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特許7180263表示装置、表示システムおよび表示装置の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】表示装置、表示システムおよび表示装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20221122BHJP
   G09G 5/377 20060101ALI20221122BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20221122BHJP
   G06F 3/0484 20220101ALI20221122BHJP
【FI】
G09G5/00 555D
G09G5/00 510H
G09G5/36 520M
G09G5/00 550X
H04N5/74 Z
G06F3/0484
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018189817
(22)【出願日】2018-10-05
(65)【公開番号】P2020060616
(43)【公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125689
【弁理士】
【氏名又は名称】大林 章
(74)【代理人】
【識別番号】100128598
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 聖一
(74)【代理人】
【識別番号】100121108
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 太朗
(72)【発明者】
【氏名】阿野 尊洋
(72)【発明者】
【氏名】赤塚 雄平
【審査官】西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-004681(JP,A)
【文献】特開2015-102737(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0263694(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00 - 5/42
H04N 5/74
G06F 3/0484
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示面に画像を表示する表示部と、
情報端末装置から画像情報を入力可能な複数の入力部と、
前記情報端末装置がケーブルを介して接続可能に構成され、前記情報端末装置と通信可能な通信部と、
前記ケーブルを介する前記情報端末装置と前記通信部との接続を検出する接続検出部と、
指示体が指示する前記表示面上の位置に関する位置情報を生成する位置情報生成部と、
前記画像情報および前記位置情報に基づく画像を前記表示部に表示させる第1モードと、前記画像情報に基づく画像を前記表示部に表示させ、前記位置情報に基づいて前記情報端末装置を操作する第2モードと、を切替可能に実行する制御部と、
前記第2モードの実行時における前記複数の入力部の使用結果に関するソース情報を記憶する記憶部と、を有し、
前記ソース情報は、最後の前記第2モードの実行時における前記複数の入力部と使用モードとの対応付けに関する情報であり、
前記制御部は、前記接続検出部で前記情報端末装置と前記通信部との新たな接続が検出された場合、前記ソース情報に基づいて前記複数の入力部から、最後に使用された1つの入力部を選択し、前記第2モードを実行する、
表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1モードから前記第2モードへ切り替える操作を受け付け可能な操作画像を前記表示部に表示させ、前記接続検出部で前記情報端末装置と前記通信部との新たな接続が検出されない状態で、前記操作画像への前記操作が受け付けられる場合、前記ケーブルを前記通信部に接続することを促す旨の画像を前記表示部に表示させる、
請求項に記載の表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記操作の受け付けにより前記第1モードから前記第2モードへ切り替える場合、前記ソース情報を更新する、
請求項に記載の表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記接続検出部で前記情報端末装置と前記通信部との接続が検出されない場合、前記第1モードを実行する、
請求項1ないしのいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
請求項1ないしのいずれか1項に記載の表示装置と、
前記表示面上を指示する指示体と、を有する、
表示システム。
【請求項6】
表示面に画像を表示する表示部と、情報端末装置から画像情報を入力可能な複数の入力部と、前記情報端末装置がケーブルを介して接続可能に構成され、前記情報端末装置と通信可能な通信部と、指示体が指示する前記表示面上の位置に関する位置情報を生成する位置情報生成部と、を有する表示装置の制御方法であって、
前記情報端末装置と前記通信部との接続を検出し、
前記画像情報および前記位置情報に基づく画像を前記表示部に表示させる第1モードと、前記画像情報に基づく画像を前記表示部に表示させ、前記位置情報に基づいて前記情報端末装置を操作する第2モードと、を切替可能に実行し、
前記第2モードの実行時における前記複数の入力部の使用結果に関するソース情報を記憶し、
前記ソース情報は、最後の前記第2モードの実行時における前記複数の入力部と使用モードとの対応付けに関する情報であり、
前記情報端末装置と前記通信部との新たな接続が検出される場合、前記ソース情報に基づいて前記複数の入力部から、最後に使用された1つの入力部を選択し、前記第2モードを実行する、
表示装置の制御方法。
【請求項7】
前記第1モードから前記第2モードへ切り替える操作を受け付け可能な操作画像を前記表示部に表示させ、前記情報端末装置と前記通信部との接続が検出されない状態で、前記操作画像への前記操作が受け付けられる場合、前記ケーブルを前記通信部に接続することを促す旨の画像を前記表示部に表示させる、
請求項に記載の表示装置の制御方法。
【請求項8】
前記操作の受け付けにより前記第1モードから前記第2モードへ切り替える場合、前記ソース情報を更新する、
請求項に記載の表示装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、表示システムおよび表示装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、いわゆるインタラクティブ機能を有するプロジェクター等の表示装置が知られている。この種の表示装置は、例えば、PC(Personal Computer)に接続して使用され、PCからの画像情報に基づく画像をスクリーンに表示しながら、ペンツールまたは利用者の指等の指示体による操作を受け付ける。特許文献1に記載の表示装置は、指示体が指示するスクリーン上の位置の軌跡による描画画像を前述の画像に重ねて表示するモードと、指示体が指示するスクリーン上の位置に従いPCを操作するモードと、を有する。特許文献1において、これらのモードは、例えば、前述の画像に重ねて表示されるGUI(Graphical User Interface)を用いて切り替えられる。また、特許文献1に記載の表示装置は、PCを接続可能な複数のインターフェイスを有しており、PCを操作するモードに用いるインターフェイスが予め設定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-88840号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の表示装置では、前述の2つのモードの切り替えが手動であるため、ユーザーにとって利便性が低いという課題がある。また、特許文献1に記載の表示装置では、複数のインターフェイスのうち、PCを操作するモードに用いるインターフェイスを予め設定しておく必要があり、この点でも、ユーザーにとって利便性が低い。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するため、本発明に係る表示装置の一態様は、表示面に画像を表示する表示部と、情報端末装置から画像情報を入力可能な複数の入力部と、前記情報端末装置がケーブルを介して接続可能に構成され、前記情報端末装置と通信可能な通信部と、前記ケーブルを介する前記情報端末装置と前記通信部との接続を検出する接続検出部と、指示体が指示する前記表示面上の位置に関する位置情報を生成する位置情報生成部と、前記画像情報および前記位置情報に基づく画像を前記表示部に表示させる第1モードと、前記画像情報に基づく画像を前記表示部に表示させ、前記位置情報に基づいて前記情報端末装置を操作する第2モードと、を切替可能に実行する制御部と、前記第2モードの実行時における前記入力部の使用結果に関するソース情報を記憶する記憶部と、を有し、前記制御部は、前記接続検出部で接続が検出される場合、前記ソース情報に基づいて前記複数の入力部から1つの入力部を選択し、前記第2モードを実行する。
【0006】
本発明に係る表示システムの一態様は、前述の態様の表示装置と、前記表示面上を指示する指示体と、を有する。
【0007】
本発明に係る表示装置の制御方法の一態様は、表示面に画像を表示する表示部と、情報端末装置から画像情報を入力可能な複数の入力部と、前記情報端末装置がケーブルを介して接続可能に構成され、前記情報端末装置と通信可能な通信部と、指示体が指示する前記表示面上の位置に関する位置情報を生成する位置情報生成部と、を有する表示装置の制御方法であって、前記情報端末装置と前記通信部との接続を検出し、前記画像情報および前記位置情報に基づく画像を前記表示部に表示させる第1モードと、前記画像情報に基づく画像を前記表示部に表示させ、前記位置情報に基づいて前記情報端末装置を操作する第2モードと、を切替可能に実行し、前記第2モードの実行時における前記入力部の使用結果に関するソース情報を記憶し、前記情報端末装置と前記通信部との接続が検出される場合、前記ソース情報に基づいて前記複数の入力部から1つの入力部を選択し、前記第2モードを実行する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る表示システムを示す斜視図である。
図2】実施形態に係る表示装置の構成を示すブロック図である。
図3】表示装置と情報端末装置との接続例を示す図である。
図4】ソース情報の一例を示す図である。
図5】第1モードと第2モードとの切替時における画像の遷移を示す図である。
図6】表示装置のモード切替の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態を説明する。なお、図面において各部の寸法および縮尺は実際と適宜異なり、理解を容易にするために模式的に示す部分もある。また、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られない。
【0010】
1.表示システムの概要
図1は、実施形態に係る表示システム1を示す斜視図である。表示システム1は、いわゆるインタラクティブ機能を有するプロジェクションシステムである。図1に示すように、表示システム1は、表示装置10と、指示体90と、情報端末装置の一例であるPC100と、を含む。
【0011】
図1に示す例では、スクリーンSCの設置箇所は、例えば、壁である。なお、当該設置箇所は、壁に限定されず、例えば、床またはテーブル等であってもよい。また、表示装置10の設置箇所は、例えば、天井であるが、当該設置箇所は、表示装置10がスクリーンSCに投射画像Gを投射可能であればよく、天井に限定されず、例えば、スクリーンSCの前方の、壁、床、テーブル、専用設置台等であってもよい。
【0012】
表示装置10は、PC100からの画像情報に基づく画像GをスクリーンSCに表示可能である。また、表示装置10は、指示体90が指示するスクリーンSC上の位置を検出可能である。ここで、表示装置10は、第1モードである描画モードと、第2モードである操作モードと、を有し、これらのモードを切り替えて実行可能である。描画モードにおいて、表示装置10は、指示体90が指示するスクリーンSC上の位置の軌跡に基づく描画画像である画像GDを前述の画像Gに重ねてスクリーンSCに表示する。一方、操作モードおいて、表示装置10は、前述の画像GをスクリーンSCに表示し、その状態で、指示体90が指示するスクリーンSC上の位置に従い、マウス等のポインティングデバイスと同様にPC100を操作する。
【0013】
表示装置10は、ケーブル101を介してPC100から画像情報が入力される。また、表示装置10は、ケーブル102を介してPC100との通信が可能である。ここで、表示装置10は、ケーブル102を介してPC100が接続されると、操作モードを実行する。
【0014】
描画モードおよび操作モードのいずれにおいても、表示装置10は、指示体90の指示により表示装置10に各種の機能を実行させるためのGUI(Graphical User Interface)用の画像であるツールバーGTをスクリーンSCに表示する。ツールバーGTは、両モード間の切り替えに用いる描画モード切替ボタンGT1および操作モード切替ボタンGT2を含む。図1は、描画モード時のツールバーGTの状態を示しており、描画モード時のツールバーGTは、描画に用いる描画ツールGT3も含む。
【0015】
なお、表示装置10は、前述の画像G、GDおよびツールバーGT以外の画像、例えば、表示装置10に記憶される画像情報に基づく画像、または表示装置10で生成する画像情報に基づく画像等をスクリーンSCに表示してもよい。また、表示装置10の操作は、表示装置10本体に配置される操作パネル71、および図1中不図示のリモコンを用いて行うことも可能である。
【0016】
指示体90は、ペン型のデバイスである。指示体90は、軸部91と、軸部91の先端に配置される先端ボタン92と、を備える。先端ボタン92は、スクリーンSCに押し付けられることでオンになるスイッチである。指示体90の内部には、図示しない赤外線発光部が設けられており、当該赤外線発光部は、先端ボタン92がオンとなることにより駆動する。当該赤外線発光部は、例えば、赤外LED(Light Emitting Diode)等の発光素子、発光制御回路、および電源を含んで構成される。当該赤外線発光部は、例えば、IrDA(Infrared Data Association)規格に準拠した方式により、周期的に赤外線を発光する。この発光は、表示装置10で検出される。表示装置10、指示体90の発光位置に基づいて、指示体90が指示するスクリーンSC上の位置を検出する。なお、指示体90の形状は、ペン型に限定されない。
【0017】
2.表示装置の構成
図2は、実施形態に係る表示装置10の構成を示すブロック図である。表示装置10は、図2に示すように、表示部20、記憶部30、画像処理部40、I/F(Interface)部50、検出部60、操作部70および処理装置80を有する。
【0018】
表示部20は、表示面であるスクリーンSCに画像Gを表示する。表示部20は、光源21、光変調装置22、および投射光学系23を有する。
【0019】
光源21は、例えば、ハロゲンランプ、キセノンランプ、超高圧水銀ランプ、LED(Light Emitting Diode)またはレーザー光源等で構成される。光変調装置22は、光源21が発する光を変調して画像光を生成する。光変調装置22は、例えば、透過型の液晶パネル、反射型の液晶パネルまたはDMD(デジタルミラーデバイス)等の光変調素子を含んで構成される。投射光学系23は、光変調装置22からの画像光をスクリーンSC上に結像させる。投射光学系23は、少なくとも1つの投射レンズを含む光学系であり、ズームレンズまたはフォーカスレンズ等を含んでもよい。
【0020】
記憶部30は、例えば、ハードディスクドライブまたは半導体メモリーから構成される。記憶部30は、処理装置80が実行する制御プログラムP、および処理装置80が処理するデータを記憶する。特に、記憶部30は、操作モードの実行時における後述の第1入力部51、第2入力部52および第3入力部53の使用結果に関するソース情報D1を記憶する。なお、ソース情報D1の具体例については、後述する。また、記憶部30は、表示装置10の外部の記憶装置あるいはサーバー等に設けてもよい。
【0021】
画像処理部40は、フレームメモリー41を有し、I/F部50からの画像情報をフレームメモリー41に展開して、解像度変換処理、リサイズ処理、歪み補正処理等の各種処理を適宜実行して表示部20に入力する。ここで、画像処理部40は、必要に応じて、処理装置80からの信号に基づく処理、例えば、画像GDおよびツールバーGT等を表示部20に表示させるための処理等を実行する。
【0022】
I/F部50は、PC100等の外部装置に接続可能なインターフェイスとして、第1入力部51、第2入力部52、第3入力部53および通信部54を備える。なお、I/F部50は、表示装置10本体と同一筐体に配置されてもよいし、表示装置10本体の筐体とは別の筐体内に配置されてもよい。
【0023】
第1入力部51、第2入力部52および第3入力部53は、それぞれ、情報端末装置であるPC100から画像情報DSを入力可能である。本実施形態の第1入力部51、第2入力部52および第3入力部53は、それぞれ、PC100ケーブル101により有線接続される。具体的には、第1入力部51、第2入力部52および第3入力部53は、例えば、それぞれ、D-subまたはHDMI等のインターフェイスである。ここで、第1入力部51、第2入力部52および第3入力部53の規格は、互いに同一であっても異なっていてもよい。ここで、第1入力部51、第2入力部52および第3入力部53は、「複数の入力部」の一例である。第1入力部51、第2入力部52および第3入力部53のうちのいずれか1つを省略してもよい。また、第1入力部51、第2入力部52および第3入力部53のほかに、1つ以上の入力部を設けてもよい。また、第1入力部51、第2入力部52および第3入力部53のうちの少なくとも1つは、例えば、Wi-FiまたはBluetooth等によりPC100と無線接続されてよいし、LAN(Local Area Network)またはインターネット等を介してPC100に接続されてもよい。なお、HDMI、Wi-FiおよびBluetoothは、それぞれ、登録商標である。
【0024】
通信部54は、PC100がケーブル102を介して接続可能に構成され、PC100と通信可能である。具体的には、通信部54は、例えば、USB等のインターフェイスである。なお、通信部54の数は、複数でもよく、この場合、通信規格は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
【0025】
検出部60は、指示体90が指示するスクリーンSC上の位置を検出し、当該位置を示す位置情報PSを生成する。検出部60は、撮像部61、受光部62および位置情報生成部63を有する。撮像部61は、スクリーンSCを撮像する。撮像部61は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサーまたはCMOS(Complementary
MOS)イメージセンサー等の撮像素子を含んで構成される。
【0026】
受光部62は、指示体90の赤外線発光部から発光される赤外線信号を受光する。受光部62は、例えば、フォトダイオード等の受光素子を含んで構成される。検出部60では、受光部62の出力信号をデコードし、指示体90の操作を示す指示データを出力する。
【0027】
位置情報生成部63は、指示体90が指示するスクリーンSC上の位置に関する位置情報PSを生成する。具体的には、位置情報生成部63は、撮像部61の出力信号に基づいて、位置情報PSを生成する。指示体90の指示位置は、例えば、スクリーンSC上に設定される座標系の座標で表され、位置情報PSは、当該座標を示す情報を含む。
【0028】
操作部70は、操作パネル71およびリモコン受光部72を有する。操作パネル71は、表示装置10の外装筐体に設けられ、ユーザーの操作を受け付け可能に構成される。操作パネル71は、ユーザーの操作に基づく信号を出力する。リモコン受光部72は、図示しないリモコンからの赤外線信号を受光し、当該赤外線信号をデコードして、当該リモコンの操作に基づく信号を出力する。
【0029】
処理装置80は、表示装置10の各部を制御する機能、および各種データを処理する機能を有する。処理装置80は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等を含んで構成される。処理装置80は、記憶部30に記憶されている制御プログラムPを実行することによって、後述する機能部を含む各種機能を実現する。なお、処理装置80は、単一のプロセッサーで構成されてもよいし、複数のプロセッサーで構成されてもよい。また、処理装置80の機能の一部または全部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable
Gate Array)等のハードウェアで実現してもよい。
【0030】
処理装置80は、制御部81および接続検出部82を有する。制御部81は、前述の表示部20、記憶部30、画像処理部40、I/F部50、検出部60および操作部70を制御する。接続検出部82は、ケーブル102を介するPC100と通信部54との接続を検出する。本実施形態の接続検出部82は、I/F部50からの信号に基づいて、当該接続の有無を検出する。当該接続は、PC100と通信部54とが通信可能に接続される状態である。なお、接続検出部82の少なくとも一部の機能をI/F部50が有してもよい。
【0031】
制御部81は、第1モードの一例である描画モードと、第2モードの一例である操作モードと、を切替可能に実行する。描画モードにおいて、制御部81は、画像情報DSおよび位置情報PSに基づく画像GおよびGDを表示部20に表示させる。一方、操作モードにおいて、制御部81は、画像情報DSに基づく画像Gを表示部20に表示させ、位置情報PSに基づいてPC100を操作する。
【0032】
制御部81は、第1入力部51、第2入力部52および第3入力部53から1つの入力部を選択し、当該入力部からの画像情報に基づく画像を表示部20に表示させる。描画モードにおける当該選択は、これらの入力部への画像情報の入力を検出して自動的に行ってもよいし、操作部70等への操作により行ってもよい。一方、操作モードにおける当該選択は、記憶部30に記憶されるソース情報D1に基づいて行う。
【0033】
図3は、表示装置10とPC100との接続例を示す図である。図3に示す例では、2台のPC100のうち、一方が第1入力部51に接続され、他方が第2入力部52に接続される。この場合、描画モードでは、制御部81は、第1入力部51または第2入力部52のいずれかの入力部を選択可能であり、当該入力部からの画像情報に基づく画像を表示部20に表示させる。その状態で、PC100がケーブル102を介して通信部54に接続されると、制御部81は、操作モードを実行する。すなわち、制御部81は、接続検出部82で接続が検出される場合、操作モードを実行する。このとき、制御部81は、ソース情報D1に基づいて第1入力部51、第2入力部52および第3入力部53から1つの入力部を選択する。
【0034】
図4は、ソース情報D1の一例を示す図である。ソース情報D1は、操作モードの実行時における第1入力部51、第2入力部52および第3入力部53の使用結果に関する情報である。例えば、図4に示すように、ソース情報D1は、最後の操作モード実行時における各入力部と使用モードとの対応付けに関する情報である。図4に示す例では、最後の操作モード実行時における入力部が第1入力部51であることを示す情報である。したがって、例えば、ソース情報D1が図4に示す例である場合、制御部81は、接続検出部82で接続が検出されると、第1入力部51を選択する。ここで、操作モードが未使用である場合、ソース情報D1には、初期状態であることを示す情報が含まれる。なお、操作モードが未使用である場合、例えば、任意の入力部が選択されるようにソース情報D1が予め設定されてもよい。また、ソース情報D1は、図4に示す例に限定されず、例えば、最後の操作モード実行時における入力部の識別に関する情報であってもよい。
【0035】
3.表示装置におけるモード切替
図5は、描画モードと操作モードとの切替時における画像の遷移を示す図である。制御部81は、描画モードの実行時に、図5中左側に示す画像G1を表示部20に表示させる。画像G1は、描画モード切替ボタンGT1、操作モード切替ボタンGT2および描画ツールGT3を含む。ここで、描画モード切替ボタンGT1は、操作モード切替ボタンGT2よりも大きな面積で表示され、描画モードの選択中であることを示す。また、画像G1は、図示しないが、第1入力部51、第2入力部52および第3入力部53から任意の操作により選択される1つの入力部に接続されるPC100からの画像情報に基づく画像を含む。
【0036】
画像G1の表示中に操作モード切替ボタンGT2が操作されると、制御部81は、接続検出部82で接続が検出される場合、操作モードを実行して、図5中右側に示す画像G2を表示部20に表示させ、一方、接続検出部82で接続が検出されない場合、図5中下側に示す画像G3を表示部20に表示させる。
【0037】
画像G2は、描画モード切替ボタンGT1および操作モード切替ボタンGT2を含む。すなわち、この場合、画像G1から描画ツールGT3が省略される。ここで、操作モード切替ボタンGT2は、描画モード切替ボタンGT1よりも大きな面積で表示され、操作モードの選択中であることを示す。また、画像G2は、図示しないが、画像G1の表示時と同じ入力部に接続されるPC100からの画像情報に基づく画像を含む。
【0038】
画像G2の表示中に描画モード切替ボタンGT1が操作されると、制御部81は、描画モードを実行し、前述の画像G1を表示部20に表示させる。
【0039】
画像G3は、描画モード切替ボタンGT1、操作モード切替ボタンGT2、描画ツールGT3および接続ガイド画像GGを含む。すなわち、この場合、画像G1に接続ガイド画像GGが追加される。ここで、描画モード切替ボタンGTは、操作モード切替ボタンGTよりも大きな面積で表示され、描画モードの選択中のままであることを示す。
【0040】
接続ガイド画像GGは、ケーブル102を通信部54に接続することを促す旨の画像である。図5に示す例では、当該旨を示す「USBケーブルを接続してください」の文字が接続ガイド画像GGに表示される。
【0041】
制御部81は、一定時間経過するか、または、接続検出部82で接続が検出されるまでの期間にわたって、画像G3の表示を維持する。当該期間において、ユーザーに対し、ケーブル102を介するPC100と通信部54との接続が必要であることが報知される。
【0042】
接続検出部82で接続が検出されることなく、画像G3の表示開始から一定時間経過すると、制御部81は、描画モードの実行状態のまま、前述の画像G1を表示部20に表示させる。一方、接続ガイド画像GGの表示中に、接続検出部82で接続が検出されると、制御部81は、接続ガイド画像GGの表示を終了し、操作モードを実行して前述の画像G2を表示部20に表示させる。
【0043】
以上が描画モードと操作モードとの切替時における画像の遷移の説明である。なお、前述の画像G1、G2、G3、描画モード切替ボタンGT1、操作モード切替ボタンGT2、描画ツールGT3および接続ガイド画像GGの表示形態は、それぞれ、一例であり、これに限定されない。例えば、画像G1、G2およびG3は、それぞれ、前述の画像以外の画像を含んでもよい。また、描画モード切替ボタンGT1および操作モード切替ボタンGT2は、1つのボタンで構成されてもよい。この場合、例えば、選択されるモードに応じてこれらのボタンの色を変更することにより、いずれのモードが選択中であるかを示すことができる。また、接続ガイド画像GGは、例えば、前述とは異なる文、またはピクトグラムのような図等であってもよい。
【0044】
図6は、表示装置10のモード切替の流れを示すフローチャートである。制御部81は、まず、ステップS110において、接続検出部82からケーブル102の接続情報を取得する。次に、ステップS120において、制御部81は、当該接続情報に基づいて、ケーブル102が通信部54と接続中であるか否かを判断する。
【0045】
ステップS120において接続中である判断される場合、ステップS130において、制御部81は、前述の接続ガイド画像GGによる接続要求表示中であるか否かを判断する。ステップS130において接続要求表示中と判断される場合、ステップS140において、制御部81は、現在の表示に使用中の入力部を最後の操作モードの実行時における使用結果として、ソース情報D1を更新する。その後、ステップS150において、制御部81は、更新後のソース情報D1に基づく入力部を選択し、操作モードに切り替えて終了する。
【0046】
ステップS130において接続要求表示中と判断されない場合、ステップS160において、制御部81は、記憶部30からソース情報D1を取得する。次に、ステップS170において、制御部81は、当該ソース情報が初期状態であるか否かを判断する。ステップS170において初期状態であると判断される場合、そのまま終了する。一方、ステップS170において初期状態でないと判断される場合、ステップS180において、制御部81は、取得済みのソース情報に基づく入力部を選択し、操作モードに切り替えて終了する。
【0047】
ステップS120において接続中でない判断される場合、ステップS190において、制御部81は、記憶部30からソース情報D1を取得する。次に、ステップS200において、制御部81は、当該ソース情報が初期状態であるか否かを判断する。ステップS200において初期状態であると判断される場合、終了する。一方、ステップS200において初期状態でないと判断される場合、ステップS210において、制御部81は、現在の動作モードを取得する。その後、ステップS220において、制御部81は、現在の動作モードが描画モードであるか否かを判断する。ステップS220において描画モードであると判断される場合、そのまま終了する。一方、ステップS220において描画モードでないと判断される場合、ステップS230において、制御部81は、取得済みのソース情報に基づく入力部を選択し、描画モードに切り替えて終了する。
【0048】
以上の表示システム1は、前述のように、表示装置10と、スクリーンSC上の位置を指示する指示体90と、を有する。表示システム1によれば、表示装置10またはその制御方法が以下の効果を奏する。
【0049】
表示装置10は、前述のように、表示部20と、複数の入力部である第1入力部51、第2入力部52および第3入力部53と、通信部54と、接続検出部82と、位置情報生成部63と、制御部81と、記憶部30と、を有する。ここで、制御部81は、前述のように、第1モードの一例である描画モードと、第2モードの一例である操作モードと、を切替可能に実行する。また、記憶部30は、操作モードの実行時における第1入力部51、第2入力部52および第3入力部53の使用結果に関するソース情報D1を記憶する。そして、制御部81は、接続検出部82で接続が検出される場合、ソース情報D1に基づいて第1入力部51、第2入力部52および第3入力部53から1つの入力部を選択し、操作モードを実行する。
【0050】
このように、制御部81は、接続検出部82で接続が検出される場合、操作モードを実行する。したがって、PC100がケーブル102を介して通信部54に接続されると、描画モード等の他の動作モードが実行される状態であっても、操作モードに自動的に切り替えることができる。このため、第2モードへ手動で切り替える場合に比べて利便性が高い。ここで、制御部81は、接続検出部82で接続が検出される場合、ソース情報D1に基づいて第1入力部51、第2入力部52および第3入力部53から1つの入力部を選択する。したがって、操作モード時に使用する入力部の選択も自動的に行うことができる。このため、入力部を手動で選択する場合に比べて利便性が高い。しかも、入力部の選択に用いるソース情報D1が記憶部30に記憶されるため、ユーザーによる事前の設定が不要であり、ユーザーによる事前の設定が必要である場合に比べて利便性が高い。
【0051】
本実施形態では、制御部81は、接続検出部82で接続が検出される場合、ソース情報D1に基づいて、最後に使用された入力部を第1入力部51、第2入力部52および第3入力部53から選択し、操作モードを実行する。例えば、前回と同じユーザーが操作モードを使用する場合、前回と同じ入力部を使用する可能性が高い。このため、ユーザーが前回と同じ入力部を用いて操作モードを使用する場合、適切な入力部を選択できる。
【0052】
また、制御部81は、描画モードから操作モードへ切り替える操作を受け付け可能な操作画像である操作モード切替ボタンGT2を表示部20に表示させる。そして、制御部81は、接続検出部82で接続が検出されない状態で、操作モード切替ボタンGT2への操作が受け付けられる場合、ケーブル102を通信部54に接続することを促す旨の画像である接続ガイド画像GGを表示部20に表示させる。接続ガイド画像GGの表示により、ユーザーに対し、ケーブル102を介するPC100と通信部54との接続が必要であることを報知することができる。この結果、必要に応じて、ユーザーにより当該接続が行われ、操作モードが実行されることとなる。
【0053】
ここで、制御部81は、操作モード切替ボタンGT2の操作の受け付けにより描画モードから操作モードへ切り替える場合、ソース情報D1を更新する。この更新により、当該操作の受け付け時の表示に使用する入力部を選択することができる。このため、ユーザーの操作に沿う適切な入力部の選択が可能となる。
【0054】
また、制御部81は、接続検出部82で接続が検出されない場合、描画モードを実行する。このため、ユーザーが通信部54にケーブル102を接続しなければ、ユーザーが他の操作を行うことなく、描画モードを実行できる。
【0055】
4.変形例
以上、本発明の表示装置および表示システムについて図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されない。また、本発明の各部の構成は、前述の実施形態の同様の機能を発揮する任意の構成に置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。また、本発明は、前述の各実施形態の任意の構成同士を組み合わせるようにしてもよい。
【0056】
前述の実施形態では、入力部の最後の使用結果に基づいて、操作モードに用いる入力部を選択する構成を例示するが、当該構成に限定されず、入力部の最後の使用結果以外の使用結果に基づいて、操作モードに用いる入力部を選択してもよい。例えば、入力部ごとの所定の期間内における使用回数を入力部の使用結果として記憶部30に記憶させておき、最も使用回数の多い入力部を選択すればよい。このように、制御部81は、接続検出部82で接続が検出される場合、ソース情報D1に基づいて、最も使用頻度の高い入力部を選択し、操作モードを実行してもよい。例えば、同じ状況下のユーザーが操作モードを使用する場合、最も使用頻度の高い入力部を使用する可能性が高い。このため、ユーザーが最も使用頻度の高い入力部を用いて第2モードを使用する場合、適切な入力部を選択できる。また、最後の使用結果がユーザーの意図しない接続に起因する場合であっても、適切な入力部を選択できる。
【0057】
また、前述の実施形態では、記憶部30および制御部81のそれぞれが表示装置10に実装される構成を例示するが、当該構成に限定されず、記憶部30または制御部81の少なくとも一部は、表示装置10の外部に設置される装置、例えばPC100等に実装されてもよい。
【符号の説明】
【0058】
1…表示システム、10…表示装置、20…表示部、30…記憶部、51…第1入力部、52…第2入力部、53…第3入力部、54…通信部、81…制御部、82…接続検出部、90…指示体、102…ケーブル、D1…ソース情報、DS…画像情報、G…画像、GG…接続ガイド画像、GT1…描画モード切替ボタン、GT2…操作モード切替ボタン、PS…位置情報、SC…スクリーン。
図1
図2
図3
図4
図5
図6