(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-18
(45)【発行日】2022-11-29
(54)【発明の名称】サーバおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/8545 20110101AFI20221121BHJP
H04N 21/431 20110101ALI20221121BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20221121BHJP
【FI】
H04N21/8545
H04N21/431
G06F3/0481
(21)【出願番号】P 2021185136
(22)【出願日】2021-11-12
(62)【分割の表示】P 2018213803の分割
【原出願日】2017-11-24
【審査請求日】2021-11-12
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】598138327
【氏名又は名称】株式会社ドワンゴ
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】川上 量生
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 寛明
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 尚
【審査官】益戸 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-199352(JP,A)
【文献】特開2016-189208(JP,A)
【文献】特開2014-004134(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00-21/858
G06F 3/048
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動画または生番組を含む動画像コンテン
ツの配信先である観客端
末から、前記動画像コンテンツの視聴時
に配信者端末および前記観客端末のランチャー表示領域に表示される、GUI(Graphical User Interface)部品が配置されるランチャーに関する要求を受信する受信部と、ここで、前記GUI部品の少なくとも1つには、前記動画像コンテンツの視聴時に前記配信者端末および前記観客端末において発揮される機能が割り当てられており、
前記ランチャーを前記配信者端末および前記観客端末のランチャー表示領域に表示させるためのランチャー情報を、前記ランチャーに関する要求に基づいて生成する生成部と、 前記ランチャー情報を前記配信者端末および前記観客端末へ送信する送信部と
を具備し、
前記生成部は、前記ランチャーに関する要求に基づいて、最初のランチャー情報、または、前記最初のランチャー情報を更新した新たなランチャー情報を生成する、
サーバ。
【請求項2】
前記ランチャーに関する要求は、前記ランチャーに配置するGUI部品の選定要求、前記GUI部品を前記ランチャーに追加する要求、前記GUI部品を前記ランチャーから削除する要求、または、前記ランチャーに配置されるGUI部品の削除可否状態の制御に関する要求を含む、
請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記受信部は、さらに、前記ランチャーに配置されるGUI部品の優先指標を受信し、 前記サーバは、前記GUI部品の優先指標を集計して前記GUI部品の優先度を得る集計部をさらに具備し、
前記生成部は、さらに、前記GUI部品の優先度に基づいて前記ランチャーに配置されるGUI部品の表示態様を変更して前記ランチャー情報を更新し、
前記送信部は、さらに、更新された前記ランチャー情報を前記配信者端末および前記観客端末へ送信する、
請求項1または2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記GUI部品は、ファンクションキー、ボタン、またはアイコンを含み、前記GUI部品の表示態様は、当該GUI部品の表示順、表示サイズ、表示時間、表示頻度もしくは表示色、または当該GUI部品に付加される装飾のうち少なくとも1つを含む、請求項1-3のいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項5】
前記GUI部品は、評判の良し悪しを把握するためのGoodボタンを含む、請求項1-4のいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項6】
前記受信部は、前記ランチャーに配置されるGUI部品の削除可否状態の制御に関する要求を前記配信者端末から受信し、
前記生成部は、前記GUI部品の削除可否状態の制御に関する要求に応じて、当該GUI部品を削除不可状態または削除可能状態のいずれかに設定し、
前記受信部は、前記GUI部品を前記ランチャーから削除する要求を受信し、
前記サーバは、前記GUI部品が前記削除不可状態に設定されている場合には当該GUI部品を前記ランチャーから削除する要求を破棄するフィルタ部をさらに具備し、
前記生成部は、前記削除可能状態に設定されているGUI部品を前記ランチャーから削除する要求に応じて、当該GUI部品を前記ランチャーから削除するように前記ランチャー情報を更新する、
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項7】
前記動画像コンテンツは、生配信される動画像コンテンツであって、
前記GUI部品の少なくとも1つは、配信者によって選択された場合に、前記配信者端末および前記観客端末の画面に当該GUI部品に関連付けられた商品の広告をポップアップする、
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項8】
前記商品は、ビデオゲームアプリケーションであって、
前記GUI部品の少なくとも1つは、前記配信者および観客のうち前記ビデオゲームアプリケーションを起動する権限のある者によって選択された場合に、当該ビデオゲームアプリケーションを起動するGUI部品を含む広告をポップアップする、
請求項7に記載のサーバ。
【請求項9】
前記受信部は、前記ビデオゲームアプリケーションを起動した者の当該ビデオゲームアプリケーションのスコア情報をさらに受信し、
前記サーバは、前記スコア情報のランキング情報を作成する作成部をさらに具備し、 前記送信部は、さらに、前記ランキング情報を前記配信者端末および前記観客端末へ送信する、
請求項8に記載のサーバ。
【請求項10】
前記動画像コンテンツは、生配信される動画像コンテンツであって、
前記GUI部品の少なくとも1つは、配信者または観客によって選択された場合に、前記配信者端末および前記観客端末において、当該GUI部品に関連付けられたコンテンツを前記動画像コンテンツと並行して再生する、
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項11】
前記GUI部品の少なくとも1つは、配信者または観客によって選択された場合に、(1)当該GUI部品に関連付けられた装飾を加えたコメントを前記動画像コンテンツに対して投稿し、または(2)当該GUI部品に関連付けられたスタンプを前記動画像コンテンツに対して投稿する、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項12】
前記動画像コンテンツは、生配信される動画像コンテンツであって、
前記GUI部品の少なくとも1つは、観客によって選択された場合に、当該GUI部品に関連付けられた、配信者に要求する言動を示す情報を前記動画像コンテンツに対して投稿する、
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項13】
コンピュータを、
動画または生番組を含む動画像コンテン
ツの配信先である観客端
末から、前記動画像コンテンツの視聴時
に配信者端末および前記観客端末のランチャー表示領域に表示される、GUI(Graphical User Interface)部品が配置されるランチャーに関する要求を受信する手段、
前記ランチャーを前記配信者端末および前記観客端末のランチャー表示領域に表示させるためのランチャー情報を、前記ランチャーに関する要求に基づいて生成する手段、
前記ランチャー情報を前記配信者端末および前記観客端末へ送信する手段
として機能させるためのプログラムであって、
前記GUI部品の少なくとも1つには、前記動画像コンテンツの視聴時に前記配信者端末および前記観客端末において発揮される機能が割り当てられており、
前記生成する手段は、前記ランチャーに関する要求に基づいて、最初のランチャー情報、または、前記最初のランチャー情報を更新した新たなランチャー情報を生成する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画共有システムにおける動画の配信に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一部の動画共有システムでは、配信される動画像コンテンツと同一のページ内に配信者および観客が任意の商品の広告を貼り付けることができる商品広告機能(例えば非特許文献1参照、当該文献における正式名称は「ニコニコ市場」である)が利用可能である。この機能は、基本的には、動画像コンテンツに関連する商品、例えばゲームのプレイ動画における当該ゲームソフト、の広告を貼り付けるためのものである。ところが、この機能を利用して、例えば、商品の名称、機能、用途、外観などの商品の属性をヒントに、動画像コンテンツ、その配信者および/または観客などに関する暗黙的なコメントを行うことを意図して商品の広告を貼り付けるという文化が醸成されつつある。かかる広告は、観客および/または配信者からの反応(例えばコメント投稿)を誘うなどして、観客間、および/または配信者と観客との間でのコミュニケーションを促進する効果がある。例えば、ある観客が、動画像コンテンツ内での配信者の言動を皮肉った商品名を持つ商品の広告を当該動画像コンテンツに貼り付け、他の観客がそれを見て別の商品の広告を当該動画像コンテンツに貼り付けたり、コメントを投稿したりするという具合である。
【0003】
特に、近年一部の動画共有システムにおいて提供される生配信動画では、観客は自らまたは他の観客が発したコメントなどに対する配信者のリアクションをリアルタイムに見ることができるので、観客と配信者との間の双方向コミュニケーションが醍醐味の1つである。
【0004】
特許文献1には、外部サーバから送られてくる制御情報119を用いて映像視聴システムを制御すること[0026]が開示されており、制御情報119として、表示エリアおよびサイズを指定する情報502、タイミング指定情報503、GUI部品を含む表示情報504、GUI部品のボタンを押したときの動作データを含む動作制御情報505が例示[0048]-[0050]されている。また、ネットワークからの字幕情報や各種コメントを表示するポップアップエリアを表示すること[0063]、CMの時間になると広告および購入ボタンなどを表示すること[0068]、ボクシング中継の採点を表示すること[0056][0062]、あるいは、コメントまたはコメントに基づいたテキストや画像[0061]を表示することが記載されている。なお、放送局102はサーバ101を意識しなくても良いが、両者が協調することもできる旨記載されている[0065]。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献】
【0006】
【文献】「ニコニコ市場とは」、[online]、[2017年11月14日検索]、インターネット、<URL:http://dic.nicovideo.jp/a/ニコニコ市場>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のように、従来の商品広告機能は、商品の属性を表す情報である、商品の画像または名称などを広告として貼り付けることで、観客間、および/または配信者と観客との間でのコミュニケーションの促進に寄与する一面もあった。しかしながら、従来の商品広告機能の本来的な用途は、観客および/または配信者による選択時に当該広告の対象となる商品の販売ページへの遷移を生じさせる、という販売チャンネルの提供が主であった。また、広告の主な機能である商品の販売ページへの遷移は、実際に当該広告をクリックした観客に限って発揮された。すなわち、ある観客が広告をクリックしたとしても、他の観客の観客端末ではページ遷移が生じない。
【0008】
本発明は、観客間、および/または配信者と観客との間でのコミュニケーションを促進することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、サーバは、受信部と、生成部と、送信部とを含む。受信部は、動画像コンテンツの配信元である配信者端末および当該動画像コンテンツの配信先である観客端末のうち少なくとも1つから、動画像コンテンツの視聴時に配信者端末および観客端末の間で共有されるGUI(Graphical User Interface)部品が配置されるランチャーの編成に関する要求を受信する。生成部は、ランチャーを配信者端末および観客端末に表示させるためのランチャー情報を、ランチャーの編成に関する要求に基づいて生成する。送信部は、ランチャー情報を配信者端末および観客端末へ送信する。ランチャーに配置されるGUI部品の少なくとも1つは、動画像コンテンツの配信者および当該動画像コンテンツの観客のうち当該GUI部品を使用する権限を持つ者が所定の操作を行うことで、当該GUI部品に割り当てられた機能を動画像コンテンツの視聴時に配信者端末および観客端末において発揮する。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、観客間、および/または配信者と観客との間でのコミュニケーションを促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態に係る制御サーバを含む動画の配信システムの一例を示すブロック図。
【
図2】実施形態に係る制御サーバを例示するブロック図。
【
図3】配信者端末および観客端末に表示される、動画像コンテンツの視聴ページを例示する図。
【
図4】ランチャー情報がどのように生成されるかの説明図。
【
図5】ランチャーに配置されるGUI(Graphical User Interface)部品の機能の一例の説明図。
【
図6】ランチャーに配置されるGUI部品の機能の別の例の説明図。
【
図7】ランチャーに配置されるGUI部品の機能の別の例の説明図。
【
図8】
図2の制御サーバの動作の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら実施形態の説明を述べる。なお、以降、説明済みの要素と同一または類似の要素には同一または類似の符号を付し、重複する説明については基本的に省略する。例えば、複数の同一または類似の要素が存在する場合に、各要素を区別せずに説明するために共通の符号を用いることがあるし、各要素を区別して説明するために当該共通の符号に加えて枝番号を用いることもある。
【0013】
(実施形態)
実施形態に係る制御サーバは、
図1に示される、動画の配信システムに組み込むことができる。なお、この配信システムは、生配信コンテンツ(以降の説明では便宜上、生番組とするが、生配信コンテンツはこれに限られない)を対象としてもよいし、録画済みの動画を対象としてもよい。この配信システムは、配信者端末100と、動画配信サーバ200と、観客端末300-1,300-2,・・・と、制御サーバ400とを含む。
【0014】
図1の例では、動画配信サーバ200は、基本的に、観客端末300から要求された動画像コンテンツを当該観客端末300へ配信する。この動画像コンテンツは、配信者端末100によって事前にアップロードされ動画配信サーバ200に蓄積された動画(アーカイブ動画)であってもよいし、生番組であってもよい。生番組の配信を行う場合には、動画配信サーバ200は、配信者端末100から逐次送信される生配信コンテンツを配信者端末100および観客端末300へ配信する。
【0015】
制御サーバ400は、後述されるようにランチャー情報を生成し、これを配信者端末100および/または観客端末300へ送信することで、動画像コンテンツの視聴時に配信者端末100および観客端末300にランチャーを表示させる。ランチャーは、動画像コンテンツ毎に用意される。ランチャーの内部には、その関連付けられた動画像コンテンツの視聴時に配信者端末100および/または観客端末300の間で共有される、例えばファンクションキー、ボタン、アイコンなどのGUI部品が配置される。
【0016】
ランチャーに配置されたGUI部品は、それぞれ機能が割り当てられており、配信者および/または観客が所定の操作を行った場合に、その割り当てられた機能を動画像コンテンツの視聴時に配信者端末および観客端末において発揮する(GUI部品の使用)。
【0017】
ところで、GUI部品は、それぞれ当該GUI部品を使用する権限のある者が定められてよい。例えば、配信者のみが使用可能なGUI部品、観客のみが使用可能なGUI部品、課金に応じた配信者または観客のみが使用可能なGUI部品、誰でも使用可能なGUI部品などがあり得る。
【0018】
GUI部品の機能は、例えば動画像コンテンツに対する情報の付加を含み得る。ここで、情報の付加とは、動画像コンテンツに情報(例えば、広告または引用コンテンツ)を重ねることであってもよいし、動画像コンテンツに対して情報(例えば、コメント、スタンプなど)を投稿することであってもよい。
【0019】
このように、誰か(配信者または観客)がGUI部品を使用すると、その機能は当該GUI部品を使用した者だけでなく同じ動画像コンテンツを視聴している他の者にも及ぶ。例えば、広告、引用コンテンツ、投稿された情報などを、同じ動画像コンテンツを視聴している複数の者が見たり聞いたりすることができる。この共体験を利用して、観客間、および/または配信者と観客との間での多様なコミュニケーションを図ることが可能となる。なお、ランチャーは、このようなGUI部品に加えて、従来の広告のように、GUI部品の機能が当該GUI部品を使用した者にのみ及ぶものを含んでいてもよい。
【0020】
制御サーバ400は、ランチャーに配置されるGUI部品を追加する要求、ランチャーに配置されているGUI部品を削除する要求、など様々な、ランチャーの編成に関する要求や、ランチャーに配置されたGUI部品の評判に関する指標(優先指標)を受信する。制御サーバ400は、これらの要求または優先指標に応じて、ランチャー情報を更新することで、配信者端末100および/または観客端末300に表示されるランチャーの編成を配信者および/または観客のニーズに合わせて時々刻々と変化させることができる。
【0021】
動画配信サーバ200は、配信者端末100、観客端末300および制御サーバ400とネットワーク経由で接続しており、データを互いに送受信できる。同様に、制御サーバ400は、配信者端末100、動画配信サーバ200および観客端末300とネットワーク経由で接続している。制御サーバ400は、配信者端末100および/または観客端末300からランチャーの編成に関する要求または優先指標を受信したり、配信者端末100および/または観客端末300へランチャー情報を送信したり、ランチャー情報に関連付けられる動画像コンテンツ(例えば、新規に投稿された動画像コンテンツ)の情報を動画配信サーバ200から受信したりする。
【0022】
なお、
図1において示される各装置の数は、例示に過ぎない。例えば、観客端末300の数は、時々刻々と変化するので、0となることがあり得るし、数百、数千となることもあり得る。また、アーカイブ動画を配信する場合には、配信者端末100はランチャー情報に関する種々の処理に関与しないこともあり得る。すなわち、ランチャーは観客端末300間でのみ共有され得る。さらに、
図1に示されない、Webサーバまたはコメント配信サーバがさらに設けられてもよいし、これらの機能が動画配信サーバ200に組み込まれてもよい。また、動画配信サーバ200および制御サーバ400は統合されてもよい。
【0023】
配信者端末100は、例えば、テレビ受像機(インターネットテレビを含む)、PC(Personal Computer)、モバイル端末(例えば、タブレット、スマートフォン、ラップトップ、フィーチャーフォン、ポータブルゲーム機、デジタルミュージックプレイヤー、電子書籍リーダなど)、VR(Virtual Reality)端末、AR(Augmented Reality)端末などであり得るが、これらに限られない。なお、生番組を配信する場合には、配信者端末100は、例えばビデオカメラなどの動画ソースに接続され得、動画ソースから出力されるエンコード済みの動画データを動画配信サーバ200へ逐次送信する。
【0024】
動画配信サーバ200は、配信者端末100からアップロードされるアーカイブ動画に相当する動画データ、または配信者端末100から逐次送信される、エンコード済みの動画データを受信する。そして、動画配信サーバ200は、この動画データを、当該動画データを視聴している観客端末300へ配信する。なお、生番組の場合には、動画配信サーバ200は動画データを配信者端末100へも送信する。観客端末300は、配信者端末100と同様の電子デバイスであり得る。
【0025】
以下、
図1中の制御サーバ400の構成および動作について順に図面を用いて説明する。
【0026】
制御サーバ400は、コンピュータであって、後述されるフィルタリング、優先指標の集計、ランチャー情報の生成など、を行うプロセッサと、かかる処理を実現するために当該プロセッサによって実行されるプログラムおよび当該プロセッサによって使用されるデータなどを一時的に格納するメモリとを含んでいる。
【0027】
制御サーバ400は、さらに、ネットワークに接続するための通信装置と、大容量のデータを蓄積するための補助記憶装置とを利用可能である。通信装置および補助記憶装置は、制御サーバ400に内蔵されてもよいし、制御サーバ400に外付けされてもよい。
【0028】
通信装置は、ネットワーク経由で、配信者端末100、動画配信サーバ200および観客端末300と通信をする。例えば、通信装置は、動画配信サーバ200からランチャー情報に関連付けられる動画像コンテンツの情報を受信したり、配信者端末100および/または観客端末300からランチャーの編成に関する要求または優先指標を受信したり、配信者端末100および/観客端末300へ最新のランチャー情報を送信したりする。
【0029】
次に、
図2を用いて制御サーバ400の構成例の説明を続ける。
図2の制御サーバ400は、受信部401と、フィルタ部402と、ランチャー情報生成部403と、ランチャー情報記憶部404と、送信部405と、優先指標集計部406とを含む。
【0030】
受信部401は、配信者端末100および/または観客端末300から、ネットワーク経由で、ランチャーの編成に関する様々な要求を受信する。受信部401は、前述の通信装置であってもよいし、当該通信装置とのインターフェースであってもよい。
【0031】
具体的には、受信部401は、GUI部品をランチャーに追加する要求、GUI部品をランチャーから削除する要求、ランチャーに配置されるGUI部品の削除可否状態の制御に関する要求、などを含み得る。受信部401は、例えば、GUI部品をランチャーから削除する要求をフィルタ部402へ送り、その他の要求をランチャー情報生成部403へ送り得る。
【0032】
また、受信部401は、配信者端末100および/または観客端末300から、ネットワーク経由で、ランチャーに配置されるGUI部品の優先指標を受信する。受信部401は、受信した優先指標を優先指標集計部406へ送る。
【0033】
フィルタ部402は、受信部401から、GUI部品をランチャーから削除する要求を受け取る。フィルタ部402は、現在のランチャー情報において、この要求の対象となるGUI部品が削除可能状態に設定されているか、削除不可状態に設定されているか、をランチャー情報記憶部404を参照して判定する。なお、削除可能状態および削除不可状態は、それぞれロック状態およびアンロック状態と呼ぶこともできる。フィルタ部402は、要求の対象となるGUI部品が削除不可状態に設定されている場合には、当該要求を破棄する。他方、フィルタ部402は、要求の対象となるGUI部品が削除可能状態に設定されている場合には、当該要求をランチャー情報生成部403へ送る。フィルタ部402は、前述のプロセッサおよびメモリであってよい。
【0034】
フィルタ部402がこのように動作することで、配信者および/または観客が作り上げたランチャーからGUI部品を無秩序に削除しようとする行為(いわゆる荒らし行為)を防止したり、配信者が使ってみたい/使って欲しいGUI部品や多数の観客が面白がっているGUI部品が誤って削除されないようにしたりすることができる。
【0035】
なお、削除可能状態/削除不可状態の設定は、例えば配信者および/または所定条件を満足した(例えば課金に応じた)観客のみ変更可能としてもよいし、削除可能状態から削除不可状態への変更は誰でも可能とするがその逆は配信者および/または所定条件を満足した観客のみ可能としてもよい。また、後述されるGUI部品に付随するGoodボタンの押下数、GUI部品のクリック数、GUI部品が広告である場合にはその対象商品の購入数または購入総額など、により見積もられた優先度の高いGUI部品は自動的に削除不可状態に設定され、また優先度の低いGUI部品は自動的に削除可能状態に設定されてもよい。
【0036】
ランチャー情報生成部403は、受信部401からランチャーの編成に関する様々な要求を受け取り、フィルタ部402から、GUI部品をランチャーから削除する要求を受け取り、優先指標集計部406から後述されるランチャーに配置されるGUI部品の優先度の情報を受け取る。ランチャー情報生成部403は、これらの情報に基づいてランチャーの編成を変更し、変更後のランチャーを配信者端末100および/または観客端末300に表示させるための新たなランチャー情報を生成する。そして、ランチャー情報生成部403は、ランチャー情報記憶部404に新たなランチャー情報を保存すると共に、当該ランチャー情報を送信部405へ送る。ランチャー情報生成部403は、前述のプロセッサおよびメモリであってよい。
【0037】
具体的には、ランチャー情報生成部403は、ランチャーに配置されるGUI部品の選定、ランチャーに配置されるGUI部品の表示態様の制御、ランチャーに配置されるGUI部品の削除可否状態の制御、などを行う。ランチャー情報生成部403は、要求に応じてランチャー情報を更新することで、配信者端末100および/または観客端末300に表示されるランチャーの編成を配信者および/または観客のニーズに合わせて時々刻々と変化させることができる。例えば、ランチャー情報生成部403は、
図4に例示されるように、利用可能なGUI部品からランチャーに配置されるGUI部品を要求に基づいて選定し、最初のランチャー情報を生成する(ランチャー1)。その後、ランチャー情報生成部403は、例えばランチャーからGUI部品Bを削除する要求、GUI部品Cをランチャーに追加する要求などに応じて、最初のランチャー情報を更新して新たなランチャー情報を生成する(ランチャー2)。
【0038】
例えば、ランチャー情報生成部403は、GUI部品をランチャーに追加する要求に応じて、以下のようにランチャーの編成を変更する。
ランチャーに空きがある場合には、ランチャー情報生成部403は、要求の対象となるGUI部品を当該ランチャーに追加する。ランチャーには配置可能なGUI部品の上限数(例えば10個など)が定められてよく、ランチャーに空きがあるとは当該ランチャーに配置されるGUI部品の総数がこの上限数よりも少ない状態を指す。他方、ランチャーに空きがないとは当該ランチャーに配置されるGUI部品の総数が上限数に達している状態を指す。ランチャーに配置可能なGUI部品の数は、動画像コンテンツ毎に定められてもよいし、全動画像コンテンツについて共通であってもよい。このような上限数があることで、ランチャー内にGUI部品が乱立することによる配信者および/または観客の混乱を回避できる。また、ランチャー情報生成部403の処理負荷が軽くなるとともにランチャー情報のサイズも小さくできる。
【0039】
他方、ランチャーに空きがない場合には、ランチャー情報生成部403は、ランチャーに配置されているGUI部品の1つと入れ替え(すなわち、このGUI部品をランチャーから削除し)て、要求の対象となるGUI部品を追加する。ランチャー情報生成部403は、例えば削除可能状態に設定されているGUI部品をランチャーから削除してもよい。かかるGUI部品が複数ある場合には、ランチャー情報生成部403はランダムに1つを選択してもよいし、追加日時の最も古いものを選択してもよいし、前述の優先度の最も低いものを選択してもよい。或いは、ランチャーに配置されている全てのGUI部品が削除不可状態に設定されている場合、またはこれらの優先度のいずれも閾値を超えている場合などには、ランチャー情報生成部403は、要求を破棄し、GUI部品の入れ替えを行わなくてもよい。
【0040】
また、ランチャー情報生成部403は、ランチャーに配置されるGUI部品の削除可否状態の制御に関する要求に応じて、当該GUI部品を削除可能状態または削除不可状態に設定する。なお、削除不可状態に設定されているGUI部品は、配信者端末100および観客端末300において例えば閉じた錠前などのアイコン付きで表示されてよい。これにより、配信者および観客にこのGUI部品が削除不可状態に設定されていることを一目で認識させることができる。同様に、削除可能状態に設定されているGUI部品は、配信者端末100および観客端末300において例えば開いた錠前などのアイコン付きまたはアイコンを付けずに表示されてよい。
【0041】
さらに、ランチャー情報生成部403は、ランチャーからGUI部品を削除する要求に応じ、これに従ってランチャーから当該GUI部品を削除する。前述のように、この要求は、フィルタ部402によるフィルタリングをパスしているので、ランチャー情報生成部403は、要求の対象となるGUI部品の削除可否状態を確認する必要はない。
【0042】
さらに、ランチャー情報生成部403は、ランチャーに配置されるGUI部品の優先度に応じて、当該GUI部品の表示態様を制御する。ランチャー情報生成部403は、優先度の高いGUI部品が配信者および/または観客の目に留まりやすく、また優先度の低いGUI部品が配信者および/または観客の目に留まりにくくなるように、これらの表示態様を制御する。
【0043】
具体的には、ランチャー情報生成部403は、優先度の高いGUI部品の表示順を高くしてもよいし、当該GUI部品の表示サイズを大きくしてもよいし、当該GUI部品の表示時間を長くしてもよいし、当該GUI部品の表示頻度を高くしてもよいし、当該GUI部品の表示色を目立つ色、例えば明るい色にしてもよいし、当該GUI部品に装飾を付けるようにしてもよい。他方、ランチャー情報生成部403は、優先度の低いGUI部品の表示順を低くしてもよいし、当該GUI部品の表示サイズを小さくしてもよいし、当該GUI部品の表示時間を短くしてもよいし、当該GUI部品の表示頻度を低くしてもよいし、当該GUI部品の表示色を目立たない色、例えば暗い色にしてもよいし、当該GUI部品に装飾を付けないようにしてもよい。
【0044】
なお、ランチャー情報生成部403は、GUI部品の優先度に加えて、またはGUI部品の優先度の代わりに、GUI部品がランチャーに追加された日時に基づいてGUI部品の表示態様を制御してもよい。
【0045】
ランチャー情報記憶部404は、ランチャー情報生成部403からランチャー情報を受け取り、これを格納する。ランチャー情報は、例えば動画像コンテンツ(の識別情報)に関連付けて記憶され得る。ランチャー情報は、例えばフィルタ部402またはランチャー情報生成部403によって、例えば削除可否状態の参照のためまたはランチャーの編成の変更のために読み出されることがある。ランチャー情報記憶部404は、前述の補助記憶装置であってもよいし、当該補助記憶装置とのインターフェースであってもよい。
【0046】
ランチャー情報は、例えば、ランチャーに配置されるGUI部品を識別する情報または当該GUI部品本体のデータを含み、さらに各GUI部品の表示態様(例えば、表示順、表示サイズ、表示時間、表示頻度、表示色、装飾など)を示す情報、各GUI部品の設定可否状態を示す情報(フラグ)、および各GUI部品の優先指標、などを含み得る。
【0047】
送信部405は、ランチャー情報生成部403からランチャー情報を受け取る。送信部405は、このランチャー情報に関連付けられる動画像コンテンツの配信元および/または配信先である配信者端末100および/または観客端末300へこれをネットワーク経由で送信する。送信部405は、前述の通信装置であってもよいし、当該通信装置とのインターフェースであってもよい。
【0048】
優先指標集計部406は、受信部401からGUI部品の優先指標を受け取り、これを集計することで当該GUI部品の優先度を得る。優先指標集計部406は、ランチャーに配置される各GUI部品の優先度をランチャー情報生成部403に通知する。優先指標集計部406は、例えば、前述のプロセッサおよびメモリであってよい。
【0049】
ここで優先指標は、GUI部品の肯定的な反響の大きさ、例えば、人気、関心、注目の高さや商業的価値を示す情報であり得、例えば、GUI部品に付随するGoodボタンの押下数、GUI部品のクリック数、GUI部品が広告である場合にはその対象商品の購入数または購入総額などである。優先指標集計部406は、複数の指標を個別に集計してもよいし、全ての指標を正規化し、まとめて集計してもよい。
【0050】
Goodボタンは、ランチャーに配置される各GUIに付随して表示されるGUI部品であり、配信者および/または観客はこのボタンを押下することで当該GUI部品に対して肯定的立場であることを表明できる。Goodボタンの押下数は、配信者端末100および/または観客端末300において例えば当該Goodボタンの周囲に表示されてよい。Goodボタンの押下数から配信者および/または観客はGUI部品の評判の良し悪しを把握することができ、例えば生番組の配信者は話題を選ぶヒントに利用できる。
【0051】
また、Goodボタンに加えて、配信者および/または観客がGUI部品に対して否定的立場であることを表明するためのBadボタンがさらに用意されてもよい。優先指標集計部406は、Badボタンの押下数を負の要素、例えばGoodボタンの押下数から減じる要素として集計に加えてもよい。なお、GoodボタンおよびBadボタンは優先指標を収集するためのGUI部品の一例に過ぎず、これと異なる名称が使用されてもよい。例えば、Goodボタンはサムズアップまたはプラスシンボルのアイコンに置き換えられてもよいし、Badボタンはサムズダウンまたはマイナスシンボルのアイコンに置き換えられてもよい。
【0052】
配信者端末100および/または観客端末300は、制御サーバ400(より正確には、送信部405)からのランチャー情報、動画配信サーバ200からの動画像コンテンツ、図示されないコメント配信サーバからのコメントデータなどをネットワーク経由で受信し、例えば
図3に示される、動画像コンテンツの視聴ページ500を表示する。
【0053】
図3の視聴ページ500は、動画表示領域501と、コメントリスト表示領域502と、ランチャー表示領域510とを含む。なお、この視聴ページ500は例示に過ぎない。例えば、動画表示領域501と、ランチャー表示領域510とは別々のページ、例えば互いに遷移可能なページに含まれていてもよい。
【0054】
動画表示領域501には、再生された動画像コンテンツが表示される。また、動画表示領域501の周囲には、動画像コンテンツの再生に関する制御を行うためのGUI、例えばシークバー、再生/停止ボタン、などが設けられてもよい。また、動画像コンテンツのタイトル、タグ、カテゴリなどのメタデータが動画表示領域501の周囲に表示されてもよい。
【0055】
コメントリスト表示領域502には、動画像コンテンツに対して配信者および/または観客が投稿したコメントが並べて表示される。コメントは、例えば動画表示領域501において動画像コンテンツに重ねて表示可能なものであってもよいが、これに限らず例えばコメントリスト表示領域502でのみ表示されるものであってもよい。コメントが動画像コンテンツに重ねて表示される場合には、コメントリスト表示領域502には例えば表示時間の順にコメントがソート表示されてもよい。コメントの表示時間はコンテンツの再生時間に同期して定められ、例えばその投稿者が当該コメントを投稿した時点での当該投稿者の端末における動画像コンテンツの再生時間に基づいて定められる。
【0056】
ランチャー表示領域510には、ランチャー、すなわちランチャーに含まれるGUI部品が表示される。
図3の例では、ランチャー表示領域510には6個のGUI部品511~516が表示されているが、ランチャー表示領域510に表示されるGUI部品の数は6個に限られない。
【0057】
また、ランチャー表示領域510にはランチャーに含まれる全てのGUI部品が同時に表示されている必要はない。ランチャー表示領域510において、例えば、ランチャーに含まれるGUI部品はスクロール表示されてもよいし、例えば時間の経過に伴い表示されるGUI部品が切り替わることでランチャーに含まれるGUI部品が次々に表示されてもよい。前者の例ではGUI部品の表示順が、後者の例ではGUI部品の表示時間または表示頻度が、当該GUI部品の優先度に基づいてそれぞれ制御されてもよい。
【0058】
さらに、ランチャー表示領域510においてランチャーに含まれる全てのGUI部品が同じサイズおよび/または色で表示されている必要はない。前述のように、GUI部品の表示サイズおよび色は当該GUI部品の優先度に基づいて制御され得るし、優先度次第でGUI部品に装飾を加えることもある。
【0059】
また、装飾とは別に、例えば削除可否状態を表す錠前アイコン、優先指標を収集するためのGoodボタンおよびBadボタン、ならびにこれらのボタンの押下数のカウンタ、などの補助的なGUI部品がランチャーに含まれる各GUI部品に付随して表示されてよい。例えば、
図3のGUI部品511には、当該GUI部品511が削除不可状態に設定されていることを示す錠前アイコンが重ねて表示されている。
【0060】
以下、
図5乃至
図7を用いて、GUI部品に割り当てられた機能の例をいくつか説明するが、ランチャーに配置することのできるGUI部品はこれらに限られない。
(1)例えば、GUI部品は、何らかの商品の広告に関連付けられていてもよい。このGUI部品は、生番組の配信者によって選択された場合に、当該生番組が配信される配信者端末100および観客端末300の画面(例えば
図3の動画表示領域501)上に、当該GUI部品に関連付けられた商品の広告をポップアップしてもよい。具体的には、
図5に例示されるように、GUI部品は、生番組に重ねて広告をポップアップできる。これにより、配信者は、商品の写真を観客に見せながら、商品を話題の1つとして利用したり、さながら通販番組のような商品紹介をしたりすることができる。他方、観客は、商品についてコメントしたり、商品が気に入れば広告から商品を購入したりすることができる。
【0061】
また、広告の対象となる商品は、例えば
図6に示されるように、配信者端末100および観客端末300において実行可能なアプリケーション(典型的には、ブラウザゲームなどのビデオゲームアプリケーション)であってもよい。この場合に、GUI部品の使用時にポップアップされる広告は、アプリケーションを起動するための起動ボタンを含んでいてもよい。これにより、配信者および観客が、例えば同じビデオゲームを生番組中に速やかに起動して楽しむことができる。
【0062】
なお、ビデオゲームアプリケーションは、例えば無課金で遊ぶことのできるものであってもよいし、プレイ料金が都度課金されるものであってもよいし、買い切りであってもよい。買い切りのビデオゲームアプリケーションに関して、GUI部品は、当該アプリケーションを起動する権限のある者(例えば当該アプリケーションの購入者)によって選択された場合と、そうでない者(例えば当該アプリケーションの未購入者)によって選択された場合とで、異なる広告をポップアップしてもよい。具体的には、GUI部品は、ビデオゲームアプリケーションを起動する権限のある者によって選択された場合には、当該アプリケーションを起動するための起動ボタンを含む広告をポップアップしてもよい。他方、GUI部品は、ビデオゲームアプリケーションを起動する権限のない者によって選択された場合には、当該アプリケーションを購入するための購入ボタン、または当該アプリケーションの販売ページへ移動するためのボタンを含む広告をポップアップしてもよい。
【0063】
配信者および観客が例えば同じビデオゲームを生番組中に楽しむ場合に、配信者および観客のプレイ後にスコアをランキング表示してもよい。これにより、同じビデオゲームをプレイするという共体験を振り返り、配信者および観客の一体感を高め、両者のコミュニケーションを促進することができる。ランキング表示は、例えば以下のように実現できる。すなわち、受信部401が、ビデオゲームアプリケーションを起動した者それぞれの当該アプリケーションのスコア情報を配信者端末100および観客端末300から受信し、図示しないランキング作成部が当該スコア情報をソートしてランキング情報を生成し、送信部405がこれを配信者端末100および観客端末300へ送信する。
【0064】
(2)例えば、GUI部品は、何らかのコンテンツに関連付けられていてもよい。このGUI部品は、生番組の配信者または観客によって選択された場合に、当該生番組が配信される配信者端末100および観客端末300において当該GUI部品に関連付けられたコンテンツを当該生番組と並行して再生してもよい。例えば、ピクチャーインピクチャーの技術を利用して、生番組にGUI部品に関連付けられたコンテンツ(動画像または静止画像)を重ねてもよいし、生番組の音声にGUI部品に関連付けられたコンテンツ(音声)を重ねてもよい。GUI部品に関連付けられるコンテンツは、生番組と同一の配信システムによって提供されるコンテンツ、すなわち動画配信サーバ200が配信可能なコンテンツであってもよいし、別の配信システムによって提供されるコンテンツであってもよい。このGUI部品によれば、配信者は、流行のコンテンツや懐かしのコンテンツを引用して、自己の生番組を展開することができる。
【0065】
(3)例えば、GUI部品は、何らかの装飾に関連付けられていてもよい。このGUI部品は、動画像コンテンツ(生番組およびアーカイブ動画のどちらもあり得る)の配信者または観客によって選択された場合に、当該GUI部品に関連付けられた装飾を加えたコメントを当該動画像コンテンツに対して投稿してもよい。或いは、GUI部品は、何らかのスタンプに関連付けられていてもよい。このGUI部品は、動画像コンテンツ(生番組およびアーカイブ動画のどちらもあり得る)の配信者または観客によって選択された場合に、当該GUI部品に関連付けられたスタンプを当該動画像コンテンツに対して投稿してもよい。これらのGUI部品によれば、配信者および/または観客は、自らの意思を発信するために利用可能な表現の幅を広げることができる。
【0066】
なお、これらのGUI部品は、動画像コンテンツの配信者および/または観客のいずれかが条件を満足した場合(例えば、課金に応じた場合、Goodボタンの押下数が閾値に達した場合)に、当該動画像コンテンツの配信者および全観客に使用権限が解放されてもよい。この場合に、GUI部品は、配信者および/または観客によって選択された場合に、装飾付きのコメントまたはスタンプと一緒に、当該GUI部品の解放者(スポンサー)のユーザ名(配信者名または観客名)を投稿してもよい。これは、配信者および/または観客がGUI部品の使用権限を解放するインセンティブとして機能し得る。
【0067】
使用権限の解放は1つの動画像コンテンツに留まらず他の動画像コンテンツに波及してもよい。例えば、1つの動画像コンテンツについてGUI部品の使用権限が解放された場合に、同一配信者による他の動画像コンテンツについても当該GUI部品の使用権限が解放されてもよい。
【0068】
(4)例えば、GUI部品は、配信者に要求する何らかの言動を示す情報に関連付けられていてもよい。このGUI部品は、生番組の観客によって選択された場合に、当該GUI部品に関連付けられた、配信者に要求する言動を示す情報を当該生番組に対して投稿してもよい。
【0069】
配信者に要求する言動は、
図7に例示されるように、歌うことであってもよいし、踊ること、一発芸をすること、特定の話題について話すこと、特定の表情をすること、顔出しをすること、特定の名前(事前に定められてもよいし、GUI部品を選択した観客の名前であってもよい)を呼ぶこと、モノマネをすること、などであり得る。このGUI部品によれば、観客は配信者に望みの言動を要求しやすくなるし、他方で配信者はランチャーを見ることで観客から要求されそうな言動を事前に把握できるので、観客の要求に応えやすくなる。すなわち、観客からの要求が空振りに終わったり、配信者が予想外の要求に慌てふためいたりする事態が起こりにくくなり、配信者と観客との間のコミュニケーションが促進される。
【0070】
なお、このGUI部品は、生番組の観客のいずれかが条件を満足した場合(例えば、課金に応じた場合、Goodボタンの押下数が閾値に達した場合)に、当該観客のみに1回だけ(または、所定回数だけ若しくは永続的に)使用権限が解放されてもよいし、当該生番組の全観客に使用権限が解放されてもよい。いずれの場合にも、GUI部品は、観客によって選択された場合に、配信者に要求する言動を示す情報と一緒に、当該GUI部品の解放者(スポンサー)のユーザ名(配信者名または観客名)を投稿してもよい。これは、観客がGUI部品の使用権限を解放するインセンティブとして機能し得る。
【0071】
使用権限の解放は1つの生番組に留まらず他の生番組に波及してもよい。例えば、1つの生番組についてGUI部品の使用権限が解放された場合に、同一配信者による他の生番組についても当該GUI部品の使用権限が解放されてもよい。
【0072】
以下、
図8を用いて、制御サーバ400の動作例を説明する。なお、少なくともアーカイブ動画に関して、ランチャー情報は動画像コンテンツが配信可能である限りは更新可能であるので、
図8の動作は当該動画像コンテンツが配信不可能となるまで、例えば動画配信サーバ200から削除されるまで、繰り返されてよい。また、生番組に関して、タイムシフト再生時にはランチャー情報を更新不可能としてもよい。この場合には、生番組の正規の配信期間の満了を以て当該生番組のランチャー情報は更新不可能となるから、
図8の動作が終了してもよい。他方、生番組に関して、タイムシフト再生時にもランチャー情報を更新可能とする場合には、当該タイムシフト再生の利用可能期間の満了を以て
図8の動作が終了してもよい。
【0073】
まず、受信部401は、ランチャー情報の生成のトリガとなる情報、すなわち、ランチャーの編成に関する要求およびランチャーに配置されるGUI部品の優先指標を待ち受ける。受信部401がランチャーの編成に関する要求を受信すると、処理はステップS602へ進む(ステップS601)。他方、受信部401がランチャーに配置されるGUI部品の優先指標を受信すると、処理はステップS605へ進む(ステップS604)。
【0074】
ステップS602では、ステップS601において受信された要求がGUI部品をランチャーから削除する要求である場合に、フィルタ部402が当該要求のフィルタリングを行う。具体的には、フィルタ部402は、現在のランチャー情報において、この要求の対象となるGUI部品が削除可能状態に設定されているか、削除不可状態に設定されているか、を判定する。そして、フィルタ部402は、要求の対象となるGUI部品が削除不可状態に設定されている場合には、当該要求を破棄する。ステップS602の後に処理はステップS605へと進む。なお、ステップS601において受信された要求が、GUI部品をランチャーから削除する要求でない場合にはステップS602はスキップされる。
【0075】
ステップS605では、優先指標集計部406は、ステップS604において受信された優先指標を集計し、GUI部品毎の優先度を得る。ステップS605の後に、処理はステップS606へと進む。
【0076】
ステップS606では、ランチャー情報生成部403は、ランチャーの編成を変更し、変更後のランチャーを配信者端末100および/または観客端末300に表示させるための新たなランチャー情報を生成する。具体的には、ランチャー情報生成部403は、ステップS601において受信された、GUI部品をランチャーに追加する要求に応じて、ランチャーに当該GUI部品を追加したり、当該GUI部品とランチャーに含まれる他のGUI部品とを入れ替えたりしてもよい。また、ランチャー情報生成部403は、ステップS601において受信された、ランチャーに配置されるGUI部品の削除可否状態の制御に関する要求に応じて、当該GUI部品を削除可能状態または削除不可状態に設定してもよい。また、ランチャー情報生成部403は、ステップS602においてフィルタリングされた、ランチャーからGUI部品を削除する要求に応じて、ランチャーから当該GUI部品を削除してもよい。また、ランチャー情報生成部403は、ステップS605において得られた優先度に基づいて、ランチャーに配置されるGUI部品の表示態様を制御してもよい。
【0077】
送信部405は、ステップS606において生成されたランチャー情報を配信者端末100および/または観客端末300へ送信する(ステップS607)。ステップS607の後、受信部401は再び、ランチャーの編成に関する要求およびランチャーに配置されるGUI部品の優先指標を待ち受ける。
【0078】
以上説明したように、実施形態に係る制御サーバは、動画像コンテンツの視聴時に配信者端末および/または観客端末の間で共有されるGUI部品を配置するランチャーを配信者端末および/または観客端末に表示させる。GUI部品が誰か(配信者または観客)によって使用されると、その機能は当該GUI部品を使用した者だけでなく同じ動画像コンテンツを視聴している他の者にも及ぶ。故に、この制御サーバによれば、このGUI部品を使用することで得られる共体験を利用して、観客間、および/または配信者と観客との間での多様なコミュニケーションを図ることが可能となる。さらに、この制御サーバは、ランチャーの編成に関する要求や、ランチャーに配置されたGUI部品の優先指標に応じて、ランチャー情報を更新することで、配信者端末および/または観客端末に表示されるランチャーの編成を配信者および/または観客のニーズに合わせて時々刻々と変化させることができる。これにより、ランチャーによるコミュニケーションの促進効果をいっそう強化することができる。
【0079】
(変形例)
なお、上述の実施形態では、ランチャーが動画像コンテンツ毎に定められることとしたが、これに限られない。例えば、ランチャーは、同一の配信者による全てのコンテンツ、または同一の配信者によるコンテンツのグループ単位で定められてもよい。これにより、例えば配信者および/または観客は、当該配信者による全てのコンテンツまたはコンテンツのグループ(例えば、シリーズもののコンテンツ)に対してランチャーを一括で管理することができる。コンテンツのグループ化は、例えば配信者のユーザ入力に基づいて行われてよい。
【0080】
上述の実施形態は、本発明の概念の理解を助けるための具体例を示しているに過ぎず、本発明の範囲を限定することを意図されていない。実施形態は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、様々な構成要素の付加、削除または転換をすることができる。
【0081】
上記各実施形態において説明された種々の機能部は、回路を用いることで実現されてもよい。回路は、特定の機能を実現する専用回路であってもよいし、プロセッサのような汎用回路であってもよい。
【0082】
上記各実施形態の処理の少なくとも一部は、汎用のコンピュータを基本ハードウェアとして用いることでも実現可能である。上記処理を実現するプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納して提供されてもよい。プログラムは、インストール可能な形式のファイルまたは実行可能な形式のファイルとして記録媒体に記憶される。記録媒体としては、磁気ディスク、光ディスク(CD-ROM、CD-R、DVD等)、光磁気ディスク(MO等)、半導体メモリなどである。記録媒体は、プログラムを記憶でき、かつ、コンピュータが読み取り可能であれば、何れであってもよい。また、上記処理を実現するプログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ(サーバ)上に格納し、ネットワーク経由でコンピュータ(クライアント)にダウンロードさせてもよい。
【符号の説明】
【0083】
100・・・配信者端末
200・・・動画配信サーバ
300・・・観客端末
400・・・制御サーバ
401・・・受信部
402・・・フィルタ部
403・・・ランチャー情報生成部
404・・・ランチャー情報記憶部
405・・・送信部
406・・・優先指標集計部
500・・・視聴ページ
501・・・動画表示領域
502・・・コメントリスト表示領域
510・・・ランチャー表示領域
511、512、513、514、515、516・・・GUI部品