(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20221122BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
G06F3/12 373
G06F3/12 320
H04N1/00 002Z
(21)【出願番号】P 2018152717
(22)【出願日】2018-08-14
【審査請求日】2021-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110000039
【氏名又は名称】特許業務法人アイ・ピー・ウィン
(72)【発明者】
【氏名】村上 哲範
【審査官】白石 圭吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-186315(JP,A)
【文献】特開2007-312225(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09-3/12
H04N 1/00
H04N 1/21
B41J 29/00-29/70
B41J 5/00-5/52;21/00-21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像が蓄積された際の
履歴を管理するための履歴情報であって、蓄積された画像と画像が蓄積された際の処理内容とが対応付けられた蓄積時の履歴情報と、画像が出力された際の
履歴を管理するための履歴情報であって、出力された画像と画像が出力された際の処理内容とが対応付けられた出力時の履歴情報とを格納する格納手段と、
画像が出力された場合に、出力された当該画像に対応する蓄積時の履歴情報を前記格納手段から削除するよう制御する制御手段と、
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、画像が出力された場合に、出力された当該画像に対応する全ての蓄積時の履歴情報を前記格納手段から削除するよう制御する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記格納手段は、画像が蓄積または出力された際に、蓄積または出力された画像を前記履歴情報に含めて格納し、
前記制御手段は、蓄積時の履歴情報および出力時の履歴情報にそれぞれ含まれる画像どうしを比較することにより、出力された画像に対応する蓄積時の履歴情報を特定して削除するよう制御する請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、比較対象の2つの画像の各画素どうしの相関値を算出することにより、出力された画像に対応する蓄積時の履歴情報を特定して削除する請求項3記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、出力時の履歴情報に含まれる属性情報および画像の特徴量が同じ蓄積時の履歴情報を前記格納手段から削除するよう制御する請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記格納手段に格納される履歴情報に含まれる属性情報は、操作者の情報又はファイル名に関する情報を含み、画像の特徴量は、データサイズ又は画像種別の情報を含む請求項5記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御手段は、出力時の履歴情報に付与された識別情報と同一の識別情報が付与された蓄積時の履歴情報を前記格納手段から削除するよう制御する請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項8】
画像が蓄積された際の
履歴を管理するための履歴情報であって、蓄積された画像と画像が蓄積された際の処理内容とが対応付けられた蓄積時の履歴情報を格納手段に格納するステップと、
画像が出力された場合に、出力された当該画像に対応する蓄積時の履歴情報を格納手段から削除するよう制御するステップと、
画像が出力された際の
履歴を管理するための履歴情報であって、出力された画像と画像が出力された際の処理内容とが対応付けられた出力時の履歴情報を前記格納手段に格納するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、保存された文書に基づいて画像出力がおこなわれた場合、画像出力に用いられたログ画像やジョブチケット情報などからなるログ情報を解析し、ジョブチケット情報に従って元文書から生成された画像とログ画像との差分が閾値以下である場合には、差分画像を保存し、差分が閾値以上である場合には、ログ画像を保存するようにして、印刷出力の再現用に保存するデータ量を削減するようにした印刷記録管理装置が開示されている。
【0003】
特許文献2には、1回の処理要求および1回の処理要求に基づいて実行される一連の処理であるエンティティに対してチケットを生成し、そのチケットが示す処理要求ごとにログ情報を省略して記録することで、容量を低減したログ情報を蓄積できる画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-304761号公報
【文献】特開2010-063087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、処理が実行された画像の履歴情報を格納しておく際に、画像が蓄積された場合の履歴情報を格納する場合でも、重複した履歴情報を格納しないようにすることが可能な情報処理装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[情報処理装置]
請求項1に係る本発明は、画像が蓄積された際の履歴を管理するための履歴情報であって、蓄積された画像と画像が蓄積された際の処理内容とが対応付けられた蓄積時の履歴情報と、画像が出力された際の履歴を管理するための履歴情報であって、出力された画像と画像が出力された際の処理内容とが対応付けられた出力時の履歴情報とを格納する格納手段と、
画像が出力された場合に、出力された当該画像に対応する蓄積時の履歴情報を前記格納手段から削除するよう制御する制御手段とを備えた情報処理装置である。
【0007】
請求項2に係る本発明は、前記制御手段が、画像が出力された場合に、出力された当該画像に対応する全ての蓄積時の履歴情報を前記格納手段から削除するよう制御する請求項1記載の情報処理装置である。
【0008】
請求項3に係る本発明は、前記格納手段が、画像が蓄積または出力された際に、蓄積または出力された画像を前記履歴情報に含めて格納し、
前記制御手段は、蓄積時の履歴情報および出力時の履歴情報にそれぞれ含まれる画像どうしを比較することにより、出力された画像に対応する蓄積時の履歴情報を特定して削除するよう制御する請求項1又は2記載の情報処理装置である。
【0009】
請求項4に係る本発明は、前記制御手段が、比較対象の2つの画像の各画素どうしの相関値を算出することにより、出力された画像に対応する蓄積時の履歴情報を特定して削除する請求項3記載の情報処理装置である。
【0010】
請求項5に係る本発明は、前記制御手段が、出力時の履歴情報に含まれる属性情報および画像の特徴量が同じ蓄積時の履歴情報を前記格納手段から削除するよう制御する請求項1又は2記載の情報処理装置である。
【0011】
請求項6に係る本発明は、前記格納手段に格納される履歴情報に含まれる属性情報は、操作者の情報又はファイル名に関する情報を含み、画像の特徴量は、データサイズ又は画像種別の情報を含む請求項5記載の情報処理装置である。
【0012】
請求項7に係る本発明は、前記制御手段が、出力時の履歴情報に付与された識別情報と同一の識別情報が付与された蓄積時の履歴情報を前記格納手段から削除するよう制御する請求項1又は2記載の情報処理装置である。
【0013】
[プログラム]
請求項8に係る本発明は、画像が蓄積された際の履歴を管理するための履歴情報であって、蓄積された画像と画像が蓄積された際の処理内容とが対応付けられた蓄積時の履歴情報を格納手段に格納するステップと、
画像が出力された場合に、出力された当該画像に対応する蓄積時の履歴情報を格納手段から削除するよう制御するステップと、
画像が出力された際の履歴を管理するための履歴情報であって、出力された画像と画像が出力された際の処理内容とが対応付けられた出力時の履歴情報を前記格納手段に格納するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る本発明によれば、処理が実行された画像の履歴情報を格納しておく際に、画像が蓄積された場合の履歴情報を格納する場合でも、重複した履歴情報を格納しないようにすることが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0015】
請求項2に係る本発明によれば、画像の出力時の履歴情報と重複する全ての履歴情報を格納しないようにすることが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0016】
請求項3に係る本発明によれば、処理が実行された画像の履歴情報を格納しておく際に、画像が蓄積された場合の履歴情報を格納する場合でも、出力された画像と同一の画像に対する重複した履歴情報を格納しないようにすることが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0017】
請求項4に係る本発明によれば、処理が実行された画像の履歴情報を格納しておく際に、画像が蓄積された場合の履歴情報を格納する場合でも、出力された画像と同一の画像に対する重複した履歴情報を格納しないようにすることが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0018】
請求項5に係る本発明によれば、処理が実行された画像の履歴情報を格納しておく際に、画像が蓄積された場合の履歴情報を格納する場合でも、属性情報および画像の特徴量が同一の重複した履歴情報を格納しないようにすることが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0019】
請求項6に係る本発明によれば、処理が実行された画像の履歴情報を格納しておく際に、画像が蓄積された場合の履歴情報を格納する場合でも、操作者又はファイル名および画像のデータサイズ又は画像種別が同一の重複した履歴情報を格納しないようにすることが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0020】
請求項7に係る本発明によれば、処理が実行された画像の履歴情報を格納しておく際に、画像が蓄積された場合の履歴情報を格納する場合でも、画像の一致判定を行うことなく、重複した履歴情報を格納しないようにすることが可能な情報処理装置を提供することができる。
【0021】
請求項8に係る本発明によれば、処理が実行された画像の履歴情報を格納しておく際に、画像が蓄積された場合の履歴情報を格納する場合でも、重複した履歴情報を格納しないようにすることが可能なプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態の履歴管理システムのシステム構成を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態における履歴管理サーバ10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態における履歴管理サーバ10の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】端末装置40にいて表示される検索操作画面例を示す図である。
【
図5】認証プリント時における履歴情報の管理例を説明するための図である。
【
図6】認証プリント以外の処理が行われる場合における履歴情報の管理例を説明するための図である。
【
図7】本発明の一実施形態の履歴管理サーバ10における履歴情報を削除する際の処理を説明するためのフローチャートである。
【
図8】出力時の履歴情報に対応する蓄積時の履歴情報が削除される様子を説明するための図である。
【
図9】履歴管理サーバ10に送信する履歴情報に文書IDを含めるようにした場合における、認証プリント時における履歴情報の管理例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
図1は本発明の一実施形態の履歴管理システムの構成を示す図である。
【0025】
本発明の一実施形態の履歴管理システムは、
図1に示されるように、ネットワーク30により相互に接続された履歴管理サーバ10、複数の画像形成装置20、管理者により操作される端末装置40および一般ユーザにより操作される複数の端末装置50により構成される。
【0026】
画像形成装置20は、印刷(プリント)機能、スキャン機能、複写(コピー)機能、ファクシミリ機能等の複数の機能を有するいわゆる複合機と呼ばれる装置である。
【0027】
本実施形態の履歴管理システムは、このような複数の画像形成装置20が設置されているような状態で、いつ、だれが、どの装置からどのような文書をコピー、プリント、ファクシミリ送信、スキャンしたのかが分かるようにするためのシステムである。
【0028】
具体的には、画像形成装置20では、コピー、スキャン、プリント等の各種処理が実行された際に、文書等の画像に対して実行した処理の種類、処理を行ったユーザ(操作者)、処理を行った時刻、処理が実行されたページ(頁)に関する情報等を、処理内容を表した履歴情報(イメージログ)として生成して履歴管理サーバ10に送信する。
【0029】
すると、履歴管理サーバ10は、画像形成装置20においてコピー、スキャン、プリント等の各種処理が実行された際に、処理が実行された画像と、処理を実行した操作者、日時、処理の種類、処理を行ったページ情報等を対応付けて履歴情報として取得して管理する。つまり、履歴管理サーバ10は、画像形成装置20において実行された処理の履歴を管理するための情報処理装置であり、情報漏洩等が発生した場合にはこの履歴を参照することにより情報漏洩の経路等を追跡することが可能となる。
【0030】
このように履歴情報の管理が行われることにより、本実施形態の履歴管理システムによれば、情報漏洩の抑止や、情報漏洩が発生した際に、漏洩した情報の経路の追跡を可能としてトレーサビリティーの向上が図られる。
【0031】
なお、端末装置40は、例えばこのような履歴情報の管理を行っている管理者により操作され、履歴管理サーバ10に蓄積されている履歴情報の閲覧、検索等を行う際に用いられる。
【0032】
次に、本実施形態の画像形成システムにおける履歴管理サーバ10のハードウェア構成を
図2に示す。
【0033】
履歴管理サーバ10は、
図2に示されるように、CPU11、メモリ12、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置13、ネットワーク30を介して外部の装置等との間でデータの送信及び受信を行う通信インタフェース(IF)14、タッチパネル又は液晶ディスプレイ並びにキーボードを含むユーザインタフェース(UI)装置15を有する。これらの構成要素は、制御バス16を介して互いに接続されている。
【0034】
CPU11は、メモリ12または記憶装置13に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、履歴管理サーバ10の動作を制御する。なお、本実施形態では、CPU11は、メモリ12または記憶装置13内に格納された制御プログラムを読み出して実行するものとして説明するが、当該プログラムをCD-ROM等の記憶媒体に格納してCPU11に提供することも可能である。
【0035】
図3は、上記の制御プログラムが実行されることにより実現される履歴管理サーバ10の機能構成を示すブロック図である。
【0036】
本実施形態の履歴管理サーバ10は、
図3に示されるように、通信部31と、履歴情報格納部33と、制御部34と、検索部35を備えている。
【0037】
通信部31は、複数の画像形成装置20や端末装置40との間でデータの送受信を行っている。
【0038】
制御部34は、通信部31を介して画像形成装置20から、コピー、スキャン、プリント等の各種処理が実行された画像と、処理を実行した操作者、日時、処理の種類、処理を行ったページ情報等とが対応付けられた履歴情報を受け付ける。
【0039】
履歴情報格納部33は、制御部34において受け付けられた履歴情報を格納する。つまり、履歴情報格納部33は、画像形成装置20においてある画像に対する処理が実行された場合に、処理が実行された画像と実行された処理内容とを対応付けて履歴情報として格納する。
【0040】
検索部35は、履歴情報格納部33に格納されている履歴情報に対して、指定された条件に基づいて検索を行う。例えば、検索部35は、
図4に示すような検索操作画面を端末装置40のディスプレイ上に表示して、この検索操作画面から入力された検索キーワード、検索対象のジョブ種別(処理の種類)、時刻範囲等に合致する履歴情報を履歴情報格納部33に格納されている履歴情報の中から検索する。
【0041】
図4に示した検索操作画面では、コピー、プリント等の全ての処理種類の履歴情報のうち、処理時刻が2018年1月10日から2018年2月10日であって、「極秘」という単語を含む文書を検索する場合が示されている。
【0042】
制御部34は、検索部35による検索結果を端末装置40に表示するよう制御する。
【0043】
なお、本実施形態における履歴情報格納部33は、画像が蓄積された際の蓄積時の履歴情報(イメージログ)と、画像が出力された際の出力時の履歴情報(イメージログ)の両方の履歴情報を格納する。
【0044】
例えば、
図5に示すような認証プリントと呼ばれるような印刷方法では、端末装置50から画像形成装置20に印刷ジョブが蓄積された後に、ユーザが画像形成装置20において認証を行うことにより最終的にプリントが行われる。
【0045】
このような場合、
図5に示すように、端末装置50から画像形成装置20に印刷ジョブが蓄積された際に、蓄積時の履歴情報が画像形成装置20から履歴管理サーバ10に送信されて格納される。
【0046】
そして、画像形成装置20において認証が行われて実際のプリント処理が実行されると、出力時の履歴情報が画像形成装置20から履歴管理サーバ10に送信されて格納される。
【0047】
ここで、蓄積時の履歴情報とは、画像形成装置20において各種の文書等の画像が蓄積(保存、格納)された際の処理内容を示す全ての情報が該当する。また、出力時の履歴情報とは、画像形成装置20からプリント(印刷)、FAX送信、他の装置への転送等画像を外部に出力する際の処理内容を示す全ての情報が該当する。
【0048】
このように、本実施形態の履歴管理システムにおいて、蓄積時の履歴情報と出力時の履歴情報の両方を格納するようにしているのは、例えばある機密文書をプリントしようとして画像形成装置20に蓄積したが実際には印刷用紙上にプリントしなかったような未遂行為をも把握することができるようにするためのである。
【0049】
つまり、あるユーザが端末装置50上で印刷指示を行うことにより印刷ジョブが画像形成装置20に蓄積されたことを示す蓄積時の履歴情報と、ユーザが画像形成装置20で認証を行って蓄積されている印刷ジョブのプリントを実際に行ったことを示す出力時の履歴情報の両方を格納することにより禁止されている機密文書のプリントをしようとした未遂行為を後から追跡することが可能となる。
【0050】
しかし、上述したような処理が行われた際に、機密文書のプリントが実際に行われた場合には出力時の履歴情報が履歴管理サーバ10に格納されることになるため、蓄積時の履歴情報は不要となる。
【0051】
そのため、本実施形態における履歴管理サーバ10では、制御部34は、画像が出力された場合に、出力された画像に対応する蓄積時の履歴情報を履歴情報格納部33から削除するよう制御する。
【0052】
なお、出力された画像に対応する履歴情報が履歴情報格納部33に複数格納されている場合には、制御部34は、画像が出力された場合、出力された画像に対応する全ての蓄積時の履歴情報を履歴情報格納部33から削除するよう制御する。
【0053】
なお、履歴情報格納部33は、画像が蓄積または出力された際に、蓄積または出力された画像を履歴情報に含めて格納する。
【0054】
そのため、制御部34は、蓄積時の履歴情報および出力時の履歴情報にそれぞれ含まれる画像どうしを比較することにより、出力された画像に対応する蓄積時の履歴情報を特定して削除するよう制御する。
【0055】
具体的には、制御部34は、比較対象の2つの画像の各画素どうしの相関値を算出することにより、出力された画像に対応する蓄積時の履歴情報を特定して削除する。
【0056】
または、制御部34は、出力時の履歴情報に含まれる属性情報および画像の特徴量が同じ蓄積時の履歴情報を履歴情報格納部33から削除するよう制御する。
【0057】
ここで、履歴情報格納部33に格納される履歴情報に含まれる属性情報としては、ユーザ(操作者)の情報又はファイル名に関する情報を含み、画像の特徴量は、データサイズ又は画像種別の情報を含む。
【0058】
なお、上記でユーザが画像形成装置20に画像データを一旦蓄積してから出力する処理の一例として認証プリントが行われる場合を用いて説明した。しかし、画像形成装置20に画像データを一旦蓄積してから出力する処理としては認証プリント以外の処理も存在する。
【0059】
例えば、
図6に示すように、ユーザが画像形成装置20においてある文書をスキャンしてユーザ毎の格納領域である親展ボックスに保存して、その後にプリントやFAX送信するような処理が行われる場合、スキャンした画像を親展ボックスに保存する処理の処理内容が蓄積時の履歴情報として履歴管理サーバ10に送信される。そして、ユーザが認証を行って親展ボックスに保存されていた画像のプリントやFAX送信を行った場合に、その処理の処理内容が出力時の履歴情報として履歴管理サーバ10に送信される。
【0060】
次に、本実施形態の履歴管理サーバ10における履歴情報を削除する際の処理について
図7のフローチャートを参照して説明する。
【0061】
履歴管理サーバ10において画像形成装置20からの履歴情報を受け付けると(ステップS101)、制御部34は、受け付けられた履歴情報が出力時のものであるのか否かの判定を行う(ステップS102)。
【0062】
そして、受け付けた履歴情報が出力時のものではない場合(ステップS102においてno)、制御部34は、受け付けた履歴情報を履歴情報格納部33に格納する(ステップS105)。
【0063】
なお、受け付けた履歴情報が出力時のものである場合(ステップS102においてyes)、制御部34は、その出力時の履歴情報に対応する蓄積時の履歴情報が履歴情報格納部33に格納されている履歴情報の中に存在するか否かを探す(ステップS103)。
【0064】
そして、出力時の履歴情報に対応する蓄積時の履歴情報が履歴情報格納部33に格納されている履歴情報の中に存在する場合(ステップS103においてyes)、制御部34は、出力時の履歴情報に対応する全ての蓄積時の履歴情報を履歴情報格納部33から削除する(ステップS104)。
【0065】
なお、出力時の履歴情報に対応する蓄積時の履歴情報が履歴情報格納部33に格納されていない場合(ステップS103においてno)、制御部34は、その出力時の履歴情報を履歴情報格納部33に格納する(ステップS105)。
【0066】
このようにして出力時の履歴情報に対応する蓄積時の履歴情報が削除される様子について
図8を参照して説明する。
【0067】
図8では、蓄積時の履歴情報81~85が履歴情報格納部33に格納されている状態で、出力時の履歴情報91~93を制御部34が受付けた場合に行われる削除処理の例が示されている。
【0068】
例えば、出力時の履歴情報91を受け付けた制御部34は、この出力時の履歴情報91に対応する蓄積時の履歴情報81を履歴情報格納部33から削除する処理を行う。
【0069】
そして、出力時の履歴情報92を受け付けた制御部34は、この出力時の履歴情報92に対応する2つの蓄積時の履歴情報82、83の両方を履歴情報格納部33から削除する処理を行う。
【0070】
また、出力時の履歴情報93を受け付けた制御部34は、この出力時の履歴情報93に対応する蓄積時の履歴情報85を履歴情報格納部33から削除する処理を行う。
【0071】
ここで、
図5を参照すると、蓄積時の履歴情報84については、対応する出力時の履歴情報が画像形成装置20から送信されてきていないため、削除されずにそのまま残っているのが分かる。
【0072】
なお、上記では、制御部34は、蓄積時の履歴情報に含まれる画像と出力時の履歴情報に含まれる画像を比較することにより、出力時の履歴情報に対応する蓄積時の履歴情報を履歴情報格納部33から探すものとして説明した。
【0073】
しかし、
図9に示すように、画像形成装置20において処理を実行した文書データに対しして文書IDのような各文書を個別に識別可能な識別情報を付与するようにして、履歴管理サーバ10に送信する履歴情報にこの文書IDを含めるようにすれば履歴管理サーバ10では、比較対象の画像どうしを比較する必要がなくなる。
【0074】
この場合、制御部34は、出力時の履歴情報に付与された識別情報と同一の識別情報が付与された蓄積時の履歴情報を履歴情報格納部33から削除するよう制御するようにすれば良い。
【0075】
図9では、端末装置50から画像形成装置20に対して印刷ジョブを蓄積した際の蓄積時の履歴情報には文書IDが含まれており、画像形成装置20において蓄積されていた印刷ジョブに対するプリントが実行された際の出力時の蓄積情報にも文書IDが含まれている。
【0076】
そのため、履歴管理サーバ10における制御部34では、蓄積時の履歴情報に含まれる文書IDと、出力時の履歴情報に含まれる文書IDとを比較するだけで、蓄積時の履歴情報と出力時の履歴情報とが対応していることを把握することができる。
【0077】
[変形例]
上記実施形態では、画像形成装置における処理内容を履歴情報として管理する場合を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、画像に対して処理を実行する画像形成装置以外の他の装置における処理内容の履歴を管理するような場合でも同様に本発明を適用することができるものである。
【符号の説明】
【0078】
10 履歴管理サーバ
11 CPU
12 メモリ
13 記憶装置
14 通信インタフェース(IF)
15 ユーザインタフェース(UI)装置
16 制御バス
20 画像形成装置1
30 ネットワーク
31 通信部
33 履歴情報格納部
34 制御部
35 検索部
40 端末装置
50 端末装置
81~85 履歴情報
91~93 履歴情報