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特許7179986形質転換されたT細胞を用いた臍帯血由来のナチュラルキラー細胞の培養方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-18
(45)【発行日】2022-11-29
(54)【発明の名称】形質転換されたT細胞を用いた臍帯血由来のナチュラルキラー細胞の培養方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 5/0783 20100101AFI20221121BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20221121BHJP
   C12N 15/12 20060101ALN20221121BHJP
【FI】
C12N5/0783 ZNA
C12N5/10
C12N5/0783
C12N15/12
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2021526674
(86)(22)【出願日】2019-11-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-07
(86)【国際出願番号】 KR2019015469
(87)【国際公開番号】W WO2020101361
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】10-2018-0139722
(32)【優先日】2018-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0145068
(32)【優先日】2019-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517157385
【氏名又は名称】グリーン クロス ラボ セル コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】GREEN CROSS LAB CELL CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム,ユソン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ウンジ
(72)【発明者】
【氏名】パク,キョンミン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ビンナ
(72)【発明者】
【氏名】ミン,ボギョン
(72)【発明者】
【氏名】チョ,ソンユ
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ユギョン
【審査官】山本 匡子
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-520993(JP,A)
【文献】国際公開第2018/197859(WO,A1)
【文献】特表2017-525370(JP,A)
【文献】国際公開第2014/188680(WO,A1)
【文献】特開2013-027385(JP,A)
【文献】特開2013-006793(JP,A)
【文献】特許第7039623(JP,B2)
【文献】Min Bokyung, ”Identification of NK cell costimulatory receptors for large-scale expansion of NK cells for adoptive immunotherapy in cancer patients ”, [online],2018年5月, [2022年4月21日検索], インターネット,http://kdrm.kaist.ac.kr/ezpdfwebviewer/ezpdf/customLayout.jsp?encdata=67D4CD8135C7372A39A4274B829ADEF388D27D36BDCCD6BFE4F4974FD4D7CB62E464993BE0419278598BD59B7D4A0373751140E785DF8038768D6CB3B7D26E025B00F5FD41B0997C&lang=ko#
【文献】Database GenBank [online], Accession No.NM_021803.3, 17-JUN-2018 uploaded, Zhang L, et al., Definition: Homo sapiens interleukin 21 (IL21), transcript variant 1, mRNA.,https://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/NM_021803.3/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00-90
C12N 1/00-5/28
MEDLINE/BIOSIS/REGISTRY/CAPLUS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
UniProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
形質転換されたCD4+T細胞と種細胞を共培養することを含むナチュラルキラー細胞の培養方法であって、前記形質転換されたCD4+T細胞は4-1BBL遺伝子が発現し、前記種細胞は、臍帯血(cord blood)由来の単核細胞である方法
【請求項2】
前記形質転換されたCD4+T細胞は、mbIL-21遺伝子、OX40L遺伝子及びmTNF-α遺伝子からなる群から選ばれる少なくとも一つの遺伝子がさらに発現するものである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記4-1BBL遺伝子は、配列番号1で表示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列である、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記配列番号1で表示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列は、配列番号2で表示される塩基配列である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記mbIL-21遺伝子は、配列番号3で表示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列である、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記配列番号3で表示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列は、配列番号4で表示される塩基配列である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記OX40L遺伝子は、配列番号5で表示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列である、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記配列番号5で表示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列は、配列番号6で表示される塩基配列である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記mTNF-α遺伝子は、配列番号8で表示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列である、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記配列番号8で表示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列は、配列番号9で表示される塩基配列である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記遺伝子は、組換えレンチウイルスを介して導入されたものである、請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記CD4+T細胞は、4-1BBL遺伝子又はmbIL-21遺伝子が発現するものである、請求項に記載の方法。
【請求項13】
前記CD4+T細胞は、4-1BBL遺伝子及びmbIL-21遺伝子が発現するものである、請求項に記載の方法。
【請求項14】
前記CD4+T細胞は、4-1BBL遺伝子、mbIL-21遺伝子及びmTNF-α遺伝子が発現するものである、請求項に記載の方法。
【請求項15】
前記CD4+T細胞は、4-1BBL遺伝子、mbIL-21遺伝子、OX40L遺伝子及びmTNF-α遺伝子が発現するものである、請求項に記載の方法。
【請求項16】
前記CD4+T細胞は、Hut78、H9、Jurkat、Loucy、Molt-3、Molt-13、Peer、RPMI8402及びTALL-01細胞からなる群から選ばれるいずれか一つである、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記種細胞は、CD3(+)細胞が除去された細胞である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記形質転換されたCD4+T細胞と前記種細胞の比率を0.1:1~50:1に混合して培養する、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記種細胞は、フィーダー細胞と1回混合して5日~60日間培養するか、或いはフィーダー細胞と2回以上混合して60日以上培養する、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
抗CD3抗体及びインターロイキンタンパク質が含まれている培地で培養する、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記抗CD3抗体は、OKT3、UCHT1及びHIT3aからなる群から選ばれるいずれか一つを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記インターロイキンタンパク質は、IL-2、IL-12、IL-15、IL-18及びIL-21からなる群から選ばれるいずれか一つを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
4-1BBL遺伝子を発現する形質転換されたCD4+T細胞を有効成分として含み、種細胞として臍帯血由来の単核細胞からナチュラルキラー細胞培養する用の組成物。
【請求項24】
前記形質転換されたCD4+T細胞は、mbIL-21遺伝子、OX40L遺伝子及びmTNF-α遺伝子からなる群から選ばれる少なくとも一つの遺伝子がさらに発現するものである、請求項23に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、形質転換されたT細胞を用いた臍帯血由来のナチュラルキラー細胞(自然殺害細胞)の培養方法に関する。
【背景技術】
【0002】
癌患者の治療及び再発防止のための治療法として、患者の免疫機能を用いた免疫治療法が開発されている。特に、大量生産及び凍結が可能なナチュラルキラー細胞(natural killer cell)を用いた免疫治療法が研究されている。ナチュラルキラー細胞は、末梢血リンパ球(peripheral blood lymphocyte)の約15%程度を占めるリンパ球系細胞であり、自然免疫反応において重要な役割を担う。
【0003】
具体的に、ナチュラルキラー細胞は、樹状細胞を活性化させ、細胞毒性Tリンパ球(cytotoxic T lymphocyte,CTL)を腫瘍に特異的に反応するように誘導して腫瘍細胞を除去する。ナチュラルキラー細胞は、肉腫(sarcoma)、骨髄腫(myeloma)、癌腫(carcinoma)、リンパ腫(lymphomas)及び白血病(leukemia)のような悪性腫瘍を直接に死滅させる。しかしながら、健康な人の体内に存在する大部分のナチュラルキラー細胞は、不活性化状態で存在し、腫瘍を除去するためには活性化したナチュラルキラー細胞が必要である。また、癌患者の体内に存在するナチュラルキラー細胞の場合、癌細胞の免疫回避機構によってナチュラルキラー細胞の機能的欠陥につながる。
【0004】
したがって、ナチュラルキラー細胞を治療剤として用いるためには、ナチュラルキラー細胞を活性化させることが非常に重要である。また、体内のナチュラルキラー細胞の細胞数は限られているため、健康な人の血液又は患者の血液のナチュラルキラー細胞を大量に増殖させ凍結する技術の開発が必須である。
【0005】
ナチュラルキラー細胞を大量に増殖させるための方法としては、体外増殖法を用い、末梢血リンパ球(peripheral blood lymphocyte,PBMC)、臍帯血(cord blood,CB)又はヒト誘導万能幹細胞(human-induced pluripotent stem cell)を原料としたナチュラルキラー細胞の大量培養法が研究されている。
【0006】
特に、臍帯血は、骨髄とは違い、分娩後に廃棄される臍帯血から簡単な施術によって得ることができる。また、臍帯血の保管産業が活性化しており、ドナー(供与者)の獲得も容易であることから、臍帯血を用いたナチュラルキラー細胞の培養方法に関する研究が活発に行われている。
【0007】
具体的に、臍帯血由来のナチュラルキラー細胞の体外増殖培養方法は、単核細胞(MNC)を種細胞として用いて増殖する方法、及び造血前駆細胞(hematopoietic progenitor cell,CD34+細胞)を種細胞にして増殖する方法がある。単核細胞を種細胞として用いる方式は、インターロイキン-2(IL-2)、インターロイキン-15(IL-15)、FLT-3Lなどを単独で或いは混合使用してナチュラルキラー細胞の増殖を促進させるが、増殖率及び純度が低いという問題がある(Biossel L.et al.,Biology of Blood and Marrow Transplantation,14,1031-1038,2008)。一方、造血前駆細胞を種細胞として増殖する方式は、増殖率が良く、純度が高いが、培養期間が長く、様々なサイトカインと成長因子を混合して使用しなければならないため、コスト面で商品化が困難である(Fias A.M.et al.,Experi
mental Hematology 36(1):61-68,2008)。
【0008】
ナチュラルキラー細胞の体外増殖培養には、PBMC、CD3-細胞、CD3-CD56+細胞、CD56+細胞などが種細胞として用いられ、ナチュラルキラー細胞増殖因子として、IL-2、IL-12、IL-15、IL-21などのサイトカインとLPS(Goodier et al.,J.Immunol.165(1):139-147,2000)、CD3を刺激するOKT-3抗体(Condiotti et al.,Experimental Hematol.29(1):104-113,2001)が用いられる。上記の増殖因子だけでナチュラルキラー細胞を3倍~10倍程度増殖させることができる。しかし、この程度の増殖率ではナチュラルキラー細胞を治療剤として商品化するには不十分である。
【0009】
近年、様々なタイプのフィーダー(支持)細胞(feeder cell)を用いてナチュラルキラー細胞を大量増殖させる方法が研究されている。フィーダー細胞として用いられている細胞株の代表には、末梢血単核細胞、EBV-LCL、K562細胞株がある。K562細胞株は、HLAが欠如した白血病由来の細胞株であり、ナチュラルキラー細胞が攻撃し易い代表的なターゲット細胞株である。ナチュラルキラー細胞を培養する多くのフィーダー細胞は、例えばK562細胞株に、4-1BBLと膜結合(membrane-bound)IL-15を発現させて増殖させる方法(Fujisaki et al.,Cancer Res.69(9):4010-4017,2009)、MICA、4-1BBL、及びIL-15を発現させて増殖させる方法(Gong et al.,Tissue Antigens,76(6):467-475,2010)、及び4-1BBLと膜結合IL-21を発現させて増殖させる方法(Cecele JD et al,PloSONE,7(1):e30264,2012)などの既知の方法によって増殖される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このような状況下で、本発明者は、臍帯血からナチュラルキラー細胞を効率的に増殖させるために、ナチュラルキラー細胞の増殖を高めることができる共刺激因子及び成長因子を発現させたCD4+T細胞と臍帯血由来のナチュラルキラー細胞を共培養して体外増殖させる方法を開発した。
【0011】
具体的には、本発明者は、前記CD4(+)T細胞をフィーダー細胞として用いたナチュラルキラー細胞培養の効率を増加させるために、形質転換されたCD4(+)T細胞を製造した。前記形質転換されたCD4(+)T細胞と臍帯血由来の単核細胞を共培養し、このような共培養によってナチュラルキラー細胞の増殖率及び細胞殺害能が増加することを確認し、本発明が完成された。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様は、形質転換されたCD4+T細胞と種細胞(seed cells)を共培養する段階を含むナチュラルキラー細胞の培養方法を提供する。
【0013】
本発明の他の態様は、前記培養方法によって製造されたナチュラルキラー細胞を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の形質転換されたT細胞を用いたナチュラルキラー細胞の培養方法は、少量の臍帯血由来の種細胞からナチュラルキラー細胞を効果的に増殖させて製造することができる。また、このように製造されたナチュラルキラー細胞は、細胞殺害能が向上する。したがって、本発明の形質転換されたT細胞を用いたナチュラルキラー細胞の培養方法は、細胞治療剤の商品化に有用である。さらに、本発明の培養方法で製造されたナチュラルキラー細胞は、細胞治療剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1A】Hut78細胞株への遺伝子発現をFACSによって確認した図である。
図1B】Hut78細胞株に形質導入された単一遺伝子の発現をFACSによって確認した図である。
図1C】Hut78細胞株に形質導入されたmTNF-α/OX40L及びmTNF-α/4-1BBL二重遺伝子の発現をFACSによって確認した図である。
図1D】Hut78細胞株に形質導入されたmbIL-21/OX40L及びmbIL-21/4-1BBL二重遺伝子の発現をFACSによって確認した図である。
図1E】Hut78細胞株に形質導入された三重遺伝子の発現をFACSによって確認した図である。
図1F】Hut78細胞株に形質導入された四重遺伝子の発現をFACSによって確認した図である。
図2A】異なる遺伝子が形質導入されたHut78細胞株と臍帯血由来のCD3(-)単核細胞を共培養して製造したナチュラルキラー細胞の増殖率を示す。
図2B】異なる遺伝子が形質導入されたH9細胞株と臍帯血由来のCD3(-)単核細胞を共培養して製造したナチュラルキラー細胞の増殖率を示す。
図2C】異なる遺伝子が形質導入されたJurkat細胞株と臍帯血由来のCD3(-)単核細胞を共培養して製造したナチュラルキラー細胞の増殖率を示す。
図2D】異なる遺伝子が形質導入されたPeer細胞株と臍帯血由来のCD3(-)単核細胞を共培養して製造したナチュラルキラー細胞の増殖率を示す。
図2E】三重遺伝子が形質導入されたHut78細胞株と臍帯血由来のCD3(-)単核細胞を共培養中に、14日或いは16日の間隔で再刺激して製造したナチュラルキラー細胞の増殖率を示す。
図3A】異なる遺伝子が形質導入されたHut78細胞株と臍帯血由来のCD3(-)単核細胞を共培養して製造したナチュラルキラー細胞の生存率を示す。
図3B】異なる遺伝子が形質導入されたH9細胞株と臍帯血由来のCD3(-)単核細胞を共培養して製造したナチュラルキラー細胞の生存率を示す。
図3C】異なる遺伝子が形質導入されたJurkat細胞株と臍帯血由来のCD3(-)単核細胞を共培養して製造したナチュラルキラー細胞の生存率を示す。
図3D】遺伝子が形質導入されたPeer細胞株と臍帯血由来のCD3(-)単核細胞を共培養して製造したナチュラルキラー細胞の生存率を導入遺伝子別に示す。
図3E】三重遺伝子が形質導入されたHut78細胞株と臍帯血由来のCD3(-)単核細胞を共培養中に、14日或いは16日の間隔で再刺激して製造したナチュラルキラー細胞の生存率を示す。
図4A】異なる遺伝子が形質導入されたHut78細胞株と臍帯血由来のCD3(-)単核細胞を共培養して製造したナチュラルキラー細胞の純度(CD3-CD56+)を示す。
図4B】異なる遺伝子が形質導入されたH9細胞株と臍帯血由来のCD3(-)単核細胞を共培養して製造したナチュラルキラー細胞の純度(CD3-CD56+)を示す。
図4C】異なる遺伝子が形質導入されたJurkat細胞株と臍帯血由来のCD3(-)単核細胞を共培養して製造したナチュラルキラー細胞の純度(CD3-CD56+)を示す。
図4D】異なる遺伝子が形質導入されたPeer細胞株と臍帯血由来のCD3(-)単核細胞を共培養して製造したナチュラルキラー細胞の純度(CD3-CD56+)を示す。
図4E】三重遺伝子が形質導入されたHut78細胞株と臍帯血由来のCD3(-)単核細胞を共培養中に、14日或いは16日の間隔で再刺激して製造したナチュラルキラー細胞の純度(CD3-CD56+)を示す。
図5A】異なる遺伝子が形質導入されたHut78細胞株と臍帯血由来のCD3(-)単核細胞を共培養して製造したナチュラルキラー細胞の活性(CD16+CD56+)を示す。
図5B】異なる遺伝子が形質導入されたHut78細胞株と臍帯血由来のCD3(-)単核細胞を共培養して製造したナチュラルキラー細胞の表現型マーカーとしてのNKG2Dの発現レベルを示す。
図5C】異なる遺伝子が形質導入されたHut78細胞株と臍帯血由来のCD3(-)単核細胞を共培養して製造したナチュラルキラー細胞の表現型マーカーとしてのNKp30の発現レベルを示す。
図5D】異なる遺伝子が形質導入されたHut78細胞株と臍帯血由来のCD3(-)単核細胞を共培養して製造したナチュラルキラー細胞の表現型マーカーとしてのNKp44の発現レベルを示す。
図5E】異なる遺伝子が形質導入されたHut78細胞株と臍帯血由来のCD3(-)単核細胞を共培養して製造したナチュラルキラー細胞の表現型マーカーとしてのNKp46の発現レベルを示す。
図5F】異なる遺伝子が形質導入されたHut78細胞株と臍帯血由来のCD3(-)単核細胞を共培養して製造したナチュラルキラー細胞の表現型マーカーとしてのDNAM-1の発現レベルを導入遺伝子別に示す図である。
図5G】異なる遺伝子が形質導入されたHut78細胞株と臍帯血由来のCD3(-)単核細胞を共培養して製造したナチュラルキラー細胞の表現型マーカーとしてのCXCR3の発現レベルを示す。
図6A】異なる遺伝子が形質導入されたH9細胞株と臍帯血由来のCD3(-)単核細胞を共培養して製造したナチュラルキラー細胞の活性(CD16+CD56+)を示す。
図6B】異なる遺伝子が形質導入されたH9細胞株と臍帯血由来のCD3(-)単核細胞を共培養して製造したナチュラルキラー細胞の表現型マーカーとしてのNKG2Dの発現レベルを示す。
図6C】異なる遺伝子が形質導入されたH9細胞株と臍帯血由来のCD3(-)単核細胞を共培養して製造したナチュラルキラー細胞の表現型マーカーとしてのNKp30の発現レベルを示す。
図6D】異なる遺伝子が形質導入されたH9細胞株と臍帯血由来のCD3(-)単核細胞を共培養して製造したナチュラルキラー細胞の表現型マーカーとしてのNKp44の発現レベルを示す。
図6E】異なる遺伝子が形質導入されたH9細胞株と臍帯血由来のCD3(-)単核細胞を共培養して製造したナチュラルキラー細胞の表現型マーカーとしてのNKp46の発現レベルを示す。
図6F】異なる遺伝子が形質導入されたH9細胞株と臍帯血由来のCD3(-)単核細胞を共培養して製造したナチュラルキラー細胞の表現型マーカーとしてのDNAM-1の発現レベルを示す。
図6G】異なる遺伝子が形質導入されたH9細胞株と臍帯血由来のCD3(-)単核細胞を共培養して製造したナチュラルキラー細胞の表現型マーカーとしてのCXCR3の発現レベルを示す。
図7A】三重遺伝子が形質導入されたHut78細胞株と臍帯血由来のCD3(-)単核細胞を共培養するとき、14日或いは16日間隔で再刺激して製造したナチュラルキラー細胞の活性(CD16+CD56+)及び表現型マーカーとしてのNKG2Dの発現レベルを示す。
図7B】三重遺伝子が形質導入されたHut78細胞株と臍帯血由来のCD3(-)単核細胞を共培養中に、14日或いは16日の間隔で再刺激して製造したナチュラルキラー細胞の表現型マーカーとしてのNKp30、NKp44、NKp46、DNAM-1、およびCXCR3の発現レベルを示す。
図8A】異なる遺伝子が形質導入されたHut78細胞株と臍帯血由来のCD3(-)単核細胞を共培養して製造したナチュラルキラー細胞の細胞殺害能を示す。
図8B】異なる遺伝子が形質導入されたH9細胞株と臍帯血由来のCD3(-)単核細胞を共培養して製造したナチュラルキラー細胞の細胞殺害能を示す。
図8C】異なる遺伝子が形質導入されたJurkat細胞株と臍帯血由来のCD3(-)単核細胞を共培養して製造したナチュラルキラー細胞の細胞殺害能を示す。
図8D】異なる遺伝子が形質導入されたPeer細胞株と臍帯血由来のCD3(-)単核細胞を共培養して製造したナチュラルキラー細胞の細胞殺害能を示す。
図8E】三重遺伝子が形質導入されたHut78細胞株と臍帯血由来のCD3(-)単核細胞を共培養中に、14日或いは16日の間隔で再刺激して製造したナチュラルキラー細胞の細胞殺害能を示す。
図9A】Rajiマウス動物モデルを用いたナチュラルキラー細胞の効能の評価のための投与スケジュールを示す。
図9B】Raji動物モデルにおいてNK細胞、RTX及び併用投与の効能を確認するために生存率を測定した結果を示す。
図10A】Ramosマウス動物モデルを用いたナチュラルキラー細胞の効能の評価のための投与スケジュールを示す。
図10B】Ramos動物モデルにおいてNK細胞、RTX及び併用投与の効能を確認するために生存率を測定した結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0017】
本発明の一態様は、形質転換されたCD4+T細胞と種細胞を共培養する段階を含むナチュラルキラー細胞の培養方法を提供する。
【0018】
前記形質転換されたCD4+T細胞は、4-1BBL遺伝子、mbIL-21遺伝子、OX40L遺伝子、及びmTNF-α遺伝子からなる群から選ばれる少なくとも一つの遺伝子が発現するものでよい。
【0019】
具体的には、前記形質転換されたCD4+T細胞は1つの遺伝子を発現してもよい。この場合、前記遺伝子は、4-1BBL、mbIL-21、OX40L又はmTNF-αでよい。また、前記形質転換されたCD4+T細胞は2つの遺伝子を発現してもよい。この場合、前記遺伝子の組合せは、mbIL-21/4-1BBL、4-1BBL/OX40L、mTNF-α/4-1BBL、mbIL-21/OX40L、mbIL-21/mTNF-α又はmTNF-α/OX40Lでよい。本発明の一実施例では、mbIL-21/4-1BBL、mTNF-α/OX40L、mTNF-α/4-1BBL及びmbIL-21/OX40Lの遺伝子の組合せをT細胞に導入した。
【0020】
あるいは、前記形質転換されたCD4+T細胞は3つの遺伝子を発現してもよい。この場合、前記遺伝子の組合せは、4-1BBL/mbIL-21/OX40L、mbIL-21/OX40L/mTNF-α、mTNF-α/mbIL-21/4-1BBL又は4-1BBL/OX40L/mTNF-αでよい。本発明の一実施例では、mTNF-α/mbIL-21/4-1BBLの遺伝子の組合せをT細胞に導入した。
【0021】
また、前記形質転換されたCD4+T細胞は4つの遺伝子を発現してもよい。この場合、前記遺伝子の組合せは、mTNF-α/mbIL-21/OX40L/4-1BBLでよい。本発明の一実施例では、mTNF-α/mbIL-21/OX40L/4-1BBLの遺伝子の組合せをT細胞に導入した。
【0022】
本発明で使われる用語‘4-1BBL’とは、三重合体(trimer)を形成して受容体である4-1BBと結合するリガンドを指す。TNFスーパーファミリー(TNF superfamily)に属し、CD137Lとも呼ばれる。前記4-1BBL遺伝子は、ヒト由来のものでよい。
【0023】
具体的には、前記4-1BBL遺伝子は、NCBI Reference Sequence:NM_003811でよいが、これに限定するものではない。前記4-1BBL遺伝子は、配列番号1で表示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列でよい。前記配列番号1で表示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列は、配列番号2で表示される塩基配列でよい。
【0024】
本発明で使われる用語‘mbIL-21’とは、細胞膜に結合可能に設計されたIL-21でよい。このとき、mbIL-21は、IL-21と膜通過タンパク質が結合した融合タンパク質でよい。前記膜通過タンパク質は、CD8αでよい。具体的には、CD8αの膜貫通ドメイン(transmembrane domain)でよい。
【0025】
具体的に、前記IL-21遺伝子は、NCBI Reference Sequence:NM_021803.3でよいが、これに限定するものではない。また、前記CD8α遺伝子は、NCBI Reference Sequence:NM_001768でよいが、これに限定するものではない。前記mbIL-21は、細胞膜に結合したIL-21形態で発現する。また、前記mbIL-21遺伝子は、配列番号3で表示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列でよい。前記配列番号3で表示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列は、配列番号4で表示される塩基配列でよい。
【0026】
本発明で使われる用語‘OX40L’は、TNFSF4、gp34、TXGP1、CD252及びCD134Lとも呼ばれ、OX40に結合するリガンドを指す。具体的には、前記OX40L遺伝子は、NCBI Reference Sequence:NM_003326でよいが、これに限定されるものではない。前記OX40L遺伝子は、配列番号5で表示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列でよい。前記配列番号5で表示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列は、配列番号6で表示される塩基配列でよい。
【0027】
本発明で使われる用語‘mTNF-α’は、腫瘍壊死因子-アルファ(tumor necrosis factor-alpha)のアミノ酸配列においてTACE(tumor necrosis factor-alpha-converting enzyme)認識部位であるアラニン-バリン(Alanine-Valine)をプロリン-バリン(Proline-Valine)となるようにDNA上で点変異(point mutation)させた遺伝子を指す。アラニンをプロリンに変異させたものは、ランダムに選択される。
【0028】
具体的に、前記mTNF-α遺伝子は、配列番号8で表示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列でよい。前記配列番号8で表示されるアミノ酸配列をコードする塩基配列は、配列番号9で表示される塩基配列でよい。
【0029】
前記4-1BBL遺伝子、mbIL-21遺伝子、OX40L遺伝子又はmTNF-α遺伝子は、組換えレンチウイルスを介して導入されてもよいが、遺伝子導入ベクターは組換えレンチウイルスに限定されない。
【0030】
前記遺伝子を細胞内に形質導入させる方法は、生化学的方法、物理的方法又はウイルスを媒介とする形質導入方法が用いられてもよい。また、生化学的方法として、FuGene6(Roche,USA)、リポフェクタミン(Lipofectamine(商標) 2000,Invitrogen,USA)又はExGen 500(MBI Fermentas International Inc.,CANADA)を用いることができる。また、リポフェクタミンを用いた脂質媒介トランスフェクションを用いることができる。
【0031】
本発明で使われる用語“ベクター”とは、ベクター内に導入された遺伝子挿入物が発現するように作動可能に連結された必須の調節要素を含む遺伝子作製物(遺伝子構成物)を指す。前記ベクターは、導入された細胞で標的遺伝子を発現させることができる発現ベクターであり得る。
【0032】
また、前記遺伝子含有発現ベクターは、CD4+細胞株で発現させることができるいずれの発現ベクターも用いることができ、本発明の具体的な実施例では、pCDH-CMV-MCS-EF1-Puro(SBI,CD510B-1)又はpCDH-CMV-MCS-EF1-Neo(SBI,CD514B-1)レンチウイルスベクターを使用した。
【0033】
前記レンチウイルスは、長期間の潜伏期を特徴とするレトロウイルス科のウイルスを指す。レンチウイルスは、宿主細胞のDNA内に遺伝情報を伝達することができる。レンチウイルスを使用することは、非分裂細胞において複製可能な遺伝子伝達ベクターの最も効果的な使用方法の一つである。
【0034】
前記CD4+T細胞は、体外(ex vivo)で分離されたCD4+T細胞、体外拡張培養されたCD4+T細胞又はCD4+細胞株(Tリンパ腫細胞株)でよい。また、前記CD4+T細胞は補助T細胞であって、CD4+T細胞と癌細胞を融合して得たハイブリドーマ(hybridoma)でよい。具体的には、CD4+T細胞は、Hut78、H9、Jurkat、Loucy、Molt-3、Molt-13、Peer、RPMI8402及びTALL-01細胞からなる群から選択されるいずれか一つでよい。好ましくは、Hut78、H9、Jurkat又はPeer細胞でよい。
【0035】
本発明で使われる用語‘フィーダー細胞(feeder cell)’とは、培養補助細胞とも呼ばれ、増殖することはできないが、代謝活性があるので、様々な代謝物質を生産して標的細胞の増殖を助ける細胞を指す。前記フィーダー細胞は、4-1BBL遺伝子、mbIL-21遺伝子、OX40L遺伝子及びmTNF-α遺伝子からなる群から選択される少なくとも一つの遺伝子が発現する形質転換されたCD4+T細胞でよい。
【0036】
前記フィーダー細胞として用いられるT細胞は、分裂/増殖が抑制された不活性化細胞又は非活性化細胞でよく、好ましくは、安全性を確保するために不活性化させる。不活性化させるには、当業界に既知の適切な方法を用いればよく、例えば、ガンマ線(gamma-ray)を照射する方法を用いることができる。不活性化させていないT細胞を用いる場合、大部分が腫瘍細胞であるから、活性化したナチュラルキラー細胞によって培養中に死滅し得る。
【0037】
本発明で使われる用語“種細胞(seed cell)”とは、適切な培養によってナチュラルキラー細胞に増殖できる細胞を指す。具体的には、前記種細胞は、臍帯血(cord blood)由来の単核細胞又は臍帯血由来のナチュラルキラー細胞でよいが、これに限定されない。好ましくは、前記種細胞は、CD3(+)細胞を除去したCD3(-)細胞であってもよい。
【0038】
前記ナチュラルキラー細胞の培養方法は、フィーダー細胞と種細胞の比率を0.1以上:1の比率で混合して培養すればよい。具体的には、フィーダー細胞と原料細胞の比は0.1:1~50:1でよい。より具体的には0.5:1~40:1でよい。より具体的には1:1~30:1でよい。最も具体的には2:1~20:1でよい。一具体例において、フィーダー細胞と種細胞の比は2.5:1でよいが、特にこれに限定されない。前記“比率”は、フィーダー細胞と種細胞の細胞数を基づいている。
【0039】
前記ナチュラルキラー細胞の培養方法において、種細胞はフィーダー細胞と1回混合して5日~60日培養、或いはフィーダー細胞と2回以上混合して60日以上培養することができる。好ましくは、種細胞は、フィーダー細胞と1回混合して14日~21日培養されるが、これに限定されない。
【0040】
本発明のナチュラルキラー細胞培養方法によれば、AIM-V media、RPMI1640、CellGro SCGM、X-VIVO20、IMDM、DMEMのような通常の動物細胞培養培地にナチュラルキラー細胞及びTリンパ腫細胞株を共培養する。共培養時に、T細胞に低い親和性を有し、T細胞を刺激する抗体及びインターロイキンを添加して培養してもよいが、これに限定されない。
【0041】
本発明で使われる用語‘T細胞に低い親和性(low affinity)を有し、T細胞を刺激する抗体’とは、T細胞受容体(TCR)と結合して抗原認識複合体を形成する分子群であるCD3抗原に特異的に反応するタンパク質を指す。前記CD3分子は、TCRと比較して細胞内領域が長く、抗原認識シグナルを細胞内に伝達する役割を担う。
【0042】
T細胞に低い親和性を有し、T細胞を刺激する抗体は、好ましくは、抗CD3抗体でよい。具体的には、抗CD3抗体は、OKT-3、UCHT1又はHIT3aでよい。
【0043】
本発明で使われる用語‘インターロイキン(Interleukin,IL)’とは、サイトカイン(cytokine)内の一つの群であり、リンパ球や単核細胞及びマクロファージなどの免疫担当細胞が生産するタンパク質性生物活性物質を指す。前記インターロイキンは、IL-2、IL-15、IL-12、IL-18又はIL-21でよい。
【0044】
本発明の一実施例では、OKT-3抗体とIL-2を添加して培養した。添加するOKT-3抗体の濃度は、0.1ng/ml~1,000ng/mlでよい。好ましくは、OKT-3抗体の濃度は、10ng/μlでよい。IL-2の濃度は、10U/ml~2,000U/mlでよい。好ましくは、IL-2の濃度は、1,000U/mlでよい。また、血清又は血漿とリンパ球の増殖を支持する追加の増殖因子を添加して培養することができる。培地に添加する血清又は血漿の種類は特に限定されず、市販されている各種動物由来の血清又は血漿を用いることができる。好ましくは、ヒト由来の血清又は血漿を用いることができる。
【0045】
本発明の用語“培養”とは、人工的に適切に調節した環境条件で細胞を増殖させることを指す。前記形質転換されたCD4+T細胞の培養は、当業界に広く知られている適切な方法を用いて行うことができる。具体的には、前記培養は、バッチ工程又は注入バッチ(fed batch)工程により、又は反復注入バッチ工程(repeated fed batch process)により連続して行うことができる。
【0046】
また、培養培地に適切な前駆細胞を用いてもよい。上記の原料は、培養過程で培養物に適切な方式によってバッチ式、注入バッチ式又は連続式で添加すればよいが、特にこれに限定されない。水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアのような基礎化合物あるいはリン酸又は硫酸のような酸化合物を適切な態様で用いて培養物のpHを調節することができる。
【0047】
前記T細胞をフィーダー細胞として用いる培養方法は、種細胞から選択的にナチュラルキラー細胞の培養を誘導し、ドナーのPBMCフィーダー細胞を使用する場合に比べて、ナチュラルキラー細胞の増殖時にドナーによるバラツキがないため、安定して培養できる。また、ドナーのMNCをフィーダー細胞として用いる場合、臍帯血種細胞は体外培養が難しい。したがって、T細胞をフィーダー細胞として用いる培養により、多量の治療用ナチュラルキラー細胞治療剤を効率的に且つ安定的に確保することができる。
【0048】
本発明のさらなる態様は、前記ナチュラルキラー細胞の培養方法によって製造されたナチュラルキラー細胞を提供する。
【0049】
前記ナチュラルキラー細胞の培養方法によって培養されたナチュラルキラー細胞は、凍結が可能であり、再び解凍する場合にも細胞の機能を失うことはない。また、NKp46のような活性化受容体(activating receptor)の発現が高いため、腫瘍細胞株に対する殺害能及びサイトカイン分泌が増加し、優れた抗癌効果が期待できる。したがって、臨床適用が可能な多量の活性化したナチュラルキラー細胞を用いて、腫瘍治療に有効な細胞治療剤を製造することができる。
【0050】
また、前記ナチュラルキラー細胞の培養方法によって製造されたナチュラルキラー細胞は、感染性疾患の予防又は治療用組成物の有効成分として用いることができる。この場合、全重量に対して10~95重量%の量で存在していてもよい。また、感染性疾患の予防又は治療用の組成物は、前記有効成分の他に、同一又は類似の機能を示す1つまたは複数の有効成分をさらに含むことができる。
【0051】
前記感染性疾患の予防又は治療用の薬学的組成物は、投与のために、上記の有効成分の他、薬学的に許容可能な1つまたは複数担体を共に処方することができる。
【0052】
前記感染性疾患の予防又は治療用の薬学的組成物の投与量は、疾患の種類、疾患の重症度、組成物に含まれた有効成分及び他の成分の種類及び含有量、剤形の種類及び患者の年齢、体重、一般健康状態、性別及び食餌、投与時間、投与経路及び組成物の分泌率、治療期間、同時使用される薬物をはじめとする様々な因子によって調節されてよい。ただし、所望の効果のために、本発明に係るナチュラルキラー細胞の投与量は、0.01×10cells/kg~1.0×10cells/kgでよく、0.5×10cells/kg~1.0×10cells/kgでよい。このとき、投与は、1日に1回で投与してもよく、分割して投与してもよい。
【0053】
また、前記感染性疾患の予防又は治療用の薬学的組成物は、当業界に公知の様々な方法で個体に投与することができる。前記投与経路は、投与方法、体液の量、粘性度などを考慮して当業者が適切に選択することができる。
【0054】
本発明のさらに他の態様は、形質転換されたCD4+T細胞を有効成分として含むナチュラルキラー細胞の培養用組成物を提供する。本発明で用いられるCD4+T細胞及び該細胞に導入される遺伝子については既に詳述したので、過度な重複を避けるためにその記載を省略する。
【実施例
【0055】
以下、本発明を実施例によって詳細に説明する。ただし、下記実施例は、本発明を例示するためのもので、本発明を限定するためのものではない。
【0056】
実施例1.組換えレンチウイルス作製
【0057】
実施例1.1.組換えレンチウイルスベクター作製
【0058】
レンチウイルスベクターとして、pCDH-CMV-MCS-EF1-Puro(SBI,CD510B-1)又はpCDH-CMV-MCS-EF1-Neo(SBI、CD514B-1)を使用した。4-1BBL(TNF superfamily member 9、TNFSF9)、mbIL-21(membrane bound IL-21)、OX40L(TNF superfamily member 4(TNFSF4)transcript variant 1)及びmTNF-α(membrane bound TNF alpha)を導入遺伝子として使用した。
【0059】
具体的には、4-1BBL遺伝子(配列番号2)は、4-1BBL遺伝子発現ベクター(Origene、RC211160)を使用した。mbIL-21遺伝子(配列番号4)は、コドン最適化(codon-optimization)されたmbIL-21遺伝子配列が挿入されたpcDNA3.1ベクター(Genscript、US)を使用した。OX40L遺伝子(配列番号6)の合成は、バイオニア社(Bioneer)に依頼した。
【0060】
mTNF-α遺伝子(配列番号9)は、末梢血単核細胞(peripheral blood mononuclear cell,PBMC)からRNAを抽出した後、RT(Reverse transcriptase)-PCRでCDSを得た。TNF-αは、分泌されるためにTACE(tumor necrosis factor-alpha-converting enzyme)によって切断された。この切断のため、TNF-αアミノ酸配列においてTACE認識部位であるA-V(Alanine-Valine)をP-V(Proline-Valine)となるようにDNA上で点突然変異(point mutation)を起こして細胞膜に付着された状態に維持させた。前記点突然変異は、配列番号7で表示されるヒトmTNF-α遺伝子において226番目の塩基であるグアニン(guanine)をシトシン(cytosine)に置換し、228番目の塩基であるアデニン(adenine)をグアニン(guanine)に置換して行った。
【0061】
それぞれの導入遺伝子に適合するプライマーを用いて導入遺伝子のCDS(Coding Sequence)をPCRで増幅させた(表1)。
【0062】
【表1】
【0063】
前記表1は、実験に使用されたプライマーを示すものである。導入遺伝子とレンチウイルスベクターを制限酵素としてEcoRIとBamHIで処理した。その後、In-Fusion HDクローニングキット(Clontech,639649)を用いてライゲーションさせた。ライゲーションさせたレンチウイルスベクターをDH5α水溶性細胞(competent cell)に形質転換させて培養した。形質転換させたDH5α水溶性細胞からプラスミドミニ調製キット(plasmid mini-prep kit)(MACHEREY-NAGEL/740422.50)を用いてプラスミドDNAを得た。全プラスミドDNAは、外部会社にシーケンシング(sequencing)を依頼し、DNA配列が一致することを確認した。また、外部製作会社に外注して、cLV-CMV-MCS-IRES-Puro(ピューロマイシン)又はcLV-CMV-MCS-IRES-Neo(ネオマイシン)、cLV-CMV-MCS-IRES-Bsd(ブラストサイジン)に、所望の導入遺伝子を上記と同じ方法で挿入した。
【0064】
実施例1.2.濃縮されたレンチウイルス作製
【0065】
組換えレンチウイルス生産のために、293T細胞株を形質導入(transfection)2日前に1.5×10~2×10cellsで75Tフラスコ(Nunc,156499)に接種し、5% CO、37℃条件のインキュベーターで培養した。293T細胞の細胞飽和度が80%~90%程度になった時、6ml OPTI-MEM(Gibco,31985-088)に培地を入れ換え、37℃で5% CO条件で30分間培養した。DNA混合液とリポフェクタミン(lipofectamine 2000,Life technologies,11668500)混合液を調製した(表2)。
【0066】
【表2】
【0067】
前記それぞれの混合液成分をボルテキサー(vortexer)を用いてよく混ぜて常温で3分間放置した。その後、両混合液を混ぜて常温で20分以上放置した。DNAとリポフェクタミンが混合された溶液2mlを、培地を6ml OPTI-MEM培地で培養中である293T細胞で処理した。4時間後、10%(v/v)FBSが添加されたDMEM(Gibco,11995073)培地に入れ換え、48時間37℃で5% CO条件で培養した。48時間培養した293T細胞の培養液8mlを回収して0.45μmフィルター(Millipore,SLHP033RS)で濾過した。濾過した培養液をUltracel-100メンブレイン付きAmicon Ultra-15遠心フィルターユニット(Amicon Ultra-15 Centrifugal Filter Unit with Ultracel-100 membrane)(Merckmillipore,UFC910096)を用いて250μl以下に濃縮した。濃縮されたウイルスは適切量で分注し、-80℃で保管した。
【0068】
実施例2.遺伝子導入T細胞作製
【0069】
実施例2.1.レンチウイルス感染
【0070】
培養中の0.5×10個の細胞株と1ml OPTI-MEM培地、50μlレンチウイルス解凍液、10μg/mlポリブレン(polybrene,Santa Cruz,C2013)を混合して6-ウェルプレート(6-well plate,Nunc,140675)に入れて1800×g、32℃で90分間回転接種(spinoculation)を行った。その後、2時間5% CO、37℃条件のインキュベーターで培養した後、既存の培養培地に入れ換えて48時間培養した。
【0071】
Hut78細胞株(ATCC,TIB-161(商標))は、20%(v/v)FBSを含むIMDM(ATCC,30-2005)培地で培養した。継代培養時、細胞濃度は1.5×10cells/ml~2.0×10cells/mlに維持した。H9細胞株(ATCC,HTB-176(商標))とJurkat細胞株(ATCC,TIB-152(商標))は、10%(v/v)FBSを含むRPMI1640(ATCC,30-2001)培地で培養した。継代培養時、細胞濃度はそれぞれ1.0×10cells/ml~1.5×10cells/mlと0.5×10cells/ml~1.0×10cells/mlに維持した。Peer細胞株は、20%(v/v)FBSを含むRPMI1640培地で培養した。継代培養時、細胞濃度は3.0×10~5.0×10cells/mlに維持した。全細胞株の継代培養は2日~3日間隔で行った。培養容器は75Tフラスコを使用し、培地量は15ml~20mlに維持した。
【0072】
組換えレンチウイルスに感染した細胞株は、抗生剤を用いてスクリーニングした(表3)。
【0073】
【表3】
【0074】
前記表3は、遺伝子が導入された細胞株に使用された抗生剤を示すものである。
【0075】
実施例2.2.導入遺伝子の発現確認
【0076】
前記実施例ではフローサイトメトリーによって導入遺伝子の発現を確認した。実施例2.1.で継代培養された細胞株を回収して1,200rpmで5分間遠心分離した。その後、培養液を吸入(suction)して除去した。PBSに2%(v/v)FBSを添加してFACSバッファーを作った。1mlのFACSバッファーで希釈して細胞数をカウントし、5×10cells/ml濃度になるようにFACSバッファーで希釈した。5ml FACSチューブ(Falcon,352052)に希釈した細胞溶液を100μlずつ入れた。抗ヒトTNF-a(membrane)-PE(R&D systems,FAB210P)、抗ヒトOX40L-PE(BD,558184)、抗ヒト4-1BBL-PE(BD,559446)、抗ヒトIL-21-PE(eBioscience,12-7219-42)、7-AAD(Beckman coulter,IM3630c)、PEマウスIgG1κアイソタイプコントロール(BD Pharmingen,555749)、PerCP-Cy5.5マウスIgG1κアイソタイプコントロール(BD,550795)抗体で染色した後、FACSによって各遺伝子の発現率を分析した(図1A図1F)。
【0077】
また、RT-qPCR(Real time qPCR)を用いて形質導入された遺伝子の発現を確認した。実施例2.1.で継代培養した細胞株を回収して1,200rpmで5分間遠心分離した。その後、培養液を吸入(suction)して除去した。PBSで希釈して細胞数をカウントし、1×10の細胞からRNA調製キットを用いてRNAを抽出して定量した。また、cDNA合成キットを用いてcDNAを合成した。合成されたcDNAを用いてRT-qPCRを行った。RT-qPCRに使用されたプライマーは、下記表4の通りである。
【0078】
【表4】
【0079】
細胞株における形質導入遺伝子の発現量を、下記表5に示す。
【0080】
【表5】
【0081】
前記表5から、細胞株に形質導入すると、させた遺伝子の発現量の増加が誘導されることを確認した。
【0082】
実施例3.CD3(-)PBMCと遺伝子導入T細胞との共培養
【0083】
実施例3.1.臍帯血由来のCD3(-)PBMC種細胞の準備
【0084】
研究用の臍帯血を50mlチューブに入れて1,500rpmで10分間遠心分離した。上層の血漿を除去し、PBS(phosphate buffered saline,LONZA,17-516Q)を1:1の比率で追加した。その後、フィコール密度勾配遠心分離(ficoll density gradient centrifugation)(Ficoll-Paque Plus,GE Healthcare,17-1440-03)を用いて臍帯血単核細胞(mononuclear cell,MNC)を分離した後、ADAM細胞カウンターシステム(ADAM cell counter system)(Nano Entex)を用いて細胞数をカウントした。
【0085】
CD3(+)細胞を除去した種細胞を得るために、まず、5×10個の臍帯血単核細胞を新しい50mlチューブに移した後、1,200rpm、4℃で5分間遠心分離した。PBSに2%(v/v)FBSと2mM濃度のEDTAが含まれたMACSランニングバッファーを製造した。遠心分離を終えた後、ペレットに400μlのMACSランニングバッファーと100μlのCD3自己ビーズ(Miltenyi biotech,130-050-101)を入れて4℃で20分間反応させた。10ml MACSランニングバッファーで培養物を洗浄した後、13,500rpm、4℃で8分間遠心分離し、0.5mlのMACSランニングバッファーに懸濁した。
【0086】
VarioMACS(Miltenyi Biotech)にCSカラム(column,Miltenyi Biotech,130-041-305)を装着して細胞を分離した。最終体積が20mlになるまでカラムを洗浄して細胞を回収した。回収した細胞を新しい50mlチューブに入れて1,200rpm、4℃で5分間遠心分離し、凍結培地に懸濁した。ADAM細胞計数器システムを用いて細胞数をカウントし、1バイアル(vial)当たり5×10個の細胞を液体窒素で凍結した。
【0087】
各バイアル内の凍結されたCD3(-)臍帯血単核細胞を、37℃の恒温水槽(water bath)で解凍して50mlチューブに移し、0.6%(v/v)ACD(Citrate-dextrose solution,Sigma-Aldrich,C3821)、0.2%(v/v)FBS(Fetal serum bovine)と2mM EDTAを含むPBSで懸濁し、1,500rpm、4℃で10分間遠心分離した。CD3(-)臍帯血単核細胞をCellGro培地(Cellgenix,20802-0500)に懸濁し、ADAM細胞カウンターシステムを用いて細胞数をカウントした。CD3(-)臍帯血単核細胞を1×10cells/mlの濃度でCellGro培地に懸濁した。
【0088】
実施例3.2.CD3(-)臍帯血単核細胞と遺伝子導入T細胞との共培養
【0089】
実施例2で製造した形質導入された(トランスジェニック)T細胞を培養フラスコから回収し、1,200rpm、4℃で5分間遠心分離した。その後、CellGro培地に懸濁し、ADAM細胞カウンターシステムを用いて細胞数をカウントした。トランスジェニックT細胞を2.5×10cells/mlの濃度でCellGro培地に懸濁した後、ガンマ線照射機を用いて20,000cGyで照射して不活性化させて準備した。
【0090】
ナチュラルキラー細胞培養は以下の手順で行った。1,000IUのIL-2(プロロイキン注射、韓国ノバルティス)と10ng/mlのOKT-3(eBioscience,16-0037-85)を培養プラスチックプレートに入れた。培養0日目にCD3(-)臍帯血単核細胞とトランスジェニックT細胞を1:2.5の比率でそれぞれ0.25ml入れ、2%(v/v)ヒト血漿が含まれたCellGro培地を0.25ml入れて、37℃のインキュベーターで4日間静置培養した。
【0091】
培養4日目に、1%(v/v)ヒト血漿、1,000IU/mlのIL-2が含まれたCellGro培地を同量入れた後、再び静置培養した。その後、2日~3日の間隔で細胞数をカウントし、濃度が1×10cells/mlになるように1%(v/v)ヒト血漿、1,000IU/mlのIL-2が含まれたCellGro培地を追加しつつ21日目まで浮遊培養した。21日目まで浮遊培養して増殖されたナチュラルキラー細胞を得た。この時、Jurkat細胞株又はPeer細胞株をフィーダー細胞として使用した場合、11日目まで浮遊培養した。H9及びHut78細胞株に遺伝子を導入してフィーダー細胞として使用した場合、21日目まで浮遊培養した。
【0092】
培養されたナチュラルキラー細胞の増殖率を比較した結果、総有核細胞数(Total nucleated cells,TNC)に基づくと、遺伝子が導入されていないHut78細胞株と共培養すると、93倍に増殖した。一つ以上の遺伝子(mTNF-α、mbIL-21、4-1BBL)が導入されたHut78細胞株と共培養すると、著しくナチュラルキラー細胞の増殖率が上がることを確認した。特に、mbIL-21/4-1BBLの遺伝子が導入されたHut78細胞株と共培養すると、957倍に増殖した。また、mTNF-α/mbIL-21/4-1BBLが導入されたHut78細胞株と共培養したとき、1,138倍増殖した(表6、図2A)。
【0093】
【表6】
【0094】
また、遺伝子が導入されていないH9細胞株と共培養すると、13倍に増殖したが、mbIL-21/4-1BBL又はmTNF-α/mbIL-21/4-1BBLが導入されたH9細胞株と共培養すると、それぞれ367倍、979倍に増殖した(表7及び図2b)。
【0095】
【表7】
【0096】
他の細胞株であるJurkat細胞株又はPeer細胞株と共培養すると、培養11日目まで培養が可能であった。mbIL-21/4.1BBL遺伝子が導入された細胞株または、mTNF-α/mbIL-21/4-1BBL遺伝子が導入された細胞株において相対的に高い増殖率を示した。(表8及び表9、図2C及び図2B
【0097】
【表8】
【0098】
【表9】
【0099】
上記の結果は、臍帯血単核細胞から分離されたCD3(-)細胞を、遺伝子が導入されたフィーダー細胞に21日間培養して、ナチュラルキラー細胞を培養することが可能であることを示し、非トランスジェニックフィーダー細胞に比べて高い増殖率を示した。
【0100】
実施例3.3.mTNF-α/mbIL-21/4-1BBL遺伝子が導入されたHuT78細胞を用いたナチュラルキラー細胞培養の再刺激
【0101】
実施例2で準備したトランスジェニックT細胞を培養フラスコから回収し、1,200rpm、4℃で5分間遠心分離した。その後、CellGro培地に懸濁し、ADAM細胞計数器システムを用いて細胞数をカウントした。トランスジェニックT細胞を濃度が2.5×10cells/mlになるようにCellGro培地に懸濁した後、ガンマ線照射機を用いて20,000cGyで照射して不活性化させた。
【0102】
ナチュラルキラー細胞を以下のように培養した。まず、1,000IUのIL-2と10ng/mlのOKT-3を培養プラスチックプレートに入れた。培養0日目にCD3(-)臍帯血単核細胞とトランスジェニックT細胞を1:2.5の比率でそれぞれ0.25ml~1ml入れ、2%(v/v)ヒト血漿が含まれたCellGro培地を0.25ml~1ml入れ、37℃のインキュベーターで4日間静置培養した。
【0103】
培養4日目に1%(v/v)ヒト血漿、1,000IU/mlのIL-2が含まれたCellGro培地を同量で入れた後、再び静置培養した。その後、2日~3日間隔で細胞数をカウントし、濃度が1×10cells/mlとなるように1%(v/v)ヒト血漿、1,000IU/mlのIL-2が含まれたCellGro培地を添加して培養した。
【0104】
再刺激のために、培養0日目にmTNF-α/mbIL-21/4-1BBL遺伝子が導入されたHuT78細胞を同じ比率で使用した。培養16日目に最初の再刺激を与えた。まず、ADAM細胞カウンターシステムを用いて培養中のナチュラルキラー細胞の数をカウントし、1.5×10cells/mlとなるようにCellGro培地で希釈して0.25mlを培養プラスチックプレートに準備した。mTNF-α/mbIL-21/4-1BBL遺伝子が形質導入されたHuT78細胞は、2.5×10cells/mlとなるようにCellGro培地に懸濁した後、ガンマ線照射によって10,000cGyで照射して不活性化させた。
【0105】
不活性化させたmTNF-α/mbIL-21/4-1BBL遺伝子が導入されたHuT78細胞を培養プラスチックプレートに0.25ml入れた。1000IU/mlのIL-2と10ng/mlのOKT-3、1%(v/v)ヒト血漿を培養プラスチックプレートに入れ、37℃のインキュベーターで3日間静置培養した。その後、2日~3日間隔で細胞数をカウントし、1×10cells/mlとなるように1%(v/v)ヒト血漿と1000IU/mlのIL-2が含まれたCellGro培地を追加して培養した。最初の再刺激後14日間隔で同じ方法でそれぞれ培養32日目、46日目、60日目にフィーダー細胞を用いた再刺激を行い、70日目まで培養を行った。
【0106】
その結果、最初の再刺激後の培養32日目にナチュラルキラー細胞の増殖率は6.9×10倍、二回目の再刺激後には3.7×10倍であり、三回目の再刺激後の培養60日目には2.3×10倍、四回目の再刺激を与えた後の培養70日目には5.9×10倍となり、持続的に増殖が維持され、高い増殖率を示した(表10、図2E)。
【0107】
【表10】
【0108】
表10の結果は、mTNF-α/mbIL-21/4-1BBL遺伝子が形質導入されたHuT78細胞株に周期的な再刺激を与えた場合、増殖倍数が継続的に増加し、優れたフィーダー細胞として使用できることを示している。
【0109】
実験例1.導入遺伝子によるナチュラルキラー細胞の細胞生存率確認
【0110】
イン-ビトロ(in-vitro)細胞生存率を比較、評価するために、細胞内の核と結合可能なPI染色液を使用する細胞カウンター(Cell counter)の一つであるADAM細胞カウンターシステムを用いた。カウントされた総細胞数から死滅細胞数を引いて生存細胞数を求めた後、下記式Iを用いて細胞生存率(Cell viability)を算出した。
【0111】
[式I]
細胞生存率(%)=(生存細胞数/総細胞数)×100
【0112】
遺伝子が導入されたHuT78細胞株と共培養したナチュラルキラー細胞の場合、遺伝子導入の有無に関係なく、90%前後の生存率を示した(表11、図3A)。
【0113】
【表11】
【0114】
H9、Jurkat又はPeer細胞株の場合、mbIL-21/4-1BBL遺伝子が導入された細胞株、mTNF-α/mbIL-21/4-1BBL遺伝子が導入された細胞株で培養されたナチュラルキラー細胞の生存率は、培養21日目(H9)、および培養11日目(Jurkat、Peer)に90%以上の生存率を示した(表12~表14、図3B図3D)。
【0115】
【表12】
【0116】
【表13】
【0117】
【表14】
【0118】
また、mTNF-α/mbIL-21/4-1BBL遺伝子が導入されたHuT78細胞株で再刺激回数を増やしながら培養した結果、ナチュラルキラー細胞の生存率は、再刺激回数が増加したにもかかわらず約90%以上の高い生存率を示した(表15、図3E)。
【0119】
【表15】
【0120】
このことから、長期間の継続培養でもナチュラルキラー細胞は高い生存レベルを維持するので、ナチュラルキラー細胞の長期間の増殖培養が可能であることを確認した。
【0121】
実験例2.ナチュラルキラー細胞の純度確認
【0122】
21日間培養されたナチュラルキラー細胞又は反復的な再刺激で培養されたナチュラルキラー細胞を回収して1,200rpmで5分間遠心分離し、培養液を吸入して除去した。1mlのFACSバッファーで希釈した後に細胞数をカウントし、5×10cells/mlとなるようにFACSバッファーで希釈した。5ml FACSチューブ(Falcon,352052)に希釈した細胞溶液を100μlずつ入れ、下記の抗体で表現型を分析した:
【0123】
チューブ1:抗ヒトCD3-FITC(BD Pharmingen,555332)、抗ヒトCD16-PE(BD Pharmingen,555407)、抗ヒトCD56-BV421(BD Pharmingen,562751)
【0124】
チューブ2:抗ヒトCD14-FITC(BD Pharmingen,555397)、抗ヒトCD19-PE(BD Pharmingen,555413)、抗ヒトCD3-BV421(BD Pharmingen,562438)
【0125】
チューブ3:抗ヒトCD3-FITC、抗ヒトNKG2D-PE(R&D system,FAB139P)、抗ヒトCD56-BV421
【0126】
チューブ4:抗ヒトCD3-FITC、抗ヒトNKp30-PE(BD Pharmingen,558407)、抗ヒトCD56-BV421
【0127】
チューブ5:抗ヒトCD3-FITC、抗ヒトNKp44-PE(BD Pharmingen,558563)、抗ヒトCD56-BV421
【0128】
チューブ6:抗ヒトCD3-FITC、抗ヒトNKp46-PE(BD Pharmingen,557991)、抗ヒトCD56-BV421
【0129】
チューブ7:抗ヒトCD3-FITC、抗ヒトDNAM-1-PE(BD Pharmingen,559789)、抗ヒトCD56-BV421
【0130】
チューブ8:抗ヒトCD3-FITC、抗ヒトCXCR3-PE(BD Pharmingen,557185)、抗ヒトCD56-BV421
【0131】
チューブ9:抗ヒトCD3-FITC、PEマウスIgG1κアイソタイプコントロール(BD Pharmingen,555749)、抗ヒトCD56-BV421
【0132】
チューブ10:FITCマウスIgG1κアイソタイプコントロール(BD Pharmingen,555748)、PEマウスIgG1κアイソタイプコントロール、BV421マウスIgG1κアイソタイプコントロール(BD Pharmingen,562438)
【0133】
各チューブの細胞は、3つの蛍光抗体のうち1つの抗体で染色された。具体的には、チューブ1は抗ヒト(anti-human)CD56抗体で、チューブ2は抗ヒトCD3抗体で、チューブ3から9までは抗ヒトCD56抗体で、チューブ10はアイソタイプコントロール抗体でそれぞれ染色された。
【0134】
前記各チューブの細胞を30分間冷蔵温度として染色した。その後、染色した細胞に2ml FACSバッファーを加え、1,500rpmで3分間遠心分離した。上澄み液を除去し、再び2ml FACSバッファーを加えて2,000rpmで3分間遠心分離した。再び上澄み液を除去し、200μlのcytofixバッファー(fixation buffer,BD,554655)を加えて懸濁した後、FACS LSRII Fortessa(BD Biosciences)を用いて細胞の確認及び純度と表現型を調べた。
【0135】
臍帯血単核細胞から分離されたCD3(-)細胞を、遺伝子を導入したHuT78細胞株と21日間共培養した後に、ナチュラルキラー細胞の同定及び純度を分析した結果、遺伝子導入の有無に関係なく、全ての条件でナチュラルキラー細胞(CD3-CD56+)含有量が90%以上と高いことを確認した(表16、図4A)。
【0136】
【表16】
【0137】
H9、Jurkat又はPeer細胞株の場合も、遺伝子が非導入の場合に比べて、mbIL-21/4-1BBL遺伝子又はmTNF-α/mbIL-21/4-1BBL遺伝子を導入した細胞株と共培養したナチュラルキラー細胞の純度がより高く維持されることを確認した(表17~表19、図4B図4D)。
【0138】
【表17】
【0139】
【表18】
【0140】
【表19】
【0141】
また、mTNF-α/mbIL-21/4-1BBLの3つの遺伝子が導入された細胞株で再刺激回数を増やしながら培養されたナチュラルキラー細胞は、培養60日目までナチュラルキラー細胞(CD3-CD56+)含有量が90%以上と高いことを確認した(表20、図4E)。
【0142】
【表20】
【0143】
実験例3.ナチュラルキラー細胞の活性マーカー分析
また、臍帯血単核細胞から分離されたCD3(-)細胞を、遺伝子が導入されたフィーダー細胞と21日間共培養した後、代表的なナチュラルキラー細胞の受容体(receptor)の発現を分析した。
【0144】
HuT78細胞株と共培養した場合、CD16はいずれも高レベルで発現し、活性マーカーであるNKG2D、NKp30、NKp44、NKp46、DNAM-1が、遺伝子非導入や単一遺伝子導入のフィーダー細胞に比べて、二重遺伝子導入のフィーダー細胞においてドナー間のバラツキ(variation)無くいずれも高レベルで発現した(図5A図5G)。
【0145】
また、H9細胞株と共培養した場合、遺伝子を非導入した場合に比べてmbIL-21/4-1BBL遺伝子とmTNF-α/mbIL-21/4-1BBLの3つの遺伝子が導入されたフィーダー細胞と共培養した場合に、CD16及びNKG2D、DNAM-1、CXCR3の発現レベルがより高くなることを確認した。他の活性マーカーであるNKp30、NKp44、NKp46の発現は、ドナー間のバラツキ無く高く発現した。したがって、二重及び三重遺伝子導入のフィーダー細胞は、NK細胞の活性及び腫瘍ターゲッティング能力を高めることができる有用なフィーダー細胞であることを確認した(図6A図6G)。
【0146】
また、mTNF-α/mbIL-21/4-1BBLの3つの遺伝子が導入されたHut78細胞株を用いて再刺激して共培養したナチュラルキラー細胞の表現型を確認した結果、再刺激を1回行った条件に比べて4回行った条件で培養した場合に、NKG2D、NKp44、NKp46、DNAM-1、CXCR3などの活性マーカーの発現が減少する傾向を示した。このことから、再刺激回数が増えるほど培養期間が増加しながら一部の活性マーカーの発現レベルに影響を与え得ることを確認した(図7A及び図7B)。
【0147】
実験例4.T細胞の導入遺伝子及び共培養によるナチュラルキラー細胞の細胞殺害能の確認
【0148】
1×10個のK562癌細胞株を15mlチューブに入れて遠心分離した。細胞ペレットを、1mlの10%(v/v)FBSが添加されたRPMI1640培地で懸濁した。その後、1mMのカルセイン(Calcein)-AM(Molecular probe,C34852)を30μl入れた後、アルミホイルで光を遮断し、37℃のインキュベーターで1時間染色した。
【0149】
カルセイン-AM染色が終わった腫瘍細胞株は、10ml~15mlの10%(v/v)FBSが添加されたRPMI1640培地を入れて洗浄し遠心分離した後、ペレットを、10mlの10%(v/v)FBSが添加されたRPMI1640培地で懸濁し、1×10cells/mlの濃度にした。ナチュラルキラー細胞は、1×10cellsを15mlチューブに入れて遠心分離し、ペレットをK562癌細胞株に対して所望の比率(1:1)で、10%(v/v)FBSが添加されたRPMI1640培地に懸濁した。K562癌細胞株とナチュラルキラー細胞株を丸底96-ウェルプレート(96-well U-bottom plate,Nunc,163320)に100μlずつ混ぜて分注し、各ウェルを3回(triplicate)測定して平均値を得た。
【0150】
Spon(Spontaneous release)ウェルには染色したK562癌細胞株を100μlずつ入れ、10%(v/v)FBSが添加されたRPMI1640培地を100μlずつ入れた。Max(Maximum release)ウェルには染色したK562癌細胞株を100μlずつ入れ、2%(v/v)Triton-X100が添加された3次蒸留水を100μlずつ入れた。
【0151】
10%(v/v)FBSが添加されたRPMI1640培地及び2%(v/v)Triton-X100が添加されたRPMI1640培地に存在する自家蛍光値(auto-fluorescence)を補正するために、10%(v/v)FBSが添加されたRPMI1640培地200μlを入れて培地値を補正し、10%(v/v)FBSが添加されたRPMI1640培地100μlに、2%(v/v)Triton-X100が添加されたRPMI1640培地100μlを入れて、両溶液の混合液の値を補正した。培地値から混合液の値を引いた差(A)をMax(Maximum release)値に足して自家蛍光値を補正した。
【0152】
暗所で37℃のインキュベーターで4時間反応させた後、プレートを2,000rpmで3分間遠心分離した。上層液を96-ウェルブラックプレート(96well black plate,Nunc,237108)に100μlずつ分注した。蛍光プレート読み取り器(Perkin Elmer,VICTOR X3)を用いて蛍光値(OD480/535nm)を測定し、ナチュラルキラー細胞の腫瘍細胞殺害能は、下記式IIを用いて算出した。
【0153】
[式II]
% of killing=(Sampleウェル平均蛍光値-Sponウェル平均蛍光値)/{(Maxウェル平均蛍光値+A)-Sponウェル平均蛍光値}×100
【0154】
様々なタイプのフィーダー細胞を用いて培養されたナチュラルキラー細胞をK562癌細胞株と反応させ、直接的な細胞殺害能(細胞毒性)を測定した。その結果、いずれのフィーダー細胞においても、遺伝子を非導入した条件に比べてmbIL-21/4-1BBL遺伝子とmTNF-α/mbIL-21/4-1BBL遺伝子を導入した条件で培養されたナチュラルキラー細胞の細胞殺害能が増加した(図8A図8D)。
【0155】
mTNF-α/mbIL-21/4-1BBL遺伝子が導入されたHuT78細胞株の再刺激回数によるナチュラルキラー細胞の細胞殺害能は、有意差無く培養60日目まで高く維持された(図8E)。
【0156】
このことから、遺伝子非導入フィーダー細胞に比べてmbIL-21/4-1BBL遺伝子又はmTNF-α/mbIL-21/4-1BBL遺伝子が導入されたフィーダー細胞は、高い活性とともに優れた細胞殺害能を有する高純度ナチュラルキラー細胞の体外での増殖培養に有用であることを確認した。
【0157】
実施例4.動物実験
【0158】
実施例4.1.遺伝子導入Tフィーダー細胞を用いたナチュラルキラー細胞の培養
【0159】
ナチュラルキラー細胞培養時に、500或いは1000IU/mLのIL-2(プロロイキン注射、韓国ノバルティス)と10ng/mLのOKT-3(eBioscience,16-0037-85)を培養プラスチックプレートに入れ、培養0日目にCD3(-)臍帯血単核細胞或いは末梢血液単核細胞と遺伝子導入Tフィーダー細胞を1:2.5の比率で入れ、2v/v%ヒト血漿が含まれたCellGro培地を入れて、37℃のインキュベーターで4日間静置培養した。IL-2は、臍帯血単核細胞の場合に1000IU/mL、末梢血液単核細胞の場合に500IU/mlを使用した。
【0160】
臍帯血由来のナチュラルキラー細胞の培養は、以下の手順で行った:培養4日目に1v/v%ヒト血漿、1000IU/mLのIL-2が含まれたCellGro培地を同量で入れた後、再び静置培養した。その後、2~3日間隔で細胞数をカウントし、1×10cells/mLとなるように、1V/V%ヒト血漿と1000IU/mLのIL-2が含まれたCellGro培地を追加して14日目まで培養した。培養14日目に遺伝子導入Tフィーダー細胞を1:2.5の比率で再刺激し、1V/V%ヒト血漿とOKT3、IL-2が含まれたCellGro培地に培養した。その後、2~3日間隔で細胞数をカウントし、1×10cells/mLとなるように、1V/V%ヒト血漿と1000IU/mLのIL-2が含まれたCellGro培地を追加して14日間追加培養し、合計28日間細胞を培養した。
【0161】
末梢血液由来のナチュラルキラー細胞の培養は、次の通りである:培養4日目に1V/V%ヒト血漿、500IU/mLのIL-2が含まれたCellGro培地を同量で入れた後、再び静置培養した。その後、2~3日間隔で細胞数をカウントし、1×10cells/mLとなるように、1V/V%ヒト血漿と500IU/mLのIL-2が含まれたCellGro培地を追加して11日目まで培養した。培養11日目に遺伝子導入Tフィーダー細胞を1:2.5の比率で再刺激し、1V/V%ヒト血漿とOKT3、IL-2が含まれたCellGro培地に培養した。その後、2~3日の間隔で細胞数をカウントし、1×10cells/mLとなるように、1V/V%ヒト血漿と1000IU/mLのIL-2が含まれたCellGro培地を追加して8~10日間追加培養し、合計19~21日間細胞を培養した。
【0162】
培養細胞を、1×10cells/mLとなるように凍結培地に懸濁し、温度制御細胞凍結器を用いて凍結後に液体窒素に保管した。
【0163】
培養ナチュラルキラー細胞の増殖率を比較した結果、臍帯血由来のナチュラルキラー細胞(CB-enFeeder)は、約80,000倍、末梢血由来のナチュラルキラー細胞(PBMC-enFeeder)は55,000倍増殖し、CB-enFeederとPBMC-enFeederとの間の増殖率に有意な差はなかった(表21)。
【0164】
【表21】
【0165】
実施例4.2.Raji動物モデル効能評価
【0166】
Raji-luci細胞株は、培養最終日に癌細胞を回収し、PBSを用いて細胞濃度を5×10cells/mLにした後、マウス当たり0.2mL(1×10cells/mouse)ずつ尾静脈に注射した。ナチュラルキラー細胞は、2×10cells/200μLで尾静脈に注射し、リツキサン(以下、RTX、マブセラ注射、韓国ロシュ社)は、PBSを用いて0.01μg/100μL濃度に希釈して、マウスの肩甲骨と胸壁との間における弱化部位の皮下に100μL注射した。NK細胞は、癌細胞移植の翌日に固定器を用いて尾静脈に合計6回投与し、RTXは皮下に1回投与した(表22、図9A)。
【0167】
【表22】
【0168】
全ての動物の観察は、1日2回、一般症状及び死亡動物を観察し、死亡の有無を観察した後、凍結培地対照群及びナチュラルキラー細胞及びRTX処理群の生存期間の中央値(Median survival time)を計算して生存率の延長効果を評価した。Raji-luci細胞株移植後、2種のナチュラルキラー細胞及びRTX単独及び併用投与群では、26~122日にわたって死亡動物が観察されたが、最終日(122日目)まで生存期間の中央値は、凍結培地対照群の30日と比較して、RTX、PBMC-enFeeder、CB-enFeederの単独投与群では48.5日、43日及び47日であった。PBMC-enFeeder+RTX、CB-enFeeder+RTXの併用投与群での生存期間の中央値は、55日及び75.5日であった(表23、図9B)。
【0169】
【表23】
【0170】
実施例4.3.Ramos動物モデル効能評価
【0171】
Ramos細胞株は、培養最終日に癌細胞を回収し、PBSを用いて細胞濃度を5×10cells/mLに調整した後、マウス当たり0.2mL(1×10cells/mouse)尾静脈に注射した。ナチュラルキラー細胞は、2×10cells/200μLで尾静脈に注射し、RTXはPBSを用いて0.3μg/100μLの濃度に希釈してマウス肩甲骨と胸壁との間における弱化部位皮下に100μL注射した。ナチュラルキラー細胞は、癌細胞移植4日目から固定器を用いて尾静脈に合計6回投与し、RTXは、癌細胞移植3日目から尾静脈に6回投与した(表24、図10A)。
【0172】
【表24】
【0173】
全ての動物の観察は、1日2回に一般症状及び死亡動物を観察し、死亡の有無を観察した後、凍結培地対照群及びナチュラルキラー細胞及びRTX処理群の生存期間の中央値を計算して生存率の延長効果を評価した。Ramos細胞株移植後、2種のナチュラルキラー細胞及びRTX単独及び併用投与群では、34~110日にわたって死亡動物が観察されたが、最終日(124日目)まで生存期間の中央値は、凍結培地対照群の31日と比較して、RTX、PBMC-enFeeder、CB-enFeederの単独投与群では49.5日、42日及び42.5日であった。PBMC-enFeeder+RTX、CB-enFeeder+RTXの併用投与群での生存期間の中央値は、63.5日及び87.5日であった(表25、図10B)。
【0174】
【表25】
【0175】
以上、本発明の詳細を詳細に記載したが、当業界における通常の知識を有する者にとって、このような具体的な記載は単に好ましい実施形態であって、本発明の範囲を限定することを意図するものでないことは明らかである。したがって、本発明の実質的な範囲は、添付する請求項とその均等物によって定義される。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9A
図9B
図10A
図10B
【配列表】
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