(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-21
(45)【発行日】2022-11-30
(54)【発明の名称】撮影システム
(51)【国際特許分類】
H04N 5/232 20060101AFI20221122BHJP
G03B 17/53 20210101ALI20221122BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20221122BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20221122BHJP
G07F 17/26 20060101ALN20221122BHJP
【FI】
H04N5/232 290
G03B17/53
G06T1/00 340B
H04N5/222 500
H04N5/232 300
H04N5/232 930
G07F17/26
(21)【出願番号】P 2018227439
(22)【出願日】2018-12-04
【審査請求日】2021-10-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 賢人
【審査官】佐藤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-019271(JP,A)
【文献】特開2015-079362(JP,A)
【文献】特開2016-177015(JP,A)
【文献】特開2016-115992(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/232
G03B 17/53
G06T 1/00
H04N 5/222
G07F 17/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
背景および被撮影者を撮影し、少なくとも背景と、衣服と、
アクセサリと、人物画像とを含む撮影画像を生成する撮影装置と、
表示部と、
前記撮影装置および前記表示部に接続された制御部と、を備え、
前記制御部は前記撮影画像から前記背景および前記衣服を切り取って得られた
アクセサリおよび人物画像と、所望の背景画像および所望の衣服画像とをクロマキー合成して合成画像を作成する画像処理部と、
前記所望の背景画像および前記所望の衣服画像を選択して前記画像処理部へ送る画像選択部とを有し、
前記画像処理部で作成された合成画像を前記表示部に表示する、撮影システム。
【請求項2】
背景および被撮影者を撮影し、背景と、アクセサリと、
衣服と、人物画像とを含む撮影画像を生成する撮影装置と、
表示部と、
前記撮影装置および前記表示部に接続された制御部とを備え、
前記制御部は前記撮影画像から前記背景、および前記アクセサリを切り取って得られた
衣服および人物画像と、所望の背景画像および所望のアクセサリ画像とをクロマキー合成して合成画像を作成する画像処理部と、
前記所望の背景画像および前記所望のアクセサリ画像を選択して前記画像処理部へ送る画像選択部とを有し、
前記画像処理部で作成された合成画像を前記表示部に表示する、撮影システム。
【請求項3】
前記画像処理部で用いられる前記背景画像と前記衣服画像は同一パターンを含む、請求項1記載の撮影システム。
【請求項4】
前記画像処理部で用いられる前記人物画像および前記衣服画像と、前記背景画像との間に縁取り空間が形成されている、請求項
1又は3記載の撮影システム。
【請求項5】
前記画像処理部で用いられる前記人物画像および前記衣服画像と、前記背景画像との間に境界空間が形成されている、請求項
1又は3記載の撮影システム。
【請求項6】
前記画像処理部で用いられる前記アクセサリ画像は帽子、眼鏡、靴又は髪からなる、請求項2記載の撮影システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、被撮影者を撮影する撮影システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被撮影者を撮影する撮影システムが知られている。このような撮影システムは被撮影者が入る筐体を有し、この筐体内に撮影手段(カメラ)と投光部とが設置されている。
【0003】
従来の撮影システムでは、撮影者を撮影した後、撮影画像から背景を切り取って人物画像を得るとともに、所望の背景画像と人物画像をクロマキー合成して合成画像を作成している。
【0004】
このような場合、被撮影者としては所望の背景画像に加えて、所望の衣服画像あるいは所望のアクセサリ画像を用いて合成画像を作成したい要望があるが、未だこのような技術は開発されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-106736号公報
【文献】特開2013-207744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示はこのような点を考慮してなされたものであり、所望の背景画像に加えて、所望の衣服画像又は所望のアクセサリ画像を用いて合成画像を得ることができる撮影システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、背景および被撮影者を撮影し、少なくとも背景と、衣服と、人物画像とを含む撮影画像を生成する撮影装置と、表示部と、前記撮影装置および前記表示部に接続された制御部とを備え、前記制御部は前記撮影画像から前記背景および前記衣服を切り取って得られた人物画像と、所望の背景画像および所望の衣服画像とをクロマキー合成して合成画像を作成する画像処理部と、前記所望の背景画像および前記所望の衣服画像を選択して前記画像処理部へ送る画像選択部とを有し、前記画像処理部で作成された合成画像を前記表示部に表示する、撮影システムである。
【0008】
本開示は、背景および被撮影者を撮影し、背景と、アクセサリと、人物画像とを含む撮影画像を生成する撮影装置と、表示部と、前記撮影装置および前記表示部に接続された制御部とを備え、前記制御部は前記撮影画像から前記背景および前記アクセサリを切り取って得られた人物画像と、所望の背景画像および所望のアクセサリ画像とをクロマキー合成して合成画像を作成する画像処理部と、前記所望の背景画像および前記所望のアクセサリ画像を選択して前記画像処理部へ送る画像選択部とを有し、前記画像処理部で作成された合成画像を前記表示部に表示する、撮影システムである。
【0009】
本開示は、前記制御部は複数の背景画像および複数の衣服画像又は複数のアクセサリ画像を格納した記憶部を更に有し、前記表示部に表示された背景画像および衣服画像又はアクセサリ画像から所望の背景画像および衣服画像又はアクセサリ画像を選択する選択指示を受け付ける指示受付部を設けた、撮影システムである。
【0010】
本開示は、前記記憶部に、外部から前記所望の背景画像および前記所望の衣服画像又は前記所望のアクセサリ画像が送られる、撮影システムである。
【0011】
本開示は、前記画像処理部で用いられる前記背景画像と前記衣服画像は同一パターンを含む、撮影システムである。
【0012】
本開示は、前記画像処理部で用いられる前記人物画像および前記衣服画像と、前記背景画像との間に縁取り空間が形成されている、撮影システムである。
【0013】
本開示は、前記画像処理部で用いられる前記人物画像および前記衣服画像と、前記背景画像との間に境界空間が形成されている、撮影システムである。
【0014】
本開示は、前記画像処理部で用いられる前記アクセサリ画像は帽子、眼鏡、靴又は髪からなる、撮影システムである。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、所望の背景画像に加えて、所望の衣服画像又は所望のアクセサリ画像を用いて合成画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は本実施の形態による撮影システムの全体を示す図。
【
図2A】
図2Aは撮影システムの機能的構成を示すブロック図。
【
図3】
図3は筐体内の構成部材の配置状態を示す図。
【
図4】
図4は撮影システムの撮影作業を示すフローチャート。
【
図6A】
図6Aはクロマキー合成により得られた合成画像を示す図。
【
図6B】
図6Bはクロマキー合成により得られた合成画像を示す図。
【
図6C】
図6Cはクロマキー合成により得られた合成画像を示す図。
【
図6D】
図6Dはクロマキー合成により得られた合成画像を示す図。
【
図6E】
図6Eはクロマキー合成により得られた合成画像を示す図。
【
図6F】
図6Fはクロマキー合成により得られた合成画像を示す図。
【
図7】
図7は背景画像と人物画像と衣服画像をクロマキー合成するイメージ図。
【
図8A】
図8Aはクロマキー合成により得られた他の合成画像を示す図。
【
図8B】
図8Bはクロマキー合成により得られた他の合成画像を示す図。
【
図8C】
図8Cはクロマキー合成により得られた他の合成画像を示す図。
【
図8D】
図8Dはクロマキー合成により得られた他の合成画像を示す図。
【
図9】
図9はクロマキー合成により得られた写真印刷物を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<本実施の形態>
以下、図面を参照して本実施の形態について説明する。
図1乃至
図8は本開示による撮影システムの実施の形態を示す図である。
【0018】
まず
図1乃至
図3により本実施の形態による撮影システム10の概略について述べる。
【0019】
図1乃至
図3に示すように、撮影システム10は、底板21と、天板22と、側板23とを有する筐体20と、筐体20内を撮影空間20Aと収納空間20Bとに区画する区画壁20Cとを備え、筐体20の収納空間20B内の区画壁20C側にはカメラ12(撮影装置)および投光部34と、操作パネル15と、検知センサ13と、キャッシャー33とが設けられている。また底板21上に金属板からなる床面25が配置されている。ここで、筐体20は後述する被撮影者Pを囲うものであり、囲い体として機能する。囲い体としては、被撮影者Pを上下方向および側方全域から囲うものに限らず、前面および後面のみから被撮影者Pを囲うものであってもよい。さらにまた収納空間20B内のうち、区画壁20Cに対向する側板23側には、下方から上方へ向かって順次プリンタ17と制御部11とが配置されている。
【0020】
また底板21と床面25との間には図示しない防振装置が介在されている。
【0021】
また上記構成部材のうち、操作パネル15は、被撮影者Pがカメラ12に正対している場合、カメラ12で撮影された画像(撮影画像)、および後述するクロマキー合成画像、背景画像、および衣服画像および/又はアクセサリ画像等を被撮影者Pが確認するものであり、かつ操作パネル15は被撮影者Pが操作するためのパネルとなっている。
【0022】
上述のように筐体20の収納空間20B内の区画壁20C側には、カメラ12、投光部34、操作パネル15が設置され、撮影空間20A内のうち、区画壁20Cに対向する側板23側には、入手した画像から被撮影者の全身を切り抜くクロマキー処理用の緑色の背景板26が設けられている。このうち操作パネル15は各種画像を表示する表示部15Aと、所望画像を選択する指示受付部15Bとを有し、指示受付部15Bは入力機能をもつ部位となっている。
【0023】
また筐体20の収納空間20B内の区画壁20C側には、上述のように操作パネル15の下方に、検知センサ13と、キャッシャー33とが上方から下方に向かって順次配置されている。
【0024】
また筐体20の側板23の外面には、プリンタ17の取出口17aが設けられている。
【0025】
さらに筐体20の収納空間20B内には、制御部11およびプリンタ17に加えて、プリンタ17、I/O(Input/Output)ユニット31、およびスピーカ32が内蔵されている。
【0026】
なお、上述したカメラ12は被撮影者Pを撮影するためのカメラであり、筐体20内で被撮影者Pの静止画像、又は被撮影者Pの動画像を得るようになっている。
【0027】
次に制御部11について述べる。制御部11は、カメラ12、検知センサ13、操作パネル15、プリンタ17および後述するWiFiルータ18に接続されており、各部の制御やデータの受け渡しを行う。
【0028】
図2Bに、制御部11のハードウェア構成を示す。制御部11は、CPU(中央演算処理部)41と、メインメモリ42と、ディスク装置43と、入出力部44とを有する。制御部11の各部はバス45を介して接続されている。
【0029】
ディスク装置43は、CPU41により実行される画像処理プログラム及び人物画像に合成される背景画像、および衣服画像又はアクセサリ画像をデータベース(記憶部)47に格納する。またデータベース(記憶部)47には、撮影画像データ、色や模様の異なる複数の背景画像データ、および色や模様の異なる複数の衣服画像データおよび/又はアクセサリ画像データが記録されている。
【0030】
ディスク装置43は例えばハードディスクドライブである。なお、画像処理プログラムは、ディスク装置43でなく、ROMや磁気テープ(共に図示せず)に格納されていてもよい。
【0031】
CPU41は、ディスク装置43内の画像処理プログラムをメインメモリ42にロードして、画像処理プログラムを実行する。
【0032】
画像処理プログラムの実行に伴い、メインメモリ42上には、撮影画像データ、人物画像データ、背景画像データ、衣服画像データおよび/又はアクセサリ画像、合成画像データを格納する領域が確保される。
【0033】
図2Cは、CPU41が画像処理プログラムを実行することで実現される機能ブロック図である。画像処理プログラムを実行することにより、画像選択部48と、画像処理部50とが実現され、これら画像選択部48と画像処理部50とにより画像処理プログラムの実行により実現される画像処理プログラム実行部が形成される。
【0034】
画像選択部48は、データベース47内の背景画像データ、衣服画像および又はアクセサリ画像をディスク装置43から選択して取り出し、背景画像候補データ、衣服画像候補データおよび又はアクセサリ画像候補データとして操作パネル15の表示部15Aへ出力する。また、画像選択部48は、操作パネル15の指示受付部15Bを介して被撮影者Pから背景画像、および衣服画像および又はアクセサリ画像の選択指示を受け付けると、選択された背景画像データ、衣服画像データおよび又はアクセサリ画像データを画像処理部50に渡す。
【0035】
画像処理部50は、クロマキー合成による処理を用いて、カメラ12により生成された撮影画像1内の人物画像2と、画像選択部48から受け取った背景画像3A、衣服画像4Aおよび又はアクセサリ画像6Aとを合成して、合成画像5を作成する(
図5A~
図5C参照)。具体的には、画像処理部50は、撮影画像1内の人物と背景色(壁紙色)との色差を判別し、人物画像2と背景3と衣服4および又はアクセサリ6を有する撮影画像1から背景3および衣服4および又はアクセサリ6を除去し、人物画像2を切り抜く。ここで判別される色差とは、色相差、彩度差、又は色相差及び彩度差の組み合わせである。そして、画像処理部50は、画像選択部48から受け取った背景画像3A、および衣服画像4Aおよび又はアクセサリ画像6Aと、切り抜いた人物画像2とを重ね合わせることで、クロマキー合成を行ってクロマキー合成画像5を作成する。
【0036】
このようにして作成された合成画像5は操作パネル15の表示部15Aに表示される。
【0037】
ここで撮影画像1中のアクセサリ6とは、例えば被撮影者が身に付ける帽子、眼鏡、靴又は髪等からなる。このようなアクセサリからなる所望のアクセサリ画像6Aを所望の背景画像3Aおよび所望の衣服画像4Aとともに、人物画像2に重ね合わせることにより、クロマキー合成を実行することができる。
【0038】
なお、クロマキー合成を実行する場合、(i)人物画像2に対して所望の背景画像3Aおよび所望の衣服画像4Aのみを重ね合わせて、アクセサリ画像を除いてもよく、(ii)人物画像2に対して所望の背景画像3A、所望の衣服画像4Aおよびアクセサリ画像6Aを重ね合わせてもよく、(iii)人物画像2に対して所望の背景画像3Aと所望のアクセサリ画像6Aのみを重ね合わせて衣服画像4Aを除いてもよい。
【0039】
制御部11はこのような構成からなり、後述するカメラ12により撮影された画像により、制御部11は一ショット毎の画像ショットを生成する。
【0040】
カメラ12は、光学レンズ、CCD(Charge Coupled Device)等の光学センサ、A/D(Analog/Digital)変換部等から構成され、撮影時には光学レンズを介して入力される被写体像を光学センサにより光電変換して画像信号(アナログ)を生成する。そして、A/D変換部によりアナログ画像信号からデジタル画像データを得て、当該デジタル画像データを制御部11に出力する。
【0041】
検知センサ13は、撮影システム10の撮影空間10A内に被撮影者Pが入室したことを検知する光学センサ等であり、その検知信号を制御部11に出力する。
【0042】
操作パネル15は、上述のように表示部15Aと指示受付部15Bとを有するタッチパネルからなるが、写真種類を選択するための写真種選択スイッチ(以下、SW)、撮影開始を指示するための撮影SW、撮影画像のプリント出力を指示するためのプリントSW等の各種機能キーを別個に設けて、操作されたキーに対応する操作信号を制御部11に出力してもよい。
【0043】
また操作パネル15がタッチパネルからなる場合、LCD(Liquid Crystal Display)等を有し、制御部11からの制御信号に従って、撮影手順を説明するガイド画面、写真種類を選択するための選択画面等の各種操作画面を表示部15Aに表示する。また操作パネル15は被撮影者Pがカメラ12に正対している場合、カメラ12により撮影された被撮影者Pの顔画像等を表示する。さらに被撮影者Pは操作パネル15の指示受付部15Bに対して所望の指示を入力することができる。
【0044】
プリンタ17は、制御部11から入力された画像データに基づいてプリント出力を行う。プリンタ17のプリント方式としては、色材を昇華、転移させて画像を形成する昇華型転写方式が適用されている。しかしながら、記録媒体と受像材料とを重ね合わせて熱を加えることによって記録媒体の記録層を受像材料の受像層に転移させて画像を形成する溶融転写記録方式を適用することとしてもよいし、電子写真方式、インクジェット方式やその他のプリント方式であってもよい。また、銀塩写真像を形成するものであってもよい。
【0045】
I/Oユニット31は、制御部11と、スピーカ32、キャッシャー33、投光部34との間で情報のやり取りを仲介するインターフェイスであり、制御部11からの制御信号をスピーカ32、キャッシャー33、投光部34に送信するとともに、スピーカ32、キャッシャー33、投光部34からの信号等を制御部11に出力する。
【0046】
スピーカ32は、I/Oユニット31を介して制御部11から入力されるガイド用アナウンスの音声信号を出力する。
【0047】
キャッシャー33は、硬貨や紙幣の入金口、釣銭の返金口等を備えた金銭登録機である。キャッシャー33は、入金口から入金された金額を検出して釣銭の金額を算出し、算出された釣銭金額分の硬貨又は紙幣を返金口に排出して料金精算を行う。
【0048】
投光部34は、制御部11から指示された発光タイミング、発光量で発光を行う。
【0049】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について
図4により説明する。
【0050】
まず被撮影者Pが筐体20内に入ると、検知センサ13により被撮影者Pが検出される。このとき、操作パネル15の表示部15A上にガイダンスが表示される。同時にスピーカ32から撮影ガイドに係るアナウンス音声が出力される。
【0051】
次いで、キャッシャー33へ、料金が投入され、キャッシャー33において入金された金額のチェックが行われ、操作パネル15の表示部15A上に操作画面が表示される。
【0052】
以下、
図4に示すように、操作パネル15に表示されたガイダンスに沿って撮影作業が行なわれる。
【0053】
まず
図4に示すように、撮影システムの作用が開始し、カメラ12を通して被撮影者Pが撮影されて、撮影画像1が得られる(
図5A参照)。
【0054】
その後、操作パネル15の表示部15A上に撮影画像1のプレビュー画面が現れ、制御部11において、撮影画像1から合成画像5が生成される。
【0055】
次に撮影システム10により合成画像5を作成する作用の詳細を述べる。
【0056】
カメラ12により被撮影者Pを撮影することにより得られた撮影画像1は、人物画像2と背景3と、衣服4および又はアクセサリ6とを含む(
図5A参照)。撮影画像1のデータはカメラ12から制御部11へ送られ、制御部11のデータベース47に格納される。次にデータベース47内の撮影画像1が制御部11から操作パネル15へ送られて操作パネル15の表示部15Aに表示される。
【0057】
この場合、操作パネル15の表示部15Aには複数の撮影画像1のプレビュー画面が表示される。
【0058】
次に被撮影者Pは操作パネル15の表示部15A上の複数の撮影画像1の中から所望の撮影画像1を選択する。この場合、被撮影者Pが所望の撮影画像1上をタッチすると、このユーザPの指示は操作パネル15の指示受付部15Bに受け付けられる。
【0059】
なお被撮影者Pは操作パネル15の表示部15A上の撮影画像1中に所望の撮影画像1がない場合、カメラ12により再度撮影して、上述の手順を繰り返す。
【0060】
次に被撮影者Pは所望の撮影画像1を決定した後、撮影画像1に対してクロマキー合成を行う。具体的にはまず操作パネル15の表示部15A上に背景画像候補、および衣服画像候補および又はアクセサリ画像候補が表示され、被撮影者Pはこの背景画像候補、および衣服画像候補および又はアクセサリ画像候補の中から所望の背景画像3A、および衣服画像4Aおよび又はアクセサリ画像6Aを選択する。
【0061】
この場合、ユーザPは操作パネル15上の背景画像候補、および衣服画像候補および又はアクセサリ画像候補の中から所望の背景画像3A、および衣服画像4Aおよび又はアクセサリ画像6Aをタッチする。このことにより被撮影者Pからの背景画像3A、および衣服画像4Aおよび又はアクセサリ画像6Aを選択する旨の指示が操作パネル15の指示受付部15Bにより受け付けられる。
【0062】
なお、上述のように、本実施の形態において、人物画像2に対して背景画像3A、衣服画像4Aおよびアクセサリ画像6Aの3つの画像を重ね合わせてクロマキー合成を行ってもよい。この場合、被撮影者Pは背景画像3Aと、衣服画像4Aと、アクセサリ画像6Aを選択する必要がある。人物画像2に対して背景画像3Aと衣服画像4Aのみを重ね合わせてクロマキー合成を行ってもよく、この場合は、被撮影者Pは背景画像3Aと、衣服画像4Aのみを選択する。また人物画像2に対して背景画像3Aとアクセサリ画像6Aのみを重ね合わせてクロマキー合成を行う場合は、背景画像3Aとアクセサリ画像6Aを選択する。
【0063】
ところで上述のように、被撮影者Pの撮影画像1、人物画像2、背景画像候補、衣服画像候補、アクセサリ画像候補の各画像データが制御部11のデータベース47内に格納されている。このうち、背景画像候補、衣服画像候補およびアクセサリ画像候補の各画像データを複数予め制御部11のデータベース47内に格納しておいても良い。他方、カメラの撮影開始前に被撮影者Pが自分で使用したいと考える複数の背景画像候補、衣服画像候補および又はアクセサリ画像候補の各画像データを、例えば画像情報入力部35に自らの携帯端末を接続してI/Oユニット31を介して制御部11に送ってデータベース47に格納しておいてもよい。この場合、被撮影者Pは複数の背景画像候補、衣服画像候補および又はアクセサリ画像候補の各画像データを画像情報入力部35にUSBメモリ等の記録媒体を差し込んで制御部11に送りデータベース47に格納しておいてもよく、被撮影者Pは複数の背景画像候補、衣服画像候補および又はアクセサリ画像候補の各画像データを自らの携帯端末からWiFiルータ18を介して制御部11のデータベース47に格納しておいてもよい。
【0064】
被撮影者Pが操作パネル15をタッチして指示受付部3Bから所望の背景画像3A、衣服画像4Aおよび又はアクセサリ画像6Aを選択すると、制御部11の画像選択部48が、データベース47から背景画像データ、衣服画像データおよび又はアクセサリ画像データを取り出す。次に、画像処理部50はクロマキー合成による処理を用いて、人物画像2と背景3と衣服4および又はアクセサリ6とを含む撮影画像1から背景3と、衣服4および又はアクセサリ6を除去して人物画像2を切り抜く(
図5B参照)。次にこの人物画像2と、選択された背景画像3A、および衣服画像4Aおよび又はアクセサリ画像6Aとをクロマキー合成して合成画像5を作成する(
図5C参照)。さらに、画像処理部50は、この合成画像データからプレビュー用画像データを作成する。ここで、合成画像に用いられる背景画像3A、および衣服画像4Aおよび又はアクセサリ画像6Aは、画像選択部48が取り出した任意の画像データとなる。
【0065】
ところで上述した
図5Bおよび
図5Cはクロマキー合成処理を示すイメージ図であるが、このうち、
図5Bにおいて、撮影画像1から切り抜かれた背景3aと、衣服4aおよび又はアクセサリ6aの各部分が透過した状態で示されている。また
図5Cにおいて、人物画像2と、選択された背景画像3Aと、衣服画像4Aおよび又はアクセサリ画像6Aは互いに多層に重ね合わされた状態でクロマキー合成処理を受ける(
図7参照)。
【0066】
次に操作パネル15の表示部15Aが、画像処理部50で作成された合成画像5のプレビュー画面を表示する。
【0067】
被撮影者Pは、操作パネル15の表示部15Aに表示されている合成画像5を承諾する場合は、操作パネル15上の決定ボタンを押して指示受付部15Bにより、承諾の意思が入力される。他方、合成画像5を承諾しない場合は、操作パネル15の表示部15A上に背景画像候補、衣服画像候補および又はアクセサリ画像候補が再度表示されて、上述の手順が繰り返される。
【0068】
被撮影者Pが合成画像5に承諾すると、合成画像5に基づいてプリンタ17により写真印刷物Pが作製され、写真印刷物はプリンタ17の取出口17aから排出される(
図9参照)。あるいは、この画像ショットをWiFiルータ18およびネットワークを介して外部サーバ(図示せず)に送ってもよい。
図9において、写真印刷物Pには、人物画像2と、この人物画像2上に重ね合わされた背景画像3Aと、衣服画像4Aとを含むクロマキー合成画像5が印刷されている。
【0069】
以上のように本実施の形態によれば、所望の背景画像に加えて、衣服画像および又はアクセサリ画像を用いてクロマキー合成処理を行って、所望の合成画像を得ることができる。
【0070】
<クロマキー合成による合成画像の例>
次にクロマキー合成により得られた合成画像5の例を
図6A~
図6Fに示す。
【0071】
図6Aに示す合成画像5においては、人物画像2に対して、選択された背景画像3Aと衣服画像4Aが重ね合わされており、この場合、背景画像3Aと衣服画像4Aは同一の単一色からなる。
【0072】
図6Bに示す合成画像5においては、人物画像2に対して、選択された背景画像3Aと衣服画像4Aが重ね合わされており、この場合、背景画像3Aは単一色からなり、衣服画像4Aは花柄パターンを含む。
【0073】
図6Cに示す合成画像5においては、人物画像2に対して、選択された背景画像3Aと衣服画像4Aが重ね合わされており、この場合、背景画像3Aと衣服画像4Aは異なる色の単色からなる。
【0074】
図6Dに示す合成画像5においては、人物画像2に対して、選択された背景画像3Aと衣服画像4Aが重ね合わされており、この場合、背景画像3Aと衣服画像4Aは同一の風景パターンを含む。
【0075】
図6Eに示す合成画像5においては、人物画像2に対して、選択された背景画像3Aと衣服画像4Aが重ね合わされており、この場合、背景画像3Aは風景パターンを含み、衣服画像4Aは動物パターンを含む。
【0076】
図6Fに示す合成画像5においては、人物画像2に対して、選択された背景画像3Aと衣服画像4Aが重ね合わされており、この場合、背景画像3Aは風景パターンを含み衣服画像4Aは単一色を含む。
【0077】
次に
図8A~
図8Fによりクロマキー合成により得られた他の合成画像の例を示す。
【0078】
図8Aに示すように、合成画像5においては、人物画像2に対して、選択された背景画像3Aおよび衣服画像4Aが重ね合わされており、この場合、背景画像3Aと衣服画像4Aは同一の単一色からなる。
【0079】
また人物画像2および衣服画像4Aと、背景画像3Aとの間に縁取り空間8が形成されている。このように人物画像2および衣服画像4Aと、背景画像3Aとの間に縁取り空間8を形成することにより、合成画像5中において人物画像2および衣服画像4Aを浮き出させることができる。
【0080】
図8Bに示すように、合成画像5においては、人物画像2に対して、選択された背景画像3Aおよび衣服画像4Aが重ね合わされており、この場合背景画像3Aと衣服画像4Aは同一の単一色からなる。
【0081】
また人物画像2および衣服画像4Aと、背景画像3Aとの間に矩形状の境界空間9が形成されている。このように人物画像2および衣服画像4Aと、背景画像3Aとの間に境界空間9を形成することにより、合成画像5中において人物画像2および衣服画像4Aを浮き出させることができる。
【0082】
図8Cに示すように、合成画像5においては、人物画像2に対して、選択された背景画像3Aおよび衣服画像4Aが重ね合わされており、この場合、背景画像3Aと衣服画像4Aは同一の風景パターンを含む。
【0083】
また人物画像2および衣服画像4Aと、背景画像3Aとの間に縁取り空間8が形成されている。このように人物画像2および衣服画像4Aと、背景画像3Aとの間に縁取り空間8を形成することにより、合成画像5中において人物画像2および衣服画像4Aを浮き出させることができる。
【0084】
図8Dに示すように、合成画像5においては、人物画像2に対して、選択された背景画像3Aおよび衣服画像4Aが重ね合わされており、この場合、背景画像3Aと衣服画像4Aは同一の風景パターンを含む。
【0085】
また人物画像2および衣服画像4Aと、背景画像3Aとの間に矩形状の境界空間9が形成されている。このように人物画像2および衣服画像4Aと、背景画像3Aとの間に境界空間9を形成することにより、合成画像5中において人物画像2および衣服画像4Aを浮き出させることができる。
【符号の説明】
【0086】
1 撮影画像
2 人物画像
3 背景
3A 背景画像
4 衣服
4A 衣服画像
5 合成画像
6 アクセサリ
6A アクセサリ画像
8 縁取り空間
9 境界空間
10 撮影システム
11 制御部
12 カメラ
13 検知センサ
15 操作パネル
15A 表示部
15B 指示受付部
17 プリンタ
17a 取出口
20 筐体
21 底板
22 天板
23 側板
31 I/Oユニット
32 スピーカ
33 キャッシャー
34 投光部
41 CPU
42 メインメモリ
43 ディスク装置
44 入出力部
47 データベース(記憶部)
48 画像選択部
50 画像処理部