(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】俯瞰画像生成装置、俯瞰画像生成方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20221122BHJP
B60R 1/00 20220101ALI20221122BHJP
G06T 3/00 20060101ALI20221122BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
H04N7/18 J
B60R1/00
G06T3/00 735
G08G1/16 C
(21)【出願番号】P 2018142139
(22)【出願日】2018-07-30
【審査請求日】2021-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加納 憲一
【審査官】秦野 孝一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-109875(JP,A)
【文献】特開2016-119526(JP,A)
【文献】特開2016-46561(JP,A)
【文献】特開2012-105158(JP,A)
【文献】国際公開第2011/145141(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
B60R 1/00
G06T 3/00
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の周辺を撮像した周辺画像を取得する画像取得部と、
前記車両の周辺において検出した障害物の前記車両への近接状態を示す近接情報を取得する近接情報取得部と、
前記周辺画像から前記車両を鉛直方向の上方から見下ろすように視点変換処理を行った俯瞰画像を生成する俯瞰画像生成部と、
前記近接情報に基づき、前記車両への前記障害物の近接状態を、前記車両の鉛直方向における位置毎に示す近接状態画像を生成する近接状態画像生成部と、
前記俯瞰画像と前記近接状態画像とを重畳して表示部に表示させる表示制御部と、
を有
し、
前記俯瞰画像生成部は、前記車両を示す自車画像が前記俯瞰画像の中央部に位置するように、前記俯瞰画像を生成し、
前記自車画像は、前記車両の鉛直方向上側の面を中心とした展開図であり、前記車両の鉛直方向における位置の情報を含んでいる、
俯瞰画像生成装置。
【請求項2】
車両の周辺を撮像した周辺画像を取得する画像取得部と、
前記車両の周辺において検出した障害物の前記車両への近接状態を示す近接情報を取得する近接情報取得部と、
前記周辺画像から前記車両を鉛直方向の上方から見下ろすように視点変換処理を行った俯瞰画像を生成する俯瞰画像生成部と、
前記近接情報に基づき、前記車両への前記障害物の近接状態を、前記車両の鉛直方向における位置毎に示す近接状態画像を生成する近接状態画像生成部と、
前記俯瞰画像と前記近接状態画像とを重畳して表示部に表示させる表示制御部と、
を有し、
前記近接状態画像生成部は、前記車両への前記障害物の近接状態を示す下側近接状態画像と、前記下側近接状態画像よりも前記車両の鉛直方向上側への前記障害物の近接状態を示す上側近接状態画像とを、前記近接状態画像として生成し、前記上側近接状態画像を、前記下側近接状態画像よりも前記俯瞰画像の中央部側に表示させる、
俯瞰画像生成装置。
【請求項3】
車両の周辺を撮像した周辺画像を取得する画像取得部と、
前記車両の周辺において検出した障害物の前記車両への近接状態を示す近接情報を取得する近接情報取得部と、
前記周辺画像から前記車両を鉛直方向の上方から見下ろすように視点変換処理を行った俯瞰画像を生成する俯瞰画像生成部と、
前記近接情報に基づき、前記車両への前記障害物の近接状態を、前記車両の鉛直方向における位置毎に示す近接状態画像を生成する近接状態画像生成部と、
前記俯瞰画像と前記近接状態画像とを重畳して表示部に表示させる表示制御部と、
を有し、
前記俯瞰画像は、周囲俯瞰画像と、前記周囲俯瞰画像の内側に表示される自車画像とを含み、
前記自車画像は、前記車両の上面の画像を車両の側面の画像が囲うように配置される、
俯瞰画像生成装置。
【請求項4】
前記俯瞰画像生成部は、前記車両を示す自車画像が前記俯瞰画像の中央部に位置するように、前記俯瞰画像を生成し、前記自車画像は、前記車両の鉛直方向における位置の情報を含んでいる、請求項
2に記載の俯瞰画像生成装置。
【請求項5】
前記俯瞰画像生成部は、前記車両の鉛直方向上側の面を中心とした展開図を前記自車画像として、前記俯瞰画像を生成する、請求項
3又は請求項4に記載の俯瞰画像生成装置。
【請求項6】
前記近接状態画像生成部は、前記車両への前記障害物の近接状態を示す下側近接状態画像と、前記下側近接状態画像よりも前記車両の鉛直方向上側への前記障害物の近接状態を示す上側近接状態画像とを、前記近接状態画像として生成し、前記上側近接状態画像を、前記下側近接状態画像よりも前記俯瞰画像の中央部側に表示させる、請求項
1又は請求項3に記載の俯瞰画像生成装置。
【請求項7】
前記近接状態画像生成部は、前記車両の位置毎に、前記近接状態画像の表示内容を異ならせ、
前記俯瞰画像生成部は、前記障害物を示す画像の表示内容を、その障害物が近接している位置の前記近接状態画像の表示内容に対応付ける、請求項1から請求項
5のいずれか1項に記載の俯瞰画像生成装置。
【請求項8】
前記近接状態画像は、前記車両の鉛直方向における障害物が近接する位置に基づいて、前記車両を示す自車画像内の異なる位置に重畳して表示される、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の俯瞰画像生成装置。
【請求項9】
車両の周辺を撮像した周辺画像を取得する画像取得ステップと、
前記車両の周辺において検出した障害物の前記車両への近接状態を示す近接情報を取得する近接情報取得ステップと、
前記周辺画像から前記車両を鉛直方向の上方から見下ろすように視点変換処理を行った俯瞰画像を生成する俯瞰画像生成ステップと、
前記近接情報に基づき、前記車両への前記障害物の近接状態を、前記車両の鉛直方向における位置毎に示す近接状態画像を生成する近接状態画像生成部ステップと、
前記俯瞰画像と前記近接状態画像とを表示部に表示させる表示制御ステップと、
を含
み、
前記俯瞰画像生成ステップでは、前記車両を示す自車画像が前記俯瞰画像の中央部に位置するように、前記俯瞰画像を生成し、
前記自車画像は、前記車両の鉛直方向上側の面を中心とした展開図であり、前記車両の鉛直方向における位置の情報を含んでいる、
俯瞰画像生成方法。
【請求項10】
車両の周辺を撮像した周辺画像を取得する画像取得ステップと、
前記車両の周辺において検出した障害物の前記車両への近接状態を示す近接情報を取得する近接情報取得ステップと、
前記周辺画像から前記車両を鉛直方向の上方から見下ろすように視点変換処理を行った俯瞰画像を生成する俯瞰画像生成ステップと、
前記近接情報に基づき、前記車両への前記障害物の近接状態を、前記車両の鉛直方向における位置毎に示す近接状態画像を生成する近接状態画像生成部ステップと、
前記俯瞰画像と前記近接状態画像とを表示部に表示させる表示制御ステップと、
を、コンピュータに実行させ
、
前記俯瞰画像生成ステップでは、前記車両を示す自車画像が前記俯瞰画像の中央部に位置するように、前記俯瞰画像を生成し、
前記自車画像は、前記車両の鉛直方向上側の面を中心とした展開図であり、前記車両の鉛直方向における位置の情報を含んでいる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、俯瞰画像生成装置、俯瞰画像生成方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
運転者に車両の周囲の障害物の情報を認識させるために、車両の俯瞰画像を表示する表示装置がある。例えば、特許文献1には、車両から障害物までの距離の情報を俯瞰画像に表示させる旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1によると、車両の周囲におけるどの位置に障害物が近接しているかを認識することが可能であるが、車両のどの位置に障害物が近接しているかを運転者により詳細に認識させるためには、改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、車両のどの位置に障害物が近接しているかを、運転者に適切に認識させることができる俯瞰画像生成装置、俯瞰画像生成方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様にかかる俯瞰画像生成装置は、車両の周辺を撮像した周辺画像を取得する画像取得部と、前記車両の周辺において検出した障害物の前記車両への近接状態を示す近接情報を取得する近接情報取得部と、前記周辺画像から前記車両を鉛直方向の上方から見下ろすように視点変換処理を行った俯瞰画像を生成する俯瞰画像生成部と、前記近接情報に基づき、前記車両への前記障害物の近接状態を、前記車両の鉛直方向における位置毎に示す近接状態画像を生成する近接状態画像生成部と、前記俯瞰画像と前記近接状態画像とを重畳して表示部に表示させる表示制御部と、を有する。
【0007】
本発明の一態様にかかる俯瞰画像生成方法は、車両の周辺を撮像した周辺画像を取得する画像取得ステップと、前記車両の周辺において検出した障害物の前記車両への近接状態を示す近接情報を取得する近接情報取得ステップと、前記周辺画像から前記車両を鉛直方向の上方から見下ろすように視点変換処理を行った俯瞰画像を生成する俯瞰画像生成ステップと、前記近接情報に基づき、前記車両への前記障害物の近接状態を、前記車両の鉛直方向における位置毎に示す近接状態画像を生成する近接状態画像生成部ステップと、前記俯瞰画像と前記近接状態画像とを表示部に表示させる表示制御ステップと、を有する。
【0008】
本発明の一態様にかかるプログラムは、車両の周辺を撮像した周辺画像を取得する画像取得ステップと、前記車両の周辺において検出した障害物の前記車両への近接状態を示す近接情報を取得する近接情報取得ステップと、前記周辺画像から前記車両を鉛直方向の上方から見下ろすように視点変換処理を行った俯瞰画像を生成する俯瞰画像生成ステップと、前記近接情報に基づき、前記車両への前記障害物の近接状態を、前記車両の鉛直方向における位置毎に示す近接状態画像を生成する近接状態画像生成部ステップと、前記俯瞰画像と前記近接状態画像とを表示部に表示させる表示制御ステップと、を、コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、車両のどの位置に障害物が近接しているかを、運転者に適切に認識させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る車両を示す模式図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る車両を示す模式図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る俯瞰画像生成システムの模式的なブロック図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る表示画像を示す模式図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る表示画像を示す模式図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る表示画像の表示フローを説明するフローチャートである。
【
図7】
図7は、第1実施形態の表示画像の他の例を示す図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態の表示画像の他の例を示す図である。
【
図9】
図9は、第1実施形態の表示画像の他の例を示す図である。
【
図10】
図10は、第2実施形態に係る表示画像を示す模式図である。
【
図11】
図11は、第2実施形態に係る表示画像の他の例を示す模式図である。
【0011】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0012】
(第1実施形態)
(俯瞰画像生成システムの構成)
図1及び
図2は、第1実施形態に係る車両を示す模式図である。
図1は、車両Vの正面図であり、
図2は、車両Vの上面図である。
図1に示すように、車両Vは、第1実施形態に係る俯瞰画像生成システム1が搭載されている。詳しくは後述するが、俯瞰画像生成システム1は、車両Vの周辺の状況を示す表示画像P(
図4参照)を生成する。俯瞰画像生成システム1は、車両Vに載置されているものに加えて、可搬型で車両において利用可能な装置であってもよい。すなわち、俯瞰画像生成システム1は、車両Vから着脱可能であってもよい。本実施形態において、車両Vは、トラックなどの大型車両であり、運転者が乗車する車両部V1と、車両部V1よりも後方側(後述のX方向と反対方向側)に設けられるコンテナ部V2と、を有する。ただし、車両Vは、このような大型車両に限られず、任意の種類の車両であってよい。以下、車両Vの前進方向をX方向とし、鉛直方向の上方に向かう方向(地表から離れる方向)を、Z方向とし、X方向及びZ方向に直交する方向を、Y方向とする。以下、適宜、X方向側を前側とし、X方向と反対方向側を後ろ側とし、Y方向側を右側とし、Y方向と反対方向側を左側とし、Z方向側を上側(鉛直方向上側)とし、Z方向と反対方向側を下側(鉛直方向下側)として、記載する。
【0013】
図1及び
図2に示すように、俯瞰画像生成システム1は、撮像部10と、障害物検出部12と、表示部14と、俯瞰画像生成装置20とを有する。撮像部10は、車両Vの周辺を撮像する撮像装置、すなわちカメラである。撮像部10は、所定のフレーム毎に車両Vの周辺を逐次撮像することにより、車両Vの周辺の動画像を撮像する。
図2に示すように、本実施形態において、撮像部10は、撮像部10A、10B、10C、10D、10E、10Fを有する。
【0014】
図2に示すように、撮像部10Aは、車両Vの前側の箇所に配置される。撮像部10Aは、車両Vの前方側を中心とした周辺を撮像する。撮像部10Bは、車両Vの左前側の箇所に配置される。撮像部10Bは、車両Vの左前方を中心とした周辺を撮像する。撮像部10Cは、車両Vの右前側の箇所に配置される。撮像部10Cは、車両Vの右前方を中心とした周辺を撮像する。撮像部10Dは、車両Vの左後側の箇所に配置される。撮像部10Dは、車両Vの左後方を中心とした周辺を撮像する。撮像部10Eは、車両Vの右後側の箇所に配置される。撮像部10Eは、車両Vの右後方を中心とした周辺を撮像する。撮像部10Fは、車両Vの後側の箇所に配置される。撮像部10Fは、車両Vの後方を中心とした周辺を撮像する。撮像部10A、10B、10C、10D、10E、10Fは、撮像した画像(動画像)を、俯瞰画像生成装置20に出力する。
【0015】
撮像部10は、撮像部10A、10B、10C、10D、10E、10Fにより、車両Vの全方位を撮像する。ただし、撮像部10は、車両Vの周辺を撮像するものであれば、備える撮像部の数や設置位置は、任意である。
【0016】
図2に示すように、障害物検出部12は、車両Vの周辺に障害物があるかを検出する装置である。言い換えれば、障害物検出部12は、車両Vに障害物が近接しているかを検出する装置であり、車両Vに障害物が近接しているかを、所定の期間毎に逐次検出する。すなわち、障害物検出部12は、車両Vに対して所定距離以内にある障害物を、車両Vに近接する障害物であると検出するものであり、車両Vと接触するおそれがある程度に近接している障害物があるかを検出する。本実施形態において、障害物検出部12は、車両Vの周辺に向けて可視光以外の電波を出力し、その電波の反射波によって障害物を検出するセンサである。障害物検出部12は、例えば、赤外線センサまたは超音波センサ、ミリ波レーダなどであり、これらの組合せで構成されてもよい。ただし、障害物検出部12は、車両Vの周辺に障害物があるかを検出可能な装置であれば、任意のものであってよい。例えば、撮像部10が、障害物検出部12としても機能してよい。この場合、障害物検出部12としての撮像部10は、撮像した画像に障害物が写っている場合に、障害物があると検出してよい。また、俯瞰画像生成装置20が、撮像部10が撮像した画像に基づき、画像に写った障害物と車両Vとの距離を算出して、所定距離以内に障害物がある場合に、障害物が存在すると検出してもよいし、撮像部10自身が、障害物と車両Vとの距離を算出することで、障害物が存在すると検出してもよい。
【0017】
第1実施形態において、障害物検出部12は、車両Vの上側の箇所に障害物に近接している障害物と、車両Vの下側の箇所に近接する障害物とを、それぞれ検出する。すなわち、
図1及び
図2に示すように、障害物検出部12は、下側障害物検出部12Lと上側障害物検出部12Uとを有し、下側障害物検出部12Lが、車両Vの下側の部分に近接する障害物があるかを検出し、上側障害物検出部12Uが、車両Vの上側の部分に近接する障害物があるかを検出する。なお、
図1及び
図2の例では、障害物検出部12A1、12B1、12C1、12D1、12E1、12F1、12G1、12H1、12I1、12J1が、下側障害物検出部12Lに該当し、障害物検出部12A2、12B2、12C2、12D2、12E2、12F2、12G2、12H2、12I2、12J2が、上側障害物検出部12Uに該当する。
【0018】
上側障害物検出部12Uは、下側障害物検出部12Lよりも、車両Vの上側に設けられている。すなわち、上側障害物検出部12Uが障害物を検出する基準となる車両Vの位置(部分)は、下側障害物検出部12Lが障害物を検出する基準となる車両Vの位置(部分)よりも、Z方向側となる。言い換えれば、上側障害物検出部12Uは、車両Vの上側の部分に対して所定距離範囲内に障害物があるかを検出し、下側障害物検出部12Lは、上側障害物検出部12Uよりも、車両Vの下側の部分に対して所定距離範囲内に障害物があるかを検出するといえる。なお、ここでの車両Vの下側の部分(箇所)は、例えば、車両VのZ方向と反対方向側の端部、すなわち車両Vの底部から、車両Vの鉛直方向における中央位置までの間の部分を指す。また、車両Vの上側の部分(箇所)は、例えば、車両Vの鉛直方向における中央位置から、車両VのZ方向側の端部、すなわち車両Vの上面部までの間の部分を指す。ただし、車両Vの上側の部分は、車両Vの下側の部分よりも、Z方向側であればよく、車両Vの上側の部分と下側の部分との、車両Vの鉛直方向における位置は任意であってよい。
【0019】
以下、それぞれの障害物検出部12の設置位置について説明する。障害物検出部12A1は、車両Vの前側であって下側の箇所に配置され、車両Vの前側であって下側の箇所に近接する障害物を検出する。障害物検出部12A2は、車両Vの前側であって上側の箇所に配置され、車両Vの前側であって上側の箇所に近接する障害物を検出する。さらに言えば、障害物検出部12A2は、障害物検出部12A1よりも上側に設けられ、障害物検出部12A1よりも、車両Vの上側の位置へ近接する障害物を検出する。
【0020】
障害物検出部12B1は、車両Vの左前側の角部の下側の箇所に配置され、車両Vの左前側の角部の下側の箇所に近接する障害物を検出する。障害物検出部12B2は、車両Vの左前側の角部の上側の箇所に配置され、車両Vの左前側の角部の上側の箇所に近接する障害物を検出する。さらに言えば、障害物検出部12B2は、障害物検出部12B1よりも上側に設けられ、障害物検出部12B1よりも、車両Vの上側の位置へ近接する障害物を検出する。
【0021】
障害物検出部12C1は、車両Vの右前側の角部の下側の箇所に配置され、車両Vの右前側の角部の下側の箇所に近接する障害物を検出する。障害物検出部12C2は、車両Vの右前側の角部の上側の箇所に配置され、車両Vの右前側の角部の上側の箇所に近接する障害物を検出する。さらに言えば、障害物検出部12C2は、障害物検出部12C1よりも上側に設けられ、障害物検出部12C1よりも、車両Vの上側の位置へ近接する障害物を検出する。
【0022】
障害物検出部12D1は、車両Vの左前側の下側の箇所に配置され、車両Vの左前側の下側の箇所に近接する障害物を検出する。障害物検出部12D1は、障害物検出部12B1よりも車両Vの後ろ側に設けられ、障害物検出部12B1よりも、車両Vの後ろ側の位置へ近接する障害物を検出する。障害物検出部12D2は、車両Vの左前側の上側の箇所に配置され、車両Vの左前側の上側の箇所に近接する障害物を検出する。障害物検出部12D2は、障害物検出部12B2よりも車両Vの後ろ側に設けられ、障害物検出部12B2よりも、車両Vの後ろ側の位置へ近接する障害物を検出する。さらに言えば、障害物検出部12D2は、障害物検出部12D1よりも上側に設けられ、障害物検出部12D1よりも、車両Vの上側の位置へ近接する障害物を検出する。
【0023】
障害物検出部12E1は、車両Vの右前側の下側の箇所に配置され、車両Vの右前側の下側の箇所に近接する障害物を検出する。障害物検出部12E1は、障害物検出部12C1よりも車両Vの後ろ側に設けられ、障害物検出部12C1よりも、車両Vの後ろ側の位置へ近接する障害物を検出する。障害物検出部12E2は、車両Vの右前側の上側の箇所に配置され、車両Vの右前側の上側の箇所に近接する障害物を検出する。障害物検出部12E2は、障害物検出部12C2よりも車両Vの後ろ側に設けられ、障害物検出部12C2よりも、車両Vの後ろ側の位置へ近接する障害物を検出する。さらに言えば、障害物検出部12E2は、障害物検出部12E1よりも上側に設けられ、障害物検出部12E1よりも、車両Vの上側の位置へ近接する障害物を検出する。
【0024】
障害物検出部12F1は、車両Vの左後ろ側の下側の箇所に配置され、車両Vの左後ろ側の下側の箇所に近接する障害物を検出する。障害物検出部12F1は、障害物検出部12D1よりも車両Vの後ろ側に設けられ、障害物検出部12D1よりも、車両Vの後ろ側の位置へ近接する障害物を検出する。障害物検出部12F2は、車両Vの左後ろ側の上側の箇所に配置され、車両Vの左後ろ側の上側の箇所に近接する障害物を検出する。障害物検出部12F2は、障害物検出部12D2よりも車両Vの後ろ側に設けられ、障害物検出部12D2よりも、車両Vの後ろ側の位置へ近接する障害物を検出する。さらに言えば、障害物検出部12F2は、障害物検出部12F1よりも上側に設けられ、障害物検出部12F1よりも、車両Vの上側の位置へ近接する障害物を検出する。
【0025】
障害物検出部12G1は、車両Vの右後ろ側の下側の箇所に配置され、車両Vの右後ろ側の下側の箇所に近接する障害物を検出する。障害物検出部12G1は、障害物検出部12E1よりも車両Vの後ろ側に設けられ、障害物検出部12E1よりも、車両Vの後ろ側の位置へ近接する障害物を検出する。障害物検出部12G2は、車両Vの右後ろ側の上側の箇所に配置され、車両Vの右後ろ側の上側の箇所に近接する障害物を検出する。障害物検出部12G2は、障害物検出部12E2よりも車両Vの後ろ側に設けられ、障害物検出部12E2よりも、車両Vの後ろ側の位置へ近接する障害物を検出する。さらに言えば、障害物検出部12G2は、障害物検出部12G1よりも上側に設けられ、障害物検出部12G1よりも、車両Vの上側の位置へ近接する障害物を検出する。
【0026】
障害物検出部12H1は、車両Vの左後ろ側の角部の下側の箇所に配置され、車両Vの左後ろ側の角部の下側の箇所に近接する障害物を検出する。障害物検出部12H1は、障害物検出部12F1よりも車両Vの後ろ側に設けられ、障害物検出部12F1よりも、車両Vの後ろ側の位置へ近接する障害物を検出する。障害物検出部12H2は、車両Vの左後ろ側の角部の上側の箇所に配置され、車両Vの左後ろ側の角部の上側の箇所に近接する障害物を検出する。障害物検出部12H2は、障害物検出部12F2よりも車両Vの後ろ側に設けられ、障害物検出部12F2よりも、車両Vの後ろ側の位置へ近接する障害物を検出する。さらに言えば、障害物検出部12H2は、障害物検出部12H1よりも上側に設けられ、障害物検出部12H1よりも、車両Vの上側の位置へ近接する障害物を検出する。
【0027】
障害物検出部12I1は、車両Vの右後ろ側の角部の下側の箇所に配置され、車両Vの右後ろ側の角部の下側の箇所に近接する障害物を検出する。障害物検出部12I1は、障害物検出部12G1よりも車両Vの後ろ側に設けられ、障害物検出部12G1よりも、車両Vの後ろ側の位置へ近接する障害物を検出する。障害物検出部12I2は、車両Vの右後ろ側の角部の上側の箇所に配置され、車両Vの右後ろ側の角部の上側の箇所に近接する障害物を検出する。障害物検出部12I2は、障害物検出部12G2よりも車両Vの後ろ側に設けられ、障害物検出部12G2よりも、車両Vの後ろ側の位置へ近接する障害物を検出する。さらに言えば、障害物検出部12I2は、障害物検出部12I1よりも上側に設けられ、障害物検出部12I1よりも、車両Vの上側の位置へ近接する障害物を検出する。
【0028】
障害物検出部12J1は、車両Vの後ろ側であって下側の箇所に配置され、車両Vの後ろ側であって下側の箇所に近接する障害物を検出する。障害物検出部12J2は、車両Vの後ろ側であって上側の箇所に配置され、車両Vの後ろ側であって上側の箇所に近接する障害物を検出する。さらに言えば、障害物検出部12J2は、障害物検出部12J1よりも上側に設けられ、障害物検出部12J1よりも、車両Vの上側の位置へ近接する障害物を検出する。
【0029】
このように、障害物検出部12は、複数の障害物検出部を有することで、方向Zから見た車両Vの周囲の各領域(区間)に近接する障害物があるかを検出する。すなわち、障害物検出部12は、車両Vの全方位にわたって、近接する障害物があるかを検出する。また、障害物検出部12は、上側障害物検出部12Uと下側障害物検出部12Lとを備えることで、車両Vに近接する障害物があるかを、車両VのZ方向(鉛直方向)における位置毎(箇所毎)に、検出することができる。すなわち、障害物検出部12は、車両Vに近接する障害物があるかを、方向Zから見た車両Vの周囲における位置毎(方向Zを中心軸とした車両Vの外周の周方向における区間毎)に、かつ、車両VのZ方向における位置毎に、検出しているといえる。なお、障害物検出部12は、車両Vの周囲における位置毎に、かつ、車両VのZ方向における位置毎に、車両Vに近接する障害物を検出可能なものであればよく、その数及び設置位置は、以上の説明に限られず任意である。例えば、本実施形態では、障害物検出部12は、例えばZ方向において3つ以上配置されることで、Z方向における3つ以上の位置のそれぞれに近接する障害物を検出してよい。すなわち、障害物検出部12は、車両VのZ方向(鉛直方向)における複数の位置のそれぞれに対して、近接する障害物があるかを検出すればよい。
【0030】
障害物検出部12は、検出した車両Vの周辺の障害物の情報、すなわち車両Vに障害物が近接しているか否かを示す情報を、俯瞰画像生成装置20に出力する。
【0031】
表示部14は、車両Vの内部に設けられる。表示部14は、運転者が視認可能な位置に設けられる。表示部14は、画像を表示するディスプレイであり、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)または有機EL(Organic Electro-Luminescence)ディスプレイを含むディスプレイである。表示部14は、俯瞰画像生成装置20から出力された画像信号に基づいて、表示画像P(
図4参照)を表示する。表示部14は、俯瞰画像生成システム1に専用のものであっても、例えば、ナビゲーションシステムを含む他のシステムと共同で使用するものであってもよい。
【0032】
俯瞰画像生成装置20は、車両Vの内部に設けられる。俯瞰画像生成装置20は、撮像部10が撮像した画像と、障害物検出部12が検出した障害物の情報とに基づき、表示画像Pを生成し、生成した表示画像Pを表示部14に表示させる。以下、俯瞰画像生成装置20について詳細に説明する。
【0033】
図3は、第1実施形態に係る俯瞰画像生成システムの模式的なブロック図である。
図3に示すように、俯瞰画像生成装置20は、制御部22と、記憶部24とを有する。制御部22は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などで構成された演算処理装置である。記憶部24は、俯瞰画像生成装置20における各種処理に要するデータおよび各種処理結果を記憶する。記憶部24は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置である。
【0034】
制御部22は、記憶部24に記憶されているプログラムをメモリにロードして、プログラムに含まれる命令を実行する。
図3に示すように、制御部22は、画像取得部30と、近接情報取得部32と、車両情報取得部34と、画像生成部36と、表示制御部38とを有する。
【0035】
画像取得部30は、車両Vの周辺を撮影した周辺画像を取得する。より詳しくは、画像取得部30は、撮像部10が撮像した画像を、周辺画像として取得する。画像取得部30は、取得した周辺画像を画像生成部36に出力する。
【0036】
近接情報取得部32は、車両Vの周辺において検出した障害物の車両Vへの近接状態を示す近接情報を取得する。より詳しくは、近接情報取得部32は、障害物検出部12によって検出された車両Vに近接する障害物があるかの情報に基づき、障害物の車両Vへの近接情報を取得する。車両Vへの近接状態とは、車両Vに障害物が近接しているかを、車両Vの位置毎に示した状態を指し、近接情報とは、障害物が車両Vのどの位置に近接しているかを示す情報である。より詳しくは、近接情報取得部32は、障害物検出部12の検出した情報に基づき、方向Zにおける車両Vの各位置のうち、障害物が近接している位置を、近接情報として取得する。そして、近接情報取得部32は、障害物検出部12の検出した情報に基づき、方向Zから見た車両Vの周囲における位置のうち、障害物が近接している位置を、近接情報として取得する。例えば、近接情報取得部32は、上側障害物検出部12Uによって障害物があると検出された場合、車両Vの上側に障害物が近接している旨を、近接情報として取得する。また、近接情報取得部32は、下側障害物検出部12Lによって障害物があると検出された場合、車両Vの下側に障害物が近接している旨を、近接情報として取得する。さらにいえば、近接情報取得部32は、例えば障害物検出部12A1によって障害物があると検出された場合、車両Vの前側であって下側の箇所に障害物が近接している旨を、近接情報として取得する。
【0037】
このように、近接情報取得部32は、障害物検出部12によって障害物が近接していると検出された位置を、近接情報として取得する。近接情報取得部32は、取得した近接情報を、画像生成部36に出力する。なお、近接情報取得部32は、障害物検出部12によって障害物が近接していると検出された位置のうち、障害物とその位置との距離が、所定の閾値距離以下となる位置を、近接情報として取得してもよい。すなわち、近接情報取得部32は、閾値距離を設定することで、近接している障害物があるかの判断基準となる障害物から車両Vまでの距離を、より近い距離に設定可能である。
【0038】
車両情報取得部34は、車両のギア操作情報など、表示画像Pを表示させるためのトリガとなる車両情報を、CAN(Controller Area Network)や車両の状態をセンシングする各種センサなどから取得する。車両情報取得部34は、取得した車両情報を画像生成部に出力する。
【0039】
画像生成部36は、画像取得部30が取得した周辺画像と、近接情報取得部32が取得した近接情報とに基づき、表示画像Pを生成する。
図3に示すように、画像生成部36は、俯瞰画像生成部40と、近接状態画像生成部42と、表示画像生成部44とを有する。
【0040】
俯瞰画像生成部40は、画像取得部30が取得した周辺画像から、車両Vを鉛直方向上方(Z方向側)から見下ろすように視点変換処理を行った俯瞰画像Aを生成する。より詳しくは、俯瞰画像生成部40は、周囲俯瞰画像A1と、自車画像AV(自車アイコン)とを含んだ画像を、俯瞰画像Aとして生成する。周囲俯瞰画像A1は、周辺画像に対し、車両Vを鉛直方向上方(Z方向側)から見下ろすように視点変換処理を行った画像である。俯瞰画像生成部40は、撮像部10A、10B、10C、10D、10E、10Fのそれぞれで撮影された画像を合成して、周囲俯瞰画像A1を生成する。周囲俯瞰画像A1を生成する方法は、公知のいずれの方法でもよく、限定されない。自車画像AVは、車両Vを示す画像であるが、詳しくは後述する。なお、周辺画像は、逐次撮像される動画像であるため、俯瞰画像生成部40は、周辺画像が更新される毎に、俯瞰画像Aを更新する。
【0041】
なお、撮像部10が車両Vから着脱可能である場合、俯瞰画像生成部40は、撮像部10が取付けられる度に、撮像部10の位置を検出して、撮像部10の位置に基づき、撮像部10のそれぞれの画像を合成することが好ましい。撮像部10の位置が分かれば、撮像部10がどの位置を撮像しているかが分かるため、それぞれの画像を適切に合成して、周囲俯瞰画像A1を適切に生成することが可能となる。位置検出としては、例えば、GPS(Global Positioning System)など、公知の方法を用いてよい。また、例えば、車両Vに、それぞれの撮像部10を取り付ける基準位置を設定していてもよい。この場合は、撮像部10を基準位置に取付けることで、撮像部10の位置が定まるので、位置の再検出が不要となる。
【0042】
近接状態画像生成部42は、近接情報取得部32が取得した近接情報に基づき、近接状態画像Bを生成する。近接状態画像Bは、車両Vへの障害物の近接状態を、車両Vの鉛直方向における位置毎に示す画像である。近接状態画像Bについては、後述する。なお、障害物検出部12が障害物を逐次検出するため、近接情報も、逐次取得される。従って、近接状態画像生成部42は、近接情報が更新(取得)される毎に、近接状態画像Bを更新する。ただし、近接状態画像生成部42は、近接状態が変化した場合に、すなわち、障害物が近接される位置が変化した場合に、近接状態画像Bを更新してもよい。
【0043】
なお、障害物検出部12が車両Vから着脱可能である場合、近接状態画像生成部42は、障害物検出部12が取付けられる度に、障害物検出部12の位置を検出して、障害物検出部12の位置に基づき、近接状態画像Bを生成することが好ましい。障害物検出部12の位置が分かれば、障害物検出部12がどの位置への障害物の近接を検出しているかが分かるため、近接状態画像Bを適切に生成することが可能となる。位置検出としては、公知の方法を用いてよく、例えば、鉛直方向の位置検出として、気圧センサなどを用いてもよい。また、例えば、車両Vに、それぞれの障害物検出部12を取り付ける基準位置を設定していてもよい。この場合は、障害物検出部12を基準位置に取付けることで、障害物検出部12の位置が定まるので、位置の再検出が不要となる。
【0044】
表示画像生成部44は、俯瞰画像生成部40が生成した俯瞰画像Aと、近接状態画像生成部42が生成した近接状態画像Bとに基づき、表示画像Pを生成する。すなわち、表示画像Pは、俯瞰画像Aと近接状態画像Bとを含む画像である。より詳しくは、表示画像生成部44は、俯瞰画像Aと近接状態画像Bとを重畳させた画像を、表示画像Pとして生成する。表示画像生成部44は、生成した表示画像Pを、表示制御部38に出力する。なお、表示画像生成部44は、俯瞰画像Aと近接状態画像Bとの更新に伴い、表示画像Pを更新する。
【0045】
表示制御部38は、俯瞰画像Aと近接状態画像Bとを、すなわち表示画像生成部44が生成した表示画像Pを、表示部14に表示させる。
【0046】
(表示画像)
俯瞰画像生成システム1は、以上のような構成となっている。次に、表示画像Pについて詳細に説明する。
図4は、第1実施形態に係る表示画像を示す模式図である。
図4に示すように、表示画像Pは、俯瞰画像A上に近接状態画像Bが重畳した画像である。俯瞰画像Aは、周囲俯瞰画像A1と、周囲俯瞰画像A1の内側に表示される自車画像AVとを含む。周囲俯瞰画像A1は、車両Vの周囲を撮像した周辺画像を、上方から見た俯瞰画像に変換した画像である。本実施形態において、周囲俯瞰画像A1は、中央部が欠けた枠状の画像であり、その欠けた中央部を、自車画像AVが占めている。すなわち、自車画像AVは、周囲俯瞰画像A1に囲われている。周囲俯瞰画像A1の欠けた中央部の位置、すなわち自車画像AVが占めている位置が、表示画像Pにおける車両Vの位置を示す。なお、自車画像AVと周囲俯瞰画像A1とは、枠線で区切られていてもよい。
【0047】
周囲俯瞰画像A1は、前方画像A1Aと、左前方画像A1Bと、右前方画像A1Cと、左後方画像A1Dと、右後方画像A1Eと、後方画像A1Fとを有する。
【0048】
前方画像A1Aは、車両Vの前方の俯瞰画像であり、撮像部10Aの撮像した画像に基づき生成される。左前方画像A1Bは、表示画像P内で前方画像A1Aの左後方に位置しており、車両Vの左前方の俯瞰画像である。左前方画像A1Bは、撮像部10Bの撮像した画像に基づき生成される。右前方画像A1Cは、表示画像P内で前方画像A1Aの右後方に位置しており、車両Vの右前方の俯瞰画像である。右前方画像A1Cは、撮像部10Cの撮像した画像に基づき生成される。左後方画像A1Dは、表示画像P内で左前方画像A1Bの後方に位置しており、車両Vの左後方の俯瞰画像である。左後方画像A1Dは、撮像部10Dの撮像した画像に基づき生成される。右後方画像A1Eは、表示画像P内で右前方画像A1Cの後方に位置しており、車両Vの右後方の俯瞰画像である。右後方画像A1Eは、撮像部10Eの撮像した画像に基づき生成される。後方画像A1Fは、表示画像P内で左後方画像A1D及び右後方画像A1Eの後方に位置しており、車両Vの後方の俯瞰画像である。後方画像A1Fは、撮像部10Fの撮像した画像に基づき生成される。
図4の例では、前方画像A1Aと、左前方画像A1Bと、右前方画像A1Cと、左後方画像A1Dと、右後方画像A1Eとは、枠線で区切られているが、実際には区切りが無く連続した画像であってよい。
【0049】
自車画像AVは、俯瞰画像Aの中央部、すなわち周囲俯瞰画像A1に囲われた中央部に位置する画像であり、車両Vを示す画像である。自車画像AVは、車両Vの鉛直方向毎の位置の情報を含んでいる。すなわち、自車画像AVは、車両Vの鉛直方向における各部分を、X-Y平面(X方向とY方向とに平行な平面)上において異なる位置に表示する。一般的に、車両Vの画像を俯瞰画像A内に表示する場合、車両Vを鉛直方向上方から見た画像となるため、車両Vの画像は、鉛直方向上側の面のみを映した画像となる。従って、この場合の車両Vの画像は、X-Y平面(X方向とY方向とに平行な平面)に沿った部分の画像が含まれるが、鉛直方向(Z方向)における各位置の部分の画像は含まれない。それに対し、俯瞰画像生成部40は、車両Vの鉛直方向における各部分を異なる位置に表示するよう自車画像AVを生成することで、自車画像AVを、鉛直方向における各位置の情報を含んだ画像とする。以下、自車画像AVについてより具体的に説明する。
【0050】
第1実施形態において、俯瞰画像生成部40は、車両Vの鉛直方向上側の面の画像である上面AV1を中心とした車両Vの展開図を、自車画像AVとして生成する。すなわち、自車画像AVは、上面AV1が中央にあり、上面AV1を、車両Vの上面AV1以外の面の画像である前面AV2、左面AV3、右面AV4、後面AV5が囲った画像となる。前面AV2は、車両Vの前側の面の画像であり、自車画像AVにおいて、上面AV1の前側に位置している。左面AV3は、車両Vの左側の面の画像であり、自車画像AVにおいて、上面AV1の左側に位置している。右面AV4は、車両Vの右側の面の画像であり、自車画像AVにおいて、上面AV1の右側に位置している。後面AV5は、車両Vの後側の面の画像であり、自車画像AVにおいて、上面AV1の後側に位置している。前面AV2、左面AV3、右面AV4、後面AV5は、上面AV1側に向けて倒れた画像となっているため、上面AV1側(中央側)に向かうに従って、車両Vの鉛直方向上側の部分を示す画像となっている。
【0051】
このように、自車画像AVは、車両Vの展開図となっており、前面AV2、左面AV3、右面AV4、後面AV5を含んだ画像となる。前面AV2、左面AV3、右面AV4、後面AV5は、鉛直方向に延在する面であるため、車両Vの鉛直方向における各位置の情報(形状や模様や色などの視覚情報)を含んだ画像であるといえる。従って、展開図である自車画像AVは、車両Vの鉛直方向における各位置の情報を含んだ画像になっているといえる。なお、自車画像AVは、車両Vの鉛直方向における各位置の情報を含んだ画像となっていれば、車両Vの展開図であることに限られない。例えば、自車画像AVは、車両Vの鉛直方向下側の箇所を示す画像(以下、下側自車画像と記載)と、下側自車画像よりも車両Vの鉛直方向上側の箇所を示す画像(以下、上側自車画像と記載)と、を含んでいればよい。この場合、例えば、自車画像AVは、上側自車画像が、下側自車画像よりも、Z方向から見た放射方向内側に位置していることが好ましい。また、自車画像AVは、内側(中央側)に向かうに従って、車両Vの鉛直方向上側の箇所を示すように生成された画像であることが好ましいともいえる。
【0052】
自車画像AVは、予め生成された静止画像であり、撮像部10によって撮像された周囲俯瞰画像A1のように、逐次更新される画像ではない。ただし、自車画像AVは、撮像部によって撮像される画像に基づき生成され、逐次更新される画像であってもよい。また、通常、車両Vの展開図は、側面の絵が外側に展開される分、車両Vを鉛直方向上側から見た場合よりも大きくなる。しかし、自車画像AVは、鉛直方向上側から見た場合の車両Vの大きさと同じになるように、縮小されて生成される。すなわち、表示画像P内において、自車画像AVが占める領域の大きさは、表示画像Pの全体の大きさに対して予め設定されている。自車画像AVは、この自車画像AVが占める領域内に収まるように、縮小されて生成される。言い換えれば、表示画像Pの全体の大きさと自車画像AVの大きさとの比率は、共通する鉛直方向上方の視点から見た、表示画像Pに写る領域全体の大きさと車両Vの大きさとの比率に等しくなるように、自車画像AVが生成される。
【0053】
次に、近接状態画像Bについて説明する。近接状態画像Bは、車両Vへの障害物の近接状態を、車両Vの鉛直方向における位置毎に示す画像である。また、近接状態画像Bは、車両Vへの障害物の近接状態を、車両Vの周囲(鉛直方向を中心軸とした車両Vの周方向)の位置毎に示す画像である。
図4に示すように、近接状態画像Bは、枠状の画像である下側近接状態画像B1と、下側近接状態画像B1の内側に位置している枠状の画像である上側近接状態画像B2と、を有する。下側近接状態画像B1は、車両Vの鉛直方向下側の箇所への障害物の近接状態を示す画像である。上側近接状態画像B2は、車両Vの鉛直方向上側の箇所への障害物の近接状態を示す画像であり、さらに言えば、下側近接状態画像B1よりも車両Vの鉛直方向上側への障害物の近接状態を示す画像である。
【0054】
図4の例では、下側近接状態画像B1は、下側近接状態画像BA1、BB1、BC1、BD1、BE1、BF1、BG1、BH1、BI1、BJ1を有する。下側近接状態画像BA1、BB1、BC1、BD1、BE1、BF1、BG1、BH1、BI1、BJ1は、それぞれ、車両Vの周囲のうちの異なる位置への近接情報を示す画像である。上側近接状態画像B2は、上側近接状態画像BA2、BB2、BC2、BD2、BE2、BF2、BG2、BH2、BI2、BJ2を有する。上側近接状態画像BA2、BB2、BC2、BD2、BE2、BF2、BG2、BH2、BI2、BJ2は、それぞれ、車両Vの周囲のうちの異なる位置への近接情報を示す画像である。
【0055】
下側近接状態画像BA1は、車両Vの前側であって下側の箇所に近接する障害物があるかを示す画像である。下側近接状態画像BA1は、近接情報取得部32が、車両Vの前側であって下側の箇所に障害物が近接している旨の近接情報を取得した場合に、すなわち、障害物検出部12A1によって障害物があると検出された場合に、障害物がある旨を報知する画像(アイコン)である。下側近接状態画像BA1は、自車画像AVの前側の位置に重畳して表示される。本実施形態では、下側近接状態画像BA1は、自車画像AVの前側に沿って左右方向(方向Y)に延在する3重の線で構成される。
【0056】
下側近接状態画像BA1は、近接する障害物があると検出された場合と、近接する障害物がないと検出された場合とで、表示内容が異なる。例えば、下側近接状態画像BA1は、近接する障害物がない場合に、緑色などの所定の色で表示され、近接する障害物がある場合に、例えば黄色など障害物がない場合と異なる色で表示される。また、下側近接状態画像BA1は、近接する障害物がある場合であっても、障害物までの距離に応じて、表示内容を変更させてもよい。例えば、下側近接状態画像BA1は、障害物までの距離が第一所定距離未満かつ第一所定距離より小さい第二所定距離以上の場合、黄色で表示され、障害物までの距離が第二所定距離未満の場合、赤色で表示されてもよい。ただし、下側近接状態画像BAの表示内容は、これに限られず任意であり、近接する障害物があると検出された場合と近接する障害物がないと検出された場合とで、表示内容が異なればよい。例えば、下側近接状態画像BA1は、近接する障害物がある場合と近接する障害物がない場合とで、線の数や形状を変化させてもよいし、近接する障害物がある場合に、障害物がある旨を示す文字やマークなどを表示させてもよい。なお、他の近接状態画像Bにおいても、近接する障害物があると検出された場合と、近接する障害物がないと検出された場合との表示の仕方は、下側近接状態画像BA1と同様である。
【0057】
上側近接状態画像BA2は、車両Vの前側であって上側の箇所に近接する障害物があるかを示す画像である。上側近接状態画像BA2は、近接情報取得部32が、車両Vの前側であって上側の箇所に障害物が近接している旨の近接情報を取得した場合に、すなわち、障害物検出部12A2によって障害物があると検出された場合に、障害物がある旨を報知する画像(アイコン)である。上側近接状態画像BA2は、自車画像AVの前側であって下側近接状態画像BA1よりも内側の位置に表示される。本実施形態では、上側近接状態画像BA2は、自車画像AVの前側に沿って左右方向(方向Y)に延在する3重の線で構成される。
【0058】
下側近接状態画像BB1は、車両Vの左前側の角部の下側の箇所に近接する障害物があるかを示す画像である。下側近接状態画像BB1は、近接情報取得部32が、車両Vの左前側の角部の下側の箇所に障害物が近接している旨の近接情報を取得した場合に、すなわち、障害物検出部12B1によって障害物があると検出された場合に、障害物がある旨を報知する画像(アイコン)である。下側近接状態画像BB1は、自車画像AVの左前側の角部の位置に表示される。本実施形態では、下側近接状態画像BB1は、自車画像AVの左前側の角部に沿った3重の曲線で構成される。
【0059】
上側近接状態画像BB2は、車両Vの左前側の角部の上側の箇所に近接する障害物があるかを示す画像である。上側近接状態画像BB2は、近接情報取得部32が、車両Vの左前側の角部の上側の箇所に障害物が近接している旨の近接情報を取得した場合に、すなわち、障害物検出部12B2によって障害物があると検出された場合に、障害物がある旨を報知する画像(アイコン)である。上側近接状態画像BB2は、自車画像AVの左前側の角部であって、下側近接状態画像BB1よりも内側の位置に表示される。本実施形態では、上側近接状態画像BB2は、自車画像AVの左前側の角部に沿った3重の曲線で構成される。
【0060】
下側近接状態画像BC1は、車両Vの右前側の角部の下側の箇所に近接する障害物があるかを示す画像である。下側近接状態画像BC1は、近接情報取得部32が、車両Vの右前側の角部の下側の箇所に障害物が近接している旨の近接情報を取得した場合に、すなわち、障害物検出部12C1によって障害物があると検出された場合に、障害物がある旨を報知する画像(アイコン)である。下側近接状態画像BC1は、自車画像AVの右前側の角部の位置に表示される。本実施形態では、下側近接状態画像BC1は、自車画像AVの右前側の角部に沿った3重の曲線で構成される。
【0061】
上側近接状態画像BC2は、車両Vの右前側の角部の上側の箇所に近接する障害物があるかを示す画像である。上側近接状態画像BC2は、近接情報取得部32が、車両Vの右前側の角部の上側の箇所に障害物が近接している旨の近接情報を取得した場合に、すなわち、障害物検出部12C2によって障害物があると検出された場合に、障害物がある旨を報知する画像(アイコン)である。上側近接状態画像BC2は、自車画像AVの右前側の角部であって、下側近接状態画像BC1よりも内側の位置に表示される。本実施形態では、上側近接状態画像BC2は、自車画像AVの右前側の角部に沿った3重の曲線で構成される。
【0062】
下側近接状態画像BD1は、車両Vの左前側の下側の箇所に近接する障害物があるかを示す画像である。下側近接状態画像BD1は、近接情報取得部32が、車両Vの左前側の下側の箇所に障害物が近接している旨の近接情報を取得した場合に、すなわち、障害物検出部12D1によって障害物があると検出された場合に、障害物がある旨を報知する画像(アイコン)である。下側近接状態画像BD1は、自車画像AVの左前側の位置であって、下側近接状態画像BB1より後方側に表示される。本実施形態では、下側近接状態画像BD1は、自車画像AVの左側に沿って前後方向(X方向)に延在する3重の線で構成される。
【0063】
上側近接状態画像BD2は、車両Vの左前側の上側の箇所に近接する障害物があるかを示す画像である。上側近接状態画像BD2は、近接情報取得部32が、車両Vの左前側の上側の箇所に障害物が近接している旨の近接情報を取得した場合に、すなわち、障害物検出部12D2によって障害物があると検出された場合に、障害物がある旨を報知する画像(アイコン)である。上側近接状態画像BD2は、自車画像AVの左前側であって、上側近接状態画像BB2より後方側に表示され、下側近接状態画像BD1よりも内側の位置に表示される。本実施形態では、上側近接状態画像BD2は、自車画像AVの左側に沿って前後方向(X方向)に延在する3重の線で構成される。
【0064】
下側近接状態画像BE1は、車両Vの右前側の下側の箇所に近接する障害物があるかを示す画像である。下側近接状態画像BE1は、近接情報取得部32が、車両Vの右前側の下側の箇所に障害物が近接している旨の近接情報を取得した場合に、すなわち、障害物検出部12E1によって障害物があると検出された場合に、障害物がある旨を報知する画像(アイコン)である。下側近接状態画像BE1は、自車画像AVの右前側の位置であって、下側近接状態画像BC1より後方側に表示される。本実施形態では、下側近接状態画像BE1は、自車画像AVの右側に沿って前後方向(X方向)に延在する3重の線で構成される。
【0065】
上側近接状態画像BE2は、車両Vの右前側の上側の箇所に近接する障害物があるかを示す画像である。上側近接状態画像BE2は、近接情報取得部32が、車両Vの右前側の上側の箇所に障害物が近接している旨の近接情報を取得した場合に、すなわち、障害物検出部12E2によって障害物があると検出された場合に、障害物がある旨を報知する画像(アイコン)である。上側近接状態画像BE2は、自車画像AVの右前側であって、上側近接状態画像BC2より後方側に表示され、下側近接状態画像BE1よりも内側の位置に表示される。本実施形態では、上側近接状態画像BE2は、自車画像AVの右側に沿って前後方向(X方向)に延在する3重の線で構成される。
【0066】
下側近接状態画像BF1は、車両Vの左後ろ側の下側の箇所に近接する障害物があるかを示す画像である。下側近接状態画像BF1は、近接情報取得部32が、車両Vの左後ろ側の下側の箇所に障害物が近接している旨の近接情報を取得した場合に、すなわち、障害物検出部12F1によって障害物があると検出された場合に、障害物がある旨を報知する画像(アイコン)である。下側近接状態画像BF1は、自車画像AVの左後ろ側の位置であって、下側近接状態画像BD1より後方側に表示される。本実施形態では、下側近接状態画像BF1は、自車画像AVの左側に沿って前後方向(X方向)に延在する3重の線で構成される。
【0067】
上側近接状態画像BF2は、車両Vの左後ろ側の上側の箇所に近接する障害物があるかを示す画像である。上側近接状態画像BF2は、近接情報取得部32が、車両Vの左後ろ側の上側の箇所に障害物が近接している旨の近接情報を取得した場合に、すなわち、障害物検出部12F2によって障害物があると検出された場合に、障害物がある旨を報知する画像(アイコン)である。上側近接状態画像BF2は、自車画像AVの左後ろ側であって、上側近接状態画像BD2より後方側に表示され、下側近接状態画像BF1よりも内側の位置に表示される。本実施形態では、上側近接状態画像BF2は、自車画像AVの左側に沿って前後方向(X方向)に延在する3重の線で構成される。
【0068】
下側近接状態画像BG1は、車両Vの右後ろ側の下側の箇所に近接する障害物があるかを示す画像である。下側近接状態画像BG1は、近接情報取得部32が、車両Vの右後ろ側の下側の箇所に障害物が近接している旨の近接情報を取得した場合に、すなわち、障害物検出部12G1によって障害物があると検出された場合に、障害物がある旨を報知する画像(アイコン)である。下側近接状態画像BG1は、自車画像AVの右後ろ側の位置であって、下側近接状態画像BE1より後方側に表示される。本実施形態では、下側近接状態画像BG1は、自車画像AVの右側に沿って前後方向(X方向)に延在する3重の曲線で構成される。
【0069】
上側近接状態画像BG2は、車両Vの右後ろ側の上側の箇所に近接する障害物があるかを示す画像である。上側近接状態画像BG2は、近接情報取得部32が、車両Vの右後ろ側の上側の箇所に障害物が近接している旨の近接情報を取得した場合に、すなわち、障害物検出部12G2によって障害物があると検出された場合に、障害物がある旨を報知する画像(アイコン)である。上側近接状態画像BG2は、自車画像AVの右後ろ側であって、上側近接状態画像BE2より後方側に表示され、下側近接状態画像BG1よりも内側の位置に表示される。本実施形態では、上側近接状態画像BG2は、自車画像AVの右側に沿って前後方向(X方向)に延在する3重の線で構成される。
【0070】
下側近接状態画像BH1は、車両Vの左後ろ側の角部の下側の箇所に近接する障害物があるかを示す画像である。下側近接状態画像BH1は、近接情報取得部32が、車両Vの左後ろ側の角部の下側の箇所に障害物が近接している旨の近接情報を取得した場合に、すなわち、障害物検出部12H1によって障害物があると検出された場合に、障害物がある旨を報知する画像(アイコン)である。下側近接状態画像BH1は、自車画像AVの左後ろ側の角部の位置であって、下側近接状態画像BF1より後方側に表示される。本実施形態では、下側近接状態画像BH1は、自車画像AVの左後ろの角部に沿った3重の曲線で構成される。
【0071】
上側近接状態画像BH2は、車両Vの左後ろ側の角部の上側の箇所に近接する障害物があるかを示す画像である。上側近接状態画像BH2は、近接情報取得部32が、車両Vの左後ろ側の角部の上側の箇所に障害物が近接している旨の近接情報を取得した場合に、すなわち、障害物検出部12H2によって障害物があると検出された場合に、障害物がある旨を報知する画像(アイコン)である。上側近接状態画像BH2は、自車画像AVの左後ろ側の角部の位置であって、上側近接状態画像BF2より後方側に表示され、下側近接状態画像BH1よりも内側の位置に表示される。本実施形態では、上側近接状態画像BH2は、自車画像AVの左後ろの角部に沿った3重の曲線で構成される。
【0072】
下側近接状態画像BI1は、車両Vの右後ろ側の角部の下側の箇所に近接する障害物があるかを示す画像である。下側近接状態画像BI1は、近接情報取得部32が、車両Vの右後ろ側の角部の下側の箇所に障害物が近接している旨の近接情報を取得した場合に、すなわち、障害物検出部12I1によって障害物があると検出された場合に、障害物がある旨を報知する画像(アイコン)である。下側近接状態画像BI1は、自車画像AVの右後ろの角部の位置であって、下側近接状態画像BG1より後方側に表示される。本実施形態では、下側近接状態画像BI1は、自車画像AVの右後ろの角部に沿った3重の曲線で構成される。
【0073】
上側近接状態画像BI2は、車両Vの右後ろ側の角部の上側の箇所に近接する障害物があるかを示す画像である。上側近接状態画像BI2は、近接情報取得部32が、車両Vの右後ろ側の角部の上側の箇所に障害物が近接している旨の近接情報を取得した場合に、すなわち、障害物検出部12I2によって障害物があると検出された場合に、障害物がある旨を報知する画像(アイコン)である。上側近接状態画像BI2は、自車画像AVの右後ろの角部であって、上側近接状態画像BG2より後方側に表示され、下側近接状態画像BI1よりも内側の位置に表示される。本実施形態では、上側近接状態画像BI2は、自車画像AVの右後ろの角部に沿った3重の曲線で構成される。
【0074】
下側近接状態画像BJ1は、車両Vの後ろ側の下側の箇所に近接する障害物があるかを示す画像である。下側近接状態画像BJ1は、近接情報取得部32が、車両Vの後ろ側の下側の箇所に障害物が近接している旨の近接情報を取得した場合に、すなわち、障害物検出部12J1によって障害物があると検出された場合に、障害物がある旨を報知する画像(アイコン)である。下側近接状態画像BJ1は、自車画像AVの後ろ側の位置に表示される。本実施形態では、下側近接状態画像BG1は、自車画像AVの後ろ側に沿って左右方向(Y方向)に延在する3重の曲線で構成される。
【0075】
上側近接状態画像BJ2は、車両Vの後ろ側の上側の箇所に近接する障害物があるかを示す画像である。上側近接状態画像BJ2は、近接情報取得部32が、車両Vの後ろ側の上側の箇所に障害物が近接している旨の近接情報を取得した場合に、すなわち、障害物検出部12J2によって障害物があると検出された場合に、障害物がある旨を報知する画像(アイコン)である。上側近接状態画像BJ2は、自車画像AVの後ろ側であって、下側近接状態画像BJ1よりも内側の位置に表示される。本実施形態では、上側近接状態画像BJ2は、自車画像AVの後ろ側に沿って左右方向(X方向)に延在する3重の線で構成される。なお、以上説明したそれぞれの近接状態画像Bは、3重の線で構成されているが、形状はそれに限られず任意である。
【0076】
このように、近接状態画像Bは、鉛直方向から見た車両Vの周囲の区間毎に、区分して表示されており、言い換えれば、自車画像AVの周囲に沿って、複数表示される。従って、この近接状態画像Bによると、車両Vの周囲のどの位置に障害物が近接しているかを、認識することができる。また、近接状態画像Bは、下側近接状態画像B1と上側近接状態画像B2とを有する。従って、この近接状態画像Bによると、車両Vの鉛直方向のどの位置に障害物が近接しているかを、認識することができる。なお、上側近接状態画像B2は、下側近接状態画像B1よりも、表示画像Pの内側、すなわち俯瞰画像Aの中央部側に表示されている。本実施形態では、下側近接状態画像B1は、自車画像AV内において、面AV1よりも外側に表示される。また、上側近接状態画像B2は、自車画像AV内において、下側近接状態画像B1よりも内側に表示され、さらに言えば、面AV1内に表示される。ただし、下側近接状態画像B1と上側近接状態画像B2とが表示される位置は、それに限られない。例えば、下側近接状態画像B1と上側近接状態画像B2とは、少なくとも一方が、自車画像AV外、すなわち周囲俯瞰画像A1内に表示されてもよい。この場合、例えば、下側近接状態画像B1が周囲俯瞰画像A1内に表示され、上側近接状態画像B2が自車画像AV内に表示されてもよいし、下側近接状態画像B1と上側近接状態画像B2との両方が周囲俯瞰画像A1内に表示されてもよい。
【0077】
なお、近接状態画像Bは、車両Vの鉛直方向の位置毎の近接状態を示すものであれば、その数及び位置は、以上説明したものに限られず任意である。また、以上の説明では、近接状態画像Bは、それぞれの障害物検出部12の検出結果に対応して生成されるものであった。ただし、近接状態画像Bは、複数の障害物検出部12の検出結果に基づき表示されるものであってもよい。例えば、障害物検出部12A1、12B1、12C1の検出結果に基づき、前方の下側近接状態画像B1Aが生成されてもよい。また、1つの障害物検出部12の検出結果に基づき、複数の近接状態画像Bを生成してもよい。例えば、障害物検出部12A1の検出結果に基づき、前方の下側の下側近接状態画像B1Aと、前方の上側の上側近接状態画像B2Aとが生成されてもよい。
【0078】
図5は、第1実施形態に係る表示画像を示す模式図である。
図4は、車両Vに近接する障害物が無い場合の例を示していたが、
図5は、車両Vに近接する障害物がある場合の表示画像Pを示している。ここでは、車両Vの左前側の角部の下側に近接する障害物S1と、車両Vの右後ろ側の上側に近接する障害物S2とがある場合を例にしている(
図1を参照)。この場合、
図5に示すように、表示画像Pは、周囲俯瞰画像A1の左前の角部の位置に、障害物S1を撮像した画像である障害物画像F1が表示され、周囲俯瞰画像A1の右後ろの位置に、障害物S2を撮像した画像である障害物画像F2が表示される。そして、近接状態画像Bは、下側近接状態画像BB1と上側近接状態画像BG2とが、近接する障害物がある旨の表示となっている。
【0079】
表示画像Pは、以上のような画像となっている。次に、俯瞰画像生成装置20の制御部22による表示画像Pの表示フローについて説明する。
図6は、第1実施形態に係る表示画像の表示フローを説明するフローチャートである。
図6に示すように、制御部22は、表示画像Pの表示を開始するか否かを判定する(ステップS10)。制御部22は、車両情報取得部34が取得した車両情報に基づき、表示画像Pの表示を開始するかを判定する。例えば、制御部22は、車両Vの後退トリガがある場合に、表示画像Pの表示を開示すると判定し、後退トリガが無い場合に、表示画像Pの表示を開始しないと判定する。後退トリガとは、例えば、シフトポジションが「リバース」とされたことをいう。または、後退トリガとは、車両Vの進行方向が車両Vの前後方向の後方となったことをいう。ただし、表示画像Pの表示のトリガは、後退トリガに限られず、任意に設定することができる。例えば、表示画像Pは、常に表示されていてもよいし、運転者の操作によって表示開始されてもよい。
【0080】
表示画像Pの表示を開始しない場合(ステップS10;No)、ステップS10に戻る。表示画像Pの表示を開始する場合(ステップS10;Yes)、制御部22は、俯瞰画像生成部40及び近接状態画像生成部42により、俯瞰画像Aと近接状態画像Bとを生成する(ステップS12)。俯瞰画像生成部40は、車両Vの周囲を鉛直方向上側から見下ろした周囲俯瞰画像A1と、自車画像AVとを重畳した画像を、俯瞰画像Aとして生成する。近接状態画像生成部42は、車両Vへの障害物の近接状態を、車両Vの位置毎に示す画像を、近接状態画像Bとして生成する。俯瞰画像Aと近接状態画像Bとを生成したら、制御部22は、表示画像生成部44により、俯瞰画像Aと近接状態画像Bとを重畳して、表示画像Pを生成し、(ステップS14)表示制御部38により、生成した表示画像Pを表示部14に表示させる(ステップS16)。その後、制御部22は、表示画像Pの表示を終了するかを判断し(ステップS18)、表示を終了しない場合(ステップS18;No)、ステップS12に戻り、俯瞰画像Aと近接状態画像Bとを更新して、表示画像Pを更新表示させる。表示を終了する場合(ステップS18;Yes)、本処理を終了する。
【0081】
以上説明したように、第1実施形態に係る俯瞰画像生成装置20は、画像取得部30と、近接情報取得部32と、俯瞰画像生成部40と、近接状態画像生成部42と、表示制御部38とを有する。画像取得部30は、車両Vの周辺を撮像した周辺画像を取得する。近接情報取得部32は、車両Vの周辺において検出した障害物の車両Vへの近接状態を示す近接情報を取得する。俯瞰画像生成部40は、周辺画像から車両Vを鉛直方向の上方から見下ろすように視点変換処理を行った俯瞰画像Aを生成する。近接状態画像生成部42は、近接情報に基づき、近接状態画像Bを生成する。近接状態画像Bは、車両Vへの障害物の近接状態を、車両Vの鉛直方向における位置毎に示す画像である。表示制御部38は、俯瞰画像Aと近接状態画像Bとを、重畳して表示部14に表示させる。
【0082】
従来から、車両Vの周囲の状況を示す俯瞰画像を表示して、車両Vに近接する障害物があるかを運転者に通知する場合がある。しかし、俯瞰画像は、車両Vを鉛直方向上方から見た画像である。そのため、俯瞰画像を用いた場合、車両Vの周囲におけるどの位置に障害物が近接しているかについては、運転者に認識させることは可能であるが、車両Vの鉛直方向のどの位置に障害物が近接しているかについては、運転者に認識させることが難しい。例えば異なる視点からの映像を複数表示することで、車両Vの鉛直方向のどの位置に障害物が近接しているかについても認識させることは可能であるが、複数の映像を同時に見ることは、運転者にとって負担が大きい。それに対し、本実施形態に係る俯瞰画像生成装置20は、車両Vの周辺の俯瞰画像である俯瞰画像Aと、障害物の近接状態を車両Vの鉛直方向における位置毎に示す近接状態画像Bとを、重畳して表示する。そのため、この俯瞰画像生成装置20によると、俯瞰画像Aと近接状態画像Bとが重畳した表示画像Pを表示するため、運転者は、車両Vの鉛直方向のどの位置に障害物が近接しているかを、1つの表示画像Pを見るだけで、適切に認識することができる。従って、この俯瞰画像生成装置20によると、車両Vのどの位置に障害物が近接しているかを、運転者に適切に認識させることができる。車両Vが大型車両である場合、車両Vは鉛直方向に高いものとなるため、この俯瞰画像生成装置20を用いることが特に有効となる。
【0083】
また、俯瞰画像生成部40は、車両Vを示す自車画像AVが俯瞰画像Aの中央部に位置するように、俯瞰画像Aを生成する。自車画像AVは、車両Vの鉛直方向における位置の情報を含んでいる。この俯瞰画像生成装置20は、近接状態画像Bに加え、車両Vの鉛直方向毎の位置の情報を含んだ自車画像AVを表示する。従って、運転者は、近接状態画像Bと自車画像AVとを同時に視認することで、車両Vの鉛直方向のどの位置に障害物が近接しているかを、より好適に認識することができる。すなわち、運転者は、近接状態画像Bで、近接する障害物の位置をおおよそ視認しつつ、自車画像AVで、その障害物が車両Vのどの位置に近接しているかを、認識することができる。
【0084】
また、俯瞰画像生成部40は、車両Vの鉛直方向上側の面AV1を中心とした展開図を自車画像AVとして、俯瞰画像Aを生成する。この俯瞰画像生成装置20は、自車画像AVを車両Vの展開図とすることで、障害物が車両Vのどの位置に近接しているかを、より好適に認識させることができる。
【0085】
また、近接状態画像生成部42は、鉛直方向から見た車両Vの周囲の区間毎に、近接状態画像Bを区分して生成する。近接状態画像生成部42は、車両Vの周囲の区間毎に、近接状態画像Bを区分することで、車両Vの鉛直方向のどの位置であって、車両Vの周囲方向のどの位置に障害物が近接しているかを、より好適に認識させることができる。
【0086】
また、近接状態画像生成部42は、下側近接状態画像B1と上側近接状態画像B2とを、近接状態画像Bとして生成する。下側近接状態画像B1は、車両Vへの障害物の近接状態を示す画像である。上側近接状態画像B2は、下側近接状態画像B1よりも車両Vの鉛直方向上側への障害物の近接状態を示す画像である。この俯瞰画像生成装置20は、下側近接状態画像B1と上側近接状態画像B2とを表示することで、車両Vの鉛直方向のどの位置に障害物が近接しているかを、適切に認識させることができる。なお、下側近接状態画像B1と上側近接状態画像B2とは、いずれか一方のみを表示するようにしてもよい。この場合、運転者が、下側近接状態画像B1と上側近接状態画像B2のいずれか一方のみまたは両方を表示するよう切り替えられるようにしてもよい。
【0087】
また、近接状態画像生成部42は、上側近接状態画像B2を、下側近接状態画像B1よりも俯瞰画像Aの中央部側に表示させるように、近接状態画像Bを生成する。この俯瞰画像生成装置20は、鉛直方向上側への近接状態を示す上側近接状態画像B2を、画面の中央側(内側)に表示することで、運転者に直観的に鉛直方向の近接情報を認識させることが可能となる。
【0088】
また、俯瞰画像生成システム1は、俯瞰画像生成装置20と、表示部14と、車両Vの周辺を撮像した周辺画像を取得する撮像部10と、車両Vの周辺における障害物を検出する障害物検出部12と、を有する。この俯瞰画像生成システム1は、俯瞰画像生成装置20を備えるため、車両Vの鉛直方向のどの位置に障害物が近接しているかを、適切に認識させることができる。
【0089】
なお、表示画像Pは、以上説明した第1実施形態と異なる形態となっていてもよい。
図7から
図9は、第1実施形態の表示画像の他の例を示す図である。第1実施形態において、近接状態画像Bは、障害物が無い場合とある場合との両方において、表示されていた。ただし、
図7に示すように、近接状態画像Bは、障害物が無い場合には表示されず、障害物がある場合に表示されるものであってもよい。この場合であっても、近接状態画像Bは、障害物が無い場合とある場合とで、表示内容が異なっているといえる。また、近接状態画像Bは、運転者が、直視やサイドミラー等、目視で確認できない範囲のみを表示するようにしてもよい。この場合、目視で確認できない範囲をあらかじめ記憶部24に保持しておくことが望ましい。
【0090】
また、第1実施形態において、自車画像AVは、車両Vの展開図であったが、上述のように、車両Vの鉛直方向毎の位置の情報を含むものであれば、展開図に限られない。例えば、
図8に示すように、自車画像AVaは、車両Vの鉛直方向下側の箇所を示す下側自車画像AVa1と、下側自車画像AVa1よりも車両Vの鉛直方向上側の箇所を示す上側自車画像AVa2、AVa3とを有していてもよい。下側自車画像AVa1は、車両Vの鉛直方向下側の位置の外周を示す枠線であり、上側自車画像AVa2、AVa3は、下側自車画像AVa1よりも車両Vの鉛直方向上側の位置の外周を示す枠線である。上側自車画像AVa2、AVa3は、下側自車画像AVa1よりも自車画像AVaの内側(中央側)に表示されている。すなわち、自車画像AVaは、車両Vを等高線状に表示した画像であるともいえる。このように下側自車画像AVa1と上側自車画像AVa2、AVa3とを表示することによっても、車両Vの鉛直方向毎の位置の情報を含ませることができるため、車両Vの鉛直方向のどの位置に障害物が近接しているかを、好適に認識することができる。なお、
図8の例では、上側自車画像AVa2は、車両部V1の上側を示す枠線であり、上側自車画像AVa3は、コンテナ部V2を示す枠線である。
【0091】
また、
図9に示すように、自車画像AVaを、1つの枠線として表示してもよい。すなわち、
図9に示す自車画像AVaは、車両Vの鉛直方向毎の位置の情報を含まなくてもよい。この場合でも、近接状態画像Bにより、車両Vの鉛直方向のどの位置に障害物が近接しているかを、好適に認識することができる。
【0092】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態においては、表示画像Pに表示される障害物画像の表示内容が、第1実施形態と異なる。第2実施形態において、第1実施形態と構成が共通する箇所は、説明を省略する。
【0093】
図10は、第2実施形態に係る表示画像を示す模式図である。
図10では、第2実施形態に係る表示画像Paが、周囲俯瞰画像A1に、障害物画像F2、F3を表示させている例を示している。障害物画像F2は、車両Vの右後ろ側の上側に近接する障害物S2の画像であり、障害物画像F3は、車両Vの右後ろの角部の下側に近接する障害物S3の画像である。第2実施形態において、俯瞰画像生成部40は、障害物が車両Vのどの位置に近接するかに応じて、俯瞰画像A中の障害物画像の表示内容を異ならせる。すなわち、障害物S2と障害物S3とは、車両Vの鉛直方向において異なる位置に近接している。従って、俯瞰画像生成部40は、障害物画像F2と障害物画像F3との表示内容を異ならせている。具体的には、俯瞰画像生成部40は、障害物画像F2と障害物画像F3との形状については、俯瞰画像Aの生成時に鉛直方向から見た画像に変換した状態のままとしつつ、形状以外の点で、障害物画像F2と障害物画像F3とを、異なる表示とすることが好ましい。例えば、俯瞰画像生成部40は、障害物画像F2と障害物画像F3とを、異なる色で表示してもよい。また、俯瞰画像生成部40は、障害物画像F2と障害物画像F3とに、異なるマークや文字などを付してもよい。なお、障害物S2と障害物S3とは、近接する位置が、車両Vの鉛直方向に異なっているものであったが、俯瞰画像生成部40は、車両Vの周囲(周方向)において異なる位置に近接する障害物の障害物画像についても、障害物画像F2及び障害物画像F3と同様に、表示内容を異ならせてよい。
【0094】
より詳しくは、第2実施形態において、近接状態画像生成部42は、車両Vの鉛直方向における位置毎に、近接状態画像Bの表示内容を異ならせる。そして、俯瞰画像生成部40は、障害物画像の表示内容を、その障害物画像の撮像元の障害物が近接している箇所の近接状態画像Bの表示内容に対応付ける。すなわち、
図10の例では、俯瞰画像生成部40は、近接状態画像BI1の位置、すなわち右後ろの角部の下側に近接する障害物S3の障害物画像F3を、近接状態画像BI1の表示内容に対応付ける。同様に、俯瞰画像生成部40は、近接状態画像BG2の位置、すなわち右後ろの上側に近接する障害物S2の障害物画像F2を、近接状態画像BG2の表示内容に対応付ける。ここでの表示内容としては、例えば色である。すなわち、俯瞰画像生成部40は、障害物画像F3の色を、近接状態画像BI1の色と同色にし、障害物画像F2の色を、近接状態画像BG2の色と同色にする。ただし、表示内容は、色に限られず、例えばマークや文字など任意の表示であってもよい。この場合、俯瞰画像生成部40は、例えば、障害物画像F3に付したマークや文字を、近接状態画像BI1に付したマークや文字と同じにし、障害物画像F2に付したマークや文字を、近接状態画像BG2に付したマークや文字と同じにする。なお、
図10の例では、近接状態画像生成部42は、車両Vの鉛直方向における位置毎に、近接状態画像Bの表示内容を異ならせていたが、車両Vの周囲における位置毎にも、近接状態画像Bの表示内容を異ならせてよい。
【0095】
なお、近接状態画像生成部42は、位置毎に近接状態画像Bの色を異ならせている場合、例えば、障害物が近接している場合としていない場合とで、色以外の表示内容を異ならせることが好ましい。例えば、近接状態画像生成部42は、障害物が近接していない場合に、同じ色を表示させたままとしつつ、障害物が近接している場合に、近接状態画像Bを点滅させてよい。
図11は、第2実施形態に係る表示画像の他の例を示す模式図である。
図11に示すように、近接状態画像生成部42は、障害物が近接している場合にのみ近接状態画像Bを表示させるようにしてもよい。
【0096】
このように、第2実施形態においては、近接状態画像生成部42は、車両Vの位置毎に、近接状態画像Bの表示内容を異ならせる。ここでの車両Vの位置とは、車両Vの鉛直方向における位置と、車両Vの周囲における位置との少なくとも一方を指す。そして、俯瞰画像生成部40は、障害物を示す画像(障害物画像)の表示内容を、その障害物が近接している位置の近接状態画像Bの表示内容に対応付ける。従って、第2実施形態によると、どの障害物がどの位置に近接しているかを、より好適に認識することができる。
【0097】
また、近接状態画像生成部42は、車両Vの位置毎に、近接状態画像Bの色を異ならせ、俯瞰画像生成部40は、障害物画像の色を、その障害物が近接している位置の近接状態画像Bの色と同色にする。第2実施形態によると、色を同色とすることで、どの障害物がどの位置に近接しているかを、より好適に認識することができる。
【0098】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0099】
1 俯瞰画像生成システム
10 撮像部
12 障害物検出部
14 表示部
20 俯瞰画像生成装置
22 制御部
30 画像取得部
32 近接情報取得部
36 画像生成部
38 表示制御部
40 俯瞰画像生成部
42 近接状態画像生成部
44 表示画像生成部
A 俯瞰画像
A1 周囲俯瞰画像
AV 自車画像
B 近接状態画像
P 表示画像
V 車両