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特許7179970少なくとも1つのカバーを有するターボ機械ハウジング、ターボ機械、カバーの製造方法
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  • 特許-少なくとも1つのカバーを有するターボ機械ハウジング、ターボ機械、カバーの製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-18
(45)【発行日】2022-11-29
(54)【発明の名称】少なくとも1つのカバーを有するターボ機械ハウジング、ターボ機械、カバーの製造方法
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/42 20060101AFI20221121BHJP
   F04D 17/12 20060101ALI20221121BHJP
【FI】
F04D29/42 H
F04D17/12
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021512267
(86)(22)【出願日】2019-08-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-31
(86)【国際出願番号】 EP2019071101
(87)【国際公開番号】W WO2020048713
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2021-08-31
(31)【優先権主張番号】18192432.5
(32)【優先日】2018-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】521001582
【氏名又は名称】シーメンス エナジー グローバル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】SIEMENS ENERGY GLOBAL GMBH & CO. KG
(74)【代理人】
【識別番号】110003317
【氏名又は名称】特許業務法人山口・竹本知的財産事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
(74)【代理人】
【識別番号】100133167
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100169627
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 美奈
(72)【発明者】
【氏名】コルブマッハー,ラース
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー,マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ペトリ,シュテッフェン
(72)【発明者】
【氏名】シックマン,カイ
【審査官】嘉村 泰光
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-140918(JP,A)
【文献】特開平04-347395(JP,A)
【文献】特開平10-252688(JP,A)
【文献】特開2017-180096(JP,A)
【文献】特開2016-142200(JP,A)
【文献】特開2013-036387(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01473462(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 1/00-13/16
F04D 17/00-19/02
F04D 21/00-25/16
F04D 29/00-35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターボ機械ハウジング(TMC)であって、
‐ ほぼ円筒形状を有しその円筒形状が1つの軸(X)に沿って延びているハウジングジャケット(CCT)と、
‐ 前記ターボ機械ハウジング(TMC)の第1の端面(FF1)に軸方向に取り外し可能に固定されて閉鎖するように設けられた第1のカバー(COV1)と、
‐ 前記ターボ機械ハウジング(TMC)内へのプロセス流体(PFL)の流入を可能にさせる流入部(INL)と、
‐ 前記ターボ機械ハウジング(TMC)からの前記プロセス流体(PFL)の流出を可能にさせる流出部(EXL)と
を有しており、
前記第1のカバー(COV1)は、
‐ 前記軸(X)に沿って延びるシャフト(SH)を軸方向に貫通させるため前記軸(X)に沿って延びる開口部(OP)と、
‐ 前記ターボ機械ハウジング(TMC)の前記ハウジングジャケット(CCT)に当接するため前記軸(X)の円周方向(CDR)に沿って延びる当接面(CSF)と
を有しており、
前記プロセス流体(PFL)の前記流入部(INL)として設けられる流通管(PFC)が前記第1のカバー(COV)の一体構成要素として形成されている、ターボ機械ハウジング(TMC)において、
前記流通管(PFC)は、前記プロセス流体(PFL)用の少なくとも1つの開口部を有し、前記プロセス流体(PFL)用の前記開口部は、前記シャフト(SH)用の開口部(OP)とは異なる開口部として形成されており、
前記流通管(PFC)は、前記第1のカバー(COV1)の内部に形成されており、前記流入部(INL)と前記プロセス流体(PFL)用の前記開口部の間で、前記ハウジングジャケット(CCT)及び前記シャフト(SH)から独立しており、
前記第1のカバー(COV)が前記当接面(CSF)を用いて前記ハウジングジャケット(CCT)の半径方向内側に配置されており、前記第1のカバー(COV)は前記当接面(CSF)で前記ハウジングジャケット(CCT)の半径方向内側のフランジ部の軸方向内側の面に配置されている、
ことを特徴とする
ターボ機械ハウジング(TMC)。
【請求項2】
シャフトシール用の及び/又はシャフトベアリング用の及び/又はオイルヒータ(OLH)用の及び/又はセンサ(SNR)用の、供給管(SPL)が前記第1のカバー(COV)に一体化されている、請求項1に記載のターボ機械ハウジング(TMC)。
【請求項3】
一体化された前記流通管(PFC)が前記プロセス流体(PFL)の全流(TMF)を部分流(PMF)に分割する少なくとも2つのチャネル(CHV)、及び、前記プロセス流体(PFL)用の少なくとも2つの開口部、を有し、
前記少なくとも2つのチャネル(CHV)はそれぞれ、別の前記プロセス流体(PFL)用の前記開口部に接続されている、請求項1又は2の少なくとも一項に記載のターボ機械ハウジング(TMC)。
【請求項4】
前記チャネル(CHV)は、前記チャネル(CHV)から流出する前記プロセス流体(PFL)に特定の旋回が印加されるように、形成されている、請求項3に記載のターボ機械ハウジング(TMC)。
【請求項5】
前記軸(X)に沿って延びる前記シャフト(SH)用のラジアル軸受(RBE)を支持するベアリングブロック下部(BSP)が、前記第1のカバー(COV)の一体化された構成要素として、形成されている、請求項1から4の少なくとも一項に記載のターボ機械ハウジング(TMC)。
【請求項6】
前記第1のカバー(COV)又は前記第1のカバー(COV)の鋳型の一部が、アディティブ製造プロセスによって製造されている、請求項1から5の少なくとも一項に記載のターボ機械ハウジング(TMC)。
【請求項7】
前記第1のカバー(COV)又は前記第1のカバー(COV)の鋳型の一部がアディティブ製造プロセスによって製造される、請求項1から6の少なくとも一項に記載のターボ機械ハウジング(TMC)のカバー(COV)の製造方法。
【請求項8】
ロータ(ROT)及び請求項1から7のいずれか一項に記載のターボ機械ハウジング(TMC)を備える、ターボ機械(TRM)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特には技術的仕事をプロセス流体へまたはプロセス流体からさらに伝達させるラジアルターボ機械の、ターボ機械ハウジングであって、
‐ ほぼ円筒形状を有しその円筒形状が一つの軸に沿って延びるハウジングジャケットと、
‐ ターボ機械ハウジングの第1の端面に軸方向に取り外し可能に固定されて閉鎖するように設けられた第1のカバーと、
‐ ターボ機械ハウジング内へのプロセス流体の流入を可能にさせる流入部と、
‐ ターボ機械ハウジングからのプロセス流体の流出を可能にさせる流出部と
を有しているターボ機械ハウジングに関する。
【0002】
更に本発明は、ターボ機械ハウジングのそのようなカバーの製造方法及びそのようなターボ機械ハウジングを備えたターボ機械に関する。
【背景技術】
【0003】
ほとんどのターボ機械は、プロセス流体によって、インペラ又はランナがシャフトの軸方向に向けられた流れを受ける。冒頭に述べたタイプのカバーを持つターボ機械ハウジングへの流入は、従来は一般に半径方向で行われる。このためにターボ機械ハウジングは、通常回転軸線に対して半径方向に配向された流入接続部を有する。本発明の対象ではないが別の可能性は、例えばギアコンプレッサ用のコンプレッサから公知であるように、例えば、軸方向流入の目的でラジアルコンプレッサのランナがシャフトの一端にて浮動的に支持されていることを企図している。ハウジングでの半径方向の流入接続部は、この複雑な形状のための比較的高いコストを伴い、半径方向の構造空間の必要性を著しく増加させる。さらに、インペラ又はランナへの流入に必要な半径方向から軸方向への方向転換は、一方では損失が大きく、他方では軸方向及び半径方向の構造空間を必要とする。
【0004】
特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6及び特許文献7から、種々の目的のために一体化された流通路を有するカバーを形成することが部分的に知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際特許出願公表第2016/041841号公報
【文献】米国特許第3131877号公報
【文献】米国特許第2760719号公報
【文献】米国特許第979634号公報
【文献】英国特許第780463号公報
【文献】米国特許第2775945号公報
【文献】米国特許出願公開第2017/082070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような欠点を回避することが本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の課題を解決するために、冒頭に定義されたタイプのカバー、ターボ機械ハウジング、カバーを製造するための方法、及びターボ機械が、それぞれ請求項に定義された発明の追加の特徴を伴って提案される。発明を関連付ける要素は、本発明によるカバーであり、従属請求項は、発明の有利な展開を含んでいる。
【0008】
軸方向、半径方向、接線方向又は円周方向などの用語は、既に組み立てられたターボ機械の場合には、カバーの開口部の中心軸又はカバーの開口部を通って延びるシャフトの軸線に常に関係するものである。
【0009】
本発明においてプロセス流体の主要部分とは、少なくとも51%、好ましくは少なくとも80%、特に好ましくは100%であると解される。本発明の好ましい実施形態は、プロセス流体の流入部又は流出部として設けられた流通管が、少なくともプロセス流体の主要部分のために設けられていること、プロセス流体の流入部又は流出部として設けられた流通管が、カバーの一体部分として形成されていること、その結果、プロセス流体の主要部分が、外部からカバーの流入部を介してターボ機械ハウジングの内部へ導かれるか、又はプロセス流体の主要部分が、ターボ機械ハウジングの内部からカバーの流出部を通って外部へ導かれること、を企図している。
【0010】
本発明によるカバーが流入部または流出部として形成された一体型の流通管を有することにより、このようなカバーを有する対応するターボ機械ハウジングは、従来の流入部または流出部なしに形成することができる。本発明による新しい機能モジュールの格別な利点は、本発明によるカバーに設けられていれば、対応する流通管をハウジングジャケットに設けなくても良いだけでなく、カバーの範囲にプロセス流体が導入されているためプロセス流体がターボ機械内へ流入する前に既に、インペラもしくはランナへの流入方向により良好に調整されていることである。言い換えれば、本発明によれば、本発明に従うカバーを有するターボ機械へのプロセス流体の導入は、ハウジングの半径方向の流入接続部による従来の半径方向の流入の場合よりも、既にかなり軸方向にある。
【0011】
本発明の有利な発展形態では、カバーが、ガスシール及び/又はオイルヒータ及び/又はセンサ、特に圧力センサのための供給管を、カバーに一体化された構成要素として有している。カバーが特に好ましくはシャフトシールの支持体、及び/又は、ラジアル軸受の支持体、及び/又は、圧力センサ及び/又は温度センサの設置個所、であり得るので、この構成は格別に合目的である。
【0012】
別の有利な発展形態は、一体化された流通管が、プロセス流体の全流を部分流に分割するチャネルを有することを企図している。このような分割を行うチャネル構造は、特に合目的に、後続の空気力学的な構成要素への流入に対するプロセス流体の流れ技術的な調整を、可能にする。この構成要素は通常、回転部品、例えば、ラジアルコンプレッサランナまたはアキシャルインペラである。この場合、個々のチャネルは、単にガイドベーンによって周方向に互いに分離されていてもよい、または周方向に互いに分離するより大きな塊状のチャネル壁を有するチャネルとして形成されていてもよい。このようにすれば、チャネルから流出するプロセス流体に特定の旋回を付与することができ、これはロータへの最適な流入を用意する。
【0013】
本発明の別の有利な発展形態は、軸線に沿って延びるシャフトのためのラジアルベアリングを支持するためのベアリングブロック下部構造が、カバーの一体部分として形成されていること、を企図している。
【0014】
端部に設けられた本発明によるカバーを備えるハウジングを有するターボ機械においては、カバーは、多数の機能を果たすことになるであろう。一般的にこれらの機能は、種々の作動流体のための流入及び流出管、さらには、電流のための給電線並びに信号導線のためのブッシングを必要とする。さらにカバー自体は、これらの導管によって供給される多数のユニットのための担体としても使用することができる。例えばカバーは、シャフトシール及びシャフトベアリングのための担体、特にラジアルベアリングのための担体とすることができる。これらのユニットのための供給管が、少なくとも部分的にカバーの一部を貫通して敷設される場合、従来は、対応する管への供給のため孔がカバー内に設けられる。これは、特に対応する孔が直線軸である場合にのみ可能であり、導管の設置には孔の軸方向部分のみが必要であるため、しばしば閉じなければならない導管の曲がりごとに別個の孔を作らなければならないため、非常に経費がかかる。
【0015】
本発明によるカバーを従来の切削加工で製造するのは、比較的困難又は高価である。有利な製造方法として本発明は、カバーまたはカバーの鋳型部品が、アディティブ製造プロセスによって有利に製造され得ることを認識している。アディティブ製造プロセスによる自由な三次元的な形状の立体的幾何学的製造における格別な自由度は、本発明によって非常に良好に使用され得る。なぜならカバーを通るターボ機械へのプロセス流体の流入または流出のための流通管の流れ技術的な最適化を、これにより妥協なしに実施することができるからである。さらには、シャフトシール、ラジアルベアリング、オイルヒータ、および各種のセンサのための供給管をカバーの一体部分として残りの立体的な自由空間に最適に配置することが可能である。オイルヒータのための、シャフトシールやガスシールの供給のための供給管は、ホースと比較できるような、管としてカバーの体積内に埋設することができるので、その結果、プロセス流体のための流通管を最適化するための制限はほとんどない。本発明においては流入管としてカバーの一体部分であるプロセス流体の供給管は、最近の流れ最適化法を用いて、以下のように幾何学的に設計することができる、即ち、プロセス流体をまずはカバー内に設けられた収集環状空間に導入し、次にこの収集環状空間がプロセス流体の全体を様々な部分流に分配してターボ機械の流れを案内するロータに供給するための後続のチャネルに分けるように、幾何学的に設計することができる。収集環状空間は、特に有利には、円周に沿って一定でない断面を有する。合目的には収集環状空間は、プロセス流体の流入部の領域において最も広くなるように形成される。
【0016】
ロータへプロセス流体を供給する場合にはカバーに一体化された流通管は、例えばラジアルコンプレッサの第1のランナの、軸方向で直前に、プロセス流体を導くことができるので、その結果、一方では流量が最適化された流入が行われ、他方では軸方向の設置スペースの大きな節約が図れる。
【0017】
以下に本発明を図面の参照のもとに特定の実施例に基づいてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明によるカバーを通る軸に沿った縦断面の概略図を示す。
図2】本発明によるターボ機械ハウジングを備えた本発明によるターボ機械の軸方向縦断面の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、図2のターボ機械TRMに関連して示されているように、ターボ機械ハウジングTMCの本発明によるカバーCOVの縦断面を概略的に示す。図2に示すターボ機械TRMは、ラジアルターボ機械RTMとして設計されているが、本発明は原理的にはアキシャルターボ機械にも使用することができる。図中同一の符号は、それぞれ機能的に同一の対象を示す。
【0020】
図2に示すターボ機械TRMは、技術的仕事をプロセス流体PFLに伝達するラジアルコンプレッサである。具体的には、プロセス流体PFLは、ロータROTのインペラIMPによって貫流時に加速され、対応するインペラIMPの後方のディフューザにおいて圧力上昇のもとに減速される。それに応じてプロセス流体PFLは、流入部INLを通ってターボ機械TRMに流入した後、流出部EXLを通ってターボ機械TRMから出るまで圧力上昇する。原理的には本発明は、逆のプロセス、技術的仕事の獲得のもとでのプロセス流体の膨張、も実現できる。
【0021】
図1に示すカバーCOVは、軸Xに沿って延びる開口OPを有する。この軸Xに沿って延びるシャフトSHの軸方向貫通路は、図2にも示すようになる。ターボ機械ハウジングTMCのハウジングジャケットCCTに当接するために、カバーは、軸Xに対する円周方向CTRに沿って延びる当接面SFを有する。当接面は、一方では、ターボ機械の運転中の内圧と周囲圧との間の差圧に対する機械的抵抗部として働き、他方では、ターボ機械TRMから環境へのプロセス流体PFLの漏れに対する密封部として働く。密封のためにシール要素(ここでは図示せず)を設けることもできる。
【0022】
カバーCOVは、プロセス流体PFLの流入部INLまたは流出部EXLとして設けられた流通路PFCをカバーCOVの一体部分として有する。図2では、左側には第1のカバーCOV1が設けられており、これは、対応するカバーCOVが流入部INLとして設けられた流通路PFCを有することを示しており、右側には第2のカバーCOV2が示されており、これは、カバーCOVに一体化された流通路PFCがプロセス流体PFLのための流出部EXLとして形成されている場合を示している。第1のカバーCOV1はターボ機械ハウジングTMCの第1の端面FF1に位置し、第2のカバーCOV2は第2の端面FF2に位置する。
【0023】
図1は、流入口INLとして形成されたプロセス流体PFL用の流通路PFCを備えた第1のカバーCOV1を示しており、この第1のカバーCOV1は図2では第1の端面FF1上に設けられている。図1に示すカバーCOVまたは第1のカバーCOV1は、第2のカバーCOV2と同様に、「アディティブ製造法」によって製造されている。この製造法は、カバーCOVの種々の機能要素の三次元の幾何学形態の特に自由な構成を可能にする。第1のカバーCOV1は、付加的機能要素の担体、例えば、オイルヒータOLHの、ラジアルベアリングRBEのおよびガスシールとして形成されたシャフトシールSHSの担体、である。供給管SPLは、シャフトシールSHS、ラジアルベアリングRBEおよびセンサSNR、流入部INL内のプロセス流体PFLの圧力および温度を測定するための温度センサTSNおよび圧力センサPSN、のために設けられている。オイルヒータOLHは、ラジアル軸受RBEに軸受油を供給するものであり、このオイルヒータOLHのための供給管SPLはカバーCOVの一体部分である。オイルヒータOLHのためのこれらの供給管SPLは、一方では電気ヒーターに給電することができ、他方では、オイルヒータOLHに加熱流体を供給するか、またはこれをオイルヒータOLHから運び出すことができる。
【0024】
流入部INLとして又は流出部EXLとしても設計することができる流通路PFCは、収集空間COL(収集環状空間)を有しており、この収集空間COLは軸Xを中心に円周方向CDRにほぼリング状に延びており、また、この収集空間から出る個々のチャネルCHVを有しており、これらのチャネルはこれに続くロータROTのインペラやランナIMPにプロセス流体PFLを流れ技術的に最適に整流して供給する。収集空間COLは円周に沿って一定でない横断面を持つ。
【符号の説明】
【0025】
TMC ターボ機械ハウジング
RTM ターボ機械
PFL プロセス流体
CCT ハウジングジャケット
COV カバー
COV1 第1のカバー
INL 流入部
EXL 流出部
OP 開口
CFS 当接面
SPL 供給管

図1
図2