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  • 特許-包装材へのICタグの取付方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】包装材へのICタグの取付方法
(51)【国際特許分類】
   B65C 7/00 20060101AFI20221122BHJP
   B31B 50/81 20170101ALI20221122BHJP
   B31B 70/81 20170101ALI20221122BHJP
   B65D 25/20 20060101ALI20221122BHJP
   G06K 19/077 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
B65C7/00
B31B50/81
B31B70/81
B65D25/20 P
G06K19/077 216
G06K19/077 256
G06K19/077 136
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018195531
(22)【出願日】2018-10-17
(65)【公開番号】P2020063067
(43)【公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092978
【弁理士】
【氏名又は名称】真田 有
(72)【発明者】
【氏名】浅山 良行
(72)【発明者】
【氏名】高橋 茂靖
【審査官】佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-158414(JP,A)
【文献】特開2010-231797(JP,A)
【文献】特開2001-175829(JP,A)
【文献】特開2009-129291(JP,A)
【文献】特開2009-126179(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65C 7/00
B31B 50/81
B31B 70/81
B65D 25/20
G06K 19/077
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICタグのアンテナとして機能し所定寸法を有するシート状のアンテナ材を包装材に貼り付ける貼付工程と、
ICチップを有するICストラップを前記アンテナ材と電気的に接続する状態に取り付ける取付工程とを有し、
前記アンテナ材はテープ状に形成された基材に蒸着されており、前記アンテナ材は前記所定寸法に形成され所定間隔で前記基材の長手方向に複数並んで配置され、
前記貼付工程では、順次送られてくる前記包装材に対して、前記基材を順次所定長さに切断して前記包装材に貼り付けることで前記基材ごと前記アンテナ材を前記包装材に貼り付けて、前記ICストラップのサイズに対応する所定間隔を空けて1対の前記アンテナ材を前記包装材に貼り付ける
ことを特徴とする包装材へのICタグの取付方法
【請求項2】
ICタグのアンテナとして機能し所定寸法を有するシート状のアンテナ材を包装材に貼り付ける貼付工程と、
ICチップを有するICストラップを前記アンテナ材と電気的に接続する状態に取り付ける取付工程とを有し、
前記アンテナ材はシート状の基材に剥離可能に貼り付けられており、
前記貼付工程は、前記基材から前記アンテナ材を剥離する第1前工程と、剥離した前記アンテナ材を前記包装材に貼り付ける本工程と、を有し、
前記工程では、前記ICストラップのサイズに対応する所定間隔を空けて1対の前記アンテナ材を前記包装材に貼り付ける
ことを特徴とする包装材へのICタグの取付方法。
【請求項3】
前記基材はテープ状に形成され、前記アンテナ材は予め前記所定寸法に形成された状態で前記基材の長手方向に複数並んで配置され、
前記貼付工程では、順次送られてくる前記包装材に対して、前記基材から前記アンテナ材を順次剥離して前記包装材に貼り付ける
ことを特徴とする請求項に記載の包装材へのICタグの取付方法。
【請求項4】
複数の前記アンテナ材は予め前記所定寸法に形成された状態で前記基材の長手方向に断続的に並んで貼り付けられている
ことを特徴とする請求項に記載の包装材へのICタグの取付方法。
【請求項5】
複数の前記アンテナ材は予め前記所定寸法に形成された状態で前記基材の長手方向に連続的に並んで貼り付けられている
ことを特徴とする請求項に記載の包装材へのICタグの取付方法。
【請求項6】
ICタグのアンテナとして機能し所定寸法を有するシート状のアンテナ材を包装材に貼り付ける貼付工程と、
ICチップを有するICストラップを前記アンテナ材と電気的に接続する状態に取り付ける取付工程とを有し、
前記アンテナ材はテープ状に形成されたアンテナ素材を所定長さに切断することで形成され、
前記貼付工程は、前記アンテナ素材を前記所定長さに切断して前記アンテナ材を形成する第2前工程と、形成された前記アンテナ材を前記包装材に貼り付ける本工程と、とを有し、
前記工程では、前記ICストラップのサイズに対応する所定間隔を空けて1対の前記アンテナ材を前記包装材に貼り付ける
ことを特徴とする包装材へのICタグの取付方法。
【請求項7】
前記包装材は素材を順次搬送しながら複数の製造工程を経て製造され、
前記複数の製造工程の途中で前記貼付工程及び前記取付工程を実施する
ことを特徴とする請求項1~の何れか1項に記載の包装材へのICタグの取付方法。
【請求項8】
前記包装材は素材を順次搬送しながら複数の製造工程を経て製造され、
前記複数の製造工程を経る前の前記素材に対して前記貼付工程及び前記取付工程を実施する
ことを特徴とする請求項1~の何れか1項に記載の包装材へのICタグの取付方法。
【請求項9】
前記取付工程では、前記貼付工程で前記包装材に貼り付けられた前記アンテナ材に対して前記ICストラップを取り付ける
ことを特徴とする請求項1~の何れか1項に記載の包装材へのICタグの取付方法。
【請求項10】
前記包装材は、箱又は袋である
ことを特徴とする請求項1~の何れか1項に記載の包装材へのICタグの取付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDを導入した物流管理システムへ用いて好適の包装材へのICタグの取付方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、物流を管理するシステムとして、RFID(radio frequency identifier)が普及している。RFIDでは、読取装置を用いて、流通する物品に一体化されたICタグと無線通信を行って、ICタグに記録されたその物品固有の情報を取得して物品を管理する。ICタグはICチップとアンテナとからなり、アンテナ付ICチップ或いはRFIDインレットとも呼ばれる。
【0003】
物品にICタグを一体化するには、物流時に物品を収納する包装材にICタグを固定すればよく、そのためには包装材に貼り付けることが容易なシート状のICタグが適している。特許文献1には、細長いストリップ状の可撓性の基体の一方の面にICチップが固定され他方の面にダイポールアンテナが設けられシート状のICタグが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特表2001-514777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようにICタグは、ICチップとアンテナとを有し、包装材にICタグを取り付ける場合、通常、予めICチップとアンテナとを一体化してICタグを用意して、このICタグを包装材に取り付けることになる。この場合、ICタグの製造工程と、ICタグの包装材への取付工程とが必要となり、工程数が増加する。また、ICタグを包装材へ取り付けるための特別な製造設備の増設も要求される。このため、ICタグ付きの包装材の製造コスト増を招き、物流の管理システムへRFIDを導入する障害になっている。
【0006】
本発明はこのような課題に着目したもので、ICタグ付きの包装材を製造するにあたって、工程数の増加や製造設備の増設を抑制することができるようにした包装材へのICタグの取付方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の包装材へのICタグの取付方法は、ICタグのアンテナとして機能し所定寸法を有するシート状のアンテナ材を包装材に貼り付ける貼付工程と、ICチップを有するICストラップを前記アンテナ材と電気的に接続する状態に取り付ける取付工程とを有している。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ICタグ付きの包装材を製造するための工程数の増加や製造設備の増設を抑制することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態にかかるICタグの包装材への取付方法の各工程を(a),(b),(c)の順に示す側面図である。
図2】一実施形態にかかるICタグが取り付けられた半完成状態の包装材を示す斜視図である。
図3】一実施形態にかかるICタグが取り付けられた完成状態の包装材を示す斜視図である。
図4】一実施形態にかかるICタグの包装材への取付状態の一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は拡大側面図である。
図5】一実施形態にかかるアンテナ材が貼り付けられたシート状の基材を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は側面図である。
図6】一実施形態にかかるアンテナ材が貼り付けられたシート状の基材の変形例を示す側面図であり、(a)は第1変形例を、(b)は第2変形例をそれぞれ示す。
図7】一実施形態にかかるICタグの包装材への取付状態の変形例を示す図であり、包装材の内部を示す斜視図である。
図8】一実施形態にかかるICタグの包装材への取付状態の変形例を示す図であり、ICタグが取り付けられた包装材の要部拡大断面図(図7のA部におけるB-B矢視断面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して一実施形態を説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
【0011】
〔包装材及びICタグの構成〕
本実施形態にかかるICタグ付きの包装材は、図2図3に示すような例えば段ボール製の包装箱1である。ただし、包装材は本実施形態のような箱状のものに限らず、袋状のものや、物品を包装するシート状のものであってもよい。また、包装材の材料は、段ボール製に限らず、紙材にも限らない。
【0012】
なお、図2は半完成状態の包装箱1を示し、図3は完成状態の包装箱1を示している。包装箱1は、四面からなる側面部11,12,13,14と、これらの側面部11~14の両縁部にフラップ部11a,11b,12a,12b,13a,13b,14a,14bが折り曲げ形成されてなる天面部15,地面部16を有する。
【0013】
ICタグ2は、図4(a),(b)に示すように、ICチップ21を装着したストラップ(基板)22と、アンテナとして機能するシート状のアンテナ材23とを有する、インレットタイプのRFIDIDタグであり、インレイ或いはRFIDインレイとも称される。ストラップ22についてはICストラップ22とも称される。また、アンテナ材23はアルミニウムや銅などの金属の薄膜を用いられて所定寸法に形成されている。
【0014】
ICストラップ22は、例えばPET等の樹脂製で薄板状に形成された母材(ストラップ本体)22aにICチップ21が埋設されたもので、ストラップ本体22aの内部において、ICチップ21からは互いに離隔する両端縁からそれぞれ微細アンテナ21aが突出している。
【0015】
なお、ストラップ本体22aには樹脂を適用しているが具体的な樹脂材は限定されまい。また、樹脂材以外を適用してもよい。また、ストラップ本体22aの形状も限定されないが、平面状の取付面を有していれば取付容易性を確保することができ好ましい。ただし、薄板状であれば取付容易性も高まる。
【0016】
微細アンテナ21aはアンテナ材23との間で信号を送受信するためのもので、ICチップ21がアンテナ材23に直接接触していなくても微細アンテナ21aとアンテナ材23との無線通信を通じて、ICチップ21が外部と信号を送受信することが可能になっている。
【0017】
シート状のアンテナ材23は、互いに所定距離だけ離隔して対をなして備えられ、ダイポールアンテナを構成している。ICチップ21から突出した微細アンテナ21aは、これらの各アンテナ材23にそれぞれ接近するように配置される。
【0018】
本実施形態では、アンテナ材23は、図5(a),(b)に示すように、帯状のシート(テープ)として形成された基材テープ(基材)24に剥離可能に貼り付けられていている。ここでは、アンテナ材23は、矩形に形成され、基材テープ24の長手方向に沿う長さ(長さL)、及び、基材テープ24の幅方向に沿う長さ(幅W)を所定の寸法に形成されている。
【0019】
また、隣接する1対のアンテナ材23は所定間隔Dだけ離隔して断続的に配置されている。アンテナ材23の裏面には粘着剤25が予め塗布されており、この粘着剤25によりアンテナ材23の裏面を包装箱1の所定の面の所定の箇所に貼り付けることができる。
【0020】
アンテナ材23は、帯状のシート(テープ)として形成された基材テープ(基材)24に蒸着されていてもよい。この場合も、アンテナ材23は、例えば矩形に形成され、基材テープ24の長手方向に沿う長さ(長さL)、及び、基材テープ24の幅方向に沿う長さ(幅W)を所定の寸法に形成されることが好ましい。この場合、基材テープ24の裏面に粘着剤25が塗布されていれば、この粘着剤25によりアンテナ材23が蒸着された基材テープ24の裏面を包装箱1の所定の面の所定の箇所に貼り付けることができる。
【0021】
アンテナ材23は、その材質や、その厚さTや長さLや幅Wといった寸法に応じてアンテナの特性が変わるので、要求される使用に応じた材質や寸法に形成される。なお、アンテナ材23は、シート状であれば矩形でなくてもよい。
【0022】
アンテナ材23を基材テープ24に対して貼り付ける構成の場合、所定の間隔Dをあけて断続的に貼り付けるほか、図6(a)に示すように、所定寸法のアンテナ材23を基材テープ24に連続的に貼り付けてもよい。
【0023】
アンテナ材23を基材テープ24に断続的に貼り付けておく場合、アンテナ材23を後続のものと干渉することなく基材テープ24から離すことができる利点がある。また、アンテナ材23を基材テープ24に連続的に貼り付けておく場合、一定数の基材テープ24に対して、間隔D分だけ基材テープ24を節約でき、スペース効率を高めやすい利点がある。
【0024】
あるいは、図6(b)に示すように、アンテナ素材23Aを基材テープ24に対して連続的に配置する構成の場合、アンテナ素材23Aは基材テープ24と同様に長手方向に連続するテープ状に形成される。この場合、アンテナ材23が基材テープ24に蒸着される蒸着タイプであれば基材テープ24を所定の長さLに切りながら使用すれば所定寸法のアンテナ材23となる。
【0025】
また、アンテナ材23が基材テープ24に貼り付けられる貼り付けタイプであればアンテナ素材23Aを基材テープ24から離しつつ所定の長さLに切りながら使用すればよい。アンテナ材23をこのようにアンテナ素材23Aとしてテープ状に形成する場合、基材テープ24を省略し、アンテナ材23自体に接着剤を塗布して貼り付ければよい。この場合、アンテナ材23を事前に切断しておく必要がないため、準備効率が向上する利点がある。
【0026】
このように、アンテナ材23を基材テープ24に蒸着させたり貼り付けておいたり、アンテナ材23をテープ状に構成したりすることで、テープをロール状態に巻き取って用意しておくことができ、アンテナ材23の保管や管理も有利になり、ロールからテープを繰り出しつつアンテナ材23を共有することで生産性を向上することができる。
【0027】
アンテナ材23が基材テープ24に蒸着されている場合、基材テープ24の裏面に、基材テープ24の表面(アンテナ材23が蒸着された面)からは剥離可能な粘着剤25を塗布し、基材テープ24の表面側を例えば吸着パッド等で吸引して、基材テープ24を包装箱1の所定の面に押し当てて貼り付けることができる。
【0028】
アンテナ材23が基材テープ24に貼り付けられている場合、アンテナ材23の裏面に、基材テープ24からは剥離可能な粘着剤25を塗布し、アンテナ材23の表面側を例えば吸着パッド等で吸引して、アンテナ材23を基材テープ24から剥がしてから包装箱1の所定の面に押し当てて貼り付けることができる。
【0029】
また、貼り付ける直前に基材テープ24或いはアンテナ材23の裏面に粘着剤を塗布してもよい。この場合に塗布する粘着剤は、予め塗布された粘着剤25に追加するものであってもよく、予め塗布された粘着剤25に代えるものであってもよい。
【0030】
〔ICタグの包装材への取付方法〕
本方法では、包装箱1に取り付ける前に予めICストラップ22とアンテナ材23とを結合することでICタグ2を完成させ、完成したICタグ2として包装箱1に取り付けるのではなく、アンテナ材23及びICストラップ22を包装箱1に順次取り付けていく工程を経ることで、アンテナ材23及びICストラップ22が電気的に接続されてICタグ2として完成するようになっている。
【0031】
本方法は、図示しない製造ライン(製函機)において、包装箱1が製造される製造工程の何れかの工程間で実施される。段ボール製の包装箱1の製造ラインは、上流側から給紙部,印刷部,排紙部,ダイカット部,フォルディング部,カウンタエジェクタ部等を備え、素材としての段ボールシートをこの製造ライン上で順次搬送しながら(図2の白抜き矢印を参照)、上記の複数の製造工程を経て包装箱1を製造する。
【0032】
例えば、包装箱1には開封用テープが貼り付けられたものがあるが、この場合、例えば印刷部と、溝切り,罫線入れを行う排紙部との間など、何れかの工程間や工程内に(即ち、複数の製造工程の途中に)、開封用テープを貼り付けるテープ貼付装置を設けて、半完成品の包装箱1に開封用テープを貼り付けることになる。
本実施形態の方法では、このようなテープ貼付装置を流用して半完成品のアンテナ材23を貼り付け、その後、包装箱1に貼り付けられたアンテナ材23に対して、ICストラップ22を取り付ける。
【0033】
ここで、図1を参照して、アンテナ材23が基材テープ24に貼り付けられている場合を説明する。
図1(a)に示すように、まず、半完成品の包装箱1(図2参照)に、所定寸法のアンテナ材23を貼り付ける(貼付工程)。ここでは、予め基材テープ24からアンテナ材23を剥離させる前工程(第1前工程)を実施して、アンテナ材23の裏面の粘着剤25を包装箱1の所定の面の所定の位置に貼り付ける。アンテナ材23は所定の間隔DDを空けて対をなして貼り付ける本工程を実施する。
【0034】
なお、アンテナ材23が基材テープ24に蒸着されている場合は、基材テープ24の裏面の粘着剤25を通じて基材テープ24ごとアンテナ材23を包装箱1の所定の面に押し当てて貼り付けることができる。
【0035】
包装箱1の所定の面の所定の位置とは、ICタグ2が包装箱1の搬送の邪魔になり難い箇所が好ましく、ここでは、図2図3に示すように、側面部12の下部にアンテナ材23を貼り付けている。
【0036】
また、アンテナ材23がテープ状に形成されたアンテナ素材23Aを所定長さに切断することで形成される場合は、貼付工程を、アンテナ素材23Aを所定長さに切断してアンテナ材23を形成する前工程(第2前工程)と、形成されたアンテナ材23を包装箱1に貼り付ける本工程とを実施すればよい。
【0037】
また、一対のアンテナ材23,23は、ここでは製造ラインの幅方向に並んで配置されているが、所定の間隔DDを空けて対をなしていればよく、製造ラインの搬送方向に並んで配置してもよく、他の方向に並んで配置してもよい。
【0038】
図1(b)に示すように、半完成品の包装箱1に貼り付けられたアンテナ材23に対してICストラップ22のICチップ21がアンテナ材23と電気的に接続する状態となるようにICストラップ22を取り付ける(取付工程)。ここでは、ICストラップ22の取付面22bのアンテナ材23に接合する箇所に粘着剤25を貼り付けて、この粘着剤25によってICストラップ22をアンテナ材23に貼り付けることで取り付けている。
【0039】
なお、ICチップ21がアンテナ材23と電気的に接続する状態とは、ICチップ21から突出した各微細アンテナ21a,21aを対応するアンテナ材23から所定距離内に配置することであり、これにより、対応する微細アンテナ21aとアンテナ材23とが支障なく無線で信号を授受できる。
【0040】
〔作用及び効果〕
本方法によれば、包装箱1(包装材)の製造工程に、貼付工程及び取付工程を追加することでICタグ2付きの包装箱1(ICタグ付きの包装材)を容易に製造することができ、ICタグ付きの包装材を製造するための工程数の増加を抑制することができるようになる。
【0041】
また、アンテナ材23をテープ状に形成することで、包装箱1(包装材)に開封用テープを貼り付けるテープ貼付装置等を流用してアンテナ材23を包装箱1(包装材)に貼り付けることができるので、ICタグ付きの包装材を製造するための製造設備の増設を抑制することができるようになる。
この結果、ICタグ付きの包装材を製造するためのコスト増が抑制され、物流管理システムにRFIDを適用することが容易になる。
【0042】
ICタグ2の取付箇所としては、上記実施形態のように、包装箱1の側面下部の外面に限定されるものではなく、包装箱1の何れの面の外面若しくは内面であればよい。ICタグ2が包装箱1の搬送や包装箱1内への物品の収納の邪魔になり難い箇所が好ましく、例えば図7図8に示すように、包装箱1の内側において、谷折りされる部分をICタグ2の取付箇所としてもよい。
【0043】
この例では、側面部13と地面部16(フラップ部13b)とが谷折りされる部分の地面部16側の内面の側面部13側の内面との隙間17にICタグ2を配置している。側面部11~14と天面部15又は地面部16とが谷折りされる部分、或いは、側面部11~14の隣接する2つの面部どうしが谷折りされる部分は、罫線部に沿ってそれぞれの面部の内側ライナが互いに屈曲しながら接近し、隙間17が形成される。
【0044】
隙間17が形成される箇所の2つの面部の何れか一方の内側ライナの表面にICタグ2を取り付けることにより、隙間17内にICタグ2が配置されることになり、ICタグ2が包装箱1の外部に露出していないので、包装箱1の搬送の邪魔になり難くなり、また、ICタグ2が包装箱1の内部においても突出しないので、包装箱1内への物品の収納の邪魔になり難くなる利点がある。
【0045】
図7図8に示す例では、地面部16と側面部13とが谷折れする部分において内面側(具体的には、地面部16の内面側)にICタグ2を設置しているが、罫線部に沿ってそれぞれの面部の内側ライナが互いに屈曲しながら接近して形成される隙間は、例示する隙間17だけでなく、各面部11~16間にそれぞれ形成されるので、何れの隙間にICタグ2を配置してもよい。
【0046】
〔その他〕
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態では、アンテナ材23が対をなすダイポールアンテナを例示したが、アンテナ材23が1つだけのモノポールアンテナに本発明を適用してもよい。
また、上記実施形態では、微細アンテナ21aによりICストラップ22のICチップ21とアンテナ材23との接触を考慮しなくてよいが、微細アンテナ21aを省略して、ICチップ21とアンテナ材23とを接触させて信号の授受を行ってもよい。
また、上記実施形態では、複数の製造工程の途中で貼付工程及び取付工程を実施しているが、複数の製造工程を経る前の素材に対して貼付工程及び取付工程を実施してもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 包装材としての包装箱
2 ICタグ
17 隙間
21 ICチップ
21a 微細アンテナ
22 ICストラップ
22a ストラップ本体
23 アンテナ材
23A アンテナ素材
24 基材テープ
25 粘着剤
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8