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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】現像装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20221122BHJP
   G03G 15/09 20060101ALI20221122BHJP
   F16C 13/00 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
G03G15/08 235
G03G15/09 A
F16C13/00 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2017228784
(22)【出願日】2017-11-29
(65)【公開番号】P2019101082
(43)【公開日】2019-06-24
【審査請求日】2020-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145908
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 信雄
(74)【代理人】
【識別番号】100136711
【弁理士】
【氏名又は名称】益頭 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100194582
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 康浩
(72)【発明者】
【氏名】石塚 一輝
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 裕行
(72)【発明者】
【氏名】高谷 俊一
(72)【発明者】
【氏名】岡村 憩
(72)【発明者】
【氏名】窪田 愛子
【審査官】飯野 修司
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-178991(JP,A)
【文献】特開2007-322570(JP,A)
【文献】特開2010-107649(JP,A)
【文献】特開2011-118080(JP,A)
【文献】米国特許第09316951(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
G03G 15/09
F16C 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体に形成される静電潜像をトナーとキャリアーとからなる二成分の現像剤で現像して画像を形成する現像装置であって、
前記現像剤を収容する現像容器と、
前記感光体に対向し、且つ前記現像容器に隣接して配置され、前記現像剤を前記感光体に搬送する現像ローラーと、
前記現像ローラーに沿って配置され、前記現像容器に収容されている前記現像剤を前記現像ローラーに供給する供給スクリューと、
を備え、
前記現像ローラーは、
当該現像ローラーの周方向に沿って、複数の磁極が形成される磁極形成部位、
を備え、
前記複数の磁極の一つとして、少なくとも、前記供給スクリューが供給する前記現像剤中の磁性を帯びた前記キャリアーを吸着するキャッチ極が形成され、
前記キャッチ極は、
前記現像ローラーの軸方向における総磁荷量が一定に保たれ、且つ該現像ローラーの軸方向に沿って、一部の磁束密度分布が他の一部の磁束密度分布と異なるものである、
現像装置。
【請求項2】
前記一部の磁束密度分布は、
磁力ピークの位置が、前記他の一部の磁束密度分布よりも低い、
請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記現像容器は、
第1の循環経路と、
前記現像ローラーの軸方向に沿って、前記第1の循環経路に隣接する第2の循環経路と
が形成され、
前記磁極形成部位は、
当該現像ローラーの軸方向に沿って、
前記第1の循環経路と前記第2の循環経路との境となる領域に対向する中央部と、
前記中央部に隣接する非中央部と、
を含み、
前記一部の磁束密度分布は、
前記中央部から出現して形成されるものであり、
前記他の一部の磁束密度分布は、
前記非中央部から出現して形成されるものである、
請求項1又は2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記現像容器は、
前記第1の循環経路に、
前記現像剤を攪拌する第1の攪拌スクリューと、
前記現像ローラーと前記第1の攪拌スクリューとの間に、前記第1の攪拌スクリューにより攪拌される前記現像剤を前記現像ローラーに供給する前記供給スクリューとしての第1の供給スクリューと、
が設けられ、
前記第2の循環経路に、
前記現像剤を攪拌する第2の攪拌スクリューと、
前記現像ローラーと前記第2の攪拌スクリューとの間に、前記第2の攪拌スクリューにより攪拌される前記現像剤を前記現像ローラーに供給する前記供給スクリューとしての第2の供給スクリューと、
が設けられ、
前記中央部は、
前記第1の供給スクリューと前記第2の供給スクリューとの境となる部位を含む領域に対向し、
前記一部の磁束密度分布は、
前記現像容器に収容されている前記現像剤に向かう磁力線の数が、前記他の一部の磁束密度分布よりも多い
請求項2を引用する請求項3に記載の現像装置。
【請求項5】
前記現像容器は、
前記中央部に対向し、前記第1の供給スクリューと前記第2の供給スクリューとの境且つ前記第1の攪拌スクリューと前記第2の攪拌スクリューとの境に設けられ、前記第1の循環経路と前記第2の循環経路との間を仕切る仕切り板、
をさらに備える、
請求項に記載の現像装置。
【請求項6】
前記現像容器は、
前記第1の供給スクリューの端部のうち、前記仕切り板に近い側に設けられ、前記現像剤の一部が前記仕切り板に近づくのを抑制する第1の円盤と、
前記第2の供給スクリューの端部のうち、前記仕切り板に近い側に設けられ、前記現像剤の一部が前記仕切り板に近づくのを抑制する第2の円盤と、
をさらに備え、
前記現像ローラーは、
前記中央部が、当該現像ローラーの軸方向に沿って、前記第1の円盤と前記第2の円盤との間の幅よりも広い範囲に設けられている、
請求項に記載の現像装置。
【請求項7】
前記キャッチ極は、
前記一部における磁束密度の半値幅が、前記他の一部における磁束密度の半値幅よりも広い、
請求項1~の何れか一項に記載の現像装置。
【請求項8】
前記キャッチ極は、
前記一部における磁束密度の80%幅が、前記他の一部における磁束密度の80%幅よりも広い、
請求項1~の何れか一項に記載の現像装置。
【請求項9】
請求項1~8の何れか一項に記載の現像装置、
を備える、
画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、現像装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子写真方式の画像形成装置が普及している。電子写真方式の画像形成装置には現像装置が設けられている。現像装置は、感光体に現像剤を供給することで感光体に形成されている静電潜像を現像する。現像剤は、トナーとキャリアとで構成されている。トナー及びキャリアは、現像装置内部で攪拌されることで静電気が生じ、現像ローラーに引きつけられる。よって、現像剤の搬送量は、現像ローラーの軸方向に沿って均一であることが好ましいが、様々な要因で変動し得る。現像ローラーの軸方向における現像剤の搬送量が変動すれば、印刷品質が低下するため、現像ローラーの一部の磁力を強くすることで、現像ローラーで搬送する現像剤の搬送量の変動分を相殺し、現像剤の搬送量を均一にするものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-250121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載のような従来技術は、現像ローラーの一部の磁力を強くしているため、現像ローラーの軸方向において、現像ローラーの一部の磁力と、現像ローラーの他の一部の磁力とを含める総磁荷量は、現像ローラーの一部の磁力を強くしないものと比べて異なるものとなる。現像ローラーは、周方向に沿って複数の異なる磁極がそれぞれ異なる強さで配置されていることで、複数の磁気ブラシを形成し、現像剤を感光体に搬送する。よって、現像ローラーの一部の磁力を強くすることにより現像ローラーの軸方向における総磁荷量が異なるものとなれば、現像剤の搬送量は、現像ローラーの軸方向に沿って不均一となるため、用紙に形成される画像の濃度が不均一となる恐れがある。
【0005】
本開示はこのような状況に鑑みてなされたものであり、用紙に形成される画像の濃度の不均一性を改善することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の側面である現像装置は、感光体に形成される静電潜像をトナーとキャリアーとからなる二成分の現像剤で現像して画像を形成する現像装置であって、前記現像剤を収容する現像容器と、前記感光体に対向し、且つ前記現像容器に隣接して配置され、前記現像剤を前記感光体に搬送する現像ローラーと、前記現像ローラーに沿って配置され、前記現像容器に収容されている前記現像剤を前記現像ローラーに供給する供給スクリューと、を備え、前記現像ローラーは、当該現像ローラーの周方向に沿って、複数の磁極が形成される磁極形成部位、を備え、前記複数の磁極の一つとして、少なくとも、前記供給スクリューが供給する前記現像剤中の磁性を帯びた前記キャリアーを吸着するキャッチ極が形成され、前記キャッチ極は、前記現像ローラーの軸方向における総磁荷量が一定に保たれ、且つ該現像ローラーの軸方向に沿って、一部の磁束密度分布が他の一部の磁束密度分布と異なるものである。
【0007】
また、前記一部の磁束密度分布は、前記磁力ピークの位置が、前記他の一部の磁束密度分布よりも低い、ことが好ましい。
【0008】
また、前記現像容器は、第1の循環経路と、前記現像ローラーの軸方向に沿って、前記第1の循環経路に隣接する第2の循環経路とが形成され、前記磁極形成部位は、当該現像ローラーの軸方向に沿って、前記第1の循環経路と前記第2の循環経路との境となる領域に対向する中央部と、前記中央部に隣接する非中央部と、を含み、前記一部の磁束密度分布は、前記中央部から出現して形成されるものであり、前記他の一部の磁束密度分布は、前記非中央部から出現して形成されるものである、ことが好ましい。
【0011】
また、前記現像容器は、前記第1の循環経路に、前記現像剤を攪拌する第1の攪拌スクリューと、前記現像ローラーと前記第1の攪拌スクリューとの間に、前記第1の攪拌スクリューにより攪拌される前記現像剤を前記現像ローラーに供給する前記供給スクリューとしての第1の供給スクリューと、が設けられ、前記第2の循環経路に、前記現像剤を攪拌する第2の攪拌スクリューと、前記現像ローラーと前記第2の攪拌スクリューとの間に、前記第2の攪拌スクリューにより攪拌される前記現像剤を前記現像ローラーに供給する前記供給スクリューとしての第2の供給スクリューと、が設けられ、前記中央部は、前記第1の供給スクリューと前記第2の供給スクリューとの境となる部位を含む領域に対向し、前記一部の磁束密度分布は、前記現像容器に収容されている前記現像剤に向かう磁力線の数が、前記他の一部の磁束密度分布よりも多い、ことが好ましい。
【0012】
また、前記現像容器は、前記中央部に対向し、前記第1の供給スクリューと前記第2の供給スクリューとの境且つ前記第1の攪拌スクリューと前記第2の攪拌スクリューとの境に設けられ、前記第1の循環経路と前記第2の循環経路との間を仕切る仕切り板、をさらに備える、ことが好ましい。
【0013】
また、前記現像容器は、前記第1の供給スクリューの端部のうち、前記仕切り板に近い側に設けられ、前記現像剤の一部が前記仕切り板に近づくのを抑制する第1の円盤と、前記第2の供給スクリューの端部のうち、前記仕切り板に近い側に設けられ、前記現像剤の一部が前記仕切り板に近づくのを抑制する第2の円盤と、をさらに備え、前記現像ローラーは、前記中央部が、当該現像ローラーの軸方向に沿って、前記第1の円盤と前記第2の円盤との間の幅よりも広い範囲に設けられている、ことが好ましい。
【0014】
また、前記キャッチ極は、前記一部における磁束密度の半値幅が、前記他の一部における磁束密度の半値幅よりも広い、ことが好ましい。
また、前記キャッチ極は、前記一部における磁束密度の80%幅が、前記他の一部における磁束密度の80%幅よりも広い、ことが好ましい。
本開示の第2の側面である画像形成装置は、上記に記載の現像装置、を備える、画像形成装置である。
【発明の効果】
【0015】
本開示の第1の側面及び第2の側面によれば、用紙に形成される画像の濃度の不均一性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本開示の実施形態1に係る画像形成装置1の全体構成例を示す図である。
図2】本開示の実施形態1に係る現像装置412の構成例を示す図である。
図3】本開示の実施形態1に係る現像装置412の内部構成例を示す図である。
図4】本開示の実施形態1に係る現像ローラー84の周方向に沿って磁極ごとの法線方向の一部の磁束密度分布M_d_1の一例を示す図である。
図5】本開示の実施形態1に係る現像ローラー84の周方向に沿って磁極ごとの法線方向の他の一部の磁束密度分布M_d_1の一例を示す図である。
図6】本開示の実施形態1に係る現像ローラー84の周方向に沿って磁極ごとの法線方向の磁束密度分布M_dにおいてキャッチ極S1のうち一部の磁束密度分布M_d_1の磁力線LMFの数の一例を示す図である。
図7】本開示の実施形態1に係る現像ローラー84の周方向に沿って磁極ごとの法線方向の磁束密度分布M_dにおいてキャッチ極S1のうち他の一部の磁束密度分布M_d_1の磁力線LMFの数の一例を示す図である。
図8】本開示の実施形態2に係る現像容器81が仕切り板89を備える一例を示す図である。
図9】本開示の実施形態2に係る磁極形成部位841として中央部Cが円弧カットされた構成例を示す図である。
図10】本開示の実施形態2に係る磁極形成部位841として中央部Cの円弧の中心角が広がった構成例を示す図である。
図11】本開示の実施形態2に係る磁極形成部位841として中央部Cの着磁極同士の近接距離を離した構成例を示す図である。
図12】本開示の実施形態2に係る現像ローラー84の軸方向に沿ってピース841_1の磁束密度分布M_d_1の一例を示す図である。
図13】本開示の実施形態2に係る現像ローラー84の軸方向に沿って用紙に形成された画像の濃度Aの一例を示す図である。
図14】本開示の実施形態3に係るキャッチ極S1の法線方向の磁束密度の一例を示す特性図である。
図15】本開示の実施形態4に係るキャッチ極S1の法線方向の磁束密度の一例を示す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面に基づいて本開示の実施形態を説明するが、本開示は以下の実施形態に限られるものではない。
【0018】
実施形態1.
図1は、本開示の実施形態1に係る画像形成装置1の全体構成例を示す図である。図2は、本開示の実施形態1に係る現像装置412の構成例を示す図である。図3は、本開示の実施形態1に係る現像装置412の内部構成例を示す図である。図4は、本開示の実施形態1に係る現像ローラー84の周方向に沿って磁極ごとの法線方向の一部の磁束密度分布M_d_1の一例を示す図である。図5は、本開示の実施形態1に係る現像ローラー84の周方向に沿って磁極ごとの法線方向の他の一部の磁束密度分布M_d_1の一例を示す図である。図6は、本開示の実施形態1に係る現像ローラー84の周方向に沿って磁極ごとの法線方向の磁束密度分布M_dにおいてキャッチ極S1のうち一部の磁束密度分布M_d_1の磁力線LMFの数の一例を示す図である。図7は、本開示の実施形態1に係る現像ローラー84の周方向に沿って磁極ごとの法線方向の磁束密度分布M_dにおいてキャッチ極S1のうち他の一部の磁束密度分布M_d_1の磁力線LMFの数の一例を示す図である。
【0019】
画像形成装置1は、電子写真プロセス技術を利用する中間転写方式によりカラー画像を用紙に形成する。画像形成装置1は、感光体413上に形成されたY(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(ブラック)の各色トナー像を中間転写部42の中間転写ベルトに一次転写する。中間転写ベルトに一次転写された各色トナー像は、4色重ね合わされてから用紙に二次転写され、用紙に画像が形成される。画像形成装置1は、タンデム方式が採用されている。タンデム方式は、上記で説明したYMCKの4色に対応する感光体413を中間転写ベルトの走行方向に直列配置し、中間転写ベルトに一回の手順で各色トナー像を順次転写させる方式である。
【0020】
画像形成装置1は、画像読取部10、操作表示部20、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50、定着部60、及び制御部90を備える。制御部90は、CPU、ROM、RAM、及び不図示の記憶部等を備える。CPUは、ROMから処理内容に応じてプログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置1の動作を制御する。記憶部は、例えばフラッシュメモリ等のような不揮発性の半導体メモリ又はハードディスクドライブで実現され、各種データが格納されている。記憶部に格納されている各種データは、CPUが画像形成装置1の動作を制御するときに参照される。
【0021】
画像読取部10は、自動原稿給紙装置11及び原稿画像走査装置12等を備える。自動原稿給紙装置11は、ADF(Auto Document Feeder)と称されている。自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された原稿を搬送機構により搬送し、原稿画像走査装置12に送り出す。自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された多数枚の原稿の画像を連続して読み取ることができる。なお、自動原稿給紙装置11は、多数枚の原稿の画像を連続して読み取るとき、用紙反転機構により、それぞれの原稿の両面を読み取ることができる。原稿画像走査装置12は、自動原稿給紙装置11からコンタクトガラス上に搬送された原稿又はコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査する。原稿画像走査装置12は、光学的な走査による原稿からの反射光をCCDセンサーの受光面上に結像させることにより、原稿に形成されている原稿画像を読み取る。画像読取部10は、原稿画像走査装置12による読取結果に基づき、原稿画像の入力画像データを生成する。入力画像データは、画像処理部30に供給され、画像処理部30が予め設定された画像処理を実行する。
【0022】
画像処理部30は、初期設定又はユーザー設定等で設定される各種プロファイルに応じたデジタル画像処理を入力画像データに行う回路を備える。画像処理部30は、例えば、階調補正、色補正、シェーディング補正等の各種補正処理及び圧縮処理等を入力画像データに行う。このような各種デジタル画像処理が行われた入力画像データに基づき、画像形成部40は各種処理を行う。画像形成部40は、入力画像データに基づき、Y成分、M成分、C成分、及びK成分の各有色トナーによる画像を形成する。
【0023】
画像形成部40は、露光装置411、現像装置412、感光体413、帯電装置414、及びドラムクリーニング装置415等を備える。帯電装置414のコロナ放電により、感光体413を帯電させる。露光装置411が各色成分の画像に対応するレーザー光を感光体413に照射することにより、各色成分の静電潜像が形成される。現像装置412が感光体413の表面に各色成分のトナーを付着させることにより、静電潜像は可視化されてトナー像が形成される。
【0024】
なお、ドラムクリーニング装置415は、一次転写後の感光体413の表面に残存する転写残トナーを除去する。中間転写部42は、中間転写ベルト、一次転写ローラー、及び二次転写ローラー等を備える。中間転写ベルトと一次転写ローラーとが圧接して形成される一次転写ニップは、感光体413から中間転写ベルトにトナー像を転写する。中間転写ベルトと二次転写ローラーとが圧接して形成される二次転写ニップは、中間転写ベルトから用紙にトナー像を転写する。定着部60は、用紙に転写されたトナー像を加熱及び加圧することにより、用紙に画像を形成する。用紙搬送部50は、給紙部51、排紙部52、及び搬送経路部53等を備える。
【0025】
図2に示すように、現像装置412は、現像装置本体80、トナー供給部91、及びキャリアー供給部92を備える。トナー供給部91は、現像装置本体80にトナーを供給する。キャリアー供給部92は、現像装置本体80にキャリアーを供給する。現像装置412は、画像形成で消費されたトナーが供給されるとともに、現像容器81内のキャリアーが少量ずつ入れ替えられるトリクル現像方式が採用される。トリクル現像方式を構成するトリクル機構は、公知の循環オーバーフロー型又は液面オーバーフロー型のものを適用すればよい。トリクル機構により、劣化したキャリアーが新しいキャリアーに入れ替わるため、現像容器81内のトナーは常に均一に帯電される。よって、プリント枚数又は環境変化に左右されずに安定した画質を実現することができる。
【0026】
現像装置本体80は、現像容器81、攪拌スクリュー82、供給スクリュー83、現像ローラー84、規制部材85、並びに不図示のトナー濃度センサー及びキャリアー検出センサー等の各種センサーを備える。現像装置412は、トナーとキャリアーからなる二成分の現像剤Dを収容する。現像容器81内は、隔壁88により、攪拌経路811と供給経路812とに区画される。攪拌経路811及び供給経路812は、現像ローラー84の軸方向に平行に延在する。攪拌経路811及び供給経路812は、現像剤Dが循環搬送されるように、現像ローラー84の軸方向両端部で連通する。すなわち、攪拌経路811における現像剤Dの搬送方向と、供給経路812における現像剤Dの搬送方向とは逆になる。現像容器81は、攪拌経路811の上方に、トナー供給口81a及びキャリアー供給口81bを備える。トナー供給口81aは、トナーを攪拌経路811に供給する。キャリアー供給口81bは、キャリアーを攪拌経路811に供給する。図3の一例では、キャリアー供給口81bは、トナー供給口81aよりも現像剤Dの搬送方向に沿って上流側に配置されている。トナー供給部91から送出されたトナーは、トナー供給口81aを介して現像装置本体80に供給される。キャリアー供給部92から送出されたキャリアーは、キャリアー供給口81bを介して現像装置本体80に供給される。トナー供給部91によるトナー供給動作及びキャリアー供給部92によるキャリアー供給動作は、制御部90により制御される。
【0027】
攪拌経路811は、現像ローラー84の軸方向に沿って攪拌スクリュー82が配置される。攪拌スクリュー82は、駆動モーター823に接続された軸心821のほぼ全長にわたって一定のピッチで螺旋状に羽根822が形成された構成を有する。攪拌スクリュー82は、現像剤Dを攪拌する。具体的には、攪拌スクリュー82が回転することにより、現像剤Dが攪拌されつつ一方向、図3においては左から右に搬送される。供給経路812は、現像ローラー84の軸方向に沿って供給スクリュー83が配置される。供給スクリュー83は、攪拌スクリュー82と同様の構成を有する。すなわち、供給スクリュー83は、駆動モーター833に接続された軸心831のほぼ全長にわたって一定のピッチで螺旋状に羽根832が形成された構成を有する。供給スクリュー83は、現像ローラー84と攪拌スクリュー82との間に設けられ、攪拌スクリュー82により攪拌される現像剤Dを現像ローラー84に供給する。具体的には、供給スクリュー83が回転することにより、トナーとキャリアーとが攪拌されつつ一方向、図3においては右から左に搬送される。
【0028】
攪拌経路811及び供給経路812において現像剤Dが搬送される際、現像剤Dに含まれるトナーとキャリアーとが摩擦接触し、互いに逆の極性に帯電する。ここでは、キャリアーは正極性に帯電され、トナーは負極性に帯電されると想定する。正極性に帯電したキャリアーの周囲に、負極性に帯電したトナーが、主として両者の電気的な吸引力により付着する。現像剤Dは、供給経路812を搬送される過程で、現像ローラー84に供給される。なお、フィン834は、軸心831の一方の端部に設けられ、供給経路812から攪拌経路811に現像剤Dを移動させる。フィン824は、軸心821の一方の端部に設けられ、攪拌経路811から供給経路812に現像剤Dを移動させる。円盤835は、フィン834と、現像容器81の壁面側との間であって、且つ軸心831の一方の端部に設けられ、フィン834の周囲にある現像剤Dが現像容器81の壁面側に向かうのを抑制する。円盤825は、フィン824と、現像容器81の壁面側との間であって、且つ軸心821の一方の端部に設けられ、フィン824の周囲にある現像剤Dが現像容器81の壁面側に向かうのを抑制する。
【0029】
現像ローラー84は、静電潜像が形成された感光体413に現像剤Dを供給する。現像ローラー84の上方には、現像ローラー84から一定の距離だけ離間した状態で、規制部材85が対向して配置されている。規制部材85は、現像ローラー84と平行に延在し、例えばステンレス鋼材等の磁性体で形成された板状の部材である。図4,5に示すように、現像ローラー84は、磁極形成部位841と、スリーブ842とを備える。現像ローラー84は、現像ローラー84の周方向に沿って、複数の磁極が形成され、隣接するそれぞれの磁極は互いに逆極性である。磁極形成部位841は、回転不能に固定されて配置され、複数の磁極の一つとして、少なくともキャッチ極S1が形成される。キャッチ極S1は、現像ローラー84の軸方向における総磁荷量が一定に保たれる。キャッチ極S1は、現像ローラー84の軸方向に沿って出現する磁束密度分布M_dのうち、一部の磁束密度分布M_d_1が他の一部の磁束密度分布M_d_1と異なるものである。図4,5の一例においては、現像ローラー84は、磁極形成部位841によりキャッチ極S1を含んで7つの磁極が形成されている。7つの磁極は、キャッチ極S1以外においては、搬送極、規制極、現像極、及び剥離極の何れかとして機能させればよく、複数の磁極に同一の機能を持たせてもよい。
【0030】
スリーブ842は、磁極形成部位841の周囲に回転可能に配置され、円筒状に形成されている。スリーブ842の外周面のうち現像剤領域Xには、磁極形成部位841に形成される複数の磁極により現像剤Dを搬送するための磁力線LMFが図6,7に示すように形成される。また、図6,7に示すように、一部の磁束密度分布M_d_1は、磁力ピークとなる部位の磁力線LMFの数が、他の一部の磁束密度分布M_d_1よりも多く、磁力ピークの位置が、他の一部の磁束密度分布M_d_1よりも低いため、現像剤Dに向かう磁力線LMFの数が増加する。
【0031】
よって、スリーブ842に供給された現像剤Dは、磁極形成部位841により形成される磁力線LMFに沿って穂立ちすることで、磁気ブラシを形成する。現像剤Dは、スリーブ842の回転に伴い反時計回りに搬送され、規制部材85と、スリーブ842との間隙を通過することで、一定厚に規制される。スリーブ842に担持されたトナーが感光体413に供給されることにより、感光体413上の静電潜像が現像される。つまり、磁極形成部位841は、キャッチ極S1により供給スクリュー83が供給する現像剤D中の磁性を帯びたキャリアを吸着させる。キャッチ極S1がキャリアを吸着することにより、スリーブ842の外周面上に現像剤Dが吸着される。現像ローラー84に形成される隣接する磁極は互いに逆極性であるため、キャッチ極S1により吸着された現像剤Dは、磁気ブラシとして搬送され、感光体413と対向する磁極に現像バイアスが印加されることで、磁気ブラシ中のトナーが感光体413側に静電吸着する。
【0032】
以上の説明から、本実施形態によれば、キャッチ極S1は、現像ローラー84の軸方向における総磁荷量を一定に保ち、且つ現像ローラー84の軸方向に沿って、一部の磁束密度分布M_d_1が他の一部の磁束密度分布M_d_1と異なるものである。一部の磁束密度分布M_d_1は、磁力ピークとなる部位の磁力線LMFの数が、他の一部の磁束密度分布M_d_1よりも多い。よって、現像ローラー84の軸方向のうち、一部の磁束密度分布M_d_1が出現する部位では、感光体413に搬送可能な現像剤Dの量を増やすことができるが、現像ローラー84の軸方向における総磁荷量は一定に保たれている。したがって、現像剤Dの搬送量が様々な要因で変動したとしても、現像ローラー84の軸方向における総磁荷量を一定で、一部の磁束密度分布M_d_1が出現する部位における現像剤Dの量を増やすことができるため、用紙に形成される画像の濃度Aの不均一性を改善することができる。
【0033】
また、本実施形態によれば、一部の磁束密度分布M_d_1は、磁力ピークの位置が、他の一部の磁束密度分布M_d_1よりも低い。よって、現像剤Dに向かう磁力線LMFの数を増加させることができる。したがって、現像ローラー84の軸方向における総磁荷量が一定であったとしても、現像剤Dを現像ローラー84に引きつけやすくすることができる。
【0034】
実施形態2.
実施形態2において、実施形態1と同一の構成については同一の符号を付記し、その説明については省略する。実施形態2は、循環経路が1つの実施形態1と比べ、2つの循環経路が形成される点が異なる。よって、実施形態2においては、2つの循環経路が形成される構成について具体的に説明する。
【0035】
図8は、本開示の実施形態2に係る現像容器81が仕切り板89を備える一例を示す図である。現像容器81は、第1の循環経路と、第2の循環経路とが形成される。第2の循環経路は、現像ローラー84の軸方向に沿って、第1の循環経路に隣接する。現像容器81は、第1の循環経路に、攪拌スクリュー82Rと、供給スクリュー83Rと、が設けられ、攪拌経路811Rと供給経路812Rとが構成される。現像容器81は、第2の循環経路に、攪拌スクリュー82Lと、供給スクリュー83Lと、が設けられ、攪拌経路811Lと供給経路812Lとが構成される。なお、攪拌経路811R及び攪拌経路811Lは、攪拌経路811と同様の構成であり、供給経路812R及び供給経路812Lは、供給経路812と同様の構成であり、攪拌スクリュー82R及び攪拌スクリュー82Lは、攪拌スクリュー82と同様の構成であり、供給スクリュー83R及び供給スクリュー83Lは、供給スクリュー83と同様の構成であるため、それらの説明ついては省略する。つまり、軸心821R及び軸心821Lは、軸心821と同様の構成である。羽根822R及び羽根822Lは、羽根822と同様の構成である。駆動モーター823R及び駆動モーター823Lは、駆動モーター823と同様の構成である。フィン824R及びフィン824Lは、フィン824と同様の構成である。円盤825R及び円盤825Lは、円盤825と同様の構成である。軸心831R及び軸心831Lは、軸心831と同様の構成である。羽根832R及び羽根832Lは、羽根832と同様の構成である。駆動モーター833R及び駆動モーター833Lは、駆動モーター833と同様の構成である。フィン834R及びフィン834Lは、フィン834と同様の構成である。円盤835R及び円盤835Lは、円盤835と同様の構成である。隔壁88R及び隔壁88Lは、隔壁88と同様の構成である。
【0036】
磁極形成部位841は、現像ローラー84の軸方向に沿って、中央部Cと、非中央部NCとを含む。中央部Cは、第1の循環経路と第2の循環経路との境となる領域に対向する。非中央部NCは、中央部Cに隣接する。一部の磁束密度分布M_d_1は、中央部Cから出現して形成されるものである。他の一部の磁束密度分布M_d_1は、非中央部NCから出現して形成されるものである。中央部Cにおける磁束密度は、非中央部NCにおける磁束密度よりも強い。また、現像容器81は、仕切り板89を備える。仕切り板89は、中央部Cに対向し、供給スクリュー83Rと供給スクリュー83Lとの境且つ攪拌スクリュー82R及び攪拌スクリュー82Lとの境に設けられている。円盤825Rは、供給スクリュー83Rの端部のうち、仕切り板89に近い側に設けられ、現像剤Dの少なくとも一部が仕切り板89に近づくのを抑制する。円盤825Lは、供給スクリュー83Lの端部のうち、仕切り板89に近い側に設けられ、現像剤Dの少なくとも一部が仕切り板89に近づくのを抑制する。現像ローラー84は、中央部Cが、現像ローラー84の軸方向に沿って、円盤825Rと円盤825Lとの間の幅よりも広い範囲に設けられている。
【0037】
図9は、本開示の実施形態2に係る磁極形成部位841として中央部Cが円弧カットされた構成例を示す図である。図9の一例では、軸心843を有する磁極形成部位841に組み込まれるピース841_1によりキャッチ極S1が形成される。ピース841_1は、個別着磁したものであり、すでに磁石として機能する。ピース841_1において中央部Cは、円弧カットされ、外周面がフラットに加工されている。中央部Cは、円弧カット前の状態では高めの磁力を着磁させ、円弧カット後において、キャッチ極S1の総磁荷量が予め想定される総磁荷量と同一となるようにする。
【0038】
図10は、本開示の実施形態2に係る磁極形成部位841として中央部Cの円弧の中心角が広がった構成例を示す図である。図10の一例では、軸心843を有する磁極形成部位841に組み込まれるピース841_1によりキャッチ極S1が形成される。ピース841_1は、個別着磁でもよいが、組み合わせてから着磁するAssy着磁であってもよい。中央部Cは、磁力を弱い状態にし、剥離極側へ角度を広がらせる。Assy着磁は、現像ローラー84の軸方向に沿った通常の着磁で距離が変化するため、総磁荷量は同じでありつつ、磁力ピークは低くなる。
【0039】
図11は、本開示の実施形態2に係る磁極形成部位841として中央部Cの着磁極同士の近接距離を離した構成例を示す図である。図11の一例では、軸心843を有する磁極形成部位841に組み込まれるピース841_1によりキャッチ極S1が形成される。ピース841_1は、中央部Cにおいて、着磁極同士の近接距離を離すことで、磁力ピークの位置が低下したものとなっている。
【0040】
図12は、本開示の実施形態2に係る現像ローラー84の軸方向に沿ってピース841_1の磁束密度分布M_d_1の一例を示す図である。図13は、本開示の実施形態2に係る現像ローラー84の軸方向に沿って用紙に形成された画像の濃度Aの一例を示す図である。画像の濃度A_1では、キャッチ極S1の総磁荷量を一定に保った状態で、円盤825Rと円盤825Lとの間の幅よりも広い中央部Cにおいて、磁力ピークの位置を低く、磁力線LMFの数を多くしている。よって、図13に示すように、中央部Cと、非中央部NCとで磁束密度分布M_dに差異を設けない場合の画像の濃度A_2と比べ、画像の濃度A_1は、全面均一となっている。
【0041】
以上の説明から、本実施形態によれば、一部の磁束密度分布M_d_1は、第1の循環経路と第2の循環経路との境となる領域に対向する中央部Cから出現する。他の一部の磁束密度分布M_d_1は、中央部Cに隣接する非中央部NCから出現する。よって、現像ローラー84を介して中央部Cから感光体413に搬送される現像剤Dの量を増やしつつ、現像ローラー84全体を介して感光体413に搬送される現像剤Dの量を一定に保つことができる。したがって、感光体413に形成される静電潜像全体には現像剤Dが均等に搬送されるが、感光体413に形成される静電潜像の一部の搬送力が弱くなる部位に搬送される現像剤Dの量を増やすことができるため、全体として感光体413に形成される静電潜像に現像剤Dを均等に搬送することができる。
【0042】
また、本実施形態によれば、中央部Cにおける磁束密度は、非中央部NCにおける磁束密度よりも強い。よって、供給スクリュー83Rと供給スクリュー83Lとの境となる部位にある現像剤Dが少なかったとしても、中央部Cにおける磁束密度が非中央部NCにおける磁束密度よりも強いため、少ない分を補って現像剤Dを搬送することができる。
【0043】
また、本実施形態によれば、現像容器81は、中央部Cに対向し、供給スクリュー83Rと供給スクリュー83Lとの境且つ攪拌スクリュー82Rと攪拌スクリュー82Lとの境に設けられ、第1の循環経路と、第2の循環経路との間を仕切る仕切り板89を備える。よって、第1の循環経路と、第2の循環経路とは現像ローラー84の軸方向に沿って隣接しているため、第1の循環経路から供給可能な現像剤Dと第2の循環経路から供給可能な現像剤Dとを現像ローラー84に供給することにより、現像ローラー84の軸方向に沿って、感光体413に形成される静電潜像に搬送可能な現像剤Dの搬送範囲を延伸することができる。したがって、幅の広い用紙に対応して現像することができる。
【0044】
また、本実施形態によれば、現像ローラー84は、中央部Cが、現像ローラー84の軸方向に沿って、円盤835Rと円盤835Lとの間の幅よりも広い範囲に設けられている。よって、一部の磁束密度分布M_d_1は、現像ローラー84の周方向に沿って磁力線LMFの数を増加させているが、現像ローラー84の軸方向に沿って磁力ピークの位置が、他の一部の磁束密度分布M_d_1よりも低い。したがって、円盤835Rと円盤835Lとの間への現像剤Dの流入を抑制しつつ、用紙に形成される画像の濃度Aを均一化することができる。
【0045】
実施形態3.
実施形態3において、実施形態1,2と同一の構成については同一の符号を付記し、その説明については省略する。実施形態3は、実施形態1又は2の構成を前提とするものであって、中央部Cにおける磁束密度の半値幅について説明する。図14は、本開示の実施形態3に係るキャッチ極S1の法線方向の磁束密度の一例を示す特性図である。破線は、中央部C及び非中央部NCのそれぞれのキャッチ極S1の法線方向の磁束密度の半値幅の磁束密度を示す。図14に示すように、キャッチ極S1は、中央部Cにおける磁束密度の半値幅が、非中央部NCにおける磁束密度の半値幅よりも広い。
【0046】
以上の説明から、本実施形態によれば、キャッチ極S1は、中央部Cにおける磁束密度の半値幅が、非中央部NCにおける磁束密度の半値幅よりも広い。よって、非中央部NCと比べ、中央部Cの方が、半値幅の部位において磁力線LMFの数を増加させることができる。したがって、非中央部NCと比べ、中央部Cの方が、半値幅の部位において現像剤Dを現像ローラー84に引きつけやすくすることができる。
【0047】
実施形態4.
実施形態4において、実施形態1~3と同一の構成については同一の符号を付記し、その説明については省略する。実施形態4は、実施形態1又は2の構成を前提とするものであって、中央部Cにおける磁束密度の半値幅を説明した実施形態3と異なり、中央部Cにおける磁束密度の80%幅について説明する。図15は、本開示の実施形態4に係るキャッチ極S1の法線方向の磁束密度の一例を示す特性図である。破線は、中央部C及び非中央部NCのそれぞれのキャッチ極S1の法線方向の磁束密度の80%幅の磁束密度を示す。図15に示すように、キャッチ極S1は、中央部Cにおける磁束密度の80%幅が、非中央部NCにおける磁束密度の80%幅よりも広い。
【0048】
以上の説明から、本実施形態によれば、キャッチ極S1は、中央部Cにおける磁束密度の80%幅が、非中央部NCにおける磁束密度の80%幅よりも広い。よって、非中央部NCと比べ、中央部Cの方が、80%幅の部位において磁力線LMFの数を増加させることができる。したがって、非中央部NCと比べ、中央部Cの方が、80%幅の部位において現像剤Dを現像ローラー84に引きつけやすくすることができる。
【0049】
以上、本開示に係る現像装置412及び画像形成装置1を実施形態に基づいて説明したが、本開示はこれに限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよい。
【0050】
例えば、本実施形態においては、現像ローラー84に7つの磁極が形成されている一例について説明したが、特にこれに限定されるものではない。例えば、現像ローラー84に5つの磁極が形成されていてもよい。現像ローラー84は、複数の磁極が形成されていることにより出現する磁気ブラシにより現像剤Dを感光体413に搬送するものであればよい。
【符号の説明】
【0051】
1 画像形成装置、10 画像読取部
11 自動原稿給紙装置、12 原稿画像走査装置、20 操作表示部
30 画像処理部、40 画像形成部、411 露光装置、412 現像装置
413 感光体、414 帯電装置、415 ドラムクリーニング装置
42 中間転写部、50 用紙搬送部、51 給紙部、52 排紙部
53 搬送経路部、60 定着部
80 現像装置本体
81 現像容器、81a トナー供給口、81b キャリアー供給口
811,811R,811L 攪拌経路
812,812R,812L 供給経路
82,82R,82L 攪拌スクリュー
821,821R,821L 軸心
822,822R,822L 羽根
823,823R,823L 駆動モーター
824,824R,824L フィン
825,825R,825L 円盤
83,83R,83L 供給スクリュー
831,831R,831L 軸心
832,832R,832L 羽根
833,833R,833L 駆動モーター
834,834R,834L フィン
835,835R,835L 円盤
84 現像ローラー、841 磁極形成部位、841_1 ピース
842 スリーブ、843 軸心
85 規制部材、88,88R,88L 隔壁、89 仕切り板
90 制御部、91 トナー供給部、92 キャリアー供給部
X 現像剤領域、M_d,M_d_1 磁束密度分布、LMF 磁力線
D 現像剤、C 中央部、NC 非中央部、A,A_1,A_2 濃度
S1 キャッチ極
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
図11
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図15