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特許7179957双極灌注式高周波アブレーション分岐プローブ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-18
(45)【発行日】2022-11-29
(54)【発明の名称】双極灌注式高周波アブレーション分岐プローブ
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/12 20060101AFI20221121BHJP
【FI】
A61B18/12
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021505231
(86)(22)【出願日】2019-07-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-02
(86)【国際出願番号】 US2019044451
(87)【国際公開番号】W WO2020028543
(87)【国際公開日】2020-02-06
【審査請求日】2021-01-29
(31)【優先権主張番号】62/713,257
(32)【優先日】2018-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/526,738
(32)【優先日】2019-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ、ホン
(72)【発明者】
【氏名】オストルート、ティモシー エイ.
【審査官】菊地 康彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2005/104973(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0077644(US,A1)
【文献】特開2016-185295(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0137659(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0095029(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
双極灌注式高周波アブレーションのためのシステムにおいて、
先端部と基端部と外面とを有する長尺状の内側電極アセンブリであって、前記内側電極アセンブリが、
シースと、
前記シース内の第1のリードと、
前記内側電極アセンブリの前記先端部に位置付けられて、前記第1のリードに電気的に接続された3つ以上の電極タインを備える電極アレイとを備え、前記電極アレイが、前記シース内に含まれた第1の位置と、前記シースの先端部から突出する第2の位置との間で移動可能である、長尺状の内側電極アセンブリと、
先端部と基端部とを有し、先端部と基端部とを有するカニューレを備える長尺状の外側電極アセンブリであって、前記外側電極アセンブリが、
管腔を画定する内面と、
前記外側電極アセンブリの外面上の前記カニューレの前記先端部の近くのシャフト電極と、
前記外側電極アセンブリの前記基端部から前記シャフト電極への導電路と
を備える、長尺状の外側電極アセンブリと、
前記内側電極アセンブリの前記外面と前記外側電極アセンブリの外面との間に画定された灌注経路とを備え、前記内側電極アセンブリが、前記外側電極アセンブリの前記管腔内に位置付けられるように構成されており、前記システムが、前記電極アレイと前記シャフト電極との間に高周波電流フローを提供する発生装置に取り付けるために構成されている、双極灌注式高周波アブレーションのためのシステム。
【請求項2】
前記内側電極アセンブリと前記外側電極アセンブリとの間の絶縁層
をさらに備え、
前記絶縁層が、
前記内側電極アセンブリの前記外面上に位置付けられた絶縁シースと、
前記外側電極アセンブリの前記内面上の絶縁コーティングと
からなる群から選択されている、
請求項に記載のシステム。
【請求項3】
前記内側電極アセンブリと前記外側電極アセンブリとの間の絶縁層
をさらに備え、
前記絶縁層が、前記内側電極アセンブリの前記外面上に位置付けられた絶縁シースを備え、前記絶縁層の先端セグメントが、前記外側電極アセンブリの前記先端部から突出している、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記灌注経路が、前記内側電極アセンブリの外面と前記外側電極アセンブリの前記内面との間に画定されており、前記灌注経路が、前記シャフト電極に画定された灌注開口によってさらに画定されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記外側電極アセンブリが、前記カニューレの外面に隣接する基端絶縁セグメントを備え、前記基端絶縁セグメントが、前記カニューレの前記基端部の近くから前記シャフト電極まで延在しており、前記灌注経路が、前記カニューレの前記外面と前記基端絶縁セグメントの内面との間に画定されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記シャフト電極が、前記カニューレの前記外面に取り付けられており、前記カニューレが、前記シャフト電極の近くで灌注開口を画定しており、前記灌注経路が、前記カニューレの前記内面と前記内側電極アセンブリの前記外面との間に画定されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記シャフト電極が、前記カニューレの前記外面に取り付けられており、
前記カニューレが、前記シャフト電極の近くで灌注開口を画定しており、
前記灌注経路が、前記カニューレの壁の中に、前記灌注開口を通って画定されている、
請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記灌注経路が、前記シャフト電極に画定された、又は、前記シャフト電極の近くに画定された、灌注開口を通って画定されており、前記灌注経路が、開放灌注のための出口経路を画定している、請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記カニューレが、
導電材料から作られたカニューレ本体であって、前記シャフト電極が、前記導電材料の露出セグメントによって形成されている、カニューレ本体と、
前記カニューレ本体の基端部の近くから前記シャフト電極まで延在する前記カニューレ本体の外面上の基端絶縁セグメントであって、前記基端絶縁セグメントが、前記カニューレ本体の外面上に絶縁チューブ層を備える、基端絶縁セグメントとを備える、請求項1~4及び8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記基端絶縁セグメントの前記絶縁チューブ層が、
ポリイミドチューブと、
前記チューブの壁の中に編まれた繊維を有するポリイミドチューブと、
ポリエチレンテレフタレート(PET)と、
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)と、
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)と
からなる群から選択されている、
請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記カニューレ本体の外面上に絶縁層を備える前記カニューレ本体の先端部の先端絶縁セグメントをさらに備える、請求項9又は10に記載のシステム。
【請求項12】
前記先端絶縁セグメントの前記絶縁層が、
熱収縮材料と、
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)と、
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)と、
フルオロポリマーと、
フッ素化エチレンプロピレン(FEP)と、
ポリエチレンテレフタレート(PET)と、
これらの材料の組合せと
からなる群から選択されている、
請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記カニューレが、
絶縁材料から作られたカニューレ本体であって、前記シャフト電極が前記カニューレ本体の外面に取り付けられている、カニューレ本体と、
前記カニューレの前記基端部から、前記カニューレ本体の壁の中の前記シャフト電極までの導電路を提供する第2のリードとを備える、請求項1~3及び7~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記内側電極アセンブリが、前記シースの外面上に位置付けられた絶縁スリーブをさらに備え、
前記カニューレは、導電材料から作られたカニューレ本体を有しており
前記シャフト電極は、前記カニューレの前記導電材料の露出セグメントによって形成されており
前記外側電極アセンブリが、前記カニューレ本体の前記基端部の近くから前記シャフト電極まで延在する前記カニューレ本体の外面上の基端絶縁セグメントをさらに備え、
前記灌注経路は、前記内側電極アセンブリの前記外面と前記カニューレの内面との間に画定されており、前記灌注経路が、前記シャフト電極に画定された灌注開口を通して、さらに画定されている、
請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、すべての国の指定に対する出願人である米国国内企業ボストン・サイエンティフィック・サイムド・インコーポレイテッド(Boston Scientific Scimed,Inc.)、すべての国の指定に対する発明者である米国市民ホン・カオ(Hong Cao)、及び、すべての国の指定に対する発明者である米国市民ティモシー・A.オストルート(Timothy A.Ostroot)の名義で、2019年7月31日にPCT国際特許出願として出願されている。本出願は、2018年8月1日に出願された米国仮特許出願第62/713,257号明細書に対する優先権を主張し、2019年7月30日に出願された米国特許出願第16/526,738号に対する優先権を主張し、それらの内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
高周波アブレーションは、腫瘍の治療を含む、病態の治療において使用されている。この状況において、高周波アブレーションの1つの目標は、腫瘍を破壊し、損傷を形成することである。高周波アブレーションは、組織を加熱して脱水し、壊死及び組織の炭化を引き起こす。炭化した組織は、絶縁体として働き、組織のインピーダンスを増加させる。高周波エネルギーは、高いインピーダンスを有する組織を透過することができない。炭化した組織は、組織への高周波エネルギーのより深い送達を妨げる。いくつかの状況において、この影響により、高周波アブレーション治療によって作成される損傷のサイズが制限される。
【発明の概要】
【0003】
本開示技術の1つの態様は、長尺状内側電極アセンブリと長尺状外側電極アセンブリとを含む双極灌注式高周波アブレーションのためのシステムを提供する。いくつかの実施例において、長尺状内側電極アセンブリは、先端部と、基端部と、外面とを含む。いくつかの実施例において、内側電極アセンブリは、シースと、シース内の第1のリードと、内側電極アセンブリの先端部に位置付けられて、第1のリードに電気的に接続された3つ以上の電極タインを備える電極アレイとを有する。いくつかの実施例において、この電極アレイは、シース内に含まれた第1の位置と、シースの先端部から突出する第2の位置との間で移動可能である。いくつかの実施例において、長尺状外側電極アセンブリは、先端部と基端部とを有し、外側電極アセンブリは、先端部と基端部とを有するカニューレを有する。いくつかの実施例において、外側電極アセンブリは、管腔を画定する内面と、外側電極アセンブリの外面上のカニューレの先端部の近くのシャフト電極と、外側電極アセンブリの基端部からシャフト電極への導電路とを含む。いくつかの実施例は、内側電極アセンブリの外面と外側電極アセンブリの外面との間に画定された灌注経路をさらに提供し、いくつかの実施例は、内側電極アセンブリが外側電極アセンブリの管腔内に位置付けられるように構成されていることをさらに提供し、システムは、電極アレイとシャフト電極との間に高周波電流フローを提供する発生装置に取り付けるために構成されている。
【0004】
本開示技術のさらなる実施例は、1つ又は複数の代替の特徴又は追加の特徴を有することができる。或いは又はさらに、本技術の1つ又は複数の実施例は、内側電極アセンブリと外側電極アセンブリとの間の絶縁層をさらに含み、絶縁層は、内側電極アセンブリの外面上に位置付けられた絶縁シース、又は、外側電極アセンブリの内面上の絶縁コーティングとすることができる。
【0005】
或いは又はさらに、本技術の1つ又は複数の実施例は、内側電極アセンブリと外側電極アセンブリとの間の絶縁層をさらに含み、絶縁層は、内側電極アセンブリの外面上に位置付けられた絶縁シースを備え、絶縁層の先端セグメントは、外側電極アセンブリの先端部から突出している。
【0006】
或いは又はさらに、本技術の1つ又は複数の実施例において、灌注経路は、内側電極アセンブリの外面と外側電極アセンブリの内面との間に画定され、シャフト電極に画定された灌注開口によってさらに画定されている。
【0007】
或いは又はさらに、本技術の1つ又は複数の実施例において、外側電極アセンブリは、カニューレの外面に隣接する基端絶縁セグメントを有し、基端絶縁セグメントは、カニューレの基端部の近くからシャフト電極まで延在している。いくつかの実施例において、灌注経路は、カニューレの外面と基端絶縁セグメントの内面との間に画定されている。
【0008】
或いは又はさらに、本技術の1つ又は複数の実施例において、シャフト電極は、カニューレの外面に取り付けられており、カニューレは、シャフト電極の近くで灌注開口を画定している。いくつかの実施例において、灌注経路は、カニューレの内面と内側電極アセンブリの外面との間に画定されている。
【0009】
或いは又はさらに、本技術の1つ又は複数の実施例において、シャフト電極は、カニューレの外面に取り付けられており、カニューレは、シャフト電極の近くで灌注開口を画定している。いくつかの実施例において、灌注経路は、カニューレの壁の中に、灌注開口を通って画定されている。
【0010】
或いは又はさらに、1つ又は複数の実施例において、灌注経路は、シャフト電極に画定された、又は、シャフト電極の近くに画定された、灌注開口を通って画定されている。
或いは又はさらに、1つ又は複数の実施例において、カニューレは、導電材料から作られたカニューレ本体を含み、シャフト電極は、導電材料の露出セグメントによって形成されている。カニューレは、カニューレ本体の基端部の近くからシャフト電極まで延在するカニューレ本体の外面上の基端絶縁セグメントをさらに含むことができ、基端絶縁セグメントは、カニューレ本体の外面上に絶縁チューブ層を備える。
【0011】
或いは又はさらに、1つ又は複数の実施例において、カニューレ本体は、ステンレス鋼を備え、カニューレ本体の外面の少なくとも一部は、粗い、ざらざらである、又は、ねじ付きである。
【0012】
或いは又はさらに、1つ又は複数の実施例において、基端絶縁セグメントの絶縁チューブ層は、ポリイミドチューブ、チューブの壁の中に編まれた繊維を有するポリイミドチューブ、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、及び、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とすることができる。
【0013】
或いは又はさらに、1つ又は複数の実施例において、カニューレ本体の外面上に絶縁層を備えるカニューレ本体の先端部の先端絶縁セグメントをさらに含む。或いは又はさらに、先端絶縁セグメントの絶縁層は、熱収縮材料、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フルオロポリマー、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、及び、これらの材料の組合せとすることができる。
【0014】
或いは又はさらに、1つ又は複数の実施例において、カニューレは、絶縁材料から作られたカニューレ本体を有し、シャフト電極は、カニューレ本体の外面に取り付けられている。1つ又は複数の実施例において、第2のリードは、カニューレの基端部から、カニューレ本体の壁の中のシャフト電極までの導電路を提供する。
【0015】
或いは又はさらに、1つ又は複数の実施例において、内側電極アセンブリは、中央通路と、内側電極アセンブリの先端部の開口とを画定し、システムは、内側電極アセンブリの中央通路の中に受けられるように構成されたスタイレットをさらに備え、スタイレットは、鋭いチップを備える。
【0016】
或いは又はさらに、灌注経路は、開放灌注のための出口経路を画定している。
本開示技術の1つの態様は、長尺状内側電極アセンブリと長尺状外側電極アセンブリとを含む双極灌注式高周波アブレーションのためのシステムを提供する。いくつかの実施例において、長尺状内側電極アセンブリは、先端部と、基端部と、外面とを有する。いくつかの実施例において、内側電極アセンブリは、シースと、シース内の第1のリードと、内側電極アセンブリの先端部に位置付けられて、第1のリードに電気的に接続された3つ以上の電極タインを備える電極アレイであって、電極アレイが、シース内に含まれた第1の位置と、シースの先端部から突出する第2の位置とを有する、電極アレイと、シースの外面上に位置付けられた絶縁スリーブとを含む。いくつかの実施例において、長尺状外側電極アセンブリは、先端部と基端部とを有し、長尺状外側電極アセンブリは、導電性材料から作られたカニューレ本体を有するカニューレと、管腔を画定する内面と、外側電極アセンブリの外面上のカニューレの導電材料の露出セグメントによって形成されたシャフト電極と、カニューレ本体の基端部の近くからシャフト電極まで延在するカニューレ本体の外面上の基端絶縁セグメントとを含む。いくつかの実施例において、灌注経路は、内側電極アセンブリの外面とカニューレの内面との間に画定されており、灌注経路は、シャフト電極に画定された灌注開口を通して、さらに画定されている。いくつかの実施例において、内側電極アセンブリは、外側電極アセンブリの管腔内に位置付けられるように構成されており、システムは、電極アレイとシャフト電極との間に高周波電流フローを提供する発生装置に取り付けるために構成されている。
【0017】
別の態様において、本開示技術は、先端部と、基端部と、外面とを有する長尺状内側電極アセンブリを提供するステップを含む、高周波アブレーション方法を提供する。いくつかの実施例において、内側電極アセンブリは、シースと、内側電極アセンブリの先端部に位置付けられて、第1のリードに電気的に接続された3つ以上の電極タインを備える電極アレイとを有し、電極アレイは、シース内に含まれた第1の位置と、シースの先端部から突出する第2の位置との間で移動可能である。いくつかの実施例において、方法は、先端部と基端部とを有して、先端部と基端部とを有するカニューレを備える長尺状外側電極アセンブリを提供するステップをさらに含む。いくつかの実施例において、カニューレは、管腔を画定する内面と、外側電極アセンブリの外面上のカニューレの先端部の近くのシャフト電極と、カニューレの基端部からシャフト電極への導電路とを有する。いくつかの実施例において、方法は、外側電極アセンブリのカニューレ内に内側電極アセンブリを位置付けるステップと、内側電極アセンブリの外面と外側電極アセンブリの外面との間に画定された灌注経路に灌注源を取り付けるステップと、灌注経路を通る流体流れを提供するステップと、内側電極アセンブリ及び外側電極アセンブリを発生装置に取り付けて、電極アレイとシャフト電極との間に高周波電流フローを提供するステップとをさらに含む。
【0018】
本概要は、本出願の教示の一部の概説であり、本主題を排他的又は網羅的に取り扱うことを意図するものではない。さらなる詳細は、詳細な説明及び添付の特許請求の範囲に見出される。他の態様は、以下の詳細な説明を読んで理解し、その一部を成す図面を見ることで当業者に明らかになり、詳細な説明及び図面の各々は、限定的な意味で解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1A】いくつかの実施例による双極開放灌注式高周波アブレーションシステムの基端外側電極アセンブリの側面図である。
図1B】いくつかの実施例による双極開放灌注式高周波アブレーションシステムの、電極アレイを含む、先端内側電極アセンブリの側面図である。
図1C】いくつかの実施例による高周波アブレーションシステム用のスタイレットの側面図である。
図2A】いくつかの実施例による双極開放灌注式高周波アブレーションのためのシステムの概略側面図である。
図2B図2Aのシステムの一部の長手方向の断面図である。
図2C】線A-Aに沿った図2Aのシステムの半径方向断面図である。
図3A】いくつかの実施例による双極開放灌注式高周波アブレーションのためのシステムの代替的な実施例の概略側面図である。
図3B図3Aのシステムの一部の長手方向の断面図である。
図3C】線B-Bに沿った図3Aのシステムの半径方向断面図である。
図4A】いくつかの実施例による双極開放灌注式高周波アブレーションのためのシステムの代替的な実施例の概略側面図である。
図4B図4Aのシステムの一部の長手方向の断面図である。
図4C】線C-Cに沿った図4Aのシステムの半径方向断面図である。
図5A】いくつかの実施例による双極開放灌注式高周波アブレーションのためのシステムの代替的な実施例の概略側面図である。
図5B図5Aのシステムの一部の長手方向の断面図である。
図5C】線D-Dに沿った図5Aのシステムの半径方向断面図である。
図5D】いくつかの実施例による線E-Eに沿った図5Aのシステムの半径方向断面図である。
図5E】いくつかの実施例による双極開放灌注式高周波アブレーションのためのシステムの断面図である。
図6】いくつかの実施例による高周波アブレーションを行うためのシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書の実施形態は、さまざまな修正形態及び代替形態になりやすいが、その詳細は、実施例及び図面として示されており、詳細に説明されるであろう。しかしながら、本明細書の範囲が説明される特定の実施例に限定されないことは理解されるべきである。逆に、本発明は、本明細書の趣旨及び範囲内に含まれる修正形態、均等物、並びに代替形態を網羅するものである。
【0021】
本開示は、軟組織アブレーションのために損傷形成を促進する、開放灌注及び双極電極を有する高周波アブレーションシステムを説明する。システムは、既存の高周波アブレーションシステムに対して、アブレーション性能を大幅に向上させることができる。本開示技術は、より短い印加時間でより大きな損傷を与える。向上した性能は、マイクロ波アブレーションなどの他のエネルギーシステムとの競争力があり、マイクロ波アブレーション方法と同様の時間で、同様のサイズの損傷を作成する。
【0022】
本技術のさまざまな実施例において、開放灌注は、電極及び周辺組織の温度を冷却し、高周波エネルギー送達のためのより高い出力及びより長い持続時間が可能になる。冷却剤は、高周波アブレーション中、電極及び周辺組織から熱を奪い、組織の炭化を防ぐ、又は、遅らせる。それにより、高周波アブレーションプローブ電極を囲む高伝導性の流体の領域を作成することもできる。この結果、電極の近くの抵抗加熱が小さくなる。別の結果としては、組織のより大きな部分に電流密度を広げる。開放灌注システムは、より良い熱伝導率及び電気伝導率のために、高周波アブレーション中、組織を再水和する。より大きな電力印加により、組織へのより深いエネルギーの浸透がもたらされる。これにより、炭化が発生する前に、損傷を形成するために熱をさらに伝えるより長い持続時間が可能になる。
【0023】
本開示は、2つの電極によって形成される、大部分のエネルギーが局所的に送達される双極高周波アブレーションシステムを説明する。エネルギーのより局所的な送達は、患者の皮膚上に接地パッドを使用する、単極高周波アブレーションと比較して、より効率的なエネルギー送達及びより速い損傷形成の利点を有する。また、エネルギー送達が患者の身体の他の部分を必要としないため、損傷形成はより安定している。治療の熱が近くの血管を通って流れる血液によって標的領域から離れて運ばれる危険性は減少する。別の利点は、接地パッドの排除である。
【0024】
双極高周波アブレーションで実現される損傷形状は、単極高周波アブレーションと比較して、たとえば、シャフト電極を中心として、タイン端部が損傷の外側周辺に跡を残すことによって、且つ、1により近い短軸長軸比を有することによって、さらに有利である可能性がある。これにより、治療中、損傷形状がより予測可能になり、腫瘍形状に重ねることがより容易になる。電極アレイを使用する単極高周波アブレーションでは、損傷は、電極アレイのタインを囲む領域に形成され、損傷の短軸と長軸との間により大きい差がある。
【0025】
本明細書で使用される場合、用語基端及び先端は、2つの異なる要素の関係を表す。基端であると示される要素は、システムの外部、すなわち、患者の身体に入っていない部分の近くに位置付けられている。先端であると示される要素は、システムの挿入端部の近くに位置付けられている。
【0026】
図面を参照すると、図1Aは、いくつかの実施例による高周波アブレーションプローブシステムのシャフト電極110を有する外側電極アセンブリ100の側面図である。図1Bは、図1Aのシステムと互換性のある双極高周波アブレーションのための電極アレイ143を有する高周波アブレーションプローブシステムの内側電極アセンブリ101の側面図である。内側電極アセンブリ101は、外側電極アセンブリ100の内腔内に受けられるように構成されている。システムは、電極アレイとシャフト電極との間に高周波電流フローを提供する発生装置に取り付けるために構成されている。システムには、灌注流体への接続112が設けられており、他の図を参照してさらに説明される開放灌注経路を画定している。
【0027】
図1Cは、システムに任意選択的に設けることができるスタイレット125の側面図である。本技術のさまざまな実施例において、スタイレット125は、鋭いトロカールチップ145を有し、開示される高周波アブレーションシステムで使用することができる。たとえば、スタイレット125は、放射線不透過性又はエコー源性のチップを有することができ、画像技術を使用して、切除する組織内に正確に位置付けることができる。スタイレットは、内側電極アセンブリ101の管腔に挿入することができ、その後、鋭いチップ145は、プローブアセンブリ105の患者組織への貫入を容易にするために、患者組織を穿刺するために使用することができる。或いは又はさらに、外側電極アセンブリ100又は内側電極アセンブリ101には、身体への挿入を容易にするために、組織に穿通する鋭いチップを設けることができる。
【0028】
灌注経路又は他の構造における違いを特徴とする双極灌注式高周波アブレーションのための構造の実施例は、ここで、図を参照して説明される。
図2A~2Cに示される本技術の1つの実施例は、双極開放灌注式高周波アブレーションのためのシステム200を提供する。図2Aの実施例において、システムは、電極アレイ241を有する長尺状内側電極アセンブリ212と、シャフト電極281を有する長尺状外側電極アセンブリ251とを含む。電極アレイ241は、先端電極と呼ぶこともできる。シャフト電極281は、基端電極又はカニューレ電極と呼ぶこともできる。内側電極アセンブリ212は、外側電極アセンブリ251の管腔268内に位置付けられるように構成されており、システムは、電極アレイ241とシャフト電極281との間の高周波エネルギー送達のために構成されている。
【0029】
内側電極アセンブリ212は、先端部231と基端部233とを有する。内側電極アセンブリ212はシース201を含む。シース201は、基端部204と先端部202とを有する。シース201は、シース201を貫く管腔247を有する。管腔247は管腔開口249で終わる。管腔247は、電極アレイ241と第1のリード271とを保持する。電極アレイ241は、第1のリード271に電気的に接続された複数の電極タイン243を含む。1つの実施例において、電極タイン243は導電性材料から作られる。内側電極アセンブリのシース201は、ステンレス鋼、又は適切な導電率及び強度を有する他の導電性金属から作ることができる。本明細書で説明されるシステムで使用することができるシース201、電極アレイ241、及び第1のリード271の1つの実施例は、マサチューセッツ州マールボロのボストン・サイエンティフィック社(Boston Scientific Corporation,Inc.)から商業的に入手可能である、LEVEEN COACCESS(商標)ニードル電極(LEVEEN COACCESS(TM)Needle Electrode)である。
【0030】
いくつかの実施例において、電極タイン243は伸縮自在であり、図1Bに示される実施例の傘形状などの三次元形状を形成している。或いは又はさらに、電極アレイ241は、3つ以上のタイン、10個のタイン以下の任意の数のタイン、12個のタイン、又はそれ以上のタインを含む。或いは又はさらに、電極アレイ241は伸縮自在であり、シース201内に含まれた第1の位置と、シース201の先端部202から突出する第2の位置との間で移動可能である。
【0031】
システムは、先端部252と基端部254とを有する長尺状外側電極アセンブリ251をさらに含む。いくつかの実施例において、外側電極アセンブリ251は、先端部262と基端部264とを有するカニューレ261を備える。外側電極アセンブリ251は、管腔268を画定する内面266を有する。図2A~Cの実施例において、内面266は、カニューレ261の内面である。管腔268は、内側電極アセンブリ212を受けるように構成されている。いくつかの実施例において、内側電極アセンブリ212の先端部202は、外側電極アセンブリ251の先端部252において、管腔268から突出している。
【0032】
外側電極アセンブリ251は、外側電極アセンブリ251の外面265上の、カニューレ261の先端部262の近くで、シャフト電極281を含む。1つの実施例において、シャフト電極281の先端縁は、外側電極アセンブリの先端部から約0.5cm離間している。いくつかの実施例において、空間は、少なくとも約0.2cm、少なくとも約0.3cm、多くとも約1cm、多くとも約0.8cm、又は多くとも約0.7cmである。いくつかの実施例において、空間は、少なくとも約0.2cm且つ多くとも約0.8cm、又は、少なくとも約0.4cm且つ多くとも約0.6cmである。
【0033】
図2A~Cの実施例において、カニューレ261は、ステンレス鋼を含む金属などの伝導材料から作ることができるカニューレ本体263を有する。この実施例において、シャフト電極281は、カニューレ本体263の外面274の暴露部分である。カニューレ本体263は、外側電極アセンブリ251の基端部254からシャフト電極281までの導電路の役割を果たすことができる。シャフト電極281及び電極アレイ241は、双極高周波アブレーションシステムのそれぞれ、第1の電極及び第2の電極を作成する。
【0034】
いくつかの実施例において、カニューレ本体は、約19.05mm(0.75インチ)の内径及び約0.0635mm(0.0025インチ)の管厚を有するステンレス鋼カニューレである。多くの他の寸法がカニューレに可能である。
【0035】
いくつかの実施例において、シャフト電極281は約1.5cmの長さを有する。いくつかの実施例において、電極長さは、少なくとも約0.5cm、少なくとも約1cm、又は少なくとも約1.3cmである。いくつかの実施例において、電極長さは、多くとも約2.5cm、多くとも約1cm、又は多くとも約1.7cmである。いくつかの実施例において、電極長さは、少なくとも約0.5cm且つ多くとも約2.5cm、又は、少なくとも約1cm且つ多くとも約2cmである。
【0036】
いくつかの実施例において、カニューレ261の外面265は、基端絶縁セグメント269を有する。基端絶縁セグメント269は、カニューレ261の基端部264の近くからシャフト電極281まで延在している。基端絶縁セグメント269は、カニューレ本体263の外面274上の絶縁チューブ層とすることができる。たとえば、基端絶縁セグメント269の絶縁チューブ層は、ポリイミドチューブとすることができ、任意選択的に、チューブの壁の中に編まれた繊維を有するポリイミドチューブ、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(又は、他のフルオロポリマー)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、又は他の電気絶縁材料、或いは、これらの材料の組合せとすることができる。
【0037】
いくつかの実施例において、外側電極アセンブリ251は、カニューレ本体263の先端部262において、先端絶縁セグメント276を含む。先端絶縁セグメント276は、カニューレ本体263の外面274上の絶縁層とすることができる。先端絶縁セグメント276は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、又は、これらの材料の組合せから作ることができ、カニューレ本体263の先端部262を覆う。先端絶縁セグメント276は、熱収縮材料を使用して作ることができる。代替的な実施例において、先端絶縁セグメント276は、チューブ又はコーティングとすることができる。さらなる例は、熱収縮及びリフロー技術を組み合わせた押出成形を使用する。いくつかの実施例において、先端絶縁セグメントを形成するカニューレ本体263の外面274の部分は、粗い、ざらざらである、又は、ねじ付きである。粗い、ざらざらである、又は、ねじ付きである表面は、熱収縮材料などの絶縁材料の密着を向上させることができる。(図2には明示的に示されていない)いくつかの例において、先端絶縁セグメント276は、流体がカニューレ261の先端部262を出ることを防ぐために、絶縁シース213とカニューレ261の先端部262との間にシールを作成するように構成されている。この構成において、以下でさらに詳細に説明される灌注開口283は、主要な灌注流体出口経路を提供する。
【0038】
内側電極アセンブリ212は外面205を有する。いくつかの実施例において、内側電極アセンブリ212は、伝導性カニューレ本体263の内面から伝導性カニューレ本体263を絶縁するために、絶縁層203を含む。図2A~Cの実施例において、絶縁層203は、内側電極アセンブリ212の外面205上に位置付けられた絶縁シース213である。絶縁層203は、内側電極アセンブリ212の外面205上に位置付けられた絶縁シース213とすることができる。絶縁シース213は、ポリイミド絶縁シースとすることができ、それは、いくつかの実施例において、約1.7272mm(0.068インチ)の内径及び約0.0635mm(0.0025インチ)の管厚を有する。或いは又はさらに、絶縁シース213は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(又は、他のフルオロポリマー)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、或いは、これらの材料の組合せなどの絶縁体を含むことができる。
【0039】
図2Aの実施例を含むいくつかの実施例において、絶縁シース213の先端セグメント214は、外側電極アセンブリ251の先端部252から突出している。この構成は、双極高周波アブレーションシステムの2つの電極を分離する。
【0040】
システム200は開放灌注システムを含む。食塩水などの流体は、アブレーションプローブの基端部で、灌注経路に供給されて、システムを通って、電極の近くで患者の身体に流れる。流体は、電極及び切除されている組織の両方を冷却する。ここで、図2A~2Cの実施例のための灌注経路の構造が説明される。
【0041】
図2A~Cの実施例において、灌注経路221は、内側電極アセンブリ212の外面205と外側電極アセンブリ251の内面266との間に画定されている。灌注経路221は円環形状を有する。いくつかの実施例において、たとえば、内側電極アセンブリ212の外径が約1.651mm(0.065インチ)であり、カニューレ561の内径が約1.905mm(0.075インチ)である場合、図2A~2Cに示される環状灌注経路221の厚さは、約0.254mm(0.01インチ)である。
【0042】
さらにまた、灌注経路221は、シャフト電極281の灌注開口283を通って画定されている。システム200の基端部において、流体は、内側電極アセンブリ212の外面205と外側電極アセンブリ251の内面266との間の隙間236に入る。流体は、内側電極アセンブリ212の外周に沿って、内側電極アセンブリ212の先端部231の方へ進む。流体は、シャフト電極281に画定された灌注開口283を通って、隙間236を出る。灌注開口283は、円形形状又はさまざまな他の形状であり、カニューレ261の外周のまわりに沿って分布する灌注ポートとすることができる。
【0043】
本開示技術のさらなる態様において、システム200は、先端部231と、基端部233と、外面265とを有する長尺状内側電極アセンブリ212を含む。内側電極アセンブリ212は、シース201と、シース201内の第1のリード271と、電極アレイ241とを備える。電極アレイ241は、内側電極アセンブリ212の先端部231に位置付けられた3つ以上の電極タイン243を含む。電極タイン243は、第1のリード271に電気的に接続されており、電極アレイ241は、シース201内に含まれた第1の位置と、シース201の先端部202から突出する第2の位置とを有する。システム200は、シース201の外面205上に位置付けられた絶縁スリーブ213も含む。長尺状外側電極アセンブリ251が提供されている。外側電極アセンブリ251は、先端部252と基端部254とを有する。いくつかの実施例において、外側電極アセンブリ251は、導電性材料から作られたカニューレ本体263を有するカニューレ261を含む。外側電極アセンブリ251は、管腔268を画定する内面266を有する。シャフト電極281は、外側電極アセンブリ251の外面265上で、カニューレ261の導電材料の露出セグメントによって形成されている。カニューレ本体263の外面274上の基端絶縁セグメント269は、カニューレ本体263の基端部264の近くからシャフト電極281まで延在している。灌注経路221は、内側電極アセンブリ212の外面205とカニューレ261の内面266との間に画定されている。灌注経路221は、シャフト電極281に画定された灌注開口283を通して、部分的に画定されている。内側電極アセンブリ212は、外側電極アセンブリ251の管腔268内に位置付けられるように構成されており、システムは、電極アレイ241とシャフト電極281との間の高周波電流フローのために構成されている。
【0044】
図3A~Cは、双極灌注式高周波アブレーションのためのシステムの代替的な実施例を提供する。図2A~Cの実施例と同様に、システム300は、内側電極アセンブリと、外側電極アセンブリと、流体がシステムの本体を通って、システムから患者組織へ流れることを可能にする灌注経路とを含み、ここで、流体は、高周波アブレーション電極及び患者組織を冷却する。
【0045】
図3A~Cの実施例において、双極開放灌注式高周波アブレーションのためのシステム300は、先端部231と基端部233とを有する長尺状内側電極アセンブリ312を含む。内側電極アセンブリ312は、外側電極アセンブリ351の管腔268内に位置付けられるように構成されており、システムは、電極アレイ241とシャフト電極281との間に高周波電流フローを提供する発生装置に取り付けるために構成されている。
【0046】
内側電極アセンブリ312は外面205を有する。内側電極アセンブリ312はシース201を含む。シース201、電極アレイ241、及びシース201内の他の構成要素は、図2A~2Cに対して本明細書で説明された構成要素と略同様であり、そのため、説明はここでは繰り返さない。図2A~2Cの内側電極アセンブリ212と比較した図3A~3Cの内側電極アセンブリ312との差は、内側電極アセンブリ312がその外面を形成する絶縁層を有していないことである。
【0047】
システム300は、先端部252と基端部254とを有する長尺状外側電極アセンブリ351をさらに含む。いくつかの実施例において、外側電極アセンブリ351は、先端部262と基端部264とを有するカニューレ261を含む。外側電極アセンブリ351は、管腔268を画定する内面266を有する。管腔268は、内側電極アセンブリ312を受けるように構成されている。
【0048】
いくつかの実施例において、システム300は、内側電極アセンブリ312と外側電極アセンブリ351との間に絶縁層を含む。図3A~Cの実施例において、絶縁層203は、外側電極アセンブリ351の内面266上の絶縁コーティング313である。絶縁コーティング313の存在以外に、外側電極アセンブリ351は、伝導性カニューレ本体263と、シャフト電極281を形成するカニューレ本体263の暴露部分を有するなど、図2A~2Cの外側電極アセンブリ251と略同様である。結果として、外側電極アセンブリ251と共有する外側電極アセンブリ351の構成要素及び構造の説明は、ここでは繰り返さない。
【0049】
システム300は開放灌注システムを含む。食塩水などの流体は、アブレーションプローブの基端部に挿入されて、システムを通って、患者の身体に流れる。流体は、電極及び切除されている組織の両方を冷却する。図3A~Cの実施例において、灌注経路221は、内側電極アセンブリ312の外面205と外側電極アセンブリ351の内面266との間に画定されている。さらにまた、図2A~2Cの実施例におけるのと同様に、灌注経路221は、シャフト電極281の灌注開口283を通って画定されている。図3A~3Cの灌注経路221は、図2A~2Cの灌注経路221と同様であり、そのため、完全な説明はここでは繰り返さない。
【0050】
図4A~Cは、双極灌注式高周波アブレーションのためのシステム400の代替的な実施例を提供する。図2A~C及び図3A~Cの実施例と同様に、システム400は、内側電極アセンブリ212と、外側電極アセンブリ451と、流体がシステムの本体を通って、システムから患者組織へ流れることを可能にする灌注経路とを含み、ここで、流体は、高周波アブレーション電極及び患者組織を冷却する。また、図2A~C及び図3A~Cの実施例と同様に、外側電極アセンブリ451は、導電材料から作られたカニューレ本体263を有するカニューレ261を含み、シャフト電極281は、カニューレ本体の暴露部分である。カニューレ261は、図2A~2C及び3A~3Cのカニューレ261と略同様とすることができ、そのため、説明はここでは繰り返さない。
【0051】
図4A~Cの実施例は、双極灌注式高周波アブレーションのためのシステム400を提供する。図4A~Cに示される内側電極アセンブリ212は、図2A~Cに対して説明されたものと略同じとすることができ、そのため、詳細はここでは繰り返さない。
【0052】
システム400は、先端部252と基端部254とを有する長尺状外側電極アセンブリ451をさらに含む。外側電極アセンブリ451は、先端部262と基端部264とを有するカニューレ261を含む。外側電極アセンブリ451は、管腔268を画定する内面266を有する。図4A~Cの実施例において、内面266は、カニューレ261の内面である。管腔268は、内側電極アセンブリ212を受けるように構成されている。いくつかの実施例において、内側電極アセンブリ212の先端部202は、外側電極アセンブリ451の先端部252において、管腔268から突出している。
【0053】
外側電極アセンブリ451は、外側電極アセンブリ451の外面265上の、カニューレ261の先端部262の近くで、シャフト電極281を含む。
システム400は開放灌注システムを含む。食塩水などの流体は、アブレーションプローブの基端部に挿入されて、システムを通って、患者の身体に流れる。流体は、電極及び切除されている組織の両方を冷却する。灌注経路421は、内側電極アセンブリ212の外面205と外側電極アセンブリ451の外面265との間に画定されている。
【0054】
図4A~Cの実施例において、外側電極アセンブリ451は、カニューレの外面274に隣接する基端絶縁セグメント469を含む。隙間436が、カニューレ261と絶縁セグメント469との間に存在する。基端絶縁セグメント469は、カニューレ261の基端部264の近くからシャフト電極281まで延在している。灌注経路421は、カニューレの外面274と基端絶縁セグメント469の内面468との間の隙間436に画定されている。
【0055】
基端絶縁セグメント469は、カニューレ本体263の外周のまわりに位置付けられた絶縁チューブとすることができる。たとえば、基端絶縁セグメント469の絶縁チューブは、ポリイミドチューブとすることができ、任意選択的に、チューブの壁の中に編まれた繊維を有するポリイミドチューブとすることができる。
【0056】
いくつかの実施例において、外側電極アセンブリ451は、カニューレ本体263の先端部262において、先端絶縁セグメント276を含み、それは、図2A~2C及び図3A~3Cに対して説明された先端絶縁セグメントと略同様である。
【0057】
図5A~Cは、双極灌注式高周波アブレーションのためのシステムの代替的な実施例を提供する。図2A~C、3A~C、及び4A~Cの実施例と同様に、システム500は、内側電極アセンブリと、外側電極アセンブリと、流体がシステムの本体を通って、システムから患者組織へ流れることを可能にする灌注経路とを含み、ここで、流体は、高周波アブレーション電極及び患者組織を冷却する。
【0058】
図5A~Cの実施例において、双極灌注式高周波アブレーションのためのシステム500は、先端部231と基端部233とを有する長尺状内側電極アセンブリ312を含む。図5A~Cに示される内側電極アセンブリ312は、図3A~Cに対して説明されたものと略同じとすることができ、そのため、詳細はここでは繰り返さない。システム500は、先端部252と基端部254とを有する長尺状外側電極アセンブリ551をさらに含む。外側電極アセンブリ551は、先端部562と基端部564とを有するカニューレ561を含む。外側電極アセンブリ551は、管腔568を画定する内面566を有する。図5A~Cの実施例において、内面266は、カニューレ561の内面である。
【0059】
システム500は開放灌注システムを含む。食塩水などの流体は、アブレーションプローブの基端部に挿入されて、システムを通って、患者の身体に流れる。流体は、電極及び切除されている組織の両方を冷却する。灌注経路221は、内側電極アセンブリ312の外面205と外側電極アセンブリ551の外面565との間に画定されている。いくつかの実施例において、灌注経路221は、シース201の外面と外側電極アセンブリ551の内面566との間に画定されている。
【0060】
図5A~Eの実施例において、カニューレ561は、絶縁材料から作られたカニューレ本体563を有する。たとえば、カニューレ本体563は、ポリイミドチューブとすることができ、任意選択的に、チューブの壁の中に編まれた繊維を有するポリイミドチューブとすることができる。或いは又はさらに、カニューレ本体563は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(又は、他のフルオロポリマー)、或いは、これらの材料の組合せなどの絶縁体を備えることができる。外側電極アセンブリ551は、外側電極アセンブリ551の外面565上の、カニューレ561の先端部562の近くで、シャフト電極581を有する。
【0061】
図5A~Eの実施例において、シャフト電極581は、カニューレ本体563の外面574に取り付けられた導電構造である。シャフト電極581の材料の選択肢は、金属、プラチナ、ステンレス鋼、又は同様のものを含む。シャフト電極581は、リング形状を有することができる。さらに又は或いは、電極は、約0.0254mm(0.001インチ)の管厚及び約1.5cmの長さを有するステンレス鋼又は白金環である。
【0062】
システム500は、外側電極アセンブリ551の基端部254からシャフト電極581までの導電路を含む。いくつかの実施例において、図5D~Eに示されるように、第2のリード595は、カニューレ本体563の壁591の中で、カニューレ561の基端部564からシャフト電極581までの導電路を提供する。
【0063】
カニューレ561は、シャフト電極581の近くに灌注開口521を画定している。灌注経路221は、カニューレ561の内面566と内側電極アセンブリ312の外面205との間に画定されている。いくつかの実施例において、図5A~Dに示された環状灌注経路221の厚さは、約0.254mm(0.01インチ)であり、たとえば、ここで、内側電極アセンブリ312の外径は約1.651mm(0.065インチ)であり、カニューレ561の内径は約1.905mm(0.075インチ)である。
【0064】
灌注経路221は、灌注開口521を通してさらに画定されている。いくつかの実施例において、灌注開口521は、シャフト電極581の基端側で、カニューレ561の長さに沿って配置されている。或いは又はさらに、灌注開口521は、シャフト電極581の先端側で、カニューレ561の長さに沿って配置することができる。さまざまな実施例において、灌注開口521とシャフト電極581の最も近い縁との間の距離は、約0.1cm以上0.5cm以下である。いくつかの実施例において、距離は、多くとも約0.5cm、又は、多くとも約0.3cmである。いくつかの実施例において、距離は、少なくとも約0.1cmである。
【0065】
或いは又はさらに、灌注開口は、シャフト電極581を通して、且つ、シャフト電極581の下にあるカニューレ本体563を通って画定されている。これは、図面に示されていない。
【0066】
さらに又は或いは、灌注経路は、図5Aの灌注開口521に灌注流体を供給するために、カニューレ561の壁591の中に画定することができる。図5Eは、図5Aの線E-Eに沿った半径方向断面を示し、ここで、図5Dに示される灌注経路221構造に代わるものとして、灌注チャネル593が壁591に示されている。灌注経路593は、カニューレ561の壁591の中に、灌注開口521を通って画定されている。この場合、灌注経路593は、図5Aに示される1つ又は複数の灌注開口521と流体連通している。図5A~Cは、図5Eの実施例と一致している。
灌注開口
灌注開口は、図において異なる構成で設けられており、図2A~C及び図3A~Cの灌注開口283、並びに図5A~Eの灌注開口521を含む。さまざまな実施例において、灌注開口は、外側電極アセンブリの長さに沿って配置されている。いくつかの実施例は、シャフト電極の長さに沿って灌注開口を提供している。代替的な例は、シャフト電極の基端及び/又は先端に灌注開口を提供している。灌注開口は、冷却剤が出るための経路を提供する。さまざまな実施例において、灌注開口は円形である。代替的な実施例において、灌注開口は、卵形、又は、さまざまな他の形状とすることができる。灌注開口は、約0.381mm(0.015インチ)、少なくとも約0.127mm(0.005インチ)、少なくとも約0.254mm(0.010インチ)、少なくとも約0.3048mm(0.012インチ)、多くとも約0.635mm(0.025インチ)、多くとも約0.508mm(0.020インチ)、少なくとも約0.127mm(0.005インチ)及び多くとも約0.635mm(0.025インチ)、又は、少なくとも約0.254mm(0.010インチ)及び多くとも約0.508mm(0.020インチ)の直径を有することができる。
【0067】
図2A~C及び図3A~Cの灌注開口283は、シャフト電極281を通って画定されている。図2A~C及び図3A~Cの例示的な配置において、灌注開口283は、電極のまわりで半径方向に延在する2列に配置され、各列3つの穴を有する。各列の中で、灌注開口は120度離れている。さまざまな実施例において、1列、2列、3列、又は4列の灌注開口が、シャフト電極のまわりで半径方向に延在する可能性があり、1つ、2つ、3つ、4つ、又は5つの灌注開口が、各列に存在する可能性がある。
【0068】
図2A~C及び図3A~Cの2列の灌注開口283は、シャフト電極の先端縁から2mm及び7mmである。異なる実施例では、他の間隔が可能である。
図2A~C及び図3A~Cの外側電極アセンブリ100は、外側電極アセンブリの先端部に、先端絶縁部分276を含み、それは、灌注流体の流れを灌注開口283を通して外に向ける役割を果たす。先端絶縁部分276は、外側電極アセンブリの先端部から延在し、内側電極アセンブリに対して密閉し、灌注流体が外側電極アセンブリの先端部から外に流れることを防止するために、その先端部の方へ次第に細くなっている。
高周波アブレーション方法
本明細書で説明される高周波アブレーションシステムのさまざまな実施例は、高周波アブレーションの方法を実行するために使用することができる。図6は、いくつかの実施例による高周波アブレーションを行うためのシステムの概略図である。方法は、先端部と、基端部と、外面とを有する長尺状内側電極アセンブリを提供することを含む。内側電極アセンブリは、図2A~5Eのいずれの実施例の内側電極アセンブリとすることもできる。内側電極アセンブリは、シースと、内側電極アセンブリの先端部に位置付けられて、第1のリードに接続された3つ以上の電極タインを備える電極アレイとを含む。電極アレイは、シース内に含まれた第1の位置と、シースの先端部から突出する第2の位置との間で移動可能である。
【0069】
方法は、先端部と基端部とを有して、先端部と基端部とを有するカニューレを備える外側電極アセンブリを提供することをさらに含む。カニューレは、管腔を画定する内面を有する。シャフト電極は、外側電極アセンブリの外面上の、カニューレの先端部の近くに設けられる。導電路は、外側電極アセンブリの基端部からシャフト電極まで続く。
【0070】
方法は、外側電極アセンブリのカニューレ内に内側電極アセンブリを位置付けることと、内側電極アセンブリの外面と外側電極アセンブリの外面との間に画定された灌注経路に灌注源を取り付けることとを含む。方法は、灌注経路を通る流体流れを提供することと、システムを発生装置に取り付けることと、電極アレイとシャフト電極との間に高周波電流フローを提供することとをさらに含む。
【0071】
図6に示されるように、高周波アブレーションシステム600は、プローブ601を含む。プローブ601は、患者組織611に、且つ、切除が望まれる組織612の体積に挿入される。システム600は、プローブ601の先端部から突出するタイン電極624を含む。プローブ601の本体に沿った第2の電極623は、電極624とともに、双極高周波アブレーションを提供するように構成されている。高周波エネルギー源675が提供される。高周波エネルギー源675は、たとえば、マサチューセッツ州マールボロのボストン・サイエンティフィック社(Boston Scientific,Inc.)によって製造されるRF 3000(商標)ジェネレータ(RF 3000(TM)Generator)とすることができる。
【0072】
食塩水源628などの灌注源は、プローブ601を通して患者組織612に食塩水を注入するために使用される。いくつかの実施例において、食塩水は0.9%の食塩溶液である。他の濃度の食塩溶液が使用できる。矢印661で示されるように、灌注経路621により、流体を切除する組織612に灌注することができる。高周波エネルギーが患者組織に伝達されると、組織612は加熱される。灌注流体は、温度を調整し、過熱を低減し、より大きな領域をより短い時間で切除することを可能にする。
【0073】
いくつかの実施例において、灌注経路621を通しての流体の流量は、約0.5cm(0.5mL)/分とすることができる。いくつかの実施例において、灌注経路621を通しての流体の流量は、約少なくとも約0.3cm(0.3mL)/分且つ多くとも約2cm(2mL)/分、少なくとも約0.5cm(0.5mL)/分且つ多くとも約2cm(2mL)/分、又は、少なくとも約1.0cm(1.0mL)/分且つ多くとも約2cm(2mL)/分とすることができる。
【0074】
ここで、システム600が切除する患者組織612内に位置付けられており、電極が高周波発生装置675に電気的に接続されている、灌注式双極高周波アブレーションの1つの例示的な方法が説明される。切除を開始する前に、約1分間、約0.5cm(0.5mL)/分の速度で食塩水灌注を開始する。2cm(2mL)の食塩水の灌注など、異なる量の食塩水及び異なる速度の食塩水灌注が、高周波アブレーションの開始前に使用される可能性がある。最初の食塩水の注入の後、食塩水灌注を続けながら、高周波アブレーションは15ワットで開始する。組織インピーダンスが前の30秒と比べて減少している限り、高周波アブレーションの出力を30秒ごとに5ワット増加させる。この手順によって必要とされる最小の減少の例は、3オームである。約25~30ワットで発生しやすい、インピーダンス減少の安定状態に達すると、出力を30秒ごとに2ワット増加させる。インピーダンスが増加し始めると、出力は、もはや調整されない。発生装置は、そのプログラミングによって、インピーダンスの増加に応答して、自身で下げるように調整することが可能である。10分後、高周波アブレーション発生装置は停止されるが、高周波アブレーション発生装置はプログラミングによってそのときまでに自身でシャットダウンしてもよい。より大きな損傷のために、臨床医は、30秒間、待つことができ、次いで、これまでに使用された最大出力の50%で、この手順を再開することができる。
【0075】
より大きな損傷のための2回目の手順において、組織インピーダンスが前の30秒と比べて減少している限り、高周波アブレーションの出力を30秒ごとに5ワット増加させる。たとえば、30秒ごとに約25~30ワット減少することによって、インピーダンス減少が安定状態に達すると、出力を30秒ごとに2ワット増加させる。インピーダンスが増加し始めると、出力は、もはや調整されない。発生装置は、そのプログラミングによって、インピーダンスの増加に応答して、自身で下げるように調整することが可能である。10分後に、高周波アブレーション発生装置を停止させるが、高周波アブレーション発生装置はプログラミングによってそのときまでに自身でシャットダウンしてもよい。
【0076】
本開示は、約10分などの短い印加時間で、約40ワット以下のオーダのより低い出力の単一のプローブを使用して、接地パッドなしで、皮膚火傷の危険性なしに、身体の非標的部分に伝達される熱はより少なく、1つの軸の上で最低3cm、多くの場合、5cm×5cmのような、より大きな損傷の作成を可能にする。
【0077】
図のいくつかは、本質的に概略図であり、一定の縮尺では描かれていない。特定の特徴は、実際の縮尺より大きく示されており、特定の特徴は、説明を容易にするために、いくつかの図からは省略されている。
【0078】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形は本文脈が他に明確に指示しない限り複数を含むことに注目すべきである。また、「又は」という用語は、文脈上別段の明確な指示のない限り、「及び/又は」を含む意味で一般に用いられることにも留意すべきである。
【0079】
本明細書で参照されるすべての刊行物及び特許出願は、その全体が参照することにより本明細書に組み込まれる。
本発明は、さまざまな特定の及び好ましい実施形態及び技術に関して説明されている。しかしながら、本発明の趣旨及び範囲を維持しながら多くのバリエーション及び改良を行うことができることが理解されるはずである。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6