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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 35/00 20060101AFI20221122BHJP
   G01D 7/00 20060101ALI20221122BHJP
   G01D 7/08 20060101ALI20221122BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20221122BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20221122BHJP
【FI】
B60K35/00 Z
G01D7/00 K
G01D7/08
B60R16/02 640Z
B60R11/02 C
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018215564
(22)【出願日】2018-11-16
(65)【公開番号】P2020082798
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-10-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平野 豊人
(72)【発明者】
【氏名】入方 恭子
(72)【発明者】
【氏名】亀井 雄一
(72)【発明者】
【氏名】崔 賢洛
(72)【発明者】
【氏名】中川 健太
(72)【発明者】
【氏名】河▲崎▼ 拓人
(72)【発明者】
【氏名】冨田 祐一
(72)【発明者】
【氏名】松下 祐輔
【審査官】糟谷 瑛
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-179240(JP,A)
【文献】国際公開第2015/190062(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 35/00-37/06
G01D 7/00- 7/12
B60R 16/00-17/02
B60R 9/00-11/06
G09G 5/00- 5/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の表示パネルに表示される第1メータ、第2メータ、第3メータを含む複数のメータからなる表示形態を複数のパターンから選択可能な表示装置であって、
前記表示パネルに表示する前記表示形態を少なくとも、第1の表示形態と第2の表示形態とから選択可能な選択部と、
前記選択部によって選択された前記表示形態を前記表示パネルに表示する際に、先に表示されている前記表示形態から前記選択された表示形態へ遷移させる表示制御部と、を有し、
前記表示制御部は、前記第1の表示形態から前記第2の表示形態への遷移に際し、前記第1メータを常に表示させつつ移動させると共に、前記第2メータ及び前記第3メータを消散させ、前記第2の表示形態において、前記第2メータを前記第1メータの移動前の表示領域に表示させる表示装置。
【請求項2】
前記第1の表示形態において、前記第1メータは、前記表示パネルの略中央部に表示され、前記第3メータは、前記第1メータを囲むように略半円をなす帯状に表示され、前記第2メータは、前記第3メータの一端部近傍に表示される請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1メータは、前記車両のデジタル表示形式での速度情報を示し、前記第2メータは、燃費に関する情報を示し、前記第3メータは、前記車両のアナログ表示形式での速度情報を示す請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記表示形態の遷移に際し、前記第2メータ及び前記第3メータを連続的に消散させた後に、前記第1メータを直線状に移動させる請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第3メータは、前記車両の速度の数字画像を有する第3メータ本体と、前記数字画像を指し示す第3指示部と、を有し、
前記第1の表示形態において、前記第3メータ本体は、前記第1メータを囲むように略半円をなす帯状の平面的な形態を有して表示され、
前記第2の表示形態において、前記第3メータ本体は、前記第1メータの一方側に立体的な形態を有して表示されると共に、前記第3指示部は、少なくとも、前記第3メータ本体が表示された後に表示される請求項3に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記表示形態の遷移に際し、前記第2メータ及び前記第3指示部を略同時に表示させる請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1の表示形態に表示された前記複数のメータが第4メータを含む状態において、
前記表示制御部は、前記第2の表示形態において、前記第2メータを基準として、前記第3メータと前記第4メータとを左右対称に配置させる請求項5又は6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1の表示形態において、前記第4メータは、前記第3メータに隣接させて表示され、前記車両のエンジン回転数を示している請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第4メータは、前記エンジン回転数の数字画像を有する第4メータ本体と、前記数字画像を指し示す第4指示部と、を有し、
前記第1の表示形態において、前記第4メータ本体は、前記第3メータ本体の外側に隣接するように平面的な形態を有して表示され、
前記第2の表示形態において、前記第4メータ本体は、前記第1メータの他方側に立体的な形態を有して表示されると共に、第4指示部は、少なくとも、前記第4メータ本体が表示された後に表示される請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第3指示部及び前記第4指示部は各々指針であり、
前記表示制御部は、前記表示形態の遷移に際し、前記第3指示部と前記第4指示部とを前記第2メータの両側に略同時に表示させると共に、前記表示パネルの上下方向で見て、前記第3指示部と前記第4指示部とを略同一の高さ位置に表示させる請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記表示制御部は、前記第1の表示形態と前記第2の表示形態とで、前記第3メータに対する前記第4メータの相対位置を逆にする請求項7乃至10のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、車速メータや回転速度(回転数)メータなどを表示パネルに表示する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、車速メータや回転速度(回転数)メータなどをアナログ表示する表示パネルを備えた表示装置が知られている(特許文献1参照)。かかる表示装置では、各メータにおける指針の回動中心がオフセットされていると共に、オフセットした分だけ指針の全長が変更されている。これにより、指針で表示された部分が強調され、その結果、視認性の向上が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-182092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年では、表示パネルに表示する各メータの表示形態について、その自由なレイアウトが求められているところ、上記した特許文献1の表示装置では、指針のオフセットや指針の長さ変更など局部的にデザインが変更されているに過ぎず、よって、レイアウトの自由度を満足させるものではない。
【0005】
本発明の目的は、表示パネルに表示する複数のメータの表示形態について、そのレイアウトの自由度を高めることが可能な表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するために、本発明の表示装置は、第1~第3メータを含む第1の表示形態を第2の表示形態に遷移させる際、第1メータを常に表示させつつ移動させると共に、第2及び第3メータを消散させ、第2の表示形態において、第2メータを第1メータの移動前の表示領域に表示させる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、表示パネルに表示する複数のメータの表示形態について、そのレイアウトの自由度を高めることが可能な表示装置を実現することができる。加えて、表示形態が遷移する際においても、情報(例えば、第2メータ)を見失うといった不具合を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る表示装置の表示形態を示し、(a)は、第1の表示形態の平面図、(b)は、第2の表示形態の平面図。
図2】表示パネルに表示形態を表示するための制御回路のブロック図。
図3】遷移する際の中間表示形態のレイアウト例を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
「一実施形態の構成」
図1(a),(b)及び図2に示すように、本実施形態の表示装置1は、例えば、ハイブリッド自動車、電気自動車、ガソリン自動車など各種の車両に搭載され、当該車両の表示パネル2に複数のメータ8,9,10,11を表示させることができる。表示パネル2は、例えば、運転席の正面(車両前方側)に配置され、各メータ8,9,10,11をカラー画像(動画、静止画)で表示させることができる。表示パネル2としては、例えば、液晶パネルや有機ELパネルを適用することができる。
【0010】
図2に示すように、表示装置1は、表示パネル2に表示する各メータ8,9,10,11及び指示部10b,11bの表示形態について、その自由なレイアウトが可能に構成されている。図面では、指示部10b,11bの一例として、指針が示されている。当該指針10b,11bは、各メータ10,11の指標(例えば、目盛り)を指し示すことが可能に構成されている。なお、これらの指示部10b,11bとしては、各メータ10,11の指標を指し示すことが可能であればよい。即ち、指示部10b,11bは、指針10b,11bに限定されることなく、例えば、矢印や三角形状の印などであってもよい。
【0011】
かかる構成を実現すべく、表示装置1は、制御ユニット3と、表示パネル2と、を有している。この場合、制御ユニット3によって、各メータ8,9,10,11及び指示部10b,11b(以下、指針と言う)の表示形態が表示パネル2にレイアウトされて表示される。制御ユニット3には、生成部4と、記憶部5と、選択部6と、表示制御部7と、が含まれている。
【0012】
ここで、レイアウトとは、例えば、指針10b,11bを含む各メータ8,9,10,11の種類、位置、大きさ、形状(平面、立体)、色合いなどの構成要素を、表示パネル2の表示領域に亘って割り付けて構成させることを指す。表示領域は、表示パネル2の全体的な領域に亘って設定してもよいし、局部的な領域(例えば、中央領域、左右領域、上下領域)に点在させてもよい。なお、左右とは、表示パネル2に向かってこれを水平方向で見て、左側及び右側を指し、また、上下とは、水平方向に直交する方向で見て、上側及び下側を指す。
【0013】
「制御ユニット3」
生成部4は、予め設定したレイアウトに沿って複数のメータ8,9,10,11が配置された表示形態を複数パターン生成する。図1(a),(b)には一例として、2つのパターンに係る表示形態(即ち、第1の表示形態、第2の表示形態)が示されている。ここで、表示形態を表示パネル2に表示する仕様には、静的な表示形態と動的な表示形態の双方が含まれる。
【0014】
「第1の表示形態」
図1(a)に示すように、第1の表示形態では、複数のメータ及びこれに含まれる第1~第4メータ8,9,10,11が平面的にレイアウトされ、当該レイアウトにおいて、各メータ8,9,10,11は、第1メータ8を中心にほぼ同心円状に集中させて表示される。
【0015】
第1メータ8は、例えば、デジタル表示形式での車速メータであり、車両の速度情報(即ち、走行速度)が、離散的な数値の変化として表現される。第1メータ8(デジタル車速メータ)は、表示パネル2の略中央部において、後述するように、円周方向に沿って配置される各種メータ(例えば、第3メータ10、第4メータ11)の略中心に位置付けられて表示される。なお、後述において、第3メータ10は、第1指標器と称され、第4メータ11は、第2指標器と称される場合がある。
【0016】
第2メータ9は、例えば、燃費に関する情報を示すメータを含み、帯状のスケール9aで連続的に増減表示される。これにより、走行距離に対する燃費が物理量の変化として視認される。図面では一例として、第2メータ9は、第1メータ8を中心に時計回りで見て、7時から9時の範囲(即ち、中心角が略0度からマイナス54度の範囲)に配置(表示)されている。別の捉え方をすると、第2メータ9は、後述する第3メータ10の一端部近傍に配置(表示)されている。
【0017】
第3メータ(第1指標器)10は、例えば、アナログ表示形式での車速メータであり、車両の速度情報(即ち、走行速度)が、連続的な数値の変化として表現される。第3メータ10(アナログ車速メータ)は、第3メータ本体(第1指標器本体)10aと、第3指針10bと、を有している。第3メータ本体10aは、車両の速度(即ち、車速)の指標(例えば、数字画像)を有している。第3メータ本体10aは、第1メータ8(デジタル車速メータ)を囲むように、略半円をなす帯状の平面的な形態を有して表示される。図面では一例として、第3メータ本体10aは、第1メータ8を中心に時計回りで見て、9時から5時の範囲(即ち、中心角が略0度~216度の範囲)に亘って延在(表示)されている。
【0018】
また、第3指針10bは、第3メータ本体10aに沿って移動(往復動)可能に表示される。即ち、第3メータ本体10aを静止させつつ、その静止した第3メータ本体10aに沿って第3指針10bを移動させる。これにより、車両の走行速度が、連続的な変化量として表現される。
【0019】
第4メータ(第2指標器)11は、例えば、アナログ表示形式での回転速度(エンジン回転数)メータである。第4メータ11(アナログ回転数メータ)は、第4メータ本体(第2指標器本体)11aと、第4指針11bと、を有している。第4メータ本体11aは、エンジン回転数の指標(例えば、数字画像)を有している。第4メータ本体11aは、上記した円弧状の第3メータ本体10aの外側(外周)に隣接させるように、平面的な形態を有して同心円状に表示される。図面では一例として、第4メータ本体11aは、第1メータ8を中心に時計回りで見て、2時から4時の範囲(即ち、中心角が略144度から207度の範囲)に亘って延在(表示)されている。
【0020】
また、第4指針11bは、第4メータ本体11aに沿って移動(往復動)可能に表示される。即ち、第4メータ本体11aを静止させつつ、その静止した第4メータ本体11aに沿って第4指針11bを移動させる。これにより、車両走行時におけるエンジン(モータ)の回転速度(エンジン回転数)が、連続的な変化量として表現される。なお、本明細書において、エンジン回転数と記載した場合、当該エンジン回転数には、モータ回転数の概念も含まれることとする。
【0021】
この場合、第4指針11bの移動方向は、常に、上記した第3指針10bの移動方向とは反対向きになる。例えば、速度を上げる際、第3指針10bは、時計回りに回転移動するのに対して、第4指針11bは、反時計回りに回転移動する。一方、速度を下げる際、第3指針10bは、反時計回りに回転移動するのに対して、第4指針11bは、時計回りに回転移動する。これにより、車両の走行速度、並びに、エンジン(モータ)の回転速度(回転数)の視覚的な見せ方ないし見え方が相反する向きとなる。この結果、第3メータ10及び第4メータ11の表示形態が視認し易くなると同時に、双方のメータ10,11の表示内容が一見しただけで正確に把握し易くなる。
【0022】
なお、第1の表示形態において、第1メータ8(デジタル車速メータ)の下方側、例えば、第1メータ8を中心に時計回りで見て、6時前後の範囲(即ち、中心角が略270度前後の範囲)には、トランスミッションのレンジ表示領域12が設けられ、例えば、パーキング「P」、リバース「R」、ニュートラル「N」、ドライブ「D」が切替表示される。
【0023】
「第2の表示形態」
図1(b)に示すように、第2の表示形態では、上記した第1の表示形態とは異なるレイアウトに沿って、複数のメータ8,9,10,11が配置される。即ち、上記した第1メータ8(デジタル車速メータ)の周囲に沿って、複数のメータ(例えば、第2~第4メータ9,10,11)を、第1の表示形態とは異なる形態に変態させて表示させる。
【0024】
第2の表示形態において、第1メータ8(デジタル車速メータ)と、第2メータ9(アナログ平均距離メータ)は、それぞれ、第1の表示形態及び第2の表示形態の相互で同一の構成(見せ方、見え方)で表示される。ここで、双方の表示形態(図1(a),(b)参照)を比較すると、第1の表示形態から第2の表示形態へ遷移する際、例えば、予め設定された第1方向(即ち、表示パネル2の上下方向)に沿って、第1メータ8(デジタル車速メータ)を直線状に移動させた状態において、当該第1メータ8の移動前の表示領域K(換言すると、移動後の表示領域)内に、第2メータ9(燃料メータ)が表示される。これにより、第1メータ8を目で追う一連の過程において、その視界の範囲内に第2メータ9を出現させることが可能となる。これにより、表示形態の遷移に際し、必要な情報(例えば、第2メータ9)を見失うといった不具合を抑制することができる。
【0025】
この場合、第1及び第2メータ8,9以外の複数のメータ(例えば、上記した第3~第4メータ10,11)を、第1メータ8(デジタル車速メータ)を中心に分散させて表示させてもよいし、或いは、第1メータ8(デジタル車速メータ)の両側に、複数のメータ(例えば、第3~第4メータ10,11)を立体的な形態に変態させて表示させてもよい。
【0026】
ここでは一例として、第2の表示形態において、第1メータ8(デジタル車速メータ)の両側に、ドラム式の立体的なメータ(例えば、第3メータ10、第4メータ11)が配置(表示)される。この場合、各メータ10,11は、第1メータ8を中心に左右対称にレイアウトされる。別の捉え方をすると、第3メータ10と第4メータ11とは、第2メータ9を基準として、左右対称に配置(表示)される。換言すると、第3メータ10と第4メータ11との間に、第1メータ8及び第2メータ9が表示される。
【0027】
第2の表示形態に係る第3メータ10は、第1の表示形態(図1(a)参照)に係るアナログ車速メータを立体的な形態に変態させたものである。第3メータ10は、上記した第1メータの一方側(即ち、図中向かって右側)に配置(表示)され、第3メータ本体10aと、第3指針10bと、を有している。
【0028】
また、第2の表示形態に係る第4メータ11は、第1の表示形態(図1(a)参照)に係るアナログ回転速度(回転数)メータを立体的な形態に変態させたものである。第4メータ11は、上記した第1メータの他方側(即ち、図中向かって左側)に配置(表示)され、第4メータ本体11aと、第4指針11bと、を有している。
【0029】
ところで、上記した第1の表示形態(図1(a)参照)では、第3メータ本体10a(第4メータ本体11a)を静止させつつ、その静止した第3メータ本体10a(第4メータ本体11a)に沿って第3指針10b(第4指針11b)が移動する。一方、第2の表示形態(図1(b)参照)では、第3指針10b(第4指針11b)を静止させつつ、その静止した第3指針10b(第4指針11b)に対して第3メータ本体10a(第4メータ本体11a)が回転することで、所定の速度(エンジン回転数)が表示される。このとき、表示パネル2の上下方向で見て、第3指針10bと第4指針11bとを、互いに対向させつつ、略同一の高さ位置に表示させる。
【0030】
この場合、第2の表示形態(図1(b)参照)において、第3及び第4メータ10,11(具体的には、第3メータ本体10a、第4メータ本体11a)は、第1メータ8の両側に立体的な形態を有して表示される。図面では一例として、第3メータ本体10a及び第4メータ本体11aは、上記した第1方向(即ち、表示パネル2の上下方向)に直交する方向に沿って延びる回転軸(図示しない)を中心に回転可能に表示される。
【0031】
更に、第2の表示形態において、第3メータ(第1指標器)10に対する第4メータ(第2指標器)11の相対位置が、第1の表示形態とは逆にして表示される。即ち、第1の表示形態(図1(a)参照)において、第4メータ11は、図中向かって第3メータ10の右方に表示される。逆に、第2の表示形態(図1(b)参照)においては、第4メータ11は、図中向かって第3メータ10の左方に表示される。
【0032】
更に、第2の表示形態において、第3指針10b(第4指針11b)は、少なくとも、第3メータ本体10a(第4メータ本体11a)が立体的に表示された後に表示される。この場合、例えば、第3指針10b(第4指針11b)を、第1の表示形態から第2の表示形態に遷移させる全てのメータ(例えば、上記した第1~第4メータ8,9,10,11)が表示パネル2に表示された後に表示させてもよい。換言すると、第1の表示形態から第2の表示形態への遷移に際し、第3指針10b(第4指針11b)を最後に表示させてもよい。
【0033】
このように、第3メータ10(アナログ車速メータ)によれば、車両の走行速度が、連続的な変化量として表現される。また、第4メータ11(アナログ回転速度(回転数)メータ)によれば、車両走行時におけるエンジン(モータ)の回転速度(回転数)が、連続的な変化量として表現される。
【0034】
なお、上記した生成部4によって生成された複数パターンの表示形態(図1(a),(b)参照)は、その全てが記憶部5に記憶される。なお、記憶部5は、表示装置1に新たに増設してもよいし、制御ユニット3に内蔵されたROM(図示しない)を適用してもよい。
【0035】
そして、選択部6は、記憶部5に記憶された複数パターンの表示形態の中から表示パネル2に表示する表示形態を選択する。このとき、表示制御部7は、選択部6によって選択された表示形態(例えば、上記した第1の表示形態、第2の表示形態)を表示パネル2に表示する。同時に、表示制御部7は、当該表示パネル2に表示された第1の表示形態(図1(a)参照)を、第2の表示形態(図1(b)参照)に遷移させる。
【0036】
第1の表示形態を第2の表示形態に遷移させるタイミングとしては、例えば、ユーザ(運転者、乗員)のニーズや用途、或いは、乗車当日のユーザの気分や、車室(キャビン)内の明るさなどに応じて設定することができる。また、走行モードを、例えば、通常走行モードからスポーツ走行モードに切り替える際に、第1の表示形態を第2の表示形態に遷移させてもよい。
【0037】
「表示形態の遷移」
車両には、切替スイッチ13が設けられ、例えば、車両の停止時において、切替スイッチ13を操作する。切替スイッチ13から出力されたスイッチ情報は、表示装置1に設けられたスイッチ情報取得部14で取得される。このとき、表示制御部7(制御ユニット3)は、スイッチ情報に基づいて、表示パネル2の表示形態を切り替える。例えば、表示パネル2に表示された第1の表示形態(図1(a)参照)を、第2の表示形態(図1(b)参照)に遷移させる。
【0038】
かかる表示形態の遷移に際し、例えば、第1メータ8を常に表示させつつ直線状に移動させると共に、第2~第4メータ9,10,11を連続的に消散させる。ここで、第2~第4メータ9,10,11を連続的に消散させた後に、第1メータ8を直線状に移動させてもよい。これによれば、第1メータ8の移動が顕著に把握でき、第2の表示形態において、第1メータ8をユーザに対して強く認識させることが可能となる。
【0039】
第3メータ10(第3メータ本体10a、第3指針10b)、及び、第4メータ11(第4メータ本体11a、第4指針11b)については、例えば、第1メータ8の移動中に、第1メータ8の両側に立体的な形態に変態させて表示させてもよい。
このとき、各メータ本体10a,11a、及び、各指針10b,11bを略同時に表示させてもよい。また、各メータ本体10a,11aを表示させた後に、各指針10b,11bを略同時に表示させてもよい。同時に、上記した第2メータ9及び各指針10b,11bを略同時に表示させてもよいし、第2メータ9を表示させた後に、各指針10b,11bを第2メータ9の両側に略同時に表示させてもよい。
【0040】
更に、表示形態の遷移に際し、第1の表示形態(図1(a)参照)において、各指針10b,11bを一方側から他方側に向けて徐々に消散させると共に、第2の表示形態(図1(b)参照)において、各指針10b,11bを他方側から一方側に向けて徐々に出現させてもよい。このとき、表示パネル2の上下方向で見て、各指針10b,11bを、互いに対向させつつ略同一の高さ位置に表示させてもよい。
【0041】
加えて、表示形態の遷移に際し、第1の表示形態(図1(a)参照)と第2の表示形態(図1(b)参照)との間に中間表示形態(図3参照)を表示させてもよい。この場合、中間表示形態において、予め設定された演出表示を行ってもよい。
更に、図3では、第1の表示形態から第2の表示形態への遷移に際し、表示領域K(図1(a)参照)に表示されていた第1メータ8(図中点線で示す)が、矢印方向に直線状に移動した後、図中実線で表示される。そして、第1メータ8の移動後の表示領域Kに、上記した第2メータ9が表示されることになる(図1(a)参照)。
【0042】
なお、表示パネル2に複数のメータ8,9,10,11が表示されている状態において、車両に搭載されたECU15からは、例えば、車速、エンジン回転数などの車両情報が出力される。かかる車両情報は、表示装置1に設けられた車両情報取得部16で取得された後、表示制御部7(制御ユニット3)によって、各メータ8,9,10,11を介して視認可能に表示される。
【0043】
「一実施形態の効果」
本実施形態によれば、第1の表示形態から第2の表示形態への遷移に際し、第1メータ8を常に表示させつつ移動させると共に、第2メータ9及び第3メータ10を消散させ、第2の表示形態において、第2メータ9を第1メータ8の移動前の表示領域Kに表示させる。これにより、複数のメータの表示形態におけるレイアウトの自由度を高めつつ、表示形態の遷移に際し、第1メータ8を目で追う一連の過程において、その視界の範囲内に第2メータ9を出現させることができる。この結果、表示形態の遷移に際し、必要な情報(例えば、第2メータ9)を見失うといった不具合を抑制することができる。
【0044】
本実施形態によれば、第1の表示形態から第2の表示形態への遷移に際し、第2メータ8及び第3メータ9を連続的に消散させた後に、第1メータ8を直線状に移動させる。これにより、第1メータ8の移動が顕著に把握することができる。この結果、第2の表示形態におけて、第1メータ8をユーザに対して強く認識させることができる。
【0045】
本実施形態によれば、第1の表示形態から第2の表示形態への遷移に際し、第3指示部(第3指針10b)を、第3メータ本体10aが表示された後に表示させる。この場合、直線状に延びる当該指針10bが最後に表示される。これにより、ユーザに対し当該指針10bの鋭い印象が付与され、第1の表示形態から第2の表示形態への遷移の完了をユーザに強く植え付けることができる。
【0046】
本実施形態によれば、第2メータ9及び第3指針10bを略同時に表示させる。これにより、第1の表示形態から第2の表示形態への遷移に際し、ユーザに対して統一感及び一体感を与えることができる。
本実施形態によれば、第2の表示形態において、第2メータ9を基準として、第3メータ10と第4メータ11とを左右対称に配置させる。これにより、各メータ9,10,11の配置に関して均等感が生じ、その結果、意匠性を高めることができる。
【0047】
本実施形態によれば、車両のエンジン回転数を示す第4メータ11を、第3メータ10に隣接させて表示させる。これにより、これらの情報(例えば、エンジン回転数、走行速度)を得るうえで、ユーザの目線の移動を最小限に抑えることができる。
本実施形態によれば、第1の表示形態から第2の表示形態への遷移に際し、第4指針11bを、第4メータ本体11aが表示された後に表示させる。この場合、直線状に延びる当該指針11bが最後に表示される。これにより、ユーザに対し当該指針11bの鋭い印象が付与され、第1の表示形態から第2の表示形態への遷移の完了をユーザに強く植え付けることができる。
【0048】
本実施形態によれば、第1の表示形態から第2の表示形態への遷移に際し、第3指針10bと第4指針11bとを、第2メータ9の両側に略同時に表示させると共に、略同一の高さ位置させる。これにより、各指針10b,11bの配置に関して統一感が生じ、その結果、意匠性を高めることができる。
【0049】
更に、本実施形態によれば、表示パネル2に表示する複数のメータ8,9,10,11の表示形態について、そのレイアウトの自由度を高めることができる。これにより、第2の表示形態において、各メータ8,9,10,11を、第1の表示形態とは異なるレイアウトに沿って配置させることができる。
【0050】
加えて、本実施形態によれば、表示パネル2に表示する複数のメータ8,9,10,11の表示形態について、その視覚的な見せ方ないし見え方の多様性に優れた表示装置1を実現することができる。これにより、第2の表示形態において、各メータ8,9,10,11を、第1の表示形態とは異なる形態に変態させて表示させることができる。
【符号の説明】
【0051】
1…表示装置、2…表示パネル、3…制御ユニット、4…生成部、5…記憶部、
6…選択部、7…表示制御部、8…第1メータ、9…第2メータ、
10…第3メータ(第1指標器)、11…第4メータ(第2指標器)、12…レンジ領域、
13…切替スイッチ。
図1
図2
図3