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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/18 20060101AFI20221122BHJP
   G03G 15/01 20060101ALI20221122BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20221122BHJP
   G03G 15/16 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
G03G21/18 107
G03G15/01 114A
G03G15/01 Z
G03G21/16 109
G03G15/16
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018178349
(22)【出願日】2018-09-25
(65)【公開番号】P2020052094
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-09-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 敬太
(72)【発明者】
【氏名】市来 幸裕
(72)【発明者】
【氏名】須藤 真樹
(72)【発明者】
【氏名】下平 彬
(72)【発明者】
【氏名】合田 峻広
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-234891(JP,A)
【文献】特開2006-047751(JP,A)
【文献】特開2017-044837(JP,A)
【文献】特開2002-099127(JP,A)
【文献】特開2011-197321(JP,A)
【文献】特開2015-064475(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/18
G03G 15/01
G03G 21/16
G03G 15/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1中間転写部にイエロー、マゼンタ、及びシアンのトナー像が重畳された重畳トナー像を形成する第1形成ユニットと、
前記第1形成ユニットよりも記録媒体の搬送方向の下流側に配置され、第2中間転写部に黒色の黒トナー像を形成する第2形成ユニットと、
前記記録媒体に対し、前記第1形成ユニットにより前記第1中間転写部に形成された前記重畳トナー像を転写する第1転写部と、
前記第1転写部よりも前記記録媒体の搬送方向の下流側に配置され、前記第2形成ユニットにより前記第2中間転写部に形成された前記黒トナー像を、前記記録媒体における前記重畳トナー像に重畳して転写する第2転写部と、
を備え
前記第1形成ユニットは、白色の白トナー像を前記第1中間転写部に形成する白色部を備える画像形成装置。
【請求項2】
第1中間転写部に白色の白トナー像を形成する白色部を有する第1形成ユニットと、
前記第1形成ユニットよりも記録媒体の搬送方向の下流側に配置され、第2中間転写部に白色以外の他のトナー像を形成する第2形成ユニットと、
前記記録媒体に対し、前記第1形成ユニットにより前記第1中間転写部に形成された前記白トナー像を転写する第1転写部と、
前記第1転写部よりも前記記録媒体の搬送方向の下流側に配置され、前記第2形成ユニットにより前記第2中間転写部に形成された前記他のトナー像を、前記記録媒体における前記白トナー像に重畳して転写する第2転写部と、
を備え
前記第2形成ユニットは、前記他のトナー像として透明の透明トナー像を前記第2中間転写部に形成する透明部を備える画像形成装置。
【請求項3】
第1中間転写部に有色の有色トナー像を形成する第1形成ユニットと、
前記第1形成ユニットよりも記録媒体の搬送方向の下流側に配置され、第2中間転写部に透明の透明トナー像を形成する第2形成ユニットと、
前記記録媒体に対し、前記第1形成ユニットにより前記第1中間転写部に形成された前記有色トナー像を転写する第1転写部と、
前記第1転写部よりも前記記録媒体の搬送方向の下流側に配置され、前記第2形成ユニットにより前記第2中間転写部に形成された前記透明トナー像を、前記記録媒体における前記有色トナー像に重畳して転写する第2転写部と、
を備え
前記第2形成ユニットは、前記透明トナー像を前記第2中間転写部に形成する透明部を含む複数の形成部から構成され、
前記透明部は、前記複数の形成部の中で、最も前記第2中間転写部の回転方向の上流側に配置されている画像形成装置。
【請求項4】
前記第1形成ユニットは、白色の白トナー像を前記第1中間転写部に形成する白色部を備える求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
画像形成装置本体には、前記第1形成ユニット及び前記第2形成ユニットを含む複数の形成ユニットが搭載され、
前記第1形成ユニットは、前記複数の形成ユニットの中で、最も前記記録媒体の搬送方向の上流側に配置されている請求項1、請求項2、又は請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1形成ユニットは、前記白色部を含む複数の形成部から構成され、
前記白色部は、前記複数の形成部の中で、最も前記第1中間転写部の回転方向の下流側に配置されている請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
第1中間転写部にイエロー、マゼンタ、及びシアンのトナー像が重畳された重畳トナー像を形成する第1形成ユニットと、
前記第1形成ユニットよりも記録媒体の搬送方向の下流側に配置され、第2中間転写部に黒色の黒トナー像を形成する第2形成ユニットと、
前記記録媒体に対し、前記第1形成ユニットにより前記第1中間転写部に形成された前記重畳トナー像を転写する第1転写部と、
前記第1転写部よりも前記記録媒体の搬送方向の下流側に配置され、前記第2形成ユニットにより前記第2中間転写部に形成された前記黒トナー像を、前記記録媒体における前記重畳トナー像に重畳して転写する第2転写部と、
を備え、
前記第2形成ユニットは、透明の透明トナー像を前記第2中間転写部に形成する透明部を備える像形成装置。
【請求項8】
前記第2形成ユニットは、前記透明部を含む複数の形成部から構成され、
前記透明部は、前記複数の形成部の中で、最も前記第2中間転写部の回転方向の上流側に配置されている請求項2、請求項3、又は請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
画像形成装置本体には、前記第1形成ユニット及び前記第2形成ユニットを含む複数の形成ユニットが搭載され、
前記第2形成ユニットは、前記複数の形成ユニットの中で、最も前記記録媒体の搬送方向の下流側に配置されている請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記第2形成ユニットは、黒色の黒トナー像を前記第2中間転写部に形成する黒色部を含む複数の形成部から構成され、
前記黒色部は、前記複数の形成部の中で、最も前記第2中間転写部の回転方向の下流側に配置されている請求項1から請求項9の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記第1形成ユニットは、
イエロートナー像を前記第1中間転写部に形成するイエロー部と、
マゼンタトナー像を前記第1中間転写部に形成するマゼンタ部と、
シアントナー像を前記第1中間転写部に形成するシアン部と、
を含む複数の形成部から構成され、
前記第2形成ユニットは、
黒色の黒トナー像を前記第2中間転写部に形成する黒色部と、
前記黒色部よりも前記第2中間転写部の回転方向の上流側に配置された、金色の金トナー像を前記第2中間転写部に形成する金色部、及び、銀色の銀トナー像を前記第2中間転写部に形成する銀色部と、
を含む複数の形成部から構成されている請求項3、請求項7、請求項8、又は請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記第1形成ユニット及び前記第2形成ユニットでは、視認性が低いトナー用の前記形成部が、前記複数の形成部の中で、最も前記第1中間転写部又は前記第2中間転写部の回転方向の上流側に配置されている請求項11に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、装置が大型化することなく、効率よく複数の像担持体を冷却させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-310226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、記録媒体へのトナー像の二次転写が1回のみ行われる構成に比べて、トナーによる記録媒体の単位面積あたりの隠蔽率を高くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様の画像形成装置は、第1中間転写部にイエロー、マゼンタ、及びシアンのトナー像が重畳された重畳トナー像を形成する第1形成ユニットと、前記第1形成ユニットよりも記録媒体の搬送方向の下流側に配置され、第2中間転写部に黒色の黒トナー像を形成する第2形成ユニットと、前記記録媒体に対し、前記第1形成ユニットにより前記第1中間転写部に形成された前記重畳トナー像を転写する第1転写部と、前記第1転写部よりも前記記録媒体の搬送方向の下流側に配置され、前記第2形成ユニットにより前記第2中間転写部に形成された前記黒トナー像を、前記記録媒体における前記重畳トナー像に重畳して転写する第2転写部と、を備える。
【0006】
第2の態様の画像形成装置は、第1中間転写部に白色の白トナー像を形成する第1形成ユニットと、前記第1形成ユニットよりも記録媒体の搬送方向の下流側に配置され、第2中間転写部に白色以外の他のトナー像を形成する第2形成ユニットと、前記記録媒体に対し、前記第1形成ユニットにより前記第1中間転写部に形成された前記白トナー像を転写する第1転写部と、前記第1転写部よりも前記記録媒体の搬送方向の下流側に配置され、前記第2形成ユニットにより前記第2中間転写部に形成された前記他のトナー像を、前記記録媒体における前記白トナー像に重畳して転写する第2転写部と、を備える。
【0007】
第3の態様の画像形成装置は、第1中間転写部に有色の有色トナー像を形成する第1形成ユニットと、前記第1形成ユニットよりも記録媒体の搬送方向の下流側に配置され、第2中間転写部に透明の透明トナー像を形成する第2形成ユニットと、前記記録媒体に対し、前記第1形成ユニットにより前記第1中間転写部に形成された前記有色トナー像を転写する第1転写部と、前記第1転写部よりも前記記録媒体の搬送方向の下流側に配置され、前記第2形成ユニットにより前記第2中間転写部に形成された前記透明トナー像を、前記記録媒体における前記有色トナー像に重畳して転写する第2転写部と、を備える。
【0008】
第4の態様の画像形成装置は、第1又は第3の態様の画像形成装置であって、前記第1形成ユニットは、白色の白トナー像を前記第1中間転写部に形成する白色部を備える。
【0009】
第5の態様の画像形成装置は、第2又は第4の態様の画像形成装置であって、画像形成装置本体には、前記第1形成ユニット及び前記第2形成ユニットを含む複数の形成ユニットが搭載され、前記第1形成ユニットは、前記複数の形成ユニットの中で、最も前記記録媒体の搬送方向の上流側に配置されている。
【0010】
第6の態様の画像形成装置は、第5の態様の画像形成装置であって、前記第1形成ユニットは、白色の白トナー像を前記第1中間転写部に形成する白色部を含む複数の形成部から構成され、前記白色部は、前記複数の形成部の中で、最も前記第1中間転写部の回転方向の下流側に配置されている。
【0011】
第7の態様の画像形成装置は、第1又は第2の態様の画像形成装置であって、前記第2形成ユニットは、透明の透明トナー像を前記第2中間転写部に形成する透明部を備える。
【0012】
第8の態様の画像形成装置は、第3又は第7の態様の画像形成装置であって、前記第2形成ユニットは、透明の透明トナー像を前記第2中間転写部に形成する透明部を含む複数の形成部から構成され、前記透明部は、前記複数の形成部の中で、最も前記第2中間転写部の回転方向の上流側に配置されている。
【0013】
第9の態様の画像形成装置は、第8の態様の画像形成装置であって、画像形成装置本体には、前記第1形成ユニット及び前記第2形成ユニットを含む複数の形成ユニットが搭載され、前記第2形成ユニットは、前記複数の形成ユニットの中で、最も前記記録媒体の搬送方向の下流側に配置されている。
【0014】
第10の態様の画像形成装置は、第1から第9の態様の画像形成装置であって、前記第2形成ユニットは、黒色の黒トナー像を前記第2中間転写部に形成する黒色部を含む複数の形成部から構成され、前記黒色部は、前記複数の形成部の中で、最も前記第2中間転写部の回転方向の下流側に配置されている。
【0015】
第11の態様の画像形成装置は、第3、第7、第8、又は第9の態様の画像形成装置であって、前記第1形成ユニットは、イエロートナー像を前記第1中間転写部に形成するイエロー部と、マゼンタトナー像を前記第1中間転写部に形成するマゼンタ部と、シアントナー像を前記第1中間転写部に形成するシアン部と、を含む複数の形成部から構成され、前記第2形成ユニットは、黒色の黒トナー像を前記第2中間転写部に形成する黒色部と、前記黒色部よりも前記第2中間転写部の回転方向の上流側に配置された、金色の金トナー像を前記第2中間転写部に形成する金色部、及び、銀色の銀トナー像を前記第2中間転写部に形成する銀色部と、を含む複数の形成部から構成されている。
【0016】
第12の態様の画像形成装置は、第11の態様の画像形成装置であって、前記第1形成ユニット及び前記第2形成ユニットでは、視認性が低いトナー用の前記形成部が、前記複数の形成部の中で、最も前記第1中間転写部又は前記第2中間転写部の回転方向の上流側に配置されている。
【発明の効果】
【0017】
第1の態様によれば、記録媒体へのトナー像の二次転写が1回のみ行われる構成に比べて、トナーによる記録媒体の単位面積あたりの隠蔽率を高くできる。
【0018】
第2の態様によれば、記録媒体へのトナー像の二次転写が1回のみ行われる構成に比べて、トナーによる記録媒体の単位面積あたりの隠蔽率を高くできる。
【0019】
第3の態様によれば、記録媒体へのトナー像の二次転写が1回のみ行われる構成に比べて、トナーによる記録媒体の単位面積あたりの隠蔽率を高くできる。
【0020】
第4の態様によれば、記録媒体へのトナー像の二次転写が1回のみ行われる構成に比べて、記録媒体に定着した画像に占める白トナーの割合を多くできる。
【0021】
第5の態様によれば、第2形成ユニットにより記録媒体へ転写されるトナー像の下に、白トナー像を位置させることができる。
【0022】
第6の態様によれば、白トナー像を記録媒体の最下層に転写できる。
【0023】
第7の態様によれば、記録媒体へのトナー像の二次転写が1回のみ行われる構成に比べて、記録媒体に定着した画像に占める透明トナーの割合を多くできる。
【0024】
第8の態様によれば、第1形成ユニットにより記録媒体へ転写されたトナー像の上に、透明トナー像を位置させることができる。
【0025】
第9の態様によれば、透明トナー像を記録媒体の最表層に転写できる。
【0026】
第10の態様によれば、第2形成ユニットにより記録媒体へ転写されるトナー像の中で、黒トナー像を最下層として転写できる。
【0027】
第11の態様によれば、イエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像、及び黒トナー像の上に、金トナー像及び銀トナー像を位置させることができる。
【0028】
第12の態様によれば、視認性が高いトナー用の形成部が複数の形成部の中で最も第1中間転写部又は第2中間転写部の回転方向の上流側に配置されている構成に比べて、転写により生じる画像不良を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本実施の形態における画像形成装置を示す正面図である。
図2図1の一部拡大図である。
図3】本実施の形態における制御部等の構成を示すブロック図である。
図4】比較構成におけるトナー像の転写量を示す図(A)、及び本実施の形態におけるトナー像の転写量を示す図(B)である。
図5】本実施の形態における画像形成部の配置順序を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本実施の形態における画像形成装置10について説明する場合は、画像形成装置10を基準とする方向を用いて説明する。すなわち、図1に示す画像形成装置10の幅方向をX方向、高さ方向をY方向、奥行き方向をZ方向とする。また、X方向、Y方向、Z方向のそれぞれ一方側と他方側を区別する必要がある場合は、図1に示す画像形成装置10の右側を+X側、左側を-X側、上側を+Y側、下側を-Y側、前側を+Z側、後側を-Z側と記載する。また、本実施の形態では、記録媒体の一例として記録用紙Pを採用し、記録用紙Pが搬送される搬送方向の上流側を「搬送方向上流側」とし、搬送方向の下流側を「搬送方向下流側」という。なお、本実施の形態における画像形成装置10は、所謂シングルパス方式であり、記録用紙Pが後述する画像形成ユニット18の前を1回だけ通過することにより印刷が行われる。
【0031】
(画像形成装置の構成)
図1に示すように、画像形成装置10は、記録用紙Pが収容される収容部12と、記録用紙Pを搬送する搬送部11と、記録用紙Pに転写するトナー像を形成する画像形成ユニット18と、を備えている。
【0032】
収容部12は、画像形成装置10の装置本体である画像形成装置本体10Aから引き出し可能であり、記録用紙Pが収容されている。
搬送部11は、搬送方向上流側から順に、送出ロール13と、搬送ロール14と、レジロール対15と、搬送ベルト20と、定着ロール16と、排出ロール17と、を備えている。
【0033】
送出ロール13は、収容部12に収容された記録用紙Pを、搬送部11を構成する搬送経路19に送り出すものである。
搬送ロール14は、搬送経路19に沿って記録用紙Pを搬送するものである。
【0034】
レジロール対15は、搬送ロール14によって搬送された記録用紙Pを、後述するバックアップロール42と後述する二次転写ロール24とで挟まれるニップ部へ搬送するものである。このレジロール対15は、記録用紙Pの転写面に接触するレジロール15Aと、記録用紙Pの非転写面に接触するピンチロール15Bと、を備えている。レジロール15Aは、駆動部(図示省略)によって回転駆動する。ピンチロール15Bは、コイルバネ等の弾性体(図示省略)によってレジロール15Aに接触している(押し付けられている)。これにより、ピンチロール15Bは、レジロール15Aに従動して回転する。そして、レジロール対15は、レジロール15Aとピンチロール15Bとで記録用紙Pを挟んで、記録用紙Pを搬送方向下流側へ搬送する。
【0035】
搬送ベルト20は、画像形成ユニット18により形成されたトナー像を記録用紙Pに転写しつつ、搬送経路19に沿って記録用紙Pを搬送方向下流側へ搬送するものである。搬送ベルト20の詳細については後述する。
【0036】
定着ロール16は、トナー像が転写された記録用紙Pを加熱及び加圧して、トナー像を記録用紙Pに定着するものである。
排出ロール17は、トナー像が定着された記録用紙Pを、画像形成装置本体10Aの外部へ排出するものである。
【0037】
画像形成ユニット18は、搬送方向上流側に配置された第1画像形成ユニット30と、第1画像形成ユニット30よりも搬送方向下流側に配置された第2画像形成ユニット50と、を備えている。画像形成ユニット18は、形成ユニットの一例であり、第1画像形成ユニット30は、第1形成ユニットの一例であり、第2画像形成ユニット50は、第2形成ユニットの一例である。
【0038】
図2に示すように、第1画像形成ユニット30は、4つの画像形成部32と、4つの画像形成部32により形成されたトナー像を保持し、図2を正面視して反時計回りに回転可能に装着された無端状の中間転写ベルト40と、を備えている。
【0039】
画像形成部32は、白色の白トナー像を形成する白色部32Wと、マゼンタ色のマゼンタトナー像を形成するマゼンタ部32Mと、シアン色のシアントナー像を形成するシアン部32Cと、イエロー色のイエロートナー像を形成するイエロー部32Yと、を備えている。そして、4つの画像形成部32は、中間転写ベルト40が回転する回転方向の上流側(後述する支持ロール44に近い側)から順に、イエロー部32Y、マゼンタ部32M、シアン部32C、白色部32Wの順に配置されている。なお、以下では、回転方向の上流側を「回転方向上流側」と称し、回転方向の下流側を「回転方向下流側」と称する。つまり、画像形成部32において、白色部32Wは最も回転方向下流側に配置されている。
なお、上記の画像形成部32において、Y、M、C、Wを区別して説明する必要が無い場合は、これらを省略して記載している。
【0040】
画像形成部32は、画像形成装置本体10Aに対して各々着脱可能とされている。そして、画像形成部32は、感光体33と、感光体33の表面を帯電する帯電部材34と、帯電した感光体33に露光光を照射する露光装置35と、露光光の照射により形成された静電潜像を現像してトナー像として可視化する現像装置36と、を備えている。
【0041】
また、中間転写ベルト40を挟んで各感光体33と対向する位置には、画像形成部32により形成されたトナー像を中間転写ベルト40に転写する一次転写ロール37が配置されている。中間転写ベルト40は、中間転写ベルト40を支持する支持ロール44と、後述する第1転写部74に配置されるバックアップロール42と、に巻き掛けられている。なお、感光体33、一次転写ロール37、及び中間転写ベルト40を含んで、第1中間転写部70が構成されている。
【0042】
また、第2画像形成ユニット50は、4つの画像形成部52と、中間転写ベルト60と、を備えている。画像形成部32、52は、形成部の一例である。
【0043】
画像形成部52は、黒色の黒トナー像を形成する黒色部52Kと、金色の金トナー像を形成する金色部52Gと、銀色の銀トナー像を形成する銀色部52Sと、透明の透明トナー像を形成する透明部52Tと、を備えている。そして、4つの画像形成部52は、回転方向上流側(後述する支持ロール64に近い側)から順に、透明部52T、銀色部52S、金色部52G、黒色部52Kの順に配置されている。つまり、画像形成部52において、黒色部52Kは最も回転方向下流側に配置され、金色部52G及び銀色部52Sは黒色部52Kよりも回転方向上流側に配置され、透明部52Tは最も回転方向上流側に配置されている。
なお、上記の画像形成部52において、T、S、G、Kを区別して説明する必要が無い場合は、これらを省略して記載している。
【0044】
画像形成部52は、画像形成装置本体10Aに対して各々着脱可能とされている。そして、画像形成部52は、感光体53と、帯電部材54と、露光装置55と、現像装置56と、を備えている。また、中間転写ベルト60を挟んで各感光体53と対向する位置には、一次転写ロール57が配置されている。中間転写ベルト60は、支持ロール64と、後述する第2転写部76に配置されるバックアップロール62と、に巻き掛けられている。なお、感光体53、一次転写ロール57、及び中間転写ベルト60を含んで、第2中間転写部72が構成されている。
【0045】
また、図2に示すように、搬送ベルト20は、図2を正面視して時計回りに回転可能に画像形成装置本体10A(図1参照)に装着されている。この搬送ベルト20は、無端状のベルト部21と、ベルト部21を支持する支持ロール22、23と、搬送ロール14と、中間転写ベルト40、60を挟んでバックアップロール42、62と対向する位置に配置された二次転写ロール24、25と、を備えている。
【0046】
二次転写ロール24は、バックアップロール42との間のニップ部で記録用紙Pをニップして、第1画像形成ユニット30で形成されたトナー像を記録用紙Pに転写する。
二次転写ロール25は、バックアップロール62との間のニップ部で記録用紙Pをニップして、第2画像形成ユニット50で形成されたトナー像を記録用紙Pに転写する。
【0047】
なお、バックアップロール42、二次転写ロール24、及び中間転写ベルト40を含んで、第1画像形成ユニット30により第1中間転写部70に形成されたトナー像を転写する第1転写部74が構成されている。また、バックアップロール62、二次転写ロール25、及び中間転写ベルト60を含んで、第2画像形成ユニット50により第2中間転写部72に形成されたトナー像を転写する第2転写部76が構成されている。
【0048】
次に、図3を用いて、画像形成装置10の動作を制御する制御部80と、この制御部80に接続される構成とについて説明する。
【0049】
図3に示すように、制御部80は、CPU81(Central Processing Unit)、ROM82(Read Only Memory)、RAM83(Random Access Memory)、及び入出力インターフェース(I/O84)がバスを介して各々接続されている。
【0050】
ここで、ROM82には、CPU81に実行させる図示しない画像形成制御プログラムが記憶されている。そして、CPU81は、ROM82から図示しない画像形成制御プログラムを読み出してRAM83に展開することで、図示しない画像形成制御プログラムによる印刷処理を実行する。
【0051】
また、I/O84には、第1画像形成ユニット30、第2画像形成ユニット50、通信部90、及び不揮発性メモリ92が接続されている。
通信部90は、図示しないパーソナルコンピュータ等の端末装置と画像形成装置10とが相互にデータ通信を行うためのインターフェースである。
不揮発性メモリ92には、画像形成装置10が画像形成動作を実行するのに必要な情報が記憶されている。
【0052】
そして、制御部80は、第2画像形成ユニット50により第2中間転写部72に形成されたトナー像を、第1画像形成ユニット30により第1中間転写部70に形成され、既に記録用紙Pに転写されているトナー像に重畳して転写する制御を行う。
【0053】
(作用効果)
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
まず、制御部80は、第1画像形成ユニット30により第1中間転写部70にトナー像が形成されるよう画像形成部32を制御する。
【0054】
具体的には、制御部80は、帯電部材34に電圧を印加させ、電圧が印加された帯電部材34により、感光体33の表面を予定の電位で一様にマイナス帯電する。続いて、制御部80は、通信部90を介して取得した画像データに基づいて、帯電部材34により帯電された感光体33の表面に、露光装置35により露光光を照射して静電潜像を形成する。これにより、画像データに対応した静電潜像が感光体33の表面に形成される。
【0055】
次に、制御部80は、現像装置36により、露光装置35により形成された静電潜像を現像し、トナー像として可視化させる。さらに、制御部80は、一次転写ロール37により、各色の感光体33の表面に形成されたトナー像を中間転写ベルト40に重畳して転写させる。このようにして、第1画像形成ユニット30により、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及び白色(W)のトナーを重畳したトナー像が第1中間転写部70に形成される。
【0056】
ここで、収容部12から送出ロール13によって搬送経路19へ送り出された記録用紙Pは、制御部80の制御に基づき、レジロール対15による搬送タイミングが調整された後、バックアップロール42と二次転写ロール24との間のニップ部へ送り出される。このニップ部では、記録用紙Pがバックアップロール42と二次転写ロール24との間を搬送されることで、中間転写ベルト40の外周面のトナー像が記録用紙Pの表面に転写される。そして、トナー像が転写された記録用紙Pは、搬送ロール14により、更に搬送方向下流側に搬送され、バックアップロール62と二次転写ロール25との間のニップ部に至る。
【0057】
このとき、制御部80は、搬送方向上流側から搬送されてきた記録用紙P上のトナー像に、第2画像形成ユニット50により第2中間転写部72に形成されたトナー像が重畳して転写されるよう画像形成部52が画像形成を開始するタイミングを調整している。なお、画像形成部52により第2中間転写部72へトナー像が形成される流れは、画像形成部32により第1中間転写部70へトナー像が形成される流れと同様のため省略する。
【0058】
以下、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各々のトナーを用いて形成された黒色(所謂プロセスブラック)のトナー像であるプロセスブラック像に、第2画像形成ユニット50により第2中間転写部72に形成された黒トナー像が重畳して転写される流れを説明する。プロセスブラック像は、重畳トナー像の一例である。なお、画像形成装置10には、プロセスブラック像に黒トナー像を重畳して転写するモードである黒強調モードが設けられている。そして、この黒強調モードは、通信部90を介して取得した画像データに応じて制御部80により適宜実行されることとなっている。
【0059】
制御部80は、イエロー部32Y、マゼンタ部32M、及びシアン部32Cにより、プロセスブラック像を形成するよう第1画像形成ユニット30を制御する。これにより、中間転写ベルト40上には、イエロー、マゼンタ、シアンの順にトナーが重畳されたプロセスブラック像が形成される。
【0060】
また、制御部80は、搬送方向上流側から搬送されてきた記録用紙P上のプロセスブラック像に、第2画像形成ユニット50により第2中間転写部72に形成された黒トナー像が重畳して転写されるタイミングで黒色部52Kに黒トナー像の形成を開始させる。
【0061】
すると、黒トナー像は、バックアップロール62と二次転写ロール25との間のニップ部まで搬送された記録用紙P上のプロセスブラック像に重畳して転写される。そして、プロセスブラック像に黒トナー像が重畳して転写された記録用紙Pは、定着ロール16による定着後、排出ロール17を通じて画像形成装置本体10Aの外部へ排出される。
【0062】
ここで、プリンタや複合機等の画像形成装置では、1回の二次転写で転写可能なトナー量の総量規制が予め定められている。そのため、総量規制の上限値m(%)を「100」とした場合、二次転写が1回のみ行われる画像形成装置は、1回の印刷処理において「100」のみが記録用紙Pに転写可能となる。
【0063】
例えば、図4(A)に示すような、記録用紙Pへのトナー像の二次転写が1回のみ行われる画像形成装置(以下、「比較構成」とする)では、1回の印刷処理において転写可能なトナー量の総量は「100」となる。そして、この比較構成では、1つの画像形成ユニットに、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及び黒色(K)のトナー像を各々形成する4つの画像形成部を備えることが想定される。そのため、この比較構成では、黒強調モードとして、プロセスブラック像に黒トナー像を重畳して転写したとしても、転写されたトナー量の総量は「100」となる。
【0064】
これに対し、図4(B)に示す本実施の形態における画像形成装置10では、1回の印刷処理において転写可能なトナー量の総量は「200」となる(m+m=2m)。
【0065】
以上、本実施の形態によれば、比較構成に比べて、トナーによる記録用紙Pの単位面積あたりの隠蔽率を高くできる。そして、本実施の形態によれば、1回の印刷処理において記録用紙P上のプロセスブラック像に黒トナー像を重畳して転写できるため、比較構成に比べて、黒色を濃く鮮やかに表現できる。
【0066】
また、本実施の形態では、第1画像形成ユニット30に白トナー像を形成させるとともに、この白トナー像に、第2画像形成ユニット50により形成された白色以外の他のトナー像(例えば、黒トナー像)が重畳して転写されるよう構成することもできる。なお、この場合、画像形成装置10には、白トナー像に他のトナー像を重畳して転写するモードである白下地モードが設けられている。そして、この白下地モードは、通信部90を介して取得した画像データに応じて制御部80により適宜実行されることとなっている。
【0067】
本実施の形態によれば、1回の印刷処理において記録用紙P上の白トナー像に他のトナー像を重畳して転写でき、白トナー像を他のトナー像の下地にできる。例えば、本実施の形態によれば、1回の印刷処理において、白トナー像のトナー量を「100」とし、他のトナー像のトナー量を「100」として、記録用紙Pに転写されるトナー量の総量を「200」とすることができる。
【0068】
これに対し、1つの画像形成ユニットに白トナー像と他のトナー像とを形成する4つの画像形成部を備える比較構成では、例えば、白トナー像のトナー量を「50」とし、他のトナー像のトナー量を「50」として、記録用紙Pに転写されるトナー量の総量を「100」とすることが限界となる。
【0069】
したがって、本実施の形態によれば、比較構成に比べて、1回の印刷処理において多くの白トナーを記録用紙Pに転写できるため、記録用紙Pの色にかかわらず、他のトナー像を鮮やかに表現できる。
【0070】
さらに、本実施の形態では、第1画像形成ユニット30に有色の有色トナー像(例えば、プロセスブラック像)を形成させるとともに、この有色トナー像に、第2画像形成ユニット50により形成された透明トナー像が重畳して転写されるよう構成することもできる。なお、この場合、画像形成装置10には、有色トナー像に透明トナー像を重畳して転写するモードである透明上塗りモードが設けられている。そして、この透明上塗りモードは、通信部90を介して取得した画像データに応じて制御部80により適宜実行されることとなっている。
【0071】
本実施の形態によれば、1回の印刷処理において記録用紙P上の有色トナー像に透明トナー像を重畳して転写でき、有色トナー像に透明トナー像を上塗りすることができる。そのため、本実施の形態によれば、透明トナー像を用いて、有色トナー像に光沢感を与えたり、有色トナー像のデザイン性を高めたりできる。例えば、本実施の形態によれば、1回の印刷処理において、有色トナー像のトナー量を「100」とし、透明トナー像のトナー量を「100」として、記録用紙Pに転写されるトナー量の総量を「200」とすることができる。
【0072】
これに対し、1つの画像形成ユニットに有色トナー像と透明トナー像とを形成する4つの画像形成部を備える比較構成では、例えば、有色トナー像のトナー量を「50」とし、透明トナー像のトナー量を「50」として、記録用紙Pに転写されるトナー量の総量を「100」とすることが限界となる。
【0073】
したがって、本実施の形態によれば、比較構成に比べて、1回の印刷処理において多くの透明トナーを記録用紙Pに転写できるため、比較構成よりも、多くの光沢感を与えたり、デザイン性を高めたりすることができる。
【0074】
上記のように、画像形成装置本体10Aには、第1画像形成ユニット30及び第2画像形成ユニット50を含む複数の画像形成ユニット18、具体的には、本実施の形態では、上記の2つの画像形成ユニット18が搭載されている。そして、第1画像形成ユニット30は、複数の画像形成ユニット18の中で、最も搬送方向上流側に配置され、第2画像形成ユニット50は、複数の画像形成ユニット18の中で、最も搬送方向下流側に配置されている。
【0075】
そのため、本実施の形態によれば、第2画像形成ユニット50により記録用紙Pへ転写されるトナー像の下に、例えば、白トナー像を位置させることができる。また、本実施の形態によれば、第1画像形成ユニット30により記録用紙Pへ転写されるトナー像の上に、例えば、透明トナー像を位置させることができる。
【0076】
また、図5に示すように、白色部32Wは、第1画像形成ユニット30が備える複数の画像形成部32の中で、最も回転方向下流側に配置されている。つまり、本実施の形態によれば、白色部32Wにより形成された白トナー像を記録用紙Pの最下層に転写することができ、白トナー像を他の全てのトナー像の下地にすることができる。
【0077】
また、図5に示すように、透明部52Tは、第2画像形成ユニット50が備える複数の画像形成部52の中で、最も回転方向上流側に配置されている。つまり、本実施の形態によれば、透明部52Tにより形成された透明トナー像を記録用紙Pの最表層に転写することができ、透明トナー像を他の全てのトナー像に上塗りすることができる。
【0078】
また、図5に示すように、黒色部52Kは、第2画像形成ユニット50が備える複数の画像形成部52の中で、最も回転方向下流側に配置されている。つまり、本実施の形態によれば、黒色部52Kにより形成された黒トナー像を、第2画像形成ユニット50により記録用紙Pへ転写されるトナー像の中の最下層として転写することができる。
【0079】
また、図5に示すように、第2画像形成ユニット50が備える複数の画像形成部52において、金色部52G及び銀色部52Sは黒色部52Kよりも回転方向上流側に配置されている。そして、上記のように、第2画像形成ユニット50は、第1画像形成ユニット30よりも搬送方向下流側に配置されている。そのため、本実施の形態によれば、イエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像、及び黒トナー像の上に、金トナー像及び銀トナー像を位置させることができる。このように、イエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像、及び黒トナー像を金トナー像及び銀トナー像の下地にすることで、光輝感(スパークル)に優れたメタリックカラーを再現できる。具体的には、このように構成することで、金トナー及び銀トナーが乱反射することで、例えば、車のメタリックカラーのような粒状感のあるメタリックカラーを再現できる。
【0080】
また、本実施の形態では、第1画像形成ユニット30及び第2画像形成ユニット50において、視認性が低いトナー用の画像形成部32、52が、複数の画像形成部32、52の中で最も回転方向上流側に配置されている。
【0081】
ここで、トナー像が二次転写される場合には、例えば、転写しきれずに残ったトナーが記録用紙Pを汚してしまい、画像不良を発生させるおそれがあることが知られている。そして、この問題は、複数の画像形成部32、52の中で最後に二次転写されるトナー像で多く発生することも知られている。つまり、複数の画像形成部32、52の中で最も回転方向上流側に配置された画像形成部32、52により形成されたトナー像が転写しきれずに残る可能性が高い。
【0082】
そこで、本実施の形態では、イエロー部32Yを複数の画像形成部32の中で最も回転方向上流側に配置し、透明部52Tを複数の画像形成部52の中で最も回転方向上流側に配置している。そのため、本実施の形態によれば、視認性が高いトナー用の画像形成部が複数の画像形成部の中で最も回転方向上流側に配置されている構成に比べて、画像不良を目立たなくすることができ、転写により生じる画像不良を抑制できる。
【0083】
(その他)
上記の実施形態では、複数の画像形成ユニット18として、第1画像形成ユニット30及び第2画像形成ユニット50の2つを画像形成装置本体10Aに搭載した。しかし、これに限らず、複数の画像形成ユニット18として、3つ以上の画像形成ユニット18を画像形成装置本体10Aに搭載してもよい。3つ以上の画像形成ユニット18を画像形成装置本体10Aに搭載することで、1回の印刷処理において転写可能なトナー量の総量が「300以上」となり、トナーによる記録用紙Pの単位面積あたりの隠蔽率をより高くできる。
【0084】
上記の実施形態では、第1画像形成ユニット30は、複数の画像形成部32として、白色部32W、マゼンタ部32M、シアン部32C、及びイエロー部32Yを備え、第2画像形成ユニット50は、複数の画像形成部52として、黒色部52K、金色部52G、銀色部52S、及び透明部52Tを備える。つまり、上記の実施形態では、第1画像形成ユニット30と第2画像形成ユニット50とで、同色のトナー像を形成する画像形成部32、52を備えていない。しかし、これに限らず、第1画像形成ユニット30と第2画像形成ユニット50とで、同色のトナー像を形成する画像形成部32、52を備えてもよい。
【0085】
例えば、第1画像形成ユニット30が複数の画像形成部32として、黒色部K、金色部G、銀色部S、及び透明部Tを備え、第2画像形成ユニット50が複数の画像形成部52として、黒色部52K、金色部52G、銀色部52S、及び透明部52Tを備えてもよい。このように構成することで、第1画像形成ユニット30により形成された黒トナー像に、第2画像形成ユニット50により形成された黒トナー像を重畳して転写することができる。
【0086】
また、第1画像形成ユニット30が複数の画像形成部32として、白色部32W、マゼンタ部32M、シアン部32C、及びイエロー部32Yを備え、第2画像形成ユニット50が複数の画像形成部52として、白色部W、マゼンタ部M、シアン部C、及びイエロー部Yを備えてもよい。このように構成することで、第1画像形成ユニット30により形成されたプロセスブラック像に、第2画像形成ユニット50により形成されたプロセスブラック像を重畳して転写することができる。
【0087】
上記の実施形態では、画像形成ユニット18が備える画像形成部32、52をX方向に対して傾斜して配置した。しかし、これに限らず、画像形成部32、52を、X方向に沿って整列させ、X方向に対して水平に配置してもよいし、Y方向に沿って整列させ、X方向に対して垂直に配置してもよい。
【0088】
上記の実施形態では、第1画像形成ユニット30と、画像形成ユニット50とをY方向に沿って整列させ、X方向に対して垂直に(縦並びに)配置することで、記録用紙PがY方向に搬送される構成とした。しかし、これに限らず、第1画像形成ユニット30と、画像形成ユニット50とをX方向に沿って整列させ、X方向に対して水平に(横並びに)配置することで、記録用紙PがX方向に搬送される構成としてもよい。
【符号の説明】
【0089】
10 画像形成装置
10A 画像形成装置本体
18 画像形成ユニット
30 第1画像形成ユニット
50 第2画像形成ユニット
32、52 画像形成部
32W 白色部
32C シアン部
32M マゼンタ部
32Y イエロー部
52K 黒色部
52G 金色部
52S 銀色部
52T 透明部
70 第1中間転写部
72 第2中間転写部
74 第1転写部
76 第2転写部
図1
図2
図3
図4
図5