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特許7180245加工機械用データ処理装置及び加工機械用データ管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】加工機械用データ処理装置及び加工機械用データ管理システム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/418 20060101AFI20221122BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018181795
(22)【出願日】2018-09-27
(65)【公開番号】P2020052754
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2020-12-22
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】日本電産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142022
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 一晃
(72)【発明者】
【氏名】松岡 清和
(72)【発明者】
【氏名】田久保 遠鴻
【審査官】影山 直洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-161395(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工機械の表示部に表示される加工情報に関する画像を撮像して画像データを取得する撮像部と、
前記撮像部によって取得された画像データから補正画像データを生成する画像データ補正部と、
前記補正画像データから文字データを取得する文字データ取得部と、
前記文字データを出力する文字データ出力部と、
を備え、
前記画像データ補正部は、前記撮像部によって取得された画像データから複数の加工情報が表示された領域を特定して、前記複数の加工情報が表示された前記補正画像データを生成する、
加工機械用データ処理装置
【請求項2】
請求項1に記載の加工機械用データ処理装置において、
前記画像データ補正部は、前記加工機械の表示部において前記文字データを取得する領域を特定するデータ領域情報に基づいて、前記画像データから取得領域画像データを切り出して、前記補正画像データを生成し、
前記文字データ取得部は、前記補正画像データから前記文字データを生成する文字データ生成部をさらに有する
加工機械用データ処理装置。
【請求項3】
請求項に記載の加工機械用データ処理装置において、
前記文字データ生成部は、
前記補正画像データから処理前文字データを生成する処理前文字データ生成部と、
文字変換情報に基づいて、前記処理前文字データを前記文字データに変換する文字データ変換部と、
を備える、
加工機械用データ処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の加工機械用データ処理装置において、
前記文字データ取得部は、
前記補正画像データから処理前文字データを生成する処理前文字データ生成部と、
文字変換情報に基づいて、前記処理前文字データを前記文字データに変換する文字データ変換部と、
を備える、
加工機械用データ処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の加工機械用データ処理装置において、
前記画像データと前記文字データとを記憶する記憶部をさらに備える、
加工機械用データ処理装置。
【請求項6】
加工機械と、
請求項1からのいずれか一つに記載の加工機械用データ処理装置と、
制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記加工機械用データ処理装置から出力された文字データを取得して、前記文字データから加工機械で利用するデータを生成し、
前記加工機械に前記データが入力される、
加工機械用生産管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工機械用データ処理装置及び加工機械用データ管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
プレス機及び樹脂成形機等の加工機械が知られている。加工機械では、生産量が絶えず変化するため、生産する製品毎に加工機械に取付ける金型または工具を取り換える必要があるとともに、成形圧力等の加工条件を調整する必要がある。このため、その準備及び調整を容易に行えるかが生産性の向上に大きく影響する。
【0003】
そこで、例えば、特許文献1には、加工機械の加工回数、加工速度、生産品名、生産担当者、金型等の加工情報を、接続された通信網により入力して前記情報を収集、変換するデータ収集・変換器と、該データ収集・変換器から転送されたデータを記憶・演算処理するメインサーバーとを備えた生産性向上支援システムが開示されている。この生産性向上支援システムにより、生産の計画及び準備を前もって行うことができるため、加工機械の生産性を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-191235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示のシステムでは、加工機械の加工情報は通信網を介して収集される。したがって、加工情報を出力する機能を有しない加工機械及び通信網に接続できない加工機械等からは前記情報を収集することはできない。
【0006】
しかしながら、加工機械の生産性向上の観点から、加工機械が加工情報を外部に出力する出力端子を有していない場合、または、加工機械が通信網に接続できない場合でも、加工機械から加工情報を収集したいという要求がある。
【0007】
本発明の目的は、加工情報を外部に出力できない加工機械から加工情報に関するデータを取得可能な加工機械用データ処理装置及び加工機械用データ管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係る加工機械用データ処理装置は、加工機械の表示部に表示される加工情報に関する画像を撮像して画像データを取得する撮像部と、前記画像データから文字データを取得する文字データ取得部と、前記文字データを出力する文字データ出力部と、を備える。
【0009】
本発明の一実施形態に係る加工機械用データ管理システムは、加工機械と、前記加工機械用データ処理装置と、制御装置と、を備える。前記制御装置は、前記加工機械用データ処理装置から出力された文字データを取得して、前記文字データから加工機械で利用するデータを生成する。前記加工機械に前記データが入力される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施形態に係る加工機械用データ処理装置及び加工機械用データ管理システムによれば、加工情報を外部に出力できない加工機械から加工情報に関するデータを取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態に係る加工機械用データ管理システムの概略構成を示す図である。
図2図2は、加工機械の表示部に表示される加工情報の例を示す図である。
図3図3は、データ領域情報の例を示す図である。
図4図4は、文字変換情報の例を示す図である。
図5図5は、加工機械用データ処理装置の動作を示すフローチャートである。
図6図6は、画像データから文字データへの変換を模式的に示す図である。
図7図7は、制御装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。なお、図中の同一または相当部分については同一の符号を付してその説明は繰り返さない。また、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各構成部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
【0013】
(全体構成)
図1は、本発明の実施の形態に係る加工機械用データ管理システム1の概略構成を示す図である。加工機械用データ管理システム1は、加工機械10Aの加工情報に関するデータを収集して、加工機械10Aの加工情報を管理するシステムである。すなわち、加工機械用データ管理システム1は、加工機械10Aで製品を加工する際の加工条件等を含む加工情報をデータとして取得するとともに、他の加工機械10Bで前記製品を加工する際に、加工機械10Aから取得した加工情報を利用可能なシステムである。
【0014】
詳しくは、加工機械用データ管理システム1は、加工機械10A、10Bと、加工機械用データ処理装置20と、制御装置90とを備える。
【0015】
加工機械10A、10Bは、それぞれ、加工情報が表示される表示部11A、11Bを備える。加工機械10Aは、例えば、樹脂成形機であり、表示部11Aには、成形中の製品についての加工情報が表示される。なお、加工機械10A、10Bは、特定の加工機械でなくてもよい。また、加工機械10Aと加工機械10Bとは、異なる種類のものであってもよいし、加工機械10A、10Bのそれぞれの表示部11A、11Bにおいて加工情報の表示形式が異なってもよい。図2に、加工機械10Aの表示部11Aに表示される加工情報の一例を示す。
【0016】
(加工機械用データ処理装置)
図1を参照して、加工機械用データ処理装置20について説明する。加工機械用データ処理装置20は、加工機械10Aの表示部11Aを撮像することによって表示部11Aに表示された画像のデータである画像データを取得し、取得した画像データから文字データを生成して出力する。詳しくは、加工機械用データ処理装置20は、撮像部30と、文字データ取得部40と、文字データ出力部70と、記憶部80とを備える。
【0017】
撮像部30は、加工機械10Aにおける加工情報が表示される表示部11Aを撮像することによって表示部11Aに表示された画像のデータである画像データPを取得する。本実施形態においては、加工機械10Aの表示部11Aには、加工機械ID、製品情報及び加工条件等の加工情報が文字で表示される。したがって、撮像部30が取得した画像データPには、加工機械ID、製品情報及び加工条件等の加工情報を表示する文字が画像形式で含まれる。
【0018】
文字データ取得部40は、撮像部30が取得した画像データPを画像補正し、補正後の画像データに含まれる画像形式の加工情報から、文字コードを生成する。詳しくは、文字データ取得部40は、画像データPを補正して補正画像データP2を生成する画像データ補正部50と、補正画像データP2から文字データTを生成する文字データ生成部60とを備える。
【0019】
画像データ補正部50は、まず、画像データPにおいて文字データとして取得する加工情報が表示された領域を特定する。画像データ補正部50は、加工機械10Aの表示部11Aにおいて取得する加工情報が表示された領域を特定するデータ領域情報50aを用いて、画像データPから、所定の領域を切り出す。これにより、取得する加工情報のみが表示された画像データである取得領域画像データP1が生成される。データ領域情報50aは、後述する記憶部80に記憶されてもよいし、加工機械用データ処理装置20の外部に記憶されてもよい。
【0020】
例えば、図2に示す例において、加工機械ID、製品情報及び加工条件1から4のうち、文字データを取得する加工情報が、加工機械ID、製品情報及び加工条件1である場合、データ領域情報50aは、図3に示すような、加工機械ID、製品情報及び加工条件1が表示される領域を特定する情報である。
【0021】
画像データ補正部50は、取得領域画像データP1に対して、公知の画像補正処理を用いて画像補正を行うことにより、補正画像データP2を生成する。
【0022】
例えば、画像データ補正部50は、前記画像補正処理として、取得領域画像データP1の明度を検出し、暗い場合には、取得領域画像データP1を白黒反転する処理を行ってもよい。あるいは、画像データ補正部50は、前記画像補正処理として、取得領域画像データP1をぼかし処理してから、二値化処理を行ってもよい。画像データ補正部50は、これらの画像補正処理を、取得領域画像データP1を切り出す前に行ってもよい。また、画像データ補正部50は、取得領域画像データP1を生成せずに、これらの画像補正処理を行ってもよい。
【0023】
文字データ生成部60は、画像データ補正部50の画像補正によって生成された補正画像データP2から、文字データTを生成する。詳しくは、文字データ生成部60は、処理前文字データ生成部61と、文字データ変換部62とを備える。
【0024】
処理前文字データ生成部61は、補正画像データP2に対して文字認識処理を行うことにより、補正画像データP2に含まれる画像形式の文字情報から文字コードによる文字データを取得する。これにより、画像形式の補正画像データP2から、処理前文字データT1が生成される。
【0025】
処理前文字データT1は、補正画像データP2に含まれる加工情報がそのまま文字情報に変換された文字データである。すなわち、データ領域情報50aによって切り出された領域が、例えば加工機械ID、製品情報及び加工条件1を表示する領域であった場合、処理前文字データT1は、加工機械ID、製品情報及び加工条件1の文字データである。
【0026】
文字データ変換部62は、処理前文字データT1に含まれる所定の文字を他の文字に変換して、文字データTを生成する。詳しくは、文字データ変換部62は、図4に示すような、変換前の文字及び変換後の文字が登録された文字変換情報62aを用いて、処理前文字データT1から、文字データTを生成する。これにより、要求される文字データTが生成される。文字変換情報62aは、後述する記憶部80に記憶されてもよいし、加工機械用データ処理装置20の外部に記憶されてもよい。
【0027】
例えば、処理前文字データT1が「製品情報:X12345~(改行)加工条件1:50MPa」であって、文字変換情報62aに、「チルダ(~)を削除する」と登録されているとする。この場合、処理前文字データT1「製品情報:X12345~(改行)加工条件1:50MPa」に含まれるチルダが削除されて、文字データT「製品情報:X12345(改行)加工条件1:50MPa」が生成される。
【0028】
すなわち、文字データ生成部60は、補正画像データP2から処理前文字データT1を生成する処理前文字データ生成部61と、文字変換情報62aに基づいて、処理前文字データT1を文字データTに変換する文字データ変換部62とを備える。これにより、補正画像データP2から得られた処理前文字データT1を、文字変換情報62aに基づいて、要求される文字データTに容易に変換することができる。
【0029】
文字データ出力部70は、文字データ取得部40が取得した文字データTを、加工機械用データ処理装置20の外部に出力する。本実施形態においては、出力された文字データTは、後述する制御装置90に入力される。
【0030】
記憶部80は、撮像部30によって撮像された画像データP及び文字データ取得部40が取得した文字データTの両方を記憶する。これにより、加工機械10Aの表示部11Aに表示される加工情報に関する画像である画像データPと、画像データPから得られる文字データTとを、記憶部80に蓄積することができる。
【0031】
以上の構成により、加工機械用データ処理装置20は、加工機械10Aの表示部11Aに表示される加工情報に関する画像を撮像して画像データPを取得する撮像部30と、画像データPから文字データTを取得する文字データ取得部40と、文字データTを出力する文字データ出力部70とを備える。
【0032】
これにより、加工機械10Aの表示部11Aに表示された画像に含まれる文字情報を、撮像部30によって取得された画像データPから文字データTとして取得することができる。よって、加工機械10Aが加工情報を外部に出力する出力端子を有していない場合、前記出力端子の規格が加工機械の種類によって異なる場合、及び、加工機械10Aの表示部11Aにおける情報の表示形式が異なる場合などでも、加工機械10Aから必要な文字情報を取得することができる。
【0033】
また、文字データ取得部40は、画像データPを補正して補正画像データP2を生成する画像データ補正部50と、補正画像データから文字データTを生成する文字データ生成部60とを備える。これにより、撮像部30が取得した画像データPを、文字データTの取得に適した補正画像データP2に補正することができる。よって、画像データPから文字データTを生成する精度を向上することができる。
【0034】
また、画像データ補正部50は、加工機械10Aの表示部11Aにおいて文字データTを取得する領域を特定するデータ領域情報50aに基づいて、画像データPから取得領域画像データP1を切り出して、補正画像データP2を生成する。文字データ生成部60は、補正画像データP2から文字データTを生成する。これにより、加工機械10Aの表示部11Aに表示された画像の中から、必要な文字データTだけを取得して出力することができる。
【0035】
(制御装置)
次に、図1を参照して、制御装置90について説明する。制御装置90は、加工機械用データ処理装置20を介して、加工機械10Aの表示部11Aに表示された画像から、加工機械10Aの加工情報を文字データTとして取得し、取得したデータから加工機械10Bで利用する加工情報(データ)を生成する。詳しくは、制御装置90は、データ取得部91と、加工情報生成部92と、加工情報出力部93と、を備える。
【0036】
データ取得部91は、加工機械用データ処理装置20の文字データ出力部70から出力された文字データTを取得する。文字データTは、加工機械10Aの表示部11Aに表示された加工機械10Aの加工情報である。
【0037】
加工情報生成部92は、データ取得部91が取得した文字データTから、加工機械10Bで利用可能なデータ形式の加工情報を生成する。
【0038】
加工情報出力部93は、加工情報生成部92が生成した加工情報を制御装置90の外部に出力する。本実施形態においては、出力された加工情報は、加工機械10Bに入力される。
【0039】
次に、加工機械用データ管理システム1の動作について説明する。加工機械用データ管理システム1は、加工機械用データ処理装置20が、加工機械10Aから文字データTを取得する処理と、制御装置90が、前記取得した文字データTから加工機械10Bで利用する加工情報を生成し、加工機械10Bに出力する処理とを行う。
【0040】
(文字データ取得動作)
まず、加工機械用データ処理装置20が文字データを取得する動作について、図5及び図6を参照して説明する。図5は、加工機械用データ処理装置20が、加工機械10Aの表示部11Aに表示された加工情報から文字データを取得する動作を示すフローチャートである。図6は、画像データPから文字データTへの変換を模式的に示す図である。
【0041】
図5に示すフローがスタートすると(START)、まず、加工機械用データ処理装置20の撮像部30は、加工機械10Aの表示部11Aに表示される加工情報に関する画像を撮像する。これにより、加工情報に関する文字情報が含まれた画像データPが取得される(ステップSA1)。図6(a)に、画像データPの例を示す。
【0042】
次に、画像データ補正部50は、画像データPにおいて文字データを取得する領域を特定するデータ領域情報50aに基づいて、画像データPから、取得領域画像データP1を切り出すとともに、取得領域画像データP1を補正して補正画像データP2を生成する。(ステップSA2)。補正画像データP2は、加工情報に関して必要な文字情報のみが含まれ、画像補正された画像データである。図6(b)に、補正画像データP2の例を示す。
【0043】
補正画像データP2が生成されると、処理前文字データ生成部61は、補正画像データP2から処理前文字データT1を生成する(ステップSA3)。処理前文字データT1は、取得領域画像データP1に含まれる画像形式の文字情報を文字認識により文字コードに変換したものである。図6(c)に、処理前文字データT1の例を示す。
【0044】
次に、文字データ変換部62は、文字変換情報62aに基づいて、処理前文字データT1を文字データTに変換する(ステップSA4)。これにより、処理前文字データT1から要求される文字データTが生成される。図6(d)に、文字データTの例を示す。
【0045】
その後、文字データTは、文字データ出力部70から制御装置90に出力され(ステップSA5)、フローは終了する(END)。
【0046】
以上の処理により、制御装置90のデータ取得部91は、加工機械10Aの加工情報を文字データTとして取得する。すなわち、制御装置90は、加工機械10Aの表示部11Aに表示された画像に含まれる文字情報を、文字データTとして取得することができる。これにより、加工機械が加工情報を外部に出力する出力端子を有していない場合、前記出力端子の規格が加工機械の種類によって異なる場合、及び、加工機械の表示部11Aにおける情報の表示形式が異なる場合などでも、加工機械用データ管理システム1は、加工機械から必要な文字情報を取得することができる。
【0047】
(加工情報出力動作)
次に、制御装置90が加工機械用データ処理装置20から文字データTを取得し、加工機械10Bで利用する加工情報を加工機械10Bに出力する動作を、図7を参照して説明する。
【0048】
図7に示すフローがスタートすると(START)、加工情報生成部92は、データ取得部91が取得した文字データTから加工機械10Bで利用可能な形式の加工情報を生成する(ステップSB1、SB2)。前記生成された加工情報は、加工情報出力部93より出力され、加工機械10Bに入力される(ステップSB3)。その後、フローは終了する(END)。
【0049】
以上の処理により、加工機械用データ管理システム1は、データ取得部91が取得したデータから加工機械10Bで利用可能な加工情報を生成し、前記加工情報を加工機械10Bで利用することができる。
【0050】
このように、加工機械用データ管理システム1は、加工機械10A、10Bと、加工機械用データ処理装置20と、制御装置90とを備える。制御装置90は、加工機械用データ処理装置20から出力された文字データTを取得して、文字データTから加工機械10Bで利用可能なデータを生成する。加工機械10Bに前記データが入力される。これにより、加工機械が加工情報を外部に出力する出力端子を有していない場合、前記出力端子の規格が加工機械の種類によって異なる場合、及び、加工機械の表示部における情報の表示形式が異なる場合などでも、加工情報を取得でき、前記加工情報を加工機械で利用することができる。
【0051】
(その他の実施形態)
上記実施形態において、加工機械用データ管理システム1は、2つの加工機械10A及び10Bを備える。しかしながら、加工機械用データ管理システムは、1つの加工機械を備える構成であってもよい。あるいは、加工機械用データ管理システムは、3つ以上の加工機械を備える構成であってもよい。
【0052】
上記実施形態において、加工機械用データ処理装置20の記憶部80は、文字データ取得部40が処理した画像データPと文字データTの両方を記憶する。しかしながら、加工機械用データ処理装置の記憶部は、画像データP及び文字データTのうち少なくとも一方を記憶する構成であってもよい。あるいは、加工機械用データ処理装置は記憶部を備えない構成であってもよい。
【0053】
上記実施形態において、文字データ取得部40は、撮像部30が取得した画像データPを画像データ補正部50で補正し、補正後の補正画像データP2から文字データTを生成する。しかしながら、文字データ生成部は、撮像部によって取得された画像データから文字データを生成する構成であってもよい。すなわち、文字データ取得部は、画像データから処理前文字データを生成する処理前文字データ生成部と、文字変換情報に基づいて、処理前文字データを文字データに変換する文字データ変換部とを備える構成であってもよい。これにより、画像データから得られた処理前文字データを、文字変換情報に基づいて、要求される文字データに容易に変換することができる。
【0054】
上記実施形態において、制御装置90の加工情報出力部93は、加工情報生成部92が生成した加工情報を加工機械10Bに出力する。しかしながら、加工情報出力部93が出力した前記加工情報は、制御装置90が有する出力端子、モニター又はプリンターなどに出力される構成であってもよい。また、加工情報出力部は、加工情報生成部が生成した加工情報を、加工機械用データ処理装置が文字データを取得した加工機械に入力してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、加工情報を外部に出力できない加工機械から加工情報に関するデータを取得する場合に利用可能である。
【符号の説明】
【0056】
1 加工機械用データ管理システム
10A、10B 加工機械
11A、11B 表示部
20 加工機械用データ処理装置
30 撮像部
40 文字データ取得部
50 画像データ補正部
50a データ領域情報
60 文字データ生成部
61 処理前文字データ生成部
62 文字データ変換部
62a 文字変換情報
70 文字データ出力部
80 記憶部
90 制御装置
91 データ取得部
92 加工情報生成部
93 加工情報出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7