得る。そのような説明及び表現は、当業者によって、自身の仕事の内容を当該技術分野の他者に説明及び伝達するために使用されているものである。一般に、アルゴリズムとは、所望の結果につながる工程の自己無撞着シーケンスを指し、「工程」とは、必ずしも必要ではないが、記憶、伝達、結合、比較及び別様に操作されることが可能な電気又は磁気信号の形態をとることができる物理量の操作を指す。これらの信号を、ビット、値、要素、記号、文字、用語、番号などで参照することが一般的な扱い方である。これらの及び類似の用語は、適切な物理量と関連付けられてもよく、また単に、これらの物理量に当てはめられる便利なラベルである。
【0102】
別段の明確な定めがない限り、前述の議論から明らかなように、説明の全体を通じて、「処理する」又は「計算する」又は「算出する」又は「決定する」又は「表示する」などの用語を使用する議論は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内で物理(電子的)量として表現されるデータを、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ又はそのような情報記憶、伝送若しくは表示装置内で物理量として同様に表現される他のデータへと操作し変換する、コンピュータシステム又は類似の電子計算装置の動作及び処理を指していることが理解されよう。
【0103】
「一態様」又は「態様」への言及は、その態様と関連して記載される、特定の機構、構造、又は特性が、少なくとも一態様に含まれていることを意味することは特記に値する。したがって、明細書を通して多くの場所に出現する、「一態様において」、又は「ある態様において」という表現、必ずしも同じ態様を指しているわけではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ又は2つ以上の態様において任意の適当な形で組み合わせることができる。
【0104】
様々な態様について本明細書で述べたが、これらの態様に対する多くの改変例、変形例、代替例、変更例及び同等物を実施することが可能であり、また、当業者には想到されるであろう。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、他の材料が使用されてもよい。したがって、上記の説明文及び添付の「特許請求の範囲」は、すべてのそのような改変例及び変形例を、開示された態様の範囲に含まれるものとして網羅することを目的としたものである点を理解されたい。以下の「特許請求の範囲」は、すべてのそのような改変例及び変形例を網羅することを目的としたものである。
【0105】
本明細書で説明する態様の一部又はすべてが、分離形のモータとモータ制御回路とを備えた外科用器具のための技法あるいは本明細書で説明した技法に従う技法を一般に含み得る。一般的な意味で、多様なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はそれらの任意の組み合わせによって、個々にかつ/又は共同して実装することができる、本明細書で説明する様々な態様を、様々な種類の「電気回路」から構成されるものと見なすことができることを、当業者には理解されよう。その結果として、本明細書で使用されるとき、「電気回路」は、限定するものではないが、少なくとも1つの個々の電気回路を有する電気回路、少なくとも1つの集積回路を有する電気回路、少なくとも1つの専用集積回路を有する電気回路、コンピュータプログラムで構成された汎用コンピューティングデバイス(例えば、本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムで構成された汎用コンピュータ、又は、本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムで構成されたマイクロプロセッサ)を形成する電気回路、メモリデバイスを形成する(例えばランダムアクセスメモリを形成する)電気回路、及び/又は、通信装置(例えばモデム、通信スイッチ又は光学的-電気的設備)を形成する電気回路を含む。本明細書で述べた主題は、アナログ若しくはデジタルの形式又はそれらのいくつかの組み合わせで実現されてもよいことを、当業者には理解されよう。
【0106】
上記の詳細な説明は、ブロック図、フローチャート及び/又は実施例を用いてデバイス及び/又はプロセスの様々な態様について記載してきた。そのようなブロック図、フローチャート及び/又は実施例が、1つ若しくは2つ以上の機能及び/又は動作を含む限り、当業者に理解されたいこととして、そのようなブロック図、フローチャート又は実施例に含まれる各機能及び/又は動作は、多様なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの事実上任意の組み合わせによって、個々にかつ/又は共同に実装することができる。一態様では、本明細書に記載される主題のいくつかの部分は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又は他の集積型の形式で実装されてもよい。しかしながら、当業者に理解されたいこととして、その全部か一部かを問わず、本明細書で開示される態様のうちのいくつかの態様は、1台又は2台以上のコンピュータ上で稼働する1つ又は2つ以上のコンピュータプログラムとして(例えば、1台又は2台以上のコンピュータシステム上で稼働する1つ又は2つ以上のプログラムとして)、1つ又は2台以上のプロセッサ上で稼働する1つ又は2台以上のプログラムとして(例えば、1つ又は2台以上のマイクロプロセッサ上で稼働する1つ又は2台以上のプログラムとして)、ファームウェアとして、あるいは、それらの実質的に任意の組み合わせとして、集積回路において等価に実現され得、また、回路を設計すること、並びに/又はソフトウェア及び/若しくはファームウェアのコードを記述することは、本開示を鑑みれば当業者の技能の範囲内に含まれる。加えて、本明細書に記載される主題の機構は、多様な形式でプログラム製品として配布されることが可能であり、本明細書に記載される主題の例示的な態様は、配布を実際に行うために使用される信号搬送媒体の特定の種類にかかわらず用いられることが、当業者には理解されよう。信号搬送媒体の例としては、フロッピーディスク、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、デジタルテープ、コンピュータメモリなどの記録可能型の媒体と、デジタル及び/又はアナログ通信媒体(例えば、光ファイバケーブル、導波管、有線通信リンク、無線通信リンク(例えば、送信機、受信機、送信ロジック、受信ロジックなど)など)などの伝送型の媒体と、が挙げられるが、これらに限定されない。
【0107】
すべての上述した米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、本明細書で引用された及び/若しくは任意の出願データシートに列挙された非特許刊行物又は任意のその他の開示文献は、本明細書と矛盾しない範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれるものとするが、既存の定義、記載又は本明細書に記載される他の開示文献と矛盾する任意の文献又はそれらの部分は、組み込まれた文献と既存の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ組み込まれるものとする。
【0108】
本明細書に記載される要素(例えば、動作)、装置、目的及びそれらに伴う考察は、構想を明らかにするための例として使用され、様々な構成の修正が想到されることが、当業者には認識されるであろう。その結果として、本明細書で使用されるとき、説明した特定の例及びそれらに伴う考察は、より一般的な種類を代表することを意図したものである。一般に、任意の特定の代表例を用いることは、その種類を代表することを意図したものであり、また、特定の要素(例えば、動作)、装置、及び目的を含めないことは、限定と見なされるべきではない。
【0109】
本明細書における実質的にすべての複数形及び/又は単数形の用語の使用に関して、当業者であれば、文脈及び/又は用法に則して複数形から単数形に、及び/又は単数形から複数形に読み替えることが可能である。様々な単数形/複数形の置換えは、簡潔にするため、本明細書では明示的には記述されない。
【0110】
本明細書に記載する主題はときに、種々のその他の要素の中に含められた、又はそれらと結合された種々の要素を示す。理解されたいこととして、そのように表現したアーキテクチャは単に例示的なものであり、実際に、同じ機能性を達成する多くのその他のアーキテクチャが実現され得る。構想の意味で、同じ機能性を達成する要素の任意の構成配置は、所望の機能性が達成されるように効果的に「関連付け」られる。したがって、特定の機能性を達成するように組み合わされた本明細書での任意の2つの要素は、アーキテクチャ又は中間要素にかかわらず、所望の機能性が達成されるように互いと「関連付け」られていると見なすことができる。同様に、そのように関連付けられた任意の2つの要素はまた、所望の機能性を達成するように互いに「動作可能に接続」又は「動作可能に連結」されているものと見なすことができ、そのように関連付けることが可能な任意の2つの要素はまた、所望の機能性を達成するように互いに「動作可能に連結可能」であると見なすことができる。動作可能に連結可能であることの特定の例としては、物理的に噛み合い可能なかつ/若しくは物理的に相互作用するコンポーネント、並びに/又は無線式で相互作用可能なかつ/若しくは無線式で相互作用するコンポーネント、並びに/又は論理的に相互作用する、及び/若しくは論理的に相互作用可能なコンポーネントが挙げられるが、それらに限定されない。
【0111】
いくつかの態様は、「連結された」及び「接続された」という表現を、それらの派生語と共に使用して記載されることがある。これらの用語は、互いに同義語であることは意図されないことを理解されたい。例えば、いくつかの態様は、2つ又は3つ以上の要素が互いに直接物理的又は電気的に接触していることを示すため、「接続された」という用語を使用して記載されることがある。別の例では、いくつかの態様は、2つ又は3つ以上の要素が直接物理的又は電気的に接触していることを示すため、「連結された」という用語を使用して記載されることがある。しかしながら、「連結された」という用語はまた、2つ又は3つ以上の要素が互いに直接接触はしないが、依然として互いに協働又は相互作用することを意味することがある。
【0112】
場合によっては、1つ又は2つ以上の要素が、本明細書において、「ように構成される」、「ように構成可能である」、「ように動作可能である/動作する」、「適合される(adapted)/適合可能である」、「ことが可能である」、「ように適合可能である/適合される(conformed)」などと言及されることがある。当業者は、「ように構成される」は一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、アクティブ状態の要素及び/又は非アクティブ状態の要素及び/又はスタンドバイ状態の要素を包含し得ることを理解するであろう。
【0113】
本明細書に記述する主題の特定の態様が図示され記載されてきたが、本明細書の教示に基づいて、本明細書に記述する主題及びそのより広範な態様から逸脱することなく、変更及び修正が行われることができ、したがって添付の「特許請求の範囲」は、すべてのかかる変更及び修正を、本明細書に記述する主題の真の趣旨及び範囲内にあるものとして、その範囲内に包含するものであることが、当業者には明白となるであろう。一般に、本明細書で使用され、かつ特に添付の「特許請求の範囲」(例えば、添付の「特許請求の範囲」の本文)で使用される用語は、概して「開放的」用語として意図されるものである(例えば、「含む(including)」という用語は、「~を含むが、これらに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、「有する(having)」という用語は「~を少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は「~を含むが、これらに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきであるなど)ことが、当業者には理解されるであろう。更に、導入されたクレーム記載(introduced claim recitation)において特定の数が意図される場合、かかる意図は当該クレーム中に明確に記載され、またかかる記載がない場合は、かかる意図は存在しないことが、当業者には理解されるであろう。例えば、理解を助けるものとして、後続の添付の「特許請求の範囲」は、「少なくとも1つの(at least one)」及び「1つ又は2つ以上の(one or more)」という導入句を、クレーム記載を導入するために含むことがある。しかしながら、かかる句の使用は、「a」又は「an」という不定冠詞によってクレーム記載を導入した場合に、たとえ同一のクレーム内に「1つ又は2つ以上の」又は「少なくとも1つの」といった導入句及び「a」又は「an」という不定冠詞が含まれる場合であっても、かかる導入されたクレーム記載を含むいかなる特定のクレームも、かかる記載事項を1つのみ含むクレームに限定されると示唆されるものと解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は通常、「少なくとも1つの」又は「1つ又は2つ以上の」を意味するものと解釈されるべきである)。定冠詞を使用してクレーム記載を導入する場合にも、同様のことが当てはまる。
【0114】
加えて、導入されたクレーム記載において特定の数が明示されている場合であっても、かかる記載は、通常、少なくとも記載された数を意味するものと解釈されるべきであることが、当業者には認識されるであろう(例えば、他に修飾語のない、単なる「2つの記載事項」という記載がある場合、一般的に、少なくとも2つの記載事項、又は2つ又は3つ以上の記載事項を意味する)。更に、「A、B、及びCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が用いられる場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとCのすべてなどを有するシステムを含む)。「A、B、又はCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が用いられる場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとCのすべてなどを有するシステムを含む)。更に、典型的には、2つ又は3つ以上の選択的な用語を表すあらゆる選言的な語及び/又は句は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、説明文内であろうと、特許請求の範囲内であろうと、あるいは図面内であろうと、それら用語のうちの1つ、それらの用語のうちのいずれか、又はそれらの用語の両方を含む可能性を意図すると理解されるべきであることが、当業者には理解されるであろう。例えば、「A又はB」という句は、典型的には、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むものと理解されるであろう。
【0115】
添付の「特許請求の範囲」に関して言えば、当業者は、本明細書における引用した動作は一般に、任意の順序で実施され得ることを理解するであろう。また、様々な動作上の流れがシーケンスの形で提示されているが、様々な動作は、例示した以外の順序で行われてもよく、又は同時に行われてもよいことが理解されるべきである。かかる代替の順序付けの例は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、重複、交互配置、割込み、再順序付け、増加的、予備的、追加的、同時、逆又は他の異なる順序付けを含んでもよい。更に、「~に応答する」、「~に関連する」といった用語、又は他の過去時制の形容詞は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、かかる変化形を除外することが意図されるものではない。
【0116】
特定の場合には、コンポーネントが領域の外に位置している場合であっても、システム又は方法の使用がその領域で起こってもよい。例えば、分散コンピューティングの文脈において、システムの一部分が領域の外に位置している可能性があっても(例えば、継電器、サーバ、プロセッサ、信号搬送媒体、送信コンピュータ、受信コンピュータなどが領域の外に位置している)、分散コンピューティングシステムの使用はその領域で起こってもよい。
【0117】
システム又は方法のコンポーネントが領域の外に位置するかつ/又は外で使用される場合であっても、システム又は方法の売買は同様にその領域で起こってもよい。更に、1つの領域で方法を実行するためにシステムの少なくとも一部分を実現することは、システムを別の領域で使用することを排除しない。
【0118】
様々な態様について本明細書で述べたが、これらの態様に対する多くの改変例、変形例、代替例、変更例及び同等物を実施することが可能であり、また、当業者には想到されるであろう。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、他の材料が使用されてもよい。したがって、上記の説明文及び添付の「特許請求の範囲」は、すべてのそのような改変例及び変形例を、開示された態様の範囲に含まれるものとして網羅することを目的としたものである点を理解されたい。以下の「特許請求の範囲」は、すべてのそのような改変例及び変形例を網羅することを目的としたものである。
【0119】
要約すると、本明細書に記載した構想を用いる結果として得られる多くの利益が記載されてきた。1つ又は2つ以上の態様の上述の記載は、例示及び説明を目的として提示されているものである。包括的であることも、開示された厳密な形態に限定することも意図されていない。上記の教示を鑑みて、修正又は変形が可能である。1つ又は2つ以上の態様は、原理及び実際の応用について例示し、それによって、様々な態様を様々な修正例と共に、想到される特定の用途に適するものとして当業者が利用できるようにするために、選択され記載されるものである。本明細書と共に提示される特許請求の範囲が全体的な範囲を定義することが意図される。
【0120】
本明細書に記載される主題の様々な態様は、以下の付番された項目において説明される。
1.外科用器具であって、ジョーアセンブリであって、複数のステープルを含んだステープルカートリッジと、アンビルと、を備え、前記ステープルカートリッジと前記アンビルの少なくとも一方は、前記ステープルカートリッジと前記アンビルとの間に組織を捕捉するために前記ステープルカートリッジと前記アンビルのもう一方に対して移動可能である、ジョーアセンブリと、発射シーケンスの間に、前記捕捉された組織の中に前記複数のステープルを配備するように構成された発射アセンブリと、
ハンドルであって、アクチュエータと、インターフェースと、を備える、ハンドルと、モータカートリッジであって、前記インターフェースは前記ハンドルに前記モータカートリッジを解放可能に結合するように構成され、前記モータカートリッジは、
前記モータカートリッジが前記ハンドルに結合されているときに、前記発射アセンブリに動作可能に結合される電気モータと、
モータ制御回路であって、前記アクチュエータの作動に応答して、前記捕捉された組織の中に前記複数のステープルを配備するように前記発射アセンブリを誘導するために、前記電気モータに少なくとも1つの回転運動を発生させるように構成されている、モータ制御回路と、を備える、モータカートリッジと、
コントローラであって、
プロセッサと、
プログラム命令を記憶するコンピュータ可読記憶装置であって、該プログラム命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、前記モータカートリッジの機能不良を検出させる、プログラム命令を記憶するコンピュータ可読記憶装置と、を備える、コントローラと、を備える、外科用器具。
2.前記コンピュータ可読記憶装置はメモリである、項目1に記載の外科用器具。
3.前記プログラム命令は、実行されると、前記プロセッサに更に、前記モータカートリッジの前記機能不良を検出した後に、前記モータカートリッジの損傷ステータスを前記メモリに記憶させる、項目1又は2に記載の外科用器具。
4.少なくとも1つのユーザフィードバック要素を更に備え、前記プログラム命令は、実行されると、前記プロセッサに更に、前記機能不良をユーザに警告するために前記少なくとも1つのユーザフィードバック要素を用いさせる、項目1~3のいずれか一項目に記載の外科用器具。
5.前記プログラム命令は、実行されると、前記プロセッサに更に、前記モータカートリッジを交換するための指示を前記ユーザに提供するために前記少なくとも1つのユーザフィードバック要素を用いさせる、項目4に記載の外科用器具。
6.電源を更に備え、前記プログラム命令は、実行されると、前記プロセッサに更に、前記モータカートリッジの前記機能不良を検出した後に、前記電源から前記モータカートリッジへの電力伝送を停止させる、項目1~5のいずれか一項目に記載の外科用器具。
7.電流センサを更に備え、前記プログラム命令は、実行されると、前記プロセッサに、前記モータカートリッジの前記機能不良の前記検出の際に前記電流センサを用いさせる、項目1~6のいずれか一項目に記載の外科用器具。
8.モータカートリッジ交換フィードバック要素を更に備え、前記プログラム命令は、実行されると、前記プロセッサに、前記モータカートリッジの交換を検出するために前記モータカートリッジ交換フィードバック要素を用いさせる、項目1~7のいずれか一項目に記載の外科用器具。
9.前記モータカートリッジ交換フィードバック要素は圧力センサである、項目8に記載の外科用器具。
10.外科用器具であって、エンドエフェクタと、前記エンドエフェクタに動作可能に結合された駆動アセンブリと、交換式モータカートリッジであって、
モータ制御回路基板と、
モータと、
を備える、交換式モータカートリッジと、主制御回路基板であって、プロセッサと、
プログラム命令を記憶するコンピュータ可読記憶装置であって、該プログラム命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、前記モータカートリッジの機能不良を検出させる、プログラム命令を記憶するコンピュータ可読記憶装置と、を備える、主制御回路基板と、
インターフェースであって、
前記モータを前記駆動アセンブリに解放可能に結合するように構成された機械的インターフェース部分と、
前記モータ制御回路基板を前記主制御回路基板に解放可能に結合するように構成された電気的インターフェース部分と、を備える、インターフェースと、を備える、外科用器具。
11.前記交換式モータカートリッジは、別のモータを更に備える、項目10に記載の外科用器具。
12.前記コンピュータ可読記憶装置はメモリである、項目10又は11に記載の外科用器具。
13.前記プログラム命令は、実行されると、前記プロセッサに更に、前記モータカートリッジの前記機能不良を検出した後に、前記モータカートリッジの損傷ステータスを前記メモリに記憶させる、項目12に記載の外科用器具。
14.少なくとも1つのユーザフィードバック要素を更に備え、前記プログラム命令は、実行されると、前記プロセッサに更に、前記機能不良をユーザに警告するために前記少なくとも1つのユーザフィードバック要素を用いさせる、項目10~13のいずれか一項目に記載の外科用器具。
15.前記プログラム命令は、実行されると、前記プロセッサに更に、前記モータカートリッジを交換するための指示を前記ユーザに提供するために前記少なくとも1つのユーザフィードバック要素を用いさせる、項目に記載の外科用器具。
16.電源を更に備え、前記プログラム命令は、実行されると、前記プロセッサに更に、前記モータカートリッジの前記機能不良を検出した後に、前記電源から前記モータカートリッジへの電力伝送を停止させる、項目10~15のいずれか一項目に記載の外科用器具。
17.電流センサを更に備え、前記プログラム命令は、実行されると、前記プロセッサに、前記モータカートリッジの前記機能不良の前記検出の際に前記電流センサを用いさせる、項目10~16のいずれか一項目に記載の外科用器具。
18.モータカートリッジ交換フィードバック要素を更に備え、前記プログラム命令は、実行されると、前記プロセッサに、前記モータカートリッジの交換を検出するために前記モータカートリッジ交換フィードバック要素を用いさせる、項目10~17のいずれか一項目に記載の外科用器具。
19.前記モータカートリッジ交換フィードバック要素は圧力センサである、項目18に記載の外科用器具。
20.外科用器具であって、エンドエフェクタと、前記エンドエフェクタに動作可能に結合された駆動アセンブリと、交換式高電流要素であって、
モータ制御回路基板と、
モータと、
を備える、交換式高電流要素と、低電流要素であって、少なくとも1つのフィードバック要素と、コントローラであって、
プロセッサと、
プログラム命令を記憶するコンピュータ可読記憶装置であって、該プログラム命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、前記高電流要素の機能不良を検出させる、プログラム命令を記憶するコンピュータ可読記憶装置と、を備える、コントローラと、を備える、低電流要素と、
インターフェースであって、
前記モータを前記駆動アセンブリに解放可能に結合するように構成された機械的インターフェース部分と、
前記モータ制御回路を前記コントローラに解放可能に結合するように構成された電気的インターフェース部分と、を備える、インターフェースと、を備える、外科用器具。
【0121】
〔実施の態様〕
(1) 外科用器具であって、
ジョーアセンブリであって、
複数のステープルを含んだステープルカートリッジと、
アンビルと、を備え、前記ステープルカートリッジと前記アンビルの少なくとも一方は、前記ステープルカートリッジと前記アンビルとの間に組織を捕捉するために前記ステープルカートリッジと前記アンビルのもう一方に対して移動可能である、ジョーアセンブリと、
発射シーケンスの間に、前記捕捉された組織の中に前記複数のステープルを配備するように構成された発射アセンブリと、
ハンドルであって、
アクチュエータと、
インターフェースと、を備える、ハンドルと、
モータカートリッジであって、前記インターフェースは前記ハンドルに前記モータカートリッジを解放可能に結合するように構成され、前記モータカートリッジは、
前記モータカートリッジが前記ハンドルに結合されているときに、前記発射アセンブリに動作可能に結合される電気モータと、
モータ制御回路であって、前記アクチュエータの作動に応答して、前記捕捉された組織の中に前記複数のステープルを配備するように前記発射アセンブリを誘導するために、前記電気モータに少なくとも1つの回転運動を発生させるように構成されている、モータ制御回路と、を備える、モータカートリッジと、
コントローラであって、
プロセッサと、
プログラム命令を記憶するコンピュータ可読記憶装置であって、該プログラム命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、前記モータカートリッジの機能不良を検出させる、プログラム命令を記憶するコンピュータ可読記憶装置と、を備える、コントローラと、を備える、外科用器具。
(2) 前記コンピュータ可読記憶装置はメモリである、実施態様1に記載の外科用器具。
(3) 前記プログラム命令は、実行されると、前記プロセッサに更に、前記モータカートリッジの前記機能不良を検出した後に、前記モータカートリッジの損傷ステータスを前記メモリに記憶させる、実施態様2に記載の外科用器具。
(4) 少なくとも1つのユーザフィードバック要素を更に備え、前記プログラム命令は、実行されると、前記プロセッサに更に、前記機能不良をユーザに警告するために前記少なくとも1つのユーザフィードバック要素を用いさせる、実施態様1に記載の外科用器具。
(5) 前記プログラム命令は、実行されると、前記プロセッサに更に、前記モータカートリッジを交換するための指示を前記ユーザに提供するために前記少なくとも1つのユーザフィードバック要素を用いさせる、実施態様4に記載の外科用器具。
【0122】
(6) 電源を更に備え、前記プログラム命令は、実行されると、前記プロセッサに更に、前記モータカートリッジの前記機能不良を検出した後に、前記電源から前記モータカートリッジへの電力伝送を停止させる、実施態様1に記載の外科用器具。
(7) 電流センサを更に備え、前記プログラム命令は、実行されると、前記プロセッサに、前記モータカートリッジの前記機能不良の前記検出の際に前記電流センサを用いさせる、実施態様1に記載の外科用器具。
(8) モータカートリッジ交換フィードバック要素を更に備え、前記プログラム命令は、実行されると、前記プロセッサに、前記モータカートリッジの交換を検出するために前記モータカートリッジ交換フィードバック要素を用いさせる、実施態様1に記載の外科用器具。
(9) 前記モータカートリッジ交換フィードバック要素は圧力センサである、実施態様8に記載の外科用器具。
(10) 外科用器具であって、
エンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタに動作可能に結合された駆動アセンブリと、
交換式モータカートリッジであって、
モータ制御回路基板と、
モータと、を備える、交換式モータカートリッジと、
主制御回路基板であって、
プロセッサと、
プログラム命令を記憶するコンピュータ可読記憶装置であって、該プログラム命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、前記モータカートリッジの機能不良を検出させる、プログラム命令を記憶するコンピュータ可読記憶装置と、を備える、主制御回路基板と、
インターフェースであって、
前記モータを前記駆動アセンブリに解放可能に結合するように構成された機械的インターフェース部分と、
前記モータ制御回路基板を前記主制御回路基板に解放可能に結合するように構成された電気的インターフェース部分と、を備える、インターフェースと、を備える、外科用器具。
【0123】
(11) 前記交換式モータカートリッジは、別のモータを更に備える、実施態様10に記載の外科用器具。
(12) 前記コンピュータ可読記憶装置はメモリである、実施態様10に記載の外科用器具。
(13) 前記プログラム命令は、実行されると、前記プロセッサに更に、前記モータカートリッジの前記機能不良を検出した後に、前記モータカートリッジの損傷ステータスを前記メモリに記憶させる、実施態様12に記載の外科用器具。
(14) 少なくとも1つのユーザフィードバック要素を更に備え、前記プログラム命令は、実行されると、前記プロセッサに更に、前記機能不良をユーザに警告するために前記少なくとも1つのユーザフィードバック要素を用いさせる、実施態様10に記載の外科用器具。
(15) 前記プログラム命令は、実行されると、前記プロセッサに更に、前記モータカートリッジを交換するための指示を前記ユーザに提供するために前記少なくとも1つのユーザフィードバック要素を用いさせる、実施態様14に記載の外科用器具。
【0124】
(16) 電源を更に備え、前記プログラム命令は、実行されると、前記プロセッサに更に、前記モータカートリッジの前記機能不良を検出した後に、前記電源から前記モータカートリッジへの電力伝送を停止させる、実施態様10に記載の外科用器具。
(17) 電流センサを更に備え、前記プログラム命令は、実行されると、前記プロセッサに、前記モータカートリッジの前記機能不良の前記検出の際に前記電流センサを用いさせる、実施態様10に記載の外科用器具。
(18) モータカートリッジ交換フィードバック要素を更に備え、前記プログラム命令は、実行されると、前記プロセッサに、前記モータカートリッジの交換を検出するために前記モータカートリッジ交換フィードバック要素を用いさせる、実施態様10に記載の外科用器具。
(19) 前記モータカートリッジ交換フィードバック要素は圧力センサである、実施態様18に記載の外科用器具。
(20) 外科用器具であって、
エンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタに動作可能に結合された駆動アセンブリと、
交換式高電流要素であって、
モータ制御回路と、
モータと、を備える、交換式高電流要素と、
低電流要素であって、
少なくとも1つのフィードバック要素と、
コントローラであって、
プロセッサと、
プログラム命令を記憶するコンピュータ可読記憶装置であって、該プログラム命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、前記高電流要素の機能不良を検出させる、プログラム命令を記憶するコンピュータ可読記憶装置と、を備える、コントローラと、を備える、低電流要素と、
インターフェースであって、
前記モータを前記駆動アセンブリに解放可能に結合するように構成された機械的インターフェース部分と、
前記モータ制御回路を前記コントローラに解放可能に結合するように構成された電気的インターフェース部分と、を備える、インターフェースと、を備える、外科用器具。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図19A
図19B
図20
図21
図22
図23
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図25