IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ノーリツの特許一覧

<>
  • 特許-温水装置 図1
  • 特許-温水装置 図2
  • 特許-温水装置 図3
  • 特許-温水装置 図4
  • 特許-温水装置 図5
  • 特許-温水装置 図6
  • 特許-温水装置 図7
  • 特許-温水装置 図8
  • 特許-温水装置 図9
  • 特許-温水装置 図10
  • 特許-温水装置 図11
  • 特許-温水装置 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】温水装置
(51)【国際特許分類】
   F24H 9/02 20060101AFI20221122BHJP
   F23L 5/02 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
F24H9/02 301D
F23L5/02
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018157014
(22)【出願日】2018-08-24
(65)【公開番号】P2020030014
(43)【公開日】2020-02-27
【審査請求日】2021-07-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】船引 恒男
【審査官】豊島 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特許第2552533(JP,B2)
【文献】特開2008-286382(JP,A)
【文献】特開2006-118522(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 9/02
F23L 5/02
F04D 29/44
F16L 23/04
F16L 21/06
F16B 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
背板と、第1方向において互いに対向するとともに、前記第1方向に交差する第2方向に沿って前記背板の両側端から延在する第1側板及び第2側板とを有し、かつ、前記第2方向において前記背板とは反対側に開口部が設けられた筐体と、
前記筐体の内部に配置されているファン及びチャンバと、
挟持部材と
固定部材とを備え、
前記ファンは、吐出口と、前記第1方向に沿って前記吐出口へと延在している第1流路と、前記第1流路の外周面から張り出すように前記吐出口に設けられた第1フランジとを有しており、
前記チャンバは、吸入口と、前記第1方向に沿って前記吸入口から延在している第2流路と、前記第2流路の外周面から張り出すように前記吸入口に設けられた第2フランジとを有しており、
前記第1フランジ及び前記第2フランジは、前記吐出口及び前記吸入口が連通するように互いに当接しており、
前記挟持部材は、前記第1フランジ及び前記第2フランジを前記第1方向において挟持しており、かつ、前記チャンバの前記開口部側及び前記ファンの前記開口部側の少なくとも一方に前記固定部材を用いて固定されている、温水装置。
【請求項2】
前記第1フランジの外周面には、第1凸部が設けられており、
前記第2フランジの外周面には、第2凸部が設けられており、
前記第1フランジ及び前記第2フランジは、前記第1凸部及び前記第2凸部が互いに対向するように当接しており、
前記挟持部材には、前記第1凸部及び前記第2凸部が挿入される挿入孔が設けられている、請求項1に記載の温水装置。
【請求項3】
前記第1方向における前記挿入孔の幅は、前記第1凸部及び前記第2凸部の基端部から離れるにつれて狭くなっている、請求項2に記載の温水装置。
【請求項4】
背板と、第1方向において互いに対向するとともに、前記第1方向に交差する第2方向に沿って前記背板の両側端から延在する第1側板及び第2側板とを有し、かつ、前記第2方向において前記背板とは反対側に開口部が設けられた筐体と、
前記筐体の内部に配置されているファン及びチャンバと、
挟持部材とを備え、
前記ファンは、吐出口と、前記第1方向に沿って前記吐出口へと延在している第1流路と、前記第1流路の外周面から張り出すように前記吐出口に設けられた第1フランジとを有しており、
前記チャンバは、吸入口と、前記第1方向に沿って前記吸入口から延在している第2流路と、前記第2流路の外周面から張り出すように前記吸入口に設けられた第2フランジとを有しており、
前記第1フランジ及び前記第2フランジは、前記吐出口及び前記吸入口が連通するように互いに当接しており、
前記挟持部材は、前記第1フランジ及び前記第2フランジを前記第1方向において挟持しており、かつ、前記チャンバの前記開口部側及び前記ファンの前記開口部側の少なくとも一方に固定されており、
前記第1流路の外周面には、前記第1流路の外周面から突出するように位置決めピンが設けられており、
前記挟持部材は、前記チャンバの前記開口部側に固定されており、
前記挟持部材には、前記位置決めピンが挿入される位置決め孔が設けられている温水装置。
【請求項5】
前記挟持部材は、前記チャンバの前記開口部側及び前記ファンの前記開口部側の双方に固定されている、請求項1に記載の温水装置。
【請求項6】
背板と、第1方向において互いに対向するとともに、前記第1方向に交差する第2方向に沿って前記背板の両側端から延在する第1側板及び第2側板とを有し、かつ、前記第2方向において前記背板とは反対側に開口部が設けられた筐体と、
前記筐体の内部に配置されているファン及びチャンバと、
挟持部材とを備え、
前記ファンは、吐出口と、前記第1方向に沿って前記吐出口へと延在している第1流路と、前記第1流路の外周面から張り出すように前記吐出口に設けられた第1フランジとを有しており、
前記チャンバは、吸入口と、前記第1方向に沿って前記吸入口から延在している第2流路と、前記第2流路の外周面から張り出すように前記吸入口に設けられた第2フランジとを有しており、
前記第1フランジ及び前記第2フランジは、前記吐出口及び前記吸入口が連通するように互いに当接しており、
前記挟持部材は、前記第1フランジ及び前記第2フランジを前記第1方向において挟持しており、かつ、前記チャンバの前記開口部側及び前記ファンの前記開口部側の少なくとも一方に固定されており、
点火プラグをさらに備え、
前記点火プラグは、平面視において、前記開口部側に配置されており、
前記第1流路及び前記第2流路は、平面視において、前記開口部側に配置されている温水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2018-112321号公報(特許文献1)には、温水装置が記載されている。特許文献1に記載の温水装置は、筐体と、チャンバと、ファンとを有している。チャンバ及びファンは、筐体の内部に配置されている。
【0003】
筐体は、背板部と、一対の側板部とを有している。一対の側板部(第1側板部及び第2側板部)は、背板部の両側端から前方に延在している。筐体は、前方に開口部を有している。チャンバは、筐体の内部に配置されている。チャンバは、第1取り付け面と、吸入口とを有している。第1取り付け面は、平面視において背板部に対して傾斜している。吸入口は、第1取り付け面において斜め前方に向けて開口している。
【0004】
ファンは、吐出口が設けられた第2取り付け面を有している。ファンは、吸入口及び吐出口が連通するように第1取り付け面と第2取り付け面とが対向させた状態でチャンバに取り付けられている。第1取り付け面及び第2取り付け面は、ネジで相互に固定されている。ネジは、第1取り付け面及び第2取り付け面に形成されているネジ穴に螺合されている。ネジ穴は、第1取り付け面及び第2取り付け面に直交するように形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-112321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の温水装置において、ファンから吐出された混合ガスは、平面視において背板部に対して傾斜した方向に沿ってチャンバの内部に吸入される。すなわち、ファンから吐出された混合ガスを、第1側板部から第2側板部に向かう方向に沿ってチャンバの内部に吸入させることはできない。
【0007】
仮に、特許文献1に記載の温水装置においてファンから吐出された混合ガスが第1側板部から第2側板部に向かう方向に沿ってチャンバの内部に吸入されるようにチャンバ及びファンを配置した場合には、ネジにより第1取り付け面及び第2取り付け面を固定することが困難になる。
【0008】
本発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものである。より具体的には、本発明は、混合ガスを第1側板から第2側板に向かう方向に沿ってチャンバの内部に供給することが可能であるとともに、筐体に設けられた開口部を介してファン及びチャンバを容易に接続することが可能な温水装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る温水装置は、筐体と、ファンと、チャンバと、挟持部材とを備えている。筐体は、背板と、第1方向において互いに対向するとともに、第1方向に交差する第2方向に沿って背板の両側端から延在する第1側板及び第2側板とを有している。筐体には、第2方向において背板とは反対側に開口部が設けられている。
【0010】
ファン及びチャンバは、筐体の内部に配置されている。ファンは、吐出口と、第1方向に沿って吐出口へと延在している第1流路と、第1流路の外周面から張り出すように吐出口に設けられた第1フランジとを有している。チャンバは、吸入口と、第1方向に沿って吸入口から延在している第2流路と、第2流路の外周面から張り出すように吸入口に設けられた第2フランジとを有している。
【0011】
第1フランジ及び第2フランジは、吐出口及び吸入口が連通するように、互いに当接している。挟持部材は、第1フランジ及び第2フランジを第1方向において挟持しており、かつ、チャンバの開口部側及びファンの開口部側の少なくとも一方に固定されている。
【0012】
上記の温水装置においては、第1流路及び第2流路が第1方向に沿って延在している。そのため、ファンから吐出される混合ガスは、第1方向に沿って、チャンバの内部に供給される。上記の温水装置においては、挟持部材が、第1フランジ及び第2フランジを挟持するとともに、筐体の開口部側においてチャンバ及びファンの少なくとも一方に固定されている。そのため、作業者は、筐体の開口部を介して容易にチャンバ及びファンの接続を行うことができる。
【0013】
上記の温水装置において、第1フランジの外周面には、第1凸部が設けられていてもよい。第2フランジの外周面には、第2凸部が設けられていてもよい。第1フランジ及び第2フランジは、第1凸部及び第2凸部が互いに対向するように当接していてもよい。挟持部材には、第1凸部及び第2凸部が挿入される挿入孔が設けられていてもよい。
【0014】
この場合、第1凸部及び第2凸部が挿入孔に挿入されることにより、第1フランジの第2フランジに対する周方向の回転が抑止されるため、温水装置の組立性が改善される。
【0015】
上記の温水装置において、第1方向における挿入孔の幅は、第1凸部及び第2凸部の基端部から離れるにつれて狭くなっていてもよい。
【0016】
この場合、第1凸部及び第2凸部を容易に挿入孔に挿入することができる。また、この場合、一旦第1凸部及び第2凸部を挿入孔に挿入した後は、挿入孔により第1凸部及び第2凸部が第1方向に沿って相互に押し付け合うため、第1フランジと第2フランジとの間の密着性を高めることができる。
【0017】
上記の温水装置において、第1流路の外周面には、第1流路の外周面から突出するように位置決めピンが設けられていてもよい。挟持部材は、チャンバの開口部側に固定されていてもよい。挟持部材には、位置決めピンが挿入される位置決め孔が設けられていてもよい。
【0018】
この場合、位置決めピンが位置決め孔に挿入されることにより、第1フランジの第2フランジに対する周方向の回転が抑止されるため、温水装置の組立性が改善される。
【0019】
上記の温水装置において、挟持部材は、チャンバの開口部側及びファンの開口部側の双方に固定されていてもよい。
【0020】
この場合、挟持部材がチャンバ及びファンの双方に固定されることにより、第1フランジの第2フランジに対する周方向の回転が抑止されるため、温水装置の組立性が改善される。
【0021】
上記の温水装置は、点火プラグをさらに備えていてもよい。点火プラグは、平面視において、開口部側に配置されていてもよい。第1流路及び第2流路は、平面視において、開口部側に配置されていてもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一態様に係る温水装置によると、混合ガスを第1側板から第2側板に向かう方向に沿ってチャンバの内部に供給することを可能になるとともに、筐体に設けられた開口部を介してファンとチャンバとを容易に接続することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】実施形態に係る温水装置100の模式図である。
図2】実施形態に係る温水装置100の筐体10の斜視図である。
図3】実施形態に係る温水装置100のファン42の斜視図である。
図4】実施形態に係る温水装置100のファン42の側面図である。
図5図4のV-Vにおける断面図である。
図6】実施形態に係る温水装置100のチャンバ41の斜視図である。
図7図6のVII-VIIにおける断面図である。
図8】実施形態に係る温水装置100のチャンバ41及びファン42の斜視図である。
図9】実施形態に係る温水装置100のチャンバ41及びファン42の分解斜視図である。
図10】実施形態に係る温水装置100のチャンバ41及びファン42の平面図である。
図11図10のXI-XIにおける断面図である。
図12】実施形態に係る温水装置100の挟持部材6の第1方向DR1に平行な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。以下の図面においては、同一又は相当する部分に同一の参照符号を付し、重複する説明は繰り返さない。
【0025】
(実施形態に係る温水装置の構成)
以下に、実施形態に係る温水装置100の構成を説明する。
【0026】
<概略構成>
図1に示されるように、温水装置100は、筐体10と、一次熱交換器20と、点火プラグ21と、二次熱交換器30と、バーナ40と、チャンバ41と、ファン42と、ダクト43と、ベンチュリ44と、オリフィス45と、ガスバルブ46と、配管50a~配管50gと、バイパス配管51a及びバイパス配管51bと、バイパスサーボ52とを有している。
【0027】
一次熱交換器20、点火プラグ21、二次熱交換器30、バーナ40、チャンバ41、ファン42、ダクト43、ベンチュリ44、オリフィス45、ガスバルブ46、配管50a~配管50g、バイパス配管51a、バイパス配管51b及びバイパスサーボ52は、筐体10内に配置されている。
【0028】
バーナ40は、チャンバ41の下方に配置されている。一次熱交換器20は、バーナ40の下方に配置されている。点火プラグ21は、バーナ40の下方に配置されている。点火プラグ21は、例えば一次熱交換器20に取り付けられている。二次熱交換器30は、一次熱交換器20の下方に配置されている。
【0029】
配管50aの一方端からは、燃料ガスが供給される。配管50aの他方端は、ガスバルブ46に接続されている。配管50bの一方端は、ガスバルブ46に接続されている。配管50bの他方端は、オリフィス45に接続されている。配管50cの一方端は、オリフィス45に接続されている。配管50cの他方端は、ベンチュリ44に接続されている。
【0030】
配管50dの一方端は、ベンチュリ44に接続されている。配管50dの他方端は、ファン42に接続されている。ファン42は、チャンバ41に接続されている。この点に関しては、後述する。チャンバ41は、バーナ40に接続されている。
【0031】
配管50eの一方端からは、水が供給される。配管50eの他方端は、二次熱交換器30に接続されている。配管50fの一方端は、二次熱交換器30に接続されている。配管50fの他方端は、一次熱交換器20に接続されている。配管50gの一方端は、一次熱交換器20に接続されている。配管50gの他方端からは、出湯が行われる。
【0032】
バイパス配管51aの一方端は、配管50eに接続されている。バイパス配管51aの他方端は、バイパスサーボ52に接続されている。バイパス配管51bの一方端は、バイパスサーボ52に接続されている。バイパス配管51bの他方端は、配管50gに接続されている。
【0033】
ガスバルブ46は、配管50aからの燃料ガスの供給及び停止を切り替える。これにより、ベンチュリ44に供給される燃料ガスの圧力が調整される。
【0034】
ベンチュリ44は、筐体10の外部から空気を取り入れるように構成されている。ベンチュリ44は、筐体10の外部から取り入れた空気と、配管50a、配管50b、配管50c、オリフィス45及びガスバルブ46を介してベンチュリ44に供給される燃料ガスとを混合する(空気と混合された燃料ガスを、以下において、混合ガスという)。
【0035】
ファン42は、ファンケース42a(図3参照)と、ファンケース内に配置されている羽根車42b(図示せず)と、羽根車を回転駆動するモータ42c(図3参照)とを有している。ファン42は、モータ42cが羽根車42bを回転駆動させることにより、配管50cを介して、ベンチュリ44で生成された混合ガスを吸入する。吸入された混合ガスは、チャンバ41を介してバーナ40へと供給される。
【0036】
バーナ40の下面に設けられた炎孔からは、下方に向かって混合ガスが噴出される。噴出された混合ガスは、点火プラグ21により点火されて燃焼し、燃焼ガスとなる。燃焼ガスは、下方に向かって(すなわち、一次熱交換器20に向かって)噴出する。
【0037】
配管50eを介して二次熱交換器30に供給された水は、二次熱交換器30において、燃焼ガスの潜熱と熱交換を行うことにより、温度が上昇する。二次熱交換器30を通過した水は、配管50fを介して一次熱交換器20に供給される。一次熱交換器20に供給された水は、一次熱交換器20において、燃焼ガスの顕熱と熱交換を行うことにより、温度がさらに上昇する。一次熱交換器20を通過した水は、配管50gを流れる。
【0038】
配管50eを流れる水の一部は、バイパス配管51aへと流れる。バイパス配管51aからバイパス配管51bへと流れる水の流量は、バイパスサーボ52により制御される。バイパス配管51bを流れる水は、配管50gを流れる水と混合される。すなわち、配管50gの他方端から出湯される水の温度は、バイパスサーボ52がバイパス配管51aからバイパス配管51bへと流れる水の流量を制御することにより、調整される。
【0039】
一次熱交換器20内において燃焼ガス中の水蒸気が凝縮することにより発生した水(以下においては、この水を、ドレンという)は、ダクト43を通って筐体10の外部へと排出される。
【0040】
<筐体の詳細構成>
図2に示されるように、筐体10は、背板10aと、側板10b(第1側板)と、側板10c(第2側板)と、開口部10dとを有している。側板10b及び側板10cは、第1方向DR1において互いに対向している。側板10b及び側板10cは、第1方向DR1に交差する第2方向DR2に沿って、背板10aの両側端から延在している。開口部10dは、第2方向において、背板10aとは反対側に設けられている。
【0041】
なお、図2中において図示されていないが、筐体10は、開口部10dを覆うように取り付けられる前板をさらに有している。また、好ましくは、第2方向DR2は、第1方向DR1と直交している。
【0042】
<ファンの構成>
図3~5に示されるように、ファン42は、吐出口42dと、流路42e(第1流路)と、フランジ42f(第1フランジ)と、位置決めピン42gとを有している。吐出口42d、流路42e、フランジ42f及び位置決めピン42gは、ファンケース42aに設けられている。
【0043】
流路42eは、吐出口42dに向かって延在している。流路42eは、第1方向DR1に沿って延在している。なお、流路42eの延在方向が第1方向DR1と完全に平行でなくても、流路42eの延在方向と第1方向DR1とがなす角度が0±5°の範囲内にあれば、「流路42eが第1方向DR1に沿って延在している」に含まれる。ファン42が吸引した混合ガスは、流路42eを通って吐出口42dから吐出される。
【0044】
フランジ42fは、吐出口42dに設けられている。フランジ42fは、流路42eの外周面から張り出すように設けられている。
【0045】
フランジ42fは、例えば、第1方向DR1に直交する面内において、流路42eの外周面から張り出している。このことを別の観点からいえば、フランジ42fは、側板10b及び側板10cと平行になっている。
【0046】
フランジ42fの外周面には、凸部42fa(第1凸部)が設けられている。凸部42faは、フランジ42fの径方向に沿って、フランジ42fの外周面から突出している。位置決めピン42gは、流路42eの外周面に設けられている。位置決めピン42gは、流路42eの外周面から突出している。位置決めピン42gは、ファン42の開口部10d側に設けられている。
【0047】
<チャンバの構成>
図6及び7に示されるように、チャンバ41は、吸入口41aと、流路41b(第2流路)と、フランジ41c(第2フランジ)と、ネジ穴41dとを有している。
【0048】
吸入口41aからは、混合ガスが吸入される。流路41bは、吸入口41aから延在している。流路41bは、第1方向DR1に沿って延在している。なお、流路41bの延在方向が第1方向DR1と完全に平行でなくても、流路41bの延在方向と第1方向DR1とがなす角度が0±5°の範囲内にあれば、「流路41bが第1方向DR1に沿って延在している」に含まれる。吸入口41aから吸入された混合ガスは、流路41bを介してチャンバ41の内部に供給される。
【0049】
フランジ41cは、例えば、第1方向DR1に直交する面内において、流路41bの外周面から張り出している。このことを別の観点からいえば、フランジ41cは、側板10b及び側板10cと平行になっている。
【0050】
フランジ41cの外周面には、凸部41ca(第2凸部)が設けられている。凸部41caは、フランジ41cの径方向に沿って、フランジ41cの外周面から突出している。ネジ穴41dは、チャンバ41の開口部10d側に設けられている。
【0051】
<ファン及びチャンバの接続>
図8~11に示されるように、チャンバ41とファン42とは、挟持部材6により接続されている。フランジ41c及びフランジ42fは、互いに当接している。これにより、吸入口41a及び吐出口42dは、連通している。フランジ41c及びフランジ42fが互いに当接している状態において、凸部41ca及び凸部42faは、互いに対向している。
【0052】
フランジ41c及びフランジ42fは、第1方向DR1において、挟持部材6で挟持されている。混合ガスは、流路41b及び流路42eを第1方向DR1に沿って流れ、第1方向DR1に沿ってチャンバ41の内部に供給される。
【0053】
挟持部材6は、貫通孔61と、挿入孔62と、位置決め孔63とを有している。挟持部材6は、ネジ7を貫通孔61に挿通するとともに、ネジ穴41dに螺合することにより、チャンバ41に固定されている。すなわち、挟持部材6は、チャンバ41の開口部10d側に固定されている。
【0054】
挿入孔62には、凸部41ca及び凸部42faが挿入されている。これにより、周方向におけるフランジ42fのフランジ41cに対する相対的な回転が、規制されている。図12に示されるように、挿入孔62の第1方向DR1における幅は、凸部41ca及び凸部42faの基端部から離れるにつれて、狭くなっている。
【0055】
位置決め孔63には、位置決めピン42gが挿入されている。これにより、周方向におけるフランジ42fのフランジ41cに対する相対的な回転が、規制されている。
【0056】
図10に示されるように、平面視において、点火プラグ21は、チャンバ41の開口部10d側に位置している。なお、「平面視において点火プラグ21がチャンバ41の開口部10d側に位置している」とは、平面視において、点火プラグ21が、チャンバ41の第2方向DR2における中央よりも開口部10d側に位置していることをいう。
【0057】
ファン42は、筐体10内において側板10b側に配置されている。チャンバ41は、筐体10内において側板10c側に配置されている。
【0058】
流路41b及び流路42eは、平面視において、チャンバ41の開口部10d側に位置している。なお、「平面視において流路41b及び流路42eがチャンバ41の開口部10d側に位置している」とは、平面視において、流路41b及び流路42eが、チャンバ41の第2方向DR2における中央よりも開口部10d側に位置していることをいう。
【0059】
上記においては、挟持部材6がチャンバ41の開口部10d側に固定されている場合を例として説明していたが、挟持部材6は、ファン42の開口部10d側に固定されていてもよいし、チャンバ41の開口部10d側及びファン42の開口部10d側の双方に固定されていてもよい。
【0060】
(実施形態に係る温水装置の効果)
以下に、実施形態に係る温水装置の効果を説明する。
【0061】
<基本的な効果>
温水装置100においては、流路41b及び流路42eが第1方向DR1に沿って延在している。そのため、ファン42から吐出される混合ガスは、第1方向DR1に沿って、チャンバ41の内部に吸入される。
【0062】
温水装置100においては、挟持部材6が、フランジ41c及び42fを挟持するとともに、筐体10の開口部10d側においてチャンバ41及びファン42の少なくとも一方に固定されている。そのため、作業者は、筐体10の開口部10dを介して容易にチャンバ41及びファン42の接続を行うことができる。
【0063】
このように、温水装置100によると、混合ガスを第1方向DR1に沿ってチャンバ41の内部に供給することが可能になるとともに、筐体10に設けられた開口部10dを介してチャンバ41とファン42とを容易に接続することが可能になる。
【0064】
<付随的な効果>
流路41b及び流路42eがチャンバ41の開口部10d側に位置しているとともに、点火プラグ21がチャンバ41の開口部10d側に位置しているため、混合ガスは、点火プラグ21の近傍に供給されやすく、バーナ40の点火性能を改善することができる。
【0065】
凸部41ca及び凸部42faが挿入孔62に挿入されることにより、フランジ42fのフランジ41cに対する周方向の相対的な回転が抑止されるため、温水装置の組立性が改善される。
【0066】
第1方向DR1における挿入孔62の幅は、凸部41ca及び凸部42faの基端部に近づくほど広くなっているため、凸部41ca及び凸部42faを容易に挿入孔62に挿入することができる。また、第1方向DR1における挿入孔62の幅は、凸部41ca及び凸部42faの基端部から離れるほど狭くなっているため、一旦凸部41ca及び凸部42faを挿入孔62に挿入した後は、挿入孔62により凸部41ca及び凸部42faが第1方向DR1に沿って相互に押し付け合う。その結果、フランジ41cとフランジ42fとの間の密着性を高めることができる。
【0067】
位置決めピン42gが位置決め孔63に挿入されることにより、フランジ42fのフランジ41cに対する周方向の相対的な回転が抑止されるため、温水装置の組立性が改善される。
【0068】
温水装置100において、挟持部材6がチャンバ41の開口部10d側及びファン42の開口部10d側の双方に固定されている場合、挟持部材6がチャンバ41及びファン42の双方に固定されることにより、フランジ41cのフランジ42fに対する周方向の相対的な回転が抑止されるため、温水装置の組立性が改善される。
【0069】
以上のように本発明の実施形態について説明を行ったが、上述の実施形態を様々に変形することも可能である。また、本発明の範囲は、上述の実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むことが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0070】
上記の実施形態は、温水装置に特に有利に適用される。
【符号の説明】
【0071】
100 温水装置、10 筐体、10a 背板、10b,10c 側板、10d 開口部、20 一次熱交換器、21 点火プラグ、30 二次熱交換器、40 バーナ、41 チャンバ、41a 吸入口、41b,42e 流路、41c,42f フランジ、41ca,42fa 凸部、41d ネジ穴、42 ファン、42a ファンケース、42b 羽根車、42c モータ、42d 吐出口、42g 位置決めピン、43 ダクト、44 ベンチュリ、45 オリフィス、46 ガスバルブ、50a,50b,50c,50d,50e,50f,50g 配管、51a,51b バイパス配管、52 バイパスサーボ、6 挟持部材、61 貫通孔、62 挿入孔、63 位置決め孔、7 ネジ、DR1 第1方向、DR2 第2方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12