(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-18
(45)【発行日】2022-11-29
(54)【発明の名称】取引検証システムおよび取引を検証する方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/40 20120101AFI20221121BHJP
【FI】
G06Q20/40
(21)【出願番号】P 2021510085
(86)(22)【出願日】2019-03-01
(86)【国際出願番号】 SG2019050115
(87)【国際公開番号】W WO2020180241
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2021-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ラジャット ゴスワミ パティット パバン ゴスワミ
(72)【発明者】
【氏名】風間 頼子
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0371699(US,A1)
【文献】特表2010-530685(JP,A)
【文献】特開2015-176233(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検証サーバにおいて、
特定の消費者の識別子および取引要求を、商業者端末から受信するステップであって、
前記取引要求が、商業者の位置、
買物の日時、および進行中の取引の金額を含む、ステップと、
前記特定の消費者の前記識別子に基づいて、
対応する複数の消費者に関する複数の支出プロファイルおよび複数の安全地帯プロファイルを格納する消費者データベースから、
前記特定の消費者の支出プロファイルおよび安全地帯プロファイルを検索するステップであって、
前記支出プロファイルが、商業者の位置、買物のタイプ、買物の頻度、買物の日時、および取引の金額に関連する、前記消費者の消費パターンを含み、
前記安全地帯プロファイルが、
消費者の移動軌跡に基づき決定され、平日に有効とされた、安全位置のリストを含み、
前記取引要求を、前記支出プロファイルおよび前記安全地帯プロファイルと比較して、前記消費パターンおよび前記安全位置のリストからの偏差を検出するステップと、を含む、取引を検証する方法。
【請求項2】
前記消費パターンおよび前記安全位置のリストの偏差を検出すると、前記消費者データベースから、前記
特定の消費者の識別情報に基づいて、前記
特定の消費者に
、登録された通信コードを検索するステップと、
前記通信コードを使用して、検証メッセージの要求を、前記
特定の消費者と関連付けられた移動端末に送信するステップと、
検証メッセージが検証時間ウィンドウ内に前記移動端末から受信されなかった場合、前記進行中の取引を拒絶するステップと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記
特定の消費者の過去の取引要求に基づいて、前記安全地帯プロファイルを生成するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記進行中の取引中の前記
特定の消費者と関連付けられた移動端末の位置に基づいて、前記安全地帯プロファイルをリアルタイムで更新するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記
特定の消費者による過去の移動に基づいて、前記安全地帯プロファイルを生成するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記
特定の消費者の過去の取引要求に基づいて、
前記特定の消費者の前記支出プロファイルを生成するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記
特定の消費者の年齢、性別、および趣味に関連する統計的情報に基づいて、
前記特定の消費者の前記支出プロファイルを生成するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記安全位置のリストが、1日のうちの時間または週のうちの曜日にしたがって変わる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
商業者端末から、
特定の消費者の識別子および各取引に対する取引要求を受信するように構成され、前記取引要求が、商業者の位置、
買物の日時、および進行中の取引の金額を含む、ネットワーク受信機と、
対応する複数の消費者に関する複数の支出プロファイルおよび複数の安全地帯プロファイルを格納する、消費者データベースであって、
各支出プロファイルが、商業者の位置、買物のタイプ、買物の頻度、買物の日時、および取引の金額に関連する、
前記特定の消費者の消費パターンを含み、
各安全地帯プロファイルが、
消費者の移動軌跡に基づき決定され、平日に有効とされた、安全位置のリストを含む、消費者データベースと、
前記受信した
特定の消費者の識別子に基づいて、前記
特定の消費者の前記支出プロファイルおよび前記安全地帯プロファイルを前記消費者データベースから検索するように構成された、検証サーバと、
前記取引要求を、前記
特定の消費者の前記支出プロファイルおよび前記安全地帯プロファイルと比較して、前記消費者の前記消費パターンおよび前記安全位置のリストの偏差を検出する、比較エンジンと、を備える、取引検証システム。
【請求項10】
前記検証サーバが更に、前記比較エンジンが、前記消費者の前記消費パターンおよび前記安全位置のリストの偏差を検出すると、前記消費者データベースから、前記
特定の消費者の識別情報に基づいて、前記消費者に
、登録された通信コードを検索するように構成された、請求項9に記載の取引検証システム。
【請求項11】
前記通信コードを使用して、検証メッセージの要求を、前記
特定の消費者と関連付けられた移動端末に送信するように構成されたネットワーク送信機と、
検証メッセージが検証時間ウィンドウ内に前記移動端末から受信されなかった場合、前記進行中の取引を拒絶するように構成された検証プロセッサと、を更に備える、請求項10に記載の取引検証システム。
【請求項12】
前記
特定の消費者の過去の取引要求および前記消費者による過去の移動に基づいて、前記安全地帯プロファイルを生成するように構成された安全地帯ジェネレータを更に備える、請求項9に記載の取引検証システム。
【請求項13】
前記安全地帯ジェネレータが更に、前記進行中の取引中の前記
特定の消費者と関連付けられた移動端末の位置に基づいて、前記安全地帯プロファイルをリアルタイムで更新するように構成された、請求項12に記載の取引検証システム。
【請求項14】
前記
特定の消費者の過去の取引要求に基づいて、前記支出プロファイルを生成するように構成された支出プロファイルジェネレータを更に備える、請求項9に記載の取引検証システム。
【請求項15】
前記支出プロファイルジェネレータが更に、前記
特定の消費者の年齢、性別、および趣味に関連する統計的情報に基づいて、前記
特定の消費者の支出プロファイルを生成するように構成された、請求項14に記載の取引検証システム。
【請求項16】
前記安全位置のリストが、1日のうちの時間または週のうちの曜日にしたがって変わる、請求項9に記載の取引検証システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
様々な実施形態は、取引検証システムおよび取引を検証する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
消費者の間で、利便性のため、キャッシュレス支払モードが一般的になっている。それらのモードでは、現金を数え、お釣りを探す必要がない、より迅速な取引が可能である。しかしながら、キャッシュレス支払モードでは、例えば識別情報の盗難による、詐欺のリスクを伴う可能性も高い。消費者の信用情報が盗まれた場合、消費者のデジタル支払アカウントの情報が漏洩することがある。情報漏洩した支払アカウントを使用して、不正な買物が行われて、アカウント保有者に被害が及ぶことがある。
【発明の概要】
【0003】
様々な実施形態によれば、取引を検証する方法を提供することができる。方法は、検証サーバにおいて、消費者の識別子および取引要求を、商業者端末から受信するステップであって、取引要求が、商業者の位置、日時、および進行中の取引の金額のうち少なくとも1つを含む、ステップと、消費者の識別子に基づいて、消費者データベースから、支出プロファイルおよび安全地帯プロファイルを検索するステップであって、支出プロファイルが、商業者の位置、買物のタイプ、買物の頻度、買物の日時、および取引の金額のうち少なくとも1つに関連する、消費者の消費パターンを含み、安全地帯プロファイルが安全位置のリストを含むステップと、取引要求を、支出プロファイルおよび安全地帯プロファイルのうち少なくとも1つと比較して、消費パターンおよび安全位置のリストのうち少なくとも1つからの偏差を検出するステップと、を含んでもよい。
【0004】
様々な実施形態によれば、取引検証システムを提供することができる。システムは、商業者端末から、消費者の識別子および各取引に対する取引要求を受信するように構成され、取引要求が、商業者の位置、日時、および進行中の取引の金額のうち少なくとも1つを含む、ネットワーク受信機と、対応する複数の消費者に関する複数の支出プロファイルおよび複数の安全地帯プロファイルを格納する、消費者データベースであって、各支出プロファイルが、商業者の位置、買物のタイプ、買物の頻度、買物の日時、および取引の金額のうち少なくとも1つに関連する、対応する消費者の消費パターンを含み、各安全地帯プロファイルが安全位置のリストを含む、消費者データベースと、受信した消費者の識別子に基づいて、消費者の支出および安全地帯プロファイルを消費者データベースから検索するように構成された、検証サーバと、取引要求を、消費者の支出プロファイルおよび安全地帯プロファイルのうち少なくとも1つと比較して、消費者の消費パターンおよび安全位置のリストのうち少なくとも1つからの偏差を検出する、比較エンジンと、を含む。
【0005】
様々な実施形態によれば、コンピュータによって実行されると、取引を検証する方法をコンピュータに実施させる命令を含む、非一時的コンピュータ可読媒体を提供することができ、方法は、検証サーバにおいて、消費者の識別子および取引要求を、商業者端末から受信するステップであって、取引要求が、商業者の位置、日時、および進行中の取引の金額のうち少なくとも1つを含むステップと、消費者の識別子に基づいて、消費者データベースから、支出プロファイルおよび安全地帯プロファイルを検索するステップであって、支出プロファイルが、商業者の位置、買物のタイプ、買物の頻度、買物の日時、および取引の金額のうち少なくとも1つに関連する、消費者の消費パターンを含み、安全地帯プロファイルが安全位置のリストを含む、ステップと、取引要求を、支出プロファイルおよび安全地帯プロファイルのうち少なくとも1つと比較して、消費パターンおよび安全位置のリストのうち少なくとも1つからの偏差を検出するステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図面中、類似の参照符号は、一般に、異なる図面を通して同じ部分を指す。図面は必ずしも縮尺通りではなく、その代わり、一般に、本発明の原理を例証することに重点が置かれている。以下の説明では、様々な実施形態について以下の図面を参照して記載する。
【0007】
【
図1】様々な実施形態による、詐欺検出方法におけるデータフローを示すフロー図である。
【0008】
【0009】
【
図3】様々な実施形態による、取引を検証する方法を示すフロー図である。
【0010】
【
図4】様々な実施形態による、詐欺ルールエンジンのルールを示す図である。
【0011】
【
図5】様々な実施形態による、詐欺ルールエンジンのルールを示す図である。
【0012】
【
図6】様々な実施形態による、詐欺ルールエンジンのルールを示す図である。
【0013】
【
図7】様々な実施形態による、詐欺ルールエンジンのルールを示す図である。
【0014】
【
図8】様々な実施形態による、詐欺ルールエンジンのルールを示す図である。
【0015】
【
図9】様々な実施形態による、消費者の軌跡に関する情報を格納する表の一例を示す図である。
【0016】
【
図10】様々な実施形態による、詐欺ルールエンジンによって伝送される通知メッセージのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の一例を示す図である。
【0017】
【
図11】様々な実施形態による、取引を検証する方法を示すフロー図である。
【0018】
【
図12】様々な実施形態による、取引検証システムの概念図である。
【0019】
【
図13】様々な実施形態による、取引検証システムの概念図である。
【0020】
【
図14】様々な実施形態による、コンピューティングデバイスを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
システムに関連して以下に記載する実施形態は、それぞれの方法に同様に有効であり、その逆もまた真である。更に、以下に記載する実施形態が組み合わされてもよく、例えば、1つの実施形態の一部が別の実施形態の一部と組み合わされてもよいことが理解されるであろう。
【0022】
特定のシステムに関して本明細書に記載するいずれかの性質は、本明細書に記載するいずれのシステムにも当てはまることが理解されるであろう。特定の方法に関して本明細書に記載するいずれかの性質は、本明細書に記載するいずれのシステムにも当てはまることが理解されるであろう。更に、本明細書に記載するいずれかのシステムまたは方法に関して、記載する全ての構成要素またはステップが、必ずしもデバイスまたは方法に包含されなければならないものではなく、(全てではなく)一部の構成要素またはステップのみが包含されてもよいことが理解されるであろう。
【0023】
この文脈において、本明細書に記載するような取引検証システムは、例えば、システムで実施される処理において使用される、メモリを含んでもよい。実施形態で使用されるメモリは、揮発性メモリ、例えばDRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリ)、または不揮発性メモリ、例えば、PROM(プログラマブル読出し専用メモリ)、EPROM(消去可能PROM)、EEPROM(電気消去可能PROM)、またはフラッシュメモリ、例えば、フローティングゲートメモリ、電荷トラップメモリ、MRAM(磁気抵抗ランダムアクセスメモリ)、もしくはPCRAM(相変化ランダムアクセスメモリ)であってもよい。
【0024】
本明細書において、「備えている」という用語は、「含んでいる」という用語に類似した広範な意味を有するものと理解されるべきであり、提示される整数もしくはステップまたは整数群もしくはステップ群を含むが、他のあらゆる整数もしくはステップまたは整数群もしくはステップ群を除外しないことを示唆することが理解されるであろう。この定義は、「備える」など、「備えている」という用語の変形にも当てはまる。
【0025】
「結合された」(または「接続された」)という用語は、本明細書では、電気的に結合されたまたは機械的に結合された、例えば取り付けられたもしくは固定された、または単に何ら固定を有さずに接触していることと理解されてもよく、直接的な結合または間接的な結合(換言すれば、直接接触しない結合)の両方が提供されてもよいことが理解されるであろう。
【0026】
本発明を容易に理解し、実用上の効果をもたらすことができるようにするため、様々な実施形態について、限定ではなく例として、図面を参照して以下に記載する。
【0027】
様々な実施形態の文脈において、「消費者」は、「顧客」と交換可能に言及されるがそれに限定されない。消費者または顧客は、品物を商業者から購入する人、換言すれば商業者と取引を行う人であってもよい。
【0028】
様々な実施形態の文脈において、取引検証方法は、詐欺検出のプロセスを含んでもよく、またはその一部であってもよい。
【0029】
様々な実施形態の文脈において、詐欺ルールエンジンは、取引検証システムを含んでもよく、またはその一部であってもよい。
【0030】
従来の詐欺検出システムは、一般的に、商業者の位置および一連の詐欺ルールのみを使用して、疑わしい取引を検出する。従来の詐欺検出システムは、商業者データと併せてユーザの挙動を考慮しない。例えば、従来の詐欺検出システムは、消費者の位置または軌跡、および消費者の消費習慣に関する情報を利用せず、したがって、全体論的視野なしに取引のみを分析する。ほぼ全ての消費者がモバイルネットワーク上にいるこのデジタルデータ時代に、消費者は、自身の行動に基づいた多数の追跡可能なデータを生成する。この生成されたデータを利用して、不正行為が改善された精度で検出されてもよい。
【0031】
様々な実施形態によれば、詐欺検出方法は、消費者の過去の移動に関する情報を獲得することを含んでもよい。詐欺検出方法は、消費者の過去の移動を分析して、消費者の典型的な移動のパターン、例えば、家から職場および職場から家までのパターンを認識することを含んでもよい。詐欺検出方法は、少なくとも実質的に消費者の典型的な移動に沿って配置される、安全地帯の境界を定めることを含んでもよい。詐欺検出方法は、取引が安全地帯外で発生したとき、消費者に警告を発することを含んでもよい。
【0032】
詐欺検出方法はまた、消費者の過去の取引に関するデータを獲得することを含んでもよい。取引に関するデータは、取引が行われる商業者に関する情報を含んでもよい。詐欺検出方法は、消費者の過去の取引を分析して、消費者の支出のパターンを認識することを含んでもよい。例えば、消費者は、一般的に、1日の特定の時間に、または週の特定の曜日に、または定期的に、特定の店舗をひいきにすることがある。例えば、消費者は、一般的に、特定の店舗における1回の取引において、特定の金額以内しか消費しないことがある。例えば、消費者は、特定の商業者から特定のカテゴリに属する品物を常に購入することがある。詐欺検出方法は、消費者の支出のパターンから逸脱した変則的な取引を識別することと、変則的な取引が識別されると、消費者に警告することと、を含んでもよい。
【0033】
詐欺検出方法はまた、相当数の消費者グループの過去の取引に関するデータを獲得することを含んでもよい。詐欺検出方法は、グループの過去の取引を分析して、様々な購買層の支出傾向を決定することを含んでもよい。獲得したデータは、消費者を様々な購買層にカテゴリ分けするのに使用されてもよい消費者に関する情報、例えば年齢、性別、職業、民族性、国籍などを含んでもよい。獲得したデータはまた、取引の、地理的位置、取引量、商業者のカテゴリなどを含んでもよい。詐欺検出方法は、消費者を購買層の1つに分類することと、消費者が属する購買層の支出傾向から逸脱した変則的な取引を特定することとを含んでもよい。変則的な取引が特定されると、消費者は警告を受けてもよい。
【0034】
本明細書に記載するようなシステムおよび方法は、クレジットおよびデビットカードまたは電子ウォレット取引を処理するように構成された、支払処理システムを使用する支払取引に関連して使用されてもよい。
【0035】
図1は、様々な実施形態による、詐欺検出方法におけるデータフローを示すフロー
図100を示している。顧客102は、商品またはサービスを商業者104から、例えば商業者A、B、およびCから購入してもよい。顧客102は、商品またはサービスと交換に、商業者104への支払を行ってもよい。顧客102が商品またはサービスを商業者104から購入すると、位置および取引データ106が詐欺ルールエンジン108に送信されてもよい。位置および取引データ106は、商品またはサービスを顧客102に販売した商業者104の位置に関する情報を含んでもよい。位置および取引データ106はまた、購入価格、購入された商品またはサービスの説明、購入時間、取引参照番号、支払モードなど、買物に関する情報を含んでもよい。顧客102に関する情報も収集され、詐欺ルールエンジン108に送信されてもよい。顧客102に関する情報は、位置軌跡および行動データ110であってもよい。位置軌跡および行動データ110は、買物の時点における顧客102の地理的位置、その日の顧客102の移動の軌跡、顧客102の過去の移動の軌跡、顧客102の過去の買物、および顧客102の個人プロファイルのうち少なくとも1つを含んでもよい。詐欺ルールエンジン108は、位置および取引データ106と位置軌跡および行動データ110とを処理して、何らかの疑わしい買物があればそれを検出してもよい。詐欺ルールエンジン108は、位置軌跡および行動データ110に基づいて、位置および取引データ106の異常を識別してもよい。詐欺ルールエンジン108は、位置軌跡および行動データ110に関して訓練されてもよい。何らかの疑わしい買物を検出すると、詐欺ルールエンジン108は、顧客通知112を顧客102に送信してもよい。顧客通知112は、モバイルネットワークまたはインターネットなどの無線ネットワークを介して、消費者と関連付けられたコンピュータ端末に送信されてもよい。コンピュータ端末は、携帯電話などの移動端末であってもよい。消費者の識別情報に基づいて、消費者に対して登録された通信コードが、消費者データベースから検索されてもよい。通信コードは移動端末の電話番号であってもよい。顧客通知112は検証メッセージの要求を含んでもよい。詐欺ルールエンジン108は、消費者からの検証メッセージが検証時間ウィンドウ、即ちタイムアウト期間内に受信されなかった場合、取引を拒絶するか、または支払ネットワークに取引を停止するように知らせてもよい。
【0036】
図2は、商取引システムの概略
図200を示している。商取引システムは、取得者208と、支払ネットワーク206と、発行者204とを含んでもよく、それらはそれぞれネットワーク202に通信可能に結合される。ネットワーク202は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、インターネット、移動通信ネットワーク、ならびに/あるいは他の任意の公衆および/または私設ネットワークなど、有線および/または無線ネットワークであってもよい。ネットワーク202は、図示されるシステムの部分の2つ以上の間における通信に対応することができてもよい。非限定例では、ネットワーク202は複数のネットワークを含んでもよく、いくつかのネットワークは、取引システムの一部のみにアクセス可能であってもよい。非限定例では、取引システムは、様々な構成要素群を含んでもよく、各群は、複数のネットワークのうちそれぞれのネットワークに通信可能に結合される。例えば、取得者208、支払ネットワーク206、および発行者204はそれぞれ、支払アカウント取引のためのネットワーク202の一部である、私設支払取引ネットワーク(図示なし)を介して接続されてもよく、商業者104a~dはそれぞれ、例えば、やはりネットワーク202の一部である、インターネットなどの公衆ネットワークを通して、支払アカウント取引を実施するために消費者102と接続されてもよい。
【0037】
発行者204は、支払アカウントを消費者102に発行するように構成されてもよい。各消費者102は少なくとも1つの支払アカウントと関連付けられてもよい。消費者102は、支払アカウントを通して、商業者との自身の取引に資金を供給してもよい。次に、支払アカウントは、製品を購入するために商業者104a~dで消費者102によって使用されてもよい、クレジットカード、デビットカード、電子ウォレットにアクセスすることができる電子デバイスなど、1つまたは複数の支払デバイスによって提示されてもよい。
【0038】
商取引システムは、複数の商業者、例えば商業者A 104a~商業者D 104dを含んでもよい。商取引システムは任意の数の商業者を含んでもよいことが認識されるべきである。商業者104a~104dは、販売する製品を消費者102に提供してもよい。商業者104a~104dはそれぞれ、例えばその小売実店舗のそれぞれの物理的位置を有してもよい。消費者102は、例えば、日々の家から職場への通勤の一部として、領域Y 220bから領域Z 220aへと定期的に移動することがある。
【0039】
商取引システムは詐欺ルールエンジン108を含んでもよい。詐欺ルールエンジン108は、スタンドアロンデバイスであってもよく、または点線によって示されるように、支払ネットワーク206、発行者208、消費者デバイス212、および取得者208のうち任意の1つに組み込まれてもよい。詐欺ルールエンジン108は、プロセッサ、またはコンピュータ、またはコンピュータ実行可能命令のセットであってもよい。詐欺ルールエンジン108は、消費者102が商業者において支払を行うとき、詐欺を検出するか、または取引を検証するように構成されてもよい。詐欺ルールエンジン108は取引を分析してもよい。詐欺ルールエンジン108が詐欺的な取引の可能性を検出した場合、詐欺ルールエンジン108は、取引に関する通知を消費者102に伝送してもよく、消費者は取引を承認または却下することができる。詐欺ルールエンジン108は、通知を消費者デバイス212に送信してもよく、消費者102は、消費者デバイス212を使用して通知に応答してもよい。消費者デバイス212は、携帯電話、またはモバイルコンピュータ、またはセキュリティトークンなどの専用のセキュリティデバイスであってもよい。詐欺ルールエンジン108は、事前定義されてもよい、またはデータセットの分析に基づいて詐欺ルールエンジンによって決定されてもよい、一連のルールに基づいて、取引の詐欺の確率を決定してもよい。詐欺ルールエンジン108は、新しいデータを受信すると、一連のルールを改良または更新してもよい。
【0040】
消費者の日々の移動を追跡することによって、詐欺ルールエンジン108は、消費者の位置を学習または予測することができてもよい。詐欺ルールエンジン108は、消費者が存在する確率が高い安全地帯222を定義してもよい。安全地帯222の情報は、消費者の安全地帯プロファイルに格納されてもよい。安全地帯は日時に応じて異なることがあるので、安全地帯プロファイルは、複数の日時に関する安全位置のリストを含んでもよい。安全地帯222は、消費者102の予期される軌跡から事前定義された距離内の領域として定義されてもよい。詐欺ルールエンジン108は、消費者102の過去の取引履歴などの更なる情報に更に基づいて、消費者102が予期される軌跡から離れた様々な位置に存在する確率を計算して、確率閾値よりも高い確率と関連付けられた位置を、安全地帯222の一部として、または安全地帯222のマーカーもしくは境界として選択してもよい。図示される例では、商業者A 104a、商業者B 104b、および商業者C 104cは、安全地帯222内であってもよく、領域X 220cの商業者D 104dは安全地帯222外であってもよい。詐欺ルールエンジン108はまた、地理的情報に基づいて安全地帯222を定義してもよい。地理的情報は、郵便番号、地域、州、市、郡、または国を含んでもよい。例えば、消費者102は、自身の国の国境付近に居住または勤務していることがあるので、隣接国の一部は消費者102の日々の軌跡から閾値距離内にあることがある。しかしながら、国境の検問があって不便なことがあるので、消費者102が国境を越えて買物をする可能性は低い。これらの情報を所与として、詐欺ルールエンジン108は隣接国を安全地帯222から除外してもよい。消費者102が商業者D 104dにおいて取引を行ったとき、詐欺ルールエンジン108は、商業者D 104dが物理的に安全地帯222外に位置すると判定してもよく、それにより、ネットワーク202を通して通知を消費者102に送信してもよい。
【0041】
詐欺ルールエンジン108は、機械学習エンジン210に結合されてもよい。機械学習エンジン210は、取引を分析するための教師ありおよび教師なしアルゴリズムの少なくとも1つを含んでもよい。教師なしアルゴリズムは、クラスタ化アルゴリズムを使用して異常検出を実施してもよい。教師ありアルゴリズムは、前もってタグ付けされている却下された取引に対して訓練されてもよい。機械学習エンジン210の出力は、詐欺ルールエンジン108の精度を改善するため、詐欺ルールエンジン108に提供されてもよい。
【0042】
詐欺ルールエンジン108はまた、消費者によって提供された、または他の手段を通して獲得された新しい情報に基づいて、その一連のルールを更新してもよい。例えば、消費者が海外を旅行している場合、または通常の地理的エリア外に位置していると継続的に検出された場合、詐欺ルールエンジンは、安全地帯が更新を必要とすることがあると判定してもよく、または追加の一時的安全地帯が定義されてもよい。詐欺ルールエンジン108は、取引中の消費者デバイスの位置に基づいて、安全地帯をリアルタイムで更新してもよい。
【0043】
支払アカウント取引の非限定例では、消費者102は、自身の支払アカウントを使用して買物に資金を供給して、食品を商業者から購入しようとすることがある。消費者102は、支払デバイスを商業者に提示してもよい。それと関連して、商業者は、消費者の支払アカウントに対する証明書を、例えば売場専用(POS)端末を介して、支払デバイスから受信および/または検索してもよい。商業者は、ネットワーク202を通して取得者208に認証要求を送信してもよい。取得者208は、商業者104aにおける取引の処理と関連付けられてもよい。次いで、取得者208は、支払ネットワーク206を通して、ネットワーク202を介して、発行者204と通信して取引を認証してもよい。発行者204は、消費者の支払アカウントが良好な状態であるか、また取引を完了するのに十分なクレジット/資金があるかを判定してもよい。発行者204が取引を受理する前に、発行者204は、詐欺ルールエンジン108からの検証メッセージを要求または受信してもよい。例えば、商業者が安全地帯222内にある商業者A 104aであることにより、詐欺ルールエンジン108が、取引が疑わしくないと判定すると、詐欺ルールエンジン108は、肯定的な検証メッセージを発行者204に発行してもよい。発行者204が取引を受理した場合、認証応答が、取引を承認している商業者に返されてもよく、商業者は次に、取引に進むことができてもよい。取引は後で、(決済の仕組みなどにしたがって)商業者と取得者208との間、および取得者208と、支払ネットワーク206と、発行者204との間で、精算および決済されてもよい。逆に、発行者204は、支払アカウントの資金もしくはクレジットが不十分であることによって、または発行者204が否定的な検証メッセージを詐欺ルールエンジン108から受信した場合、取引を却下してもよい。詐欺ルールエンジン108は、例えば、商業者が安全地帯222外の商業者D 104dである場合、また消費者102が拒否メッセージを消費者102から受信したことを照会すると、否定的な検証メッセージを送信してもよい。発行者204は、取引を却下する認証応答を商業者に返してもよく、商業者は、消費者との取引を終了するか、または代替の資金調達形態を要求することができてもよい。詐欺ルールエンジン108は、商業者と、取得者208と、支払ネットワーク206と、発行者204と、消費者102との間で、上述の取引の一部として生成され、収集され、格納された取引データを収集してもよい。詐欺ルールエンジン108は、収集された取引データを使用して、疑わしい行動を検出するその精度を改善してもよい。
【0044】
機械学習エンジン210、詐欺ルールエンジン108、支払ネットワーク206、取得者208、消費者デバイス212、商業者104a~dはそれぞれ、
図14に関して更に詳細に後述する、コンピューティングデバイス230を含むか、収容するか、またはその一部であってもよい。
【0045】
図3は、様々な実施形態による、取引を検証する方法のフロー
図300を示している。302で、取引が商業者において発生してもよい。消費者は、支払システムを使用して支払を開始していてもよい。304で、詐欺ルールエンジンは、消費者の位置軌跡および行動詳細を獲得してもよい。消費者の位置軌跡は、消費者が携帯する消費者デバイス、例えば、衛星航法システム(GPS)デバイスを含む携帯電話またはポータブルコンピュータによって、決定されてもよい。消費者の行動詳細は、消費者の支出プロファイルに関する情報を含んでもよい。支出プロファイルは、消費者によって実施された過去の取引を含んでもよい。支出プロファイルは、商業者の位置、買物のタイプ、買物の頻度、買物の日時、および取引の金額のうち少なくとも1つに関連する、消費者の消費パターンを含んでもよい。304で、詐欺ルールエンジンはまた、消費者の個人情報または一般的プロファイルを獲得してもよい。消費者の個人情報は、消費者の趣味、職業、頻繁に訪れる店舗、年齢などを含んでもよい。消費者の一般的プロファイルは、「ティーンエージャー」もしくは「社会人」などの年齢範囲、または性別に対する、消費者の分類であってもよい。306で、詐欺ルールエンジンは、商業者および取引に関する情報を獲得してもよい。商業者に関する情報は、商業者の位置、または商業者が提供する商品およびサービスの性質などの詳細を含んでもよい。取引に関する情報は、取引の金額、取引の時間、および支払のモードを含んでもよい。詐欺ルールエンジンは、この情報を支払ネットワークから獲得してもよい。308で、詐欺ルールエンジンは、304および306で取得したデータを分析し、取引が異常であるか否かを判定してもよい。詐欺ルールエンジンは、取引が所定の一連のルールに違反している場合、取引が異常であると判定してもよい。詐欺ルールエンジンはまた、304で受信したデータの分析に基づいて、ルールを定義してもよい。事前定義されたルールは、消費者の安全地帯の定義を含んでもよい。詐欺ルールエンジンは、安全地帯で行われる取引を決定してもよく、換言すれば、商業者が安全地帯内に位置するとき、検証されるかまたは疑わしくないと判定してもよい。逆に、取引が安全地帯外で行われている場合、詐欺ルールエンジンは、取引が詐欺の可能性があると判定してもよい。詐欺ルールエンジンが、取引が疑わしくないと判定した場合、詐欺ルールエンジンは、310で取引に対する支払を処理するように、支払ネットワークに命令してもよい。詐欺ルールエンジンが、取引が詐欺の可能性があると判定した場合、詐欺ルールエンジンは312に進んでもよい。312で、詐欺ルールエンジンは、通知メッセージを、無線ネットワークを通して、ラップトップまたは携帯電話などの消費者デバイスに伝送してもよい。通知メッセージは、支払金額、商業者の名前、商業者の住所、購入した品物のうち少なくとも1つを含んでもよい。通知メッセージは、消費者が取引を手動で認証することの要求を含んでもよい。314で、消費者は、取引の承認または拒否のどちらかを行うように、消費者デバイスを通して通知に応答してもよい。消費者デバイスは、消費者の応答を詐欺ルールエンジンに送信してもよい。消費者が取引を承認した場合、詐欺ルールエンジンは、メッセージを支払ネットワークに送信してもよい。結果として、310で、取引に対する支払が処理されてもよく、換言すれば、消費者の支払アカウントから差し引かれてもよい。消費者が取引を承認すると、詐欺ルールエンジンはまた、316でそのルールを更新してもよく、例えば、取引が行われている商業者の位置を含むように、安全地帯を再定義してもよい。任意に、312で伝送された通知メッセージはまた、詐欺ルールエンジンのルールを更新すべきか否か、例えば、商業者が安全な商業者のリストに追加されるべきか否か、または現在位置が安全地帯に追加されるべきか否かについて、消費者に照会してもよい。消費者からの応答は、詐欺ルールエンジンのルールを更新すべきか否かに関して、肯定的または否定的な応答を含んでもよい。
【0046】
様々な実施形態によれば、取引を検証する方法は、消費者が商業者の位置で直に商品またはサービスを購入する、実店舗で実施される取引に適用可能であってもよい。
【0047】
様々な実施形態によれば、取引を検証する方法は、消費者がオンラインで商品またはサービスを購入する、ウェブ取引に適用可能であってもよい。ウェブ取引の場合、商業者の位置は、オンラインストアのウェブURLまたはウェブアドレス、例えば「http://www.amazon.com」として定義されてもよい。消費者の安全地帯プロファイルは、安全なウェブURLのリストを含んでもよい。詐欺ルールエンジンは、消費者のオンライン取引履歴に基づいて、安全なウェブURLのリストをコンパイルしてもよい。消費者はまた、自身が好むオンライン商業者のウェブサイトを、安全なウェブURLのリストに手動で入力してもよい。消費者がオンラインの買物を行うと、詐欺ルールエンジンは、オンライン商業者のウェブアドレスを安全なウェブURLのリストと比較してもよい。オンライン商業者のウェブアドレスが安全なウェブURLのリストの一部でない場合、詐欺ルールエンジンは、オンラインの買物が疑わしいと判定してもよく、消費者がインターネットにアクセスするのに使用しているコンピュータ端末に警告を伝送してもよい。
【0048】
図4は、様々な実施形態による、詐欺ルールエンジンのルールを示す
図400を示している。非限定例では、消費者はシンガポールに在住していてもよい。消費者の家406はシンガポールの中南部にあってもよい。消費者は、シンガポール東部に位置する職場408で働いていてもよい。消費者は、家406から職場408まで平日の毎朝通勤していてもよく、職場408から家406まで平日の毎晩通勤していてもよい。消費者は、平日の通勤中、商業者404b、404c、404d、および404fを通過してもよい。詐欺ルールエンジンは、消費者の平日の通勤に関するデータを、無線ネットワークを通して、GPSなどの位置トラッカーを含む消費者のデバイスから、直接または間接的に受信してもよい。消費者デバイスは、消費者の軌跡データをサーバにアップロードしてもよく、詐欺ルールエンジンは、軌跡データをサーバから検索してもよい。消費者デバイスはまた、例えば、詐欺ルールエンジンが消費者デバイスに常駐している場合、消費者の軌跡データを詐欺ルールエンジンに直接伝送してもよい。消費者デバイスは、詐欺ルールエンジンの少なくとも一部を含むモバイルアプリケーションを稼働させるように構成されてもよい。
【0049】
詐欺ルールエンジンは、家406と職場408との間における消費者の移動の軌跡に基づいて、安全地帯402を決定してもよい。安全地帯402は、軌跡経路から事前定義された距離であってもよい。消費者は、事前定義された距離を、例えばモバイルアプリケーションに入力することができてもよい。あるいは、消費者は、自身の移動を詐欺ルールエンジンに追跡させることを好まない場合、自身の軌跡経路を、つまり自身の安全地帯402を手動で入力することができてもよい。支払ネットワークが、消費者の支払アカウント(例えば、デジタルウォレット、クレジットカード、デビットカード、電子バウチャーなど)からの支払要求を受信すると、支払ネットワークは、取引および商業者の詳細を詐欺ルールエンジンに送信してもよい。例えば、シンガポール西部に位置する商業者404gが、消費者の支払アカウントからの支払を要求してもよい。商業者404gは、安全地帯402の先に位置していることがある。詐欺ルールエンジンは、商業者404gの位置を安全地帯402と比較してもよく、商業者404gの位置が安全地帯ルールに違反していると判定する。結果として、詐欺ルールエンジンは、検証メッセージの要求を消費者デバイスに伝送して、取引の信頼性に対する消費者の確認を求めてもよい。
【0050】
詐欺ルールエンジンは、消費者が週末は異なる通勤パターンを有することがあるので、安全地帯402が平日のみ有効であり得ると認識してもよい。詐欺ルールエンジンは、週末の異なる安全地帯を決定してもよい。消費者はまた、1日のうちの時間、1年のうちの月、および1年のうちの季節などの他の要因に応じて、異なる安全地帯と関連付けられてもよい。
【0051】
図5は、様々な実施形態による、詐欺ルールエンジンのルールを示す
図500を示している。詐欺ルールエンジンは、消費者に関する情報、例えば、性別、年齢または年齢グループ、趣味などを取得してもよい。詐欺ルールエンジンはまた、様々な購買層の支出パターンの統計的情報を受信してもよい。統計的情報は、政府機関、非公開会社、または学術機関によって提供されてもよい。詐欺ルールエンジンはまた、統計的情報を情報エンジンから取得してもよい。情報エンジンは、スタンドアロンエンジンであってもよく、または詐欺ルールエンジンの一部であってもよい。情報エンジンは、情報をクラウドソーシングして、統計的情報を計算することができてもよい。例えば、情報エンジンは、携帯電話にインストールすることができるアプリケーションを含んでもよく、またはそれに統合されてもよい。アプリケーションは、消費者に時々調査質問を課して、消費者の支出パターンに関する情報を収集してもよい。アプリケーションは、調査に参加したことに対して、消費者に販売促進コード、バウチャー、または報酬ポイントを付与してもよい。統計的情報は、様々な購買層の嗜好を示してもよく、例えば、第1の町502は男性消費者の間で人気があってもよく、第2の町504は女性の消費者の間で人気があってもよく、第3の町506はティーンエージャーの間で人気があってもよい。統計的情報はまた、様々な町で実施された世論調査に基づいて予測されてもよい。例えば、第1の町502は、従業員の大部分が男性である大型の重工業団地を含んで、第1の町502の性別比が男性に傾いてもよい。例えば、第2の町504は、ネイルサロン、美容院、女性用スパ、および女性用ジムなど、女性消費者をターゲットにした不均衡な数の商業者を含んでもよい。例えば、第3の町506は、大学街であってもよく、またはいくつかの学校を含んで、多数の学生が第3の町506を頻繁に訪れてもよい。人口、店舗のタイプ、町の産業および施設のうち少なくとも1つに関する情報に基づいて、情報エンジンは、それぞれの町における一般的な消費者のプロファイルを生成してもよい。詐欺ルールエンジンは、町の一般的な消費者のプロファイルを受信してもよい。取引照会が詐欺ルールエンジンに伝送されると、詐欺ルールエンジンは、消費者のプロファイルを、トランサクションが行われている現場の一般的な消費者のプロファイルと比較してもよい。消費者のプロファイルが現場の一般的な消費者のプロファイルと一致しない場合、詐欺ルールエンジンは、消費者による取引の検証を求める通知を消費者に伝送してもよい。あるいは、詐欺ルールエンジンは、消費者のプロファイルを規準の一部のみとして、または疑わしい取引を決定する一連のルールのうち1つのみのルールとして使用してもよい。詐欺ルールエンジンは、情報エンジンからの情報を安全地帯情報と組み合わせて、詐欺的な取引の検出の精度を改善してもよい。詐欺ルールエンジンは、様々な領域における一般的な消費者の情報に基づいて、消費者の安全地帯を修正してもよい。例えば、消費者の安全地帯が第2の町504の一部を含むが、消費者が男性である場合、詐欺ルールエンジンは、安全地帯のサイズを低減して第2の町504を除外してもよい。
【0052】
図6は、様々な実施形態による、詐欺ルールエンジンのルールを示す
図600を示している。詐欺ルールエンジン、即ち情報エンジンは、消費者の行動に基づいて、各商業者の取引の平均最新訪問に関するデータを生成してもよい。換言すれば、各商業者における買物と買物との間の一般的時間が決定されてもよい。例えば、消費者102は、商業者604bで1日おきに買物してもよく、換言すれば、商業者604bに関して最新訪問は短い。換言すれば、消費者102は商業者604bの頻繁な買物客である。取引が商業者604aで行われると、詐欺ルールエンジンは、消費者102の過去の取引履歴を検索してもよく、消費者が商業者604aで2日前に最後に買物したことを見出してもよい。しかしながら、商業者604aにおける消費者102の取引の平均最新訪問は、45日であることがある。したがって、消費者102にとって、商業者604aにそれほど早く戻ることは普通ではないことがある。詐欺ルールエンジンは、商業者604aにおける取引は疑わしいと判定してもよい。詐欺ルールエンジンはまた、消費者が取引履歴を有さない商業者で取引が行われている場合、警告ベルを鳴らしてもよく、即ち通知を消費者に伝送してもよい。
【0053】
図7は、様々な実施形態による、詐欺ルールエンジンのルールを示す
図700を示している。詐欺ルールエンジン、即ち情報エンジンは、消費者の行動に基づいて、各商業者の取引の平均頻度に関するデータを生成してもよい。詐欺ルールエンジンの一連のルールは、各商業者における消費者102の安全頻度閾値を含んでもよい。例えば、消費者102は、一般的に、1日最大3回商業者604aをひいきにしてもよい。商業者604aは、例えば、消費者102が飲物を購入するカフェであってもよい。例えば、消費者102は、一般的に、月に1回だけ商業者604bをひいきにしてもよい。商業者604bは、例えば、大口単位で商品を販売する会員制大幅割引店であってもよい。消費者102は、商業者604aの安全頻度閾値を1日3回として、また商業者604bの安全頻度閾値を月1回として、手動で設定してもよく、または詐欺ルールエンジンが決定してもよい。週2回目の取引が商業者604bにおいて行われていると、詐欺ルールエンジンは、商業者604bにおける取引の頻度が安全頻度閾値を超えているので、取引が疑わしいと判定してもよい。
【0054】
図8は、様々な実施形態による、詐欺ルールエンジンのルールを示す
図800を示している。詐欺ルールエンジンは、同じ商業者804またはエリア806内で発生する複数の同じ額の取引に対するルールを有してもよい。かかる繰り返される同一の取引は、支払ネットワークを騙すために分配される自動化スクリプトの典型であってもよい。例えば、100ドルの取引が、例えば1日の時間閾値内で3回の閾値よりも多い回数、商業者804においてまたはエリア806内で繰り返された場合、詐欺ルールエンジンは、消費者に通知し、消費者の最近の取引の検証を求めてもよい。
【0055】
図9は、様々な実施形態による、消費者の軌跡に関する情報を格納する表900の一例を示している。詐欺ルールエンジンは、表900に格納された情報を使用して、消費者の安全地帯を定義してもよい。表900は複数の列を含んでもよい。表900の各行は、消費者の軌跡における1つの位置に対応してもよい。列902は、各入力のシリアル番号を列挙してもよい。列904および列906は、GPS座標、緯度および経度、もしくは地図参照のうち任意の1つの形式、または他の適切な形式で、消費者の位置を列挙してもよい。列908は日付を提示してもよい。列910は、消費者が列904および906で示される位置に存在する時間を提示してもよい。列912は、消費者の位置を提供した消費者デバイスの識別子を示してもよい。列914は消費者の識別子を示してもよい。列916は、消費者が関与する取引がその時間および位置において発生したか否かを示してもよい。例示の表900では、行990は、消費者(UserID:A001)が第1の位置(第1の商業者に対応)で朝8:45amに買物をしたことを示している。行992は、同じ消費者が第2の位置(第2の商業者に対応)で15分後の9amに買物をしたことを示している。行994は、同じ消費者が第2の商業者でその日の6pmに買物したことを示している。行996は、同じ消費者が第1の商業者でその日の6:15pmに買物したことを示している。表900のデータから、詐欺ルールエンジンは、通勤パターンおよび支出パターンを決定してもよい。消費者は、朝は第1の商業者から第2の商業者への方向で移動して、両方の商業者に立ち寄って買物をすると思われる。消費者は、夜は第2の商業者から第1の商業者への逆方向で移動して、両方の商業者に立ち寄って買物をすると思われる。詐欺ルールエンジンは、取引を確立された通勤および支出パターンと比較してもよく、確立されたパターンからの偏差を疑わしい取引として分類してもよい。消費者が、偏差が有効な取引であると検証した場合、詐欺ルールエンジンは、偏差を考慮に入れるように、確立したパターンを更新してもよい。
【0056】
図10は、様々な実施形態による、詐欺ルールエンジンによって伝送される通知メッセージ1002のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)1000の一例を示している。通知メッセージ1002は、消費者デバイス212で受信され表示されてもよい。通知メッセージ1002は、消費者が自身の応答を提供して、疑わしい取引を承認または拒絶する選択肢を含んでもよい。
【0057】
図11は、様々な実施形態による、取引を検証する方法のフロー
図1100を示している。取引を検証する方法は、本明細書を通して記載される詐欺検出方法を含んでもよく、またはその一部であってもよい。要素1102は、検証サーバにおいて、消費者の識別子および取引要求を、商業者端末から受信することを含んでもよい。検証サーバは、詐欺ルールエンジン108および/または支払ネットワーク206を含んでもよく、またはその一部であってもよい。消費者の識別子は、表900の列914のユーザ識別子を含んでもよい。消費者の識別子は、消費者の名前、または消費者の支払アカウントの識別子を含んでもよい。商業者端末は、商業者に常駐してもよく、支払を容易にするように構成されてもよく、例えば、POS端末であってもよい。取引要求は、商業者の位置、日時、および進行中の取引の金額のうち少なくとも1つを含んでもよい。要素1104は、消費者の識別子に基づいて、消費者データベースから、支出プロファイルおよび安全地帯プロファイルを検索することを含んでもよい。消費者データベースは、サーバに格納されてもよく、または詐欺ルールエンジン108のメモリに格納されてもよい。支出プロファイルは、商業者の位置、買物のタイプ、買物の頻度、買物の日時、および取引の金額のうち少なくとも1つに関連する、消費者の消費パターンを含んでもよい。安全地帯プロファイルは、複数の日時に関する安全位置のリストを含んでもよい。要素1106は、取引要求を、支出プロファイルおよび安全地帯プロファイルのうち少なくとも1つと比較して、消費パターンおよび安全位置のリストのうち少なくとも1つからの偏差を検出することを含んでもよい。偏差は疑わしい取引をほのめかしてもよい。
【0058】
様々な実施形態によれば、非一時的コンピュータ可読媒体が提供されてもよい。非一時的コンピュータ可読媒体は、コンピュータによって実行されると、
図11に関して記載した方法をコンピュータに実施させる、命令を含んでもよい。
【0059】
図12は、様々な実施形態による、取引検証システム1200の概念図を示している。取引検証システム1200は、詐欺ルールエンジン108を含んでもよく、またはその一部であってもよい。取引検証システム1200は、ネットワーク受信機1202と、消費者データベース1204と、検証サーバ1206と、比較エンジン1208とを含んでもよい。ネットワーク受信機1202は、商業者端末から、消費者の識別子および各取引に対する取引要求を受信するように構成されてもよい。取引要求は、商業者の位置、日時、および進行中の取引の金額のうち少なくとも1つを含んでもよい。消費者データベース1204は、対応する複数の消費者に関する複数の支出プロファイルおよび複数の安全地帯プロファイルを格納してもよい。各支出プロファイルは、商業者の位置、買物のタイプ、買物の頻度、買物の日時、および取引の金額のうち少なくとも1つに関連する、対応する消費者の消費パターンを含んでもよい。各安全地帯プロファイルは、対応する消費者の複数の日時に関する安全位置のリストを含んでもよい。検証サーバ1206は、受信した消費者の識別子に基づいて、消費者の支出および安全地帯プロファイルを消費者データベースから検索するように構成されてもよい。比較エンジン1208は、取引要求を、消費者の支出プロファイルおよび安全地帯プロファイルのうち少なくとも1つと比較して、消費者の消費パターンおよび安全位置のリストのうち少なくとも1つからの偏差を検出するように構成されてもよい。検証サーバ1206は更に、比較エンジンが、消費者の消費パターンおよび複数の安全位置のうち少なくとも1つからの偏差を検出すると、消費者データベースから、消費者の識別情報に基づいて、消費者に登録された通信コード(例えば、電話番号、またはユーザ識別子)を検索するように構成されてもよい。ネットワーク受信機1202、消費者データベース1204、検証サーバ1206、および比較エンジン1208は、線1220によって示されるように、互いと結合されてもよく、例えば通信可能に結合され、例えば電気的に結合される。
【0060】
図13は、様々な実施形態による、取引検証システム1300の概念図を示している。取引検証システム1200のように、取引検証システム1300は、詐欺ルールエンジン108を含んでもよく、またはその一部であってもよい。取引検証システム1200に加えて、取引検証システム1300は、安全地帯ジェネレータ1310を含んでもよい。安全地帯ジェネレータ1310は、消費者の過去の取引要求および消費者による過去の移動のうち少なくとも1つに基づいて、安全地帯プロファイルを生成するように構成されてもよい。安全地帯ジェネレータ1310は更に、進行中の取引中の消費者と関連付けられた移動端末の位置に基づいて、安全地帯プロファイルをリアルタイムで更新するように構成されてもよい。取引検証システム1300はまた、支出プロファイルジェネレータ1312を含んでもよい。支出プロファイルジェネレータ1312は、消費者の過去の取引要求に基づいて、支出プロファイルを生成するように構成されてもよい。支出プロファイルジェネレータ1312は更に、消費者の年齢、性別、および趣味のうち少なくとも1つに関連する統計的情報に基づいて、支出プロファイルを生成するように構成されてもよい。取引検証システム1300は更に、通信コードを使用して、検証メッセージの要求を移動端末または消費者デバイスに送信するように構成された、ネットワーク送信機を含んでもよい。ネットワーク送信機はネットワーク202に接続するように構成されてもよい。取引検証システム1300は更に、検証メッセージが検証時間ウィンドウ内に移動端末または消費者デバイスから受信されない場合、進行中の取引を拒絶するように構成された、検証プロセッサを含んでもよい。ネットワーク受信機1202、消費者データベース1204、検証サーバ1206、比較エンジン1208、安全地帯ジェネレータ1310、および支出プロファイルジェネレータ1312は、線1330によって示されるように、互いと結合されてもよく、例えば通信可能に結合され、例えば電気的に結合される。
【0061】
図14は、様々な実施形態による、コンピューティングデバイス230のブロック図を示している。コンピューティングデバイス230は、例えば、1つまたは複数のサーバ、ワークステーション、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、タブレット、スマートフォン、POS端末、他の適切なコンピューティングデバイスなどを含んでもよい。それに加えて、コンピューティングデバイス230は、単一のコンピューティングデバイスであってもよく、または近接して位置する一群のコンピューティングデバイス、または地理的領域にわたって分散された複数のコンピューティングデバイスであってもよい。
図2の商取引システムでは、商業者104a~d、取得者208、支払ネットワーク206、発行者204、および消費者デバイス212はそれぞれ、ネットワーク202に結合された(またそれと通信している)コンピューティングデバイス230を含んでもよく、またはそれに実装されてもよい。コンピューティングデバイス230は、プロセッサ1402と、プロセッサ1402に結合された(またそれと通信している)メモリ1404とを含んでもよい。プロセッサ1402は、非限定的に、中央処理装置(CPU)、マイクロコントローラ、縮小命令セットコンピュータ(RISC)プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、ゲートアレイ、および/または本明細書に記載される機能が可能な他の任意の回路もしくはプロセッサを含む、1つまたは複数の処理装置(例えば、マルチコア構成のものなど)を含んでもよい。上述の例は単なる例示であり、プロセッサの定義および/または意味をいかなる形でも限定使用とするものではない。メモリ1404は、本明細書に記載するように、データ、命令などを格納し、検索することができてもよい。メモリ1404は、非限定的に、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、読出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(EPROM)、固体デバイス、フラッシュドライブ、CD-ROM、サムドライブ、フロッピーディスク、テープ、ハードディ数、および/または他の任意のタイプの揮発性もしくは不揮発性の物理的もしくは有形のコンピュータ可読媒体など、1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体を含んでもよい。メモリ1404、および/またはそれに含まれるデータ構造は、非限定的に、取引データ、商業者(例えば、商業者の間の関連地理的データなどを含む)および消費者に関連する他のデータ、ならびに/あるいは本明細書に記載するように使用するのに適した他のタイプのデータおよび/または情報を格納するように構成されてもよい。更に、様々な実施形態では、コンピュータ実行可能命令は、プロセッサ1402によって実行して、本明細書に記載する機能の1つまたは複数をプロセッサ1402に実施させるように、メモリ1404に格納されてもよい。メモリ1404は、物理的、有形、および非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。メモリ1404は、本明細書に記載する機能またはプロセスの1つもしくは複数において実現される、様々な異なるメモリを含んでもよいことが、認識されるべきである。
【0062】
コンピューティングデバイス230はまた、プロセッサ1402に結合されてもよい(またそれと通信している)、表示部1406(または出力デバイスもしくは表示デバイス)を含んでもよい。コンピューティングデバイス230は、表示部1406以外の出力デバイスを含んでもよいことが認識されるべきである。表示部1406は、視覚的または聴覚的に、コンピューティングデバイス230のユーザ1420、例えば消費者に対して情報を出力してもよく、ユーザは、支払ネットワーク206、発行者204、または消費者102のうち任意の1つと関連付けられる。更に、例えば取引データなどの情報を表示するため、様々なインターフェースが、コンピューティングデバイス230で、特に表示部1406で表示されてもよいことが認識されるべきである。表示部1406は、非限定的に、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機LED(OLED)ディスプレイ、「電子リンク」ディスプレイなどを含んでもよい。いくつかの実施形態では、表示部1406は複数のデバイスを含んでもよい。
【0063】
コンピューティングデバイス230は更に、コンピューティングデバイス230のユーザ1420からの入力(即ち、ユーザ入力)を受信してもよい、入力デバイス1408を含んでもよい。入力デバイス1408は、プロセッサ1402に結合されてもよく(またそれと通信してもよく)、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、マウス、スタイラス、タッチパネル(例えば、タッチパッドもしくはタッチスクリーンなど)、別のコンピューティングデバイス、および/または音声入力デバイスを含んでもよい。タブレット、スマートフォン、または類似のデバイスに含まれるものなどのタッチスクリーンは、表示部1406および入力デバイス1408の両方として挙動してもよい。それに加えて、コンピューティングデバイス230はまた、プロセッサ1402およびメモリ1404に結合された(またそれと通信している)ネットワークインターフェース1410を含んでもよい。ネットワークインターフェース1410は、非限定的に、有線ネットワークアダプタ、モバイルネットワークアダプタ、またはネットワーク202を含む1つもしくは複数の異なるネットワーク1412に通信することができる他のデバイスを含んでもよい。コンピューティングデバイス230は、プロセッサ1402と、プロセッサ1402に組み込まれた、またはそれと統合された1つもしくは複数のネットワークとを含んでもよい。
【0064】
以下の実施例は更なる実施形態に関する。
【0065】
実施例1は、取引を検証する方法であり、方法は、検証サーバにおいて、消費者の識別子および取引要求を、商業者端末から受信するステップであって、取引要求が、商業者の位置、日時、および進行中の取引の金額のうち少なくとも1つを含む、ステップと、消費者の識別子に基づいて、消費者データベースから、支出プロファイルおよび安全地帯プロファイルを検索するステップであって、支出プロファイルが、商業者の位置、買物のタイプ、買物の頻度、買物の日時、および取引の金額のうち少なくとも1つに関連する、消費者の消費パターンを含み、安全地帯プロファイルが安全位置のリストを含む、ステップと、取引要求を、支出プロファイルおよび安全地帯プロファイルのうち少なくとも1つと比較して、消費パターンおよび安全位置のリストのうち少なくとも1つからの偏差を検出するステップと、を含む。
【0066】
実施例2では、実施例1の主題は、任意に、消費パターンおよび安全位置のリストのうち少なくとも1つからの偏差を検出すると、消費者データベースから、消費者の識別情報に基づいて、消費者に登録された通信コードを検索するステップと、通信コードを使用して、検証メッセージの要求を、消費者と関連付けられた移動端末に送信するステップと、検証メッセージが検証時間ウィンドウ内に移動端末から受信されなかった場合、進行中の取引を拒絶するステップと、を含むことができる。
【0067】
実施例3では、実施例1または実施例2の主題は、任意に、消費者の過去の取引要求に基づいて、安全地帯プロファイルを生成するステップを含むことができる。
【0068】
実施例4では、実施例1~3のいずれか1つの主題は、任意に、進行中の取引中の消費者と関連付けられた移動端末の位置に基づいて、安全地帯プロファイルをリアルタイムで更新するステップを含むことができる。
【0069】
実施例5では、実施例1~4のいずれか1つの主題は、任意に、消費者による過去の移動に基づいて、安全地帯プロファイルを生成するステップを含むことができる。
【0070】
実施例6では、実施例1~5のいずれか1つの主題は、任意に、消費者の過去の取引要求に基づいて、支出プロファイルを生成するステップを含むことができる。
【0071】
実施例7では、実施例1~6のいずれか1つの主題は、任意に、消費者の年齢、性別、および趣味のうち少なくとも1つに関連する統計的情報に基づいて、支出プロファイルを生成するステップを含むことができる。
【0072】
実施例8では、実施例1~7のいずれか1つの主題は、任意に、安全位置のリストが、1日のうちの時間または週のうちの曜日にしたがって変わることを含むことができる。
【0073】
実施例9は、取引検証システムであり、システムは、商業者端末から、消費者の識別子および各取引に対する取引要求を受信するように構成され、取引要求が、商業者の位置、日時、および進行中の取引の金額のうち少なくとも1つを含む、ネットワーク受信機と、対応する複数の消費者に関する複数の支出プロファイルおよび複数の安全地帯プロファイルを格納する、消費者データベースであって、各支出プロファイルが、商業者の位置、買物のタイプ、買物の頻度、買物の日時、および取引の金額のうち少なくとも1つに関連する、対応する消費者の消費パターンを含み、各安全地帯プロファイルが安全位置のリストを含む、消費者データベースと、受信した消費者の識別子に基づいて、消費者の支出および安全地帯プロファイルを消費者データベースから検索するように構成された、検証サーバと、取引要求を、消費者の支出プロファイルおよび安全地帯プロファイルのうち少なくとも1つと比較して、消費者の消費パターンおよび安全位置のリストのうち少なくとも1つからの偏差を検出する、比較エンジンと、を含む。
【0074】
実施例10では、実施例9の主題は、任意に、検証サーバが更に、比較エンジンが、消費者の消費パターンおよび安全位置のリストのうち少なくとも1つからの偏差を検出すると、消費者データベースから、消費者の識別情報に基づいて、消費者に登録された通信コードを検索するように構成されることを、含むことができる。
【0075】
実施例11では、実施例10の主題は、任意に、通信コードを使用して、検証メッセージの要求を、消費者と関連付けられた移動端末に送信するように構成されたネットワーク送信機と、検証メッセージが検証時間ウィンドウ内に移動端末から受信されなかった場合、進行中の取引を拒絶するように構成された検証プロセッサと、を含むことができる。
【0076】
実施例12では、実施例9~11のいずれか1つの主題は、任意に、消費者の過去の取引要求および消費者による過去の移動のうち少なくとも1つに基づいて、安全地帯プロファイルを生成するように構成された安全地帯ジェネレータを含むことができる。
【0077】
実施例13では、実施例12の主題は、任意に、安全地帯ジェネレータが更に、進行中の取引中の消費者と関連付けられた移動端末の位置に基づいて、安全地帯プロファイルをリアルタイムで更新するように構成されることを、含むことができる。
【0078】
実施例14では、実施例9~13のいずれか1つの主題は、任意に、消費者の過去の取引要求に基づいて、支出プロファイルを生成するように構成された支出プロファイルジェネレータを、含むことができる。
【0079】
実施例15は、実施例14の主題は、任意に、支出プロファイルジェネレータが更に、消費者の年齢、性別、および趣味のうち少なくとも1つに関連する統計的情報に基づいて、支出プロファイルを生成するように構成されることを、含むことができる。
【0080】
実施例16では、実施例9~15のいずれか1つの主題は、任意に、安全位置のリストが、1日のうちの時間または週のうちの曜日にしたがって変わることを含むことができる。
【0081】
実施例17は、コンピュータによって実行されると、取引を検証する方法をコンピュータに実施させる命令を含む、非一時的コンピュータ可読媒体であり、方法は、検証サーバにおいて、消費者の識別子および取引要求を、商業者端末から受信するステップであって、取引要求が、商業者の位置、日時、および進行中の取引の金額のうち少なくとも1つを含むステップと、消費者の識別子に基づいて、消費者データベースから、支出プロファイルおよび安全地帯プロファイルを検索するステップであって、支出プロファイルが、商業者の位置、買物のタイプ、買物の頻度、買物の日時、および取引の金額のうち少なくとも1つに関連する、消費者の消費パターンを含み、安全地帯プロファイルが安全位置のリストを含むステップと、取引要求を、支出プロファイルおよび安全地帯プロファイルのうち少なくとも1つと比較して、消費パターンおよび安全位置のリストのうち少なくとも1つからの偏差を検出するステップと、を含む。
【0082】
本発明の実施形態について特定の実施形態を参照して特に図示し記載してきたが、添付の特許請求の範囲によって定義されるような本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態および詳細の様々な変更が行われてもよいことが、当業者には理解されるべきである。このように、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって示され、したがって、特許請求の範囲の等価の意味および範囲内にある全ての変更が包含されるものとする。関連する図面で使用される共通の数字は、類似のまたは同じ目的に役立つ構成要素を指すことが認識されるであろう。
【0083】
本明細書で使用される専門用語は、単に様々な実施形態を説明するためのものであり、本発明を限定しようとするものではないことが、当業者には認識されるであろう。本明細書で使用するとき、単数形「a」、「an」、「the」は、文脈において別段の明確な指示がない限り、複数も含むものとする。更に、「備える」および/または「備えている」という用語は、本明細書で使用するとき、規定された機構、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素が存在することを指定するが、1つもしくは複数の他の機構、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらの群が存在すること、あるいはそれらが追加されることを除外するものではないことも理解されるであろう。
【0084】
開示されるプロセス/フローチャートにおけるブロックの特定の順序または階層は、例示的な方策の例証であることが理解される。設計上の好みに基づいて、プロセス/フローチャートにおけるブロックの特定の順序または階層は再構成されてもよいことが理解される。更に、いくつかのブロックは組み合わされるかまたは省略されてもよい。添付の方法クレームは、様々なブロックの要素をサンプルの順序で提示しており、提示される特定の順序または階層に限定されることを意味しない。
【0085】
上記の説明は、当業者が本明細書に記載する様々な態様を実践できるようにするために提供されている。これらの態様に対する様々な修正は当業者には容易に明白となるものであり、本明細書に定義する総括的な原理は他の態様に適用されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に示される態様に限定されるものではなく、クレームの文言と一致する全範囲と合致されるべきものであり、単数形の要素に対する言及は、具体的に提示されない限り、「唯一無二のもの」を意味するのではなく、「1つまたは複数」を意味するものとする。「例示の」という語は、本明細書では、「例、事例、または実例としての役割を果たす」ことを意味するのに使用される。「例示」として本明細書に記載するいずれの態様も、他の態様よりも好ましいかまたは有利であるものと必ずしも解釈されない。別段の具体的な提示がない限り、「いくつか」という用語は1つまたは複数を指す。「A、B、またはCのうち少なくとも1つ」、「A、B、またはCの1つもしくは複数」、「A、B、およびCのうち少なくとも1つ」、「A、B、およびCの1つもしくは複数」、ならびに「A、B、C、またはそれらの任意の組み合わせ」は、A、B、および/またはCの任意の組み合わせを含み、複数のA、複数のB、または複数のCを含んでもよい。具体的には、「A、B、またはCのうち少なくとも1つ」、「A、B、またはCの1つもしくは複数」、「A、B、およびCのうち少なくとも1つ」、「A、B、およびCの1つもしくは複数」、ならびに「A、B、C、またはそれらの任意の組み合わせ」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびB、AおよびC、BおよびC、またはAおよびBおよびCであってもよく、任意のかかる組み合わせは、A、B、またはCの1つもしくは複数のメンバーを含んでもよい。当業者には知られている、または当業者に今後知られることになる、本開示を通して記載した様々な態様の要素に対する、全ての構造的および機能的等価物は、参照により本明細書に明確に組み込まれており、特許請求の範囲によって包含されるものとする。更に、本明細書に開示されるいずれも、かかる開示が特許請求の範囲に明示的に列挙されているか否かにかかわらず、一般大衆向けであることが意図される。「モジュール」、「メカニズム」、「要素」、「デバイス」などの語は、「手段」という語の代用ではないことがある。そのため、クレームの要素はいずれも、要素が「~のための手段」という語句を使用して明確に列挙されない限り、ミーンズプラスファンクションとして解釈されないものとする。