(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-18
(45)【発行日】2022-11-29
(54)【発明の名称】貯蔵庫レベル監視システム
(51)【国際特許分類】
G01F 23/292 20060101AFI20221121BHJP
G01S 17/88 20060101ALI20221121BHJP
【FI】
G01F23/292 B
G01S17/88
(21)【出願番号】P 2021529103
(86)(22)【出願日】2019-07-31
(86)【国際出願番号】 CA2019051044
(87)【国際公開番号】W WO2020102879
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2021-08-11
(32)【優先日】2018-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521220677
【氏名又は名称】ビンセントリー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】シュワルツェントルーバー,ランドール
【審査官】羽飼 知佳
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-002899(JP,A)
【文献】特表2013-541468(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 23/28-23/2965
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾斜部分を含む屋根を有する飼料貯蔵庫内の飼料レベルを感知するためのセンサであって、体積レベルセンサであるセンサと、
前記センサからレベル信号を受信するための、および前記レベル信号を処理し、貯蔵庫レベルデータを生成するための前記センサに通信可能に接続された回路基板と、
前記回路基板を取り囲む筐体であって、前記屋根の前記傾斜部分に取り付けられる筐体と、
前記貯蔵庫レベルデータを送信するための無線送信機と、
前記貯蔵庫の内側に前記センサを取り付けるためのセンサ取り付け用ブラケットと
、
を備え、前記ブラケットが、
前記屋根の直立構造要素上に装着された上部ハンガー部分であって、前記
上部ハンガー
部分を前記直立構造要素に固定するための固定具を受け入れる穴を備える上部ハンガー部分と、
前記
上部ハンガー
部分から下方に延在する垂直部分と、
前記垂直部分から斜めに、そして前記
上部ハンガー
部分の下に延在する角度付き部分と、
前記角度付き部分から延在し、前記センサが取り付けられる下面を有する水平部分と
、を含む、
貯蔵庫レベル監視システム。
【請求項2】
前記回路基板に電力を供給するための前記回路基板のソケットに電気的に接続されたバッテリをさらに備える、請求項1に記載の貯蔵庫レベル監視システム。
【請求項3】
前記貯蔵庫レベルデータを受信するためのサーバをさらに備える、請求項1に記載の貯蔵庫レベル監視システム。
【請求項4】
前記サーバが、追加の飼料が配達されるように注文メッセージを自動的に作成する、請求項3に記載の貯蔵庫レベル監視システム。
【請求項5】
前記筐体が、前記バッテリを充電するための太陽光パネルをさらに備える、請求項
2に記載の貯蔵庫レベル監視システム。
【請求項6】
前記センサがLIDARセンサである、請求項1に記載の貯蔵庫レベル監視システム。
【請求項7】
前記センサが飛行時間型(ToF)マシンビジョンセンサである、請求項1に記載の貯蔵庫レベル監視システム。
【請求項8】
前記LIDARセンサが、ガラスレンズと、前記ガラスレンズをクリーニングするためのセルフクリーニングワイパーとをさらに備える、請求項6に記載の貯蔵庫レベル監視システム。
【請求項9】
前記無線送信機がセルラー送受信機である、請求項1に記載の貯蔵庫レベル監視システム。
【請求項10】
前記無線送信機が、Bluetooth(登録商標)送受信機である、請求項1に記載の貯蔵庫レベル監視システム。
【請求項11】
前記回路基板が最大電力点追従制御(MPPT)集積回路を備える、請求項1に記載の貯蔵庫レベル監視システム。
【請求項12】
前記筐体が、前
記筐体を前記貯蔵庫の屋根の前記傾斜部分に固定するための磁石を有する筐体取り付け用プレートを備える、請求項1に記載の貯蔵庫レベル監視システム。
【請求項13】
前記回路基板がSIMカードスロットを備える、請求項1に記載の貯蔵庫レベル監視システム。
【請求項14】
前記
上部ハンガー部分がU字形ハンガー部分である、請求項1に記載の貯蔵庫レベル監視システム。
【請求項15】
前記ブラケットが、前記センサを前記回路基板に接続するためにセンサワイヤが延びる開口部を備える、請求項1に記載の貯蔵庫レベル監視システム。
【請求項16】
傾斜部分を含む屋根を有する貯蔵庫の貯蔵庫レベルを監視する方法であって、
前記屋根の直立構造要素上にセンサ取り付け用ブラケットの上部ハンガー部分を装着することによって、および固定具を前記
上部ハンガー部分の穴に挿入することによって前記
上部ハンガー部分を前記直立構造要素に固定することによって、前記センサ取り付け用ブラケットを使用して体積レベルセンサを前記貯蔵庫に取り付ける
ステップであって、前記ブラケット
が、前記
上部ハンガー部分から下方に延在する垂直部分と、前記垂直部分から斜めに、そして前記
上部ハンガー部分の下に延在する角度付き部分と、前記角度付き部分から延在し、前記センサが取り付けられる下面を有する水平部分とを含む、
ステップと、
回路基板を取り囲む筐体を前記屋根の前記傾斜部分に取り付ける
ステップと、
前記センサを使用して飼料貯蔵庫内の飼料レベルを感知する
ステップと、
前記飼料レベルを感知することによってレベル信号を受信する
ステップと、
前記レベル信号を処理して貯蔵庫レベルデータを生成する
ステップと、
前記貯蔵庫レベルデータを送信する
ステップと、
を含む方法。
【請求項17】
前記飼料レベルを感知する
ステップが、LIDARセンサを使用して実行される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記飼料レベルを感知する
ステップが、飛行時間型(ToF)マシンビジョンセンサを使用して実行される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
セルフクリーニングワイパーを使用して前記LIDARセンサのガラスレンズをクリーニングする
ステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記回路基板の筐体上の太陽光パネルを使用して前記回路基板に接続されたバッテリを充電する
ステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
サーバで前記貯蔵庫レベルデータを受信する
ステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
追加の飼料を注文するために前記サーバによって注文メッセージを作成して送信する
ステップをさらに含む、請求項
21に記載の方法。
【請求項23】
前記
上部ハンガー部分がU字形ハンガー部分である、請求項16に記載の方法。
【請求項24】
前記回路基板に前記センサを接続するために前記ブラケットの開口部を通してセンサワイヤを延ばす
ステップを含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して農業用飼料貯蔵庫に関し、具体的にはそのような貯蔵庫の監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飼料産業は、飼料工場が農業従事者の特定の飼料ブレンドを製造し、農業従事者が飼料を使い切る前にそれを配達するのに十分なリードタイムを確保するために、飼料レベルを監視し、飼料を供給する飼料工場にそれを報告するのに農業従事者に依存している。飼料貯蔵庫の監視は一定の努力を必要とする作業であり、したがって手遅れになって飼料貯蔵庫がほぼ空になるまで、低い貯蔵庫レベルが見過ごされることがよくある。飼料を切実に必要としている農業従事者からの緊急の要請は、飼料工場が慎重に計画された生産スケジュールを再編成し(他の一生懸命な農業従事者に飼料を遅れて受け取るリスクを負わせる)、効率的に計画された配送ルートを変更して、十分な注意を怠った農業従事者に対応することを要求し、したがって複雑な作業において最高の効率を達成するという希望をくじく。
【0003】
したがって、貯蔵庫内の飼料レベルを監視し、これらの飼料レベルを報告するための貯蔵庫レベル監視システムが非常に望ましいであろう。
【発明の概要】
【0004】
以下は、本発明の基本的な理解を提供するために、本発明のいくつかの態様または実施形態の簡略化された概要を提示する。この概要は本発明の広範な概略ではない。本発明の重要なまたは決定的な要素を特定することも、本発明の範囲を正確に概説することも意図しない。その唯一の目的は、本発明のいくつかの実施形態を、後で提示されるより詳細な記載の前置きとして簡略化された形で提示することである。
【0005】
本明細書は、貯蔵庫レベル監視システムおよび貯蔵庫内の飼料レベルを測定するための関連する方法を開示する。
【0006】
したがって、本開示の発明的態様は、飼料貯蔵庫内の飼料レベルを感知するための光学センサと、センサからレベル信号を受信するための、およびレベル信号を処理し、貯蔵庫レベルデータを生成するためのセンサに通信可能に接続された回路基板と、回路基板およびセンサに電力を供給するためのバッテリと、回路基板を取り囲むための筐体と、貯蔵庫レベルデータを送信するための無線送信機と含む貯蔵庫レベル監視システムである。センサは、LIDARセンサまたは飛行時間型(ToF)センサであり得る。
【0007】
本開示の別の発明的態様は、貯蔵庫レベルを監視する方法であり、この方法は、飼料レベルを光学的に感知することによって飼料貯蔵庫レベル信号内の飼料レベルを光学的に感知すること、レベル信号を処理して貯蔵庫レベルデータを生成すること、および貯蔵庫レベルデータを送信することを含む。
【0008】
本開示の他の発明的態様は、当業者に明らかになるであろう。
【0009】
本開示のこれらおよび他の特徴は、以下の添付の図面を参照する記載からより明らかになるであろう。
【0010】
本明細書に組み込まれ、その一部を形成する添付の図面は、本発明のいくつかの実施形態を示し、その記載とともに、本発明の原理を説明する働きをする。図面は、本発明の好ましい実施形態を示すことのみを目的としており、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態による貯蔵庫レベル監視システムの等角図である。
【
図2】LIDARセンサを有する貯蔵庫レベル監視システムを示している。
【
図3】飛行時間型(ToF)センサを有する貯蔵庫レベル監視システムを示している。
【
図3b】貯蔵庫内の飼料の上面のトポロジを定める第1の側面の視点からの表面ポイントマップを示している。
【
図3c】貯蔵庫内の飼料の上面のトポロジを定める第2の上部の視点からの別の表面ポイントマップを示している。
【
図4b】
図4aのLIDARセンサを示す背面図である。
【
図4c】
図4aのLIDARセンサを示す側面図である。
【
図4d】
図4aのLIDARセンサを示す正面図である。
【
図4e】
図4aのLIDARセンサを示す上面図である。
【
図4f】
図4aのLIDARセンサを示す底面図である。
【
図4g】
図4aのLIDARセンサを示す等角破断図である。
【
図4h】
図4aのLIDARセンサを示す上面破断図である。
【
図5A】飛行時間型(ToF)センサを示す等角図である。
【
図8N】筐体と共に使用するための別のベースプレートの上面等角図である。
【
図9A】センサ取り付け用ブラケットの等角図である。
【
図9B】センサ取り付け用ブラケットの別の等角図である。
【
図9C】センサ取り付け用ブラケットの右側面図である。
【
図9D】センサ取り付け用ブラケットの正面図である。
【
図9E】センサ取り付け用ブラケットの左側面図である。
【
図9F】センサ取り付け用ブラケットの背面図である。
【
図9G】センサ取り付け用ブラケットの上面図である。
【
図9H】センサ取り付け用ブラケットの底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の詳細な記載は、説明の目的で、本発明の徹底的な理解を提供するために、多数の特定の実施形態、実装、実施例、および詳細を含んでいる。しかしながら、実施形態は、これらの特定の詳細なしで、または均等の構成で実施できることは明らかである。他の例では、本発明の実施形態を不必要に曖昧にすることを回避するために、いくつかの周知の構造およびデバイスはブロック図の形態で示されている。本記載は、本明細書に示され記載された例示的な設計および実装を含む、以下に示された説明に役立つ実装、図面、および技法に決して限定されるべきではなく、それらの全範囲の均等物とともに添付の特許請求の範囲内で修正することができる。
【0013】
本明細書に開示され、図に示されているのは、新規の貯蔵庫監視システムである。この新規の貯蔵庫監視システムは、飼料業界における長年の供給管理の課題に対処するための新規の解決策を提供し、それは離れた場所にある飼料コンテナ内の製品量の正確で費用効果の高い監視である。
【0014】
図1に示される実施形態において、貯蔵庫監視システム10は、参照番号100によって一緒に示される回路基板および筐体と、センサ取り付け用ブラケット200と、光学センサ300とを備える。一実施形態における光学センサ300は、LIDARセンサである。第2の実施形態における光学センサ300は、飛行時間型(ToF)マシンビジョンセンサである。
【0015】
図2は、センサ300がLIDARセンサである貯蔵庫レベル監視システム10を示している。
図2aは、LIDARセンサ300の拡大図である。LIDARセンサは、天井または屋根22、24、あるいは梁、トラス、フレーム等など、任意の適切な上部構造要素から、貯蔵庫20内のセンサ取り付け用ブラケット200によって吊り下げられている。
図2は、貯蔵庫20内の飼料30(または他のバルク製品)に反射するように下向きに放出されるLIDARセンサビーム310を示している。この特定の実装では、回路基板および筐体100は、屋根の傾斜部分22に取り付けられているが、センサ取り付け用ブラケット200は、屋根の平らな部分24の下の直立構造要素25に接続されている。センサ取り付け用ブラケットは、センサを下向きに向けるように位置決めしながら、貯蔵庫の別の要素に取り付けられるように異なる形状を有するように修正できることが理解されよう。
【0016】
図3は、センサ300が飛行時間型(ToF)センサである貯蔵庫レベル監視システムの別の実施形態を示している。
図3aは、ToFセンサ300の拡大図である。第1の実施形態と同様に、センサ300は、貯蔵庫20の内側で下を向くように吊り下げられている。ToFマシンビジョンセンサは、貯蔵庫20内の飼料30の形状の画像または3次元表面ポイントマップをキャプチャする。表面ポイントマップは、
図3bおよび3cに例として示されるように、飼料の上面のトポロジ31を定める。これにより、貯蔵庫内の飼料の量のはるかにより正確な見積もりが提供される。さらに
図3bおよび3cに示されるように、3次元表面マップ31は、貯蔵庫20内の飼料30の輪郭および形状に非常に密接に近似する非常に多数の個々の深度結果(点)から構成される。
【0017】
図4A~4Hは、LIDARセンサ300を示す。LIDARセンサは、1つまたは複数の石英ガラスレンズ315およびセルフクリーニングワイパー320を有する。ワイパーは、1つまたは複数のレンズ315をクリーニングするためのワイパーアームおよびエラストマーワイパーブレード322を有する。ワイパーは、サーボまたは他のタイプの電気モーターによって回転することができる。サーボを定期的にトリガーしてワイパーを回転させ、1つまたは複数のレンズをクリーニングするためのコントローラを設けることができる。コントローラは、自動的に動作するようにプログラムまたは構成することができる。あるいは、コントローラは、ユーザによって再プログラム可能または再構成可能であり得る。さらなる変形例では、コントローラは、1つまたは複数のレンズを拭くための制御信号を受信するように構成することができる。LIDARセンサが正常に機能しておらず、クリーニングが必要であることが検出されると、回路基板から制御信号を受信することができる。
【0018】
図5A~5Iは、飛行時間型(ToF)マシンビジョンセンサ300を示している。
図5は、反射光を画像センサ(焦点面アレイ)に集束させる照明ユニットおよび光学系を含むセンサ構成要素を示している。画像センサでは、各ピクセルが、光が照明ユニットから飼料上のポイントに移動し、焦点面アレイに戻るまでにかかった時間を測定する。センサには、照明ユニットと画像センサの両方を制御および同期するためのドライバ電子機器が含まれている。
【0019】
図6A~6Eおよび
図7は、回路基板/筐体アセンブリ100の一部である回路基板110を示している。回路基板は、最大電力点追従制御(MPPT)集積回路112、RFセルラートランシーバ用のSIMカードを受け入れるためのSIM(加入者識別モジュール)カードスロット114、およびバッテリを受け入れるためのバッテリボード120を有する図示のプリント回路基板(PCB)であり得る。回路基板はまた、以下の追加の構成要素を有し得る:ソーラーチャージコネクタ、UART(ユニバーサル非同期受信機/送信機)ヘッダ、I/Oヘッダ、XBee(登録商標)モデム拡張ヘッダ、グローブコネクタ、Bluetooth(登録商標)モジュール。他の構成要素が存在し得る。同様に、すべての実施形態がこれらの構成要素のすべてを有するわけではない。回路基板上の電子機器のレイアウトは単なる一例であり、電子機器は他の任意の適切なレイアウトで回路基板上に配置できることは理解されよう。
【0020】
図8A~8Tは、回路基板110用の筐体130を示している。筐体130は、上部カバー132およびベースまたは取り付けプレート134を有する。取り付けプレートは、磁石用のソケット136を有する。
図8A~8Tに示される特定の実施形態では、取り付けプレートは、筐体を貯蔵庫の屋根に固定するための磁石用の3つのソケットを有する。一実施形態では、磁石は希土類磁石であり得る。筐体は、平坦な上面を備えたほぼ正方形として示されているが、他の実施形態では、例えば、異なる形状の回路基板を覆うために、筐体の形状は変化し得ることが理解されよう。
【0021】
図9A~9Hは、センサ取り付け用ブラケット200を示す。この図示の例のブラケット200は、長円形の穴215を備えた上部U字形ハンガー部分210、垂直部分220、別の長円形の穴235を備えた角度付き部分230、および水平部分240を有する。この特定の形状により、垂直要素への取り付けおよび貯蔵庫の底部の飼料に向かって下に向くセンサの位置決めが可能になる。ブラケットは、異なる貯蔵庫の屋根構造および/または異なるタイプのセンサマウントに対応するために他の形状を有し得る。寸法は明らかに単なる例に過ぎない。寸法または比率を変えることができることが理解されよう。
【0022】
上記の貯蔵庫監視システムは、貯蔵庫レベル、すなわち貯蔵庫内の飼料のレベルの正確な測定または推定を可能にする。飼料のレベルによって、このシステムが貯蔵庫内の飼料の量(質量または体積)を決定することが理解される。このシステムは、飼料レベルを監視し、追加の飼料が必要であることを飼料工場に通知するための費用効果の高い方法を提供する。
【0023】
1つの特定の実施形態において、システムは、モノのインターネット(IoT)のプリント回路基板(PCB)を利用して、センサデータを収集し、データを1つまたは複数の離れた場所にあるサーバ(または他のコンピューティングデバイス)にワイヤレスで報告し、そこでデータが処理され、例えばダッシュボードまたはその他のユーザインターフェイスに表示され、飼料貯蔵庫の充填状況をユーザに報告する。このシステムは、貴重な洞察、ユーザ指定のパラメータに基づく通知を提供し、アルゴリズムと、より多くのデータを解析するにつれて時間の経過とともにそのモデルを改良する機械学習とによって決定される運用改善の領域を提案する。この特定の実装におけるシステムは、太陽光発電により電力を供給され、また通信技術を備えているため、システムは非常に長い距離でデータを確実に送信する一方、わずかな電力しか消費せず、これにより、システムは中断することなく何年にもわたってサービスフリーで潜在的に動作する。この特定の実装では、システムは無線通信モジュールを含む。上記のように、システムは、遠隔地にあるサーバと通信するために複数の無線周波数(RF)技術を利用する回路基板を含む。この特定の実装において回路基板によって採用される通信の主な方法は、セルラー式、例えばLTEカテゴリM1であり、これはLTE Cat-M1の非常に電力効率の高い設計により、単一のバッテリで何年も動作することができる。したがって、このシステムは、25kmを超える距離にある1つまたは複数のセルラータワーと通信することができ、要件と展開の複雑さを最小限に抑えるために、既存のセルラーインフラストラクチャを利用する。この特定の実装では、回路基板はまた、センサ設置者によるワイヤレス構成を支援し、近距離シナリオでの将来の展開のためのメッシュネットワーク通信の代替方法を提供するオンボードBluetooth(登録商標)低エネルギー(BLE)無線も含む。回路基板は、オンボードXBee拡張ヘッダを介した代替無線通信モジュールの追加を支援し、これにより、ハードウェアの修正や再設計を必要とすることなく様々なRF通信技術(ZigBee、SigFox、WiFi等)との適合性が提供され、その汎用性が高められる。
【0024】
この1つの特定の実装では、PCBは、将来を保証し、様々なセンサおよび出力ソースとの適合性を確保するために、多くの接続オプションを組み込んでいる。UARTインターフェースは、外部センサとの通信の主要な方法を提供するが、ラピッドプロトタイピング機能を提供するために利用できる他の多くのオプションがある。2つのオンボードグローブコネクタにより、基板は「グローブ」通信/電力規格を利用する既存の様々なセンサと適合性がある。オンボードプロセッサに接続された入力と出力は、他の接続されたデバイスの状態を読み取ってそれに影響を与える機能も提供する。
【0025】
この1つの特定の実装では、回路基板は、純粋にバッテリと太陽光発電で動作し、完全に自給自足で動作する5年以上の予測寿命を有する。回路基板は、電源への配線もコンセントへの接続も必要としない。外部電源に配線しなくてもシステムを貯蔵庫に設置できるため、熟練していない作業者でもシステムをすばやく簡単に設置することができる。
【0026】
この1つの特定の実装において、電力システムは、太陽光充電回路を追従および調整するように設計されたオンボード最大電力点追従制御(MPPT)チップまたは集積回路(IC)を利用して、天候に基づいて常に最大効率で充電が行われることを保証する。このMPPTチップは、太陽光なしで55日以上動作できるバッテリと組み合わせることで、長期間の動作を保証する。回路基板は、サービスチームによるさらなる注意が必要な可能性のある電源状態を早期に警告する診断機能を備えて設計されている。回路基板は、診断レポートをサーバまたはリモートコンピューティングデバイスにワイヤレスで送信し得る。
【0027】
上記のように、一実施形態では、センサはLIDARセンサである。LIDARセンサは、飼料貯蔵庫内のほこり、温度変化、およびその他の悪条件にもかかわらず、メンテナンスもサービスも必要とせずに長年にわたって動作することができる。センサは、1つまたは複数の石英ガラスレンズで完全に囲まれている。記載および図示されているように、センサには、センサの石英ガラスレンズを定期的にクリーニングするためのセルフクリーニングワイパーが含まれている。記載および図示されているように、センサは、センサ取り付け用ブラケットを使用して貯蔵庫に取り付けられる。センサ取り付け用ブラケットを使用すると、センサをいかなる形状またはサイズの飼料貯蔵庫にも取り付けることができる。センサ取り付け用ブラケットは、飼料貯蔵庫の蓋開口部を囲むカラーを含む。センサブラケットはこのカラーにぶら下がっており、蓋カラーの内面に対して締め付けられる専用ボルトを締め付けることによって生成される複合力を用いて固定される。貯蔵庫の内側で、ブラケットは開口部から離れる方に延び、貯蔵庫を補充する間、センサ自体は確実に保護される。このブラケットにより、迅速な設置が可能になる。センサワイヤは、蓋の下から貯蔵庫の外側に配線され、そこでPCBと筐体に接続される。上記のように、第2の実施形態では、センサは、飛行時間型(ToF)マシンビジョンセンサまたはToFカメラである。ToFセンサは、高度な測距とプロファイリングの方法を利用する。ToFセンサは、飼料コンテナ内の製品の表面をモデル化する前例のない機能を実証した。57,000の固有の深度ポイントを使用して、センサは非常に正確な3D表面プロファイルを再構築でき、そこから貯蔵庫の体積の正確な計算を決定することができる。当然のことながら、深度ポイントの数は、使用されている特定のToFカメラの解像度に応じて他の変形において変化し得る。飼料レベルの監視に対するこの独自のアプローチにより、システムは「飼料ブリッジ」や「ラットホール」のような異常を正確に識別し、誤った読み取りや正しくない読み取りを防ぐことができる。マシンビジョン技術は、完全に自立した非侵入型技術が、競合技術に比べてわずかなコストで正確な貯蔵庫レベルの読み取り値を収集することを可能にする。
【0028】
この1つの特定の実装では、システム筐体はソーラーパネルを内蔵し、光が少ない状況においても、筐体のバッテリにトリクル充電を提供する。筐体は、飼料貯蔵庫を改修する必要がないようにも設計されている。取り付け用ブラケットは、薄型の三脚を形成するように方向付けられた3つの球形の希土類磁石を利用する。この三脚の向きにより、ブラケットは、半径や屋根の傾斜に関係なく、すべての形状およびサイズの飼料貯蔵庫と適合する。1つの特定の実装では、磁石は一緒に60ポンドの保持力を生成し、飼料貯蔵庫を恒久的に改修する必要なしにシステム全体を迅速に設置または除去することを可能にする。
【0029】
本開示の別の発明的態様は、貯蔵庫レベルを監視する方法である。この方法は、飼料レベルを光学的に感知することによって飼料貯蔵庫レベル信号内の飼料レベルを光学的に感知し、レベル信号を処理して貯蔵庫レベルデータを生成し、貯蔵庫レベルデータを送信するステップ、動作、または操作を含む。方法のステップ、動作、または操作は、順次または同時に、すなわち時間的に重複して実行することができる。
【0030】
方法の1つの実践形態において、飼料レベルを光学的に感知するステップは、LIDARセンサによって実行される。方法の別の実践形態では、飼料レベルを光学的に感知するステップは、飛行時間型(ToF)マシンビジョンセンサによって実行される。
【0031】
1つの実践形態において、方法は、セルフクリーニングワイパーを使用してLIDARセンサのガラスレンズをクリーニングするステップをさらに含む。
【0032】
1つの実践形態において、方法は、回路基板の筐体上のソーラーパネルを使用して、回路基板に接続されたバッテリを充電するステップをさらに含む。
【0033】
1つの実践形態において、方法は、サーバ、サーバクラスタ、クラウドベースのストレージ、または他のコンピューティングデバイスで貯蔵庫レベルのデータを受信するステップをさらに含む。
【0034】
1つの実践形態において、方法は、追加の飼料を注文するために、サーバによって注文メッセージを生成および送信するステップをさらに含む。注文メッセージは、サーバから飼料工場に関連付けられたコンピュータまたはコンピューティングデバイスに電子的に送信される任意の適切なデータグラムタイプのメッセージであり得る。メッセージは、任意選択的に、貯蔵庫に残っている飼料の量および/または飼料がなくなると予測される日付を示し得る。サーバは、複数の貯蔵庫からデータを受信し、データを集計して、特定の農場で利用可能な飼料の量の総合評価を提供するように、および/または農場で飼料がいつなくなるかを予測するように構成することができる。
【0035】
単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかに別段に指示しない限り、複数の指示対象を含むことを理解されたい。したがって、例えば、「デバイス」への言及は、そのようなデバイスの1つまたは複数への言及、すなわち、少なくとも1つのデバイスが存在することを含む。「備える」、「有する」、「含む」、「伴う」および「包含する」という用語、またはそれらの動詞時制の変形は、別段の注意のない限り、オープンエンド用語(すなわち、「~を含むが、これに限定されない」を意味する)として解釈されるべきである。本明細書に記載のすべての方法は、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行することができる。例または例示的な言語(例えば、「など」)の使用は、単に本発明の実施形態をよりよく説明または記載することを意図しており、別段に主張されない限り、本発明の範囲を限定することを意図していない。
【0036】
本開示においていくつかの実施形態が提供されているが、開示されたシステムおよび方法は、本開示の範囲から逸脱することなく、他の多くの特定の形態で具体化され得ることを理解されたい。本実施例は例示的であり、限定的ではないと見なされるべきであり、その意図は、本明細書に与えられた詳細に限定されるべきではない。例えば、様々な要素または構成要素を別のシステムにおいて組み合わせるまたは一体化することができ、または特定の特徴は省略できる、すなわち実装しないことができる。
【0037】
さらに、離散的または別個のものとして様々な実施形態において記載および示された技術、システム、サブシステム、および方法は、本開示の範囲から逸脱することなく、他のシステム、モジュール、技術、または方法と組み合わせる、または一体化することができる。相互に結合または直接結合または通信するものとして示されまたは考察されている他のアイテムは、電気的に、機械的に、またはその他の方法で、何らかのインターフェース、デバイス、または中間構成要素を介して間接的に結合または通信することができる。変更、置換、および代替の他の例は、当業者によって確認可能であり、本明細書に開示される発明的概念から逸脱することなく行うことができる。