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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】真円度計測装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/24 20060101AFI20221122BHJP
   E21D 11/40 20060101ALI20221122BHJP
   E21D 9/093 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
G01B11/24 R
E21D11/40 B
E21D9/093 B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018136127
(22)【出願日】2018-07-19
(65)【公開番号】P2020012764
(43)【公開日】2020-01-23
【審査請求日】2021-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】西森 昭博
(72)【発明者】
【氏名】守屋 洋一
(72)【発明者】
【氏名】上田 潤
(72)【発明者】
【氏名】山下 健司
(72)【発明者】
【氏名】三井 仁哉
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 大輔
(72)【発明者】
【氏名】山中 哲志
【審査官】續山 浩二
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-208094(JP,A)
【文献】特開2012-093268(JP,A)
【文献】特開2018-051600(JP,A)
【文献】特開平08-128815(JP,A)
【文献】特開2018-021321(JP,A)
【文献】特開2014-134439(JP,A)
【文献】特開2018-077254(JP,A)
【文献】特開2016-200530(JP,A)
【文献】特開2007-333457(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/24
E21D 11/40
E21D 9/093
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地山を掘削してトンネルを施工するシールドマシンの後方に設置されたセグメントリングの内周面の真円度を計測する真円度計測装置であって、
前記セグメントリングの内周面上の各点の三次元座標を計測する三次元計測器と、
前記三次元計測器によって計測された各点の三次元座標から、前記セグメントリングの
内周面の真円度を算出するコンピュータと、を備え、
前記三次元計測器が複数あり、少なくとも1台は座標系のX軸、Y軸又はZ軸が前記トンネルの軸に対して平行になるように設置され、
前記三次元計測器が前記セグメントリング内の障害物の表面上の各点の三次元座標を計測し、
前記コンピュータが、
前記各三次元計測器によって計測された各点の三次元座標を前記三次元計測器ごとに取得する取得処理と、
前記取得処理により三次元座標が取得された前記三次元計測器ごとの各点の集合としての前記三次元計測器ごとの点群同士を合成する合成処理と、
前記合成処理により合成された点群から前記セグメントリングの内周面の点群を抽出する第1の抽出処理と、
前記第1 の抽出処理により抽出された前記セグメントリングの内周面の点群から、前記トンネルの軸に直交する面上に存在する点の集合を内周円の点群として抽出する第2の抽出処理と、
前記第2の抽出処理により抽出した前記内周円の点群の各点の三次元座標から前記内周円の中心点の三次元座標を算出する中心点特定処理と、
前記内周円の点群の各点の三次元座標と前記内周円の中心点の三次元座標に基づいて、前記内周円の周方向の位置ごとに前記内周円の半径を算出する半径算出処理と、
前記内周円の周方向の位置ごとに、前記半径算出処理により算出した半径と前記セグメントリングの設計半径との差を算出して、その差を前記セグメントリングの内周面の真円度とする真円度算出処理と、を実行する真円度計測装置。
【請求項2】
前記第1の抽出処理が、
前記合成処理により合成された点群から、前記セグメントリングの継ぎ目となる目地の点群を特徴抽出処理により抽出する目地点群抽出処理と、
前記合成処理により合成された点群から、前記目地点群抽出処理により抽出した目地の点群に近傍の点の集合を前記セグメントリングの内周面の点群として抽出する処理と、を含む請求項1に記載の真円度計測装置。
【請求項3】
前記第1の抽出処理が、
前記合成処理により合成された点群の各点の三次元座標の各成分の平均値を算出することによって、前記セグメントリングの内周面の中心軸を特定する中心軸特定処理と、
前記合成処理により合成された点群から、前記中心軸特定処理により特定された中心軸からの距離が所定しきい値以上となる点の集合を前記セグメントリングの内周面の点群として抽出する処理と、を含む請求項1に記載の真円度計測装置。
【請求項4】
前記三次元計測器が前記セグメントリングの内周面上及び前記セグメントリング内の障害物の表面上の各点の色情報を計測し、
前記第1の抽出処理が、前記合成処理により合成された点群の各点の色情報を参照し、色情報が所定の色となる点の集合を前記セグメントリングの内周面の点群として抽出する処理と、を含む請求項1に記載の真円度計測装置。
【請求項5】
地山を掘削してトンネルを施工するシールドマシンの後方に設置されたセグメントリングの内周面の真円度を計測する真円度計測装置であって、
前記セグメントリングの内周面上の各点の三次元座標を計測する三次元計測器と、
前記三次元計測器によって計測された各点の三次元座標から、前記セグメントリングの内周面の真円度を算出するコンピュータと、を備え、
前記三次元計測器は、座標系のX軸、Y軸又はZ軸が前記トンネルの軸に対して平行になるように設置され、前記セグメントリング内の障害物の表面上の各点の三次元座標を計測し、
前記コンピュータが、
前記三次元計測器によって計測された各点の三次元座標を取得する取得処理と、
前記取得処理により三次元座標が取得された各点の集合としての点群から、前記セグメントリングの内周面の点群を抽出する第1の抽出処理と、
前記第1の抽出処理により抽出された前記セグメントリングの内周面の点群から、前記トンネルの軸に直交する面上に存在する点の集合を内周円の点群として抽出する第2の抽出処理と、
前記第2の抽出処理により抽出した前記内周円の点群の各点の三次元座標から前記内周円の中心点の三次元座標を算出する中心点特定処理と、
前記内周円の点群の各点の三次元座標と前記内周円の中心点の三次元座標に基づいて、前記内周円の周方向の位置ごとに前記内周円の半径を算出する半径算出処理と、
前記内周円の周方向の位置ごとに、前記半径算出処理により算出した半径と前記セグメントリングの設計半径との差を算出して、その差を前記セグメントリングの内周面の真円度とする真円度算出処理と、を実行する真円度計測装置
【請求項6】
前記中心点特定処理が、
前記第2の抽出処理により抽出した前記内周円の点群の各点の最近傍同士を線で結ぶことによってこれらの線からなる閉曲線を生成し、その閉曲線の重心の三次元座標を前記内周円の中心点の三次元座標として算出する処理を含む請求項1から5の何れか一項に記載の真円度計測装置。
【請求項7】
前記中心点特定処理が、
前記第2の抽出処理により抽出した前記内周円の点群の各点の三次元座標の各成分の平均値を前記内周円の中心点の三次元座標の各成分として算出する処理を含む請求項1から5の何れか一項に記載の真円度計測装置。
【請求項8】
前記中心点特定処理が、
前記第2の抽出処理により抽出した前記内周円の点群の各点の三次元座標から近似円を求めて、その近似円の中心点の三次元座標を前記内周円の中心点の三次元座標として算出する請求項1から5の何れか一項に記載の真円度計測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セグメントリングの内周面の真円度を計測する真円度計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シールド工法では、掘進工程とセグメント組立工程を交互に繰り返して実施する。掘進工程では、シールドマシンによって地山を掘削しながら、既設のセグメントリングから反力を取ることによってシールドマシンを前進させる。セグメント組立工程では、シールドマシンの掘進後に既設のセグメントリングの前に新たなセグメントリングをエレクタによって組み立てる。
【0003】
新たなセグメントリングを既設のセグメントリングの前に継ぎ足すにあたって、セグメントリングを真円に高精度に保って新たなセグメントリングを組み立てる必要がある。そのためには、セグメントリングの真円度を計測する必要があり、真円度の計測技術が例えば特許文献1に開示されている。特許文献1の記載によれば、円環状のフレームがシールドマシンの後部の架台に取り付けられ、非接触式の測距センサがそのフレームに取り付けられ、測距センサからセグメントリングまでの距離をその測距センサにより計測する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4682168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献1に記載の技術では、円環状のフレームはセグメント組立作業等の妨げになる。
【0006】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、作業の妨げとならない真円度計測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するために、地山を掘削してトンネルを施工するシールドマシンの後方に設置されたセグメントリングの内周面の真円度を計測する真円度計測装置は、前記セグメントリングの内周面上の各点の三次元座標を計測する三次元計測器と、前記三次元計測器によって計測された各点の三次元座標から、前記セグメントリングの内周面の真円度を算出するコンピュータと、を備える。
【0008】
以上によれば、セグメントリングの内周面上の各点の三次元座標を三次元計測器によって計測し、計測された各点の三次元座標からセグメントリングの内周面の真円度をコンピュータによって算出するため、三次元計測器及びコンピュータの設置場所の自由度が高く、三次元計測器及びコンピュータが作業の妨げにならない。
【0009】
前記三次元計測器が複数あり、少なくとも1台は座標系のX軸、Y軸又はZ軸が前記トンネルの軸に対して平行になるように設置され、前記三次元計測器が前記セグメントリング内の障害物の表面上の各点の三次元座標を計測し、前記コンピュータが、前記各三次元計測器によって計測された各点の三次元座標を前記三次元計測器ごとに取得する取得処理と、前記取得処理により三次元座標が取得された前記三次元計測器ごとの各点の集合としての前記三次元計測器ごとの点群同士を合成する合成処理と、前記合成処理により合成された点群から前記セグメントリングの内周面の点群を抽出する第1 の抽出処理と、前記第1 の抽出処理により抽出された前記セグメントリングの内周面の点群から、前記トンネルの軸に直交する面上に存在する点の集合を内周円の点群として抽出する第2 の抽出処理と、前記第2 の抽出処理により抽出した前記内周円の点群の各点の三次元座標から前記内周円の中心点の三次元座標を算出する中心点特定処理と、前記内周円の点群の各点の三次元座標と前記内周円の中心点の三次元座標に基づいて、前記内周円の周方向の位置ごとに前記内周円の半径を算出する半径算出処理と、前記内周円の周方向の位置ごとに、前記半径算出処理により算出した半径と前記セグメントリングの設計半径との差を算出して、その差を前記セグメントリングの内周面の真円度とする真円度算出処理と、を実行する。
【0010】
以上によれば、1台の三次元計測器では、セグメントリングの内周面全周にわたって各点の三次元座標を計測できない場合でも、複数の三次元計測器を用いることによってセグメントリングの内周面全周にわたって各点の三次元座標を計測できる。
合成処理により三次元計測器ごとの点群同士を合成するため、各点群の座標系を統一することができる。
第1の抽出処理によってセグメントの内周面の点群を抽出するため、障害物の影響を受けにくく、セグメントリングの内周面の真円度を正確に計測することができる。
第2の抽出処理によって内周円の点群を抽出するため、コンピュータの処理負担を軽減できる。
【0011】
前記第1の抽出処理が、前記合成処理により合成された点群から、前記セグメントリングの継ぎ目となる目地の点群を特徴抽出処理により抽出する目地点群抽出処理と、前記合成処理により合成された点群から、前記目地点群抽出処理により抽出した目地の点群に近傍の点の集合を前記セグメントリングの内周面の点群として抽出する処理と、を含む。
【0012】
以上によれば、セグメントリングの継ぎ目となる目地の点群を用いたため、抽出された点群はセグメントの内周面を正確に表現する。
【0013】
前記第1の抽出処理が、前記合成処理により合成された点群の各点の三次元座標の各成分の平均値を算出することによって、前記セグメントリングの内周面の中心軸を特定する中心軸特定処理と、前記合成処理により合成された点群から、前記中心軸特定処理により特定された中心軸からの距離が所定しきい値以上となる点の集合を前記セグメントリングの内周面の点群として抽出する処理と、を含む。
【0014】
以上によれば、合成処理により合成された点群の各点の三次元座標の各成分の平均値によってセグメントリングの内周面の中心軸を特定し、その中心軸からの距離が所定しきい値以上となる点の集合を抽出するため、抽出された点の集合はセグメントの内周面を正確に表現する。
【0015】
前記三次元計測器が前記セグメントリングの内周面上及び前記セグメントリング内の障害物の表面上の各点の色情報を計測し、前記第1の抽出処理が、前記合成処理により合成された点群の各点の色情報を参照して、色情報が所定の色となる点の集合を前記セグメントリングの内周面の点群として抽出する処理と、を含む。
【0016】
セグメントの内周面は障害物と色が違うため、以上のような処理により抽出された点群はセグメントの内周面を正確に表現する。
【0017】
前記三次元計測器は、座標系のX軸、Y軸又はZ軸が前記トンネルの軸に対して平行になるように設置され、前記セグメントリング内の障害物の表面上の各点の三次元座標を計測し、前記コンピュータが、前記三次元計測器によって計測された各点の三次元座標を取得する取得処理と、前記取得処理により三次元座標が取得された各点の集合としての点群から、前記セグメントリングの内周面の点群を抽出する第1の抽出処理と、前記第1の抽出処理により抽出された前記セグメントリングの内周面の点群から、前記トンネルの軸に直交する面上に存在する点の集合を内周円の点群として抽出する第2の抽出処理と、前記第2の抽出処理により抽出した前記内周円の点群の各点の三次元座標から前記内周円の中心点の三次元座標を算出する中心点特定処理と、前記内周円の点群の各点の三次元座標と前記内周円の中心点の三次元座標に基づいて、前記内周円の周方向の位置ごとに前記内周円の半径を算出する半径算出処理と、前記内周円の周方向の位置ごとに、前記半径算出処理により算出した半径と前記セグメントリングの設計半径との差を算出して、その差を前記セグメントリングの内周面の真円度とする真円度算出処理と、を実行する。
【0018】
以上によれば、第1の抽出処理によってセグメントの内周面の点群を抽出するため、障害物の影響を受けにくく、セグメントリングの内周面の真円度を正確に計測することができる。
第2の抽出処理によって内周円の点群を抽出するため、コンピュータの処理負担を軽減できる。
【0019】
前記中心点特定処理が、前記第2の抽出処理により抽出した前記内周円の点群の各点の最近傍同士を線で結ぶことによってこれらの線からなる閉曲線を生成し、その閉曲線の重心の三次元座標を前記内周円の中心点の三次元座標として算出する処理を含む。
【0020】
以上によれば、内周円の中心点の三次元座標を正確に算出することができる。
【0021】
前記中心点特性処理が、前記第2の抽出処理により抽出した前記内周円の点群の各点の三次元座標の各成分の平均値を前記内周円の中心点の三次元座標の各成分として算出する処理を含む。
【0022】
以上によれば、内周円の中心点の三次元座標を正確に算出することができる。
【0023】
前記中心点特定処理が、前記第2の抽出処理により抽出した前記内周円の点群の各点の三次元座標から近似円を求めて、その近似円の中心点の三次元座標を前記内周円の中心点の三次元座標として算出する。
【0024】
以上によれば、内周円の中心点の三次元座標を正確に算出することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、作業の妨げにならない真円度計測装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】トンネル施工工事に用いられるシールドマシンを示した図である。
図2】真円度計測装置のブロック図である。
図3】基準三次元計測器によって三次元座標及び色情報が計測された各点からなる点群を示した図面である。
図4】付随三次元計測器によって三次元座標及び色情報が計測された各点からなる点群を示した図面である。
図5図3図4に示す点群を合成することによって得られた合成点群を示した図面である。
図6】合成点群及びそれに含まれる内周円の点群を示した図面である。
図7】内周円の点群を示した図面である。
図8】内周円の点群及び閉曲線を示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0028】
1. シールドマシン及びセグメントリング
図1は、地山を掘削するシールドマシン10を示した図である。スキンプレート11はシールドマシン10の外殻体を構成するものである。スキンプレート11はリングガーダー12によって補強されている。スキンプレート11の先端部に回転カッター13が設けられている。スキンプレート11の内側に、カッター駆動機構14、シールドジャッキ15、作業架台16、排土装置17、エレクタ18等が設けられている。作業架台16が後方に張り出しており、その作業架台16には保持器具25が取り付けられている。保持器具25によって既設のセグメントリング20が真円に保持される。
【0029】
トンネル施工工事では、シールドマシン10の掘進工程とセグメントリング20の組立工程を交互に繰り返して実施する。
シールドマシン10の掘進に際しては、回転カッター13がカッター駆動機構14によって回転駆動されると、地山が掘削される。掘削により発生した土砂はチャンバー19に貯められて、排土装置17によってチャンバー19から排土される。地山の掘削中、シールドジャッキ15を施工済みのセグメントリング20に押し当てた状態で、シールドジャッキ15を伸張させることによってセグメントリング20から反力をとって、シールドマシン10が推進力を得る。
シールドマシン10を掘進させた後、シールドジャッキ15を収縮させる。そして、エレクタ18によって既設のセグメントリング20の前にセグメントをリング状に組み立てることによって新たなセグメントリング20を組み立てる。
【0030】
以上のようにシールドマシン10の掘進工程とセグメントリング20の組立工程を交互に繰り返し実施することによって、これらセグメントリング20をトンネルの軸方向に配列させる。セグメントリング20の配列の内周面には、隣り合うセグメントリング20の継ぎ目となる目地21が形成されている。目地21の形状は円形であり、その円はトンネルの軸方向に対して垂直である。
【0031】
以上のようなトンネル施工工事中に、これらセグメントリング20、特に切羽に近いセグメントリング20の真円度を計測すべく、図2に示す真円度計測装置30を用いる。
【0032】
2. 真円度計測装置
図2は、真円度計測装置30のブロック図である。
【0033】
真円度計測装置30は、コンピュータ31、表示デバイス32、入力デバイス33、記憶部34及び複数の三次元計測器35等を備える。
コンピュータ31は、CPU、GPU、ROM、RAM、システムバス及びハードウェアインタフェース等を有する。
表示デバイス32は、例えば液晶ディスプレイデバイス、有機ELディスプレイデバイス又はプロジェクタである。コンピュータ31が演算処理によって映像信号を生成し、その映像信号を表示デバイス32に出力する。そうすると、映像信号に従った画面が表示デバイス32に表示される。表示デバイス32とコンピュータ31が一体化されていてもよいし、別体であってもよい。
入力デバイス33は、例えばスイッチ、キーボード若しくはポインティングデバイス又はこれらの組み合わせである。入力デバイス33は、表示デバイス32の表面に設けられたタッチパネルであってもよい。入力デバイス33は、操作されると操作内容に応じた信号をコンピュータ31に出力する。
【0034】
記憶部34は、半導体メモリ又はハードディスクドライブ等からなる記憶装置である。記憶部34は、コンピュータ31に内蔵されたものでもよいし、コンピュータ31に外付けされたものでもよい。記憶部34には、コンピュータ31によって読取可能且つ実行可能なプログラム40が格納されている。コンピュータ31の機能及び演算処理は、プログラム40によって実現される。
【0035】
三次元計測器35は、計測対象物の表面上の多数の点の三次元座標及び色情報を非接触で計測する。三次元計測器35によって計測される各点の三次元座標は、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸によって定義される直交座標系によって表現される。つまり、三次元計測器35によって計測される各点の三次元座標はX座標、Y座標及びZ座標からなる。三次元計測器35によって計測される各点の色情報はR値、G値及びB値からなる。なお、色情報の色空間はRGB以外、例えばHSV又はHLSであってもよい。
【0036】
三次元計測器35には、計測対象物に赤外線を照射する赤外線照射器と、距離画像カメラ(奥行き画像カメラ)又は三次元レーザースキャナーと、カラー画像カメラと、距離画像カメラ又は三次元レーザースキャナーの出力信号とカラー画像カメラの出力信号を信号処理することによって各点の三次元座標及び色情報に変換するマイコンと、を有する。但し、三次元計測器35がマイコン等を有さず、三次元計測器35の出力信号がコンピュータ31によって信号処理されることによって、コンピュータ31が三次元計測器35の出力信号を各点の三次元座標及び色情報に変換してもよい。
【0037】
ここで、距離画像カメラはその距離画像カメラから計測対象物の表面上の各点までの距離を計測するものであり、距離画像カメラの撮像によって得られる画像の各画素の値は距離を表す。距離画像カメラの測距方式は、TOF(Time of Flight:光飛行時間)方式であってもよいし、Light Coding方式であってもよい。
【0038】
三次元計測器35がカラー画像カメラを有さず、計測対象物の表面上の各点の色情報が三次元計測器35によって計測されず、各点の三次元座標が三次元計測器35によって計測されてもよい。
【0039】
図1に示すように、三次元計測器35は、切羽に近い前方のセグメントリング20の内周面に向けられた状態で作業架台16の後部に設置されている。各三次元計測器35の計測範囲は相互に部分的に重なっている。三次元計測器35の設置の位置及び向きが決まると、直交座標系の原点の位置及び各軸の向きが決まるが、少なくとも1台の三次元計測器35は座標系のX軸、Y軸又はZ軸がトンネルの軸に対して平行になるように設置されている。X軸、Y軸又はZ軸がトンネルの軸に対して平行となるように設置された1つの三次元計測器35を基準三次元計測器35Aと称呼し、他の三次元計測器35を付随三次元計測器35Bと称呼する。以下の説明では、基準三次元計測器35Aの座標系のZ軸がトンネルの軸に対して平行であり、X軸が水平であり、Y軸が鉛直であるものとする。
【0040】
三次元計測器35が切羽に近い前方のセグメントリング20の内周面に向けられているため、これらセグメントリング20の内周面上の多数の点の三次元座標及び色情報が三次元計測器35によって計測される。各三次元計測器35の計測範囲には、作業架台16、エレクタ18、排土装置17及び保持器具25等の各種機器も含まれる。以下、各三次元計測器35の計測範囲に含まれる計測対象物のうち、セグメントリング20以外を障害物と称呼する。セグメントリング20の内周面の色は灰色であるが、作業架台16等の障害物の色は灰色以外であることが多い。
【0041】
複数台の三次元計測器35が以上のように設置されているため、これら三次元計測器35によってセグメントリング20の内周面を周方向全体に亘って計測することができる。
【0042】
なお、図1中、二点鎖線で示すように、三次元計測器35が切羽から離れる方向に向けた状態でリングガーダー12に設置されてもよい。また、三次元計測器35が保持器具25に設置されていてもよい。
【0043】
3. コンピュータが実行する処理
プログラム40が以下に説明する処理をコンピュータ31に実行させて、セグメントリング20の真円度がコンピュータ31によって算出される。なお、プログラム40に従った処理に先立って、作業者が三次元計測器35を設置して、三次元計測器35をコンピュータ31に接続する。
【0044】
(1) 計測処理・取得処理
まず、コンピュータ31が各三次元計測器35を制御することによって、各三次元計測器35がセグメントリング20の内周面及び障害物の表面を計測する。そして、各三次元計測器35が計測結果をコンピュータ31に転送して、コンピュータ31がセグメントリング20の内周面及び障害物の表面上の各点の三次元座標及び色情報を三次元計測器35ごとに取得する。ここで、上述したように各三次元計測器35の計測結果から三次元座標及び色情報に変換する処理は、各三次元計測器35のマイコンが行ってもよいし、コンピュータ31が行ってもよい。
【0045】
コンピュータ31が取得した三次元座標及び色情報の集合には、セグメントリング20の内周面上の各点の三次元座標及び色情報のほかに、障害物の表面上の点も含まれる。また、コンピュータ31が各点の三次元座標及び色情報の集合を三次元計測器35ごとに取得するため、集合の数は三次元計測器35の数に等しい。
【0046】
以下、三次元計測器35によって三次元座標及び色情報が計測された点の集合を点群(point cloud)と称する。また、基準三次元計測器35Aによって計測された点群を基準点群と称し、付随三次元計測器35Bによって計測された点群を付随点群と称する。なお、図3に基準点群91の一例を示し、図4に付随点群92の一例を示す。図3及び図4では、セグメントリング20の内周面上の各点を図示し、障害物の表面上の各点の図示を省略するが、実際には、基準点群91及び付随点群92には、セグメントリング20の内周面上の各点のみならず、障害物の表面上の各点も含まれる。
【0047】
(2) 合成処理
コンピュータ31が、基準点群91の各点の座標及び付随点群92の各点の座標を共通の座標系で表現することによって、付随点群92を基準点群91に合成する。具体的には、コンピュータ31が以下のような特徴量算出処理、マッチング処理及び座標変換処理を実行すると、付随点群92が基準点群91に合成される。
【0048】
まず、コンピュータ31が基準点群91について特徴量を算出する。同様に、コンピュータ31が付随点群92について特徴量を算出する。
次に、コンピュータ31が、基準点群91の特徴量と付随点群92の特徴量に基づいて、同一の計測対象点の三次元座標及び色情報を表す基準点群91の点と付随点群92の点をマッチングさせる。
次に、コンピュータ31が、マッチングした点のX座標、Y座標及びZ座標から座標変換行列を求めて、その座標変換行列に基づいて付随点群92の各点の座標を基準点群91の座標系に変換する。
これにより、付随点群92と基準点群91が共通の座標系で表現され、付随点群92が基準点群91に合成されて、図5に示すような点群93が生成される。三次元計測器35が3台以上ある場合、付随点群92が複数あるため、コンピュータ31が残りの付随点群92も同様にして基準点群91に合成する。なお、図5では、障害物の表面の点群の図示を省略するが、実際には、合成後の点群93には、セグメントリング20の内周面の点群のみならず、障害物の表面の点群も含まれている。
【0049】
その後、コンピュータ31が、合成点群93をフィルタリング処理して、ノイズを除去する。
【0050】
以上の合成処理により三次元計測器35ごとの点群同士を合成することによって、各点群の座標系を基準点群91の座標系に統一することができる。
【0051】
(3) セグメントの内周面の点群の抽出処理
次に、コンピュータ31が、合成点群93からセグメントリング20の内周面の点群を抽出する。これにより、セグメントリング20の内側にある障害物の影響を低くすることができる。
合成点群93からセグメントリング20の内周面の点群を抽出する処理は、例えば次の(3-1)~(3-3)の何れかの通りである。なお、次の(3-3)は、障害物の色が灰色以外である場合に適用可能である。
【0052】
(3-1)
まず、コンピュータ31が、特徴抽出処理を行うことによって、合成点群93から目地21の点群94を抽出する。
次に、コンピュータ31が、合成点群93から、目地21の点群94の各点のXY座標に近似した点を抽出する。具体的には、合成点群93の各点のXY座標と目地21の点群94の各点のXY座標とを利用して、合成点群93の各点から目地21の点群94の各点までの距離を求める。そして、コンピュータ31が、求めた距離が所定しきい値以下となる点を抽出する。抽出した点の集合がセグメントリング20の内周面の点群である。
以上のように目地21の点群94を用いたため、抽出された点群はセグメントリング20の内周面を正確に表現する。
【0053】
(3-2)
まず、コンピュータ31が、合成点群93の各点のX座標の平均値、Y座標の平均値及びZ座標の平均値を算出する。X座標の平均値及びY座標の平均値はセグメントリング20の内周面の中心軸の仮の位置を表す。
次に、コンピュータ31が、合成点群93の各点のXY座標とセグメントリング20の内周面の中心軸の仮の位置のXY座標とを利用して、合成点群93の各点からセグメントリング20の内周面の中心軸の仮の位置までの距離を求める。そして、コンピュータ31が、求めた距離が所定しきい値以上となる点を抽出する。所定しきい値がセグメントリング20の内周面の設計半径よりも僅かに小さい値であるので、抽出した点の集合がセグメントリング20の内周面の点群である。
セグメントリング20の内周面の中心軸からの距離が所定しきい値以上となる点の集合を抽出するため、抽出された点の集合はセグメントリング20の内周面を正確に表現する。
【0054】
(3-3)
まず、コンピュータ31が、合成点群93の各点の色情報を参照して、色情報が灰色となる点を抽出する。セグメントリング20の内周面の色が灰色であるので、抽出した点の集合がセグメントリング20の内周面の点群である。
以上のように抽出された点群はセグメントの内周面を正確に表現する。
【0055】
(4) セグメントリングの内周円の点群の抽出処理
次に、コンピュータ31が、図6に示すように、セグメントリング20の内周面の点群95から、Z軸に直交するXY平面上に存在する点を抽出する。具体的には、コンピュータ31が、所定の値を指定して、セグメントリング20の内周面の点群95の中から、Z座標がその所定の値となる点を抽出する。図6及び図7に示すように、それら点の集合96がセグメントリング20の内周円の点群である。
【0056】
所定の値は、例えば、隣り合う目地21の点群94の各点のZ座標の平均値であって、コンピュータ31によって算出されたものである。つまり、コンピュータ31が、特徴抽出処理を行うことによって、合成点群93から隣り合う目地21の点群94を抽出し、それら点群94の各点の座標の平均値を算出する。
【0057】
同様にして、コンピュータ31が、別のXY平面上に存在する内周円の点群96を抽出する。以下に説明する処理は、共通のXY平面上に存在する内周円の点群96ごとに行われる。
【0058】
以上のように内周円の点群96を抽出したため、点の数が減少し、以後の処理負担が軽減される。
【0059】
(5) 内周円の中心点の特定処理
次に、コンピュータ31が、共通のXY平面に存在する内周円の点群96の各点のXYZ座標に基づいて、その内周円の中心点97のXYZ座標を算出する。例えば、次の(5-1)~(5-3)の何れかの通りであるが、以下の(5-1)~(5-3)の何れでも中心点97のZ座標は内周円の点群96の各点のZ座標に等しい。これは、共通のXY平面に存在する内周円の点群96の各点のZ座標が互いに等しいためである。
【0060】
(5-1)
まず、コンピュータ31が、図8に示すように、内周円の点群96の各点を最近傍の点に線で結ぶことによってこれらの線からなる閉曲線98を生成する。そして、コンピュータ31が、閉曲線98の重心のXYZ座標を算出する。算出したXYZ座標が内周円の中心点97のXYZ座標である。このような処理により、内周円の中心点97のXYZ座標を正確に算出することができる。
【0061】
(5-2)
コンピュータ31が、内周円の点群96の各点のX座標の平均値を算出し、Y座標の平均値を算出し、更にZ座標の平均値を算出する。算出したX座標の平均値が内周円の中心点97のX座標であり、算出したY座標の平均値が内周円の中心点97のY座標であり、算出したZ座標の平均値が内周円の中心点97のZ座標である。このような処理により、内周円の中心点97のXYZ座標を正確に算出することができる。
【0062】
(5-3)
コンピュータ31が、最小二乗法等の回帰分析により、内周円の点群96の各点のXYZ座標から近似円(特にその方程式)を求める。そして、コンピュータ31が、その近似円の中心点のXYZ座標を求める。その近似円の中心点のXYZ座標が内周円の中心点97のXYZ座標である。このような処理により、内周円の中心点97のXYZ座標を正確に算出することができる。
【0063】
(6) 半径算出
次に、コンピュータ31が、内周円の点群96の各点のXYZ座標及び中心点97のXYZ座標に基づいて、その内周円の周方向の位置ごとに内周円の半径を算出する。例えば、次の(6-1)又は(6-2)の方法で算出する。
【0064】
(6-1)
コンピュータ31が、2点間の距離の公式に従って、内周円の点群96の各点について中心点97までの距離を算出する。算出した距離が内周円の半径である。
【0065】
(6-2)
まず、コンピュータ31が、内周円の点群96から、内周円の頂部近傍の幾つかの点(図7に示す領域A内の点)を抽出する。次に、コンピュータ31が、最小二乗法等の回帰分析により、これらの点のXYZ座標から近似直線(特にその方程式)を求める。次に、コンピュータ31が、点と直線の距離の公式に従って、近似直線から中心点97までの距離を算出する。算出した距離が内周円の半径である。
【0066】
図7に示す各領域B~H内についても同様の処理が行われる。ここで、領域Bは内周円の底部近傍の範囲を表し、領域Cは内周円の一方の側部近傍の範囲を表し、領域Dは内周円の他方の側部近傍の範囲を表す。領域Eは領域Aと領域Cの間にあり、領域Fは領域Bと領域Dの間にあり、領域Gは領域Dと領域Aの間にあり、領域Hは領域Cと領域Bの間にある。領域A,F,C,H,B,E,D,Gはこれらの順に中心角45°のピッチで周方向に配列されている。
【0067】
(7) 真円度の算出処理
次に、コンピュータ31が、内周円の周方向の位置ごとに、上記(6)の処理において算出した半径と設計値の差を算出する。算出した差が真円度である。設計値とは、セグメントリング20の内周面の設計半径である。設計値は、記憶部34に予め記憶されているか、プログラム40に予め組み込まれているか、ユーザが入力デバイス33を用いて入力したものである。
【0068】
(8) 結果の記録・出力処理
次に、コンピュータ31が、算出した真円度を記憶部34に記録する。また、コンピュータ31がその真円度を数値により表示デバイス32に表示させる。なお、コンピュータ31がネットワークにより他のコンピュータに接続されている場合、コンピュータ31がその真円度を他のコンピュータに送信し、その真円度が他のコンピュータによって記憶・管理されてもよい。
【0069】
4. 有利な効果
セグメントリング20の内周面上の各点の三次元座標を三次元計測器35によって計測し、計測された各点の三次元座標からセグメントリング20の内周面の真円度をコンピュータ31によって算出するため、小規模な真円度計測装置30を提供することができる。また、三次元計測器35及びコンピュータ31の設置場所の自由度が高く、三次元計測器35及びコンピュータ31が作業の妨げにならない。
【0070】
作業員が誤って付随三次元計測器35Bに接触して、付随三次元計測器35の位置ずれが発生しても、真円度を計測することができる。これは付随三次元計測器35Bの座標系を基準三次元計測器35Aの座標系に変換するためである。
【0071】
XY平面ごとに内周円の点群96を抽出するため、複数の鉛直断面における内周円の真円度を計測することができる。例えば、切羽に最も近い鉛直断面における内周円の真円度を計測すれば、その真円度は組立直後の段階の計測値であり、切羽に2番目に近い鉛直断面における内周円の真円度を計測すれば、その真円度はシールドマシン10のテールの通過直後の段階の計測値であり、切羽に3番目に近い鉛直断面における内周円の真円度を計測すれば、その真円度は裏込め材注入直後の段階の計測値である。
【0072】
5. 変形例
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。以下に、以上の実施形態からの変更点について説明する。以下に説明する変更点は、可能な限り組み合わせて適用してもよい。
【0073】
(1) 上記実施形態では、複数台の三次元計測器35を用いた。それに対して、1台の三次元計測器35によってセグメントリング20の内周面を周方向全体に亘って三次元座標及び色情報を計測することができるのであれば、1台の三次元計測器35を用いてもよい。この場合、その三次元計測器35は座標系のX軸、Y軸又はZ軸がトンネルの軸に対して平行になるように設置されており、その三次元計測器35が基準三次元計測器35Aとなる。また、コンピュータ31の処理は、「(2) 合成処理」を省略して、上述の「(1) 計測処理・取得処理」から「(3) セグメントの内周面の点群の抽出処理」に移行する。そして、「(3) セグメントの内周面の点群の抽出処理」及び「(4) セグメントリングの内周円の点群の抽出処理」では、合成点群93の代わりに基準点群91が利用される。つまり、「(3) セグメントの内周面の点群の抽出処理」及び「(4) セグメントリングの内周円の点群の抽出処理」の説明における「合成点群93」を「基準点群91」に読み替える。
【0074】
(2) 上記実施形態では、基準三次元計測器35Aの座標系のZ軸がトンネルの軸に対して平行であったが、そうでなくてもよい。この場合、トンネルの軸に平行なターゲットがセグメントリング20内に設置されており、そのターゲット上の各点の三次元座標及び色情報が三次元計測器35によって計測される。そして、コンピュータ31は、合成点群93に含まれるターゲットの各点のXYZ座標から座標変換行列を計算して、Z軸がトンネルの軸に対して平行な座標系に合成点群93を座標変換行列によって座標変換する。
【符号の説明】
【0075】
10…シールドマシン
20…セグメントリング
21…目地
30…真円度計測装置
31…コンピュータ
35…三次元計測器
91…基準点群
92…付随点群
93…合成点群
94…目地の点群
95…セグメントリングの内周面の点群
96…内周円の点群
97…内周円の中心点
98…閉曲線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8