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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】天井埋込型空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/20 20060101AFI20221122BHJP
   F24F 13/22 20060101ALI20221122BHJP
   F24F 1/0022 20190101ALI20221122BHJP
   F24F 1/0047 20190101ALI20221122BHJP
【FI】
F24F1/0007 401E
F24F1/0007 361D
F24F1/0022
F24F1/0047
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018097297
(22)【出願日】2018-05-21
(65)【公開番号】P2019203619
(43)【公開日】2019-11-28
【審査請求日】2021-04-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】110002653
【氏名又は名称】弁理士法人アズテックIP
(72)【発明者】
【氏名】竹本 星羅
【審査官】佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0030595(US,A1)
【文献】特開2000-213767(JP,A)
【文献】特開2011-133190(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/20
F24F 13/32
F24F 1/0022
F24F 13/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ユニットと、該本体ユニットに取り付けられる電装品箱と、前記本体ユニットの底面に取り付けられ吸込口及び吹出口を有する化粧パネルとを備える天井埋込型空気調和機において、
前記本体ユニットは、箱型の筐体と、該筐体の内部に配置される熱交換器と、複数の吹出筒を有し、前記筐体の内部に配置され前記化粧パネルの前記吸込口から前記熱交換器を経由して空気を吸い込み前記吹出筒から該空気を吹き出すシロッコファンを有するファンユニットと、前記熱交換器で生じた露を集めるとともに前記シロッコファンの前記吹出筒を前記化粧パネルの前記吹出口に連通させる複数の吹出開口を有するドレンパンとを備え、
前記シロッコファンは、モータリード線が引き出されたファンモータと、該ファンモータによって回転される羽根車と、該羽根車を囲み且つ前記吹出筒を有する複数のファンケーシングとを備え、
前記モータリード線は、前記ドレンパンの上面から下面にかけて挿通され、前記ドレンパンの前記下面に沿って配線され前記電装品箱に接続されていることを特徴とする天井埋込型空気調和機。
【請求項2】
請求項1に記載の天井埋込型空気調和機において、
前記ドレンパンは前記下面に前記モータリード線を配線するための溝を有することを特徴とする天井埋込型空気調和機。
【請求項3】
請求項1または2に記載の天井埋込型空気調和機において、
前記モータリード線は、前記ドレンパンの前記複数の吹出開口間において挿通されることを特徴とする天井埋込型空気調和機。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1つに記載の天井埋込型空気調和機において、
前記モータリード線は、前記ドレンパンの前記上面から前記下面にかけて隙間を作らず密着状態で挿通されることを特徴とする天井埋込型空気調和機。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1つに記載の天井埋込型空気調和機において、
前記ファンモータは、前記複数のファンケーシングの間に配置されることを特徴とする天井埋込型空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井埋込型空気調和機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
空調室内の天井裏に設置される天井埋込型空気調和機(室内機)は、屋外に設置される室外機と冷媒配管で接続されて冷媒回路を形成している。天井埋込型空気調和機は、天井裏に設置される本体ユニットと、本体ユニットの側面に取り付けられる電装品箱と、吸込口と吹出口を備え本体ユニットの下面を覆うように室内の天井面に取り付けられる化粧パネルとを有する。
【0003】
本体ユニットは、箱型の筐体と、筐体の内部に配置される熱交換器と、その熱交換器の近傍に配置されるシロッコファンと、熱交換器で生じた露を集めるドレンパンとを備える。シロッコファンは、化粧パネルの吸込口から熱交換器を経由して空気を吸い込み冷媒と熱交換した空気を吹出口から室内に空気を吹き出す(特許文献1)。
【0004】
化粧パネルは一般的には、吹出口に左右風向板と上下風向板が取り付けられ、吹出空気を上下方向や左右方向にガイドできるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2000-213767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、シロッコファンは、電装品箱から引き出されたモータリード線が接続されるファンモータと、ファンモータで回転される羽根車と、羽根車を囲み且つ化粧パネルの吹出開口に連通する吹出筒を有するファンケーシングとを有している。モータリード線は、ドレンパンの下面を通過させる必要があるが、ドレンパンに隣接した通風路は化粧パネルの吸込口の一部となっているので、そこにモータリード線を配置すると、そのモータリード線が吸込空気に対する通風抵抗となり、好ましくない。
【0007】
本発明の目的は、モータリード線が化粧パネルの吸込口から吸い込まれる空気の通風抵抗とならないようにした天井埋込型空気調和機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために請求項1にかかる発明は、本体ユニットと、該本体ユニットに取り付けられる電装品箱と、前記本体ユニットの底面に取り付けられ吸込口及び吹出口を有する化粧パネルとを備える天井埋込型空気調和機において、前記本体ユニットは、箱型の筐体と、該筐体の内部に配置される熱交換器と、複数の吹出筒を有し、前記筐体の内部に配置され前記化粧パネルの前記吸込口から前記熱交換器を経由して空気を吸い込み前記吹出筒から該空気を吹き出すシロッコファンを有するファンユニットと、前記熱交換器で生じた露を集めるとともに前記シロッコファンの前記吹出筒を前記化粧パネルの前記吹出口に連通させる複数の吹出開口を有するドレンパンとを備え、前記シロッコファンは、モータリード線が引き出されたファンモータと、該ファンモータによって回転される羽根車と、該羽根車を囲み且つ前記吹出筒を有する複数のファンケーシングとを備え、前記モータリード線は、前記ドレンパンの上面から下面にかけて挿通され、前記ドレンパンの前記下面に沿って配線され前記電装品箱に接続されていることを特徴とする。
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の天井埋込型空気調和機において、前記ドレンパンは前記下面に前記モータリード線を配線するための溝を有することを特徴とする。
請求項3にかかる発明は、請求項1または2に記載の天井埋込型空気調和機において、
前記モータリード線は、前記ドレンパンの前記複数の吹出開口間において挿通されることを特徴とする。
請求項4にかかる発明は、請求項1または2に記載の天井埋込型空気調和機において、前記モータリード線は、前記ドレンパンの前記上面から前記下面にかけて隙間を作らず密着状態で挿通されることを特徴とする。
請求項5にかかる発明は、請求項1乃至3のいずれか1つに記載の天井埋込型空気調和機において、前記ファンモータは、前記複数のファンケーシングの間に配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、モータリード線がドレンパンの下面に沿って配線されるので、そのモータリード線が化粧パネルの吸込口から吸い込まれる空気の通風抵抗となることはない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施例の天井埋込型空気調和機の設置状態を示す説明図である。
図2図1の天井埋込型空気調和機の下面から見た斜視図である。
図3図2の天井埋込型空気調和機の化粧パネルを取り外した斜視図である。
図4】本実施例の本体ユニットの下面から見た分解斜視図である。
図5】ドレンパンの上面斜視図である。
図6】ドレンパンの下面図である。
図7】補強金具の斜視図である。
図8】ガイド筒ホルダの上面斜視図である。
図9】ガイド板と上下風向板の上面斜視図である。
図10】ガイド板と上下風向板の分解上面斜視図である。
図11】化粧パネルの下面の部分断面図である。
図12図2のA-A断面図である。
図13図2のB-B断面図である。
図14図11のC-C断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例の天井埋込型空気調和機100を説明する。天井埋込型空気調和機100は、図1に示すように、空調室Rの天井T1に取り付けられ、屋外に設置される図示しない室外機との間で冷媒配管により接続されて冷媒回路を形成する。天井埋込型空気調和機100は、天井裏T2に配置される箱型の本体ユニット200と、空調室R側に露出するように本体ユニット200の底面に取付けられる化粧パネル300を有する。本体ユニット200の側面には、制御回路が搭載された電装品箱400が取り付けられている。
【0012】
化粧パネル300は、図2に示すように、前端301及び後端302の長さが左端303及び右端304の長さよりも長くなる長方形に形成されている。そして、図1に示す空調室Rに臨む下面カバー370の内側には、前端301に近い側の左端303から右端304にかけて、吹出ガイド筒310、320、330、340が並べて形成されている。
【0013】
左端303側の吹出ガイド筒310から吹き出される空気は、回転板380Lの吹出口306から吹き出される。この回転板380Lは、図2の状態から矢印aの方向に90度回転可能であり、その回転により風の吹出方向が、左端303の方向と前端301の方向の間の90度の範囲でガイドされる。また、風の上下の吹出方向は、その回転板380Lと一緒に回転する上下風向板311によりガイドされる。
【0014】
中央の吹出ガイド筒320、330から吹き出される空気の吹出方向は、後記する下ガイド板390の個々の左右風向板392、393によりガイドされ、後記する下ガイド板390で合流されてから共通の吹出口307から吹き出される。風の上下の吹出方向は上下風向板321によりガイドされる。
【0015】
右端304側の吹出ガイド筒340から吹き出される空気は、回転板380Rの吹出口308から吹き出される。この回転板380Rは、図2の状態から矢印bの方向に90度回転可能であり、その回転により風の吹出方向が、右端304の方向と前端301の方向の間の90度の範囲でガイドされる。また、風の上下の吹出方向は、その回転板380Rと一緒に回転する上下風向板341によりガイドされる。
【0016】
化粧パネル300の下面カバー370の後端302の側には、左端303から右端304にかけて左右に細長い形状の吸込口350が形成され、この吸込口350は同様に左右に細長い形状の吸込グリル360で覆われている。
【0017】
化粧パネル300の下面カバー370は、下面中カバー371と下面外周カバー372によって形成されている。下面中カバー371は回転板380L、380R、吹出口307、及び吸込グリル360で囲まれた内側の内側を覆う。下面外周カバー372は回転板380L、380R、吹出口307、吸込グリル360及び下面中カバー371以外を覆う。この化粧パネル300についての詳細は後記する。
【0018】
図3に化粧パネル300を取り外して本体ユニット200を下から見た状態を示し、図4にこの本体ユニット200を下方から見た分解図を示す。本体ユニット200は、鋼板製の筐体500と、熱交換器600と、ファンユニット700と、ドレンパン800と、ドレンポンプ900を備える。ドレンポンプ900は吸込口910と吐出口920を有する
【0019】
筐体500は、長方形の天面板510と、天面板510の四辺から下方に延在する前面板520、背面板530、左側面板540、右側面板550で形成された箱型である。右側面板550には電装品箱400とドレンパイプ551が取り付けられている。さらに、左側面板540の外側と右側面板550の天面板510の外側には、それぞれ2個の取付金具560が取り付けられている。本体ユニット200は、この取付金具560を天井裏T2に固定された図示しない吊りボルトにて吊り下げることで天井裏T2に設置される。
【0020】
熱交換器600は筐体500に格納される第1熱交換器610と第2熱交換器620を有する。第1熱交換器610は筐体500の前面板520側に配置され、第2熱交換器620は背面板530側に配置される。そして、第1熱交換器610及び第2熱交換器620は、各々の上端が筐体500の天面板510に取り付けられている。また、第1熱交換器610と第2熱交換器620のそれぞれの左側面板540側の間には、後記するファンモータ710の回転軸712を支持する回転軸支持板630が取り付けられ、第1熱交換器610と第2熱交換器620のそれぞれの右側面板550側の間には、後記するファンモータ710の別の回転軸713を支持する回転軸支持板640が取り付けられている。
【0021】
ファンユニット700は、モータ取付台711に固定された両軸型のファンモータ710と、そのファンモータ710の一方の回転軸712に固定された2個の羽根車721、722と、そのモータ710の他方の回転軸713に固定された2個の羽根車723、724と、各羽根車721~724を個々に囲む4個のファンケーシング731~734とを有する。ファンケーシング731~734は、筐体500の天面板510に取り付けられる上面取付部731a~734aと、両側面に形成された吸込開口731b~734bと、下方向に突出するように形成された吹出筒731c~734cとをそれぞれ有する。羽根車721とファンケーシング731、羽根車722とファンケーシング732、羽根車723とファンケーシング733、羽根車724とファンケーシング734は、それぞれシロッコファンを形成している。
【0022】
ドレンパン800は、発泡スチロール製の断熱材810で形成されている。この断熱材810には、上面810aからから下面810bに貫通する4個の吹出開口821~824が左右方向に一列に並べて形成されている。また、このドレンパン800は、図5に示すように、上面810aの外周が周壁830によって囲まれており、その前端部831と奥端部832を長辺とするほぼ長方形に形成されている。
【0023】
そして、断熱材810の上面810aには、周壁830の前端部831と吹出開口821~824との間に第1熱交換器610で発生する露を受け止める溝841が形成され、周壁830の後端部832と吹出開口821~824との間に第2熱交換器620で発生する露を受け止める溝842が形成されている。また、周壁830の右端部833の内側にも溝843が形成されている。さらに、断熱材810の上面810aの右端の奥の周壁830の内側にドレンタンク844が形成されている。そして、溝841は溝843につながり、溝842、843はドレンタンク844につながっている。
【0024】
また、断熱材810の下面810bには、図6に示すように、4個の吹出開口821~824の並びに沿って、その吹出開口821~824から外れた位置に溝850が形成され、その溝850内にモータリード線740が配線されている。このモータリード線740はドレンパン800の吹出開口822と823の間の上方に位置するファンモータ710と電装品箱400の間を接続するためのものである。
【0025】
また、断熱材810の下面810bには、図7に示すような形状の補強金具870が埋め込まれた状態で装着されている。この補強金具870は、ドレンパン800の前端部831に対応する長片871、奥端部832に対応する長片872、長片871と長片872の図7における左側を接続する短片873、長片871と長片872の図7における右側を接続する短片874、およびその短片874に連続する取付片875,876を有する。
【0026】
断熱材810への補強金具870の埋め込みは、断熱材810を成型する型内に補強金具870を予め位置決めしておいてから、発泡スチロールを発泡させて埋め込む。これにより補強金具870は、断熱材810の下面810bに一体化される。
【0027】
前記した化粧パネル300の吹出ガイド筒310はドレンパン800の吹出開口821につながるように形成され、吹出ガイド筒320はドレンパン800の吹出開口822につながるように形成され、吹出ガイド筒330はドレンパン800の吹出開口823につながるように形成され、吹出ガイド筒340はドレンパン800の吹出開口824につながるよう形成されている。
【0028】
図8に吹出ガイド筒310~340を設けたガイド筒ホルダ305を示す。このガイド筒ホルダ305は化粧パネル300の一部を構成する。310a、320a、330aは、吹出ガイド筒310、320、330とドレンパン800の吹出開口821、822、823との間に介在させるスペーサである。図7では吹出ガイド筒340のスペーサは省略し(取り外した状態)ている。305aはガイド筒ホルダ305の前部、305bはガイド筒ホルダ305の後部である。
【0029】
左側の吹出ガイド筒310の下端と吹出口306を連通させる左回転板380Lは、図示しないモータによってガイド筒ホルダ305や吹出ガイド筒310に対して独立して回転可能となっている。また、右側の吹出ガイド筒340の下端と吹出口308を連通させる右回転板380Rも、図示しないモータによってガイド筒ホルダ305や吹出ガイド筒340に対して独立して回転可能となっている。なお、図7では左回転板380Lや右回転板380Rは図示していない。
【0030】
図9図10に下ガイド板390を示す。この下ガイド板390は、ガイド筒ホルダ305における中央の吹出ガイド筒320、330の下面に、吹出ガイド筒320、330から吹き出される空気を混合するために取り付けられる。この下ガイド板390には上端390aから吹出口307となる下端390bにかけて、凹形状の湾曲部391が形成されている。そして、この湾曲部391には、吹出ガイド筒320の下面に位置する左右風向板322と、吹出ガイド筒330の下面に位置する左右風向板332が設けられている。左右風向板322は取付孔392に、左右風向板332は取付孔393に、それぞれ回動可能に取り付けられる。また、この下ガイド板390の前左端394と前右端395の間には上下風向板321が取り付けられている。そして、この上下風向板321の内側321aに、吹出ガイド筒320用の整流板321b、吹出ガイド筒330用の整流板321cが、それぞれ取り付けられている。
【0031】
ここで、図10図12を参照して吹出ガイド筒320の部分を代表として説明する。なお、図10では上下風向板321、左右風向板322、332、整流板321b,321cを省略し、図11図12では整流板321b,321cを省略している。
【0032】
下面カバー370は前述したように下面中カバー371と下面周囲カバー372により形成されている。下面中カバー371は下面周囲カバー372よりも下方向に突出している。そして、ガイド筒ホルダ305の前部305aの下方が下面周囲カバ372の前部372aによって覆われ、ガイド筒ホルダ305の後部305bと下ガイド板390の下方が下面中カバー371によって覆われている。
【0033】
吹出ガイド筒320は、上端開口320aがファンケーシング732の吹出筒732cとドレンパン800の吹出開口822を介してつながり、上端開口320aと下端開口320bの間の湾曲した通風路S4が化粧パネル300の前端301側の下方、つまり前方の斜め下方向を向くように傾斜している。下ガイド板390はその上端390aが吹出ガイド筒320、330に連通し、その上端390aと下端390bとの間の湾曲した通風路S5が通風路S4に連続して通風路S4の傾斜と同じように前端301側の下方に傾斜している。
【0034】
吹出ガイド筒320の前端320cは下面周囲カバー372の前部372aの後端372a1に係合している。下ガイド板390の下端390bの両側の前左端394、左前端395(図9参照)には下面中カバー371の前端371aが係合している。下ガイド板390の下端390bと吹出ガイド筒320の下端開口320bの前端320cの間の吹出口307は、化粧パネル300の前端301側の下方を向いている。
【0035】
この下面中カバー371には、前端371aから化粧パネル300の後端302の方向に伸びる平面部371bが形成され、その平面部371bの後端302側から上斜め方向に伸びる立上り部371cが形成され、その立上り部371cの後端302側に連続する折返し部371dが形成され、その折返し部371dの後端302側から立ち上がる立上り部371eが形成され、その立上り部371eから後端302の方向に伸びる平面のネジ受部371fが形成されている。ネジ受部371fは下面中カバー371の後端となる。
【0036】
下面中カバー371の取り付けは、前端371aを下ガイド板390の下端390bの前左端394、前右端395(図9参照)に係合してから、後部のネジ受部371fをガイド筒ホルダ305の後部305bの後端305b1に対して下方からネジB1によって固定することで行われる。
【0037】
この結果、下ガイド板390と吹出ガイド筒320の一部及びガイド筒ホルダ305の後部305bは下面中カバー371によって覆われ、下方向から見えなくなる。また、その下面中カバー371を取り付けたネジB1は、吸込グリル360を取り付けることによって、吸込グリル360の枠361の立上り部361aが下面中カバー372の後部の立上り部371eに当接することで、下方向から見えなくなる。なお、ガイド筒ホルダ305の前部305aは下面周囲カバー372の前部372aによって覆われ、同様に下方向から見えなくなる。以上から、天井埋込型空気調和機100の下面から見た美観が向上する。
【0038】
さて、天井埋込型空気調和機100の組み立てについて説明する。まず、本体ユニット200の筐体500を、天面板510側を下にして組立台に置き、組立済の第1熱交換器610及び第2熱交換器620を天面板510の内側にそれぞれネジ止めする。
【0039】
次に、組立済みのファンユニット700を、第1熱交換器610と第2熱交換器620の間に位置合わせしてから、ファンモータ710のモータ取付台711を天面板510にネジ止めし、ファンモータ710の一方の回転軸712を回転軸支持板630で支持し、他方の回転軸713を回転軸支持板640で支持する。さらに、ファンケーシング731~734の上面取付部731a~734aを天面板510にネジ止めする。さらに、回転軸支持板630,640をそれぞれ第1熱交換器610と第2熱交換器620に取り付ける。そして、ドレンポンプ900を筐体500の右側面板550の内側に取り付けて、その吐出口920を図2図4に示すドレンパイプ551に連結する。
【0040】
次に、ファンユニット700のファンモータ710から引き出したモータリード線740を、ドレンパン800の吹出開口822と823の間において、そのドレンパン800の上面810aから下面810bにかけて隙間を作らず密着状態で挿通し、下面810bの溝872に配線し、補助金具870の短片874の部分からの外側に引き出しておく。モータリード線740の溝872への配線は圧入又は接着剤によって固定する。
【0041】
次に、ドレンパン800の上面810aの溝841を第1熱交換器610の下部に位置合わせ、溝842を第2熱交換器620の下部に位置合わせしてから、このドレンパン800を筐体500の内側に入るように下から上に押し込んで、補強金具870の短辺873を筐体500の左側面板540にネジ止めし、取付片875,876を右側面板550にネジ止めする。そして、ドレンパン800から引き出されているモータリード線740の先端を右側面板560に取り付けた電装品箱400内の図示しない端子に接続する。このように取り付けられたドレンパン800は、その前端部831は後記する通風路S2に臨むことになる。
【0042】
以上によって、ドレンパン800の4個の吹出開口821~824の上面810aの側に、ファンユニット700の4個のファンケーシング731~734の吹出筒731c~734cが入り込み、吹出開口821~824と吹出筒731c~734cが個々に連通する。また、ドレンパン800のドレンタンク844内にドレンポンプ900の吸込口910が位置する。
【0043】
組み立て済の本体ユニット200は化粧パネル300とは個別に梱包されているので、天井埋込型空気調和機100を設置する際は、まず、その梱包を解いてから、天井裏T2に埋め込まれた複数の吊りボルトに本体ユニット200を取付金具560により吊り下げて天井裏T2に設置する。そして、化粧パネル300を図1に示す空調室R側から取り付ける。
【0044】
このとき、化粧パネル300の吹出ガイド筒320の上端開口322をドレンパン800の下面810bから吹出開口822に挿入し、ファンケーシング732の吹出筒732cに連通させる。また、残りの吹出ガイド筒310,330,340についても同様にドレンパン800の吹出開口821,823,824にそれぞれ挿入し、ファンケーシング731、733、734の吹出筒731c、733c、734cに連通させる。そして、化粧パネル300を本体ユニット200の筐体500にネジ止めし、図示しない冷媒配管、電源線、信号線などを接続する。
【0045】
以上のように組み立てられた天井埋込型空気調和機100は、図13に示すように、第2熱交換器620と背面板530との間の空間S1と、第1熱交換器610と筐体500の前面板520との間の空間S2が、ドレンパン800の下面810bと化粧パネル300との間の通風路S3で連通する。この通風路S3には吹出ガイド筒310~340が配置される。
【0046】
以上から、本実施例の天井埋込型空気調和機100では、化粧パネル300の吸込口350から吸い込まれた空気は、通風路S1から第2熱交換器620に到達する。さらに、化粧パネル300の吸込口350から吸い込まれた空気は、通風路S3と通風路S2を順次経由して、前側の第1熱交換器610にも到達する。このため、吸込口350からの距離が第2熱交換器620よりも遠い場所に、熱交換容量増大のために第1熱交換器610を配置しても、その第1熱交換器61に充分な量の空気を送り込むことが可能となる。
【0047】
また、下ガイド板390の吸込口307が前方斜め下方向を向くよう通風路S3,S4が湾曲して傾斜している。このため、羽根車722、332の回転によって吹き出される空気の流れが吹出ガイド筒320、330によって抵抗を受け難くなり、吹出空気流の天井埋込型空気調和機100前方への到達距離を伸ばすことが可能になる。
【0048】
さらに、ファンユニット700のファンモータ710を電装品箱400に接続するモータリード線740は、ドレンパン800の下面810bの溝872内を配線されるので、そのモータリード線740がドレンパン800の吹出開口821~824に入ることがないことはもとより、ドレンパン800の後端部832側の通風路S1、前端部831側の通風路S2に入り込むこともない。つまり、モータリード線740が化粧パネル300の吸込口350から吸い込まれる空気の通風抵抗となることはない。
【符号の説明】
【0049】
100:天井埋込型空気調和機
200:本体ユニット
300:化粧パネル、305:ガイド筒ホルダ、306~308:吹出口、310~340:吹出ガイド筒、310b、320b、340b:下端開口、322、332:左右風向板、323:ガイド筒、390、390A:下ガイド板、311、321、341:上下風向板、350:吸込口、360:吸込グリル、370:下面カバー、371:下面中カバー、372:下面周囲カバー、380L:左回転板、380R:右回転板
400:電装品箱
500:筐体、510:天面板、520:前面板、530:背面板、540:左側面板、550:右側面板、560:取付金具、551:ホース
600:熱交換器、610:第1熱交換器、620:第2熱交換器、630、640:回転軸支持板
700:ファンユニット、710:ファンモータ、721~724:羽根車、731~734:ファンケーシング、731c~734c:吹出筒、740:モータリード線
800:ドレンパン、810:断熱材、821~824:吹出開口、841~843:溝、844:ドレンタンク、870:補強金具
900:ドレンポンプ

図1
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